JP2934471B2 - 超微結晶磁性合金およびその製法 - Google Patents
超微結晶磁性合金およびその製法Info
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- JP2934471B2 JP2934471B2 JP2046620A JP4662090A JP2934471B2 JP 2934471 B2 JP2934471 B2 JP 2934471B2 JP 2046620 A JP2046620 A JP 2046620A JP 4662090 A JP4662090 A JP 4662090A JP 2934471 B2 JP2934471 B2 JP 2934471B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた磁気特性を有し、磁気特性の安定性
に優れた組織の大半が超微細な結晶粒からなる磁心部
品、特にトランス、チョークコイル等に好適な超微結晶
軟磁性合金に関する。
に優れた組織の大半が超微細な結晶粒からなる磁心部
品、特にトランス、チョークコイル等に好適な超微結晶
軟磁性合金に関する。
[従来の技術] 従来、チョークコイルを始めとする磁性部品に用いら
れる磁心材料としては渦電流損が小さく周波数特性が比
較的良好なフェライトや金属系の珪素鋼やアモルファス
合金等が主に用いられていた。
れる磁心材料としては渦電流損が小さく周波数特性が比
較的良好なフェライトや金属系の珪素鋼やアモルファス
合金等が主に用いられていた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、フェライトは飽和磁束密度が低く、透磁率の
周波数特性が高周波領域までフラットなものは透磁率が
低く、低周波領域で透磁率が高い材質は、比較的低い周
波数から透磁率が低下する問題がある。また、Fe−Si−
B系アモルファス合金や珪素鋼等のFe系の金属磁心材料
は耐蝕性が劣る問題や高周波磁気特性が十分でない問題
がある。Co基アモルファス合金の場合は経時変化が大き
く信頼性が低い問題がある。
周波数特性が高周波領域までフラットなものは透磁率が
低く、低周波領域で透磁率が高い材質は、比較的低い周
波数から透磁率が低下する問題がある。また、Fe−Si−
B系アモルファス合金や珪素鋼等のFe系の金属磁心材料
は耐蝕性が劣る問題や高周波磁気特性が十分でない問題
がある。Co基アモルファス合金の場合は経時変化が大き
く信頼性が低い問題がある。
[課題を解決するための手段] 上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等はCo−Fe
−B系の結晶質合金において比較的B量が多くかつNb,T
a,Zr,Hf等の遷移金属を含む合金が超微細な結晶粒組織
となり、高周波における優れた軟磁気特性と、優れた耐
熱性を示すことを見いだし本発明に想到した。
−B系の結晶質合金において比較的B量が多くかつNb,T
a,Zr,Hf等の遷移金属を含む合金が超微細な結晶粒組織
となり、高周波における優れた軟磁気特性と、優れた耐
熱性を示すことを見いだし本発明に想到した。
すなわち、本発明の超微結晶磁性合金は、 組成式: Co100-b-x-yFebMxBy(原子%)で表され、ここでMはT
i,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なくとも1
種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦15,10≦y≦25,12
≦x+y≦35の関係の組成を有する合金であって、かつ
組織の少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からな
ることを特徴とする。
i,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なくとも1
種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦15,10≦y≦25,12
≦x+y≦35の関係の組成を有する合金であって、かつ
組織の少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からな
ることを特徴とする。
本発明において、Bは必須の元素であり、結晶粒の微
細化および磁歪や結晶磁気異方性の調整に効果がある。
Mは必須の元素でありTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnか
ら選ばれる少なくとも1種の元素である。MはBとの複
合添加により、結晶粒を微細化する効果を有する。M量
x,B量y及びMとBの総和x+yをそれぞれ2≦x≦15,
10≦y≦25,12≦x+y≦35に限定したのは下限をはず
れると軟磁気特性が劣化したり耐熱性が悪くなり、上限
をはずれると飽和磁束密度の低下や軟磁気特性の劣化が
起こるためである。Fe量bは0≦b≦30が望ましく、こ
の範囲で比較的高い透磁率が得られる。特に好ましい範
囲は、5≦x≦15,10≦y≦20,12≦x+y≦30である。
細化および磁歪や結晶磁気異方性の調整に効果がある。
Mは必須の元素でありTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnか
ら選ばれる少なくとも1種の元素である。MはBとの複
合添加により、結晶粒を微細化する効果を有する。M量
x,B量y及びMとBの総和x+yをそれぞれ2≦x≦15,
10≦y≦25,12≦x+y≦35に限定したのは下限をはず
れると軟磁気特性が劣化したり耐熱性が悪くなり、上限
をはずれると飽和磁束密度の低下や軟磁気特性の劣化が
起こるためである。Fe量bは0≦b≦30が望ましく、こ
の範囲で比較的高い透磁率が得られる。特に好ましい範
囲は、5≦x≦15,10≦y≦20,12≦x+y≦30である。
この範囲で特に高周波軟磁気特性に優れかつ耐熱性に
優れた合金が得られる。
優れた合金が得られる。
本発明の合金はCo結晶性を主体とする合金でありこの
ほかにB化合物が形成していると考えられる。本発明合
金は通常非晶質合金を作製後これを熱処理し、結晶化す
ることにより製造される。熱処理条件により一部非晶質
相が残存している場合もあるが、100%結晶の場合も十
分優れた軟磁気特性を示す。本発明合金は500Å以下の
著しく微細な結晶粒組織を有しており、特に優れた軟磁
性は粒径が200Å以下の場合に得られる。本発明におい
てMとBは熱処理により超微細で均一に分散した化合物
を形成し、Co結晶粒の成長を抑える効果を有する。この
ため、結晶磁気異方性を見かけ上相殺し優れた軟磁気特
性が得られると考えられる。
ほかにB化合物が形成していると考えられる。本発明合
金は通常非晶質合金を作製後これを熱処理し、結晶化す
ることにより製造される。熱処理条件により一部非晶質
相が残存している場合もあるが、100%結晶の場合も十
分優れた軟磁気特性を示す。本発明合金は500Å以下の
著しく微細な結晶粒組織を有しており、特に優れた軟磁
性は粒径が200Å以下の場合に得られる。本発明におい
てMとBは熱処理により超微細で均一に分散した化合物
を形成し、Co結晶粒の成長を抑える効果を有する。この
ため、結晶磁気異方性を見かけ上相殺し優れた軟磁気特
性が得られると考えられる。
また、組成式: Co100-b-x-y-zFebMxByXz(原子%)で表され、ここで
MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なく
とも1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群から
選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦b≦30,2≦
x≦15,10≦y≦25,0<z≦10,12<x+y+z≦35の関
係の組成を有する合金であって、かつ組織の少なくとも
50%が粒径500Å以下の結晶粒からなることを特徴とす
る超微結晶磁性合金も前述の合金と同様な特性が得られ
磁心材に適している。ここで、Si,Ge,P,Ga,Al,Nからな
る群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、磁歪を
調整したり、結晶磁気異方性を調整する効果がある。M
量x、B量y、X量z、M量B量X量の総和x+y+z
をそれぞれ2≦x≦15,10≦y≦25,0<x≦10,12<x+
y+z≦35に限定したのは、上限をはずれると飽和磁束
密度の低下や軟磁気特性の劣化や耐熱性の劣化が起こ
り、X以外の元素は下限をはずれると軟磁気特性が劣化
するためである。特に好ましい範囲は5≦x≦15,10≦
y≦20,0<z≦10,12<x+y+z≦30であり、この範
囲で特に優れた軟磁性が得られる。
MはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なく
とも1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群から
選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦b≦30,2≦
x≦15,10≦y≦25,0<z≦10,12<x+y+z≦35の関
係の組成を有する合金であって、かつ組織の少なくとも
50%が粒径500Å以下の結晶粒からなることを特徴とす
る超微結晶磁性合金も前述の合金と同様な特性が得られ
磁心材に適している。ここで、Si,Ge,P,Ga,Al,Nからな
る群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、磁歪を
調整したり、結晶磁気異方性を調整する効果がある。M
量x、B量y、X量z、M量B量X量の総和x+y+z
をそれぞれ2≦x≦15,10≦y≦25,0<x≦10,12<x+
y+z≦35に限定したのは、上限をはずれると飽和磁束
密度の低下や軟磁気特性の劣化や耐熱性の劣化が起こ
り、X以外の元素は下限をはずれると軟磁気特性が劣化
するためである。特に好ましい範囲は5≦x≦15,10≦
y≦20,0<z≦10,12<x+y+z≦30であり、この範
囲で特に優れた軟磁性が得られる。
また、組成式: Co100-b-x-y-z-aFebMxByXzTa(原子%)で表され、こ
こでMはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少
なくとも1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群
から選ばれた少なくとも一種の元素、TはCu,Ag,Au,白
金族元素,Ni,Sn,Be,Mg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦1
5,10≦y≦25,0<z≦10,0<a≦10,12<x+y+z+
a≦35の関係の組成を有する合金であって、かつ組織の
少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からなる合金
も前述の合金と同様な特性が得られ磁心材に適してい
る。TはCu,Ag,Au,白金族元素,Ni,Sn,Be,Mg,Ca,Sr,Baか
らなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、耐
蝕性を改善したり、磁気特性を調整する効果を有する。
T量aは10原子%以下が望ましく10原子%以下が望まし
く10原子%を越えると著しい飽和磁束密度の低下を招
く。本発明の合金はCo結晶を主体とする合金であり、B
化合物が一部形成している場合が多い。
こでMはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少
なくとも1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群
から選ばれた少なくとも一種の元素、TはCu,Ag,Au,白
金族元素,Ni,Sn,Be,Mg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦1
5,10≦y≦25,0<z≦10,0<a≦10,12<x+y+z+
a≦35の関係の組成を有する合金であって、かつ組織の
少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からなる合金
も前述の合金と同様な特性が得られ磁心材に適してい
る。TはCu,Ag,Au,白金族元素,Ni,Sn,Be,Mg,Ca,Sr,Baか
らなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、耐
蝕性を改善したり、磁気特性を調整する効果を有する。
T量aは10原子%以下が望ましく10原子%以下が望まし
く10原子%を越えると著しい飽和磁束密度の低下を招
く。本発明の合金はCo結晶を主体とする合金であり、B
化合物が一部形成している場合が多い。
もう一つの本発明は、前記組成の非晶質合金を製造す
る工程と、これを加熱し熱処理を行い結晶化させ、組織
の少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からなる組
織とする工程からなることを特徴とする前記超微結晶磁
性合金の製造方法である。
る工程と、これを加熱し熱処理を行い結晶化させ、組織
の少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からなる組
織とする工程からなることを特徴とする前記超微結晶磁
性合金の製造方法である。
非晶質合金は通常、単ロール法、双ロール法、回転液
中紡糸法やアトマイズ法等の液体急冷法により製造す
る。この後不活性ガス、水素中あるいは真空中で熱処理
し結晶化させ、組織の少なくとも50%が粒径500Å以下
の結晶粒からなる組織とし前記合金を製造する。結晶化
の際B化合物が形成し組織の微細化がはかれる。形成す
るB化合物はM元素(Ti,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mn)
との化合物等であると考えられる。本発明に係わる熱処
理は通常450℃以上800℃以下であり、非常に高い温度で
熱処理可能である。また、本発明合金は磁場中で熱処理
し製造することも可能である。一定方向に磁場を印加し
た場合は、一軸の誘導磁気異方性を生じさせることがで
きる。また、回転磁場中熱処理を行うことにより更に軟
磁気特性を改善することができる。結晶化熱処理後に磁
場中熱処理することも可能である。また、ロール等の温
度を上げ冷却条件をコントロールすることによりアモル
ファス状態を経ず直接本発明合金を製造することもでき
る。
中紡糸法やアトマイズ法等の液体急冷法により製造す
る。この後不活性ガス、水素中あるいは真空中で熱処理
し結晶化させ、組織の少なくとも50%が粒径500Å以下
の結晶粒からなる組織とし前記合金を製造する。結晶化
の際B化合物が形成し組織の微細化がはかれる。形成す
るB化合物はM元素(Ti,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mn)
との化合物等であると考えられる。本発明に係わる熱処
理は通常450℃以上800℃以下であり、非常に高い温度で
熱処理可能である。また、本発明合金は磁場中で熱処理
し製造することも可能である。一定方向に磁場を印加し
た場合は、一軸の誘導磁気異方性を生じさせることがで
きる。また、回転磁場中熱処理を行うことにより更に軟
磁気特性を改善することができる。結晶化熱処理後に磁
場中熱処理することも可能である。また、ロール等の温
度を上げ冷却条件をコントロールすることによりアモル
ファス状態を経ず直接本発明合金を製造することもでき
る。
[実施例] 以下本発明を実施例にしたがって説明するが本発明は
これらに限定されるものではない。
これらに限定されるものではない。
実施例1 原子%でNb7%、B22%、残部実質的にCoからなる組成
の合金溶湯を単ロール法により急冷し、幅5mm厚さ12μ
mの非晶質合金薄帯を作製した。
の合金溶湯を単ロール法により急冷し、幅5mm厚さ12μ
mの非晶質合金薄帯を作製した。
熱処理前のX線回折パターンを第1図に示す。
アモルファス合金特有のハローパターンを示した。こ
の合金の結晶化温度は480℃であった。次にこの合金薄
帯を外径19mm、内径15mmに巻回しトロイダル磁心を作製
し、この磁心をArガス雰囲気中400℃から700℃の範囲で
1時間熱処理し結晶化させた。
の合金の結晶化温度は480℃であった。次にこの合金薄
帯を外径19mm、内径15mmに巻回しトロイダル磁心を作製
し、この磁心をArガス雰囲気中400℃から700℃の範囲で
1時間熱処理し結晶化させた。
700℃で熱処理した場合のX線回析パターンを第2図
に示す。700℃で熱処理後の合金はX線回折及び透過電
子顕微鏡による組織観察の結果平均粒径500Å以下のCo
およびB化合物からなる超微細結晶粒からなることが確
認された。
に示す。700℃で熱処理後の合金はX線回折及び透過電
子顕微鏡による組織観察の結果平均粒径500Å以下のCo
およびB化合物からなる超微細結晶粒からなることが確
認された。
第3図に1KHzにおける実効透磁率μeの熱処理温度依
存性、第4図に飽和磁歪λsの熱処理温度依存性を示
す。
存性、第4図に飽和磁歪λsの熱処理温度依存性を示
す。
これらの図より結晶化温度を越える高い熱処理温度に
おいても軟磁気特性が得られその値はアモルファス合金
に匹敵することがわかる。また飽和磁歪はアモルファス
状態の負の値から結晶化温度を越えると零を横切り700
℃では約+1×10-6程度の正の値を示す。結晶化した本
系合金は非常に低磁歪であることがわかる。次に400℃
で熱処理したアモルファス状態の合金からなる巻磁心と
700℃で熱処理した結晶質の合金からなる巻磁心を120℃
に1000時間保持し1KHzの実効透磁率μeを測定した。ア
モルファス状態の合金は初期の値の80%まで値が減少し
たのに対して本発明合金は97%の値であり経時変化が小
さいことが確認できた。
おいても軟磁気特性が得られその値はアモルファス合金
に匹敵することがわかる。また飽和磁歪はアモルファス
状態の負の値から結晶化温度を越えると零を横切り700
℃では約+1×10-6程度の正の値を示す。結晶化した本
系合金は非常に低磁歪であることがわかる。次に400℃
で熱処理したアモルファス状態の合金からなる巻磁心と
700℃で熱処理した結晶質の合金からなる巻磁心を120℃
に1000時間保持し1KHzの実効透磁率μeを測定した。ア
モルファス状態の合金は初期の値の80%まで値が減少し
たのに対して本発明合金は97%の値であり経時変化が小
さいことが確認できた。
実施例2 第1表に示す組成の幅5mm厚さ18μmの非晶質合金薄
帯を単ロール法により作製した。次にこの合金薄帯を外
径19mm、内径15mmに巻回しトロイダル磁心を作製した。
次にこの磁心をArガス雰囲気中で550℃〜800℃の範囲で
熱処理し結晶化させた。熱処理後の合金はX線回折及び
透過電子顕微鏡による組織観察の結果粒径500Å以下のC
oおよびB化合物からなる超微細結晶粒からなることが
確認された。
帯を単ロール法により作製した。次にこの合金薄帯を外
径19mm、内径15mmに巻回しトロイダル磁心を作製した。
次にこの磁心をArガス雰囲気中で550℃〜800℃の範囲で
熱処理し結晶化させた。熱処理後の合金はX線回折及び
透過電子顕微鏡による組織観察の結果粒径500Å以下のC
oおよびB化合物からなる超微細結晶粒からなることが
確認された。
透磁率が著しく高く、磁心損失が低く耐蝕性にも優れ
ているためトランス材、チョーク材等各種磁心材に最適
である。
ているためトランス材、チョーク材等各種磁心材に最適
である。
実施例3 原子%でNb7%、Ta2%、Fe5%、B23%、残部実質的に
Coからなる組成の合金溶湯を減圧したヘリウムガス雰囲
気中で単ロール法により急冷し、厚さ6μmの非晶質合
金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯表面に電気泳動法
によりMgO粉末を約0.5μmつけた後外径15mm内径13mmに
巻回しトロイダル磁心とした。次にこの磁心をアルゴン
ガス雰囲気中で薄帯幅方向に磁場を印加しながら磁場中
熱処理を行った。保持温度は700℃、磁場は4000 Oe冷却
は約5℃/minで行った。熱処理後の合金は結晶化してお
り、粒径500Å以下の超微細な結晶粒組織を有してい
た。
Coからなる組成の合金溶湯を減圧したヘリウムガス雰囲
気中で単ロール法により急冷し、厚さ6μmの非晶質合
金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯表面に電気泳動法
によりMgO粉末を約0.5μmつけた後外径15mm内径13mmに
巻回しトロイダル磁心とした。次にこの磁心をアルゴン
ガス雰囲気中で薄帯幅方向に磁場を印加しながら磁場中
熱処理を行った。保持温度は700℃、磁場は4000 Oe冷却
は約5℃/minで行った。熱処理後の合金は結晶化してお
り、粒径500Å以下の超微細な結晶粒組織を有してい
た。
第5図に熱処理後の本発明磁心の磁心損失の周波数依
存性を示す。比較のためフェライト磁心の磁心損失を示
す。
存性を示す。比較のためフェライト磁心の磁心損失を示
す。
本発明合金は低損失であり、高周波トランス等に有望
であることがわかる。
であることがわかる。
[発明の効果] 本発明によれば、高透磁率低損失で、耐蝕性に優れか
つ耐熱性経時安定性に優れた超微細結晶合金およびその
製造方法を提供できるためその効果は著しいものがあ
る。
つ耐熱性経時安定性に優れた超微細結晶合金およびその
製造方法を提供できるためその効果は著しいものがあ
る。
第1図は本発明合金の熱処理前のX線回折パターンを示
した図、第2図は700℃で熱処理した場合の本発明合金
のX線回折パターンを示した図、第3図は実効透磁率と
熱処理温度の関係を示した図、第4図は熱処理温度と飽
和磁歪の関係を示した図、第5図は本発明合金による磁
心の磁心損失を示した図である。
した図、第2図は700℃で熱処理した場合の本発明合金
のX線回折パターンを示した図、第3図は実効透磁率と
熱処理温度の関係を示した図、第4図は熱処理温度と飽
和磁歪の関係を示した図、第5図は本発明合金による磁
心の磁心損失を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 661 H01F 1/14 Z (56)参考文献 特開 平2−22445(JP,A) 特開 平2−80533(JP,A) 特開 平1−156451(JP,A) 特開 昭61−123119(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 45/04 C22C 19/00,19/07 H01F 1/14,1/16 C22F 1/10
Claims (11)
- 【請求項1】組成式: Co100-b-x-yFebMxBy(原子%)で表され、ここでMはT
i,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なくとも1
種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦15,10≦y≦25,12
≦x+y≦35の関係の組成を有する合金であって、かつ
組織の少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からな
ることを特徴とする超微結晶磁性合金。 - 【請求項2】組成式: Co100-b-x-y-zFebMxByXz(原子%)で表され、ここでM
はTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なくと
も1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群から選
ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦b≦30,2≦x
≦15,10≦y≦25,0<z≦10,12<x+y+z≦35の関係
の組成を有する合金であって、かつ組織の少なくとも50
%が粒径500Å以下の結晶粒からなることを特徴とする
超微結晶磁性合金。 - 【請求項3】組成式: Co100-b-x-y-z-aFebMxByXzTa(原子%)で表され、ここ
でMはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少な
くとも1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素、TはCu,Ag,Au,白金
族元素,Ni,Sn,Be,Mg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれた
少なくとも1種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦15,1
0≦y≦25,0<z≦10,0<a≦10,12<x+y+z+a≦
35の関係の組成を有する合金であって、かつ組織の少な
くとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からなり、組織に
B化合物を有することを特徴とする超微結晶磁性合金。 - 【請求項4】組織の残部が非晶質であることを特徴とす
る請求項1乃至3のいずれかに記載の超微結晶磁性合
金。 - 【請求項5】実質的に結晶相だけからなることを特徴と
する請求項1乃至3のいずれかに記載の超微結晶磁性合
金。 - 【請求項6】粒径200Å以下の結晶粒からなることを特
徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超微結晶磁
性合金。 - 【請求項7】組成式: Co100-b-x-yFebMxBy(原子%)で表され、ここでMはT
i,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なくとも1
種の元素であり、0≦b≦30,2≦x≦15,10≦y≦25,12
≦x+y≦35で表される組成を有する非晶質合金を製造
する工程と、これを加熱し熱処理を行い結晶化させ、組
織の少なくとも50%が粒径500Å以下の結晶粒からなる
組織とする工程とからなることを特徴とする超微結晶磁
性合金の製法。 - 【請求項8】組成式: Co100-b-x-y-zFebMxByXz(原子%)で表され、ここでM
はTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少なくと
も1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群から選
ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦b≦30,2≦x
≦15,10≦y≦25,0<z≦10,12<x+y+z≦35で表さ
れる組成を有する非晶質合金を製造する工程と、これを
加熱し熱処理を行い結晶化させ、組織の少なくとも50%
が粒径500Å以下の結晶粒からなる組織とする工程とか
らなることを特徴とする超微結晶磁性合金の製法。 - 【請求項9】組成式: Co100-b-x-y-z-aFebMxByXzTa(原子%)で表され、ここ
でMはTi,Zr,Hf,V,Nb,Mo,Ta,Cr,W,Mnから選ばれる少な
くとも1種の元素、XはSi,Ge,P,Ga,Al,Nからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素、TはCu,Ag,Au,白金
族元素,Ni,Sn,Be,Mg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれた
少なくとも1種であり、0≦b≦30,2≦x≦15,10≦y
≦25,0<z≦10,0<a≦10,12<x+y+z+a≦35で
表される組成を有する非晶質合金を製造する工程と、こ
れを加熱し熱処理を行い結晶化させ、組織の少なくとも
50%が粒径500Å以下の結晶粒からなりB化合物を有す
る組織とする工程とからなることを特徴とする超微結晶
磁性合金の製法。 - 【請求項10】非晶質合金を製造する工程が単ロール
法、回転液中紡糸法、アトマイズ法から選ばれる液体急
冷法であることを特徴とする請求項7ないし9のいずれ
かに記載の超微結晶磁性合金の製法。 - 【請求項11】熱処理を磁場中で行うことを特徴とする
請求項7ないし9のいずれかに記載の超微結晶磁性合金
の製法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2046620A JP2934471B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 超微結晶磁性合金およびその製法 |
EP90121983A EP0429022B1 (en) | 1989-11-17 | 1990-11-16 | Magnetic alloy with ulrafine crystal grains and method of producing same |
US07/614,487 US5151137A (en) | 1989-11-17 | 1990-11-16 | Soft magnetic alloy with ultrafine crystal grains and method of producing same |
DE69013642T DE69013642T2 (de) | 1989-11-17 | 1990-11-16 | Magnetlegierung mit ultrakleinen Kristallkörnern und Herstellungsverfahren. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2046620A JP2934471B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 超微結晶磁性合金およびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03249151A JPH03249151A (ja) | 1991-11-07 |
JP2934471B2 true JP2934471B2 (ja) | 1999-08-16 |
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CN102290184A (zh) * | 2011-04-29 | 2011-12-21 | 科瑞米特非晶电子(大连)有限公司 | 用于电子器件监视的磁声标识器的非晶软磁合金带及其检测方法 |
CN102373388A (zh) * | 2011-10-24 | 2012-03-14 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 具有超大过冷区间的钴铁基块体金属玻璃及其制备方法 |
-
1990
- 1990-02-27 JP JP2046620A patent/JP2934471B2/ja not_active Expired - Lifetime
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