JP3481805B2 - ビスカスヒータにおける循環流体の流通方法 - Google Patents

ビスカスヒータにおける循環流体の流通方法

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JP3481805B2
JP3481805B2 JP31662096A JP31662096A JP3481805B2 JP 3481805 B2 JP3481805 B2 JP 3481805B2 JP 31662096 A JP31662096 A JP 31662096A JP 31662096 A JP31662096 A JP 31662096A JP 3481805 B2 JP3481805 B2 JP 3481805B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/22Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived otherwise than from the propulsion plant
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内に発
熱室及び放熱室を区画し、粘性流体を収容した発熱室内
でロータを回転させて粘性流体の剪断作用に基づく熱を
発生させ、その熱を放熱室を流通する循環流体に熱交換
するビスカスヒータの技術分野に属し、特に、ビスカス
ヒータにおける循環流体の流通方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車載用の補助熱源として、車両のエンジ
ンの駆動力を利用するビスカスヒータが注目されてい
る。例えば、特開平2−246823号公報は、ラジエ
ターを経由するエンジン冷却水の循環回路とは別に、該
エンジン冷却水を循環流体とする車室暖房用の温水循環
回路を構築し、その途中にビスカスヒータ(熱発生器)
及びヒータ放熱器を配してなる車両用暖房装置を開示す
る。
【0003】そのビスカスヒータによれば、前部及び後
部ハウジングが対設された状態で相互に連結され、その
内部には発熱室と、該発熱室を包囲する受熱室(ウォー
タジャケット)とが形成されている。前記ハウジングに
は軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承されてお
り、この駆動軸の一端には発熱室内で一体回動可能にロ
ータが固定されている。発熱室内には粘性流体(例えば
シリコーンオイル)が入れられ、相対向するロータの外
壁部と発熱室の内壁面との間隙にもいきわたらせてい
る。
【0004】前部ハウジングには入水口及び出水口が形
成され、前記受熱室は入水口を介してエンジン冷却水を
取り入れると共に、出水口からエンジン冷却水を放出し
ている。即ち、該受熱室は前記温水循環回路の一部を構
成している。この温水循環回路の途中にはエンジンを駆
動源とするウォータポンプが設けられ、このウォータポ
ンプの作動に基づき、エンジン冷却水が温水循環回路を
定常的に循環する。そして、電磁クラッチ等を介してエ
ンジンの駆動力がビスカスヒータの駆動軸に伝達される
と、駆動軸と共にロータが発熱室内で回転し、ロータ外
壁部と発熱室内壁面との間に介在される粘性流体が剪断
されて流体摩擦に基づく熱を発生する。発熱室で発生し
た熱は、ハウジング壁(発熱室の外周壁を含む)を介し
て前記受熱室内を流れるエンジン冷却水に熱交換され、
その加熱水はヒータ放熱器に供給されて車室内の暖房に
供される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかるビスカスヒータ
では、駆動軸付近のロータ中心部よりも、駆動軸から離
れたロータの外周部ほど粘性流体の剪断速度が大きくな
るため、ロータ中心部よりもむしろロータ外周部におい
て粘性流体の温度がより高くなる。それ故、ロータ外周
部に近接した発熱室の外周壁を直接取り囲んでいる受熱
室の外周領域(上部領域を含む)において十分な熱交換
が行われることが、エンジン冷却水を効率的に加熱する
ためには必要不可欠となる。
【0006】ところが、前記従来のビスカスヒータにあ
っては、受熱室の内部には、単にエンジン冷却水を収容
できればよいという程度の認識で無造作に冷却水の収容
空間が確保されているにすぎず、ハウジング壁を介して
発熱室から受熱室に伝達される熱を効率的に冷却水に伝
える工夫が何等なされていない。また、熱交換効率の観
点からの冷却水の流通方法についても特に考慮されてい
ない。このため、肝心要の受熱室の外周領域の一部(受
熱室内部の上部領域)に冷却水が行き渡らずに空気が滞
留し、熱交換に貢献しないデッドスペースを生じさせて
しまうという欠点があった。
【0007】本発明の目的は、ビスカスヒータにおける
循環流体の流通経路内に、循環流体の行き渡らないデッ
ドスペースが生ずるのを防止して、熱交換効率を高める
ことができるビスカスヒータにおける循環流体の流通方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ハウジング内に発熱室及び放熱室を区画し、粘性流
体を収容した発熱室内でロータを回転させて粘性流体の
剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を放熱室を流通
する循環流体に熱交換するビスカスヒータにおける循環
流体の流通方法であって、A) 前記放熱室内に循環流体
の流通経路を高低を持たせて設定し、B) 前記放熱室内
流通経路において、その最低位から最高位に向かう一方
向に循環流体を流通させること、をその要旨とする。
【0009】この流通方法によれば、高低を持って設定
された放熱室内流通経路において、その最低位から最高
位に向かう一方向に循環流体が流される。このため、循
環流体よりも比重の軽い空気等の気体が放熱室内に紛れ
込むことがあっても、両者の比重差に基づく気体の浮力
によって循環流体内を気体が浮上しようとする移動方向
と、循環流体の流通方向とが一致することになり、気体
の浮力と循環流体の圧送力との相乗作用によって、放熱
室内に一旦紛れ込んだ気体も一気に放熱室から放出され
る。従って、放熱室内は常に循環流体で満水状態とな
り、効率的な熱交換に必要な環境が維持されることにな
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、ハウジング内に
発熱室及び放熱室を区画すると共に、前記放熱室に連通
する二つのポートを前記ハウジングに形成し、粘性流体
を収容した前記発熱室内でロータを回転させて粘性流体
の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を前記二つの
ポートを介して前記放熱室を流通する循環流体に熱交換
するビスカスヒータにおける循環流体の流通方法であっ
て、A) 前記放熱室内に、前記二つのポートの一方から
他方にいたる循環流体の流通経路を高低を持たせて設定
し、B) 前記二つのポートの一方の高さが他方よりも相
対的に低くなるように該ビスカスヒータを配置し、C)
前記放熱室内流通経路において、相対的に低いポートを
入側とすると共に相対的に高いポートを出側とする方向
に循環流体を流通させること、をその要旨とする。
【0011】この流通方法によれば、高低を持って設定
された放熱室内流通経路において、より低い入側ポート
からより高い出側ポートに向かう一方向に循環流体が流
される。このため、循環流体よりも比重の軽い空気等の
気体が放熱室内に紛れ込むことがあっても、前述と同様
の理由から、放熱室内に一旦紛れ込んだ気体も一気に放
熱室から放出される。従って、放熱室内は常に循環流体
で満水状態となり、効率的な熱交換に必要な環境が維持
される。
【0012】 そして、請求項1、2の発明は、前記放
熱室内流通経路は、前記放熱室内において同心円弧状に
設けられた複数のガイド壁に沿って設定されていること
を特徴とする。
【0013】この場合には、放熱室内を各ガイド壁に沿
った複数の流通経路に区画することができ、かつ、各々
の流通経路においてその始端から終端にわたりほぼ均一
な流通断面積を持たせることができる。従って、循環流
体が放熱室を円滑に通過するように流れが制御される。
循環流体の流れが円滑化されると、放熱室内の循環流体
と発熱室内の粘性流体との間で十分な温度勾配が保た
れ、高い熱交換効率が維持される。
【0014】 請求項の発明は、請求項1又は2に記
載のビスカスヒータにおける循環流体の流通方法におい
て、前記放熱室内流通経路の各幅は、前記放熱室の外周
域ほど広くなるように設定されていることを特徴とす
る。
【0015】この場合には、放熱室の中心域にある流通
経路に比して外周域の流通経路ほど経路長が長いという
事情にもかかわらず、各流通経路を流れる循環流体の流
速が均斉化される。従って、放熱室と発熱室とを区画す
るハウジング壁の全面にわたって循環流体との熱交換が
万遍なく遂行される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両の暖房装置に
組み込まれるビスカスヒータに具体化した一実施形態を
図1〜図3を参照しつつ説明する。
【0017】図1に示すように、ビスカスヒータの外郭
は前部ハウジング本体1及び後部ハウジング本体2によ
って構成されている。前部ハウジング本体1は、前方
(図示左方)に向かって突出した中空筒状のボス部1a
と、該ボス部1aの基端部から後方に向かって大きく碗
形状に延在した円筒部1bとを有している。後部ハウジ
ング本体2は、前記円筒部1bの開口側を覆う蓋形状と
されている。前部ハウジング1と後部ハウジング本体2
とは、前部ハウジング1の円筒部1b内に一対の区画部
材としての前部区画プレート5及び後部区画プレート6
を内装しつつ、複数本のボルト3によって締結されてい
る。
【0018】前部区画プレート5と後部区画プレート6
とはそれぞれ、その外周部に環状のリム部5a,6aを
有している。これらリム部5a,6aを相互連結される
両ハウジング本体1,2の対向壁面間に狭着することに
より、両ハウジング本体1,2内に両区画プレート5,
6が移動不能に収納されている。このように、ビスカス
ヒータのハウジングは、前部ハウジング本体1、後部ハ
ウジング本体2、前部区画プレート5及び後部区画プレ
ート6から構成される。また、前部区画プレート5の後
端側はそのリム部5aに対して凹んだ形状となってお
り、両区画プレート5,6の相互接合によって両者間に
は発熱室7が形成される。
【0019】前部区画プレート5は、その前端側におい
て、その中央部に形成された支持筒部5bと、当該支持
筒部5bの外側に沿って周方向に延びる同心円弧状に形
成された複数のフィン5c,5d,5eとを有してい
る。前部区画プレート5は、支持筒部5bの一部が前部
ハウジング本体1の内壁部と密接するように、前部ハウ
ジング本体1内に嵌め込まれている。この結果、前部ハ
ウジング本体1の内壁部と前部区画プレート5の本体部
との間には、発熱室7の前側に隣接する放熱室としての
円環状の前部ウォータジャケット8が区画される。
【0020】図2に示すように、この前部ウォータジャ
ケット8内において、前記同心円弧状のフィン5c,5
d,5e及びリム部5aの間には、複数の流通経路P
1,P2,P3(本実施形態では三経路)が設定されて
おり、各フィン5c,5d,5e及びリム部5aは、循
環流体としての循環水の流れをガイドする同心円弧状の
ガイド壁として機能する。尚、各流通経路P1,P2,
P3の幅W1,W2,W3は、外周側ほど広くなるよう
に設定されている(W1<W2<W3)。
【0021】また、図1に示すように、後部区画プレー
ト6は、その後端側において、その中央部に形成された
筒部6bと、当該筒部6bの外側に沿って周方向にのび
る同心円弧状に形成された複数のフィン6c,6dとを
有している。後部区画プレート6が前部区画プレート5
と共に前部ハウジング本体1内に嵌め込まれた状態で
は、後部区画プレート6の筒部6bが後部ハウジング本
体2の環状壁2aと密接する。この結果、後部ハウジン
グ本体2と後部区画プレート6の本体部との間には、発
熱室7の後側に隣接する放熱室としての円環状の後部ウ
ォータジャケット9、及び、筒部6b内側に位置する副
オイル室16が区画される。
【0022】後部ウォータジャケット9内において、前
記リム部6a、フィン6c,6d及び筒部6bの間に
は、前部区画プレート5における前部ウォータジャケッ
ト8の場合と同様に、複数の流通経路(本実施形態では
三経路)が設定される。そして、リム部6a、フィン6
c,6d及び筒部6bは、循環流体としての循環水の流
れをガイドする同心円弧状のガイド壁として機能する。
後部ウォータジャケット9内に設定された各流通経路の
幅も、前記同様、外周側ほど広くなるように設定されて
いる。
【0023】図2に示すように、前部ハウジング本体1
の側壁部には、縦に並ぶ第1及び第2のポート10,1
1が形成されている。また、各区画プレート5,6は、
その径方向に水平に延びる直壁4(図2では前部区画プ
レート5のみ図示)を有している。この直壁4は、ウォ
ータジャケット8(又は9)内に設定された各環状流通
経路P1,P2,P3を横断する方向に延びており、各
流通経路の始端側(下側端)と終端側(上側端)とを明
確に区分しつつ、各流通経路P1,P2,P3の始端側
を第1ポート10(下側)に連通させると共に、同流通
経路P1,P2,P3の終端側を第2ポート11(上
側)に連通させている。
【0024】更に、第1及び第2ポート10,11のそ
れぞれには、車両に設けられた暖房回路の配管(図示
略)との接続のための継手管30A,30Bが取り付け
られている。継手管30A,30Bの各々は、各ポート
10,11に適合する嵌合基端部30aと、各ポートの
開口端に設けられた座繰孔に着座する鍔部30bと、前
記暖房回路配管と接続される頚部としての先端部30c
とを有している。図2及び図3に示すように、両継手管
30A,30Bは、それぞれの鍔部30bと係合する遊
離形フランジ31及び当該フランジ31を前部ハウジン
グ本体1に螺着するためのフランジ締結ボルト32を用
いて、前部ハウジング本体1の側壁部分に固定されてい
る。尚、各継手管30A,30Bの嵌合基端部30a
と、各ポート10,11の内周壁との間には、Oリング
33が設けられている。
【0025】図1に示すように、前部ハウジング本体1
及び前部区画プレート5には、軸受け12及びシール付
き軸受け13を介して駆動軸14が回動可能に支承され
ている。シール付き軸受け13は、前部区画プレート5
の支持筒部5bの内周面と、駆動軸14の外周面との間
に介在され、発熱室7の前方を封止している。
【0026】駆動軸14の後端部には、発熱室7内に収
容される円板形のロータ15が一体回転可能に圧入固定
されている。また、後部区画プレート6の筒部6bと後
部ハウジング本体2の後端壁とによって囲まれる領域に
は、副オイル室16が提供されている。発熱室7と副オ
イル室16とは、後部区画プレート6に形成された複数
の孔6e(一つのみ図示)及び後部区画プレート6の前
面に半径方向に延びるように形成された溝6fを介して
相互に連通している。そして、発熱室7と副オイル室1
6はハウジング内において、気密な内部空間を構成して
いる。この内部空間には、粘性流体としてのシリコーン
オイルが所要量入れられる。シリコーンオイルの量は、
その常温時充填率が発熱室7と副オイル室16とによっ
て形成される内部空間内の自由体積に対して5〜8割と
なるように決められている。かかる充填量にもかかわら
ず、ロータ15の回転時には、シリコーンオイルの伸張
粘性のために、シリコーンオイルが孔6eを介して副オ
イル室16から引き出されて発熱室7の内壁面とロータ
15の外面との間の微少なクリアランスの全体に万遍な
くいきわたる。
【0027】駆動軸14の前端部にはボルト17によっ
てプーリ18が固着されている。プーリ18はその外周
部に巻き掛けられるVベルト(図示略)を介して、外部
駆動源としての車両のエンジンと駆動連結される。従っ
て、プーリ18を介するエンジンの駆動力によって、駆
動軸14と共にロータ15が一体回転される。これに伴
い、シリコーンオイルが発熱室7の内壁面とロータ15
の外面との間隙において剪断されて発熱する。発熱室7
で生じた熱は、各区画プレート5,6を介して前部ウォ
ータジャケット8及び後部ウォータジャケット9を流れ
る循環水に熱交換される。加熱された循環水は、暖房回
路(図示略)を介して車室内の暖房等に供される。
【0028】(本実施形態における循環水の流通方法)
本実施形態のビスカスヒータは、図2に示すように、各
区画プレート5,6が地面に対して垂直に立ち、第1ポ
ート10が下側となり第2ポート11が上側となると共
に両者が水平に側方を向くように、車両のエンジンルー
ム内に配置固定される。各継手管30A,30Bは、車
両のエンジンによって駆動されるウォータポンプを備え
た暖房回路の配管に接続されるが、その際、下側の継手
管30Aから循環水(具体的にはエンジン冷却水)を導
入し、上側の継手管30Bより循環水を導出することが
できるように接続される。
【0029】従って、下側の継手管30Aから導入され
た循環水は、第1ポート10を経由して各流通経路P
1,P2,P3の始端側に導かれる。各流通経路P1,
P2,P3内において、循環水は、流通経路の始端から
各経路の最低位LPに一旦下り、そこから最高位HPに
向かって上昇した後に該最高位HPよりも低い位置にあ
る流通経路の終端に達する。その後、循環水は第2ポー
ト11を経由して上側の継手管30Bから暖房回路配管
へ導出される。
【0030】本実施形態によれば、放熱室内に同心円弧
状のガイド壁(5a,5c,5d,5e 等)を設けることで、放熱
室内に複数の流通経路P1,P2,P3が設定され、し
かも、各流通経路はその始端から終端に到るまでほぼ均
一な流通断面積を持つにいたる。例えば、流通経路P2
(その幅はW2)を構成する二つのフィン5d,5eの
高さをhとすれば、当該流通経路P2はその始端から終
端に到るまでのいずれの部位においても、h・W2の流
通断面積を持つ。これに加えて、相対的に低い位置にあ
る第1ポート10から循環水を取り入れると共に相対的
に高い位置にある第2ポート11より循環水を放出する
という流水方向の特定によって、各円環状の流通経路を
流れる循環水は、当該流通経路における最低位LPから
最高位HPに向かう一方向へ流される。このような、放
熱室内における絶妙の流通経路設定と、その流通経路に
おける循環水流通方向の特定との相乗的作用により、エ
ンジン駆動時においては常に、流通経路P1,P2,P
3は各々の始端から終端にいたるまで満水状態を維持す
ることができる。
【0031】エンジンの停止(即ちウォータポンプの停
止)による循環水の液位低下等によって放熱室内に空気
が入り込むことも考えられるが、仮にそのような場合で
も、その空気を流通経路に沿って下から上に押し上げる
形で早期に放熱室から排除することができる。特に、エ
ンジンの始動直後(又はアイドリング状態)でウォータ
ポンプによる循環水(エンジン冷却水)の圧送能力が低
く、その結果、第1ポート10に供給される循環水の流
水圧が低いという不利な状況下にあっても、各流通経路
P1,P2,P3における循環水の流れは下から上に向
かう流れが主となることから、放熱室に紛れ込んだ空気
をその浮力の助けをも借りて確実に放熱室から排除し、
各流通経路P1,P2,P3を早期に満水状態とするこ
とができる。
【0032】尚、本実施形態のビスカスヒータに準ずる
試作品での実験によれば、エンジン回転数が1000r
pmのときのウォータポンプを用いて、循環水が全く満
たされていない前後ウォータジャケット8,9内を、循
環水の供給開始から10秒で完全に満水状態とすること
ができた。
【0033】(比較実験例)前記試作品での流水実験で
は、下側の第1ポート10より循環水を導入して下から
上に各流通経路を経由させた後に上側の第2ポート11
から循環水を放出させた。これに対し、同じビスカスヒ
ータを用い、循環水の流通方向を逆にした他は同条件と
して比較実験を行った。即ち、上側の第2ポート11よ
り循環水を導入して上から下に各流通経路を経由させた
後に下側の第1ポート10から循環水を放出させた。こ
の比較実験の結果は、図4に示すように、各流通経路P
1,P2,P3の上部領域に残留空気による空気層Ai
rが形成され、ウォータジャケット8,9内を完全に循
環水で満たすことができなかった。ウォータジャケット
8,9の満水状態を注水率100%とすれば、図4の状
態の注水率は60%程度である。この状態は時間の経過
によっても改善されなかった。
【0034】このような空気層Airは、空気の伝熱係
数の低さ故に、発熱室7から各区画プレート5,6の壁
部(リム部やフィンを含む)に伝達された熱が、ガイド
壁に沿って流れる循環水に伝達されるのを阻害する。従
って、図4のような状況では粘性流体から循環水への効
率的な熱伝達は期待できない。
【0035】尚、図4の状態において、エンジン回転数
を3000rpmまで上げた場合、ウォータポンプの圧
送能力の向上に応じて第2ポート11における循環水の
水圧及び単位時間当りの流量が大きくなり、各流通経路
の上部領域に滞留していた空気を一気に押し流して、ウ
ォータジャケット8,9内を満水状態とすることができ
た。エンジン回転数を上げることで満水化に成功した一
因は、放熱室としてのウォータジャケット8,9内に複
数の流通経路P1,P2,P3を設定することで、循環
水を少ない液量単位で放熱室内でも比較的高い位置に運
ぶことが可能となったことによるものと考える。仮に放
熱室内において流通経路P1,P2,P3のような通路
が全く存在しないならば、いかにエンジン回転数を上昇
させようとも、上側のポート11よりも高い位置で放熱
室内に滞留する空気を外に押し流すことができないこと
は、想像に難くない。
【0036】(本実施形態の効果)本実施形態は次のよ
うな利点を有する。 (イ)上述のようなウォータジャケット8,9内におけ
る特別な流通経路設定と、循環水の流通方向の特定とに
よって、各ウォータジャケット8,9内の全体を常に循
環水で満たすことができる。このため、各区画プレート
5,6の壁部を介しての粘性流体から循環水への熱伝達
が良くなり、熱交換効率が向上する。また、このこと
は、熱保持による粘性流体の過加熱を回避し、粘性流体
の熱劣化を防止する。
【0037】(ロ)各流通経路P1,P2,P3におい
て、その最低位LPから最高位HPに向かう一方向に循
環水を流通させるようにしたことから、ウォータジャケ
ット8,9に供給される循環水の水圧や単位時間流量が
小さな場合でも、流通経路P1,P2,P3内での空気
の滞留を防止して、常に満水状態を維持することが可能
となる。
【0038】(ハ)同心円弧状をなすガイド壁によって
形成される複数の流通経路P1,P2,P3の各幅W
1,W2,W3は、外周側ほど拡張されている。このた
め、中心側流通経路(P1)に比して外周側流通経路
(P3)ほど経路長が長いという事情にもかかわらず、
各流通経路を流れる循環水の流速が均斉化される。従っ
て、ウォータジャケット8,9を形成する両区画プレー
ト5,6の全壁面にわたって循環水との熱交換が万遍な
く遂行される。特に、最も外側の流通経路P3での流量
は、他の流通経路P1,P2での流量に比して大きくな
っているため、発熱の最も著しいロータ15の外周付近
での熱交換を効果的に行うことができる。
【0039】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のような態様にて具体化することも可能で
ある。 (a)図5に示すように、ヒータハウジング20の頂上
部に、垂直上方に開口した二つのポート21,22を隣
り合わせて形成し、一方を入水ポートとすると共に他方
を出水ポートとすること。この場合、各流通経路P1,
P2,P3の終端(及び始端)が流通経路の最高位HP
となり、各流通経路P1,P2,P3の中間点が最低位
LPとなる。隣り合う二つのポート21,22のいずれ
を入水ポート(又は出水ポート)としても、最低位LP
から最高位HPに向かう流通方向を設定することがで
き、各流通経路内を完全に循環水で満たすことができ
る。
【0040】(b)図6に示すように、ヒータハウジン
グ20の底部に垂直下方に開口した第1ポート10を形
成すると共に、ヒータハウジング20の頂上部に垂直上
方に開口した第2ポート11を形成し、第1ポート10
を入水ポートとすると共に第2ポート11を出水ポート
として下から上に向かって循環水を流通させること。こ
の場合、各流通経路P1,P2,P3の終端が流通経路
の最高位HPとなり、各流通経路P1,P2,P3の始
端が最低位LPとなる。こうして、最低位LPから最高
位HPに向かう流通方向を設定することができ、各流通
経路内を完全に循環水で満たすことができる。
【0041】(c)図1のビスカスヒータにおいて、プ
ーリ18と駆動軸14との間に電磁クラッチ機構を採用
し、エンジンの駆動力を必要に応じて駆動軸14に選択
的に伝達可能とすること。
【0042】尚、本明細書で言う「粘性流体」とは、ロ
ータの剪断作用を受けて流体摩擦に基づく熱を発生する
あらゆる媒体を意味するものであり、高粘度の液体や半
流動体に限定されず、ましてやシリコーンオイルに限定
されるものではない。
【0043】
【発明の効果】各請求項に記載のビスカスヒータにおけ
る循環流体の流通方法によれば、ビスカスヒータにおけ
る循環流体の流通経路内に循環流体の行き渡らないデッ
ドスペースが生ずるのを防止して、粘性流体から循環流
体への熱交換の効率を高めることができるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビスカスヒータの縦断面図(図2のI−I線
断面)。
【図2】 ビスカスヒータの横断面図(図1のII−I
I線断面)。
【図3】 継手管の取り付け状況を示す正面図。
【図4】 比較実験例における流通経路内の状態を示す
ヒータ横断面図。
【図5】 本発明の別例たるビスカスヒータの横断面
図。
【図6】 本発明の別例たるビスカスヒータの横断面
図。
【符号の説明】
1…前部ハウジング本体、2…後部ハウジング本体、5
…前部区画プレート、6…後部区画プレート(1,2,
5,6は、ハウジングを構成する)、5a…リム部、5c,5
d,5e…フィン、6a…リム部、6b…筒部、6c,6d …フィン
(5a,5c,5d,5e,6a,6b,6c,6d は、同心円弧状のガイド壁
を構成する)、7…発熱室、8,9…放熱室としての前
部及び後部ウォータジャケット、10…第1ポート、1
1…第2ポート、15…ロータ、20…ヒータハウジン
グ、HP…最高位、LP…最低位、P1,P2,P3…流通経
路、W1,W2,W3…幅。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 肇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社 デンソー 内 (72)発明者 立松 章三 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社 デンソー 内 (72)発明者 森川 敏夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社 デンソー 内 (72)発明者 大島 敏浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社 デンソー 内 (72)発明者 青木 新治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社 デンソー 内 (56)参考文献 特開 平2−246823(JP,A) 特開 平2−254010(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 - 1/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に発熱室及び放熱室を区画
    し、粘性流体を収容した発熱室内でロータを回転させて
    粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱を放
    熱室を流通する循環流体に熱交換するビスカスヒータに
    おいて、 A) 前記放熱室内に循環流体の流通経路を高低を持た
    せて設定し、 B) 前記放熱室内流通経路において、その最低位から
    最高位に向かう一方向に循環流体を流通させること、 を特徴とし、 前記放熱室内流通経路は、前記放熱室内において同心円
    弧状に設けられた複数のガイド壁に沿って設定されてい
    ビスカスヒータにおける循環流体の流通方法。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に発熱室及び放熱室を区画
    すると共に、前記放熱室に連通する二つのポートを前記
    ハウジングに形成し、粘性流体を収容した前記発熱室内
    でロータを回転させて粘性流体の剪断作用に基づく熱を
    発生させ、その熱を前記二つのポートを介して前記放熱
    室を流通する循環流体に熱交換するビスカスヒータにお
    いて、 A) 前記放熱室内に、前記二つのポートの一方から他
    方にいたる循環流体の流通経路を高低を持たせて設定
    し、 B) 前記二つのポートの一方の高さが他方よりも相対
    的に低くなるように該ビスカスヒータを配置し、 C) 前記放熱室内流通経路において、相対的に低いポ
    ートを入側とすると共に相対的に高いポートを出側とす
    る方向に循環流体を流通させること、 を特徴とし、 前記放熱室内流通経路は、前記放熱室内において同心円
    弧状に設けられた複数のガイド壁に沿って設定されてい
    ビスカスヒータにおける循環流体の流通方法。
  3. 【請求項3】 前記放熱室内流通経路の各幅は、前記放
    熱室の外周域ほど広くなるように設定されている請求項
    1又は請求項2に記載のビスカスヒータにおける循環流
    体の流通方法。
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