JP3706444B2 - 脱酸素剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は雰囲気中の酸素の除去を行なう目的で使用される脱酸素剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品の品質低下を及ぼす要因には、酸素、光、熱、微生物、水等があり、これらの要因のうちの特に食品包装体中に存在する酸素は、食品の酸敗、好気性微生物の繁殖、光や熱等による食品中の常在成分の酸化変質等を促進させ、食品の品質低下の主要な原因になっている。
【0003】
今日、食品の品質を保持するために様々な方法が採られており、例えば、食品添加物による方法、紫外線照射処理による方法、赤外線、高周波、マイクロ波等による加熱殺菌法、X線、β線、α線等の放射線処理による方法、オゾン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等によるガス殺菌法、炭酸ガス、窒素ガス等によるガス置換包装や真空パック等の静菌効果による方法、脱酸素剤を利用する方法、アセプティックパッケージング、ボルトパック等の無菌充填による方法、更には冷凍、冷蔵、濾過、洗滌等の手段がなされている。
【0004】
これらの食品の品質保持方法の多くは、食品包装体の系内での酸素による間接的な酸化劣化作用を防止するか、あるいは食品の品質低下を起こす好気性微生物の繁殖を抑制するものである。
【0005】
ところで、上記の食品の品質保持方法のうちの食品添加物による方法、例えば抗酸化剤、合成保存料、合成殺菌料等の食品添加物を使用する方法は、直接又は間接的に食品に薬剤を添加しなければならず、食品の安全性を基調とする今日の考え方に逆行しており、好ましいものではない。
【0006】
これに対して、それ自体が酸素吸収作用を果たす脱酸素剤を使用する方法は、食品包装体系内に、透気性包材に包装した脱酸素剤を共存させるだけで脱酸素機能を十分に発揮し得るため、食品の品質保持方法として理想的な手段である。
【0007】
この種の脱酸素剤としては、従来種々のものが提案されており、例えばハイドロサルファイト、水酸化カルシウム、又は重炭酸ナトリウム等と、活性炭とを配合した混合物からなるものが、果実や野菜類の鮮度保持剤として提案されている。
【0008】
又、還元鉄粉と、塩化ナトリウムや塩化銅等のハロゲン化金属と、活性炭やゼオライト等の水難溶性充填剤とを混合し、更に水又は亜硫酸ナトリウム結晶、炭酸ナトリウム結晶等の水供与性化合物を配合した脱酸素剤が市販されている。
【0009】
更に、グリコースオキシダーゼを用いたもの、パラジウムと水素を用いたもの、ポリフェノールオキシダーゼを用いたもの、アスコルビン酸を用いたもの等の各種の脱酸素剤が提案されている。
【0010】
しかるに、先に列記した脱酸素剤のうち、ハイドロサルファイトを使用するものは、成分の分解によって有毒な亜硫酸ガスを発生する欠点を有する。又、還元鉄粉を主成分とするものは、鉄と酸素とが反応するために水の存在が不可欠であり、この水の存在によって脱酸素剤中の各成分が反応するため、酸素吸収能が低下する欠点を有し、しかも食品中に含まれていてはならない金属の破片の検出を行なう際の金属探知機に反応する不都合もある。
【0011】
これらの問題を解決する脱酸素剤として、すなわち、有毒ガスの発生がなく、又金属探知機に反応することがなく、しかも効果的な酸素吸収能を有する脱酸素剤として、カテコールと活性炭との混合物からなるものが提案された(特開昭55−54034号公報)。
【0012】
又、特公平3−21214号公報には、酸素吸収能において更に優れた機能を有する脱酸素剤として、カテコール、活性炭、及び水供与性のアルカリ性化合物を配合してなる脱酸素剤について記載されており、この脱酸素剤は、カテコール、活性炭、アルカリ性化合物、及び水を配合してなる脱酸素剤よりも優れた酸素吸収能を有するものである、と説明されている。なお、これらの脱酸素剤中のアルカリ性化合物は、脱酸素剤の酸素吸収能を高める作用を果たすものである。
【0013】
しかるに、カテコールと活性炭との混合物からなるもの、糖アルコールを主成分とするもの、及びアスコルビン酸を主成分とするもの等による有機質系の脱酸素剤は、いずれも鉄系の物質を利用する脱酸素剤に比較して脱酸素性能が低く、鉄系の脱酸素剤と同等の脱酸素性能を得るためには脱酸素剤自体が嵩高くなってしまい、これによって脱酸素剤を包装するための透気性の包材の使用量や、品質保持を目的とする物品と共に脱酸素剤の包装体を包被するのに使用する酸素バリヤー性の包材の使用量が増大し、コスト高になる。
【0014】
特にカテコールと活性炭との混合物からなる脱酸素剤は、酸素吸収反応に直接関わるカテコールに対して同量〜4.0倍の重量の活性炭を混合することが必要であると考えられており、このことが脱酸素剤の嵩高を更に高める要因になっているために、小型の脱酸素剤としては不適当である。
【0015】
これに対して本発明者は、低分子フェノール化合物の酸化反応について種々の検討を行なった結果、
▲1▼ 低分子フェノール化合物の酸化反応を促進させるためにはアルカリ水が存在していればよく、低分子フェノール化合物の酸化反応に必須であると従来考えられていた活性炭は必ずしも必要ではないこと、
【0016】
▲2▼ 低分子フェノール化合物の酸化反応に必須であると従来考えられていた活性炭の存在下に結晶水を含有するアルカリ性化合物を配合することによって、酸化反応による蓄熱、発熱を抑えようとするときには、酸化反応の進行によって黒又は茶褐色のタール状の生成物が発生し、これが脱酸素剤の包材である透気性の包材の外部に漏れ出すことがあり、このために結晶水を含有するアルカリ性化合物の配合量を少なく抑えておかなければならなく、結晶水を含有するアルカリ性化合物による低分子フェノール化合物の酸化反応の促進、及び該酸化反応による蓄熱、発熱の抑制の十分な効果を得ることができないこと、
【0017】
▲3▼ 低分子フェノール化合物に対して水供与性のアルカリ性化合物を共存させた脱酸素剤において、優れた酸素吸収能が得られるような水供与性の高いアルカリ性化合物、つまり結晶水を多く含有しているアルカリ性化合物を使用すると、脱酸素剤を封入している透気性包材の内周面に水がにじみ出し、これによって透気性包材の表面に付してある印刷が変色して見えることがあり、恰も鮮度が失われたかのような外観を与える不都合が生ずること、
等を確認した。
【0018】
脱酸素剤を封入している透気性包材の内周面に水がにじみ出す原因は、
▲1▼ 酸素吸収能を増大させる作用の高いアルカリ性化合物、つまり、結晶水を多く含有しているアルカリ性化合物は、該化合物の結晶粒径が大きく、このために水が極在化しており、該アルカリ性化合物と接触している部分の包材の内周面に水がにじみ出す、
▲2▼ 気温が高くなる夏季においては、結晶水を多く含有しているアルカリ性化合物は、脱酸素剤として配合する前に既に結晶水を遊離させているために、これを配合してなる脱酸素剤は、該脱酸素剤中にて水が極在化しており、これによって包材の内周面に水がにじみ出す、
ためである。
【0019】
従って、脱酸素剤を封入している透気性包材の内周面に水がにじみ出す現象は、気温が上昇する夏季にその傾向が高くなる
又、結晶水を多く含有している水供与性の高いアルカリ性化合物は、これを粉砕してその粒径を小さくする微粉砕化が困難であり、特に気温が30℃以上になる夏季には、水供与性のアルカリ性化合物から水が遊離しているために、微粉砕化がより困難になる。
【0020】
これに反して、2水塩以下の所謂結晶水の含有量の少ないアルカリ性化合物を使用すると、脱酸素剤を封入している透気性包材の内周面に水がにじみ出すような不都合は生じない。
【0021】
しかしながら、上記のカテコール及び結晶水を有するアルカリ化合物等を配合した脱酸素剤において、脱酸素剤の酸素吸収能を高めるために含有させるアルカリ性化合物の量が脱酸素剤中の水成分に対して多くなり過ぎると、具体的には水成分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部を超えるようになると、水成分がアルカリ性化合物に取られてしまってアルカリ性化合物による触媒の作用が低下する。
【0022】
このために、所謂結晶水の含有量の少ないアルカリ性化合物の使用によっては、酸素吸収能を高める作用を果たす水成分の量が不足してしまい、脱酸素剤の酸素吸収能が十分に高くならないことが判明した。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、低分子フェノール化合物の酸化反応についての以上の諸事実を究明した結果、本発明を完成した。
【0024】
つまり、本発明の目的は、金属探知器に反応することのない有機質系のものであって、嵩高になることがなく、脱酸素性能が高く、すなわち酸素吸収速度が速く、又、脱酸素剤を封入している透気性の包材の内周面に水がにじみ出すことがなく、しかも低分子フェノール化合物の酸化反応に必須であると従来考えられていた活性炭の存在下にアルカリ性化合物を配合して得られる脱酸素剤における酸化反応の進行に伴って発生する黒又は茶褐色のタール状の生成物の問題のない脱酸素剤を提供することにある。
【0025】
又、本発明の目的は、金属探知器に反応することのない有機質系のものであって、嵩高になることがなく、脱酸素性能が高く、すなわち酸素吸収速度が速く、又、脱酸素剤を封入している透気性の包材の内周面に水がにじみ出すことがなく、黒又は茶褐色のタール状の生成物の問題もなく、しかも蓄熱、発熱の少ない脱酸素剤を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の構成による本発明の脱酸素剤によって達成される。
【0027】
すなわち本発明は、低分子フェノール化合物の1種以上と、無水塩及び/又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物と、添加水とを含有する一方、活性炭を含有しない脱酸素剤において、前記低分子フェノール化合物1.0重量部に対して水成分が0.55〜3.0重量部、水酸化アルミニウムが0.01〜5.0重量部の割合で配合されており、かつ、この脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpHが8.1以上であり、しかも水成分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部以下であることを特徴とする。
【0028】
上記の構成による本発明の脱酸素剤において、脱酸素剤中のアルカリ性化合物として結晶水を有するアルカリ性化合物を使用したときには、低分子フェノール化合物1.0重量部に対する水成分の配合量の中に、該アルカリ性化合物中の結晶水が計量されることは勿論である。
【0029】
低分子フェノール化合物1.0重量部に対する水成分の含有量が0.55重量部未満になると、脱酸素剤の酸素吸収能が小さく、又3.0重量部を超えると、脱酸素剤を封入している透気性包材の内周面への水のにじみ出しを生ずることがある。
【0030】
無水塩のアルカリ性化合物又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物の中から選択されるアルカリ性化合物の配合量の最低量は、この脱酸素剤(固形分)の35.0重量%水分散液のpHが8.1以上になればよく、この水分散液のpHが8.1未満のものはアルカリ性化合物の配合量の不足により、アルカリ性化合物の配合に伴う脱酸素剤の酸素吸収能の向上作用が十分でない。
【0031】
なお、上記のアルカリ性化合物の配合量は、該アルカリ性化合物による触媒の作用の低下を生じないように、脱酸素剤中の水成分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部以下になるように抑えておく必要がある。
【0032】
脱酸素剤中に配合する水酸化アルミニウムは、脱酸素剤の脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱を抑制する作用を果たすものであり、該金属水酸化物の配合量が低分子フェノール化合物1.0重量部に対して0.01重量部未満の場合には、金属酸化物の配合の効果がなく、又5.0重量部を超えて配合しても無駄である。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の脱酸素剤に使用される低分子フェノール化合物は、例えばフェノール、カテコール、ピロガロール、クレゾール等であり、特に透気性の包材による小袋内に充填し易いことからカテコールが好適である。
【0034】
本発明の脱酸素剤に使用する無水塩のアルカリ性化合物及び2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物の具体例としては、Na2 CO3 、Na2 CO3 ・H2 O、K2 CO3 、K2 CO3 ・1.5H2 O、K2 CO3 ・2H2 O、NaOH、KOH、NaHCO3 、KHCO3 、CH3 COONa、CaCl2 ・2H2 O、CH3 COOK、クエン酸3ナトリウム2水和物、蓚酸アンモニウム1水和物、炭酸アンモニウム1水和物等が挙げられる。
【0035】
無水塩のアルカリ性化合物及び2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物は、結晶水を多く含んでいるアルカリ性化合物に比較してその粒径が小さいという特性を有するが、同一のアルカリ性化合物の中では粒径のより小さいものの方が、脱酸素剤の酸素吸収能がより高くなる。
【0036】
脱酸素剤の脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱を抑制する作用を果たす金属水酸化物としては、共存させる低分子フェノール化合物と混合し易い粒径のものがよく、自動充填機での透気性包材による小袋内への充填を行ない易い水酸化アルミニウムを用いている。
【0037】
本発明の脱酸素剤を封入した包装袋は、所定の配合成分による混合物を、例えば窒素パージ等によって酸素を遮断した雰囲気中で十分に混合、撹拌した後、これを透気性の包材に封入して得られる。この脱酸素剤を封入するための透気性の包材についての制限は特に無いが、透気性とヒートシール性とを兼備するものがよい。
【0038】
上記の構成による本発明の脱酸素剤は、従来のカテコールと活性炭との混合物を使用する脱酸素剤の嵩高の要因になっている活性炭を配合していないため、鉄系の脱酸素剤と同等の脱酸素性能を得るために必要な脱酸素剤の嵩が、鉄系の脱酸素剤に比較して特別に高くなるようなことがない。
【0039】
又、上記の構成による本発明の脱酸素剤は、無水塩のアルカリ性化合物及び/又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物を使用し、しかも低分子フェノール化合物1.0重量部に対する水成分の含有量を3.0重量部以下に抑えているので、脱酸素剤を封入する透気性の包材の内周面に水がにじみ出すことがない。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の脱酸素剤の具体的な組成を実施例によって説明し、該脱酸素剤を透気性の包材に封入した包装体の脱酸素性能について言及する。
【0041】
実施例1〜実施例11、参考例、比較例1〜比較例11
カテコール1.0重量部に対して、[表1]〜[表2]の所定欄に記載した各成分を混合することにより、実施例品、参考例品及び比較例品の脱酸素剤を得た。
【0042】
次いで、これらの各混合物からなる脱酸素剤を、各脱酸素剤中のカテコールの量で以って0.84g相当量ずつ計り取り、透気性の包材による小袋内に封入し、脱酸素剤を封入した小袋を得た。続いて、この脱酸素剤を封入した小袋を、500ccの空気と共にガスバリヤー性フィルム包材による包装袋内に密封した。
【0043】
しかる後に、この包装袋を20℃の雰囲気中に24時間保存した後、各包装袋内の残存酸素濃度を測定した。この残存酸素濃度の測定結果を、各包装袋内の脱酸素剤の小袋を形成している透気性包材への水のにじみ出しの有,無、及び各小袋に機能している発熱抑制効果の有,無と共に、[表3]に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003706444
**・・・・脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpH
【0045】
【表2】
Figure 0003706444
*・・・・・・結晶水を除いたアルカリ性化合物の重量部**・・・・脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpH
【0046】
【表3】
Figure 0003706444
【0047】
上記の[表1]〜[表3]から分かる通り、実施例1〜実施例11に示す本発明の脱酸素剤は、アルカリ性化合物を含まない(比較例1及び比較例2)か、あるいはアルカリ性化合物の含有量の少ない(比較例3)脱酸素剤に比較して、脱酸素能力に優れており、しかも、脱酸素剤を封入している透気性包材に水のにじみ出しを生じない(比較例6、比較例7、比較例8)。
【0048】
更に、低分子フェノール化合物1.0重量部に対する水成分の配合量が0.5重量部、及び0.525重量部の場合には、残存酸素濃度がそれぞれ5.7重量%及び3.3重量%もあり、実用的でない(比較例4及び比較例5)。これに対して、これより僅かに水成分の配合量を増加させた実施例4や比較例11(水成分の配合量=0.55重量部)では、残存酸素濃度が飛躍的に減少して0.4重量%になる。
【0049】
これによって、低分子フェノール化合物1.0重量部に対する水成分の配合量を0.55重量部以上にすることによって、水成分の配合に伴う脱酸素機能の向上が飛躍的に増大することが分かり、水成分の配合に伴う脱酸素機能の飛躍的な増大を図ることのできる水成分の配合量の特異点が、低分子フェノール化合物1.0重量部に対して0.55重量部に存在していることが分かる。
【0050】
更に、3水塩以上の結晶水を有するアルカリ性化合物を利用することによって、上記の低分子フェノール化合物1.0重量部に対する0.55重量部以上の水成分を確保しようとすると、アルカリ性化合物中の結晶水の極在化等のために、脱酸素剤を包装している透気性包材への水のにじみ出しが生ずることが分かる(比較例8、比較例11)。
【0051】
更に又、脱酸素剤中の水成分に対するアルカリ性化合物の量が過剰になると、アルカリ性化合物による触媒の作用が低下して脱酸素剤の酸素吸収能が不十分になることが分かる(比較例9及び比較例10)。
【0054】
【発明の効果】
本発明の脱酸素剤によれば、金属探知機に反応することが無く、酸素吸収能に優れ、かつ脱酸素剤を封入している透気性の包材の内周面に水がにじみ出すことの無く、しかもその組成成分中に活性炭を使用していないために嵩高になることがなく、更に低分子フェノール化合物の酸化反応に必須であると従来考えられていた活性炭の存在下にアルカリ性化合物を配合して得られる脱酸素剤における酸化反応の進行に伴って発生する黒又は茶褐色のタール状の生成物の問題のないものになる。
【0055】
又本発明の脱酸素剤は、上記の効果に加えて更に、脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱の少ないものになる。

Claims (1)

  1. 低分子フェノール化合物の1種以上と、無水塩及び/又は2水塩以下の結晶水を有するアルカリ性化合物と、添加水とを含有する一方、活性炭を含有しない脱酸素剤において、前記低分子フェノール化合物1.0重量部に対して水成分が0.55〜3.0重量部、水酸化アルミニウムが0.01〜5.0重量部の割合で配合されており、かつ、この脱酸素剤の35.0重量%水分散液のpHが8.1以上であり、しかも水成分1.0重量部に対して無水状態のアルカリ性化合物が2.0重量部以下であることを特徴とする脱酸素剤。
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