JP3205231B2 - 脱酸素剤 - Google Patents

脱酸素剤

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JP3205231B2 JP25014495A JP25014495A JP3205231B2 JP 3205231 B2 JP3205231 B2 JP 3205231B2 JP 25014495 A JP25014495 A JP 25014495A JP 25014495 A JP25014495 A JP 25014495A JP 3205231 B2 JP3205231 B2 JP 3205231B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雰囲気中の酸素の除
去を行なう目的で使用される脱酸素剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】加工食品、農水産品、金属製品、精密部
品、繊維製品等の品質保持の手段として、脱酸素剤を利
用する方法がある。この脱酸素剤による各種の物品の品
質保持手段は、目的の物品が存在する雰囲気中の酸素を
脱酸素剤で吸収し、該雰囲気中を無酸素又は低酸素濃度
に保持することにより、酸素に起因する各種の物品の品
質の低下を防ぐものであり、脱酸素剤を通気性の包材で
包装した包装体を、目的とする各種の物品と共に酸素バ
リヤー性の包材中に密封する手段からなる。
【0003】上記のような目的で使用されている脱酸素
剤には、鉄系の物質を利用する無機質系のものと、有機
質系のものとがある。そして、前者の鉄系の物質を利用
する無機質系の脱酸素剤には、脱酸素剤による脱酸素反
応の必須の成分である水を反応系に供給する機構の違い
によって、自己反応型と水分依存型とがある。又、後者
の有機質系の脱酸素剤には、カテコールと活性化剤とし
ての活性炭との混合物からなるものや、アスコルビン酸
と結晶水又は塩化ナトリウムとの混合物からなるもの等
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の鉄系
の物質を利用する無機質系の脱酸素剤のうちの自己反応
型のものは、脱酸素剤中に水分が含まれているものであ
って、酸素に触れると直ちに酸素吸収反応を開始する
が、反応性が高いために30分以上に亙って空気中に放
置すると、酸素吸収効果が著しく低下してしまい、しか
も自己劣化を招き易く、空気から隔離して保存しておい
ても3か月程で性能が失われてしまう等の欠点を有す
る。
【0005】又、鉄系の物質を利用する無機質系の脱酸
素剤のうちの水分依存型のものは、脱酸素剤自体には水
分が含有されておらず、目的の物品と共に酸素バリヤー
性の包材中に密封したときに、この目的の物品から蒸散
する僅かな水分を利用して酸素吸収反応が行なわれる。
従って、保存を目的とする物品から蒸散する水分の多少
によって、脱酸素速度や酸素吸収の絶対量等の脱酸素性
能が影響するため、脱酸素性能が不安定である。
【0006】更に、上記の鉄系の物質を利用する無機質
系のものは、特に店頭販売される食品包装物に対して実
施している金属探知器に反応してしまうために、その使
用分野が限定される。
【0007】他方、カテコールと活性炭との混合物から
なるものや、アスコルビン酸と結晶水又は塩化ナトリウ
ムとの混合物からなる有機質系の脱酸素剤は、自己劣化
が起こり難く、未使用品を酸素から隔離しておけば、鉄
系の脱酸素剤よりも長期に亙って保存することができ
る。
【0008】しかしながら、上記の有機質系の脱酸素剤
は、脱酸素反応が急激に進むと脱酸素剤が徐々に蓄熱、
発熱し、この蓄熱、発熱が大きくなると、放熱状態を考
慮しなければならなく、取り扱いが煩雑である。
【0009】例えばカテコールと活性炭との混合物から
なる脱酸素剤は、酸素吸収反応に直接関わるカテコール
に対して同量〜4.0倍の重量の活性炭を混合してお
り、脱酸素反応が急激に進むと脱酸素剤が徐々に蓄熱、
発熱する。このため、脱酸素剤と接触して配置してある
物品が昇温することから、昇温によって変敗し易い食品
や風味が損なわれ易い食品等に対して使用することがで
きなく、その使用範囲に制限を受ける。
【0010】なお、特公平3−21214号公報に記載
されているカテコールと活性炭とに対して更に結晶水を
含有するアルカリ性化合物を配合してなる脱酸素剤は、
結晶水を含有するアルカリ性化合物の配合によって、酸
素吸収反応を向上させることができ、しかもカテコール
の酸化反応に伴う発熱を、アルカリ性化合物中の結晶水
の気化熱として奪われるようにしてあるので、酸化反応
による蓄熱、発熱が抑えられる。
【0011】しかしながら、活性炭と結晶水を含有する
アルカリ性化合物との存在下での低分子フェノール化合
物の酸化反応においては、黒又は茶褐色のタール状の生
成物が通気性の包材の外部に洩れ出すことがあるため、
結晶水を含有するアルカリ性化合物の添加量を少量に抑
えなければならなく、結晶水を含有するアルカリ性化合
物による作用を十分に達成させることができなく、未だ
十分な酸素吸収反応の向上及び酸化反応による蓄熱、発
熱の十分な抑制効果を図ることができない。
【0012】又、特開平5−57185号公報には、低
分子フェノール化合物と活性炭とに対して活性アルミナ
を配合してなる脱酸素剤にすることにより、脱酸素反応
による蓄熱、発熱を抑制し得ることが説明されている。
しかしながら、この活性アルミナを配合した脱酸素剤に
よっても、未だ十分な発熱抑制効果が得られない。更
に、活性アルミナの真比重が、低分子フェノール化合物
や活性炭のそれと比較して遥かに大きいために、低分子
フェノール化合物と活性炭とに対して活性アルミナを配
合してなる脱酸素剤は、該脱酸素剤の調整の際にこれら
の各成分を均一に混合させ難く、均一混合のための手間
が煩雑である。
【0013】これに対して本発明者は、低分子フェノー
ル化合物と活性炭との系からなる脱酸素剤に対して、水
酸化アルミニウム粉末を添加すると、該水酸化アルミニ
ウム粉末の添加に伴う脱酸素機能の低下がなく、しかも
良好な発熱抑制効果が得られることを確認し、本発明を
完成するに至った。
【0014】又本発明者は、低分子フェノール化合物と
活性炭と水酸化アルミニウム粉末との系からなる脱酸素
剤に対して、結晶水を含有するアルカリ性化合物とを添
加すると、脱酸素機能機能が著しく向上し、かつ発熱抑
制効果も更に向上することを確認し、本発明を完成する
に至った。
【0015】したがって請求項1の発明の目的は、金属
探知器に反応することのない有機質系のものであって、
脱酸素反応の進行が円滑で、しかも脱酸素反応に伴う蓄
熱、発熱の少ない脱酸素剤を提供することにある。
【0016】又、請求項2の発明の目的は、金属探知器
に反応することのない有機質系のものであって、脱酸素
反応の進行が更に円滑で、しかも脱酸素反応に伴う蓄
熱、発熱が更に少ない脱酸素剤を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の構
成による本発明の脱酸素剤によって達成される。すなわ
ち本発明の脱酸素剤は、低分子フェノール化合物の1種
以上と水酸化アルミニウム粉末と活性炭との混合物から
なり、かつ低分子フェノール化合物1.0重量部に対し
て、水酸化アルミニウム粉末0.5〜3.0重量部、活
性炭1.0〜4.0重量部の割合で配合されているもの
である。
【0018】又、本発明の脱酸素剤は、低分子フェノー
ル化合物の1種以上と水酸化アルミニウム粉末と活性炭
と結晶水を含有するアルカリ性化合物との混合物からな
り、かつ低分子フェノール化合物1.0重量部に対し
て、水酸化アルミニウム粉末0.5〜3.0重量部、活
性炭1.0〜4.0重量部、結晶水を含有するアルカリ
性化合物0.2〜2.0重量部の割合で配合されている
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の脱酸素剤に使用される低
分子フェノール化合物は、例えばフェノール、カテコー
ル、ピロガロール、クレゾール等であり、特に通気性の
包材による小袋内に充填し易いことからカテコールが好
適である。
【0020】水酸化アルミニウム粉末は、共存させる低
分子フェノール化合物と混合し易い粒径のものがよく、
自動充填機での通気性包材による小袋内への充填を行な
い易いものがよい。
【0021】活性炭は、蒸留水中に分散させたときに、
その液がアルカリ性を示し、かつ共存させる低分子フェ
ノール化合物と混合し易いものであればよい。
【0022】結晶水を含有するアルカリ性化合物として
は、例えばクエン酸3ナトリウム2水和物、酢酸ナトリ
ウム3水和物、亜硫酸ナトリウム7水塩、4ほう酸ナト
リウム10水塩、塩化カルシウム2水塩、塩化カルシウ
ム6水塩、ほう酸アンモニウム8水塩、蓚酸アンモニウ
ム1水和物、炭酸アンモニウム1水和物、炭酸ナトリウ
ム3水塩、炭酸ナトリウム10水塩等であり、特に得ら
れる効果とコストの面から、炭酸ナトリウム10水塩が
好適である。
【0023】低分子フェノール化合物の1種以上と水酸
化アルミニウム粉末と活性炭との混合物からなる本発明
の脱酸素剤は、低分子フェノール化合物1.0重量部に
対して、水酸化アルミニウム粉末0.5〜3.0重量
部、活性炭1.0〜4.0重量部の割合で配合されてい
るものであるが、水酸化アルミニウム粉末は低分子フェ
ノール化合物1.0重量部に対して1.2〜2.0重量
部の割合で配合されると、より好ましい。
【0024】又、低分子フェノール化合物の1種以上と
水酸化アルミニウム粉末と活性炭と結晶水を含有するア
ルカリ性化合物との混合物からなる本発明の脱酸素剤
は、低分子フェノール化合物1.0重量部に対して、水
酸化アルミニウム粉末0.5〜3.0重量部、活性炭
1.0〜4.0重量部、結晶水を含有するアルカリ性化
合物0.2〜2.0重量部の割合で配合されているもの
であるが、水酸化アルミニウム粉末は低分子フェノール
化合物1.0重量部に対して1.2〜2.0重量部の割
合で配合されると、より好ましい。
【0025】本発明の脱酸素剤を封入した包装体は、所
定の配合成分を例えば窒素パージ等によって酸素を遮断
した雰囲気中で十分に混合、撹拌した後、これを通気性
の包材に封入して得られる。
【0026】上記の脱酸素剤を封入するための通気性の
包材についての制限は特に無いが、通気性とヒートシー
ル性とを兼備するものがよい。脱酸素剤を通気性の包材
に封入した包装体は、内部の脱酸素剤が酸素の吸収によ
ってべたつくようになったり、あるいは包装体内が湿度
80%以上の高湿状態になったりする場合もあるため、
液体が外部に滲み出すようなことの無い包材であること
が特に好ましい。
【0027】なお、窒素パージして酸素を遮断した雰囲
気中にて、1重量部のカテコールと2.0重量部の活性
炭と2.0重量部の水酸化アルミニウム粉末とを十分に
混合して得られた脱酸素剤(1)の300gを大気中に
取り出して放置しても、150℃以上には昇温しない
が、1.0重量部のカテコールと2.0重量部の活性炭
とによる脱酸素剤(2)は、10gであっても大気中に
取り出して放置すると150℃に昇温する。
【0028】又、透気度5000〜7000秒(王研
式)の通気性包材で作成した小袋に、上記の脱酸素剤
(1)を3.5g宛封入した脱酸素剤の包装体の600
個を、大気中に取り出して放置したときの最高発熱温度
は60℃であるが、脱酸素剤(2)を3.5g宛封入し
た脱酸素剤の包装体600個を、大気中に取り出して放
置したときの最高発熱温度は180℃である。
【0029】上記の構成による請求項1の発明の脱酸素
剤は、該脱酸素剤中の水酸化アルミニウム粉末の存在
が、脱酸素剤の脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱を抑え、し
かも、脱酸素剤中のこの水酸化アルミニウム粉末の存在
が、脱酸素剤の脱酸素機能の低下に繋ることがない。
又、請求項2の発明の脱酸素剤は、該脱酸素剤中の結晶
水を含有するアルカリ性化合物の存在が、脱酸素剤の脱
酸素機能を大幅に向上させ、しかも低分子フェノール化
合物による脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱をより効果的に
抑える作用を果たす。
【0030】なお、脱酸素剤中に活性炭と結晶水を含有
するアルカリ性化合物とが共存している脱酸素剤におい
て、結晶水を含有するアルカリ性化合物の配合量を多く
すると、低分子フェノール化合物による脱酸素反応の進
行に伴ってタール状の生成物が発生するが、ここに更に
水酸化アルミニウム粉末が添加されていると、結晶水を
含有するアルカリ性化合物の配合量をタール状の生成物
が発生しない程度の少量に抑えても、脱酸素剤の脱酸素
機能は大幅に向上しており、しかも低分子フェノール化
合物の脱酸素反応に伴う蓄熱、発熱の抑制も、より効果
的になる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の脱酸素剤の具体的な組成を実
施例によって説明し、該脱酸素剤を通気性包材に封入し
た包装体の脱酸素性能について言及する。
【0032】実施例1 予め窒素パージした酸素濃度0.3%以下のグローブボ
ックス内にて以下の処方を行なった。
【0033】すなわち、カテコール粉末10.0gを乳
鉢によって平均粒径が2mm以下になるように擦り潰し
た後、上記の乳鉢内に20.0gの水酸化アルミニウム
粉末と、20.0gの椰子殻炭からなる活性炭を添加し
て7分間撹拌し、本発明の実施例品である脱酸素剤
(A)を得た。
【0034】次いで、和紙に有孔プラスチックシートを
ラミネートした透気度5000秒(王研式)の通気性包
材で作成した60mm×65mmのサイズの小袋に、上
記の脱酸素剤(A)を5.0g宛計り取り、これをヒー
トシールして脱酸素剤(A)の包装体(a)を得た。
【0035】然る後に、上記の脱酸素剤(A)を封入し
た包装体(a)の1個を、20cm×20cmの酸素透
過率4cc/m2 /24hrs.atmの酸素バリヤー
性外袋(1)に入れ、極力窒素を追い出した後、該外袋
(1)をヒートシールすることにより、これを空気中に
放置しても外袋(1)内に空気が入ることのない試験用
の包装物を得た。
【0036】上記の処方によってグローブボックス内で
作成した試験用の包装物をグローブボックスから取り出
し、外袋(1)にゴム弁を取り付けた後、このゴム弁に
注射針を差し込んで外袋(1)内に500ccの空気を
封入し、更に22℃にて放置することにより、外袋
(1)内の酸素濃度の経時的変化を追跡、分析した。そ
の結果、外袋(1)内の酸素濃度は、サンプル10個の
平均値で、12時間後に13.5%、24時間後に9.
4%、36時間後に5.1%、48時間後に1.8%に
なった。
【0037】又、グローブボックス内の脱酸素剤(A)
を、2枚重ねのティッシュペーパーの上に50.0g計
り取った後、大気中に取り出して放置したときの最高発
熱温度は70℃であった。
【0038】実施例2 予め窒素パージした酸素濃度0.3%以下のグローブボ
ックス内にて以下の処方を行なった。
【0039】すなわち、カテコール粉末10.0gを乳
鉢によって平均粒径が2mm以下になるように擦り潰し
た後、上記の乳鉢内に12.0gの水酸化アルミニウム
粉末と、20.0gの椰子殻炭からなる活性炭と、4.
0gの炭酸ナトリウム10水塩を添加して7分間撹拌
し、本発明の実施例品である脱酸素剤(B)を得た。
【0040】次いで、和紙に有孔プラスチックシートを
ラミネートした透気度5000秒(王研式)の通気性包
材で作成した60mm×65mmのサイズの小袋に、上
記の脱酸素剤(B)を4.6g宛計り取り、これをヒー
トシールして脱酸素剤(B)の包装体(b)を得た。
【0041】然る後に、上記の脱酸素剤(B)を封入し
た包装体(b)の1個を、20cm×20cmの酸素透
過率4cc/m2 /24hrs.atmの酸素バリヤー
性外袋(1)に入れ、極力窒素を追い出した後、該外袋
(1)をヒートシールすることにより、これを空気中に
放置しても外袋(1)内に空気が入ることのない試験用
の包装物を得た。
【0042】上記の処方によってグローブボックス内で
作成した試験用の包装物をグローブボックスから取り出
し、外袋(1)にゴム弁を取り付けた後、このゴム弁に
注射針を差し込んで外袋(1)内に500ccの空気を
封入し、更に22℃にて放置することにより、外袋
(1)内の酸素濃度の経時的変化を追跡、分析した。そ
の結果、外袋(1)内の酸素濃度は、サンプル10個の
平均値で、12時間後に9.8%、24時間後に5.2
%、36時間後に2.4%、48時間後には無酸素状態
になった。
【0043】又、グローブボックス内の脱酸素剤(B)
を、2枚重ねのティッシュペーパーの上に46.0g計
り取った後、これを大気中に取り出して放置したときの
最高発熱温度は65℃であった。
【0044】比較例1 予め窒素パージした酸素濃度0.3%以下のグローブボ
ックス内にて以下の処方を行なった。
【0045】すなわち、カテコール粉末10.0gを乳
鉢によって平均粒径が2mm以下になるように擦り潰し
た後、上記の乳鉢内に20.0gの椰子殻炭からなる活
性炭を添加して7分間撹拌し、比較のための脱酸素剤
(C)を得た。
【0046】次いで、和紙に有孔プラスチックシートを
ラミネートした透気度5000秒(王研式)の通気性包
材で作成した60mm×65mmのサイズの小袋に、上
記の脱酸素剤(C)を3.0g宛計り取り、これをヒー
トシールして脱酸素剤(C)の包装体(c)を得た。
【0047】然る後に、上記の脱酸素剤(C)を封入し
た包装体(c)の1個を、20cm×20cmの酸素透
過率4cc/m2 /24hrs.atmの酸素バリヤー
性外袋(1)に入れ、極力窒素を追い出した後、該外袋
(1)をヒートシールすることにより、これを空気中に
放置しても外袋(1)内に空気が入ることのない試験用
の包装物を得た。
【0048】上記の処方によってグローブボックス内で
作成した試験用の包装物をグローブボックスから取り出
し、外袋(1)にゴム弁を取り付けた後、このゴム弁に
注射針を差し込んで外袋(1)内に500ccの空気を
封入し、更に22℃にて放置することにより、外袋
(1)内の酸素濃度の経時的変化を追跡、分析した。そ
の結果、外袋(1)内の酸素濃度は、サンプル10個の
平均値で、12時間後に14.1%、24時間後に1
0.2%、36時間後に6.3%、48時間後には2.
1%になった。
【0049】又、グローブボックス内の脱酸素剤(C)
を、2枚重ねのティッシュペーパーの上に30.0g計
り取った後、これを大気中に取り出して放置したときの
最高発熱温度は173℃であった。
【0050】比較例2 予め窒素パージした酸素濃度0.3%以下のグローブボ
ックス内にて以下の処方を行なった。
【0051】すなわち、カテコール粉末10.0gを乳
鉢によって平均粒径が2mm以下になるように擦り潰し
た後、上記の乳鉢内に20.0gの椰子殻炭からなる活
性炭と、4.0gの炭酸ナトリウム10水塩を添加して
7分間撹拌し、比較のための脱酸素剤(D)を得た。
【0052】次いで、和紙に有孔プラスチックシートを
ラミネートした透気度5000秒(王研式)の通気性包
材で作成した60mm×65mmのサイズの小袋に、上
記の脱酸素剤(D)を3.4g宛計り取り、これをヒー
トシールして脱酸素剤(D)の包装体(d)を得た。
【0053】然る後に、上記の脱酸素剤(D)を封入し
た包装体(d)の1個を、20cm×20cmの酸素透
過率4cc/m2 /24hrs.atmの酸素バリヤー
性外袋(1)に入れ、極力窒素を追い出した後、該外袋
(1)をヒートシールすることにより、これを空気中に
放置しても外袋(1)内に空気が入ることのない試験用
の包装物を得た。
【0054】上記の処方によってグローブボックス内で
作成した試験用の包装物をグローブボックスから取り出
し、外袋(1)にゴム弁を取り付けた後、このゴム弁に
注射針を差し込んで外袋(1)内に500ccの空気を
封入し、更に22℃にて放置することにより、外袋
(1)内の酸素濃度の経時的変化を追跡、分析した。そ
の結果、外袋(1)内の酸素濃度は、サンプル10個の
平均値で、12時間後に10.2%、24時間後に4.
7%、36時間後に2.9%、48時間後には無酸素状
態になった。
【0055】又、グローブボックス内の脱酸素剤(D)
を、2枚重ねのティッシュペーパーの上に34.0g計
り取った後、これを大気中に取り出して放置したときの
最高発熱温度は170℃であった。
【0056】比較例3 予め窒素パージした酸素濃度0.3%以下のグローブボ
ックス内にて以下の処方を行なった。
【0057】すなわち、カテコール粉末10.0gを乳
鉢によって平均粒径が2mm以下になるように擦り潰し
た後、上記の乳鉢内に20.0gの椰子殻炭からなる活
性炭と、3.0gの活性アルミナを添加して7分間撹拌
し、比較のための脱酸素剤(E)を得た。
【0058】次いで、和紙に有孔プラスチックシートを
ラミネートした透気度5000秒(王研式)の通気性包
材で作成した60mm×65mmのサイズの小袋に、上
記の脱酸素剤(E)を3.5g宛計り取り、これをヒー
トシールして脱酸素剤(E)の包装体(e)を得た。
【0059】然る後に、上記の脱酸素剤(E)を封入し
た包装体(e)の1個を、20cm×20cmの酸素透
過率4cc/m2 /24hrs.atmの酸素バリヤー
性外袋(1)に入れ、極力窒素を追い出した後、該外袋
(1)をヒートシールすることにより、これを空気中に
放置しても外袋(1)内に空気が入ることのない試験用
の包装物を得た。
【0060】上記の処方によってグローブボックス内で
作成した試験用の包装物をグローブボックスから取り出
し、外袋(1)にゴム弁を取り付けた後、このゴム弁に
注射針を差し込んで外袋(1)内に500ccの空気を
封入し、更に22℃にて放置することにより、外袋
(1)内の酸素濃度の経時的変化を追跡、分析した。そ
の結果、外袋(1)内の酸素濃度は、サンプル10個の
平均値で、12時間後に9.6%、24時間後に5.7
%、36時間後に4.0%、48時間後に2.8%にな
った。
【0061】又、グローブボックス内の脱酸素剤(E)
を、2枚重ねのティッシュペーパーの上に33.0g計
り取った後、これを大気中に取り出して放置したときの
最高発熱温度は120℃であった。
【0062】以上の実施例の脱酸素剤の組成成分を[表
1]に、又比較例の脱酸素剤の組成成分を[表2]に、
更にこれらの脱酸素剤による脱酸素性能を雰囲気中の酸
素濃度(%)でもって[表3]にまとめて示す。更に
又、これらの脱酸素剤を大気中に放置したときの最高発
熱温度を[表3]に併記する。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】請求項1の発明の脱酸素剤は、低分子フ
ェノール化合物の1種以上と水酸化アルミニウム粉末と
活性炭との混合物からなるものであるために、従来の有
機質系の脱酸素剤と同様に金属探知器に反応することが
なく、従って食品包装物のように金属探知器に通される
分野のものにも利用可能であって、その利用分野に制限
がなく、しかも低分子フェノール化合物1.0重量部に
対して、水酸化アルミニウム粉末0.5〜3.0重量
部、活性炭1.0〜4.0重量部の割合で配合されてい
るために、低分子フェノール化合物による酸素吸収反応
によって脱酸素剤が異常に発熱するようなことがなく、
又この水酸化アルミニウム粉末の存在によって脱酸素剤
の脱酸素機能の低下を起こすことがない。
【0067】したがって、請求項1の発明の脱酸素剤に
よれば、放熱状態を考慮する必要がなく、取り扱いが容
易である。又これによって、請求項1の発明の脱酸素剤
は、昇温によって変敗し易い良品や風味が損なわれ易い
食品等に対しても使用することができ、その使用範囲に
制限を受けることがない。
【0068】又、請求項1の発明の脱酸素剤に配合して
ある水酸化アルミニウム粉末は、該水酸化アルミニウム
粉末の真比重が、低分子フェノール化合物や活性炭のそ
れと略等しいために、脱酸素剤を調整する際の均一混合
を行ない易く、かかる面での取り扱い容易性もある。
【0069】請求項2の発明は、低分子フェノール化合
物の1種以上と水酸化アルミニウム粉末と活性炭と結晶
水を含有するアルカリ性化合物を添加した混合物からな
るものであるために、従来の有機質系の脱酸素剤と同様
に金属探知器に反応することがなく、その利用分野が制
限されることがないことは請求項1の発明の脱酸素剤と
同様である。しかも請求項2の発明は、請求項1の発明
の脱酸素剤に比較して、低分子フェノール化合物1.0
重量部に対して、更に結晶水を含有するアルカリ性化合
物0.2〜2.0重量部が配合されているので、この結
晶水を含有するアルカリ性化合物の存在により脱酸素機
能がより一層良好であるだけでなく、脱酸素剤の酸素吸
収反応に伴う発熱抑制効果も更に向上する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子フェノール化合物の1種以上と水
    酸化アルミニウム粉末と活性炭との混合物からなり、低
    分子フェノール化合物1.0重量部に対して、水酸化ア
    ルミニウム粉末0.5〜3.0重量部、活性炭1.0〜
    4.0重量部の割合で配合されていることを特徴とする
    脱酸素剤。
  2. 【請求項2】 低分子フェノール化合物の1種以上と水
    酸化アルミニウム粉末と活性炭と結晶水を含有するアル
    カリ性化合物との混合物からなり、低分子フェノール化
    合物1.0重量部に対して、水酸化アルミニウム粉末
    0.5〜3.0重量部、活性炭1.0〜4.0重量部、
    結晶水を含有するアルカリ性化合物0.2〜2.0重量
    部の割合で配合されていることを特徴とする脱酸素剤。
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