JPH1083932A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JPH1083932A
JPH1083932A JP8289887A JP28988796A JPH1083932A JP H1083932 A JPH1083932 A JP H1083932A JP 8289887 A JP8289887 A JP 8289887A JP 28988796 A JP28988796 A JP 28988796A JP H1083932 A JPH1083932 A JP H1083932A
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ceramic capacitor
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multilayer ceramic
nickel
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博之 和田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 誘電率及びCR積で表した絶縁抵抗が高く、
静電容量の温度特性や耐候性、耐メッキ性ならびに絶縁
耐力に優れた低コストの小型大容量の積層セラミックコ
ンデンサを提供する。 【解決手段】 (1−α−β−γ){BaO}m・Ti
2+αM23+βRe23+γ(Mn1-x-yNix
y)O(M23は、Sc23、Y23の中の1種類、
Re23は、Sm23、Eu23の中の1種類、α、
β、γ、m、x,yは、0.0025≦α+β≦0.0
25、0<β≦0.0075、0.0025≦γ≦0.
05、γ/(α+β)≦4、0≦x<1.0、0≦y<
1.0、0≦x+y<1.0、1.000<m≦1.0
35)で表される主成分100モルに対して、副成分と
して、MgOを0.5〜5.0モル添加含有し、上記成
分を100重量部として、Li2O−B23−(Si,
Ti)O2系の酸化物を0.2〜3.0重量部含有した
材料によって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に用いら
れるセラミックコンデンサ、特にニッケルあるいはニッ
ケル合金からなる内部電極を有する積層セラミックコン
デンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層セラミックコンデンサの
製造工程は、以下のようなものが一般的である。まず、
その表面に内部電極となる電極材料を塗布したシート状
の誘電体セラミック層が準備される。誘電体セラミック
層としては、たとえばBaTiO3を主成分とする材料
が用いられる。次にこの電極材料を塗布したシート状の
誘電体セラミック層を積層して熱圧着し、一体化したも
のを自然雰囲気中において1250〜1350℃で焼成
することで、内部電極を有するセラミック積層体が得ら
れる。そして、このセラミック積層体の端面に、内部電
極と導通する外部電極を焼き付けることにより、積層セ
ラミックコンデンサが得られる。
【0003】従って、内部電極の材料としては、次のよ
うな条件を満たす必要がある。 1.セラミック積層体と内部電極とが同時に焼成される
ので、セラミック積層体が焼成される温度以上の融点を
有すること。
【0004】2.酸化性の高温雰囲気中においても酸化
されず、しかも誘電体セラミック層と反応しないこと。
【0005】このような条件を満足させる電極として
は、白金、金、パラジウムあるいは銀−パラジウム合金
などのような貴金属が用いられてきた。しかしながら、
これらの電極材料は優れた特性を有する反面、高価であ
ったため、積層セラミックコンデンサに占める電極材料
費の割合は30〜70%にも達し、製造コストを上昇さ
せる最大の要因となっていた。
【0006】貴金属以外に高融点をもつものとしてN
i,Fe,Co,W,Mo等の卑金属があるが、これら
の卑金属は高温の酸化性雰囲気中では容易に酸化されて
しまい、電極としての役目を果たさなくなってしまう。
そのため、これらの卑金属を積層セラミックコンデンサ
の内部電極として使用するためには、誘電体セラミック
層とともに中性または還元性雰囲気中で焼成する必要が
ある。しかしながら、従来の誘電体セラミック材料で
は、このような中性または還元性雰囲気で焼成すると著
しく還元してしまい、半導体化してしまうという欠点が
あった。
【0007】このような欠点を克服するために、たとえ
ば特公昭57−42588号公報に示されるように、チ
タン酸バリウム固溶体において、バリウムサイト/チタ
ンサイトの比を化学量論比より過剰にした誘電体セラミ
ック材料や、特開昭61−101459号公報のように
チタン酸バリウム固溶体にLa、Nd、Sm、Dy、Y
等の希土類酸化物を添加した誘電体セラミック材料が考
えだされた。
【0008】また、誘電率の温度変化を小さくしたもの
として、たとえば特開昭62−256422号に示され
るBaTiO3−CaZrO3−MnO−MgO系の組成
や、特公昭61−14611号に示されるBaTiO3
−(Mg,Zn,Sr,Ca)O−B23−SiO2系の
組成の誘電体セラミック材料が提案されてきた。
【0009】このような誘電体セラミック材料を使用す
ることによって、還元性雰囲気で焼成しても半導体化し
ないセラミック積層体を得ることができ、内部電極とし
てニッケル等の卑金属を使用した積層セラミックコンデ
ンサの製造が可能になった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年のエレクトロニク
スの発展に伴い電子部品の小型化が急速に進行し、積層
セラミックコンデンサも小型化、大容量化の傾向が顕著
になってきた。従って、高誘電率で、誘電率の温度変化
が小さく、信頼性に優れる誘電体セラミック材料に対す
る需要が大きくなっている。
【0011】しかしながら、特公昭57−42588号
公報や、特開昭61−101459号公報に示される誘
電体セラミック材料は、大きな誘電率が得られるもの
の、得られたセラミック積層体の結晶粒が大きくなり、
積層セラミックコンデンサにおける誘電体セラミック層
の厚みが10μm以下のような薄膜になると、1つの層
中に存在する結晶粒の数が減少し、信頼性が低下してし
まうという欠点があった。また、誘電率の温度変化も大
きいという問題もあり、市場の要求に十分に対応できて
いるとはいえない。
【0012】一方、特開昭62−256422号公報に
示される誘電体セラミック材料では、誘電率が比較的高
く、得られたセラミック積層体の結晶粒も小さく、誘電
率の温度変化も小さいものの、CaZrO3や焼成過程
で生成するCaTiO3が、MnOなどとともに二次相
を生成しやすいため、高温での信頼性に問題があった。
【0013】また、特公昭61−14611号公報に示
される誘電体セラミック材料では、得られる誘電率が2
000〜2800であり、積層セラミックコンデンサの
小型大容量化という点で不利であるという欠点があっ
た。さらに、EIA規格で規定されているX7R特性、
すなわち、温度範囲−55〜+125℃の間で静電容量
の変化率が±15%以内を満足し得ないという問題があ
った。
【0014】そこで、上記問題点を解決すべく、特開平
5−9066号、特開平5−9067号、特開平5−9
068号の組成が提案されている。しかし、その後の信
頼性に対する市場要求がより厳しくなり、信頼性に優れ
た誘電体セラミック材料への要求が高まってきている。
また同時に、セラミック誘電体層の薄層化への要求特性
も厳しくなっている。
【0015】しかしながら、セラミック誘電体層を薄層
化する際に、定格電圧を薄層化する前と同じ定格電圧に
すると、一層当たりに印加される電界強度が大きくなる
ことから、室温、高温での絶縁抵抗が低くなってしまう
ことなどにより、信頼性が著しく低下してしまう。その
ため、従来の誘電体セラミック材料では、セラミック誘
電体層を薄層化する際には、定格電圧を下げる必要があ
った。
【0016】そこで、セラミック誘電体層の薄層化によ
り定格電圧を下げる必要のない、高電界強度下での絶縁
抵抗が高く、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサ
を提案する必要が生じてきた。
【0017】ところで、小型大容量の積層セラミックコ
ンデンサにおいては、自動表面実装に対応するため、外
部電極として導電性金属粉末の焼き付け電極の上に半田
などのメッキ膜が形成される。
【0018】メッキ膜の形成方法としては、電解メッキ
法が一般的である。通常、導電性金属粉末の焼き付け電
極は、微細な空隙が生じる。そのため、その上にメッキ
被膜を形成する際にメッキ液中に積層セラミックコンデ
ンサを浸漬すると、焼き付け電極の空隙にメッキ液が侵
入し、内部電極と誘電体セラミック層の界面にまでおよ
び、信頼性の低下を招くという問題がある。
【0019】それゆえに、本発明の主たる目的は、誘電
率が3000以上、絶縁抵抗を静電容量との積(CR
積)で表した場合に、20kV/mmでの室温及び12
5℃での絶縁抵抗がそれぞれ2000MΩ・μF、50
0MΩ・μF以上と高く、静電容量の温度特性がJIS
規格で規定されているB特性及びEIA規格で規定され
ているX7R特性を満足し、メッキ層の有無に関係なく
信頼性の高い、低コストの小型大容量の積層セラミック
コンデンサを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
目的に鑑みてなされたものである。本発明の積層セラミ
ックコンデンサは、複数の誘電体セラミック層と、それ
ぞれの端縁が前記誘電体セラミック層の両端面に露出す
るように前記誘電体セラミック層間に形成された複数の
内部電極と、露出した前記内部電極に電気的に接続され
るように設けられた外部電極とを含む積層セラミックコ
ンデンサにおいて、前記誘電体セラミック層が、不純物
として含まれるアルカリ金属酸化物の含有量が0.02
重量%以下のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウム、
酸化イットリウムの中から選ばれる少なくとも1種類
と、酸化サマリウム、酸化ユーロピウムの中から選ばれ
る少なくとも1種類と、酸化マンガン、酸化コバルトお
よび酸化ニッケルとからなり、次の組成式、 (1−α−β−γ){BaO}m・TiO2+αM23
βRe23+γ(Mn1-x-yNixCoy)O (ただし、M23は、Sc23、Y23の中から選ばれ
る少なくとも1種類、Re23は、Sm23、Eu23
の中から選ばれる少なくとも1種類、α、β、γ、m、
x、y、は、 0.0025≦α+β≦0.025 0<β≦0.0075 0.0025≦γ≦0.05 γ/(α+β)≦4 0≦x<1.0 0≦y<1.0 0≦x+y<1.0 1.000<m≦1.035) で表される主成分100モルに対して、副成分として、
酸化マグネシウムをMgOに換算したとき、MgO;
0.5〜5.0モル添加含有し、さらに、前記主成分お
よび前記酸化マグネシウムの合計をを100重量部とし
て、Li2O−B23−(Si,Ti)O2系の酸化物ガ
ラスを0.2〜3.0重量部含有した材料によって構成
され、前記内部電極はニッケルまたはニッケル合金によ
って構成されることに特徴がある。
【0021】また、本発明の積層セラミックコンデンサ
においては、前記Li2O−B23−(Si,Ti)O2
系の酸化物ガラスが、{Li2O,B23,(SiwTi
1-w)O2}(ただし、0.3≦w<1.0)の三角図とし
たときに(単位はモル%)、 A(0,20,80) B(19,1,80) C(49、1、50) D(45,50,5) E(20,75,5) F(0,80,20) の4点を結ぶ6本の直線で囲まれた領域の内部または線
上にあり、上記成分を100重量部として、Al23
よびZrO2のうち少なくとも1種類を合計で20重量
部以下(ただし、ZrO2は10重量部以下)を添加含
有することが好ましい。
【0022】また、本発明の積層セラミックコンデンサ
においては、前記外部電極は、導電性金属粉末またはガ
ラスフリットを添加した導電性金属粉末の焼結層によっ
て構成されていることが好ましい。
【0023】さらに、前記外部電極は、導電性金属粉末
またはガラスフリットを添加した導電性金属粉末の焼結
層からなる第1層と、その上のメッキ層からなる第2層
とからなることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の積層セラミックコンデンサは、誘
電体セラミック層の材料として、チタン酸バリウムと、
酸化スカンジウム、酸化イットリウムの中の少なくとも
1種類と、酸化サマリウム、酸化ユーロピウムの中の少
なくとも1種類と、酸化マンガン、酸化コバルト、及び
酸化ニッケルの組成比を上述のように調整し、酸化マグ
ネシウム、及びLi2O−B23−(Si,Ti)O2
の酸化物ガラスを添加含有させた誘電体セラミック材料
を用いることによって、還元性雰囲気中で焼成しても、
その特性を劣化させることなく焼成することができ、静
電容量の温度特性がJIS規格で規定されているB特性
及びEIA規格で規定されているX7R特性を満足し、
高電界強度下の室温及び高温において、絶縁抵抗が高
く、信頼性が高い積層セラミックコンデンサを得ること
ができる。
【0025】また、得られる誘電体セラミック積層体の
結晶粒径が1μm以下と小さいため、1つの誘電体層中
に存在する結晶粒の数を増やすことができ、積層セラミ
ックコンデンサの誘電体セラミック層の厚みを薄くして
も信頼性の低下を防ぐことができる。
【0026】なお、本発明においては、上記主成分のう
ち、そのチタン酸バリウム中に不純物として存在するS
rO、CaO等のアルカリ土類金属酸化物、Na2O、K
2O等のアルカリ金属酸化物、その他Al23、SiO2
等の酸化物のうち、特にNa2O、K2O等のアルカリ金
属酸化物の含有量が電気的特性に大きく影響することを
確認している。つまり、不純物として存在するアルカリ
金属酸化物の含有量が0.02重量%未満のチタン酸バ
リウムを用いることで、3000以上の誘電率が得られ
ることを確認している。。
【0027】また、誘電体セラミック層中にLi2O−
23−(Si,Ti)O2を主成分とする酸化物ガラ
スを添加させることによって、焼結性がよくなるととも
に、耐メッキ性が向上することも確認している。さら
に、前記Li2O−B23−(Si,Ti)O2を主成分
とする酸化物ガラスにAl23、ZrO2を添加含有さ
せることで、より高い絶縁抵抗を得る事が可能となる。
【0028】上述したような誘電体セラミック材料を用
いて誘電体セラミック層を形成すれば、自動表面実装に
対応可能で、静電容量の温度変化が小さく、信頼性が高
い小型大容量の積層セラミックコンデンサを実現するこ
とが可能となるとともに、ニッケル及びニッケル合金を
内部電極とすることが可能となる。また、ニッケル、ニ
ッケル合金とともに、セラミック粉末を少量添加するこ
とも可能である。
【0029】また、外部電極の組成は特に限定されるも
のではない。具体的には、例えば、Ag、Pd、Ag−
Pd、Cu、Cu合金等の種々の導電性金属粉末の焼結
層、または、上記導電性金属粉末と、B23−Li2
−SiO2−BaO系、B23−SiO2−BaO系、L
2O−SiO2−BaO系、B23−SiO2−ZnO
系等の種々のガラスフリットとを配合した焼結層によっ
て構成されていればよい。また、少量であれば、導電性
金属粉末とガラスフリットとともにセラミック粉末を添
加してもよい。より好ましくは、この焼結層の上にメッ
キ層を被覆する場合であり、メッキ層は、Ni、Cu、
Ni−Cu合金等からなるメッキ層のみでもよいし、さ
らにその上に半田、錫などのメッキ層を有してもよい。
【0030】次に、本発明を実施例に基づき、さらに具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0031】
【実施例】本発明の一実施例である積層セラミックコン
デンサについて説明する。図1は本実施例の積層セラミ
ックコンデンサの概略断面図、図2は本実施例の内部電
極を有する積層セラミック層の概略平面図、図3は本実
施例のセラミック積層体の分解斜視図を示す。
【0032】図1に示すように、本発明にかかる積層セ
ラミックコンデンサ1は、内部電極4を介在して、複数
枚の誘電体セラミック層2a,2bを積層して得られた
セラミック積層体3の両端面に、外部電極5、及びニッ
ケル、銅などのメッキ第1層6、半田、錫などのメッキ
第2層7が形成された直方体形状のチップタイプであ
る。
【0033】次に、本発明にかかる積層セラミックコン
デンサ1の製造方法について、製造工程順に説明する。
まず、セラミック積層体3を形成する。このセラミック
積層体3は次のようにして製造される。図2に示すよう
に、チタン酸バリウムと、酸化スカンジウム、酸化イッ
トリウムの中から選ばれる少なくとも1種類と、酸化サ
マリウム、酸化ユーロピウムから選ばれる少なくとも1
種類と、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケルと
からなる主成分と、酸化マグネシウム、Li2O−B2
3−(Si,Ti)O2系の酸化物ガラスからなる材料粉
末をスラリー化してシート状とした誘電体セラミック層
2(グリーンシート)を用意し、その一面にニッケルま
たはニッケル合金からなる内部電極4を形成する。な
お、内部電極4を形成する方法は、スクリーン印刷など
による形成でも、蒸着法、メッキ法による形成でもいず
れでも構わない。
【0034】内部電極4を有する誘電体セラミック層2
bは必要枚数積層され、図3に示す如く、内部電極を有
しない誘電体セラミック層2aにて挟んで圧着し、積層
体とする。その後、この積層された誘電体セラミック層
2a、2b、・・・、2b,2aを還元性雰囲気中、所
定の温度にて焼成し、セラミック積層体3が形成され
る。
【0035】次に、セラミック積層体3の両端面に、内
部電極4と接続するように、2つの外部電極5が形成さ
れる。この外部電極5の材料としては、内部電極4と同
じ材料を使用することができる。また、銀、パラジウ
ム、銀−パラジウム合金、銅、銅合金等が使用可能であ
り、また、これらの金属粉末にB23−SiO2−Ba
O系ガラス、Li2O−SiO2−BaO系ガラスなどの
ガラスフリットを添加したものも使用されるが、積層セ
ラミックコンデンサ1の使用用途、使用場所などを考慮
に入れて、適当な材料が選択される。また、外部電極5
は、材料となる金属粉末ペーストを焼成により得たセラ
ミック積層体3に塗布して、焼き付けることによって形
成されるが、焼成前に塗布して、セラミック積層体3と
同時に形成してもよい。この後、外部電極5上にニッケ
ル、銅などのメッキを施し、メッキ第1層6を形成す
る。最後に、このメッキ第1層6の上に半田、錫などの
メッキ第2層7が形成され、チップ型の積層セラミック
コンデンサ1が製造される。
【0036】(実施例1)まず、出発原料として種々の
純度のTiCl4とBa(NO32とを準備して秤量し
た後、蓚酸により蓚酸チタニルバリウム{BaTiO
(C24)・4H2O}として沈澱させ、沈殿物を得
た。この沈澱物を1000℃以上の温度で加熱分解させ
て、表1の4種類のチタン酸バリウム(BaTiO3
を合成した。
【0037】
【表1】
【0038】また0.25Li2O−0.30B23
0.03TiO2−0.42SiO(モル比)の組成
割合になるように、各成分の酸化物、炭酸塩及び水酸化
物を秤量し、混合粉砕した後、蒸発乾燥して粉末を得
た。この粉末をアルミナるつぼ中において、1300℃
に加熱溶融した後、急冷し、粉砕することで平均粒径が
1μm以下の酸化物ガラス粉末を得た。
【0039】次に,チタン酸バリウムのBa/Tiモル
比mを調整するためのBaCO3と、純度99%以上の
Sc23、Y23、Sm23、Eu23、MnCO3
NiO、Co23、MgOを準備した。これらの原料粉
末と上記酸化物ガラス粉末とを表2に示す組成比となる
ように配合し、配合物を得た。この配合物に、ポリビニ
ルブチラール系バインダー及びエタノール等の有機溶剤
を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラミックス
ラリーを作製した。このセラミックスラリーをドクター
ブレード法によりシート成形し、厚み11μmの矩形の
グリーンシートを得た。次に、上記セラミックグリーン
シート上に、Niを主体とする導電ペーストをスクリー
ン印刷し、内部電極を構成するための導電ペースト層を
形成した。
【0040】
【表2】
【0041】導電ペースト層が形成されたセラミックグ
リーンシートを導電ペーストの引き出されている側が互
い違いとなるように複数枚積層し、積層体を得た。この
積層体を、N2雰囲気中にて350℃の温度に加熱し、
バインダーを燃焼させた後、酸素分圧10-9〜10-12
MPaのH2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中
において表3に示す温度で2時間焼成し、セラミック積
層体を得た。
【0042】焼成後、得られたセラミック積層体の両端
面にB23−Li2O−SiO2−BaO系のガラスフリ
ットを含有する銀ペーストを塗布し、N2雰囲気中にお
いて600℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的に接
続された外部電極を形成した。
【0043】上記のようにして得られた積層コンデンサ
の外形寸法は、幅;1.6mm、長さ;3.2mm、厚
さ;1.2mmであり、内部電極間に介在する誘電体セ
ラミック層の厚みは8μmであった。また、有効誘電体
セラミック層の総数は19であり、一層当たりの対向電
極の面積は、2.1mm2であった。
【0044】そして、これらについて電気的特性を測定
した。静電容量(C)及び誘電体損失(tanδ)は、
自動ブリッジ式測定器を用いて周波数1kHz、1Vrm
s、温度25℃にて測定し、静電容量から誘電率(ε)
を算出した。次に、絶縁抵抗(R)を測定するために、
絶縁抵抗計を用い、16Vの直流電圧を2分間印加し
て、25℃、125℃での絶縁抵抗(R)を測定し、静
電容量(C)と絶縁抵抗(R)との積、すなわちCR積
を求めた。さらに、20kV/mmの電界での絶縁抵抗
(R)を測定するために、160Vの直流電圧を2分間
印加して、同様に、25℃、125℃での絶縁抵抗
(R)を測定して、CR積を求めた。また、温度変化に
対する静電容量の変化率を測定した。
【0045】なお、温度変化に対する静電容量の変化率
については、20℃での静電容量を基準とした−25℃
と85℃での変化率(ΔC/C20℃)と、25℃での
静電量を基準とした−55℃と125℃での変化率(Δ
C/C25℃)および−55℃〜125℃の範囲内で絶
対値としてその変化率が最大である値(|ΔC|max
を示した。
【0046】また、高温負荷寿命試験として、各試料を
36個ずつ、温度150℃にて直流電圧を100V印加
して,その絶縁抵抗の経時変化を測定した。なお、高温
負荷寿命試験は、各試料の絶縁抵抗値(R)が106Ω
以下になったときの時間を寿命時間とし、その平均寿命
時間を示した。以上の結果を表3に示した。
【0047】
【表3】
【0048】表1、表2、表3から明らかなように、本
発明の積層セラミックコンデンサは誘電率εが3000
以上と高く、誘電体損失tanδは2.5%以下で、温
度に対する静電容量の変化率が、−25℃〜85℃での
範囲でJIS規格に規定するB特性規格を満足し、−5
5℃と125℃での範囲内でEIA規格に規定するX7
R特性規格を満足する。
【0049】しかも、20kV/mmと高電界強度での
25℃,125℃における絶縁抵抗は、CR積で表した
ときに、それぞれ2000MΩ・μF、500MΩ・μ
F以上と高い値を示す。また、平均寿命時間が500時
間以上と長い。さらに、焼成温度も1300℃以下と比
較的低温で焼結可能であり、粒径についても1μm以下
と小さい。
【0050】ここで、本発明の組成限定理由について説
明する。 (1−α−β){BaO}m・TiO2+αM23+βR
23+γ(Mn1-x-yNixCoy)O(ただし、M2
3は、Sc23、Y23の中から選ばれる少なくとも1
種類、Re23は、Sm23、Eu23の中から選ばれ
る少なくとも1種類)において、α+βを0.0025
≦α+β≦0.025の範囲に限定したのは、試料番号
1のように、(M23+Re23)量α+βが0.00
25未満の場合には、誘電率εが3000より低く、静
電容量の温度変化率も大きくなる。また、125℃、2
0kV/mm印加での絶縁抵抗が低くなり、さらに平均
寿命時間が極端に短くなるからである。
【0051】一方、試料番号19のように(M23+R
23)量α+βが0.025を超えると、誘電率が3
000を越えず、25℃、125℃での絶縁抵抗が低下
し、平均寿命時間も短くなり、しかも焼成温度が高くな
るからである。
【0052】また、βを0<β≦0.0075の範囲に
限定したのは、試料番号3のように、Re23量βが0
の場合には、平均寿命時間が500時間よりも短くなる
からである。
【0053】一方、試料番号22のようにRe23量β
が0.0075を超える場合には、静電容量の温度変化
率が大きくなり、JIS規格のB特性及びEIA規格の
X7R特性を満足しなくなるからである。
【0054】また、γを0.0025≦γ≦0.05の
範囲に限定したのは、試料番号2のように(Mn,N
i,Co)O量γが0.0025未満の場合には、還元
雰囲気で焼成したときに誘電体セラミックが還元され、
半導体化して絶縁抵抗が低下してしまうからである。
【0055】一方、試料番号20のように(Mn,N
i,Co)O量γが0.05を超える場合には、電界強
度にかかわらず125℃での絶縁抵抗が低くなり、平均
寿命時間が短くなるということに加え、静電容量の温度
変化率も大きくなるからである。
【0056】また、x+yを0≦x+y<1.0の範囲
に限定したのは、試料番号23,24,25のように、
Mnを全く含まないx+y=1.00の場合には、絶縁
抵抗が低下し、平均寿命時間が500時間よりも短くな
るからである。
【0057】また、γ/(α+β)をγ/(α+β)≦
4の範囲に限定したのは、試料番号21のように、(M
23+Re23)量(α+β)と(Mn,Ni,Co)
O量γの比率γ/(α+β)が4を超える場合には、静
電容量の温度変化率が大きくなり、平均寿命が500時
間より短くなるからである。
【0058】また、mを1.000<m≦1.035の
範囲に限定したのは、試料番号4のように、チタン酸バ
リウムのモル比mが1.000未満であれば、半導体化
してしまったり、試料番号5のように、チタン酸バリウ
ムのモル比mが1.000であれば、絶縁抵抗が低く、
平均寿命時間も500時間よりも短くなるからである。
【0059】一方、試料番号26のように、モル比mが
1.035を超える場合には、焼結性が極端に悪くなる
からである。
【0060】また、酸化マグネシウムをMgOに換算し
て0.5〜5.0モルの範囲に限定したのは、試料番号
6のように、MgO量が0.5モル未満の場合には、絶
縁抵抗が低下し、平均寿命時間も500時間よりも短く
なる。さらに、静電容量の温度変化率がJIS規格に規
定されているB特性を満足するものの、EIA規格に規
定されているX7R特性を満足しなくなるからである。
【0061】一方、試料番号27のように、MgO添加
量が5モルを超える場合には、焼結温度が高くなり、誘
電率が3000を越えず、平均寿命時間も500時間未
満となるからである。
【0062】また、Li2O−B23−(Si,Ti)
2系の酸化物ガラスの添加量を0.2〜3.0重量部
の範囲に限定したのは、試料番号7のように、Li2
−B23−(Si,Ti)O2系酸化物ガラスの添加量
が0.2重量部未満の場合には、焼結不足となるからで
ある。
【0063】一方、Li2O−B23−(Si,Ti)
2系酸化物ガラスの添加量が3.0重量部を超える場
合には、試料番号28のように、誘電率が低くなるから
である。
【0064】また、チタン酸バリウムに不純物として含
まれるアルカリ金属酸化物の含有量を0.02重量%以
下に限定したのは、試料番号29のように、アルカリ金
属酸化物量が0.02重量%を超える場合には、誘電率
の低下を生じるからである。
【0065】なお、M23量αに対するRe23量βの
比率(β/α)値は特に規定しないが、静電容量の温度
変化率を規格の許容値から余裕をもたせるためには、β
/α≦1にすることが好ましい。
【0066】(実施例2)誘電体セラミック材料とし
て、表1のAのチタン酸バリウムを用いた組成式、9
7.0{BaO}1.015・TiO2+0.6Y23+0.
4Eu23+2.0(Mn0.4Ni0.4Co0.2)O(モ
ル比)の100モルに対して、MgOが0.8モルにな
るように配合された原料を準備し、実施例1と同様の方
法で1200℃〜1500℃で加熱作製した表4に示す
平均粒径1μm以下のLi2O−B23−(Si,T
i)O2系の酸化物ガラスを添加して、実施例1と同様
の方法で内部電極と電気的に接続された銀からなる外部
電極を形成した積層セラミックコンデンサを作製した。
なお、作製した積層セラミックコンデンサの外形寸法な
どは実施例1と同様である。そして、これらについて電
気的特性を測定した。
【0067】
【表4】
【0068】静電容量(C)及び誘電体損失(tan
δ)は、自動ブリッジ式測定器を用いて周波数1kH
z、1Vrms、温度25℃にて測定し、静電容量から誘
電率(ε)を算出した。
【0069】次に、20kV/mmの電界での絶縁抵抗
(R)を測定するために、絶縁抵抗計を用い、160V
の直流電圧を2分間印加して、25℃、125℃での絶
縁抵抗(R)を測定し、静電容量(C)と絶縁抵抗
(R)との積、すなわちCR積を求めた。また、温度変
化に対する静電容量の変化率を測定した。なお、温度変
化に対する静電容量の変化率については、20℃での静
電容量を基準とした−25℃と85℃での変化率(ΔC
/C20℃)と、25℃での静電容量を基準とした−5
5℃と125℃での変化率(ΔC/C25℃)および−
55℃〜125℃の範囲内で絶対値としてその変化率が
最大である値(|ΔC/C20℃|max)を示した。
【0070】これらの測定の後、硫酸ニッケル及び塩化
ニッケル、ホウ酸からなるニッケルメッキ液を用意し、
バレルメッキ法にて銀外部電極上にニッケルメッキし
た。
【0071】最後に、AS浴(アルカノ−ルスルホン
酸)からなる半田メッキ液を用意し、バレルメッキ法に
て、このニッケルメッキ被膜上に半田メッキして、外部
電極上にメッキ被膜された積層セラミックコンデンサを
得た。得られた積層セラミックコンデンサについて、静
電容量(C)を自動ブリッジ式測定器を用いて周波数1
kHz、1Vrms、温度25℃にて測定した。
【0072】次に、20kV/mmの電界での絶縁抵抗
(R)を測定するために、絶縁抵抗計を用い、160V
の直流電圧を2分間印加して、25℃、125℃での絶
縁抵抗(R)を測定し、静電容量(C)と絶縁抵抗
(R)との積、すなわちCR積を求めた。以上の結果を
表5に示した。
【0073】
【表5】
【0074】表4、表5から明らかなように、本発明の
Li2O−B23−(Si,Ti)O2系の酸化物ガラス
を添加含有した誘電体セラミック層から構成される積層
セラミックコンデンサは誘電率εが3000以上と高
く、誘電体損失tanδは2.5%以下で、温度に対す
る静電容量の変化率が、−25℃〜85℃での範囲でJ
IS規格に規定されているB特性規格及び、−55℃と
125℃での範囲内でEIA規格に規定されているX7
R特性規格を満足する。しかも、メッキを施しても、電
気的特性が劣化しないという特徴がある。
【0075】これに対して、本発明のLi2O−B23
−(Si,Ti)O2からなる酸化物ガラスは、図4に
示す{Li2O,B23,(SiwTi1-w)O2}(ただ
し、0.3≦w<1.0)の三角図としたときに、Li
2Oが0モル%、B23が20モル%、(Si,Ti)
2が80モル%の組成を示す点Aと、Li2Oが19モ
ル%、B23が1モル%、(Si,Ti)O2が80モ
ル%の組成を示す点Bと、Li2Oが49モル%、B2
3が1モル%、(Si,Ti)O2が50モル%の組成を
示す点Cと、Li2Oが45モル%、B23が50モル
%、(Si,Ti)O2が5モル%の組成を示す点D
と、Li2Oが20モル%、B23が75モル%、(S
i,Ti)O2が5モル%の組成を示す点Eと、Li2
が0モル%、B23が80モル%、(Si,Ti)O2
が20モル%の組成を示す点Fとの6点を結ぶ6本の直
線で囲まれた領域の内部または線上の範囲外にある、試
料番号115〜118については、焼結不足となるか、
焼結してもメッキによって極端に絶縁抵抗が低下して好
ましくない。
【0076】また、試料番号119〜120のように、
上記領域の内部または線上の範囲にあっても、Si量w
が0.3未満の場合は、焼結不足となり、Si量wが
1.0の場合には、メッキ後の20kV/mmでの絶縁
抵抗が極端に低くなり好ましくない。
【0077】また、試料番号111〜114のように、
Li2O−B23−(Si,Ti)O2からなる酸化物ガ
ラスに、Al23、ZrO2を含有させることで、20
kV/mmにおける25℃、125℃の絶縁抵抗が30
00MΩ・μF、1000MΩ・μFの積層セラミック
コンデンサが得られるものの、試料番号121、122
のようにAl23添加量として20重量部を超える場
合、またはZrO2添加量として10重量部を超える場
合には、焼結性が極端に低下してしまうので好ましくな
い。
【0078】なお、上記実施例では、チタン酸バリウム
として、蓚酸法により作製した粉末を用いたが、これに
限定するものではなく、アルコキシド法あるいは水熱合
成法により作製されたチタン酸バリウム粉末を用いても
よい。これらの粉末を用いることにより、本実施例で示
した特性よりも向上することも有り得る。
【0079】また、酸化スカンジウム、酸化イットリウ
ム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化マンガ
ン、酸化コバルト、酸化ニッケルおよび酸化マグネシウ
ムなども、酸化物粉末を用いたが、これらに限定される
ものではなく、本発明の範囲の誘電体セラミック層を構
成するように配合すれば、アルコキシド、有機金属など
の溶液を用いても、得られる特性を何等損なうものでは
ない。
【0080】
【発明の効果】本発明の積層セラミックコンデンサを用
いれば、誘電体セラミック層が還元性雰囲気中で焼成し
ても還元されず、半導体化しない誘電体セラミック材料
から構成されているので、電極材料として卑金属である
ニッケル及びニッケル合金を用いることができ、130
0℃以下と比較的低温で焼成可能であるため、積層セラ
ミックコンデンサのコストダウンを図る事ができる。
【0081】また、この誘電体セラミック材料を用いた
積層セラミックコンデンサでは、誘電率が3000以上
あり、かつ、誘電率の温度変化が小さい。しかも、高電
界での絶縁抵抗が高く、高温での寿命時間も長い。従っ
て、誘電体セラミック層を薄層化しても、定格電圧を下
げる必要がない。さらに、結晶粒径が1μm以下と小さ
いため、誘電体セラミック層を薄層化したときに、従来
の積層セラミックコンデンサに比較して層中に存在する
結晶粒の量を多くできる。このため、信頼性が高く、し
かも小型で大容量の積層セラミックコンデンサを得るこ
とができる。また、メッキによる電気的特性の劣化がな
いため、自動表面実装に対応させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である積層セラミックコンデ
ンサの概略断面図。
【図2】本発明の一実施例である内部電極を有する誘電
体セラミック層の概略平面図。
【図3】本発明の一実施例であるセラミック積層体の分
解斜視図。
【図4】Li2O−B23−(Si,Ti)O2系の酸化
物ガラスの組成範囲を示す{Li2O,B23,(Siw
Ti1-w)O2}の3成分組成図。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ 2 誘電体セラミック層 2a 内部電極を有しない誘電体セラミック層 2b 内部電極を有する誘電体セラミック層 3 セラミック積層体 4 内部電極 5 外部電極 6 メッキ第1層 7 メッキ第2層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体セラミック層と、 それぞれの端縁が前記誘電体セラミック層の両端面に露
    出するように前記誘電体セラミック層間に形成された複
    数の内部電極と、 露出した前記内部電極に電気的に接続されるように設け
    られた外部電極とを含む積層セラミックコンデンサにお
    いて、 前記誘電体セラミック層が、 不純物として含まれるアルカリ金属酸化物の含有量が
    0.02重量%以下のチタン酸バリウムと、 酸化スカンジウム、酸化イットリウムの中から選ばれる
    少なくとも1種類と、酸化サマリウム、酸化ユーロピウ
    ムの中から選ばれる少なくとも1種類と、酸化マンガ
    ン、酸化コバルトおよび酸化ニッケルとからなり、 次の組成式、 (1−α−β−γ){BaO}m・TiO2+αM23
    βRe23+γ(Mn1-x-yNixCoy)O (ただし、M23は、Sc23、Y23の中から選ばれ
    る少なくとも1種類、Re23は、Sm23、Eu23
    の中から選ばれる少なくとも1種類、α、β、γ、m、
    x、y、は、 0.0025≦α+β≦0.025 0<β≦0.0075 0.0025≦γ≦0.05 γ/(α+β)≦4 0≦x<1.0 0≦y<1.0 0≦x+y<1.0 1.000<m≦1.035) で表される主成分100モルに対して、 副成分として、酸化マグネシウムをMgOに換算したと
    き、MgO;0.5〜5.0モル添加含有し、 さらに、前記主成分及び前記酸化マグネシウムの合計を
    100重量部として、Li2O−B23−(Si,Ti)
    2系の酸化物ガラスを0.2〜3.0重量部含有した
    材料によって構成され、 前記内部電極はニッケルまたはニッケル合金によって構
    成されることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記Li2O−B23−(Si,Ti)O
    2系の酸化物ガラスが、{Li2O,B23,(Siw
    1-w)O2}(ただし、0.3≦w<1.0)の三角図
    としたときに(単位はモル%)、 A(0,20,80) B(19,1,80) C(49,1,50) D(45,50,5) E(20,75,5) F(0,20,20) の6点を結ぶ6本の直線で囲まれた領域の内部または線
    上にあり、 上記成分を100重量部として、Al23およびZrO
    2のうち少なくとも1種類を合計で20重量部以下(た
    だし、ZrO2は10重量部以下)を添加含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記外部電極は、導電性金属粉末、また
    はガラスフリットを添加した導電性金属粉末の焼結層に
    よって構成されていることを特徴とする請求項1または
    請求項2のいずれかに記載の積層セラミックコンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記外部電極は、導電性金属粉末、また
    はガラスフリットを添加した導電性金属粉末の焼結層か
    らなる第1層と、その上のメッキ層からなる第2層とか
    らなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の積層セラミックコンデンサ。
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