JPH1086676A - 車両用インナウエザストリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】取付け作業における作業性を向上し、かつイン
ナウエザストリップが取付けられた状態の見栄えを向上
させる。 【解決手段】ドアトリム１７の上部垂直面１７ａに接触
可能に形成されたインナウエザストリップ本体２４ｄ
と、ウエザストリップ本体の上端に一体的に形成されド
アトリムの上面に接触可能なトリム側リップ２４ａと、
ドアトリム１７に係止する係止部材２６と、ガラスの車
内側表面に先端が圧接可能なガラス側リップ２４ｃとを
備える。トリム側リップのウエザストリップ本体近傍の
下面にリップ変形用ステー２７がトリム側リップと一体
的に形成される。リップ変形用ステーはインナウエザス
トリップ本体近傍のトリム側リップの下面とウエザスト
リップ本体の上部とに架設することが好ましく、トリム
側リップの下面に垂設することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両のドア窓の下部
に取付けられ、ドア窓を開放可能に閉止する昇降式ガラ
スの車内側表面にガラス側リップの先端が圧接してシー
ルするインナウエザストリップに関する。更に詳しく
は、ドアインナパネルを覆うドアトリムの上部垂直面に
接触可能に形成されたインナウエザストリップ本体と、
ドアトリムの上面に接触可能なトリム側リップと、ドア
トリムに係止する係止部材とを備えた車両用インナウエ
ザストリップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の車両用インナウエザスト
リップとして、車両のドアの上部に形成された窓の下縁
に開口部が設けられ、この開口部から出没して窓を開放
可能に閉止する昇降可能なガラスの車内側表面に先端が
圧接されるリップを有するインナウエザストリップが開
口部の車内側周縁に取付けられたものが知られている。
図６（ａ）に示すように、このインナウエザストリップ
２は図示しないドアインナパネルを覆うドアトリム４の
上部垂直面４ａに接触可能に形成されたインナウエザス
トリップ本体２ａと、ドアトリム４の上面４ｂに接触可
能なトリム側リップ２ｂと、ドアトリム４に係止する係
止部材７とを備え、ウエザストリップ本体２ａにガラス
に圧接するガラス側リップ２ｃが設けられる。

【０００３】このようなインナウエザストリップ２の係
止部材７を、図の実線矢印で示すように、ドアトリム４
の取付孔４ｃに係止しウエザストリップ本体２ａをドア
トリムの上部垂直面４ａに接触させ、更にトリム側リッ
プ２ｂをドアトリムの上面４ｂに密着させることにより
インナウエザストリップ２を取付け、ガラスの車内側表
面をシールしている。上述したインナウエザストリップ
２は、ウエザストリップ本体２ａとトリム側リップ２ｂ
とが一体的に形成される。従来このウエザストリップ２
の成形は、トリム側リップ２ｂをドアトリムの上面４ｂ
に密着させる必要性から、ドアトリムの上部垂直面４ａ
とドアトリムの上面４ｂとの成す形状に相応して形成さ
れている。このように形成することによりウエザストリ
ップ２が装着された状態のドアトリム４とインナウエザ
ストリップ２の密着性を向上させ、見栄えを向上するこ
とができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的にドア
トリム４の上部垂直面４ａと上面４ｂとは垂直形状に形
成されているため、この形状に相応してウエザストリッ
プ本体２ａとトリム側リップ２ｂを略垂直形状に形成す
ると、係止部材７をドアトリム４に係止する際にトリム
側リップ２ｂの先端がドアトリムの上部垂直面４ａと強
く干渉する場合がある。トリム側リップ２ｂと上面４ｂ
との干渉はトリム側リップ２ｂを変形させ、ウエザスト
リップ２の見栄えを悪化させるので、作業員はこのよう
な変形を生じさせないように注意を払って作業をする必
要があり、インナウエザストリップ取付けにおける作業
性を低下させる不具合がある。

【０００５】一方、インナウエザストリップ２の取付け
作業の作業性を向上させるために、トリム側リップ２ｂ
がドアトリムの上面４ｂと干渉してトリム側リップ２ｂ
を変形させない程度にまでトリム側リップ２ｂとドアト
リムの上面４ｂとの隙間を生じさせることが考えられる
が、このような隙間を生じさせると図６（ｂ）に示すよ
うに、係止部材７を係止してインナウエザストリップ２
をドアトリム４に取付けた状態でトリム側リップ２ｂと
ドアトリムの上面４ｂとの間に隙間ｔが生じ見栄えを悪
化させる不具合がある。本発明の目的は、インナウエザ
ストリップのドアトリムへの取付け作業における作業性
を向上し、かつインナウエザストリップが取付けられた
状態のドアトリムの見栄えを向上させることができる車
両用インナウエザストリップを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
図１に示すように、ドアインナパネル１６を覆うドアト
リム１７の上部垂直面１７ａに接触可能に形成されたイ
ンナウエザストリップ本体２４ｄと、ウエザストリップ
本体２４ｄの上端にウエザストリップ本体２４ｄと一体
的に形成されドアトリム１７の上面１７ｂに接触可能な
トリム側リップ２４ａと、ウエザストリップ本体２４ｄ
にウエザストリップ本体２４ｄと一体的に形成されドア
トリム１７に係止してウエザストリップ本体２４ｄとト
リム側リップ２４ａをドアトリム１７に接触させる係止
部材２６と、ウエザストリップ本体２４ｄのドアアウタ
パネル１４側にウエザストリップ本体２４ｄと一体的に
形成されドアアウタパネル１４とドアインナパネル１６
の間の開口部１９を昇降するガラス１２の車内側表面に
先端が圧接可能なガラス側リップ２４ｃとを備えた車両
用インナウエザストリップの改良である。

【０００７】その特徴ある構成は、トリム側リップ２４
ａのウエザストリップ本体２４ｄ近傍の下面にリップ変
形用ステー２７がトリム側リップ２４ａと一体的に形成
され、係止部材２６をドアトリム１７に係止するときド
アトリム１７上部がステー２７をウエザストリップ本体
２４ｄ側に押し込んでトリム側リップ２４ａをドアトリ
ム１７の上面に密着するように構成されたところにあ
る。ステー２７は係止部材２６をドアトリム１７に係止
するときにドアトリム１７の上部に当接してウエザスト
リップ本体２４ｄ側に押し込まれる。ステー２７が押し
込まれると、ステー２７はトリム側リップ２４ａをドア
トリム１７の上面１７ｂに密着させる。

【０００８】請求項２に係る発明は、請求項１に係る発
明であって、リップ変形用ステー２７がインナウエザス
トリップ本体２４ｄ近傍のトリム側リップ２４ａの下面
とウエザストリップ本体２４ｄの上部とに架設された車
両用インナウエザストリップである。係止部材２６をド
アトリム１７に係止する際にドアトリム１７の上部はト
リム側リップ２４ａの下面とウエザストリップ本体２４
ｄの上部とに架設されたステー２７に当接し、ステー２
７をウエザストリップ本体２４ｄ側に押し込む。ステー
２７はドアトリム１７の上部形状に沿って変形し、この
変形に起因してステー２７は基端近傍を引っ張り、トリ
ム側リップ２４ａをドアトリム１７の上面に密着させ
る。

【０００９】請求項３に係る発明は、請求項１に係る発
明であって、図５に示すように、リップ変形用ステー３
７がインナウエザストリップ本体２４ｄ近傍のトリム側
リップ２４ａの下面に垂設された車両用インナウエザス
トリップである。トリム側リップ２４ａの下面に垂設さ
れたステー３７がウエザストリップ本体２４ｄ側に押し
込まれることによりステー３７はドアトリム１７の上部
形状に沿って変形し、この変形に起因してステー２７は
トリム側リップ２４ａを引っ張りドアトリム１７の上面
に密着させる。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図４に示すように、車両には
ドア１１が取付けられ、ドア１１の上部にはガラス１２
により開放可能に閉止される窓１３が形成される。図３
に示すように、ドア１１はドアアウタパネル１４及びド
アインナパネル１６を互いに接合することにより形成さ
れ、ドアインナパネル１６の車内側表面にはドアトリム
１７が取付けられる。窓１３の下縁、即ちドア１１の上
面には車両前後方向に延びる開口部１９が形成され、ガ
ラス１２はこの開口部１９から出没して窓１３を開放可
能に閉止する。ガラス１２の下端にはガラスチャンネル
２１が嵌着され、このチャンネル２１の下面にはリフト
アームブラケット２２が固着される。ドア１１の内部に
はガラス１２を昇降させるウインドウレギュレータ（図
示せず）が取付けられ、このレギュレータのリフトアー
ム（図示せず）の先端に回転可能に取付けられたローラ
（図示せず）が上記ブラケット２２内を転動するように
なっている。

【００１１】ドアインナパネル１６の表面に取付けられ
たドアトリム１７はドアインナパネル１６とともにドア
１１の上部を形成し、ドアトリム１７の上端縁は開口部
１９内に折り曲がって上部垂直面１７ａを構成する。こ
の上部垂直面１７ａにはインナウエザストリップ２４を
取付けるための複数の取付孔１７ｃが形成される（図１
及び図２にそれぞれ１つ示す）。ドアトリム１７の上縁
には複数の取付孔１７ｃを介してインナウエザストリッ
プ２４が取付けられる。

【００１２】図１及び図２に示すように、ウエザストリ
ップ２４はドアトリム１７の上部垂直面１７ａに接触可
能に形成され心金２４ｅが埋設されたインナウエザスト
リップ本体２４ｄと、ウエザストリップ本体２４ｄの上
端にこのリップ２４ｄと一体的に形成されドアトリム１
７の上面１７ｂに沿って設けられたトリム側リップ２４
ａと、薄肉のヒンジ２４ｂを介してウエザストリップ本
体２４ｄと一体的に形成されガラス１２の車内側表面に
向って斜め上方に突設されたガラス側リップ２４ｃとを
有する。心金２４ｅは横断面略Ｔ字状に形成され、トリ
ム側リップ２４ａとヒンジ２４ｂとガラス側リップ２４
ｃとウエザストリップ本体２４ｄとはゴム又は塩化ビニ
ル等の軟質合成樹脂を心金２４ｅとともに押し出し成形
することにより一体的に形成される。トリム側リップ２
４ａとヒンジ２４ｂとガラス側リップ２４ｃとウエザス
トリップ本体２４ｄと心金２４ｅはガラス１２の略全幅
にわたって設けられる。またウエザストリップ本体２４
ｄはトリム側リップ２４ａとともに横断面略Ｌ字状に形
成される。

【００１３】ウエザストリップ本体２４ｄには上部垂直
面１７ａの取付孔１７ｃに対応する複数の係止部材２６
（図に１つのみ示す）がウエザストリップ本体２４ｄと
一体的に形成される。本実施の形態における係止部材２
６はインナウエザストリップ２４をプレス加工すること
により内部に埋設された心金２４ｅとともにウエザスト
リップ本体２４ｄを部分的に切起こすことにより形成さ
れた切起こし爪であって、この切起こし爪は先端に向か
って小径になるように形成され、先端は上部垂直面１７
ａの取付孔１７ｃへの挿入を容易にするため丸み付けが
なされる。この複数の係止部材２６を上部垂直面１７ａ
の取付孔１７ｃに挿入し、ウエザストリップ本体２４ｄ
とトリム側リップ２４ａをドアトリム１７の上部垂直面
１７ａ及び上面１７ｂに接触させ、この状態で係止部材
２６である切起こし爪を上部垂直面１７ａの裏面で折り
曲げることによりインナウエザストリップ２４をドアト
リム１７の上縁に取付けるようになっている。

【００１４】本態様の特徴ある構成は、トリム側リップ
２４ａのウエザストリップ本体２４ｄ近傍の下面にリッ
プ変形用ステー２７がトリム側リップ２４ａと一体的に
形成されたところにある。この態様におけるリップ変形
用ステー２７は、図１に示すように、インナウエザスト
リップ本体２４ｄ近傍のトリム側リップ２４ａの下面と
ウエザストリップ本体２４ｄの上部とに架設される。ト
リム側リップ２４ａとウエザストリップ本体２４ｄとに
架設されるリップ変形用ステー２７はトリム側リップ２
４ａ及びウエザストリップ本体２４ｄと同一の材料によ
りトリム側リップ２４ａ及びウエザストリップ本体２４
ｄと一体的に形成され、このリップ変形用ステー２７は
ガラス１２の略全幅にわたって設けられる。

【００１５】このように構成された車両用インナウエザ
ストリップの取付けは、図１の実線矢印で示すように、
ウエザストリップ本体２４ｄに形成された係止部材２６
を上部垂直面１７ａの取付孔１７ｃに挿入し、図２に示
すように上部垂直面１７ａの裏面で折り曲げることによ
り行う。係止部材２６を取付孔１７ｃに挿入する際にド
アトリム１７の上部はステー２７に当接し、ステー２７
をウエザストリップ本体２４ｄ側に押し込むことにな
る。ステー２７がウエザストリップ本体２４ｄ側に押し
込まれることによりステー２７はドアトリム１７の上部
形状に沿って変形し、この変形に起因してステー２７は
基端近傍を引っ張り、図２に示すように、トリム側リッ
プ２４ａをドアトリム１７の上面に密着させる。なお、
インナウエザストリップ２４が取付けられたドアトリム
１７は、図３に示すように、その後ドアインナパネル１
６を覆うようにドアインナパネル１６に取付けられる。

【００１６】図５に本発明の別の実施の形態を示す。図
中上述した態様と同一符号は同一部品を示す。本態様の
特徴ある構成は、トリム側リップ２４ａのウエザストリ
ップ本体２４ｄ近傍の下面にリップ変形用ステー３７が
トリム側リップ２４ａと一体的に垂設されたところにあ
る。トリム側リップ２４ａに垂設されるリップ変形用ス
テー３７は、同一幅を有する１条のリブであって、トリ
ム側リップ２４ａと同一の材料によりトリム側リップ２
４ａと一体的に形成される。このリップ変形用ステー３
７はガラス１２の略全幅にわたって設けられる。

【００１７】このように構成された車両用インナウエザ
ストリップの取付けは、係止部材２６を上部垂直面１７
ａの取付孔１７ｃに挿入し、上部垂直面１７ａの裏面で
折り曲げることにより行う。係止部材２６を取付孔１７
ｃに挿入する際にドアトリム１７の上部はステー３７に
当接し、ステー３７をウエザストリップ本体２４ｄ側に
押し込むことになる。ステー３７がウエザストリップ本
体２４ｄ側に押し込まれることによりステー３７はドア
トリム１７の上部形状に沿って変形し、この変形に起因
してステー２７は基端近傍を引っ張りトリム側リップ２
４ａをドアトリム１７の上面に密着させる。これ以外は
上述した態様と同一であるので繰り返しての説明を省略
する。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ト
リム側リップのウエザストリップ本体近傍の下面にリッ
プ変形用ステーをトリム側リップと一体的に形成し、係
止部材をドアトリムに係止するときドアトリム上部がス
テーをウエザストリップ本体側に押し込んでトリム側リ
ップをドアトリムの上面に密着するように構成したの
で、係止部材をドアトリムに係止するときにステーが押
し込まれることによりステーはトリム側リップをドアト
リムの上面に密着させる。この結果、係止部材をドアト
リムに係止する際にトリム側リップの先端がドアトリム
の上部垂直面に当接しないように注意を払う必要がな
く、インナウエザストリップのドアトリムへの取付け作
業における作業性が向上し、かつインナウエザストリッ
プが取付けられた状態のドアトリムの見栄えを向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のウエザストリップの断面図。

【図２】そのウエザストリップが取付けられた状態を示
す図１に対応する断面図。

【図３】そのウエザストリップが取付けられるドアを示
す図４のＡ−Ａ線断面図。

【図４】車両の内部から見たドアを示す図。

【図５】本発明の別のウエザストリップを示す図１に対
応する図。

【図６】（ａ）従来例を示すウエザストリップの図１に
対応する図。 （ｂ）従来例を示すウエザストリップの図２に対応する
図。

【符号の説明】

１２ ガラス １４ ドアアウタパネル １６ ドアインナパネル １７ ドアトリム １７ａ 上部垂直面 １７ｂ 上面 １７ｃ 取付孔 １９ 開口部 ２４ａ トリム側リップ ２４ｃ ガラス側リップ ２４ｄ インナウエザストリップ本体 ２４ｅ 心金 ２６ 係止部材 ２７，３７ リップ変形用ステー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアインナパネル(16)を覆うドアトリム
   (17)の上部垂直面(17a)に接触可能に形成されたインナ
   ウエザストリップ本体(24d)と、 前記ウエザストリップ本体(24d)の上端に前記ウエザス
   トリップ本体(24d)と一体的に形成され前記ドアトリム
   (17)の上面(17b)に接触可能なトリム側リップ(24a)と、 前記ウエザストリップ本体(24d)に前記ウエザストリッ
   プ本体(24d)と一体的に形成され前記ドアトリム(17)に
   係止して前記ウエザストリップ本体(24d)と前記トリム
   側リップ(24a)を前記ドアトリム(17)に接触させる係止
   部材(26)と、 前記ウエザストリップ本体(24d)のドアアウタパネル(1
   4)側に前記ウエザストリップ本体(24d)と一体的に形成
   され前記ドアアウタパネル(14)と前記ドアインナパネル
   (16)の間の開口部(19)を昇降するガラス(12)の車内側表
   面に先端が圧接可能なガラス側リップ(24c)とを備えた
   車両用インナウエザストリップにおいて、 前記トリム側リップ(24a)の前記ウエザストリップ本体
   (24d)近傍の下面にリップ変形用ステー(27,37)が前記ト
   リム側リップ(24a)と一体的に形成され、 前記係止部材(26)を前記ドアトリム(17)に係止するとき
   前記ドアトリム(17)上部が前記ステー(27,37)を前記ウ
   エザストリップ本体(24d)側に押し込んで前記トリム側
   リップ(24a)を前記ドアトリム(17)の上面(17b)に密着す
   るように構成されたことを特徴とする車両用インナウエ
   ザストリップ。
2. 【請求項２】 リップ変形用ステー(27)がインナウエザ
   ストリップ本体(24d)近傍のトリム側リップ(24a)の下面
   と前記ウエザストリップ本体(24d)の上部とに架設され
   た請求項１記載の車両用インナウエザストリップ。
3. 【請求項３】 リップ変形用ステー(37)がインナウエザ
   ストリップ本体(24d)近傍のトリム側リップ(24a)の下面
   に垂設された請求項１記載の車両用インナウエザストリ
   ップ。