JP2004265907A - 硬質磁性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】希土類元素としてNdを用いた場合でもThMn12相を容易に生成することのできる硬質磁性組成物を提供する。
【解決手段】一般式R(Fe100−y−wCowTiy)xSizAv(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその50モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、一般式のモル比が、x=10〜12.5、y=(8.3−1.7×z)〜12、z=0.2〜2.3、v=0.1〜3、w=0〜30であるとともに、(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足させることにより、ThMn12相の単相組織を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】一般式R(Fe100−y−wCowTiy)xSizAv(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその50モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、一般式のモル比が、x=10〜12.5、y=(8.3−1.7×z)〜12、z=0.2〜2.3、v=0.1〜3、w=0〜30であるとともに、(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足させることにより、ThMn12相の単相組織を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカやモータなど磁界を必要とする機器に用いられる希土類永久磁石材料として好適な硬質磁性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類磁石の中でもR−T−B系希土類永久磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であることから、スピーカやモータなどの電気機器各種用途に用いられている。
ところが、近年、電気機器の小型化の要求が一層高まってきており、新しい永久磁石材料の開発が進められている。そのなかで、体心正方晶もしくはThMn12型結晶構造を有する希土類−鉄系磁石材料が、例えば特開昭63−273303号公報、特開平5−65603号公報及び特開2000−114017号公報に報告されている。
特開昭63−273303号公報は、式RxTiyAzFeaCob(式中RはYを含む希土類元素、AはB、C、Al、Si、P、Ga、Ge、Sn、S、Nの各々1種以上であり、重量百分率でxは12〜30%、yは4〜10%、zは0.1〜8%、aは55〜85%、bは34%以下である)で示される希土類永久磁石を開示している。特開昭63−273303号公報において、A元素は、原子間に入りFe間距離を好ましい方向に変化させるものであることが述べられている。
【0003】
特開平5−65603号公報は、RをY,Th及びすべてのランタノイド元素からなる群の中から選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せ、XをN(窒素)もしくはB(硼素)もしくはC(炭素)又はこれらの元素の組合せとするとき、原子百分率で、R:3〜30%、X:0.3〜50%を含み、残部が実質的にFeから成り、主相が体心正方晶構造を有する鉄−希土類系永久磁石材料を開示している。特開平5−65603号公報は、Feの一部をM元素(Ti,Cr,V,Zr,Nb,Al,Mo,Mn,Hf,Ta,W,Mg,Si,Sn,Ge,Gaからなる群の中から選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せ)で置換することにより、原子百分率で、M:0.5〜30%を含むようにすることもさらに提案している。特開平5−65603号公報において、M元素は体心正方晶構造を生成する上で大きな効果を有する元素と位置付けている。
【0004】
また、特開2000−114017号公報は、一般式 (R1−u Mu )(Fe1−v−wCov Tw )x Ay (式中のR,M,T,Aは、それぞれR:Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素、M:Ti,Nbから選ばれる少なくとも1つの元素、T:Ni,Cu,Sn,V,Ta,Cr,Mo,W,Mnから選ばれる少なくとも1つの元素、A:Si,Ge,Al,Gaから選ばれる少なくとも1つの元素、であり、u,v,w,x及びyは、それぞれ0.1≦u≦0.7、0≦v≦0.8、0≦w≦0.1、5≦x≦12、0. 1≦y≦1.5、である、)にて表わされ、主たる硬磁性相がThMn12型結晶構造であることを特徴とする永久磁石材料を開示している。特開2000−114017号公報では、M元素でR元素を置換することによりThMn12型結晶構造を有する相(以下、ThMn12相ということがある)の安定化元素であるSi、Geなどの量を低減できることが述べられている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−273303号公報(特許請求の範囲、第3頁)
【特許文献2】
特開平5−65603号公報(特許請求の範囲、第4頁)
【特許文献3】
特開2000−114017号公報(特許請求の範囲、第5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
希土類永久磁石には、高特性であることが要求される一方、低コストであることも要求される。希土類永久磁石を構成する希土類元素の中で、NdはSmに比べて安価であることから、高価なSmと比べて安価なNdが希土類元素の主体をなすことが望ましい。ところが、Ndを用いるとThMn12相の生成が困難であり、その作製に多くの非磁性不純物、及び高温、長時間の熱処理を必要とする。また、多くの非磁性不純物を用いることから十分な特性を得ることができなかった。例えば、前述の特開平5−65603号公報においては900℃で7日間の焼鈍を施しており、また、特開2000−114017号公報においては一部の例外を除いて希土類元素としてSmのみを用いている。
そこで本発明は、希土類元素としてNdを用いた場合でもThMn12相を容易に生成することのできる硬質磁性組成物の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、R、Feに対し所定量のTi、Siを同時に添加することにより希土類元素としてNdを用いた場合においてもThMn12型結晶構造を有する相が容易に作製され、また得られた化合物にさらにN及び/又はCを添加することで永久磁石用の硬質磁性組成物として十分な特性が得られることを見出した。
【0008】
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、一般式R(Fe100−y−wCowTiy)xSizAv(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその50モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、前記一般式のモル比が、x=10〜12.5、y=(8.3−1.7×z)〜12、z=0.2〜2.3、v=0.1〜3、w=0〜30であるとともに、(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足することを特徴とする硬質磁性組成物である。
本発明による硬質磁性組成物は、以上の組成範囲を設定することにより、その組織を硬質磁性相であるThMn12相の単相とすることができる。
本発明の硬質磁性組成物は、前記Rの70モル%以上がNdである場合であっても、その組織をThMn12相の単相とすることができる。
【0009】
以上の本発明によれば、R−Ti−Fe−Si−A化合物又はR−Ti−Fe−Co−Si−A化合物(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその80モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、硬質磁性相の単相組織から構成され、飽和磁化(σs)が120emu/g以上、異方性磁界(HA)が30kOe以上である硬質磁性組成物が提供される。この硬質磁性組成物は、前記Rの80モル%以上をNdで占めるため、永久磁石を得る上で、コスト的な優位性を有している。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における各元素の限定理由を説明する。
<R(希土類元素)>
Rは高い磁気異方性を得るのに必須な元素である。硬質磁性相としてのThMn12相を生成するためにはSmを用いるのが有利であるが、本発明ではコスト的メリットを得るためにRの50モル%以上をNdで占めることとする。本発明はRの50モル%以上をNdで占めながらもThMn12相を容易に生成することを可能とする。ただし、NdのほかにYを含む希土類元素を含むことを本発明は許容する。その場合、Y,La,Ce,Pr,Smの1種又は2種以上をNdとともに含むことが好ましい。この中でPrはNdとほぼ同等の性質を示すことから、特性においてもNdと同等の値が得られるため特に好ましい。本発明によれば、Rに占めるNdの割合が70モル%以上、あるいは90モル%以上と高い場合であっても、硬質磁性相であるThMn12相からなる単相組織を得ることができる。後述する実施例に示すように、本発明によれば、RがNdのみ、つまりRの100%をNdが占める場合であっても、硬質磁性相であるThMn12相からなる単相組織を得ることができる。
【0011】
<Si>
SiはTiと同時にR(Nd),Feに対し添加させることにより、硬質磁性相としてのThMn12相の安定化に寄与する。このとき、SiはThMn12相の格子間に侵入して結晶格子を縮小させる効果を持つ。Siの量が0.2未満(モル比、以下同様)にするとMn2Th17型結晶構造を有する相(以下、Mn2Th17相)が析出し、2.3を超えるとα−Feが析出する傾向にある。したがって、本発明ではSiの量であるzを0.2〜2.3の範囲とすることを推奨する。望ましいSi量(z)は0.2〜2.0、さらに望ましいSi量(z)は0.2〜1.0である。なお、Siについては、Fe、Co、Ti、Rとの関係で(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足するように含まれることが望ましいが、この点については後述する。
【0012】
<Ti>
TiはFeを置換することによりThMn12相の生成に寄与する。この効果を十分に得るためには、Si量との関係でTi量(y)の下限を設定することが必要である。つまり、後述する実施例にて示すように、Ti量(y)が(8.3−1.7×z(Si量))未満になるとα−Fe及びMn2Th17相が析出する。また、Ti量(y)が12を超えると飽和磁化の減少が著しくなる。したがって本発明では、Ti量(y)を(8.3−1.7×z(Si量))〜12とする。望ましいTi量(y)は(8.3−1.7×z(Si量))〜10、さらに望ましいTi量(y)は(8.3−1.7×z(Si量))〜9である。
また、Fe量とTi量の和(x)が、10未満では飽和磁化及び異方性磁界がともに低く、また、12.5を超えるα−Feが析出する。したがって、本発明ではFe量とTi量の和(x)を10〜12.5とする。望ましいFe量とTi量の和(x)は11〜12.5である。
【0013】
<A(N(窒素)及びC(炭素)の1種又は2種)>
AはThMn12相の格子間に侵入することによってThMn12相の格子を拡大させ、磁気特性の改善に有効な元素である。しかし、A量(v)が3.0を超えるとα−Feの析出が見られる。また、0.1以下では磁気特性の改善効果を十分に得ることができない。したがって、本発明ではA量(v)を0.1〜3.0とする。望ましいA量(v)は0.3〜2.5、さらに望ましいA量(v)は1.0〜2.5である。
【0014】
<Fe、Fe−Co>
本発明による硬質磁性組成物は、上記元素以外を実質的にFeとするが、Feの一部をCoで置換することが有効である。後述する実施例で説明するように、Coを添加することにより、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)が増大する。Coの量は、30以下のモル比で添加するのが望ましく、5〜20の範囲とするのがより望ましい。なお、Coの添加は必須ではない。
【0015】
<(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12>
Fe、Co、Ti及びSiの個々の含有量は前述したとおりであるが、本発明の硬質磁性組成物をThMn12相単相組織とする上で、(Fe+Co+Ti+Si)/R>12の条件を満足することが重要である。後述する実施例で示すように、上記条件を満たさない場合には飽和磁化が低い。
【0016】
本発明による硬質磁性組成物の製造方法は公知の製造方法により得ることができる。特に、侵入型元素であるNについては、Nをもともと含む原料を用いることもできるが、N以外の元素を含む組成物を製造した後に、Nを含む気体又は液体中で処理(窒化)することによりNを侵入させることが望ましい。Nを侵入させることのできる気体としては、N2ガス、N2+H2混合ガス、NH3ガス、これらの混合ガスを用いることができる。窒化処理の温度は200〜1000℃、望ましくは350〜700℃とし、窒化処理時間は0.2〜200時間の範囲で適宜選択すればよい。また、Cを侵入させる処理(炭化処理)についても同様で、Cをもともと含む原料を用いることもできるし、C以外の元素を含む組成物を製造した後に、Cを含む気体又は液体中で加熱処理することもできる。あるいは、Cを含む固体とともに加熱処理することによりCを侵入させることもできる。Cを侵入させることのできる気体としてはCH4、C2H6等が掲げられる。また、Cを含む固体としては、カーボンブラックを用いることができる。これらによる炭化においても、窒化と同様の温度、処理時間の範囲内で適宜条件を設定することができる。
【0017】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
(第1実施例)
高純度のNd、Fe、Ti、Siメタルを原料に用い、合金組成としてNd−(Ti8.3Fe91.7)12−Sizの組成となるように、Ar雰囲気中でのアーク溶解法により試料を作製した。続いてこの合金をスタンプミルにて粉砕し目の開きが38μmのふるいを通した後に、430〜520℃の温度で100時間、窒素雰囲気中で保持する熱処理(窒化)を行った。熱処理後の各試料について、化学組成分析、構成される相の同定を行うとともに、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表1及び図3に示す。
【0018】
なお、構成される相の同定は、X線回折法及び熱磁気曲線の測定に基づいて行った。X線回折はCu管球を用い15kWの出力にて測定を行い、ThMn12相以外のピークの有無を確認した。ただし、Mn2Th17相のピークはThMn12相のピークとほぼ一致するためX線回折法のみで確認することが困難なこともあり、構成される相の同定に熱磁気曲線も用いる。また、熱磁気曲線は2kOeの磁場を印加して測定を行い、ThMn12相以外の相に対応するTc(キュリー温度)の発現有無を確認した。なお、本発明において、「ThMn12相の単相組織である」とは、以上のX線回折法によりThMn12相以外の相のピークが観察されず、かつ以上の熱磁気曲線の測定によりThMn12相以外の相に対応するTcが確認されないとともに、当該Tcよりも高温側で残存する磁化が0.05以下であることをいい、検出されない程度の不可避不純物及び未反応物等が含まれていてもかまわない。例えば、アーク溶解では溶解中の熱均一度が不十分であり、わずかな未反応相(例えばNd、α−Fe等)が残存することがあり、また試料ホルダーからのCu等が不可避不純物として含まれることがあるが、X線回折及び熱磁気曲線の測定にて検出されない限りこれを考慮しない。構成される相の同定に関する具体例を図1、図2に基づいて説明する。
【0019】
図1は、後述する実施例4、28及び比較例2のX線回折測定結果を示すチャートであるが、ThMn12相を示すピークのみが観察された。ただし、比較例2では、α−Feのピークを確認することができる。なお、上述したように、Mn2Th17相のピークはThMn12相のピークと重なっているため、このチャート上で両者の区別をすることができない。また、図2は実施例4、実施例28、比較例2及び比較例10の熱磁気曲線を示している。400℃近傍にThMn12相のTcが存在する。また、Mn2Th17相(2−17相)のTcは、図2に示すように、ThMn12相のTcより低温側に確認される(比較例10)。ここではThMn12相のTc以外のTcが確認されず、かつこのTcより高温側で残存する磁化が0.05以下であるときに単相と認定した。つまり、実施例4及び28は、ThMn12相のTc以外のTcが確認されず、かつこのTcより高温側で残存する磁化が0.05以下であるため、ThMn12相の単相組織と同定した。また、比較例2は、ThMn12相のTc以外のTcが確認されなかったが、このTcより高温側で残存する磁化が0.05を超えていることと図1より、ThMn12相の他にα−Feが析出しているものと同定する。さらに、比較例10は、Mn2Th17相のTcが確認され、かつThMn12相のTcより高温側で残存する磁化が0.05を超えていることから、ThMn12相の他にMn2Th17相及びα−Feが析出しているものと同定する。
以上のように、図1(X線回折)及び図2(熱磁気曲線)の両者において、相構成がThMn12相以外の相が確認されない場合に、本発明ではThMn12相の単相組織であると定義する。
【0020】
また、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)は、VSM(振動式磁力計)を用いて最大印加磁界20kOeで測定した磁化容易軸方向の磁化曲線及び磁化困難軸方向の磁化曲線に基づいて求めている。ただし、測定の便宜上、飽和磁化(σs)は磁化容易軸方向の磁化曲線上で最大の磁化の値とした。また、異方性磁界(HA)は、磁化困難軸方向の磁化曲線上の10kOeにおける接線が、飽和磁化(σs)の値と交差する磁界の値で定義した。
【0021】
【表1】
【0022】
表1及び図3に示すように、Siが添加されていない比較例1ではThMn12相(以下、1−12相)の他に、Mn2Th17相(以下、2−17相)及びα−Fe相が存在しており、特に異方性磁界(HA)が低い。これに対して、Siを添加した実施例1〜実施例5は、1−12相の単相になり1−12相が安定化することがわかる。そして、これら1−12相が単相の組成物は、130emu/g以上の飽和磁化(σs)、50kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる。しかし、Si量が2.5の比較例2ではα−Feが析出し、かつ特性が低下する。また、Fe+Ti量が10未満でかつSi量が2.5の比較例3は、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)ともに著しく低下する。なお、軟磁性であるα−Feが存在すると、その部分が低い磁界(減磁界)で逆磁区を発生させる。したがって、硬質磁性相成分の磁区の反転を容易に進める結果として保磁力が低くなるから、保磁力が要求される永久磁石にとってα−Feの存在は望ましくない。
実施例1〜5の範囲においては、Si量が多いほど異方性磁界(HA)が高く、逆にSi量が少ないほど飽和磁化(σs)が高くなる傾向にある。
【0023】
(第2実施例)
第1実施例と同様にしてNd−(Ti8.3Fe91.7)x−Siz−N1.5の組成となるように試料を作製して、化学組成の分析、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表2、図4及び図5に示す。
なお、第2実施例は、相構成、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)に対する、x(Fe量+Ti量)及びx+z(Fe量+Ti量+Si量)の影響を確認するために行った実験である。また、図4は実施例6〜8、比較例4〜7の結果を、また、図5は実施例9〜13、比較例8〜9の結果を示している。
【0024】
【表2】
【0025】
表2に示すように、xが10未満(比較例4、8)では飽和磁化(σs)が120emu/g未満であり、z(Si量)が1.1と低い比較例4では異方性磁界(HA)が30程度とともに低い。逆にxが12を超える(比較例7、9)とα−Feが析出してしまう。また、xが10〜12.5の範囲にあったとしても、x+zが12以下(比較例5、6)になると、飽和磁化(σs)が120emu/g未満、異方性磁界(HA)が30kOe程度とともに低い。
以上に対して、xが10〜12.5の範囲にあり、かつx+zが12を超えていると(実施例6〜実施例13)、120emu/g以上の飽和磁化(σs)、50kOe以上の異方性磁界(HA)の特性を有し、かつ1−12相単相組織を得ることができる。
【0026】
(第3実施例)
第1実施例と同様にしてNd−(TiyFe100−y)−Si1.0−N1.5、Nd−(TiyFe100−y)−Si1.5−N1.5、Nd−(TiyFe100−y)−Si2.0−N1.5の組成となるように試料を作製して、化学組成の分析、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表3及び図6〜8に示す。
なお、第3実施例は、相構成、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)に対する、y(Ti量)の影響を確認するために行った実験である。また、図6は実施例14〜16、比較例10〜12の結果を、図7は実施例17〜19、比較例13〜14、図8は実施例20〜23、比較例15の結果を示している。
【0027】
【表3】
【0028】
表3に示すように、z(Si量)が1.0、1.5及び2.0のいずれの場合においてもy(Ti量)が(8.3−1.7×z)未満であると、α−Fe、さらには2−17相が析出する(比較例10、11、13〜15)。一方、y(Ti量)が12.5と12を超えると飽和磁化(σs)が120emu/g未満と低下する。
以上に対して、y(Ti量)が(8.3−1.7×z)〜12の範囲にあると、1−12相単相、換言すれば硬質磁性相単相の組織となり、かつ130あるいは140emu/g以上の飽和磁化(σs)、50あるいは55kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる(実施例14〜23)。
【0029】
(第4実施例)
第1実施例と同様にしてNd−(Ti8.3Fe91.7)12−Si2.0−Nvの組成となるように試料を作製して、化学組成の分析、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表4及び図9に示す。
なお、第4実施例は、相構成、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)に対する、v(N量)の影響を確認するために行った実験である。
【0030】
【表4】
【0031】
表4に示すように、v(N量)が0では飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)ともに低い(比較例16)。一方、v(N量)が3.5と3を超えるとα−Feが析出する。
以上に対して、v(N量)が0.1〜3の範囲にあると、1−12相単相、換言すれば硬質磁性相単相の組織となり、かつ120emu/g以上の飽和磁化(σs)、30kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる(実施例24〜27)。飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)の観点からすると、v(N量)は、0.5〜2.7、さらには1.0〜2.5の範囲とすることが望ましい。
【0032】
(第5実施例)
第1実施例と同様にして表5に示す各試料を作製して、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表5に示す。
なお、第5実施例は、Nd−(Ti8.3Fe91.7−wCow)12−Siz−N1.5におけるw(Co量)依存性を確認するための実験である。
【0033】
【表5】
【0034】
表5に示すように、z(Si量)が0.25及び1.0のいずれの場合でも、w(Co量)を増やしていくと飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)が向上し、w(Co量)が20程度でその効果がピークとなることがわかる。したがって、Coが高価であることをも考慮すると、w(Co量)は30以下とすることが望ましく、10〜25の範囲とすることがより望ましい。また、この範囲のw(Co量)において、組織は1−12相の単相である。
【0035】
(第6実施例)
高純度のNd、Fe、Ti、Siメタルを、原料に用い、合金組成としてNd−(Ti8.3Fe91.7−wCow)12−Sizの組成となるように、Ar雰囲気中でのアーク溶解法により試料を作製した。続いてこの合金をスタンプミルにて粉砕し目の開きが38μmのふるいを通した後に、平均粒径1μm以下のC粉末と混合し、400〜600℃の温度で24時間、Ar雰囲気中で保持する熱処理を行った。熱処理後の各試料について、化学組成の分析、構成される相の同定を行うとともに、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表6に示す。
【0036】
【表6】
【0037】
表6に示すように、Nの代わりにCを添加することによっても、1−12相の単相組織を得ることができるとともに、120emu/g以上の飽和磁化(σs)、30kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる。このとき、CはNと同様の役割を果たしている。
また、Ndの1〜25%をPrで置換した場合においても実施例と同等の結果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、希土類元素としてNdを用いた場合でもThMn12相を容易に生成することのできる硬質磁性組成物が提供される。特に、本発明によれば、Ndが100%であってもThMn12相、換言すれば硬質磁性相の単相組織からなる硬質磁性組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例、比較例で得られた試料のX線回折の結果を示すチャートである。
【図2】本発明の実施例、比較例で得られた試料の熱磁気曲線である。
【図3】Si量と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図4】Fe量+Ti量(Si量:1)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図5】Fe量+Ti量(Si量:2)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図6】Ti量(Si量:1)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図7】Ti量(Si量:1.5)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図8】Ti量(Si量:2)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図9】N量と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカやモータなど磁界を必要とする機器に用いられる希土類永久磁石材料として好適な硬質磁性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類磁石の中でもR−T−B系希土類永久磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であることから、スピーカやモータなどの電気機器各種用途に用いられている。
ところが、近年、電気機器の小型化の要求が一層高まってきており、新しい永久磁石材料の開発が進められている。そのなかで、体心正方晶もしくはThMn12型結晶構造を有する希土類−鉄系磁石材料が、例えば特開昭63−273303号公報、特開平5−65603号公報及び特開2000−114017号公報に報告されている。
特開昭63−273303号公報は、式RxTiyAzFeaCob(式中RはYを含む希土類元素、AはB、C、Al、Si、P、Ga、Ge、Sn、S、Nの各々1種以上であり、重量百分率でxは12〜30%、yは4〜10%、zは0.1〜8%、aは55〜85%、bは34%以下である)で示される希土類永久磁石を開示している。特開昭63−273303号公報において、A元素は、原子間に入りFe間距離を好ましい方向に変化させるものであることが述べられている。
【0003】
特開平5−65603号公報は、RをY,Th及びすべてのランタノイド元素からなる群の中から選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せ、XをN(窒素)もしくはB(硼素)もしくはC(炭素)又はこれらの元素の組合せとするとき、原子百分率で、R:3〜30%、X:0.3〜50%を含み、残部が実質的にFeから成り、主相が体心正方晶構造を有する鉄−希土類系永久磁石材料を開示している。特開平5−65603号公報は、Feの一部をM元素(Ti,Cr,V,Zr,Nb,Al,Mo,Mn,Hf,Ta,W,Mg,Si,Sn,Ge,Gaからなる群の中から選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せ)で置換することにより、原子百分率で、M:0.5〜30%を含むようにすることもさらに提案している。特開平5−65603号公報において、M元素は体心正方晶構造を生成する上で大きな効果を有する元素と位置付けている。
【0004】
また、特開2000−114017号公報は、一般式 (R1−u Mu )(Fe1−v−wCov Tw )x Ay (式中のR,M,T,Aは、それぞれR:Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素、M:Ti,Nbから選ばれる少なくとも1つの元素、T:Ni,Cu,Sn,V,Ta,Cr,Mo,W,Mnから選ばれる少なくとも1つの元素、A:Si,Ge,Al,Gaから選ばれる少なくとも1つの元素、であり、u,v,w,x及びyは、それぞれ0.1≦u≦0.7、0≦v≦0.8、0≦w≦0.1、5≦x≦12、0. 1≦y≦1.5、である、)にて表わされ、主たる硬磁性相がThMn12型結晶構造であることを特徴とする永久磁石材料を開示している。特開2000−114017号公報では、M元素でR元素を置換することによりThMn12型結晶構造を有する相(以下、ThMn12相ということがある)の安定化元素であるSi、Geなどの量を低減できることが述べられている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−273303号公報(特許請求の範囲、第3頁)
【特許文献2】
特開平5−65603号公報(特許請求の範囲、第4頁)
【特許文献3】
特開2000−114017号公報(特許請求の範囲、第5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
希土類永久磁石には、高特性であることが要求される一方、低コストであることも要求される。希土類永久磁石を構成する希土類元素の中で、NdはSmに比べて安価であることから、高価なSmと比べて安価なNdが希土類元素の主体をなすことが望ましい。ところが、Ndを用いるとThMn12相の生成が困難であり、その作製に多くの非磁性不純物、及び高温、長時間の熱処理を必要とする。また、多くの非磁性不純物を用いることから十分な特性を得ることができなかった。例えば、前述の特開平5−65603号公報においては900℃で7日間の焼鈍を施しており、また、特開2000−114017号公報においては一部の例外を除いて希土類元素としてSmのみを用いている。
そこで本発明は、希土類元素としてNdを用いた場合でもThMn12相を容易に生成することのできる硬質磁性組成物の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、R、Feに対し所定量のTi、Siを同時に添加することにより希土類元素としてNdを用いた場合においてもThMn12型結晶構造を有する相が容易に作製され、また得られた化合物にさらにN及び/又はCを添加することで永久磁石用の硬質磁性組成物として十分な特性が得られることを見出した。
【0008】
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、一般式R(Fe100−y−wCowTiy)xSizAv(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその50モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、前記一般式のモル比が、x=10〜12.5、y=(8.3−1.7×z)〜12、z=0.2〜2.3、v=0.1〜3、w=0〜30であるとともに、(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足することを特徴とする硬質磁性組成物である。
本発明による硬質磁性組成物は、以上の組成範囲を設定することにより、その組織を硬質磁性相であるThMn12相の単相とすることができる。
本発明の硬質磁性組成物は、前記Rの70モル%以上がNdである場合であっても、その組織をThMn12相の単相とすることができる。
【0009】
以上の本発明によれば、R−Ti−Fe−Si−A化合物又はR−Ti−Fe−Co−Si−A化合物(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその80モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、硬質磁性相の単相組織から構成され、飽和磁化(σs)が120emu/g以上、異方性磁界(HA)が30kOe以上である硬質磁性組成物が提供される。この硬質磁性組成物は、前記Rの80モル%以上をNdで占めるため、永久磁石を得る上で、コスト的な優位性を有している。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における各元素の限定理由を説明する。
<R(希土類元素)>
Rは高い磁気異方性を得るのに必須な元素である。硬質磁性相としてのThMn12相を生成するためにはSmを用いるのが有利であるが、本発明ではコスト的メリットを得るためにRの50モル%以上をNdで占めることとする。本発明はRの50モル%以上をNdで占めながらもThMn12相を容易に生成することを可能とする。ただし、NdのほかにYを含む希土類元素を含むことを本発明は許容する。その場合、Y,La,Ce,Pr,Smの1種又は2種以上をNdとともに含むことが好ましい。この中でPrはNdとほぼ同等の性質を示すことから、特性においてもNdと同等の値が得られるため特に好ましい。本発明によれば、Rに占めるNdの割合が70モル%以上、あるいは90モル%以上と高い場合であっても、硬質磁性相であるThMn12相からなる単相組織を得ることができる。後述する実施例に示すように、本発明によれば、RがNdのみ、つまりRの100%をNdが占める場合であっても、硬質磁性相であるThMn12相からなる単相組織を得ることができる。
【0011】
<Si>
SiはTiと同時にR(Nd),Feに対し添加させることにより、硬質磁性相としてのThMn12相の安定化に寄与する。このとき、SiはThMn12相の格子間に侵入して結晶格子を縮小させる効果を持つ。Siの量が0.2未満(モル比、以下同様)にするとMn2Th17型結晶構造を有する相(以下、Mn2Th17相)が析出し、2.3を超えるとα−Feが析出する傾向にある。したがって、本発明ではSiの量であるzを0.2〜2.3の範囲とすることを推奨する。望ましいSi量(z)は0.2〜2.0、さらに望ましいSi量(z)は0.2〜1.0である。なお、Siについては、Fe、Co、Ti、Rとの関係で(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足するように含まれることが望ましいが、この点については後述する。
【0012】
<Ti>
TiはFeを置換することによりThMn12相の生成に寄与する。この効果を十分に得るためには、Si量との関係でTi量(y)の下限を設定することが必要である。つまり、後述する実施例にて示すように、Ti量(y)が(8.3−1.7×z(Si量))未満になるとα−Fe及びMn2Th17相が析出する。また、Ti量(y)が12を超えると飽和磁化の減少が著しくなる。したがって本発明では、Ti量(y)を(8.3−1.7×z(Si量))〜12とする。望ましいTi量(y)は(8.3−1.7×z(Si量))〜10、さらに望ましいTi量(y)は(8.3−1.7×z(Si量))〜9である。
また、Fe量とTi量の和(x)が、10未満では飽和磁化及び異方性磁界がともに低く、また、12.5を超えるα−Feが析出する。したがって、本発明ではFe量とTi量の和(x)を10〜12.5とする。望ましいFe量とTi量の和(x)は11〜12.5である。
【0013】
<A(N(窒素)及びC(炭素)の1種又は2種)>
AはThMn12相の格子間に侵入することによってThMn12相の格子を拡大させ、磁気特性の改善に有効な元素である。しかし、A量(v)が3.0を超えるとα−Feの析出が見られる。また、0.1以下では磁気特性の改善効果を十分に得ることができない。したがって、本発明ではA量(v)を0.1〜3.0とする。望ましいA量(v)は0.3〜2.5、さらに望ましいA量(v)は1.0〜2.5である。
【0014】
<Fe、Fe−Co>
本発明による硬質磁性組成物は、上記元素以外を実質的にFeとするが、Feの一部をCoで置換することが有効である。後述する実施例で説明するように、Coを添加することにより、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)が増大する。Coの量は、30以下のモル比で添加するのが望ましく、5〜20の範囲とするのがより望ましい。なお、Coの添加は必須ではない。
【0015】
<(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12>
Fe、Co、Ti及びSiの個々の含有量は前述したとおりであるが、本発明の硬質磁性組成物をThMn12相単相組織とする上で、(Fe+Co+Ti+Si)/R>12の条件を満足することが重要である。後述する実施例で示すように、上記条件を満たさない場合には飽和磁化が低い。
【0016】
本発明による硬質磁性組成物の製造方法は公知の製造方法により得ることができる。特に、侵入型元素であるNについては、Nをもともと含む原料を用いることもできるが、N以外の元素を含む組成物を製造した後に、Nを含む気体又は液体中で処理(窒化)することによりNを侵入させることが望ましい。Nを侵入させることのできる気体としては、N2ガス、N2+H2混合ガス、NH3ガス、これらの混合ガスを用いることができる。窒化処理の温度は200〜1000℃、望ましくは350〜700℃とし、窒化処理時間は0.2〜200時間の範囲で適宜選択すればよい。また、Cを侵入させる処理(炭化処理)についても同様で、Cをもともと含む原料を用いることもできるし、C以外の元素を含む組成物を製造した後に、Cを含む気体又は液体中で加熱処理することもできる。あるいは、Cを含む固体とともに加熱処理することによりCを侵入させることもできる。Cを侵入させることのできる気体としてはCH4、C2H6等が掲げられる。また、Cを含む固体としては、カーボンブラックを用いることができる。これらによる炭化においても、窒化と同様の温度、処理時間の範囲内で適宜条件を設定することができる。
【0017】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
(第1実施例)
高純度のNd、Fe、Ti、Siメタルを原料に用い、合金組成としてNd−(Ti8.3Fe91.7)12−Sizの組成となるように、Ar雰囲気中でのアーク溶解法により試料を作製した。続いてこの合金をスタンプミルにて粉砕し目の開きが38μmのふるいを通した後に、430〜520℃の温度で100時間、窒素雰囲気中で保持する熱処理(窒化)を行った。熱処理後の各試料について、化学組成分析、構成される相の同定を行うとともに、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表1及び図3に示す。
【0018】
なお、構成される相の同定は、X線回折法及び熱磁気曲線の測定に基づいて行った。X線回折はCu管球を用い15kWの出力にて測定を行い、ThMn12相以外のピークの有無を確認した。ただし、Mn2Th17相のピークはThMn12相のピークとほぼ一致するためX線回折法のみで確認することが困難なこともあり、構成される相の同定に熱磁気曲線も用いる。また、熱磁気曲線は2kOeの磁場を印加して測定を行い、ThMn12相以外の相に対応するTc(キュリー温度)の発現有無を確認した。なお、本発明において、「ThMn12相の単相組織である」とは、以上のX線回折法によりThMn12相以外の相のピークが観察されず、かつ以上の熱磁気曲線の測定によりThMn12相以外の相に対応するTcが確認されないとともに、当該Tcよりも高温側で残存する磁化が0.05以下であることをいい、検出されない程度の不可避不純物及び未反応物等が含まれていてもかまわない。例えば、アーク溶解では溶解中の熱均一度が不十分であり、わずかな未反応相(例えばNd、α−Fe等)が残存することがあり、また試料ホルダーからのCu等が不可避不純物として含まれることがあるが、X線回折及び熱磁気曲線の測定にて検出されない限りこれを考慮しない。構成される相の同定に関する具体例を図1、図2に基づいて説明する。
【0019】
図1は、後述する実施例4、28及び比較例2のX線回折測定結果を示すチャートであるが、ThMn12相を示すピークのみが観察された。ただし、比較例2では、α−Feのピークを確認することができる。なお、上述したように、Mn2Th17相のピークはThMn12相のピークと重なっているため、このチャート上で両者の区別をすることができない。また、図2は実施例4、実施例28、比較例2及び比較例10の熱磁気曲線を示している。400℃近傍にThMn12相のTcが存在する。また、Mn2Th17相(2−17相)のTcは、図2に示すように、ThMn12相のTcより低温側に確認される(比較例10)。ここではThMn12相のTc以外のTcが確認されず、かつこのTcより高温側で残存する磁化が0.05以下であるときに単相と認定した。つまり、実施例4及び28は、ThMn12相のTc以外のTcが確認されず、かつこのTcより高温側で残存する磁化が0.05以下であるため、ThMn12相の単相組織と同定した。また、比較例2は、ThMn12相のTc以外のTcが確認されなかったが、このTcより高温側で残存する磁化が0.05を超えていることと図1より、ThMn12相の他にα−Feが析出しているものと同定する。さらに、比較例10は、Mn2Th17相のTcが確認され、かつThMn12相のTcより高温側で残存する磁化が0.05を超えていることから、ThMn12相の他にMn2Th17相及びα−Feが析出しているものと同定する。
以上のように、図1(X線回折)及び図2(熱磁気曲線)の両者において、相構成がThMn12相以外の相が確認されない場合に、本発明ではThMn12相の単相組織であると定義する。
【0020】
また、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)は、VSM(振動式磁力計)を用いて最大印加磁界20kOeで測定した磁化容易軸方向の磁化曲線及び磁化困難軸方向の磁化曲線に基づいて求めている。ただし、測定の便宜上、飽和磁化(σs)は磁化容易軸方向の磁化曲線上で最大の磁化の値とした。また、異方性磁界(HA)は、磁化困難軸方向の磁化曲線上の10kOeにおける接線が、飽和磁化(σs)の値と交差する磁界の値で定義した。
【0021】
【表1】
【0022】
表1及び図3に示すように、Siが添加されていない比較例1ではThMn12相(以下、1−12相)の他に、Mn2Th17相(以下、2−17相)及びα−Fe相が存在しており、特に異方性磁界(HA)が低い。これに対して、Siを添加した実施例1〜実施例5は、1−12相の単相になり1−12相が安定化することがわかる。そして、これら1−12相が単相の組成物は、130emu/g以上の飽和磁化(σs)、50kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる。しかし、Si量が2.5の比較例2ではα−Feが析出し、かつ特性が低下する。また、Fe+Ti量が10未満でかつSi量が2.5の比較例3は、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)ともに著しく低下する。なお、軟磁性であるα−Feが存在すると、その部分が低い磁界(減磁界)で逆磁区を発生させる。したがって、硬質磁性相成分の磁区の反転を容易に進める結果として保磁力が低くなるから、保磁力が要求される永久磁石にとってα−Feの存在は望ましくない。
実施例1〜5の範囲においては、Si量が多いほど異方性磁界(HA)が高く、逆にSi量が少ないほど飽和磁化(σs)が高くなる傾向にある。
【0023】
(第2実施例)
第1実施例と同様にしてNd−(Ti8.3Fe91.7)x−Siz−N1.5の組成となるように試料を作製して、化学組成の分析、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表2、図4及び図5に示す。
なお、第2実施例は、相構成、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)に対する、x(Fe量+Ti量)及びx+z(Fe量+Ti量+Si量)の影響を確認するために行った実験である。また、図4は実施例6〜8、比較例4〜7の結果を、また、図5は実施例9〜13、比較例8〜9の結果を示している。
【0024】
【表2】
【0025】
表2に示すように、xが10未満(比較例4、8)では飽和磁化(σs)が120emu/g未満であり、z(Si量)が1.1と低い比較例4では異方性磁界(HA)が30程度とともに低い。逆にxが12を超える(比較例7、9)とα−Feが析出してしまう。また、xが10〜12.5の範囲にあったとしても、x+zが12以下(比較例5、6)になると、飽和磁化(σs)が120emu/g未満、異方性磁界(HA)が30kOe程度とともに低い。
以上に対して、xが10〜12.5の範囲にあり、かつx+zが12を超えていると(実施例6〜実施例13)、120emu/g以上の飽和磁化(σs)、50kOe以上の異方性磁界(HA)の特性を有し、かつ1−12相単相組織を得ることができる。
【0026】
(第3実施例)
第1実施例と同様にしてNd−(TiyFe100−y)−Si1.0−N1.5、Nd−(TiyFe100−y)−Si1.5−N1.5、Nd−(TiyFe100−y)−Si2.0−N1.5の組成となるように試料を作製して、化学組成の分析、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表3及び図6〜8に示す。
なお、第3実施例は、相構成、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)に対する、y(Ti量)の影響を確認するために行った実験である。また、図6は実施例14〜16、比較例10〜12の結果を、図7は実施例17〜19、比較例13〜14、図8は実施例20〜23、比較例15の結果を示している。
【0027】
【表3】
【0028】
表3に示すように、z(Si量)が1.0、1.5及び2.0のいずれの場合においてもy(Ti量)が(8.3−1.7×z)未満であると、α−Fe、さらには2−17相が析出する(比較例10、11、13〜15)。一方、y(Ti量)が12.5と12を超えると飽和磁化(σs)が120emu/g未満と低下する。
以上に対して、y(Ti量)が(8.3−1.7×z)〜12の範囲にあると、1−12相単相、換言すれば硬質磁性相単相の組織となり、かつ130あるいは140emu/g以上の飽和磁化(σs)、50あるいは55kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる(実施例14〜23)。
【0029】
(第4実施例)
第1実施例と同様にしてNd−(Ti8.3Fe91.7)12−Si2.0−Nvの組成となるように試料を作製して、化学組成の分析、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表4及び図9に示す。
なお、第4実施例は、相構成、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)に対する、v(N量)の影響を確認するために行った実験である。
【0030】
【表4】
【0031】
表4に示すように、v(N量)が0では飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)ともに低い(比較例16)。一方、v(N量)が3.5と3を超えるとα−Feが析出する。
以上に対して、v(N量)が0.1〜3の範囲にあると、1−12相単相、換言すれば硬質磁性相単相の組織となり、かつ120emu/g以上の飽和磁化(σs)、30kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる(実施例24〜27)。飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)の観点からすると、v(N量)は、0.5〜2.7、さらには1.0〜2.5の範囲とすることが望ましい。
【0032】
(第5実施例)
第1実施例と同様にして表5に示す各試料を作製して、構成される相の同定、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表5に示す。
なお、第5実施例は、Nd−(Ti8.3Fe91.7−wCow)12−Siz−N1.5におけるw(Co量)依存性を確認するための実験である。
【0033】
【表5】
【0034】
表5に示すように、z(Si量)が0.25及び1.0のいずれの場合でも、w(Co量)を増やしていくと飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)が向上し、w(Co量)が20程度でその効果がピークとなることがわかる。したがって、Coが高価であることをも考慮すると、w(Co量)は30以下とすることが望ましく、10〜25の範囲とすることがより望ましい。また、この範囲のw(Co量)において、組織は1−12相の単相である。
【0035】
(第6実施例)
高純度のNd、Fe、Ti、Siメタルを、原料に用い、合金組成としてNd−(Ti8.3Fe91.7−wCow)12−Sizの組成となるように、Ar雰囲気中でのアーク溶解法により試料を作製した。続いてこの合金をスタンプミルにて粉砕し目の開きが38μmのふるいを通した後に、平均粒径1μm以下のC粉末と混合し、400〜600℃の温度で24時間、Ar雰囲気中で保持する熱処理を行った。熱処理後の各試料について、化学組成の分析、構成される相の同定を行うとともに、飽和磁化(σs)及び異方性磁界(HA)の測定を行った。その結果を表6に示す。
【0036】
【表6】
【0037】
表6に示すように、Nの代わりにCを添加することによっても、1−12相の単相組織を得ることができるとともに、120emu/g以上の飽和磁化(σs)、30kOe以上の異方性磁界(HA)を得ることができる。このとき、CはNと同様の役割を果たしている。
また、Ndの1〜25%をPrで置換した場合においても実施例と同等の結果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、希土類元素としてNdを用いた場合でもThMn12相を容易に生成することのできる硬質磁性組成物が提供される。特に、本発明によれば、Ndが100%であってもThMn12相、換言すれば硬質磁性相の単相組織からなる硬質磁性組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例、比較例で得られた試料のX線回折の結果を示すチャートである。
【図2】本発明の実施例、比較例で得られた試料の熱磁気曲線である。
【図3】Si量と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図4】Fe量+Ti量(Si量:1)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図5】Fe量+Ti量(Si量:2)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図6】Ti量(Si量:1)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図7】Ti量(Si量:1.5)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図8】Ti量(Si量:2)と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
【図9】N量と飽和磁化(σs)、異方性磁界(HA)との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 一般式R(Fe100−y−wCowTiy)xSizAv(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその50モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、前記一般式のモル比が、x=10〜12.5、y=(8.3−1.7×z)〜12、z=0.2〜2.3、v=0.1〜3、w=0〜30であるとともに、(Feのモル比+Coのモル比+Tiのモル比+Siのモル比)/(Rのモル比)>12を満足することを特徴とする硬質磁性組成物。
- 前記硬質磁性組成物が、ThMn12型の結晶構造を有する相の単相組織から構成されることを特徴とする請求項1に記載の硬質磁性組成物。
- 前記Rの70モル%以上がNdであることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬質磁性組成物。
- R−Ti−Fe−Si−A化合物又はR−Ti−Fe−Co−Si−A化合物(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であるとともにその80モル%以上がNd、AはN及びCの1種又は2種)からなり、硬質磁性相の単相組織から構成され、飽和磁化(σs)が120emu/g以上、異方性磁界(HA)が30kOe以上であることを特徴とする硬質磁性組成物。
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