JPH1087406A - 農薬製剤包装体 - Google Patents

農薬製剤包装体

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JPH1087406A
JPH1087406A JP24387496A JP24387496A JPH1087406A JP H1087406 A JPH1087406 A JP H1087406A JP 24387496 A JP24387496 A JP 24387496A JP 24387496 A JP24387496 A JP 24387496A JP H1087406 A JPH1087406 A JP H1087406A
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film
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JP24387496A
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Anjiyou Kumazaki
安襄 熊崎
Taizo Hasegawa
泰造 長谷川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】包装体内部の空気が抜けやすく、かつ固形農薬
が外に漏れたり、包装体が破れたりしにくい固形農薬含
有包装体の提供。 【解決手段】水面投入時に空気と接する側面にシール部
分を有し、そのシール部分に切れ目を設けたことを特徴
とする固形農薬含有水溶性高分子フィルム製包装体。 【効果】本発明の包装体は、水面に投入すると、必ず切
れ目が入ったシール部分が空気と接し、切れ目から内部
の空気が抜け、フィルムがドーム状にならずに空気と接
している側面も水面に濡れる。その結果、フィルムは短
時間で溶解し、固形農薬が崩壊拡展するので、風により
吹き流されることによる効果の偏りがない。また、フィ
ルムに穴が開いている従来の包装体よりも、固形農薬が
漏れにくく、包装体が破れにくいという効果も有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形農薬を水田畦
畔からの投げ込みに適するように水溶性高分子フィルム
で包装した水面拡展性良好な農薬製剤包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農薬散布の省力化のために、水田
に入らずに、畔から投げ込むだけで水田全体の防除が可
能となる農薬製剤の開発が望まれている。このような目
的のために、固形農薬製剤を水で破袋分散又は溶解する
シートに包んだ農薬組成物が報告されている(特開平4
−226901)。しかし、実際にこのシートに包んだ
農薬組成物を水面に投入すると、袋内部に含まれる空気
や農薬活性成分の水中での拡散を良くするために含有さ
れている発泡剤による発泡のために袋が水面に浮き、水
と接していず、空気と接している側面の水溶性高分子フ
ィルムが水面より上に向かって膨れてドーム状となるた
めフィルムの溶解に時間がかかった。そして、溶解する
までの間に風によって投入地点から遠く離れた所へ移動
してしまうことが多く、場合によっては多数個が畦に吹
き寄せられることもあった。このため、水田全体への農
薬活性成分の均一な拡散が達成されにくいという欠点が
あった。又、袋内部の空気が抜けるように穴を開けた水
溶性高分子フィルムに固形農薬を包装した水田投げ込み
用農薬組成物が報告されている(特開平6−19200
4)。しかし、この水田投げ込み用農薬組成物では、穴
が大き過ぎると袋内部の固形農薬が漏れたり輸送中にそ
の部分から破袋したりする。一方穴が小さ過ぎると空気
が抜けにくく、また、水面に投入したときに穴が塞がっ
てしまって空気が抜けず目的を達成できない。さらに、
穴の数が多過ぎるとフィルムが破れやすくなり、少な過
ぎると空気が抜けにくくなる。したがって、この包装体
には、包装体内部の空気を抜くという目的を十分に達成
する適当な大きさおよび数の穴を開けるのが困難である
という欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況から、
包装体内部の空気が抜けやすく、かつ固形農薬が外に漏
れたり、包装体が破れたりしにくい水田投入用農薬製剤
包装体が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記した
状況に鑑み鋭意研究した結果、水面投入時に空気と接す
る側面にシール部分を設け、かつそのシール部分に切れ
目(隙間)を設けた固形農薬含有水溶性高分子フィルム
製包装体が、内部の空気が抜けやすく、かつ固形農薬が
外に漏れたり、包装体が破れたりしにくいことを知見し
た。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究し
た結果、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)水面投入時に
空気と接する側面にシール部分を有し、そのシール部分
に切れ目を設けたことを特徴とする固形農薬含有水溶性
高分子フィルム製包装体、(2)ガゼット袋、平袋また
はピラミッドパウチである上記(1)記載の包装体、
(3)固形農薬が、農薬活性成分、水面浮遊性増量剤お
よび界面張力低下能の大きい界面活性剤を含有する上記
(1)記載の包装体、および(4)固形農薬が、結合剤
を含有し、顆粒水和剤、粒剤または錠剤に成型されてい
る上記(1)記載の包装体に関する。
【0006】本発明の包装体は、 水面投入時に空気と接する側面にシール部分を必ず有
している、 そのシール部分に切れ目(隙間)を有している不完全
包装、 という構造上の特徴を併せ持っている。
【0007】本発明の包装体としては、水面投入時に空
気と接する側面にシール部分を有する図1ガゼット袋、
図2平袋、図3ピラミッドパウチ等が用いられる。これ
らのうち、ピラミッドパウチが好ましい。本発明の包装
体では、水面投入時に空気と接しないシール部分には特
に切れ目を有する必要はないが、すべてのシール部分に
切れ目を有している包装体の方が製造のしやすさおよび
効果の点で好ましい。すなわち、切れ目を有するシール
部分と切れ目を有しないシール部分とが混在している包
装体では、自動包装機でヒートシールを行う際、シール
部分に切れ目を有する場合と有しない場合とでシーラー
部分の加熱板を交換しなければならないので面倒である
が、すべてのシール部分に切れ目を有している包装体で
はそのような手間がない。また、水面投入時に空気と接
しない、すなわち、水面中にあるシール部分にも切れ目
を有している包装体の場合、その切れ目から包装体内部
に水が入り込むため、より速く固形農薬を溶解させるこ
とができる。したがって、図1、図2および図3で示し
たように、すべてのシール部分に切れ目を有している包
装体の方が好ましい(図1、2、3で示される包装体の
シール部分において、白い部分が切れ目であり、黒い部
分が包装(ヒートシール)されている部分である。)。
本発明の包装体は、切れ目が設けられたシール部分を有
する側面が水面投入時に必ず空気と接するように、ガゼ
ット袋および平袋の場合、両側面に、ピラミッドパウチ
の場合、一つの側面とその対面に切れ目が設けられたシ
ール部分を有している。すなわち、図1、2、3の斜視
図で説明すると、ガゼット袋および平袋の場合、裏側の
側面も表側の側面と同様にシール部分を有しており、ピ
ラミッドパウチの場合、シール部分を有している側面の
対面の側面も同様にシール部分を有している。シール部
分の幅は通常約1〜15mm、好ましくは約2〜8mm
である。また、シール部分の切れ目の長さは、包装体の
中に詰める固形農薬の種類や大きさによるが、固形農薬
が漏れない程度の長さであれば良く、通常約1〜5m
m、好ましくは約1〜2mmである。切れ目の数は通常
2〜10カ所/2cmであり、固形農薬が保持できる程
度に設ける。
【0008】本発明で用いられる水溶性高分子フィルム
の材質としては、ポリビニルアルコール(PVA、例、
ハイセロンC−200(日合フィルム(株)製))、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉、ゼラチン、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、
プルラン(例、でんぷん系多糖類(林原商事製))、パ
オゲン(例、熱可塑性水溶性ポリマー(第一工業製薬
(株)製))、ポリサッカライド(例、ソアフィル(三菱
レイヨン(株)製))、大豆蛋白(例、ソヤフィール
(不二製油(株)製))、NOVON(チッソ(株)
製)等のうちの一種あるいは複数種の混合物でも良く、
さらに木材パルプを混合したものでも良いが、水に対す
る溶解あるいは分散の速いフィルムを選ぶのが好まし
い。
【0009】本発明で用いられる固形農薬としては、固
体の農薬活性成分または液体の農薬活性成分を固形化し
たものを含有する固形の農薬製剤であれば何れのもので
も用いることができる。固形農薬として、好ましくは、
農薬活性成分、水面浮遊性増量剤および界面張力低下能
の大きい界面活性剤を含有するものが用いられる。本発
明で用いられる固形農薬に含有される農薬活性成分とし
ては、一般に農薬として用いられるものであれば何れの
ものでも用いることができ、たとえば、除草剤、殺虫
剤、殺菌剤、殺ダニ剤、植物生長調整剤、殺線虫剤、誘
引剤、忌避剤などが用いられる。とりわけ、水面施用に
おいて有効な除草剤、殺虫剤、殺菌剤が好適に用いられ
る。上述した農薬活性成分は、単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。農薬活性成分としては、
特に、水に難溶性でしかも土壌吸着が強く、水底に没し
て土壌表面で崩壊する粒剤等の製剤では、水中に十分分
散しないものが好ましい。例えば、下記に述べるシアノ
フェンホス、ピリダフェンホス、カルバリル、フプロフ
ェジン、ベンスルタップ、イソプロカルブ等の殺虫剤、
フサライド、モンガード、フェリムゾン、イプロジオ
ン、ペンシクロン、プロベナゾール等の殺菌剤、ピリブ
チカルブ、ブロモブチド、メフェナセット、カフェンス
トロール、イマゾスルフロン、ダイムロン、ピラゾレー
ト、ナプロアニリド、エトベンザニド、ベンスルフロン
-メチル、ベンゾフェナップ等の除草剤が好ましい。上
記した農薬活性成分はさらに、共力剤(例、ピペロニル
ブトキサイドなど)、色素(例、食用青色1号など)、
肥料(例、尿素など)などを適宜混合してもよい。ここ
で水面施用とは、水田などの水面に投入することを意味
し、農薬活性成分がその活性を示す場所は水表面及び水
中である。
【0010】水面施用において有効な除草剤としては、
たとえば、下記の(i)〜(xiv)などが用いられる。 (i)フェノキシ系除草剤、たとえば、2,4−D、MCP
A、MCPCA、MCPB、クロメプロップ(chlomepro
p)、ナプロアニリド(naproanilide)など (ii)ジフェニルエーテル系除草剤、たとえば、クロルニ
トロフェン(chlornitrofen)、クロメトキシニル(chlome
thoxynil)、ビフェノックス(bifenox)、シハロホップブ
チル(cyhalofop-butyl)など (iii)カルバメート系除草剤、たとえば、スエップ(swe
p)、チオベンカルブ(thiobencarb)、エスプロカルブ(es
procarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dim
epiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)など (iv)酸アミド系除草剤、たとえば、プロパニル(propani
l)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pret
ilachlor)、ブロモブチド(bromobutide)、メフェナセッ
ト(mefenacet)、エトベンザニド(etobenzanid)、テニル
クロール(thenylchlor)など (v)尿素系除草剤、たとえば、ダイムロン(dymron)など (vi)スルホニル尿素系除草剤、たとえば、ベンスルフロ
ン-メチル(bensulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(im
azosulfuron)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、ピ
ラゾスルフロン-エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、シノ
スルフロン(cinosulfuron)、アジムスルフロン(azimsul
furon)、サイクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、
エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)など (vii)トリアジン系除草剤、たとえば、シメトリン(sime
tryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dim
ethametryn)など (viii)ダイアジン系除草剤、たとえば、ベンタゾン(ben
tazone)など (ix)ダイアゾール系除草剤、たとえば、オキサジアゾン
(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシ
フェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)
など (x)ジニトロアニリン系除草剤、たとえば、トリフルラ
リン(trifluralin)など (xi)脂肪酸系除草剤、たとえば、ダラポン(dalapon)な
ど (xii)有機リン系除草剤、たとえば、ピペロホス(pipero
phos)など (xiii)ニトリル系除草剤、たとえば、クロルチアミド(c
hlorthiamid)など (xiv)その他の除草剤、たとえば、ジチオピル(dithiopy
r)、ペントキサゾン(pentoxazone)、カフェンストロー
ル(cafenstrole)、NBA061(日本バイエルアグロケ
ム(株)、試験番号)など
【0011】また、水面施用において有効な殺虫剤とし
ては、たとえば下記(i)〜(iv)などが用いられる。 (i)有機リン系殺虫剤、たとえば、フェンチオン(fenthi
on)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ピリミホス-メ
チル(pirimiphos-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、
キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathio
n)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、クロルピ
リホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、バミドチオン(v
amidothion)、マラチオン(malathion)、フェントエート
(phenthoate)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホト
ン(disulfoton)、モノクロトホス(monocrotophos)、テ
トラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェ
ンビンホス(chlorfenvinphos)、プロパホス(propapho
s)、アセフェート(acephate)、サリチオン(salithio
n)、トリクロルホン(trichlorphon)、EPN、ピラクロ
ホス(pyraclofos)など (ii)カルバメート系殺虫剤、たとえば、カルバリル(car
baryl)、メトルカルブ(metolcarb)、イソプロカルブ(is
oprocarb)(MIPC)、BPMC、プロポキスル(prop
oxur)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、カルボス
ルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracar
b)、メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)な
ど (iii)合成ピレスロイド系殺虫剤、たとえば、シクロプ
ロトリン(cycloprothrin)、エトフェンプロックス(eth
ofenprox)など (iv)その他の殺虫剤、たとえば、カルタップ(cartap)、
チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensulta
p)、ブプロフェジン(buprofezin)、カルボフラン(carbo
furan)、フラチオカルブ(furathiocarb)、シアノフェン
ホス(cyanofenphos)、ニテンピラム(nitenpyram)など
【0012】さらに、水面施用において有効な殺菌剤と
しては、たとえば下記(v)〜(xiii)などが用いられる。 (v)ポリハロアルキルチオ系殺菌剤、たとえば、キャプ
タン(captan)など (vi)有機塩素系殺菌剤、たとえば、TPN、フサライド
(fthalide)、モンガード(monguard)など (vii)有機リン系殺菌剤、たとえば、エジフェンホス(ed
ifenphos)、IBP(iprobenfos)など (viii)ベンゾイミダゾール系殺菌剤、たとえば、チオフ
ァネート-メチル(thiophanate-methyl)、ベノミル(beno
myl)など (ix)カルボキシアミド系殺菌剤、たとえば、メプロニル
(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、テクロフタラ
ム(tecloftalam)、ペンシクロン(pencycuron)など (x)アシルアラニン系殺菌剤、たとえば、メタラキシル
(metalaxyl)など (xi)N-ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤、たとえ
ば、トリフルミゾール(triflumizole)など (xii)抗生物質系殺菌剤、たとえば、カスガマイシン(ka
sugamycin)、バリダマイシンA(validamycin A)など (xiii)その他の殺菌剤、たとえば、プロベナゾール(pro
benazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリ
シクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilo
n)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリムゾン
(ferimzon)、イプロジオン(iprodione)などが用いられ
る。 殺ダニ剤としては、例えばクロルベンジレートなどが、
植物生長調整剤としては、例えばパクロブトラゾールな
どが、殺線虫剤としては、例えばベノミルなどが、誘引
剤としては、例えばオイゲノールなどが、忌避剤として
は、例えばクレオソートなどが用いられる。
【0013】本発明で用いられる農薬活性成分におい
て、たとえば上記の除草剤、具体的にはベンスルフロン
メチル、イマゾスルフロンなどのスルホニル尿素系除草
剤などを主薬として用いる場合は、たとえば水田雑草
(たとえば、タイヌビエ、タマガヤツリ、イヌホタル
イ、コナギ、ウリカワ、マツバイ、ミズガヤツリ、クロ
グワイ、ヘラオモダカ、オモダカ、タイワンヤマイ、ア
ゼナ、キカシグサ、ヒルムシロ、チョウジタデ、ミゾハ
コベなど)などを防除する場合に格別の効果を発揮す
る。上記の殺虫剤、具体的にはカルタップなどの殺虫剤
を農薬活性成分として用いる場合は、たとえばニカメイ
チュウなどを殺虫する場合に格別の効果を発揮する。ま
た、上記の殺菌剤、具体的にはIBP(iprobenfos)など
の有機リン系殺菌剤などを農薬活性成分として用いる場
合は、たとえばいもち病などに格別の効果を発揮する。
【0014】本発明の固形農薬には通常水面浮遊性増量
剤が用いられる。この水面浮遊性増量剤としては、比重
が1以下の粉末基剤が用いられる。好ましくは、その比
重が1〜約0.3、さらに好ましくは1〜約0.5のもの
が用いられる。該粉末基剤としては、その粒子径が60
0μm以下、好ましくは約10〜600μm、さらに好
ましくは約100〜600μmであるものがよく、無機
物では、天然のガラス質を焼成加工することにより、そ
の中に独立した1個または複数個の気泡を有するもので
あり、たとえば真珠岩や黒曜石からなるパーライト、シ
ラスよりなるシラスバルーン(商品名)、蛭石よりなる
バーミキュライト等や、アルミノシリケート系で同じく
焼成加工することにより得られる微小中空球体のフィラ
イト(商品名)等が挙げられる。また、有機物では、一
般にろう状物質と呼ばれる、常温で固体のステアリン酸
やパルミチン酸等の高級脂肪酸や、ステアリルアルコー
ル等の高級アルコール、パラフィンワックス等が挙げら
れるが、これらのろう状物質は撥水性であるため、水が
浸透しにくく、ろう状物質内にいつまでも農薬成分が閉
じ込められ、水中へ分散しがたくなる恐れもあり、好ま
しくは上記のガラス質中空体と混合して用いるほうが良
い。
【0015】また、本発明で用いられる水面浮遊性増量
剤として、比重が1以下のプラスチック粉末も用いられ
る。そのようなプラスチック粉末としては以下のような
性質を有するものが好ましい。 比重:1以下、好ましくは、1〜約0.5、さらに好ま
しくは1〜約0.8。 粒子径:約300μm以下、好ましくは約10〜300
μm、さらに好ましくは約50〜300μm。 平均分子量:約500〜100,000、好ましくは約
1,000〜50,000、さらに好ましくは約1,00
0〜20,000。 軟化点:造粒及び乾燥時に軟化しない温度であればよ
く、通常は約70℃以上が好ましい。 プラスチック粉末は、合成樹脂および天然樹脂のいずれ
であってもよい。合成樹脂としては、ポリエチレン粉末
(例、サンワックス131−P、151−P、161−
P、171−P(三洋化成工業(株)製))、ポリプロピ
レン粉末(例、ビスコール330−P、550−P、6
60−P(三洋化成工業(株)製))、ポリスチレン粉末
(例、ハイマーST−95、ST−120(三洋化成工
業(株)製))、石油樹脂粉末(例、ペトロジンNo.8
0(三井石油化学(株)製))、クマロン樹脂粉末(例、
NG−4(日鉄化学(株)製))などが挙げられ、天然樹
脂としては、ライスワックス、カルナバワックス、キャ
ンデリラワックスなどが挙げられる。なかでも、ポリエ
チレン粉末(比重0.90〜0.99)、ポリプロピレン
粉末(比重0.80〜0.90)などの合成樹脂が好適で
ある。
【0016】本発明の固形農薬には界面張力低下能の大
きい界面活性剤が用いられる。この界面張力低下能の大
きい界面活性剤としては、界面張力の低下が、水の表面
張力を、25℃で35dyne/cm以下に低下させる界面活
性剤であるものが用いられる。界面活性剤の具体例を挙
げれば、たとえば、アニオン系界面活性剤およびノニオ
ン系界面活性剤が挙げられ、それらの具体例としては、
例えば、アルキルベンゼンスルホネート(例、ネオペレ
ックスNo.6Fパウダー(花王(株)製)、ニューカル
ゲンWG−3(竹本油脂(株)製))、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(例、エマルミン110(三洋化成
工業(株)製)、エマルゲン404(花王(株)製))、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(エマルゲ
ン903(花王(株)製)、ノニポール110(三洋化成
工業(株)製))、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルサルフェート(ニューカルゲンNX−360
(竹本油脂(株)製))、例えば、ジオクチルスルホサク
シネート(ペレックスOT−P(花王(株)製)、サンモ
リンOT70(三洋化成工業(株)製)、ネオコールYS
K(第一工業製薬(株)製)、エアロールCT−1(東邦
化学(株)製)、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂
(株)製)),ジトリデシルスルホサクシネート(例、ペ
レックスTR(花王(株)製),ジシクロヘキシルスルホ
サクシネート(例、ペレックスCS(花王(株)製)など
のジアルキルスルホサクシネート、さらにサーフィノー
ル104、104A、104E、104H、TG、TG
-E、PC、61、82、40、465等の商品名(何
れもエア・プロダクツ社製)で知られているアセチレン
グリコール系界面活性剤等である。これらは単独、ある
いは必要に応じて2種以上を任意の割合に混合して用い
てもよい。これらのうち特にジオクチルスルホサクシネ
ートが好ましい。本発明の固形農薬は、さらに分散剤お
よび湿潤剤として、リグニンスルホン酸ナトリウム、ナ
フタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、アル
キルナフタレンスルホン酸ナトリウム、高級アルコール
硫酸エステル塩、例えば、ポリカルボン酸金属塩,ポリ
カルボン酸アンモニウム塩などのポリカルボン酸塩等を
加えても良い。これらのうち特に高級アルコール硫酸エ
ステル塩(例、ニューカルゲンWG−6(竹本油脂(株)
製))、ポリカルボン酸金属塩(例、ニューカルゲンW
G−5(竹本油脂(株)製))が好ましい。分散剤および
湿潤剤の量は、製剤全体に対して約0.1〜20重量
%、好ましくは約0.5〜15重量%、さらに好ましく
は約1〜10重量%である。
【0017】本発明で用いられる固形農薬は、顆粒水和
剤、粒剤または錠剤に成型されているものが好ましい。
これらの剤型の場合、必要により、結合剤を加えても良
い。該結合剤としては、固形農薬が水面上で崩壊するの
が容易なように、水溶性であるものが好ましく、たとえ
ば、デキストリン、カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸ナ
トリウム等が挙げられる。これらのうち、顆粒水和剤、
粒剤または錠剤の水面での崩壊分散後の農薬活性成分
が、水中へ拡散していく際の懸濁安定性に効果のあるカ
ルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(例、セロゲ
ン7A(第一工業製薬(株)製))、デキストリン(例、
デキストリンND−S(日澱化学(株)製))が特に好ま
しい。また、上記の結合剤は単独で用いてもよいし、薬
剤の水田中への均一な拡散のための最適な範囲の崩壊性
を得るために必要ならば2種以上を併用してもさしつか
えない。
【0018】さらに、所望により、粒剤としての見かけ
比重が1以下になる範囲で増量剤を適量加えても良い。
この増量剤としては、有効成分の水中への分散を促進も
しくは妨げないものが良いため、水溶性あるいは水分散
性であることが必要である。たとえば尿素、硫安、塩化
アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性肥料、乳糖、ブ
ドウ糖等の可溶性の糖、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリ
ウム等の無機塩、ベントナイト、ジークライト、酸性白
土、ケイソウ土等の鉱物質微粉を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。増量剤の配合量
は製剤全体に対して20重量%以下である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の包装体は、上述の各原料
を用いて自体公知の方法(例えば、特開平7−2330
02に記載の方法)によって顆粒水和剤、粒剤または錠
剤に成型して固形農薬とした後、水溶性高分子フィルム
を用い、自動包装機(例えば、縦ピロー型自動包装機、
縦型小袋ピラミッドパウチ自動包装機、いずれも(株)
三和自動機械製作所)により小分け包装する。切れ目を
有するヒートシールは、シーラー部分の加熱板(または
ニクロムリボン)を断熱材で所望の間隔で破線状に覆う
ことにより行う。本発明の包装体の大きさは、固形農薬
の種類、容量等によって異なるが、例えば、約25〜5
0g程度の固形農薬を包装する場合、包装前のフィルム
の状態で約10cm×約7〜9cm程度の大きさが好まし
い。包装容量は主薬濃度によって変えられるが、投げ込
み易さから10〜200g程度にしておくのがよく、1
0a当たり5〜20個を相互に適当な間隔を開けて畦畔
から投げ込む。
【0020】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 実施例1〜3 次の表1に示した成分を製剤100部に対して水15部
を加えて混練後、押出造粒機で造粒し、乾燥、篩別して
粒径1.2mm、粒長2〜4mmの粒剤を得た。この粒剤
(実施例1および実施例3は25g、実施例2は50
g)をハイセロンC−200(PVAのフィルム、日合
フィルム(株)製)を用いて、包装(実施例1および実
施例3は10cm×7cm、実施例2は10cm×8.5cm、
シール幅5mm、シール部分の切れ目4カ所/2cm)
し、ピラミッドパウチの包装体を製造した。
【0021】
【表1】 (「add.100」は、その成分を加えて100%とすることを
示す。)
【0022】試験例1 ハイセロンC−200(PVAのフィルム、日合フィル
ム(株)製)を用いて、本発明のピラミッドパウチの包
装体に包装(10cm×7cm、シール幅5mm、シール部分
の切れ目4カ所/2cm)し、また、比較例として三方
シール袋(図4)および四方シール袋(図5)に包装
(10cm×7cm、シール幅5mm)し、固形農薬の代わり
にパーライト7gを詰め、水面(水温23℃)に投じて
から破袋してフィルム全体が溶解して見えなくなるまで
の時間を測定した。測定した4個体の包装体のフィルム
の溶解時間の平均値を表2に示す。
【表2】 表2から、切れ目が設けられたシール部分を有する本発
明の包装体の方が、シール部分に切れ目が設けられてい
ない比較例の包装体よりも溶解時間が速いことが分か
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の包装体は、従来の包装体と比較
して次のような効果を有している。 (1)固形農薬製剤を水で破袋分散又は溶解するシートに
包んだ従来の農薬組成物では、袋内部に含まれる空気お
よび農薬活性成分の水中での拡散を良くするために含有
されている発泡剤による発泡のために袋が水面に浮き、
水と接していず、空気と接している側面の水溶性高分子
フィルムが水面より上に向かって膨れてドーム状となる
ためフィルムの溶解に時間がかかり、溶解するまでの間
に風によって投入地点から遠く離れた所へ移動してしま
うことが多く、場合によっては多数個が畦に吹き寄せら
れ、水田全体への農薬活性成分の均一な拡散が達成され
にくいという欠点を有する。しかし、本発明の包装体
は、水面に投入すると、必ず切れ目が入ったシール部分
が空気と接し、切れ目から内部の空気が抜け、フィルム
がドーム状にならずに空気と接している側面も水面に濡
れる。その結果、フィルムは短時間で溶解し、固形農薬
が崩壊拡展するので、風により吹き流されることによる
効果の偏りがない。 (2)固形農薬を穴を設けた水溶性高分子フィルムで包装
した従来の包装体では、穴が大き過ぎると袋内部の固形
農薬が漏れたり輸送中にその部分から破袋したりする。
一方穴が小さ過ぎると空気が抜けにくく、また、水面に
投入したときに穴が塞がってしまって空気が抜けず目的
を達成できない。さらに、穴の数が多過ぎるとフィルム
が破れやすくなり、少な過ぎると空気が抜けにくくな
る。したがって、この包装体には、包装体内部の空気を
抜くという目的を十分に達成する適当な大きさおよび数
の穴を開けるのが困難であるという欠点を有している。
しかし、本発明の包装体は、シール部分の切れ目の長さ
は1〜15mmと従来の包装体の穴の長さ(フィルムの
厚さと同じ、すなわち30〜40μm程度)よりもかな
り長いので、従来の包装体よりも包装体内部の空気が抜
けやすく、かつ固形農薬が外に漏れたり、包装体が破れ
たりしにくいという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
〔図1〕本発明の包装体の斜視図を示す。 〔図2〕本発明の包装体の斜視図を示す。 〔図3〕本発明の包装体の斜視図を示す。 〔図4〕従来の包装体の斜視図を示す。 〔図5〕従来の包装体の斜視図を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水面投入時に空気と接する側面にシール部
    分を有し、そのシール部分に切れ目を設けたことを特徴
    とする固形農薬含有水溶性高分子フィルム製包装体。
  2. 【請求項2】ガゼット袋、平袋またはピラミッドパウチ
    である請求項1記載の包装体。
  3. 【請求項3】固形農薬が、農薬活性成分、水面浮遊性増
    量剤および界面張力低下能の大きい界面活性剤を含有す
    る請求項1記載の包装体。
  4. 【請求項4】固形農薬が、結合剤を含有し、顆粒水和
    剤、粒剤または錠剤に成型されている請求項1記載の包
    装体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000060941A1 (fr) * 1999-04-09 2000-10-19 Sankyo Company, Limited Preparations de pesticide solide flottant

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WO2000060941A1 (fr) * 1999-04-09 2000-10-19 Sankyo Company, Limited Preparations de pesticide solide flottant

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