JPH1085593A - 脱酸素剤 - Google Patents

脱酸素剤

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JPH1085593A
JPH1085593A JP8262460A JP26246096A JPH1085593A JP H1085593 A JPH1085593 A JP H1085593A JP 8262460 A JP8262460 A JP 8262460A JP 26246096 A JP26246096 A JP 26246096A JP H1085593 A JPH1085593 A JP H1085593A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属探知器に反応することがなく、酸素吸
収能に優れ、かつ脱酸素剤を封入している通気性包材に
水がにじみ出すことがなく、嵩高になることのない脱酸
素剤、及び更に脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱の少ない脱
酸素剤を提供すること。 【解決手段】 低分子フェノール化合物の1種以上
と、無水塩及び/又は2水塩以下の結晶水を有するアル
カリ性化合物と、添加水と、必要に応じて金属水酸化物
とを含有している脱酸素剤において、前記低分子フェノ
ール化合物1.0重量部に対して、水成分が0.55〜
3.0重量部、金属水酸化物が0.01〜5.0重量部
の割合で配合されており、かつこの脱酸素剤の35.0
重量%水分散液のpHが8.1以上であり、しかも水成
分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ性化合物が
2.0重量部以下にある脱酸素剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雰囲気中の酸素の除
去を行なう目的で使用される脱酸素剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】食品の品質低下を及ぼす要因には、酸
素、光、熱、微生物、水等があり、これらの要因のうち
の特に食品包装体中に存在する酸素は、食品の酸敗、好
気性微生物の繁殖、光や熱等による食品中の常在成分の
酸化変質等を促進させ、食品の品質低下の主要な原因に
なっている。
【0003】今日、食品の品質を保持するために様々な
方法が採られており、例えば、食品添加物による方法、
紫外線照射処理による方法、赤外線、高周波、マイクロ
波等による加熱殺菌法、X線、β線、α線等の放射線処
理による方法、オゾン、エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド等によるガス殺菌法、炭酸ガス、窒素ガス
等によるガス置換包装や真空パック等の静菌効果による
方法、脱酸素剤を利用する方法、アセプティックパッケ
ージング、ボルトパック等の無菌充填による方法、更に
は冷凍、冷蔵、濾過、洗滌等の手段がなされている。
【0004】これらの食品の品質保持方法の多くは、食
品包装体の系内での酸素による間接的な酸化劣化作用を
防止するか、あるいは食品の品質低下を起こす好気性微
生物の繁殖を抑制するものである。
【0005】ところで、上記の食品の品質保持方法のう
ちの食品添加物による方法、例えば抗酸化剤、合成保存
料、合成殺菌料等の食品添加物を使用する方法は、直接
又は間接的に食品に薬剤を添加しなければならず、食品
の安全性を基調とする今日の考え方に逆行しており、好
ましいものではない。
【0006】これに対して、それ自体が酸素吸収作用を
果たす脱酸素剤を使用する方法は、食品包装体系内に、
透気性包材に包装した脱酸素剤を共存させるだけで脱酸
素機能を十分に発揮し得るため、食品の品質保持方法と
して理想的な手段である。
【0007】この種の脱酸素剤としては、従来種々のも
のが提案されており、例えばハイドロサルファイト、水
酸化カルシウム、又は重炭酸ナトリウム等と、活性炭と
を配合した混合物からなるものが、果実や野菜類の鮮度
保持剤として提案されている。
【0008】又、還元鉄粉と、塩化ナトリウムや塩化銅
等のハロゲン化金属と、活性炭やゼオライト等の水難溶
性充填剤とを混合し、更に水又は亜硫酸ナトリウム結
晶、炭酸ナトリウム結晶等の水供与性化合物を配合した
脱酸素剤が市販されている。
【0009】更に、グリコースオキシダーゼを用いたも
の、パラジウムと水素を用いたもの、ポリフェノールオ
キシダーゼを用いたもの、アスコルビン酸を用いたもの
等の各種の脱酸素剤が提案されている。
【0010】しかるに、先に列記した脱酸素剤のうち、
ハイドロサルファイトを使用するものは、成分の分解に
よって有毒な亜硫酸ガスを発生する欠点を有する。又、
還元鉄粉を主成分とするものは、鉄と酸素とが反応する
ために水の存在が不可欠であり、この水の存在によって
脱酸素剤中の各成分が反応するため、酸素吸収能が低下
する欠点を有し、しかも食品中に含まれていてはならな
い金属の破片の検出を行なう際の金属探知機に反応する
不都合もある。
【0011】これらの問題を解決する脱酸素剤として、
すなわち、有毒ガスの発生がなく、又金属探知機に反応
することがなく、しかも効果的な酸素吸収能を有する脱
酸素剤として、カテコールと活性炭との混合物からなる
ものが提案された(特開昭55−54034号公報)。
【0012】又、特公平3−21214号公報には、酸
素吸収能において更に優れた機能を有する脱酸素剤とし
て、カテコール、活性炭、及び水供与性のアルカリ性化
合物を配合してなる脱酸素剤について記載されており、
この脱酸素剤は、カテコール、活性炭、アルカリ性化合
物、及び水を配合してなる脱酸素剤よりも優れた酸素吸
収能を有するものである、と説明されている。なお、こ
れらの脱酸素剤中のアルカリ性化合物は、脱酸素剤の酸
素吸収能を高める作用を果たすものである。
【0013】しかるに、カテコールと活性炭との混合物
からなるもの、糖アルコールを主成分とするもの、及び
アスコルビン酸を主成分とするもの等による有機質系の
脱酸素剤は、いずれも鉄系の物質を利用する脱酸素剤に
比較して脱酸素性能が低く、鉄系の脱酸素剤と同等の脱
酸素性能を得るためには脱酸素剤自体が嵩高くなってし
まい、これによって脱酸素剤を包装するための透気性の
包材の使用量や、品質保持を目的とする物品と共に脱酸
素剤の包装体を包被するのに使用する酸素バリヤー性の
包材の使用量が増大し、コスト高になる。
【0014】特にカテコールと活性炭との混合物からな
る脱酸素剤は、酸素吸収反応に直接関わるカテコールに
対して同量〜4.0倍の重量の活性炭を混合することが
必要であると考えられており、このことが脱酸素剤の嵩
高を更に高める要因になっているために、小型の脱酸素
剤としては不適当である。
【0015】これに対して本発明者は、低分子フェノー
ル化合物の酸化反応について種々の検討を行なった結
果、 低分子フェノール化合物の酸化反応を促進させるた
めにはアルカリ水が存在していればよく、低分子フェノ
ール化合物の酸化反応に必須であると従来考えられてい
た活性炭は必ずしも必要ではないこと、
【0016】 低分子フェノール化合物の酸化反応に
必須であると従来考えられていた活性炭の存在下に結晶
水を含有するアルカリ性化合物を配合することによっ
て、酸化反応による蓄熱、発熱を抑えようとするときに
は、酸化反応の進行によって黒又は茶褐色のタール状の
生成物が発生し、これが脱酸素剤の包材である透気性の
包材の外部に漏れ出すことがあり、このために結晶水を
含有するアルカリ性化合物の配合量を少なく抑えておか
なければならなく、結晶水を含有するアルカリ性化合物
による低分子フェノール化合物の酸化反応の促進、及び
該酸化反応による蓄熱、発熱の抑制の十分な効果を得る
ことができないこと、
【0017】 低分子フェノール化合物に対して水供
与性のアルカリ性化合物を共存させた脱酸素剤におい
て、優れた酸素吸収能が得られるような水供与性の高い
アルカリ性化合物、つまり結晶水を多く含有しているア
ルカリ性化合物を使用すると、脱酸素剤を封入している
透気性包材の内周面に水がにじみ出し、これによって透
気性包材の表面に付してある印刷が変色して見えること
があり、恰も鮮度が失われたかのような外観を与える不
都合が生ずること、等を確認した。
【0018】脱酸素剤を封入している透気性包材の内周
面に水がにじみ出す原因は、 酸素吸収能を増大させる作用の高いアルカリ性化合
物、つまり、結晶水を多く含有しているアルカリ性化合
物は、該化合物の結晶粒径が大きく、このために水が極
在化しており、該アルカリ性化合物と接触している部分
の包材の内周面に水がにじみ出す、 気温が高くなる夏季においては、結晶水を多く含有
しているアルカリ性化合物は、脱酸素剤として配合する
前に既に結晶水を遊離させているために、これを配合し
てなる脱酸素剤は、該脱酸素剤中にて水が極在化してお
り、これによって包材の内周面に水がにじみ出す、ため
である。
【0019】従って、脱酸素剤を封入している透気性包
材の内周面に水がにじみ出す現象は、気温が上昇する夏
季にその傾向が高くなる又、結晶水を多く含有している
水供与性の高いアルカリ性化合物は、これを粉砕してそ
の粒径を小さくする微粉砕化が困難であり、特に気温が
30℃以上になる夏季には、水供与性のアルカリ性化合
物から水が遊離しているために、微粉砕化がより困難に
なる。
【0020】これに反して、2水塩以下の所謂結晶水の
含有量の少ないアルカリ性化合物を使用すると、脱酸素
剤を封入している透気性包材の内周面に水がにじみ出す
ような不都合は生じない。
【0021】しかしながら、上記のカテコール及び結晶
水を有するアルカリ化合物等を配合した脱酸素剤におい
て、脱酸素剤の酸素吸収能を高めるために含有させるア
ルカリ性化合物の量が脱酸素剤中の水成分に対して多く
なり過ぎると、具体的には水成分1.0重量部に対して
無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部を超えるよ
うになると、水成分がアルカリ性化合物に取られてしま
ってアルカリ性化合物による触媒の作用が低下する。
【0022】このために、所謂結晶水の含有量の少ない
アルカリ性化合物の使用によっては、酸素吸収能を高め
る作用を果たす水成分の量が不足してしまい、脱酸素剤
の酸素吸収能が十分に高くならないことが判明した。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、低分子フ
ェノール化合物の酸化反応についての以上の諸事実を究
明した結果、本発明を完成した。
【0024】つまり、本発明の目的は、金属探知器に反
応することのない有機質系のものであって、嵩高になる
ことがなく、脱酸素性能が高く、すなわち酸素吸収速度
が速く、又、脱酸素剤を封入している透気性の包材の内
周面に水がにじみ出すことがなく、しかも低分子フェノ
ール化合物の酸化反応に必須であると従来考えられてい
た活性炭の存在下にアルカリ性化合物を配合して得られ
る脱酸素剤における酸化反応の進行に伴って発生する黒
又は茶褐色のタール状の生成物の問題のない脱酸素剤を
提供することにある。
【0025】又、本発明の目的は、金属探知器に反応す
ることのない有機質系のものであって、嵩高になること
がなく、脱酸素性能が高く、すなわち酸素吸収速度が速
く、又、脱酸素剤を封入している透気性の包材の内周面
に水がにじみ出すことがなく、黒又は茶褐色のタール状
の生成物の問題もなく、しかも蓄熱、発熱の少ない脱酸
素剤を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の構
成による本発明の脱酸素剤によって達成される。すなわ
ち本発明は、低分子フェノール化合物の1種以上と、無
水塩及び/又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性
化合物と、添加水とを含有している脱酸素剤において、
前記低分子フェノール化合物1.0重量部に対して水成
分が0.55〜3.0重量部の割合で配合されており、
かつ、この脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpHが
8.1以上であり、しかも水成分1.0重量部に対して
無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部以下の脱酸
素剤からなる。
【0027】又本発明は、低分子フェノール化合物の1
種以上と、無水塩及び/又は2水塩以下の結晶水を有す
るアルカリ性化合物と、添加水と、金属酸化物を含有し
ている脱酸素剤において、前記低分子フェノール化合物
1.0重量部に対して、水成分が0.55〜3.0重量
部、金属水酸化物が0.01〜5.0重量部の割合で配
合されており、かつ、この脱酸素剤の35.0重量%水
分散液のpHが8.1以上であり、しかも水成分1.0
重量部に対して無水状態のアルカリ性化合物が2.0重
量部以下の脱酸素剤からなる。
【0028】上記の構成による本発明の脱酸素剤におい
て、脱酸素剤中のアルカリ性化合物として結晶水を有す
るアルカリ性化合物を使用したときには、低分子フェノ
ール化合物1.0重量部に対する水成分の配合量の中
に、該アルカリ性化合物中の結晶水が計量されることは
勿論である。
【0029】低分子フェノール化合物1.0重量部に対
する水成分の含有量が0.55重量部未満になると、脱
酸素剤の酸素吸収能が小さく、又3.0重量部を超える
と、脱酸素剤を封入している透気性包材の内周面への水
のにじみ出しを生ずることがある。
【0030】無水塩のアルカリ性化合物又は2水塩以下
の結晶水を有するアルカリ性化合物の中から選択される
アルカリ性化合物の配合量の最低量は、この脱酸素剤
(固形分)の35.0重量%水分散液のpHが8.1以
上になればよく、この水分散液のpHが8.1未満のも
のはアルカリ性化合物の配合量の不足により、アルカリ
性化合物の配合に伴う脱酸素剤の酸素吸収能の向上作用
が十分でない。
【0031】なお、上記のアルカリ性化合物の配合量
は、該アルカリ性化合物による触媒の作用の低下を生じ
ないように、脱酸素剤中の水成分1.0重量部に対して
無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部以下になる
ように抑えておく必要がある。
【0032】脱酸素剤中に所望に応じて配合する金属水
酸化物は、脱酸素剤の脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱を抑
制する作用を果たすものであり、該金属水酸化物の配合
量が低分子フェノール化合物1.0重量部に対して0.
01重量部未満の場合には、金属酸化物の配合の効果が
なく、又5.0重量部を超えて配合しても無駄である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の脱酸素剤に使用される低
分子フェノール化合物は、例えばフェノール、カテコー
ル、ピロガロール、クレゾール等であり、特に透気性の
包材による小袋内に充填し易いことからカテコールが好
適である。
【0034】本発明の脱酸素剤に使用する無水塩のアル
カリ性化合物及び2水塩以下の結晶水を有するアルカリ
性化合物の具体例としては、Na2 CO3 、Na2 CO
3 ・H2 O、K2 CO3 、K2 CO3 ・1.5H2 O、
2 CO3 ・2H2 O、NaOH、KOH、NaHCO
3 、KHCO3 、CH3 COONa、CaCl2 ・2H
2 O、CH3 COOK、クエン酸3ナトリウム2水和
物、蓚酸アンモニウム1水和物、炭酸アンモニウム1水
和物等が挙げられる。
【0035】無水塩のアルカリ性化合物及び2水塩以下
の結晶水を有するアルカリ性化合物は、結晶水を多く含
んでいるアルカリ性化合物に比較してその粒径が小さい
という特性を有するが、同一のアルカリ性化合物の中で
は粒径のより小さいものの方が、脱酸素剤の酸素吸収能
がより高くなる。
【0036】脱酸素剤の脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱を
抑制する作用を果たす金属水酸化物としては、共存させ
る低分子フェノール化合物と混合し易い粒径のものがよ
く、自動充填機での透気性包材による小袋内への充填を
行ない易い水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等
が好適である。
【0037】本発明の脱酸素剤を封入した包装袋は、所
定の配合成分による混合物を、例えば窒素パージ等によ
って酸素を遮断した雰囲気中で十分に混合、撹拌した
後、これを透気性の包材に封入して得られる。この脱酸
素剤を封入するための透気性の包材についての制限は特
に無いが、透気性とヒートシール性とを兼備するものが
よい。
【0038】上記の構成による本発明の脱酸素剤は、従
来のカテコールと活性炭との混合物を使用する脱酸素剤
の嵩高の要因になっている活性炭を配合していないた
め、鉄系の脱酸素剤と同等の脱酸素性能を得るために必
要な脱酸素剤の嵩が、鉄系の脱酸素剤に比較して特別に
高くなるようなことがない。
【0039】又、上記の構成による本発明の脱酸素剤
は、無水塩のアルカリ性化合物及び/又は2水塩以下の
結晶水を有するアルカリ性化合物を使用し、しかも低分
子フェノール化合物1.0重量部に対する水成分の含有
量を3.0重量部以下に抑えているので、脱酸素剤を封
入する透気性の包材の内周面に水がにじみ出すことがな
い。
【0040】
【実施例】以下、本発明の脱酸素剤の具体的な組成を実
施例によって説明し、該脱酸素剤を透気性の包材に封入
した包装体の脱酸素性能について言及する。
【0041】実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例
11 カテコール1.0重量部に対して、[表1]〜[表2]
の所定欄に記載した各成分を混合することにより、実施
例品及び比較例品の脱酸素剤を得た。
【0042】次いで、これらの各混合物からなる脱酸素
剤を、各脱酸素剤中のカテコールの量で以って0.84
g相当量ずつ計り取り、透気性の包材による小袋内に封
入し、脱酸素剤を封入した小袋を得た。続いて、この脱
酸素剤を封入した小袋を、500ccの空気と共にガス
バリヤー性フィルム包材による包装袋内に密封した。
【0043】しかる後に、この包装袋を20℃の雰囲気
中に24時間保存した後、各包装袋内の残存酸素濃度を
測定した。この残存酸素濃度の測定結果を、各包装袋内
の脱酸素剤の小袋を形成している透気性包材への水のに
じみ出しの有,無、及び各小袋に機能している発熱抑制
効果の有,無と共に、[表3]に示す。
【0044】
【表1】 **・・・・脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpH
【0045】
【表2】 *・・・・・・結晶水を除いたアルカリ性化合物の重量部 **・・・・脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpH
【0046】
【表3】
【0047】上記の[表1]〜[表3]から分かる通
り、実施例1〜実施例11に示す本発明の脱酸素剤は、
アルカリ性化合物を含まない(比較例1及び比較例2)
か、あるいはアルカリ性化合物の含有量の少ない(比較
例3)脱酸素剤に比較して、脱酸素能力に優れており、
しかも、脱酸素剤を封入している透気性包材に水のにじ
み出しを生じない(比較例6、比較例7、比較例8)。
【0048】更に、低分子フェノール化合物1.0重量
部に対する水成分の配合量が0.5重量部、及び0.5
25重量部の場合には、残存酸素濃度がそれぞれ5.7
重量%及び3.3重量%もあり、実用的でない(比較例
4及び比較例5)。これに対して、これより僅かに水成
分の配合量を増加させた実施例5や比較例11(水成分
の配合量=0.55重量部)では、残存酸素濃度が飛躍
的に減少して0.4重量%になる。
【0049】これによって、低分子フェノール化合物
1.0重量部に対する水成分の配合量を0.55重量部
以上にすることによって、水成分の配合に伴う脱酸素機
能の向上が飛躍的に増大することが分かり、水成分の配
合に伴う脱酸素機能の飛躍的な増大を図ることのできる
水成分の配合量の特異点が、低分子フェノール化合物
1.0重量部に対して0.55重量部に存在しているこ
とが分かる。
【0050】更に、3水塩以上の結晶水を有するアルカ
リ性化合物を利用することによって、上記の低分子フェ
ノール化合物1.0重量部に対する0.55重量部以上
の水成分を確保しようとすると、アルカリ性化合物中の
結晶水の極在化等のために、脱酸素剤を包装している透
気性包材への水のにじみ出しが生ずることが分かる(比
較例8、比較例11)。
【0051】更に又、脱酸素剤中の水成分に対するアル
カリ性化合物の量が過剰になると、アルカリ性化合物に
よる触媒の作用が低下して脱酸素剤の酸素吸収能が不十
分になることが分かる(比較例9及び比較例10)。
【0052】
【発明の効果】本発明の脱酸素剤は、低分子フェノール
化合物の1種以上と、無水塩のアルカリ性化合物及び/
又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物と、
添加水とを含有するものであって、前記低分子フェノー
ル化合物1.0重量部に対して水成分が0.55〜3.
0重量部の割合で配合されており、かつ、この脱酸素剤
の35.0重量%水分散液のpHが8.1以上であり、
しかも水成分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ
性化合物が2.0重量部以下にある脱酸素剤からなる。
【0053】又、本発明の脱酸素剤は、低分子フェノー
ル化合物の1種以上と、無水塩のアルカリ性化合物及び
/又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物
と、添加水と、金属水酸化物とを含有し、低分子フェノ
ール化合物1.0重量部に対して、水成分が0.55〜
3.0重量部、金属水酸化物が0.01〜10.0重量
部の割合で配合されており、かつ、この脱酸素剤の3
5.0重量%水分散液のpHが8.1以上であって、し
かも水成分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ性
化合物が2.0重量部以下にある脱酸素剤からなる。
【0054】これによって、本発明の脱酸素剤によれ
ば、金属探知機に反応することが無く、酸素吸収能に優
れ、かつ脱酸素剤を封入している透気性の包材の内周面
に水がにじみ出すことの無く、しかもその組成成分中に
活性炭を使用していないために嵩高になることがなく、
更に低分子フェノール化合物の酸化反応に必須であると
従来考えられていた活性炭の存在下にアルカリ性化合物
を配合して得られる脱酸素剤における酸化反応の進行に
伴って発生する黒又は茶褐色のタール状の生成物の問題
のないものになる。
【0055】又、金属水成分酸化物を配合した本発明の
脱酸素剤は、上記の効果に加えて更に、脱酸素反応に伴
う蓄熱、発熱の少ないものになる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子フェノール化合物の1種以上
    と、無水塩及び/又は2水塩以下の結晶水を有するアル
    カリ性化合物と、添加水とを含有している脱酸素剤にお
    いて、前記低分子フェノール化合物1.0重量部に対し
    て水成分が0.55〜3.0重量部の割合で配合されて
    おり、かつ、この脱酸素剤の35.0重量%水分散液の
    pHが8.1以上であり、しかも水成分1.0重量部に
    対して無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部以下
    であることを特徴とする脱酸素剤。
  2. 【請求項2】 低分子フェノール化合物1.0重量
    部に対して、更に0.01〜5.0重量部の金属水酸化
    物が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の
    脱酸素剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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