JPH11348545A - 車輌用熱発生器 - Google Patents

車輌用熱発生器

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JPH11348545A
JPH11348545A JP10162010A JP16201098A JPH11348545A JP H11348545 A JPH11348545 A JP H11348545A JP 10162010 A JP10162010 A JP 10162010A JP 16201098 A JP16201098 A JP 16201098A JP H11348545 A JPH11348545 A JP H11348545A
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JP
Japan
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rotor
heat
passage
chamber
circulating fluid
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Application number
JP10162010A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Fujiwara
康弘 藤原
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
Hidefumi Mori
英文 森
Masami Niwa
正美 丹羽
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P3/00Liquid cooling
    • F01P3/20Cooling circuits not specific to a single part of engine or machine
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/02Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant
    • B60H1/03Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant and from a source other than the propulsion plant
    • B60H1/038Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant and from a source other than the propulsion plant from the cooling liquid of the propulsion plant and from a viscous fluid heater
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P2060/00Cooling circuits using auxiliaries
    • F01P2060/18Heater

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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輌への搭載性に優れるとともに、ロータ外周
域における粘性流体の移動を促進可能な車輌用熱発生器
を提供する。 【解決手段】ハウジング1,2内に区画された発熱室3
内にはロータ20が回動可能に設けられ、その発熱室3
を包囲するように放熱室4が設けられている。放熱室4
内にはロータの回動軸線Zの周りをほぼ一巡するように
循環流体の流通路(複数の小流通路P1 〜PN+1 で構
成)が設定されている。ハウジング2には循環流体の導
入通路33及び導出通路34がロータの回動軸線Zと略
平行に延設され、前記流通路はその幅W1方向のほぼ全
体にわたり導入通路33の一側及び導出通路34の一側
と連通している。これにより発熱室3内に粘性流体の不
均一な粘度分布(図4参照)を作り出し、特定方向に粘
性流体の移動を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内に区
画形成された発熱室及び放熱室と、前記発熱室内に回動
可能に設けられたロータとを備え、前記発熱室内に収容
された粘性流体を前記ロータで剪断することで熱を発生
させその熱を前記放熱室を流れる循環流体に熱交換する
車輌用熱発生器に関する。特に、ハウジング内における
循環流体の流通経路設定の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】実公平5−52722号公報は、車輌用
暖房装置に組み込まれる補助暖房装置(熱発生器に相
当)を開示する。この補助暖房装置は略円筒状のケーシ
ング(ハウジングに相当)を備え、その内部には円筒状
の発熱室が区画されている。この発熱室には回転軸が回
転可能に支持されており、その回転軸上には円板状のイ
ンナプレートが複数枚取着され、又、隣り合うインナプ
レート間には発熱室内壁に取着されたアウタプレートが
設けられている。発熱室内には前記インナプレート及び
アウタプレート間の隙間を満たすように粘性流体が充填
されている。更に、発熱室の周囲にはこれを取り囲むよ
うに冷却水循環路(放熱室に相当)が設けられ、該循環
路に沿って多数の放熱フィンが形成されている。電磁ク
ラッチを介してエンジンの駆動力が前記回転軸に伝達さ
れると、回転軸及びインナプレートが一体回転する。そ
して、この回転するインナプレートと静止したアウタプ
レートとの間において粘性流体が剪断を受けて発熱しそ
の熱が放熱フィンを介して冷却水循環路を流れるエンジ
ン冷却水(循環流体に相当)に熱交換され、これが車室
内の暖房等に利用される。
【0003】又、特開平10−35259号公報は、円
筒状内周面を有する発熱室内に円筒状ロータを回動可能
に支持したビスカスヒータ(熱発生器)を開示する。ロ
ータ外周面とそれに対向する発熱室内周面との間のクリ
アランス領域には粘性流体が介在されており、ロータの
外周面が主たる剪断手段となって粘性流体を剪断し発熱
させる。そのロータ外周面には、ロータの回転時に前記
クリアランス領域の粘性流体をロータの一端部に向けて
強制移動させるための移送手段(具体的にはガイド溝)
が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記実公平5−527
22号の補助暖房装置の冷却水循環路は、エンジン及び
ヒータコアと接続される循環路の一部をなすが、その補
助暖房装置内の冷却水循環路とそれ以外の循環路との接
続用配管の配設方法については殊更考慮されず、該公報
の第2図には、ケーシングの上部前端位置及び下部後端
位置のそれぞれにおいて該ケーシングの半径方向に延び
る冷却水の導入及び導出用の通路(配管)が示されてい
るに過ぎない。しかしながら、冷却水の導入及び導出用
通路がケーシングの半径方向に延在すると、エンジンル
ーム内での暖房用配管の取り回しの自由度が低下し、エ
ンジンルーム内での補助暖房装置の設置が難しくなると
いう問題がある。
【0005】また、前記実公平5−52722号の補助
暖房装置では、駆動軸とそれに取着された複数の円板状
インナプレートがロータを構成するが、そのロータは粘
性流体の剪断手段として機能するのみで、発熱室内での
粘性流体の移動又は配置の制御という観点や技術的要請
は存在しない。これに対し、特開平10−35259号
のビスカスヒータでは、ロータ回転時におけるロータ外
周域での粘性流体の配置制御が発熱性能の確保に少なか
らぬ影響を与えるという事情があって前述のような移送
手段を必要とした。
【0006】以上のような種々の要請に応えるべく円筒
状ロータを備えた熱発生器の改良研究を行う過程で、本
件発明者らは、循環流体の放熱室への導入経路及び放熱
室からの導出経路の設定の仕方を工夫することで、ロー
タ外周域における粘性流体の移動又は配置をある程度制
御できることを見出した。
【0007】本発明の目的は、車輌への搭載性に優れる
とともに、ロータ外周域における粘性流体の移動や発熱
室内での粘性流体の循環を促進することが可能な車輌用
熱発生器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ハウ
ジング内に区画形成された発熱室及び放熱室と、前記発
熱室内に回動可能に設けられたロータとを備え、前記発
熱室内に収容された粘性流体を前記ロータで剪断するこ
とで熱を発生させその熱を前記放熱室を流れる循環流体
に熱交換する車輌用熱発生器において、前記放熱室は前
記発熱室を包囲して設けられ、前記放熱室内には前記ロ
ータの回動軸線の周りをほぼ一巡するように循環流体の
流通路が設定されるとともに、循環流体を外部から前記
流通路に導入する導入通路および前記流通路に沿って流
れた循環流体を外部に導出する導出通路が前記ロータの
回動軸線と略平行に延設されていることを特徴とする車
輌用熱発生器をその要旨とする。
【0009】この構成によれば、放熱室内の流通路はロ
ータの回動軸線の周りをほぼ一巡するように設定され、
且つ導入通路及び導出通路はロータの回動軸線と略平行
に延びているので、導入通路及び導出通路は放熱室内流
通路の幅方向にほぼ沿った配置となる。従って、導入通
路の入口(導入ポート)側から導入された循環流体は導
入通路を経て、前記流通路の幅方向全体に均等に供給さ
れるのでなく、むしろ該流通路の幅方向位置のうち前記
導入通路入口に近い側ほど相対的に多量の循環流体が流
れ込み、前記導入通路入口から遠い側ほど相対的に少量
の循環流体が流れ込むという具合にやや偏在的に供給さ
れる。循環流体の流量が多い場所ほど発熱室で生じた熱
を奪い易いため、発熱室の粘性流体には、放熱室内流通
路の幅方向での循環流体流量の不均一化に対応して、温
度分布の不均一化及びそれに応じた粘度分布の不均一化
が生じる(図4参照)。より具体的には、放熱室内流通
路の幅方向位置のうち導入通路入口に近い位置ほど、そ
の位置に対応する発熱室内粘性流体の粘度が高くなる傾
向にある。剪断発熱に起因してある粘性流体が体膨張す
る場合、その周囲の粘性流体の粘度に高低が存在すれ
ば、より粘度の低い領域に向かって体膨張しようとす
る。このため、放熱室内流通路の幅方向において循環流
体流量の不均一化傾向がみられる場合には、その流通路
の幅方向に沿って発熱室内に連続的に存在している粘性
流体にも体膨張し易い方向の傾向性が現れる。即ち、発
熱室内粘性流体には全体として、導入通路入口に近い側
から遠い側に向かう特定方向に体膨張し易いという指向
性が生まれる。
【0010】このように、前述のような基本構成を有す
る車輌用熱発生器において、導入通路及び導出通路を放
熱室内流通路の幅方向にほぼ沿った配置とすることで、
剪断発熱時に、発熱室内粘性流体に指向性のある移動を
促す状況が作り出される。そして、その指向性は発熱室
内での粘性流体の移動制御に貢献する。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の車輌
用熱発生器において、前記導入通路の入口たる導入ポー
トと、前記導出通路の出口たる導出ポートとが、前記両
通路の同じ端部側に設けられていることを特徴とする。
【0012】この構成によれば、前記放熱室内流通路の
幅方向位置のうち前記導入通路の入口(導入ポート)に
近い側ほど、前記導出通路の出口(導出ポート)にも近
くなる。このため、導入通路、放熱室内流通路(一定の
幅W1を持つ)及び導出通路を、導入ポートから導出ポ
ートに到る一連の循環流体通路とみなした場合、循環流
体にとっての最短経路は、放熱室内流通路の幅方向位置
のうちの導入ポート及び導出ポートの双方に最も近い位
置を通る経路である。逆に、循環流体にとっての最長経
路は、放熱室内流通路の幅方向位置のうちの導入ポート
及び導出ポートの双方から最も遠い位置を通る経路であ
る。放熱室内流通路が一定の幅を有するが故に、導入ポ
ートから導出ポートに到る複数の流通経路を想定できる
場合、各経路における流断面積がほぼ同じである限り、
各経路の流量は流通経路の長さに影響される(流抵抗は
経路長に比例する)。それ故、放熱室内流通路の幅方向
位置のうちの導入ポート及び導出ポートの双方に近い位
置ほど、経路が短くなって流量が多くなる。従って、導
入通路の入口(導入ポート)と導出通路の出口(導出ポ
ート)とを両通路の同じ端部側に配置することで、放熱
室内流通路の幅方向における循環流体流量の不均一化傾
向をより顕著なものとすることができ、発熱室内粘性流
体の前記移動指向性を更に高めることができる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の車輌用熱発生器において、前記放熱室内流通路の幅は
前記導入通路及び導出通路の延在方向に沿っており、前
記流通路の始端域はその幅方向のほぼ全体が前記導入通
路の一側と連通し、且つ前記流通路の終端域もその幅方
向のほぼ全体が前記導出通路の一側と連通していること
を特徴とする。
【0014】この構成によれば、導入通路、放熱室内流
通路及び導出通路が、その放熱室内流通路の幅に相当す
る幅を持つ一連の循環流体通路を構成するとともに、こ
の一連の循環流体通路の幅はどこでもほぼ均一となる。
それ故、発熱室の周囲の全体にもれなく循環流体を流通
させることができ、前述したような発熱室における粘性
流体の粘度分布の不均一化傾向を顕著なものとすること
が可能となる。
【0015】請求項4の発明は、請求項3に記載の車輌
用熱発生器において、前記放熱室内流通路の幅は前記ロ
ータの軸方向長さにほぼ匹敵していることを特徴とす
る。この構成によれば、発熱室における粘性流体の粘度
分布の不均一化傾向を、ロータの軸方向全体(即ちロー
タの前端から後端まで)に波及させることが可能とな
る。
【0016】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
か一項に記載の車輌用熱発生器において、前記放熱室内
流通路には、循環流体が前記ロータの周方向に沿って流
れるのを案内するガイド手段が設けられている。
【0017】この構成によれば、ガイド手段により、一
定の幅を有する放熱室内流通路での循環流体の流れが整
理され、循環流体の円滑な流通が図られるとともに発熱
室から放熱室への熱伝達が促進される。
【0018】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
か一項に記載の車輌用熱発生器において、前記導入通路
及び導出通路は、前記ハウジングを構成する部材に一体
形成されていることを特徴とする。
【0019】この構成によれば、熱発生器の構成部材点
数の低減および構成の簡略化が図られる。請求項7の発
明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の車輌用熱発
生器において、前記ロータは略円筒形状をなしており、
その円筒状ロータの外周面とそれに対向する前記発熱室
の内周面との間には略円筒状のクリアランス領域が設け
られていることを特徴とする。
【0020】この構成によれば、円筒状のクリアランス
領域が主たる剪断発熱領域となる。ロータの回転時その
クリアランス領域に粘性流体が長期間とどまると粘性流
体の劣化が促進されるが、本発明によれば、前述のよう
に発熱室内粘性流体は指向性のある移動を促されるた
め、円筒状クリアランス領域に粘性流体が滞留し、その
結果、劣化が進行するという事態が未然に防止される。
【0021】なお、この場合のロータは、その半径より
も軸長の方が長い円筒形状をなすことは好ましい。この
ような円筒状ロータではその外周面が主たる剪断作用面
となって必要な剪断発熱量を確保する。
【0022】請求項8の発明は、請求項7に記載の車輌
用熱発生器において、前記クリアランス領域を挟んで相
対向する前記ロータの外周面及び前記発熱室の内周面の
少なくとも一方に、該クリアランス領域に介在する粘性
流体をロータの一端部に向かって強制移送するための移
送手段が設けられていることを特徴とする。
【0023】この構成によれば、移送手段によって円筒
状クリアランス領域に介在する粘性流体がロータの一端
部に向かって強制移送される。このため、その強制移送
作用の方向と、前述の粘度分布の不均一化に基づく粘性
流体の移動指向性の方向とを一致させれば、両者の相乗
作用により、円筒状クリアランス領域における粘性流体
の軸方向移動が更に円滑化される。なお、前記移送手段
は、好ましくは螺旋状の誘導溝である。
【0024】請求項9の発明は、請求項8に記載の車輌
用熱発生器において、前記導入通路における循環流体の
流通方向は、前記移送手段による粘性流体の強制移送方
向と同じ方向であり、前記導出通路における循環流体の
流通方向は、前記移送手段による粘性流体の強制移送方
向と反対方向であることを特徴とする。
【0025】このように導入及び導出の各通路における
循環流体の流通方向を設定すれば、移送手段による粘性
流体の強制移送方向と、前述の粘度分布の不均一化に基
づく粘性流体の移動指向性の方向とを一致させることが
でき、円筒状クリアランス領域における粘性流体の軸方
向移動を円滑化することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車輌用暖房装置に
組み込まれる車輌用熱発生器に具体化した一実施形態を
図面を参照しつつ説明する。
【0027】図1及び図2に示すように、本実施形態に
従う熱発生器のハウジングは、前部ハウジング1及び後
部ハウジング2によって構成されている。前部ハウジン
グ1は、円盤状の本体部1aと、その本体部1aの前方
に突設された短円筒部1bと、前記本体部1aの後端面
から後方に向かって突設された長円筒部1cとを有して
いる。他方、後部ハウジング2は、円盤状の本体部2a
と、その本体部2aの前端面から前方に向かって突設さ
れた長円筒部2bとを有している。
【0028】前部及び後部ハウジング1,2は複数のボ
ルト16(図3参照)により相互に締結されている。こ
の締結により、後部ハウジング2の長円筒部2b内には
前部ハウジング1の長円筒部1cが圧入される。この圧
入によって前部ハウジング1の長円筒部1cの先端縁
(図1における右端縁)が後部ハウジング2の本体部2
aの前端面に密接するとともに、後部ハウジング2の長
円筒部2bの先端縁(図1における左端縁)が前部ハウ
ジング1の本体部1aの後端面に密接する。その結果、
長円筒部1cの開口端側が後部ハウジング本体部2aに
よって閉塞され、前部ハウジング1の長円筒部1cの内
側には、発熱室3が区画形成される。また、前部ハウジ
ング1の長円筒部1cと後部ハウジング2の長円筒部2
bとの間には、放熱室としてのウォータジャケット4が
区画形成される。このウォータジャケット4は発熱室3
を包囲するように配置されている。ウォータジャケット
4の詳細な構造については後述する。なお、前部及び後
部ハウジング1,2は、熱発生器ハウジング内に発熱室
3及び放熱室4を区画する区画部材として位置付けられ
る。
【0029】前部及び後部ハウジング1,2には、軸受
装置5,6を介して駆動軸7が回動可能に支承されてい
る。又、前部ハウジング1内には、発熱室3の前方を封
止する軸封装置としてのシール部材8が設けられ、後部
ハウジング2内には、発熱室3の後方を封止する軸封装
置としてのシール部材9が設けられている。これによ
り、発熱室3内に駆動軸7の主要部を収納しつつも、発
熱室3は液密な内部空間とされている。
【0030】図1に示すように、発熱室3内において駆
動軸7にはロータ20が固定されている。ロータ20は
アルミニウム合金によって略円筒状に形成されている。
ここで「略円筒状」とは、ロータがその軸線Z(駆動軸
7の軸心と一致)からの半径Rよりも軸長L1の方が長
い形状をなすことをいう。
【0031】液密な内部空間としての発熱室3内には、
粘性流体としてのシリコーンオイル(図示略)が所要量
満たされている。このシリコーンオイルの充填量Vf
は、発熱室3の内容積から駆動軸7及びロータ20の占
有体積を差し引いた残余体積Vc に対してシリコーンオ
イルの常温時充填率が50%〜80%の範囲となるよう
に決められている(Vf =0.5Vc 〜0.8Vc )。
シリコーンオイルの充填率を100%としなかったの
は、発熱時のオイル膨張を考慮したものである。なお、
このシリコーンオイルは1万cSt(センチストーク
ス)以上の公称粘度を有している。
【0032】前部ハウジング1の短円筒部1b上には、
軸受装置10によってプーリ11が回動可能に支承され
ている。このプーリ11は、ボルト12によって駆動軸
7の前端部(外端部)に固着されている。当該プーリ1
1は、その外周部に巻き掛けられた動力伝達ベルト13
を介して外部駆動源としての車輌エンジン14と作動連
結されている。従って、ベルト13を介してエンジン1
4の駆動力によりプーリ11、駆動軸7及びロータ20
が一体回転される。これに伴い、発熱室3内のシリコー
ンオイルが、主としてロータ20の外周面と発熱室3の
内周面(前部ハウジングの長円筒部1cの内周面)との
間の剪断発熱領域としての円筒状クリアランス領域にお
いて剪断されて発熱する。この剪断によって生じた熱
は、前記長円筒部1cを介してウォータジャケット4を
流れる循環流体に熱交換され、その加熱循環流体が暖房
回路(図3参照)を介して車室内の暖房等に供される。
【0033】図2に示すように、ロータ20は、該ロー
タを駆動軸7上に固定すべく前部ハウジング1の本体部
1a寄りに設けられた固定部21と、その固定部21の
周縁部から後方に向かって延設された円筒部22とを有
している。円筒部22は、ロータの回動軸線Zを包囲す
るように設けられている。
【0034】円筒部22の内側周面は、その半径(又は
直径)がロータ20の後端に近づくほど大きくなるよう
なテーパな形状に形成されている。換言すれば、その内
側周面はロータの回動軸線Zに対してゆるやかに傾斜し
ている。そして、固定部21よりも後方で且つ円筒部2
2の内側領域は、ロータ20内における粘性流体の貯留
領域23として確保されている。
【0035】ロータ固定部21には、該固定部21の前
方領域(即ちロータ20の前端部と前部ハウジング本体
部1aとの間の狭空間)と固定部21の後方領域(即ち
貯留領域23)とを連通する複数の連通路24(図3に
示すように本実施形態では四つ)が形成されている。各
連通路24は、固定部前方側の前側開口端が駆動軸7に
接近する一方、固定部後方側の後側開口端が駆動軸7か
ら離れて円筒部22に接近するように傾斜している。換
言すれば、各連通路24はロータの回動軸線Zに対し傾
斜角をもって設けられている。なお、貯留領域23及び
各連通路24は、ロータ20の内部においてロータの前
端域と後端域とを連通する内部連通路を構成する。
【0036】図1に示すように、円筒状ロータ20の外
周部には、当該ロータの一端部から他端部にわたって当
該外周部を斜めに横切って延びる一条又は複数条の誘導
溝25が形成されている。この誘導溝25は、好ましく
はロータ20の外周面に螺旋状に刻設された一条の螺旋
溝である。ロータ20の矢印A1方向への回転に伴っ
て、誘導溝25は、ロータ20の外周面と発熱室3の内
周面との間の円筒状クリアランス領域に存在するシリコ
ーンオイルを、ロータ20の後端から先端に向かって強
制移動させる移送手段として機能する。なお、ロータ2
0の外周面と発熱室3の内周面との間のクリアランスC
は、数十〜数百μm(マイクロメートル)に設定されて
いる。
【0037】(放熱室および導入/導出通路の詳細)図
1〜図3に示すように、前部ハウジング1の長円筒部1
cの外周面には、その頂上位置において該長円筒部1c
の半径方向に突出する隔壁31が形成されている。この
隔壁31は長円筒部1cの長手方向のほぼ全体にわたっ
て延在し、且つ隔壁31の頂上縁は後部ハウジング2の
長円筒部2bの内周面に当接してウォータジャケット4
の上部領域を左右に区分している(図3参照)。
【0038】前部ハウジングの長円筒部1cの外周部に
は、その周方向に沿って延びる複数の突条32(以下
「ガイドフィン32」という)が形成されている。これ
らガイドフィン32は、長円筒部1cの長手方向に沿っ
てほぼ等間隔に並列配置されており、ウォータジャケッ
ト4内を循環流体としての循環水(例えばエンジン冷却
水)が周方向に流れるのを案内するガイド手段として機
能する。前記複数のガイドフィン32により、ウォータ
ジャケット4(放熱室)内には、ロータの回動軸線Zの
周りをほぼ一巡するように循環流体の流通路が設定され
る。そして、ガイドフィン32の数をNとしたとき(図
1及び図2には10条のガイドフィン32が示されてい
る)、前記放熱室内流通路は、そのN条のガイドフィン
32によって(N+1)個の小流通路P1 ,P2 ,・・
N ,PN+1 に区分されている。
【0039】なお、各ガイドフィン32の高さ(突出
長)及び隣り合うガイドフィン32間の間隔hはいずれ
も等しい(図1参照)。このため、前記(N+1)個の
小流通路P1 〜PN+1 の各々の断面形状及び流断面積は
いずれも等しくなっている。
【0040】又、前記放熱室内流通路の幅W1はh×
(N+1)で近似できる。そして、この幅W1はロータ
20の軸長L1にほぼ匹敵するように設定されている
(但し厳密にはW1<L1)。各ガイドフィン32は、
発熱室3で生じた熱を循環流体に伝達するための伝熱フ
ィンとしても機能する。
【0041】図3に示すように、後部ハウジング2の長
円筒部2bの上部には、導入通路33及び導出通路34
が、隔壁31を挟んで隣り合う位置に設けられている。
図2及び図3からわかるように、導入通路33及び導出
通路34の各々は、ロータの回動軸線Zとほぼ平行に延
在している。従って、前記放熱室内流通路の幅W1は両
通路33,34の延在方向に沿って延びている。
【0042】導入通路33は、ハウジングの後方に開口
した開口端としての導入ポート33aと、該導入通路3
3の一側(下側)を前記放熱室内流通路の始端域に連通
させるための軸方向に延びた連通孔33bとを有してい
る。導入通路33は、導入ポート33aを経由して車輌
エンジン14から送られてきた循環流体を連通孔33b
を介して放熱室内流通路の始端域に導入する。他方、導
出通路34は、ハウジングの後方に開口した開口端とし
ての導出ポート34aと、該導出通路34の一側(下
側)を前記放熱室内流通路の終端域に連通させるための
軸方向に延びた連通孔34bとを有している。導出通路
34は、ウォータジャケット4内を一巡した循環流体を
連通孔34bから取り入れ、導出ポート34aを経由し
て暖房回路15に送り出す。導入通路33の連通孔33
bの長さ及び導出通路34の連通孔34bの長さはとも
にL2であり、この長さL2は前記放熱室内連通路の幅
W1にほぼ匹敵している(但し厳密にはL2<W1)。
【0043】図3に示すように、熱発生器、車輌エンジ
ン14及び暖房回路15によって本実施形態の車輌用暖
房装置が構成されており、三者の間を循環流体が循環す
る。暖房回路15とはヒータコア等を有するヒータユニ
ットを含む装置である。
【0044】なお、この車輌用熱発生器は、駆動軸7及
びロータ20が地面に対して水平となるようにエンジン
ルーム内に設置される。 (作用):ロータ20が静止した状態では、シリコーン
オイルは自重により発熱室3の下半部に滞留している。
エンジン14の駆動力によりプーリ11、駆動軸7及び
ロータ20が一体回転を開始すると、オイルの伸張粘性
とオイルに働く遠心力との相乗作用により、貯留領域2
3のオイルがロータ20の外周面と発熱室3の内周面と
の間の円筒状クリアランス領域に引き出され短時間のう
ちに該クリアランス領域のほぼ全体に行き渡る。そし
て、その円筒状クリアランス領域に介在するシリコーン
オイルが機械的剪断を受けて発熱する。
【0045】ロータ20が図1の矢印A1方向へ回転す
ると、誘導溝25の作用により、その溝25に沿った方
向への螺旋状のオイル流が生じる。このオイル流は主と
して誘導溝25内でのものであるが、溝の外側にあるオ
イルも、誘導溝25内でのオイルの流れに引き摺られる
ようにして同じ方向に流れようとする。その結果、誘導
溝25の外側でも同様の螺旋流が生じる。こうして、矢
印A1方向に回転するロータ20の周囲には、ロータ2
0の後端域から前端域に向かうオイルの明確な螺旋流が
生み出される。換言すれば、円筒状クリアランス領域の
シリコーンオイルがロータ20の後端域から前端域に向
かって強制的に移送される。
【0046】円筒状クリアランス領域からロータ20の
前端域(ロータ20と前部ハウジング1との間の狭空
間)へは誘導溝25の作用によって次々とシリコーンオ
イルが送り込まれる。このため、その圧送作用により、
ロータ前端域に集まったオイルは連通路24に進入す
る。この連通路24は後端側に向かうほど駆動軸7から
離れるように傾斜しているため、ロータ回転時の遠心力
により、連通路24に進入したオイルは貯留領域23へ
の移動を促進される。こうして、ロータ前端域のオイル
は連通路24を経由して貯留領域23に達する。貯留領
域23に達したオイルは遠心力によってロータ円筒部2
2の内側周面に張り付くとともに、その内側周面のテー
パな形状に沿ってロータ20の後端域に導かれる。ロー
タ後端域に達したオイルは、円筒部22の後端縁を経由
して前記円筒状クリアランス領域に進入する。
【0047】このように、ロータ20の回転時、発熱室
3のシリコーンオイルは、ロータ外周の円筒状クリアラ
ンス領域において剪断作用を受けて発熱しながらも、ロ
ータの内部連通路を経由して前記円筒状クリアランス領
域とロータ内部の貯留領域23との間で入れ替え循環を
繰り返す。
【0048】ところで、発熱室3の円筒状クリアランス
領域で発生した熱は、ウォータジャケット(放熱室)4
の流通路(P1 〜PN+1 )を流れる循環流体に伝達され
る。この放熱室内流通路の幅方向はロータ20の軸線方
向に一致し、且つその幅方向に沿って導入通路33の連
通孔33b及び導出通路34の連通孔34bも延びてい
る。
【0049】このような通路状況の下では、ロータ前端
側の小流通路PN+1 を流れる循環流体の温度よりも、ロ
ータ後端に最も近い小流通路P1 を流れる循環流体の温
度の方が低くなる傾向にある(図4参照)。これは、
(N+1)個の小流通路のうち、ロータ後端位置にある
小流通路P1 が他の小流通路よりも導入ポート33a及
び導出ポート34aの双方に近く、循環流体の流量が多
くなるが故に相対的に伝熱容易な状況にある一方で、ロ
ータ前端位置の小流通路PN+1 は他の小流通路よりも導
入ポート33a及び導出ポート34aの双方に遠く、循
環流体の流量が少なくなるが故に相対的に伝熱不十分な
状況に置かれるためである。
【0050】別の言い方をすれば、この熱発生器内に
は、導入ポート33aから導出ポート34aに到る循環
流体の流通経路が(N+1)通りあり、そのうちの最短
経路は小流通路P1 を通る経路であり、最長経路は小流
通路PN+1 を通る経路である。そして、経路が長いほど
そこでの流抵抗が大きくなり循環流体の流量が少なくな
って伝熱量が相対的に少なくなる。それ故に、小流通路
1 〜PN+1 に対応させて発熱室3の円筒状クリアラン
ス領域をロータ軸線方向に区分した場合には、該クリア
ランス領域に存在するシリコーンオイル(粘性流体)の
温度分布も、ロータ軸線方向に沿った循環流体の温度分
布とパラレルな傾向となる。
【0051】とすれば、オイルの温度と粘度との間には
負の相関関係が存在するため、円筒状クリアランス領域
の粘性流体の粘度は、ロータ軸線方向に沿って図4に一
点鎖線で示すような分布となる。即ち、円筒状クリアラ
ンス領域のシリコーンオイルは、ロータ20の後端に近
くなるほど粘度が高く、ロータ20の前端に近いほど粘
度が低くなる。そして、このことは、発熱室3内粘性流
体の移動し易さ(移動し易い方向)に少なからぬ影響を
及ぼすのである。
【0052】例えば、ロータ外周部に誘導溝25が形成
されず誘導溝によるオイルの移送作用が全く無いものと
仮定した場合において、放熱室内流通路が10条のガイ
ドフィン32によって11個の小流通路に区分されてい
るとする。すると、6番目の小流通路P6 が幅W1のほ
ぼ中央に位置することになる。この6番目の小流通路P
6 と長円筒部1cを挟んだ位置に存在するクリアランス
内オイルにとって、その位置よりもロータ後端側に存在
するオイルは粘度がやや高いのに対し、自己の位置より
もロータ前端側に存在するオイルは粘度がやや低い。そ
れ故、小流通路P6 と対応する位置にあるオイルが剪断
発熱時に体膨張をはかるとすれば、自己よりも粘度が高
い領域に向かうよりもむしろ、自己よりも粘度がより低
い領域に向かう。別言すれば、自己の位置からロータ後
端寄りよりもロータの前端寄りの方が流体圧障壁が小さ
いため、剪断発熱時、小流通路P6 と対応する位置にあ
るオイルはロータの先端方向に向けて移動し易い状況に
置かれる。
【0053】かかる事情は、小流通路P6 と対応する位
置のオイルに限ったことではなく、円筒状クリアランス
領域においてロータ軸線方向に存在する全てのシリコー
ンオイルに当てはまる。剪断発熱時には円筒状クリアラ
ンス領域において、図4に示すような粘性流体の粘度分
布が現れるので、該クリアランス領域に存在するオイル
は全体的にロータの後端から前端に向かう方向に移動し
易くなる。この移送促進方向は、誘導溝25によるオイ
ルの強制移送方向と一致する。従って、上述したような
放熱室内での循環流体の温度分布に起因するオイルの移
送促進作用は、誘導溝25によるオイルの強制移送作用
を補うかたちとなる。
【0054】(効果)本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 ○ ロータ20の回転時、発熱室3内シリコーンオイル
は貯留領域23とロータ外周の円筒状クリアランス領域
との間を循環するので、特定のシリコーンオイルが、主
たる剪断発熱領域たる円筒状クリアランス領域に長期間
留まることがない。従って、特定のオイルのみが長期に
わたり機械的剪断を受けて過熱状態に陥ることがなく、
オイルの剪断発熱特性(寿命)が長期にわたり維持され
る。結果として、熱発生器の剪断発熱能力を長期にわた
り維持することができる。
【0055】○ ロータの回動軸線Zとほぼ平行に循環
流体の導入通路33及び導出通路34を設け、これら通
路33,34と放熱室内流通路とをその幅(W1)のほ
ぼ全体にわたって連通させることで、図4に示すような
循環流体の温度分布及び粘性流体の粘度分布をとらせる
ことが可能となる。その結果、ロータ20による剪断発
熱時、前述のように円筒状クリアランス領域に介在する
粘性流体に対して、ロータ先端側への移送促進を図るこ
とが可能となる。
【0056】○ 前記移送促進作用は誘導溝25による
粘性流体の強制移送作用を補助するので、両作用の相乗
効果により、発熱室3内での粘性流体の循環移動が更に
円滑化される。
【0057】○ 導入通路33及び導出通路34がロー
タの回動軸線Zとほぼ平行に設けられた結果、導入ポー
ト33a及び導出ポート34aの双方が並んで、熱発生
器のハウジングの後方(即ち同じ方向)に開口すること
になる。このため、エンジンルーム内における熱発生器
の配置制限が緩和され、暖房用配管の取り回しも楽にな
る。故に、本実施形態の熱発生器は車載用として優れた
適性を持つ。
【0058】○ 導入通路33及び導出通路34を後部
ハウジング2に一体形成することで部材点数の減少が図
られ、熱発生器の構成が簡略化する。(別例)本発明の
実施形態を以下のように変更してもよい。
【0059】○ 図1〜図3に示す熱発生器において、
ガイドフィン32は存在しなくてもよい。そのような場
合でも、導入及び導出通路33,34と放熱室4との前
述したような連通関係が維持される限り、図4に示すよ
うな循環流体の温度分布及び粘性流体の粘度分布が放熱
室4内に作り出される。
【0060】○ 前記実施形態ではガイドフィン32は
前部ハウジング1の長円筒部1cの外周面上に形成され
ていたが、同様のガイドフィン32(又はこれと同等の
ガイド手段)が後部ハウジング2の長円筒部2bの内周
面上に形成されてもよい。
【0061】○ 前記実施形態ではロータ20の外周面
に誘導溝25を形成したが、このような誘導溝を持たな
いロータとしてもよい。 ○ 前記実施形態ではロータ20の外周面に誘導溝25
を形成したが、ロータ20の外周面に誘導溝25を設け
る代わりに、ロータ外周面と対向する発熱室内周面側に
前記誘導溝25に相当する誘導溝を形成してもよい。こ
の場合でも、その誘導溝による強制移送作用を得ること
ができる。これは、ロータ外周面と発熱室内周面との間
のクリアランスCが非常に狭いために、ロータの回転に
よって相対速度差を生じるロータ外周面と発熱室内周面
とが流体力学的には等価な存在となることに起因する。
又、ロータ外周面と発熱室内周面との両方に前記誘導溝
を形成してもよい。
【0062】○ 「粘性流体」とは、ロータの剪断作用
を受けて流体摩擦に基づく熱を発生するあらゆる媒体を
意味するものであり、高粘度の液体や半流動体に限定さ
れずましてやシリコーンオイルに限定されるものではな
い。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように各請求項に記載の熱
発生器によれば、ロータを収容した発熱室を包囲する放
熱室内に、ロータの回動軸線の周りをほぼ一巡するよう
に循環流体の流通路を設定するとともに、循環流体を外
部から前記流通路に導入する導入通路および前記流通路
に沿って流れた循環流体を外部に導出する導出通路をロ
ータの回動軸線と略平行に延設したので、車輌への搭載
性に優れるとともに、ロータ外周域における粘性流体の
移動や発熱室内での粘性流体の循環を促進することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に従う車輌用熱発生器の縦断面図。
【図2】熱発生器のロータの内部をも示す図3のX−X
線での断面図。
【図3】図2のY−Y線での断面図。
【図4】放熱室内流通路の幅方向位置における循環流体
の温度及び粘性流体の粘度の分布傾向を概念的に示すグ
ラフ。
【符号の説明】
1…前部ハウジング、2…後部ハウジング(1及び2は
熱発生器のハウジングを構成する)、3…発熱室、4…
ウォータジャケット(放熱室)、20…ロータ、25…
誘導溝(移送手段)、32…ガイドフィン(ガイド手
段)、33…導入通路、33a…導入ポート、34…導
出通路、34a…導出ポート、L1…ロータの軸長、P
1 ,P2 ,PN ,PN+1 …小流通路(これらは放熱室内
流通路を構成する)、R…ロータの半径、W1…放熱室
内流通路の幅、Z…回動軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 正美 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に区画形成された発熱室及
    び放熱室と、前記発熱室内に回動可能に設けられたロー
    タとを備え、前記発熱室内に収容された粘性流体を前記
    ロータで剪断することで熱を発生させその熱を前記放熱
    室を流れる循環流体に熱交換する車輌用熱発生器におい
    て、 前記放熱室は前記発熱室を包囲して設けられ、前記放熱
    室内には前記ロータの回動軸線の周りをほぼ一巡するよ
    うに循環流体の流通路が設定されるとともに、循環流体
    を外部から前記流通路に導入する導入通路および前記流
    通路に沿って流れた循環流体を外部に導出する導出通路
    が前記ロータの回動軸線と略平行に延設されていること
    を特徴とする車輌用熱発生器。
  2. 【請求項2】 前記導入通路の入口たる導入ポートと、
    前記導出通路の出口たる導出ポートとが、前記両通路の
    同じ端部側に設けられていることを特徴とする請求項1
    に記載の車輌用熱発生器。
  3. 【請求項3】 前記放熱室内流通路の幅は前記導入通路
    及び導出通路の延在方向に沿っており、前記流通路の始
    端域はその幅方向のほぼ全体が前記導入通路の一側と連
    通し、且つ前記流通路の終端域もその幅方向のほぼ全体
    が前記導出通路の一側と連通していることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の車輌用熱発生器。
  4. 【請求項4】 前記放熱室内流通路の幅は、前記ロータ
    の軸方向長さにほぼ匹敵していることを特徴とする請求
    項3に記載の車輌用熱発生器。
  5. 【請求項5】 前記放熱室内流通路には、循環流体が前
    記ロータの周方向に沿って流れるのを案内するガイド手
    段が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の車輌用熱発生器。
  6. 【請求項6】 前記導入通路及び導出通路は、前記ハウ
    ジングを構成する部材に一体形成されていることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車輌用熱発
    生器。
  7. 【請求項7】 前記ロータは略円筒形状をなしており、
    その円筒状ロータの外周面とそれに対向する前記発熱室
    の内周面との間には略円筒状のクリアランス領域が設け
    られていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一
    項に記載の車輌用熱発生器。
  8. 【請求項8】 前記クリアランス領域を挟んで相対向す
    る前記ロータの外周面及び前記発熱室の内周面の少なく
    とも一方に、該クリアランス領域に介在する粘性流体を
    ロータの一端部に向かって強制移送するための移送手段
    が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の車
    輌用熱発生器。
  9. 【請求項9】 前記導入通路における循環流体の流通方
    向は、前記移送手段による粘性流体の強制移送方向と同
    じ方向であり、前記導出通路における循環流体の流通方
    向は、前記移送手段による粘性流体の強制移送方向と反
    対方向であることを特徴とする請求項8に記載の車輌用
    熱発生器。
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