JPH1081125A - ビスカスヒータ - Google Patents

ビスカスヒータ

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Publication number
JPH1081125A
JPH1081125A JP23910596A JP23910596A JPH1081125A JP H1081125 A JPH1081125 A JP H1081125A JP 23910596 A JP23910596 A JP 23910596A JP 23910596 A JP23910596 A JP 23910596A JP H1081125 A JPH1081125 A JP H1081125A
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JP
Japan
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heat generating
heat
chamber
rotor
viscous
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Application number
JP23910596A
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English (en)
Inventor
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
Takashi Ban
孝志 伴
Fumihiko Kitani
文彦 木谷
Tsutomu Sato
努 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱室内における粘性流体の過加熱による劣
化を未然に防止する。 【解決手段】 このビスカスヒータには、ロータ15の
回転中心に近い発熱室7の中心域と、ロータ15の外周
部に近い発熱室7の周域をつなぐ連通路18が設けられ
ている。この連通路18は、前部および後部のウォータ
ジャケット8,9を貫通するように配設されたパイプに
よって構成されている。ロータ15回転時において、連
通路18は発熱室7とともに粘性流体の循環経路を形成
する。連通路18を流れる高温の粘性流体は、前部およ
び後部ウォータジャケット8,9を経由することで過加
熱が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハウジング内に
区画された発熱室および放熱室を備え、駆動軸に作動連
結されたロータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転
させて粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その
熱を放熱室を流れる循環流体に熱交換するビスカスヒー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】車載用の補助熱源として、車両のエンジ
ンの駆動力を利用するビスカスヒータが注目されてい
る。例えば、特開平2−246823号公報は、車両用
暖房装置に組み込まれるビスカスヒータを開示する。
【0003】このビスカスヒータでは、前部および後部
ハウジングが対設された状態で相互に連結され、その内
部には発熱室と、この発熱室の外域にウォータジャケッ
ト(放熱室)とが形成されている。前部ハウジングには
軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承されており、
この駆動軸の一端には発熱室内で一体回動可能にロータ
が固定されている。ロータの前後外壁部およびそれらと
対向する発熱室の内壁部は、相符合するラビリンス溝を
構成すべく凹凸条形成されており、両者の近接配置によ
って当該内外壁部間にラビリンス状のクリアランスを確
保している。そして、前記発熱室内に所要量の粘性流体
(例えばシリコーンオイル)を封入し、これを前記ラビ
リンス状のクリアランスにもいきわたらせている。
【0004】エンジンの駆動力が駆動軸に伝達される
と、駆動軸とともにロータが発熱室内で回転し、発熱室
内壁部とロータ外壁部との間に介在される粘性流体が前
記ロータによって剪断されて流体摩擦に基づく熱を発生
する。発熱室で発生した熱は、前記ウォータジャケット
内を流れる循環水に熱交換され、その加熱循環水は外部
暖房回路に供給されて車両の暖房等に供される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来のビスカス
ヒータでは、ロータ軸芯付近のロータ中心部よりも、軸
芯から離れたロータの外周部ほど粘性流体の剪断速度が
大きくなる。このため、ロータ中心部が位置する発熱室
の中心域にある粘性流体の温度よりも、ロータ外周部あ
たりの発熱室の周域における粘性流体の温度の方が高く
なる傾向にある。しかし、粘性流体がその耐熱限界を超
えるほど過度に高温となると、粘性流体が急速に劣化
し、剪断による発熱作用を発揮することができなくな
る。
【0006】仮に相対的に温度の低い発熱室の中心域と
相対的に温度の高い発熱室の周域との間において粘性流
体の移動や循環が円滑に行われれば、上述のような発熱
室の周域における粘性流体の過加熱による局部劣化を防
止することも可能となる。
【0007】ところが、前記従来のビスカスヒータで
は、前述のように、ロータ外壁部と発熱室内壁部との間
にラビリンス状のクリアランスを設けている。かかるラ
ビリンス構成は、発熱性能向上の観点から粘性流体の剪
断に寄与するロータ作用面の総面積を大きくするという
利点がある反面、発熱室内における粘性流体の円滑な循
環をむしろ阻害するという欠点がある。このため、この
種のビスカスヒータは、ロータの形状により程度の差こ
そあれ、発熱室の周域における粘性流体の局部劣化とい
う問題を常に内包している。
【0008】この発明の目的は、発熱室内における粘性
流体の過加熱による劣化を未然に防止して、優れた発熱
性能を持続的に発揮することができるビスカスヒータを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、ハウジング内に区画さ
れた発熱室および放熱室を備え、駆動軸に作動連結され
たロータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転させて
粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を放
熱室を流れる循環流体に熱交換するビスカスヒータにお
いて、前記のロータの回転中心に近い発熱室の中心域
と、前記ロータの外周部に近い発熱室の周域とをつなぐ
とともに、粘性流体の冷却に関与する連通路を設けたこ
とをその要旨とする。
【0010】このビスカスヒータでは、連通路は発熱室
とともに粘性流体の循環経路を構築する。したがって、
この循環経路を介して発熱室の中心域と周域との間で粘
性流体の円滑な移動が可能となる。故に、発熱室の中心
域と周域との間によって発熱量の差異が顕著である場合
でも発熱室内における粘性流体の温度の均一化が図ら
れ、局所での粘性流体の過加熱が回避される。
【0011】請求項2に記載の発明においては、前記連
通路が、前記放熱室内を貫通するように設定されてい
る。このため、粘性流体が連通路を移動することで、放
熱室を流れる循環流体に熱が逃がされ、結果として高温
の粘性流体が低温化される。
【0012】請求項3に記載の発明においては、前記連
通路は、前記放熱室を区画するための区画部材内に埋設
されている。この構成によれば、連通路を流れる粘性流
体の熱は区画部材を介して放熱室を流れる循環流体に伝
熱され、高温の粘性流体は低温化される。
【0013】請求項4に記載の発明においては、前記連
通路は、前記ハウジングの外側を迂回するように設定さ
れている。この構成によれば、連通路を流れる粘性流体
の熱は、ハウジングの外域に放出され、高温の粘性流体
は低温化される。
【0014】請求項5に記載の発明においては、前記ハ
ウジングの外側を迂回する連絡路には、粘性流体の冷却
手段が並設されている。このため、より積極的に粘性流
体を冷却することができ、冷却効果が高められる。
【0015】請求項6に記載の発明においては、上記各
請求項に記載のビスカスヒータにあって、前記ロータの
第1および第2作用面と、それらと対向する前記発熱室
の内壁面との間には第1および第2のクリアランスが形
成され、前記連通路は、前記第1クリアランス側におい
て発熱室中心域への開口端を有するとともに、前記第2
クリアランス側において発熱室周域への開口端を有して
おり、前記第2クリアランスは前記第1クリアランスよ
りも狭くなっている。
【0016】この場合、両クリアランスの広狭の関係に
基づき、発熱室周域への開口端における流体圧が発熱室
中心域への開口端での流体圧よりも相対的に更に大きく
なり、発熱室周域から連通路を介して発熱室中心域へい
たる粘性流体の移動が促進される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明を車両の暖房装置
に組み込まれるビスカスヒータに具体化した一実施形態
を図1および図2にしたがって説明する。
【0018】図1に示すように、前部ハウジング本体1
および後部ハウジング本体2は、各ハウジング本体1,
2に設けられた凹部が互いに対向する状態で、かつ、両
ハウジング本体1,2間にガスケット4を介しつつ、複
数本のボルト3(図1では一本のみ図示)によって締結
されている。相互連結された両ハウジング本体1,2内
には、内部収容空間が形成され、この収容空間内には、
区画部材としての前部区画プレート5と後部区画プレー
ト6とがそれらの外周縁部を互いに当接させながら収容
されている。このように、ハウジングは前部ハウジング
本体1、後部ハウジング本体2、前部区画プレート5お
よび後部区画プレート6から構成されている。そして、
前部区画プレート5の後端側および後部区画プレート6
の前端側には、それぞれ各区画プレートの外周縁部に対
して凹んだ形状となっており、両区画プレート5,6の
相互接合によって両者間には発熱室7が形成される。
【0019】前部区画プレート5は、その前端側におい
て、その中央部に形成された支持筒部5aと、当該支持
筒部5aの外側に沿って周方向にのびる円弧状に形成さ
れた複数のフィン5bとを有している。
【0020】前部区画プレート5は、支持筒部5aの一
部およびフィン5bの各先端が前部ハウジング本体1の
内壁面に当接するように、前部ハウジング本体1内に嵌
め込まれている。この結果、前部ハウジング本体1の内
壁と前部区画プレート5の本体部との間には、発熱室7
の前側に隣接する放熱室としての円環状の前部ウォータ
ジャケット8が区画される。この前部ウォータジャケッ
ト8内において、前記円弧状のフィン5bは循環流体と
しての循環水の流れをガイドしており、前側放熱室内に
おける循環水の流通経路を設定する。
【0021】また、後部区画プレート6は、その後端側
において、その中央部に形成された筒部6aと、当該筒
部6aの外側に沿って周方向にのびる円弧状に形成され
た複数のフィン6bとを有している。
【0022】後部区画プレート6は、筒部6aおよびフ
ィン6bの各先端が後部ハウジング本体2の内壁面に当
接するように、後部ハウジング本体2内に嵌め込まれて
いる。この結果、後部ハウジング本体2の内壁と後部区
画プレート6の本体部との間には、発熱室7の後側に隣
接する放熱室としての円環状の後部ウォータジャケット
9が区画される。この後部ウォータジャケット9内にお
いて、前記円弧状のフィン6bは循環流体としての循環
水の流れをガイドしており、後側放熱室内における循環
水の流通経路を設定する。
【0023】前部ハウジング本体1の上部には、車両内
に設けられた暖房回路(図示略)から前部ウォータジャ
ケット8に循環水を取り入れる入水ポート10が形成さ
れている。また、前部ウォータジャケット8から循環水
を暖房回路に送り出す出水ポート(図示略)が入水ポー
ト10に並設されている。これと同様に、後部ハウジン
グ本体2の上部にも、前記暖房回路から後部ウォータジ
ャケット9に循環水を取り入れる入水ポート11、およ
び、後部ウォータジャケット9から循環水を暖房回路に
送り出す出水ポート(図示略)が並設されている。
【0024】前部ハウジング本体1と前部区画プレート
5とからなる前部ハウジングには、軸受12およびシー
ル付き軸受13を介して駆動軸14が回動可能に支承さ
れている。そのシール付き軸受13は、前部区画プレー
ト5の支持筒部5aの内周面と、駆動軸14の外周面と
の間に介在され、発熱室7の前方を封止している。
【0025】駆動軸14の後端部には、発熱室7内に収
納される円盤形のロータ15が一体回転可能に圧入固定
されている。また、後部区画プレート6の筒部6aと後
部ハウジング本体2の後端壁とによって囲まれる領域に
は、副オイル室19が設けられている。発熱室7と副オ
イル室19とは後部区画プレート6に形成された孔6c
(複数箇所)および後部区画プレート6の前面に半径方
向に延びるように形成された溝6dを介して相互に連通
している。
【0026】そして、発熱室7と副オイル室19はヒー
タハウジング内において、気密な内部空間を構成してい
る。この内部空間には、粘性流体としてのシリコーンオ
イルが所要量入れられている。シリコーンオイルの量
は、その常温時充填率が発熱室7と副オイル室19とに
よって形成される内部空間内の自由体積に対して、5〜
8割となるように決められている。かかる充填量にもか
かわらず、シリコーンオイルは、その高い粘性ゆえに、
ロータ15の回転時には、発熱室7の内壁面とロータ1
5の外面との間の微少なクリアランスの全体に満遍なく
いきわたる。
【0027】図1に示すように、前部および後部区画プ
レート5,6内には、連通路18が設けられている。こ
の連通路18は、前部区画プレート5において、ロータ
15の回転中心となる駆動軸14に近い発熱室7の中心
域に開口する第1開口端16と、後部区画プレート6に
おいて、ロータ15の外周部が収まる発熱室7の周域に
開口する第2開口端17とを有している。第1開口端1
6から第2開口端17にいたる連通路18は、前部区画
プレート5およびそれによって区画される前部ウォータ
ジャケット8内、ならびに、後部区画プレート6および
それによって区画される後部ウォータジャケット9内を
貫通するように配設されたパイプによって構成されてい
る。
【0028】なお、図1では、一本の連通路18のみが
図示されているが、かかる連通路18を複数本、駆動軸
14を中心としてハウジングの半径方向に放射状に設定
してもよい。この場合、複数の連通路18は、等角度間
隔にて放射配置されることが好ましい。
【0029】駆動軸14の前端部にはボルト20によっ
てプーリ21が固着されている。プーリ21はその外周
部に巻き掛けらるベルト(図示略)を介して、外部駆動
源としての車両のエンジンと駆動連結される。したがっ
て、プーリ21を介するエンジンの駆動力によって駆動
軸14が回転され、駆動軸14とともにロータ15も一
体回転される。これにともない、シリコーンオイルが発
熱室7の内壁面とロータ15の外面との間隙において剪
断されて発熱する。
【0030】発熱室7で生じた熱は、前部ウォータジャ
ケット8および後部ウォータジャケット9を流れる循環
水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路(図示
略)を介して車室内の暖房等に供される。
【0031】次にこの実施形態のビスカスヒータの特徴
的作用について説明する。図2(A)および(B)は、
駆動軸14およびロータ15の回転時におけるシリコー
ンオイルの動きを模式的に示す。なお、説明の便宜上、
ロータと発熱室内壁とのクリアランスは誇張して描かれ
ている。
【0032】図2(A)は、ロータ15の起動時または
低速回転時の状況を示す。この場合、発熱室7内の粘弾
性流体であるシリコーンオイルには、ロータ15の低速
回転によって遠心作用よりもむしろワイセンベルク効果
が優位となり、発熱室7周域のオイルは、その中心域に
集まる傾向をみせる。このため、第1開口端16付近の
オイル圧が、第2開口端17付近のオイル圧よりも相対
的に高くなり、連通路18内において第1開口端16か
ら第2開口端17に向かう流れが生じる。結果として、
連通路18を介しての第1開口端16から第2開口端1
7へ向かう流れ、および発熱室7内における周域から中
心域に向かう流れが一連のオイル循環を生じさせる。こ
のように、低速回転時には、ワイセンベルク効果主導の
形で、発熱室周域にあるオイルがロータ15の表面に沿
って発熱室中心域に送り込まれる。
【0033】図2(B)は、ロータ15の高速回転時の
状況を示す。この場合、発熱室7内のシリコーンオイル
には、ロータ15の高速回転によってワイセンベルク効
果よりも遠心作用が相当優位となり、発熱室7中心域の
オイルは、周域に押しやられる傾向を顕著にみせる。こ
のため、第2開口端17付近のオイル圧が、第1開口端
16付近のオイル圧よりも相対的に高くなり、連通路1
8内において第2開口端17から第1開口端16に向か
う流れが生じる。結果として、連通路18を介しての第
2開口端17から第1開口端16へ向かう流れ、および
発熱室7内における中心域から周域に向かう流れが一連
のオイル循環を生じさせる。このように、高速回転時に
は、遠心力主導の形で、発熱室周域にあるオイルが、連
通路18を介して、発熱室中心域に送り込まれる。な
お、ロータ15の高速回転時には発熱室周域での剪断発
熱も著しい。この際、連通路18は前部および後部ウォ
ータジャケット8,9内を経由しているため、高温のシ
リコーンオイルの熱が循環水に逃がされる。
【0034】この実施形態は、次のような利点を有す
る。 (イ) 連通路18が第1開口端16と第2開口端17
を結ぶことによって、発熱室7内の中心域と周域との間
でシリコーンオイルを移動循環させることができる。こ
のため、特にロータ15が高速回転した場合、発熱室7
内のシリコーンオイルは、相対的に高温の周域から相対
的に低温の中心域へ移動するとともに、低温の中心域か
ら高温の周域へ移動して発熱室7内の温度の均一化を実
現することができる。したがって、この移動によってシ
リコーンオイルの局所における発熱過多が抑制され、シ
リコーンオイルの耐熱限界超過を未然に防止でき、その
結果としてシリコーンオイルの劣化を防止することがで
きる。このことは、ビスカスヒータの寿命(耐久性)を
のばすことになる。
【0035】(ロ) 連通路18が前部および後部ウォ
ータジャケット8,9を経由するように設定されている
ため、連通路18を移動するシリコーンオイルを冷却す
ることができる。特にロータ15の高速回転時におい
て、発熱室7の周域で高温に達したシリコーンオイルを
冷却し、発熱室7の中心域に送り込むため、一部のシリ
コーンオイルのみが過加熱となることがない。したがっ
て、シリコーンオイルの発熱量過多が抑制され、その結
果としてシリコーンオイルの劣化を防止することができ
る。
【0036】(ハ) 連通路18を流れる高温のシリコ
ーンオイルの熱は、前部および後部ウォータジャケット
8,9内を流れる循環水に与えられるので、熱を無駄に
することがない。
【0037】なお、この発明は次のような態様にて具体
化することも可能である。 (1) 図3に示すように、前部および後部区画プレー
ト5,6の本体肉部内に、連通路18を埋設すること。
この連通路18は、前部区画プレート5において、ロー
タ15の回転中心となる駆動軸14に近い発熱室7の中
心域に開口する第1開口端16と、後部区画プレート6
において、ロータ15の外周部が収まる発熱室7の周域
に開口する第2開口端17とを有している。第1開口端
16から第2開口端17にいたる連通路18は、前部お
よび後部区画プレート5,6を貫通するように埋設され
ている。
【0038】このように構成すれば、連通路18を移動
するシリコーンオイルの熱が、前部および後部ウォータ
ジャケット8,9を流れる循環水に各区画プレート5,
6の壁部を介して伝導伝熱することができる。したがっ
て、シリコーンオイルを冷却することができるととも
に、その劣化を防止することができる。
【0039】(2) 発熱室7の第1開口端16と第2
開口端17とを結ぶ連通路18をハウジング外部を迂回
するように経路設定すること(図4参照)。このように
構成すれば、高温に達したシリコーンオイルを外気で冷
却することができる。その結果、シリコーンオイルの劣
化を防止することができる。
【0040】(3) 図4に示すように、前記(2)の
ように構成した連通路18の途中に冷却手段としてのク
ーラー23を並設すること。かかるクーラー23は、空
冷式または水冷式のいずれでもよい。
【0041】このように構成すれば、高温に達したシリ
コーンオイルをより積極的に冷却することができ、冷却
効果が高まる。 (4) 図5に示すように、ロータ15の前後のクリア
ランスL1,L2を異ならせること。即ち、ロータ15
前面の第1作用面と発熱室7の前側内壁面との間には第
1クリアランスL1が、ロータ15後面の第2作用面と
発熱室7の後側内壁面との間には第2クリアランスL2
がそれぞれ形成されている。そして、連通路18は、第
1クリアランスL1側において発熱室7中心域への第1
開口端16を、第2クリアランスL2側において発熱室
7周域への第2開口端17をそれぞれ有している。この
とき、発熱室7において、第2クリアランスL2が第1
クリアランスL1よりも狭く設定されている。
【0042】ロータ15の高速回転時には、発熱室周域
は前述の遠心力作用によりその中心域に対し高圧にな
る。本別例の如くビスカスヒータを構成すれば、両クリ
アランスL1,L2の広狭関係に基づき、第2開口端1
7付近のオイル圧が第1開口端16付近でのオイル圧よ
りも相対的に大きくなる。したがって、発熱室7周域か
ら連通路18を介して発熱室7中心域へいたる粘性流体
の移動が促進される。
【0043】
【発明の効果】各請求項に記載のビスカスヒータによれ
ば、前述のように連通路が発熱室とともに発熱室の中心
域と周域との間で粘性流体の循環経路を構築することか
ら、粘性流体はこの連通路を介して冷却されつつ移動す
ることができる。このため、発熱室内における粘性流体
の温度の均一化が図られて、粘性流体の劣化を未然に防
止することができる。それ故、ビスカスヒータは優れた
発熱性能を持続的に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態のビスカスヒータの縦断面図。
【図2】 粘性流体の動きを模式的に示す図であり、
(A)は低速回転時、(B)は高速回転時の状況を示
す。
【図3】 別の実施形態におけるビスカスヒータの一部
拡大断面図。
【図4】 別の実施形態におけるビスカスヒータの一部
拡大断面図。
【図5】 別の実施形態におけるビスカスヒータの一部
拡大断面図。
【符号の説明】
1…前部ハウジング本体、2…後部ハウジング本体、5
…前部区画プレート、6…後部区画プレート(1,2,
5,6は、ハウジングを構成する)、7…発熱室、8…
放熱室としての前部ウォータジャケット、9…放熱室と
しての後部ウォータジャケット、…、14…駆動軸、1
5…ロータ、16…発熱室中心域への開口端としての第
1開口端、17…発熱室周域への開口端としての第2開
口端、18…連通路、23…冷却手段としてのクーラ
ー、L1…第1クリアランス、L2…第2クリアラン
ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 努 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に区画された発熱室および
    放熱室を備え、駆動軸に作動連結されたロータを、粘性
    流体を収容した発熱室内で回転させて粘性流体の剪断作
    用に基づく熱を発生させ、その熱を放熱室を流れる循環
    流体に熱交換するビスカスヒータにおいて、 前記ロータの回転中心に近い発熱室の中心域と、前記ロ
    ータの外周部に近い発熱室の周域とをつなぐとともに、
    粘性流体の冷却に関与する連通路を設けたビスカスヒー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記連通路は、前記放熱室内を貫通する
    ように設定されている請求項1に記載のビスカスヒー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記連通路は、前記放熱室を区画するた
    めの区画部材内に埋設されている請求項1に記載のビス
    カスヒータ。
  4. 【請求項4】 前記連通路は、前記ハウジングの外側を
    迂回するように設定されている請求項1に記載のビスカ
    スヒータ。
  5. 【請求項5】 前記ハウジングの外側を迂回する連絡路
    には、粘性流体の冷却手段が並設されている請求項4に
    記載のビスカスヒータ。
  6. 【請求項6】 前記ロータの第1および第2作用面と、
    それらと対向する前記発熱室の内壁面との間には第1お
    よび第2のクリアランスが形成され、前記連通路は、前
    記第1クリアランス側において発熱室中心域への開口端
    を有するとともに、前記第2クリアランス側において発
    熱室周域への開口端を有しており、前記第2クリアラン
    スは前記第1クリアランスよりも狭くなっている請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のビスカスヒータ。
JP23910596A 1996-09-10 1996-09-10 ビスカスヒータ Pending JPH1081125A (ja)

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