JPH10329531A - 車輌用熱発生器 - Google Patents

車輌用熱発生器

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JPH10329531A
JPH10329531A JP9146778A JP14677897A JPH10329531A JP H10329531 A JPH10329531 A JP H10329531A JP 9146778 A JP9146778 A JP 9146778A JP 14677897 A JP14677897 A JP 14677897A JP H10329531 A JPH10329531 A JP H10329531A
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JP
Japan
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heat
chamber
peripheral wall
housing
vehicle
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Pending
Application number
JP9146778A
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English (en)
Inventor
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
Takashi Ban
孝志 伴
Tatsuyuki Hoshino
辰幸 星野
Hidefumi Mori
英文 森
Hajime Ito
肇 伊藤
Shinji Aoki
青木  新治
Toshio Morikawa
敏夫 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Priority to US09/089,803 priority patent/US5881712A/en
Priority to DE19825005A priority patent/DE19825005A1/de
Publication of JPH10329531A publication Critical patent/JPH10329531A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】車輌用熱発生器において発熱室で生じた熱がハ
ウジングを介して大気中に逃げる熱損失の発生を抑制
し、放熱室への熱交換率を高める。 【解決手段】前後ハウジング本体1,2内には発熱室7
及び両ウォータジャケット8,9を区画するための前後
区画プレート5,6が収納されている。この両区画プレ
ート5,6は、その外周壁が前部ハウジング本体1の内
周壁と当接しているため、移動不能に位置決めされなが
らも、その外周壁には周方向に延びる凹部としての周溝
5d,6dを凹設している。かかる周溝5d,6dは、
両ウォータジャケット8,9内で循環水の流通経路の一
部を成し、周溝5d,6dの内壁は、循環水の流れをガ
イドする。このとき、循環水は、発熱室7で生じた熱を
吸収すると共に、前部ハウジング本体1への熱伝達が最
小限に止められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハウジング内に
区画された発熱室および放熱室を備え、駆動軸に作動連
結されたロータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転
させて粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その
熱を放熱室を流れる循環流体に熱交換する車輌用熱発生
器に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌のエンジンの駆動力を利用する熱発
生器として、例えば、特開平8−337110号公報
は、車輌用暖房装置に組み込まれる熱発生器を開示す
る。
【0003】この車輌用熱発生器では、ケーシング蓋
(前部ハウジング)、ケーシング底(後部ハウジング)
及び隔壁(区画プレート)からなる固定ケーシング(ハ
ウジング)が、その内部に作動室(発熱室)と、この作
動室の後方に隣接する冷却室(ウォータジャケット)を
備えている。かかる作動室と冷却室とは、前記隔壁によ
り区画配置され、この隔壁には、冷却室側に突出した冷
却フィンが設けられている。ケーシング蓋には軸受装置
を介して駆動軸が回転可能に支承されており、この駆動
軸の一端には作動室内で一体回動可能な回転子(ロー
タ)が固着されている。作動室内には粘性液体(例えば
シリコーン油)がいっぱいに充填され、相対向する回転
子の外壁部と作動室の内壁面との間隙を完全に埋め尽く
している。
【0004】ケーシング蓋には入口嵌め管及び出口嵌め
管が形成され、前記冷却室は、入口嵌め管を介して冷却
液体(循環水)を取り入れると共に、出口嵌め管から冷
却液体を放出している。そして、電磁クラッチを介して
エンジンの駆動力が車輌用熱発生器の駆動軸に伝達され
ると、駆動軸と共に回転子が作動室内で回転し、回転子
外壁部と作動室内壁面との間に介在される粘性液体が剪
断されて流体摩擦に基づく熱を発生する。作動室で発生
した熱は、隔壁を介して前記冷却室内を流れる冷却液体
に熱交換され、その車輌の放熱体に供給されて車室内の
暖房に供される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の車輌用熱発
生器にあっては、冷却室が作動室の前壁側、周壁側、後
壁側に隔壁をもって区画配置される構成を採用している
(同公開公報の図2参照)。しかしながら、かかる隔壁
は、回転子の軸方向及び半径方向への位置決めが充分に
なされておらず、いわば宙に浮いたような状態になって
いる。このため、回転子の外表面と作動室の内壁面(隔
壁の前壁面)との間に設定される微少なクリアランス
は、特に回転子の高速回転中で、予め決められた間隔を
維持することが困難になる。
【0006】また、前壁側冷却室と後壁側冷却室とは、
作動室の周壁に対応する周面側冷却間隙により結ばれ、
後壁側冷却室を貫流する冷却液体が前記周面側冷却間隙
を介して前壁側冷却室へも行き渡るように構成されてい
る。しかしながら、この周面側冷却間隙は、回転子の半
径方向への幅厚がたいへん狭く形成されている。このた
め、入口嵌め管から後壁側冷却室へ進入する冷却液体が
前壁側冷却室に流入しづらく、また、いったん前壁側冷
却室に到達した冷却液体が後壁側冷却室に戻りにくい。
従って、作動室を囲むように冷却室を構成しているもの
の、冷却液体が入口嵌め管から各冷却領域を万遍なく流
通して出口嵌め管へ到る冷却液体の循環経路が構築され
ているとは言い難い。更に、隔壁の半径方向への位置決
めが充分になされていないため、特に熱発生器の運転中
には、前記周面側冷却間隙が予め設定されている幅厚を
維持できないおそれがある。故に、作動室から冷却室へ
の効率的な熱交換は、あまり期待できない。
【0007】本発明の目的は、ハウジング内に発熱室と
放熱室とを区画形成するための区画部材をハウジング内
において移動不能に位置決めすると共に、発熱室で生じ
た熱がハウジングを介して大気中に放熱される熱損失の
発生を抑制しつつ、循環流体への熱交換効率を高めた車
輌用熱発生器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ハウ
ジング内に発熱室及び放熱室を区画するための区画部材
を備え、駆動軸に作動連結されたロータを、粘性流体を
収容した発熱室内で回転させて粘性流体の剪断作用に基
づく熱を発生させ、その熱を放熱室を流れる循環流体に
熱交換する車輌用熱発生器において、前記ハウジングの
内周壁と、当該内周壁に接触する前記区画部材の外周壁
との間には、当該接触域における内周壁と外周壁との接
触面積を小さくする凹部が設けられていることをその要
旨とする。
【0009】この車輌用熱発生器によれば、前記区画部
材は、発熱室と放熱室とを区画するという本来の機能を
果たすために、該区画部材の外周壁がハウジングの内周
壁に接触することで、ハウジング内に少なくともその半
径方向において移動不能に位置決めされる。この位置決
めされた状態を維持しながらも、ハウジングの内周壁と
区画部材の外周壁との接触域に前記凹部が設けられるこ
とで、ハウジングの内周壁と区画部材の外周壁との接触
面積は小さくなると共に、ハウジングの内周壁との間に
凹部による内部領域が提供されることになる。かかる凹
部による内部領域は、発熱室で生じた熱がハウジングを
介して大気中に放熱されることによる熱損失の抑制に貢
献し、循環流体への熱交換効率を高める。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の車輌
用熱発生器において、前記凹部は、前記区画部材の外周
壁に形成された周方向に延びる溝として提供されている
ことを特徴とする。
【0011】この構成によれば、区画部材が移動不能に
位置決めされる上で最小限必要な面積を確保しつつも、
ハウジングの内周壁と区画部材の外周壁との接触面積を
小さくすることができる。また、この溝が放熱室の外周
域に配置されることによって、発熱室からハウジングへ
の熱伝導による伝熱面積が大幅に減少するため、熱損失
の発生を極力抑えることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項2に記載の車輌
用熱発生器において、前記周方向に延びる溝は、放熱室
内に設定された循環流体の流通経路の一つを構成するこ
とを特徴とする。
【0013】この構成によれば、循環流体は、放熱室内
に設定された流通経路を流動しながら、発熱室で生じた
熱を吸収していく。このとき、放熱室に流れ込んだ循環
流体は、放熱室内の最外周域に配置される流通経路であ
る溝にも進入し、溝の内壁面にガイドされながら移動す
る。こうして溝内域を貫流する循環流体は、他の流通経
路を貫流する循環流体と同様に熱伝達に供される。従っ
て、発熱室で発生した熱は、余すことなく循環流体に熱
交換されるため、熱交換効率が高められると共に、放熱
室の外周域における熱交換効率の向上によって、ハウジ
ング外部への熱損失発生が防止される。
【0014】請求項4の発明は、請求項1又は2に記載
の車輌用熱発生器において、前記凹部は、ハウジングの
内周壁と区画部材の外周壁との間で閉塞された内部空間
を構築することを特徴とする。
【0015】この構成によれば、ハウジングの内周壁と
区画部材の外周壁との間に、前記凹部によって空気層領
域が提供されることになる。空気は、伝熱係数(熱伝達
率)が非常に小さく、また、かかる空気層領域内では、
空気がほぼ静止した状態にあるため、熱伝達は非常に小
さく抑えられる。従って、発熱室で発生した熱がハウジ
ングを介して大気中へ放熱される熱損失発生は、極力小
さく止められる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下、本発明を車輌の暖房装置に組み込
まれる熱発生器に具体化した実施形態1について図1及
び図2を参照しつつ説明する。
【0017】図1に示すように、車輌用熱発生器の外郭
は前部ハウジング本体1及び後部ハウジング本体2によ
って構成されている。前部ハウジング本体1は、前方
(図示左方)に向かって突出した中空筒状のボス部1a
と、該ボス部1aの基端部から後方に向かって大きく碗
形状に延在した円筒部1bとを有している。後部ハウジ
ング本体2は、前記円筒部1bの開口側を覆う蓋形状と
されている。前部ハウジング本体1と後部ハウジング本
体2とは、前部ハウジング本体1の円筒部1b内に一対
の前部区画プレート5及び後部区画プレート6を内装し
つつ、複数本のボルト3によって締結されている。
【0018】このように、車輌用熱発生器のハウジング
は、前部ハウジング本体1、後部ハウジング本体2、前
部区画プレート5及び後部区画プレート6から構成され
ている。これらハウジングの構成部材は、アルミニウム
又はアルミニウム合金から作られている。
【0019】前部区画プレート5は、その外周部に環状
のリム部5aを有している。かかるリム部5aは、その
先端部(図1では左方)が前部ハウジング本体1の円筒
部1b内壁面に当接する一方、前部区画プレート5の後
壁面は円形状に凹んだ形状となっているため、結果的に
リム部5aの後端部があたかも後方へ突出するように形
成されている。また、リム部5aの外周面には周方向に
延びる凹部としての周溝5dが凹設されている。更に前
部区画プレート5は、その前端側において、その中央部
に形成された支持筒部5bと、当該支持筒部5bの外側
に沿って周方向に延びる同心円弧状に形成された複数の
ガイドフィン5cとを有している。
【0020】後部区画プレート6は、その外周部に環状
のリム部6aを有している。かかるリム部6aは、その
後端部(図1では右方)が後部ハウジング本体2の内壁
面に当接するように形成されている。また、リム部6a
の外周面には周方向に延びる凹部としての周溝6dが凹
設されている。更に、後部区画プレート6は、その後端
側において、その中央部に形成された筒部6bと、当該
筒部6bの外側に沿って周方向に延びる同心円弧状に形
成された複数のガイドフィン6cとを有している。
【0021】両区画プレート5,6は、相互に連結され
る両ハウジング本体1,2の対向壁面間に挟着される。
このとき、前部区画プレート5のリム部5a後端部と後
部区画プレート6の前壁面とが相互接合する。このた
め、両区画プレート5,6は、軸方向に移動不能に位置
決めされる。また、両区画プレート5,6のリム部5
a,6aの外周面は、前部ハウジング本体1の円筒部1
bの内周面とほぼ密接する。従って、両区画プレート
5,6は、前部ハウジング本体1に対して半径方向にお
いて、移動不能に位置決めされる。よって、両区画プレ
ート5,6は、両ハウジング本体1,2内において、軸
方向及び半径方向の双方に対し移動不能に収納される。
また、前部区画プレート5の後壁面に設けられる凹みと
後部区画プレート6の前壁面とによって囲まれる領域に
は、発熱室7が提供されている。
【0022】前部区画プレート5が前部ハウジング本体
1内に嵌め込まれた状態では、支持筒部5bの一部が前
部ハウジング本体1の内壁部と密接する。この結果、前
部ハウジング本体1の内壁部と前部区画プレート5の本
体部との間には、発熱室7の前側に隣接する放熱室とし
ての円環状の前部ウォータジャケット8が区画される。
この前部ウォータジャケット8内において、前記リム部
5a、支持筒部5b及びガイドフィン5c並びに周溝5
dの壁面は、循環流体としての循環水の流れをガイドす
るガイド壁の役目を果たし、前側放熱室内における循環
水の流通経路を構築する。かかる流通経路は、前記リム
部5aと各ガイドフィン5cとの間の間隔を異ならせる
ことによって、前部ウォータジャケット8の外周側に設
けられる流通経路ほど流通断面積が大きくなるように設
定されている。
【0023】後部区画プレート6が前部区画プレート5
と共に前部ハウジング本体1内に嵌め込まれた状態で
は、後部区画プレート6の筒部6bが後部ハウジング本
体2の環状壁2aと密接する。この結果、後部ハウジン
グ本体2と後部区画プレート6の本体部との間には、発
熱室7の後側に隣接する放熱室としての円環状の後部ウ
ォータジャケット9、及び、筒部6b内側に位置する貯
留室としての副オイル室10が区画される。この後部ウ
ォータジャケット9内において、前記リム部6a、支持
筒部6b及びガイドフィン6c並びに周溝6dの壁面
は、循環流体としての循環水の流れをガイドするガイド
壁の役目を果たし、後側放熱室内における循環水の流通
経路を構築する。かかる流通経路は、前記リム部6aと
各ガイドフィン6cとの間の間隔を異ならせることによ
って、後部ウォータジャケット9の外周側に設けられる
流通経路ほど流通断面積が大きくなるように設定されて
いる。
【0024】図2に示すように、前部ハウジング本体1
の側壁部には、縦に並ぶ第1及び第2のポート15,1
6が形成されている。また、各区画プレート5,6は、
その径方向に水平に延びる直壁4(図2では後部区画プ
レート6のみ図示)を有している。この直壁4は、両ウ
ォータジャケット8,9内に設定された環状の各流通経
路を横断する方向に延びており、各流通経路の始端側
(下側端)と終端側(上側端)とを明確に区分しつつ、
各流通経路の始端側を第1ポート15(下側)に連通さ
せると共に、同流通経路の終端側を第2ポート16(上
側)に連通させている。そして、第1及び第2ポート1
5,16のそれぞれには、車輌に設けられた暖房回路の
配管(図示略)との接続のための継手管20,21が取
り付けられている。
【0025】図1に示すように、前部ハウジング本体1
及び前部区画プレート5には、軸受け11,12を介し
て駆動軸13が回動可能に支承されている。軸受け12
は、シール付きの軸受けであり、前部区画プレート5の
支持筒部5bの内周面と、駆動軸13の外周面との間に
介在され、発熱室7の前方を封止している。駆動軸13
の後端部には、発熱室7内に収容される円板形のロータ
14が一体回転可能に圧入固定されている。ロータ14
の周縁近傍には前後に貫通する複数のロータ連通孔14
aが形成されている。これらロータ連通孔14aは、駆
動軸13の中心軸線から等距離の位置において、駆動軸
13を取り囲んで等角度間隔にて配置されている。
【0026】後部区画プレート6の筒部6bと後部ハウ
ジング本体2の後端壁とによって囲まれる領域には、貯
留室としての副オイル室10が提供されている。後部区
画プレート6は、その本体部を前後に貫通する回収通路
としての上側連通孔6e及び供給通路としての下側連通
孔6f、並びに、該区画プレート6の前面において半径
方向に延びる誘導溝6gを有している。発熱室7と副オ
イル室10とは、上側及び下側連通孔6e,6fを介し
て相互に連通する。尚、下側連通孔6fの連通断面積
は、上側連通孔6eのそれよりも大きく設定されてい
る。
【0027】上側及び下側連通孔6e,6fを介して相
互に連通する発熱室7と副オイル室10とは、ヒータの
ハウジング内において液密な内部空間を形成する。この
内部空間には、粘性流体としてのシリコーンオイルが所
要量入れられている。シリコーンオイルの量は、その常
温時充填率が前記内部空間内の空き容積に対して、5〜
8割となるように決められている。かかる充填量にもか
かわらず、ロータ14の回転時にはシリコーンオイルの
高い粘性のためにシリコーンオイルが下側連通孔6f及
び誘導溝6gを介して副オイル室10から引き出されて
発熱室7の内壁面とロータ14の外面との間の微少なク
リアランスの全体に万遍なく行き渡る。尚、シリコーン
オイルの充填時において、回収通路としての上側連通孔
6eは、副オイル室10内に貯留されたシリコーンオイ
ルの液位よりも上方に位置し、供給通路としての下側連
通孔6fは当該液位よりも下方に位置する。
【0028】駆動軸13の前端部にはボルト17によっ
てプーリ18が固着されている。プーリ18はその外周
部に巻き掛けられるVベルト(図示略)を介して、外部
駆動源としての車輌のエンジンと駆動連結される。
【0029】次に、該車輌用熱発生器での粘性流体の挙
動及び熱交換について説明する。エンジンの起動前、即
ち駆動軸13の停止時において、発熱室7と副オイル室
10とにおけるシリコーンオイル(粘性流体)の液位は
等しい。故に、駆動軸13の起動時にはロータ14の粘
性流体との接触面積は小さく、小さなトルクで、プーリ
18、駆動軸13及びロータ14を起動することができ
る。プーリ18を介してのエンジンの駆動力によって駆
動軸13と共にロータ14が一体回転されるに伴い、シ
リコーンオイルが発熱室7の内壁面とロータ14の外面
との間隙において剪断されて発熱する。
【0030】発熱室7で生じた熱は、各区画プレート
5,6を介して前部及び後部ウォータジャケット8,9
を流れる循環水に熱交換される。即ち、図2に示すよう
に、第1ポート15から各ウォータジャケット8,9
(図2では、後部ウォータジャケット9のみ図示)に進
入した循環水は、各流通経路に流入していく。このと
き、各周溝5d,6dは、その壁面が循環水のガイド壁
の役割を果たして流通経路の一翼を担うために、該周溝
5d,6d内へも循環水が流れ込む。循環水は、ガイド
壁に沿って移動しながら流通経路を通り抜け、第2ポー
ト16に達する。このように、両ウォータジャケット
8,9の最外周域の流通経路を構成する周溝5d,6d
にも循環水が行き渡って移動していくため、発熱室7で
生じた熱は、余すことなく循環水への熱交換に付するこ
とができる。こうして加熱された循環水は、暖房回路
(図示略)を介して車室内の暖房等に供される。
【0031】この車輌用熱発生器では、副オイル室10
は上側連通孔6eを介して発熱室7の中央域と連通する
と共に、ロータ14の回転によって発熱室7内のシリコ
ーンオイルは駆動軸13に向かって移動する傾向(ワイ
センベルク効果)を見せる。このため、シリコーンオイ
ルが上側連通孔6eを介して発熱室7から副オイル室1
0内に回収される。他方、副オイル室10に回収された
シリコーンオイルの自重と、シリコーンオイルの高い粘
性に起因するロータ14のオイル引き込みから発熱室7
にシリコーンオイルが供給される。
【0032】このように、駆動軸13及びロータ14の
駆動時には、発熱室7と副オイル室10との間でシリコ
ーンオイルの入れ替え循環が行われる。この場合、下側
連通孔6fは上側連通孔6eよりも大きな連通断面積を
有しているため、シリコーンオイルの副オイル室10へ
の回収量よりも発熱室7への供給量の方が多くなる。故
に、副オイル室10に貯留されていたシリコーンオイル
は、誘導溝6gを経由して発熱室7の外周域に迅速かつ
滑らかに供給され、発熱室7の外周域に供給されたシリ
コーンオイルは、ワイセンベルク効果により迅速に発熱
室7の中央域に達するので、発熱室7の内壁面とロータ
14の外面との間のクリアランスの全域にシリコーンオ
イルが万遍なく行き渡る。
【0033】また、上側連通孔6eを介して発熱室7か
ら副オイル室10内に回収されたシリコーンオイルは、
入れ替え循環のサイクルタイムに応じた一定時間だけ、
副オイル室10に滞在する。発熱室7から回収直後のシ
リコーンオイルは高温状態にあるが、副オイル室10で
の滞在中にその熱量の一部を副オイル室10の区画部材
(後部区画プレート6)に伝達することで、シリコーン
オイルは熱を奪われる。その結果、高温のシリコーンオ
イルは冷却(除熱)されて長時間の熱保持による劣化か
ら守られる。
【0034】以下に本実施形態の効果について説明す
る。 ○ 両区画プレート5,6のリム部5a,6aの外周面
に設けられる周溝5d,6dによって、両区画プレート
5,6の外周壁と両ハウジング本体1,2の内周壁との
接触面積は、周溝5d,6dがない場合に比べて、減少
することになる。このため、各区画プレート5,6を介
してのハウジングへの熱伝達が抑制され、結果的に発熱
室7で発生した熱を大量に大気中へ放熱する熱損失が生
じることを抑制することができる。
【0035】○ 両区画プレート5,6のリム部5a,
6aの外周面には、周溝5d,6dが設けられ、かかる
周溝5d,6dの内壁面は、両ウォータジャケット8,
9を貫流する循環水のガイド壁として機能する。このた
め、循環水は、他の流通経路と同様に当該周溝5d,6
dにも行き渡って移動することができる。従って、発熱
室7で生じた熱を余すことなく循環水に熱交換すること
ができ、熱交換効率の向上に寄与することができる。こ
のことは、発熱室7内において剪断作用にさらされるシ
リコーンオイルが効率よく熱を奪われることをも意味す
るため、シリコーンオイルの耐熱限界超過を未然に防ぎ
シリコーンオイルの劣化防止に貢献することができる。
【0036】○ 両区画プレート5,6は、その外周壁
がハウジング内周壁に密接する形状とされながらも、周
溝5d,6dを有することによって、両ハウジング本体
1,2との接触面積を最小限に抑えつつ駆動軸13の軸
方向及び半径方向に移動不能に嵌め込まれている。この
両区画プレート5,6によって、発熱室7と両ウォータ
ジャケット8,9が確実に区画形成されることはもちろ
ん、発熱室7の内壁面とロータ14の外壁面との間に設
けられるクリアランスは、たとえロータ14が高速回転
中であっても予め設定された微少な幅厚を維持すること
ができる。また、両ウォータジャケット8,9内では、
循環水の流通経路が構築されるため、循環水への熱伝達
を充分に行わせることができると共に、円滑な循環水の
流通を維持することができる。 (実施形態2)図3は、本発明の実施形態2に従う車輌
用熱発生器を示す。この車輌用熱発生器は前記実施形態
1と基本構成を同じくし、ただ、各区画プレート5,6
に設けられる凹部の構成のみが相違する。故に、この相
違点を中心に説明する。
【0037】図3に示すように、両ハウジング本体1,
2内に挟着される両区画プレート5,6には、そのリム
部5a,6aの外周面に周方向へ延びる凹部としての周
溝5d,6dが凹設されている。当該周溝5d,6d
は、リム部5a,6aの始端部から終端部まで延びない
ように構成されている(図3では、後部区画プレート6
の場合のみを図示)。即ち、リム部5a,6aの始端部
には始端側封止部22が設けられ、同様に終端部には終
端側封止部23が形成されている。従って、周溝5d,
6dは、前部ハウジング本体1の円筒部1bの内周壁と
両区画プレート5,6の外周壁との間で、リム部5a,
6aと同心円弧状に延びる孤立した空気層領域を構築し
ている。
【0038】このように構成された実施形態2の車輌用
熱発生器では、空気は、水に比べて熱伝達率が低いとい
う性質を有する上に、循環水の流通経路となる場合とは
異なって、周溝5d,6d内でほぼ静止した状態にあ
る。このため、両ハウジング本体1,2と両区画プレー
ト5,6の間での熱伝達を更に抑えることができる。従
って、図3の実施形態2によれば、図1及び図2の実施
形態1と同様の効果を得ることができると共に、ハウジ
ングの半径方向への断熱効果を更に高めることができ、
両ハウジング本体1,2を介した大気中への熱損失発生
を防止することができる。
【0039】(変更例) 図3の実施形態2において周
溝5d,6dは、空気層領域を提供し、かかる空気層領
域は始端側封止部22から終端側封止部23に連続して
つながる一つの領域から構築されていたが、図4に示す
ように、この空気層領域を複数の区画部24によって分
けてもよい。このように構成しても、実施形態2と同様
の効果が得られると共に、両区画プレート5,6の位置
決めを一層強化することができる。
【0040】尚、本明細書で言う「粘性流体」とは、ロ
ータの剪断作用を受けて流体摩擦に基づく熱を発生する
あらゆる媒体を意味するものであり、高粘度の液体や半
流動体に限定されず、ましてやシリコーンオイルに限定
されるものではない。
【0041】
【発明の効果】各請求項に記載の車輌用熱発生器によれ
ば、区画部材は、ハウジング内で少なくともその半径方
向に移動不能に位置決めされながらも、ハウジングの内
周壁と区画部材の外周壁との接触域には凹部が設けられ
ている。この凹部によってもたらされる内部領域によっ
て、ハウジングへの熱伝達は、最小限に止められる。従
って、ハウジングを介して大気中へ放熱される熱損失の
発生を抑制することができると共に、発熱室で生じた熱
は、余すことなく循環流体への熱交換に供されるため、
熱交換効率の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に従う車輌用熱発生器の縦断面図。
【図2】図1のA−A線における断面図。
【図3】実施形態2に従う車輌用熱発生器の横断面図。
【図4】実施形態2の変更例に従う車輌用熱発生器の横
断面図。
【符号の説明】
1…前部ハウジング本体、2…後部ハウジング本体、5
…前部区画プレート、6…後部区画プレート(1,2,
5,6はハウジングを構成し、また、5,6は区画部材
でもある)、5d,6d…凹部としての周溝、7…発熱
室、8,9…放熱室としての前部及び後部ウォータジャ
ケット、13…駆動軸、14…ロータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 辰幸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 森 英文 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 伊藤 肇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 青木 新治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 森川 敏夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に発熱室及び放熱室を区画
    するための区画部材を備え、駆動軸に作動連結されたロ
    ータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転させて粘性
    流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を放熱室
    を流れる循環流体に熱交換する車輌用熱発生器におい
    て、 前記ハウジングの内周壁と、当該内周壁に接触する前記
    区画部材の外周壁との間には、当該接触域における内周
    壁と外周壁との接触面積を小さくする凹部が設けられて
    いることを特徴とする車輌用熱発生器。
  2. 【請求項2】 前記凹部は、前記区画部材の外周壁に形
    成された周方向に延びる溝として提供されていることを
    特徴とする請求項1に記載の車輌用熱発生器。
  3. 【請求項3】 前記周方向に延びる溝は、放熱室内に設
    定された循環流体の流通経路の一つを構成することを特
    徴とする請求項2に記載の車輌用熱発生器。
  4. 【請求項4】 前記凹部は、ハウジングの内周壁と区画
    部材の外周壁との間で閉塞された内部空間を構築するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用熱発生
    器。
JP9146778A 1997-06-04 1997-06-04 車輌用熱発生器 Pending JPH10329531A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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