JPH1081352A - 粉体用定量排出容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】固まり易い粉体状の内容物に使用しても、排出
量が正確でばらつきのない粉体用定量排出容器を提供す
る。 【解決手段】容器本体300 の口部に定量栓体100 を挿着
しその上から小蓋付キャップ200 を装着した定量排出容
器において、定量栓体が、格子114 をもつ流入口113 を
側面に設けた周壁111 と底壁112 とからなるカップ状の
本体部110 と、半円樋状の縦板122 の上端の突面側に水
平な天板121 をもち下端の突面側に傾斜板123 をもつ仕
切部120 とから構成され、本体部の流入口と仕切部の縦
板の突面とを相対応させて本体部の内側に仕切部を挿着
し、本体部内部を予備室101 、補充室102 、計量室103
及び楕円状の排出孔104 とに区画形成し、且つ、定量栓
体の排出孔が小蓋付キャップの小蓋下方の排出口240 を
形成する接続リング211 と接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ココア、粉ミルク
や浴用剤などの固まり易い内容物に使用する粉体用定量
排出容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、容器本体の口頸部に取り付けて定
量排出する基本的な方法としては、実公平４−１０９３
号公報に示された定量栓体が知られている。この定量栓
体（１００）は、図３（ｂ）に示すように、周壁（１１
１）と底壁（１１２）とからなりその周壁の側面に流入
口（１１３）を有するカップ状の本体部（１１０）と、
天板（１２１）、縦板（１２２）及び傾斜板（１２３）
とからなる仕切部（１２０）とから構成され、本体部と
仕切部とを嵌合させることにより本体部内を、予備室
（１０１）、補充室（１０２）、計量室（１０３）及び
排出孔（１０４）とに区画形成したものであり、容器を
倒立、正立させる操作により、内容物を計量して定量排
出するものであった。

【０００３】そして、通常は、定量栓体（１００）を取
り付けた図３（ｂ）に示す容器本体（３００）の口頸部
（３１０）に、図３（ａ）に示すように、容器本体との
螺合部（２２１）を周壁（２２０）内面にもち、定量栓
体の排出孔との封止リング（２３２）を下面にもつ開封
用つまみ（２３１）付小蓋（２３０）をヒンジ（２０
１）を介して天板（２１０）にもつ小蓋付キャップ（２
００）が装着されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の定量栓体を取り付けた定量排出容器は、固まり易
い粉体状の内容物を使用した場合に、固まった内容物が
流入口を塞いで、内容物の定量栓体内への流入を妨げた
り、定量栓体内で例えば排出孔に詰まって、排出量が著
しくばらつくことがあった。

【０００５】本発明は、上述の従来の定量排出容器の問
題を解決したものであり、固まり易い粉体状の内容物に
使用しても、排出量が正確でばらつきのない粉体用定量
排出容器を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１（ａ）及
び（ｂ）に示すように、容器本体（３００）の口部に定
量栓体（１００）を挿着しその上から小蓋付キャップ
（２００）を装着した定量排出容器において、前記定量
栓体が、格子（１１４）をもつ流入口（１１３）を側面
に設けた周壁（１１１）と底壁（１１２）とからなるカ
ップ状の本体部（１１０）と、半円樋状の縦板（１２
２）の上端の突面側に水平な天板（１２１）をもち下端
の突面側に傾斜板（１２３）をもつ仕切部（１２０）と
から構成され、前記本体部の流入口と前記仕切部の縦板
の突面とを相対応させて前記本体部の内側に前記仕切部
を挿着し、前記本体部内部を予備室（１０１）、補充室
（１０２）、計量室（１０３）及び楕円状の排出孔（１
０４）とに区画形成し、且つ、前記定量栓体の排出孔が
前記小蓋付キャップの小蓋下方の排出口（２４０）を形
成する接続リング（２１１）と接続したことを特徴とす
る粉体用定量排出容器（１０）である。

【０００７】

【作用】本発明の粉体用定量排出容器の定量栓体の流入
口には格子が設けられているため、容器を倒立したとき
に、容器内を下降する内容物中の固まりが格子に当たっ
て砕け、流入口から定量栓体内に内容物が流入し易くな
る。

【０００８】また、本発明の粉体用定量排出容器の定量
栓体の楕円形状の排出孔は、従来の定量栓体の半円状の
排出孔とことなり、広くてまた滞留しにくい形状である
ため、計量室内で内容物中に固まりを生じでも、詰まる
ことなく排出し易い。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の粉体用定量排出容器（１
０）は、図１（ａ）及び（ｂ）に示すように、容器本体
（３００）の口部に定量栓体（１００）を挿着し、その
上から小蓋付キャップ（２００）を螺合や咬合などで係
合させて装着したものである。容器本体としては、プラ
スチックボトルや口栓付紙容器などが使用できる。

【００１０】定量栓体（１００）は、図１（ｂ）に示す
ように、本体部（１１０）と仕切部（１２０）とから構
成され、本体部（１１０）は、図２（ｃ）に示すよう
に、周壁（１１１）と底壁とからなる開口部周縁にフラ
ンジ（１１５）をもつカップ状で、その周壁の側面に、
使用目的に適応した形状の格子（１１４）をもつ流入口
（１１３）を設けたものである。また、仕切部（１２
０）は、図２（ｂ）に示すように、半円樋状の縦板（１
２２）の上端の突面側に水平な天板（１２１）を設け、
下端の突面側に使用目的に適応した角度をもつ傾斜板
（１２３）を設けたものである。これら本体部と仕切部
は、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いて射出成
形してそれぞれ作製するものである。そして、図１
（ｂ）に示すように、本体部（１１０）の流入口（１１
３）と仕切部（１２０）の縦板（１２２）の突面とを相
対応させて本体部の内側に仕切部を挿着し、本体部内部
を予備室（１０１）、補充室（１０２）、計量室（１０
３）及び楕円状の排出孔（１０４）とに区画形成して、
定量栓体（１００）を作製するものである。

【００１１】小蓋付キャップ（２００）は、図２（ａ）
に示すように、キャップの天板（２１０）にヒンジ（２
０１）を介して開口用つまみ（２３１）をもつ小蓋（２
３０）を連設し、図１（ｂ）に示すように、小蓋（２３
０）の下方のキャップの天板に楕円状の排出口（２４
０）を設け、この排出口の周縁下面に接続リング（２１
１）を設けたものであり、周壁（２２０）の内面には、
容器本体との螺合又は咬合などの係合部（２２１）を設
けたものである。なお、容器本体（３００）に小蓋付キ
ャップ（２００）を装着したときに、接続リング（２１
１）の下面が、定量栓体（１００）の排出孔（１０４）
の上端面に当接して接続するものである。そして、小蓋
付キャップは、ポリプロピレンなどを射出成形して作製
するものである。

【００１２】次に、本発明の粉体用定量排出容器の排出
操作とその操作による定量排出原理について次に説明す
る。粉体状の内容物を充填した本発明の粉体用定量排出
容器を、まず、定量栓体の流入口を上方に向けて容器を
倒立傾斜すると、容器内の内容物が下方に落下して、流
入口から内容物が定量栓体内へ流入して予備室に溜ま
る。この流入する内容物の量は、流入口の位置及び大き
さによって規制されることにより第１次の計量が行われ
る。次に、容器を正立状態に戻すと、予備室の内容物
が、一部は流入口より容器に戻るが、殆どの内容物は下
方に位置する計量室と補充室に落下して溜まる。次に、
キャップの小蓋を開口し、再度、容器を倒立傾斜する
と、容器内の内容物が流入口から定量栓体内の予備室へ
流入し、また、補充室の内容物の一部が予備室に戻り、
合わせて予備室内で計量化させる。同時に、計量室内の
内容物と不足分の内容物が補充室から、仕切部の下方の
傾斜板の計量作用により、排出孔へ２次計量されて所定
量の内容物が流入し、この定量化された内容物がキャッ
プの排出口から排出される。

【００１３】

【実施例】まず、小蓋付キャップを、ポリプロピレンを
用いて射出成形して作製した。この小蓋付キャップ（２
００）の構造は、図１（ｂ）及び図２（ａ）に示すよう
に、天板（２１０）のほぼ真ん中の両端にわたるヒンジ
（２０１）を介して開口つまみ（２３１）をもつ小蓋
（２３０）を設け、小蓋の下方の天板に楕円状の排出口
（２４０）を設け、この排出口の周縁下面に定量栓体の
排出孔との接続リング（２１１）を設け、また、天板の
接続リングと対応する側の下面に、仕切部天板の周縁と
当接する固定リング（２１２）を設け、そして、周壁
（２２０）の内面には容器本体との螺合部（２２１）を
設けたものである。

【００１４】次に、計量栓体の本体部と仕切部とをそれ
ぞれポリプロピレンを用いて射出成形して作製した。本
体部（１１０）の構造は、図１（ｂ）及び図２（ｃ）に
示すように、開口部周縁にフランジ（１１５）をもつカ
ップ状で、その周壁の側面に格子（１１４）をもつ流入
口（１１３）を設けたものである。また、仕切部（１２
０）は、図１（ｂ）及び図２（ｂ）に示すように、半円
樋状の縦板（１２２）の上端の突面側に、本体部のフラ
ンジと重なる段差を周縁にもつ天板（１２１）を水平に
設け、下端の突面側には、傾斜板（１２３）を設けたも
のである。

【００１５】次に、口頸部にキャップとの螺合部をもつ
容器本体を、ポリエチレンを用いてダイレクトブロー成
形して作製し、この容器本体に固まり易い粉体状内容物
を充填したのち、図１（ｂ）に示すように、口部に計量
栓体（１００）の本体部（１１０）を挿着し、この本体
部の流入口（１１３）に仕切部（１２０）の縦板（１２
２）の突面とを相対応させるようにして本体部に仕切部
を挿着し、この上から小蓋付キャップ（２００）を容器
本体の口頸部（３１０）に螺合させて装着して、本実施
例の粉体用定量排出容器（１０）を作製した。

【００１６】そして、通常の流通及び保管過程を経ての
ち、内容物の排出テストを行った。内容物に固まりが発
生していたにもかかわらず、排出量は正確でばらつきが
なかった。

【００１７】

【発明の効果】容器本体の口部に定量栓体を挿着しその
上から小蓋付キャップを装着した本発明の定量排出容器
は、定量栓体の内容物の流入口に格子が設けられている
ため、容器を倒立したときに、内容物中の固まりが砕け
て定量栓体内に流入し易く、また、排出孔が楕円形状で
あり、計量室内の内容物中に固まりを生じても排出し易
く、正確でばらつきのない定量排出が行える。

【００１８】また、キャップに小蓋が付いているので、
キャップを取らずにワンタッチで容器を小蓋で開口で
き、使用し易い定量排出容器である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明の一実施例の粉体用定量排出
容器の平面図であり、（ｂ）は、その断面図である。

【図２】（ａ）は、本発明の一実施例の粉体用定量排出
容器の小蓋を開口した状態の小蓋付キャップの斜視図で
あり、（ｂ）は、定量栓体の仕切部の斜視図であり、
（ｃ）は、定量栓体の本体部の斜視図である。

【図３】（ａ）は、従来の粉体用定量排出容器に使用さ
れた一例の小蓋付キャップの断面図であり、（ｂ）は、
容器の口部に従来の一例の定量栓体を装着したときの断
面図である。

【符号の説明】 １０……粉体用定量排出容器 １００……定量栓体 １０１……予備室 １０２……補充室 １０３……計量室 １０４……排出孔 １１０……本体部 １１１，２２０……周壁 １１２……底壁 １１３……流入口 １１４……格子 １１５……フランジ １２０……仕切部 １２１，２１０……天板 １２２……縦板 １２３……傾斜板 ２００……小蓋付キャップ ２０１……ヒンジ ２１１……接続リング ２１２……固定リブ ２２１……係合部又は螺合部 ２３０……小蓋 ２３１……開口用つまみ ２３２……封止リング ２４０……排出口 ３００……容器本体 ３１０……口頸部 ３１１……螺合部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体の口部に定量栓体を挿着しその上
   から小蓋付キャップを装着した定量排出容器において、
   前記定量栓体が、格子をもつ流入口を側面に設けた周壁
   と底壁とからなるカップ状の本体部と、半円樋状の縦板
   の上端の突面側に水平な天板をもち下端の突面側に傾斜
   板をもつ仕切部とから構成され、前記本体部の流入口と
   前記仕切部の縦板の突面とを相対応させて前記本体部の
   内側に前記仕切部を挿着し、前記本体部内部を予備室、
   補充室、計量室及び楕円状の排出孔とに区画形成し、且
   つ、前記定量栓体の排出孔が前記小蓋付キャップの小蓋
   下方の排出口を形成する接続リングと接続したことを特
   徴とする粉体用定量排出容器。