JPH11278042A - 車両用補助暖房装置 - Google Patents

車両用補助暖房装置

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JPH11278042A
JPH11278042A JP7820298A JP7820298A JPH11278042A JP H11278042 A JPH11278042 A JP H11278042A JP 7820298 A JP7820298 A JP 7820298A JP 7820298 A JP7820298 A JP 7820298A JP H11278042 A JPH11278042 A JP H11278042A
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JP
Japan
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viscous fluid
plate
rotating plate
shear rate
fixed
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7820298A
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English (en)
Inventor
Masaru Kadokawa
優 角川
Sadahisa Onimaru
貞久 鬼丸
Tomoichi Goto
朝一 後藤
Toshihiro Oshima
敏浩 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘性流体の剪断速度の遅い内側と粘性流体の
剪断速度の速い外側とで粘性流体の発熱量を略一定にす
ることで、内側と外側の粘性流体の温度を均一に保つこ
とのできるビスカスヒータ1を提供する。 【解決手段】 発熱室10内に回転可能に設けられた回
転プレート9とこの回転プレート9の両端面に対向配置
された第1、第2固定プレート5、6との間のプレート
間隔を内側と外側とで一定とせず、内側ほどプレート間
隔を通常の値よりも狭くし、外側ほどプレート間隔を通
常の値よりも広くすることで、発熱室10の内側から外
側までの粘性流体の発熱量をほぼ一定とすることによ
り、発熱室10の内側から外側までの発熱量が平均発熱
量に近づけた。これにより、発熱室10内の粘性流体の
温度分布を無くすことができるようになり、且つ作動中
の粘性流体の最高温度を低下させることができるように
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン等の駆動
源によって駆動されて冷却水温の上昇を助けることによ
り暖房能力を向上する車両用補助暖房装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平2−24682
3号公報においては、エンジン等の駆動源により駆動さ
れるプーリと、このプーリと電磁クラッチを介して接合
される駆動軸と、この駆動軸と一体的に回転する回転プ
レートと、この回転プレートの端面とある一定の隙間
(プレート間隔)を隔てて対向配置されて固定された固
定プレートと、回転プレートと固定プレートとの間のプ
レート間隔(クリアランス)内に充填されて2枚の回
転、固定プレートで剪断されることにより発熱する粘性
流体と、固定プレートを介して粘性流体に発生した熱を
外部に持ち去るための冷却水通路とによって構成される
車両用補助暖房装置(以下ビスカスヒータと言う)が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ビスカスヒ
ータにおいては、粘性流体の剪断速度が遅くなるほど粘
性流体の発熱量が少なくなり、粘性流体の剪断速度が速
くなるほど粘性流体の発熱量が多くなる。この結果、回
転プレートと固定プレートとの間のプレート間隔が中心
付近から外周部に渡って一定である場合には、粘性流体
の剪断速度の速い外側ほど粘性流体の発熱量が多く、そ
れに伴って粘性流体の温度も高くなる。
【0004】一般に、粘性流体は、高温になり過ぎると
劣化が始まる。このため、クリアランスの内側(中心付
近)と外側(外周部)との粘性流体の温度を均一に保つ
ことができない場合には、つまり内側の粘性流体の温度
が低く、外側の粘性流体の温度が高い場合には、粘性流
体の温度が最も高い高温部を基準として、粘性流体の発
熱量の上限が決められてしまう。
【0005】この結果、粘性流体の温度が低い低温部で
の粘性流体の発熱量を向上するために、粘性流体の厚み
を薄くする、つまりプレート間隔を狭くすることで、ビ
スカスヒータ全体の発熱量を増加させようとしても、低
温部のプレート間隔だけでなく、高温部のプレート間隔
も狭くなるので、高温部の粘性流体の温度が上昇してし
まう。したがって、ビスカスヒータの体格を大きくする
方法しか、ビスカスヒータ全体の発熱量を増加させるこ
とはできなかった。
【0006】また、回転プレートおよび固定プレートの
径方向寸法を縮小化することで、ビスカスヒータの体格
(サイズ)を小型化することが考えられる。しかし、こ
の場合には、最も外側の剪断速度が遅くなるので、ビス
カスヒータ全体の発熱効率が低下する。この結果、ビス
カスヒータの体格を小型化する場合には、粘度の高い粘
性流体を使用したり、プレート間隔を狭めたり、回転プ
レートの回転速度(粘性流体の剪断速度)を増速したり
する必要があるが、今度は逆に粘性流体の過昇温を防止
する必要がある。したがって、ビスカスヒータの小型化
と信頼性の向上との両立を図るのは困難であった。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、粘性流体の剪断速度の
遅い内側と粘性流体の剪断速度の速い外側との粘性流体
の温度を均一に保つことのできる車両用補助暖房装置を
提供することにある。また、体格を大きくすることな
く、発熱量を増加させることのできる車両用補助暖房装
置を提供することにある。さらに、小型化と信頼性の向
上との両立を図ることのできる車両用補助暖房装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、駆動源により回転プレートが駆動されると、回
転プレートと固定プレートとの間のプレート間隔内に充
填された粘性流体に剪断力が作用することにより、粘性
流体が発熱する。そして、その粘性流体に発生した熱を
熱媒体通路内を流れる熱媒体に与えることにより、熱媒
体の温度が上昇し、暖房能力が向上する。
【0009】そして、粘性流体の剪断速度の遅い内側の
プレート間隔を狭め、粘性流体の剪断速度の速い外側の
プレート間隔を広げるように回転プレートまたは固定プ
レートを設けることで、内側と外側とで粘性流体の発熱
量を略一定となる。それによって、粘性流体の剪断速度
の遅い内側と粘性流体の剪断速度の速い外側との粘性流
体の温度を略均一に保つことができる。
【0010】また、回転プレートと固定プレートとの間
のプレート間隔が内側と外側とで変化しないものに比べ
て、内側の粘性流体の温度が上昇し、外側の粘性流体の
温度が低下するため、粘性流体の最高温度が低下するの
で、粘性流体の過昇温が抑えられる。したがって、車両
用補助暖房装置の信頼性を向上することができる。
【0011】そして、同じ構造でより粘度の高い粘性流
体を使用することができるので、車両用補助暖房装置の
体格を大きくすることなく、より大きな発熱量を得るこ
とができる。また、発熱量を従来のものと同じにすれ
ば、車両用補助暖房装置の体格を小型化することができ
る。したがって、車両用補助暖房装置の小型化と信頼性
の向上との両立を図ることができる。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、回転プレ
ートの内側を厚くし、回転プレートの外側を薄くするこ
とで、粘性流体の剪断速度の遅い内側のプレート間隔を
狭め、粘性流体の剪断速度の速い外側のプレート間隔を
広げることにより、請求項1に記載の発明と同様な効果
を得ることができる。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、固定プレ
ートの内側を厚くし、固定プレートの外側を薄くするこ
とで、粘性流体の剪断速度の遅い内側のプレート間隔を
狭め、粘性流体の剪断速度の速い外側のプレート間隔を
広げることにより、請求項1に記載の発明と同様な効果
を得ることができる。
【0014】請求項4に記載の発明によれば、固定プレ
ートの内側を厚くし、外側を薄くすることにより、外側
の熱媒体への熱伝導率を向上することで、粘性流体の剪
断速度の遅い内側と粘性流体の剪断速度の速い外側との
粘性流体の温度を略均一に保つことができる。それによ
って、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることが
できる。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、粘性流体
の剪断速度の速い外側に熱媒体通路の入口側を配置し、
粘性流体の剪断速度の遅い内側に熱媒体通路の出口側を
配置することにより、外側の熱媒体の温度を内側の熱媒
体の温度よりも低く保つことで、粘性流体の剪断速度の
遅い内側と粘性流体の剪断速度の速い外側との粘性流体
の温度を略均一に保つことができる。それによって、請
求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
【0016】請求項6および請求項7に記載の発明によ
れば、回転プレートおよび第1固定プレートまたは第2
固定プレートに、例えば粘性流体の流れ方向が、回転プ
レートの回転方向に対して逆向きとなるように凹状部を
設けることにより、回転プレートの一端面上とその他端
面上とで粘性流体が循環することで、粘性流体の剪断速
度の遅い内側と粘性流体の剪断速度の速い外側との粘性
流体の温度を略均一に保つことができる。それによっ
て、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態の構成〕図1およ
び図2は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は
ビスカスヒータの全体構造を示した図で、図2は冷却水
通路を示した図である。
【0018】本実施形態のビスカスヒータ1は、本発明
の車両用補助暖房装置に相当するもので、水冷式のエン
ジン等の駆動源によって回転駆動されて、暖房熱源とし
て利用するエンジンの冷却水(本発明の熱媒体に相当す
る)の水温上昇を助けて車室内の暖房能力を向上する補
助暖房器である。
【0019】このビスカスヒータ1は、エンジンにより
回転駆動されるプーリ2と、このプーリ2に固定されて
プーリ2と共に回転する駆動軸3と、粘性流体で発生し
た熱を冷却水に与える熱交換器4と、駆動軸3に固定さ
れて駆動軸3と共に一体的に回転する回転プレート9と
を備えている。
【0020】プーリ2は、外周面に多数の溝部を設けた
Vリブドプーリで、駆動軸3の先端部でボルト等の締結
具11とベアリング12との間に締付け固定されてお
り、熱交換器4の外径よりも径小(コンパクト)なもの
が使用されている。このプーリ2には、エンジンの出力
軸に固定されたプーリ(図示せず)に掛け渡されたベル
ト(図示せず)が巻かれている。
【0021】駆動軸3は、熱交換器4の内周側でベアリ
ング12、13を介して回転自在に支持され、熱交換器
4のフロント側面よりも突出した先端部にプーリ2が固
定されている。これにより、エンジンが運転されている
間は、プーリ2および駆動軸3が常に回転することで、
回転プレート9にエンジンの回転動力を伝達することが
できる。つまり、発熱室10内に充填された粘性流体に
剪断力を作用させることができる。
【0022】熱交換器4は、フロントハウジング14と
リヤハウジング15との間に挟み込まれた第1、第2固
定プレート5、6と、粘性流体で発生した熱を冷却水に
与える(加熱する)ための冷却水通路7とから構成され
ている。ここで、フロントハウジング14、リヤハウジ
ング15および第1、第2固定プレート5、6は、複数
本のボルト16により締付け固定されており、各接合端
面間には冷却水の漏れを防ぐためのOリング等のシール
部材が装着されている。ここで、16aはボルト16が
挿通または螺合するボルト穴である。
【0023】第1、第2固定プレート5、6は、アルミ
ニウム合金等の熱伝導性に優れた金属部材により所定の
形状に形成されている。これらの第1、第2固定プレー
ト5、6の対向面間(内部)には、発熱室10が形成さ
れている。そして、フロントハウジング14と第1固定
プレート5との間、およびリヤハウジング15と第2固
定プレート6との間には、エンジンを冷却する冷却水が
還流する冷却水通路7が形成されている。
【0024】また、第1固定プレート5の外周部には、
熱交換器4の外郭を形成する円筒部17が形成されてい
る。そして、第2固定プレート6は、円筒部17の内周
面に形成された凹部18内に外周部が嵌め込まれた状態
で、第1固定プレート5とリヤハウジング15との間に
挟み込まれている。そして、円筒部17には、エンジン
ンオウォータジャケットで暖められた冷却水を冷却水通
路7内に流入させる入口側冷却水配管19、および冷却
水通路7よりヒータコア(図示せず)に向けて冷却水を
流出させる出口側冷却水配管20が接続されている。な
お、入口側、出口側冷却水配管19、20内には、冷却
水の入口通路21および出口通路22が形成されてい
る。ここで、ヒータコアは、車両の車室内前方側に配置
された空調ダクト内に配されて、送風機の作用によって
発生した空気流を冷却水と熱交換させて加熱し車室内を
暖房するための加熱用熱交換器である。
【0025】冷却水通路7は、本発明の熱媒体通路に相
当するもので、第1、第2固定プレート5、6の発熱室
10とは逆の面(背面)に掘られた溝状部23、24を
有している。そして、冷却水通路7を形成する溝状部2
3、24は、図2に示したように、冷却水入口19a側
に近い通路25を、粘性流体の剪断速度(回転プレート
9の回転速度)が速く高温側となる外側(外周部)に配
置し、冷却水出口20a側に近い通路26を、粘性流体
の剪断速度(回転プレート9の回転速度)が遅く低温側
となる内側(中心付近)に配置している。
【0026】なお、第1固定プレート5側の冷却水通路
7と第2固定プレート6側の冷却水通路7とは、1個ま
たは複数個の連通路(図示せず)を介して連通してい
る。ここで、31、32は冷却水入口19a側に近い通
路25と冷却水出口20a側に近い通路26とを区画す
る区画壁で、33は冷却水入口19a側に近い通路25
と冷却水出口20a側に近い通路26とを連通する逆U
字形状の連通路である。そして、第1、第2固定プレー
ト5、6の背面、すなわち、溝状部23、24内に、粘
性流体の熱を冷却水に効率良く伝達するための伝熱フィ
ンを設けても良い。
【0027】回転プレート9は、第1、第2固定プレー
ト5、6間に形成される発熱室10内に回転可能に配さ
れて、駆動軸3の径小部の外周に固定されている。この
回転プレート9の両端面は、平坦面ではなくテーパ状の
傾斜面である。つまり、粘性流体の剪断速度の遅い内側
27の板厚を厚く、粘性流体の剪断速度の速い外側28
の板厚を薄くしている。すなわち、回転プレート9の板
厚は、内側から外側に向かって徐々に薄くされており、
逆に外側から内側に向かって徐々に厚くされている。な
お、回転プレート9の一端面(フロント側面、表面)、
他端面(リヤ側面、裏面)または外周面に、粘性流体が
発熱室10内を循環し易いように凹状部を形成しても良
い。
【0028】発熱室10の内部には、剪断力が作用する
と発熱する粘性流体(例えば高粘性シリコンオイル等)
が封入されている。そして、上記のように回転プレート
9の板厚を外側ほど薄くすることで、回転プレート9と
第1、第2固定プレート5、6との間のクリアランス
(プレート間隔)を内側から外側に渡って一定とせず、
内側ほどプレート間隔を狭く、外側ほどプレート間隔を
広くしている。
【0029】これにより、発熱室10の中間のプレート
間隔(微小間隙)を通常のプレート間隔である0.30
mm〜0.50mmとした場合に、発熱室10の内側の
プレート間隔(微小間隙)が例えば0.10mm〜0.
15mm程度となり、発熱室10の外側のプレート間隔
(微小間隙)が例えば0.50mm〜3.00mm程度
となる。ここで、第1、第2固定プレート5、6の内周
と駆動軸3の外周との間には、粘性流体の漏れを防止す
るためのオイルシール等のシール部材29、30が装着
されている。
【0030】〔第1実施形態の作用〕次に、本実施形態
のビスカスヒータ1の作用を図1および図2に基づいて
簡単に説明する。
【0031】エンジンが始動すると、ベルトを介してプ
ーリ2が回転して駆動軸3が回る。これにより、駆動軸
3と一体的に回転プレート9が回転することにより、固
定された固定プレート5、6と回転プレート9との間に
形成されるプレート間隔内に充填される粘性流体に剪断
力が作用する。このため、粘性流体が発熱することによ
り、その粘性流体で発生した熱を、発熱室10と伝熱性
に優れた第1、第2固定プレート5、6を介して隣設す
る冷却水通路7内を還流する冷却水に与えることで、冷
却水が加熱される。この加熱された冷却水が空調ダクト
内に配されたヒータコアに供給されることにより、車室
内の暖房能力が向上する。
【0032】ここで、粘性流体の剪断力による発熱量
は、粘性流体の剪断速度に比例(2次関数)し、粘性流
体の厚さ、つまり回転プレート9と第1、第2固定プレ
ート5、6との間のプレート間隔に反比例する。本実施
形態においては、回転プレート9の両端面を平坦面では
なくテーパ状の傾斜面とすることによって、粘性流体の
剪断速度(回転プレート9の回転速度)の遅い内側のプ
レート間隔を通常よりも狭く、粘性流体の剪断速度(回
転プレート9の回転速度)の速い外側のプレート間隔を
通常よりも広くしている。
【0033】このため、発熱室10の内側から外側まで
の粘性流体の発熱量がほぼ一定となり、粘性流体の温度
分布が無くなり、内側と外側との粘性流体の温度を均一
に保つことができる。また、回転プレート9が平板(プ
レート間隔が内側から外側まで一定値)のものに比べ
て、発熱室10の内側の粘性流体の温度が上昇した分、
発熱室10の外側の粘性流体の温度が低下するため、粘
性流体の平均温度(ビスカスヒータ1全体の発熱量に相
当する)は通常と変わらなくても、作動中の粘性流体の
最高温度が低下する。
【0034】〔第1実施形態の効果〕以上のように、本
実施形態のビスカスヒータ1は、回転プレート9と第
1、第2固定プレート5、6との間のプレート間隔を内
側と外側とで一定とせず、内側ほどプレート間隔を通常
の値よりも狭く、外側ほどプレート間隔を通常の値より
も広くすることにより、発熱室10内の内側から外側ま
での粘性流体の発熱量をビスカスヒータ1全体の平均発
熱量に近づけることができ、内側と外側との粘性流体の
温度を均一に保つことができる。さらに、作動中の粘性
流体の最高温度も低下させることができる。この結果、
粘性流体の過昇温を防止でき、ビスカスヒータ1の信頼
性を向上することができる。
【0035】その上、冷却水入口19a側に近い通路2
5を粘性流体の剪断速度が速い外側に配置し、冷却水出
口20a側に近い通路26を粘性流体の剪断速度が遅い
内側に配置することにより、冷却水通路7内に流入した
冷却水は先ず第1、第2固定プレート5、6の外側を通
った後に内側を通るため、外側を通る冷却水の方が内側
を通る冷却水よりも熱交換効率が良好となる。ゆえに、
仮に内側と外側とで粘性流体の発熱量に差があっても、
内側と外側との粘性流体の温度を均一に保つことができ
る。この結果、粘性流体の過昇温をより防止でき、ビス
カスヒータ1の信頼性をより向上することができる。
【0036】そして、同じ構成(例えば回転プレート9
の回転速度が同一速度の場合)で、より粘度の高い粘性
流体を使用することが可能となり、ビスカスヒータの体
格(本実施形態では第1固定プレート5の外径に相当す
る)を大きくすることなく、大きな発熱量を得ることが
できる。また、同じ粘度の粘性流体を使用する場合に
は、上記のようにビスカスヒータ1全体の発熱量を従来
のビスカスヒータよりも増加できるので、従来と同程度
の発熱量を得るだけなら、発熱室10の外径を小さくす
ることができるので、ビスカスヒータ1を小型化するこ
とができる。
【0037】〔第2実施形態〕図3は本発明の第2実施
形態を示したもので、ビスカスヒータの全体構造を示し
た図である。
【0038】本実施形態では、回転プレート9の両端面
を平坦面としている。逆に、第1、第2固定プレート
5、6の回転プレート9に対向する対向面を平坦面では
なくテーパ状の傾斜面としている。具体的には、第1、
第2固定プレート5、6の粘性流体の剪断速度の遅い内
側の板厚を厚くし、第1、第2固定プレート5、6の粘
性流体の剪断速度の速い外側の板厚を薄くしている。こ
れにより、内側ほどプレート間隔が通常の値(例えば
0.3mm〜0.5mm)よりも狭く、外側ほどプレー
ト間隔が通常の値よりも広くなり、内側から外側に向か
って徐々にプレート間隔が広くなっている。以上の構成
によって、第1実施形態と同様な作用および効果を得る
ことができる。
【0039】〔第3実施形態〕図4は本発明の第3実施
形態を示したもので、ビスカスヒータの全体構造を示し
た図である。
【0040】本実施形態では、回転プレート9の両端面
を平坦面としている。そして、第1、第2固定プレート
5、6の背面を平坦面ではなくテーパ状の傾斜面として
いる。具体的には、第1、第2固定プレート5、6の粘
性流体の剪断速度の遅い内側の板厚を厚くし、第1、第
2固定プレート5、6の粘性流体の剪断速度の速い外側
の板厚を薄くしている。なお、内側のプレート間隔は、
通常の値(例えば0.3mm〜0.5mm)であり、外
側のプレート間隔も通常の値であるので、プレート間隔
は内側から外側まで一定である。
【0041】したがって、回転プレート9と第1、第2
固定プレート5、6との間のプレート間隔が内側から外
側まで一定であるため、粘性流体の発熱量が発熱室10
の内側ほど少なく、発熱室10の外側ほど多くなる。し
かし、第1、第2固定プレート5、6の板厚が発熱室1
0の内側ほど厚く、発熱室10の外側ほど薄いため、内
側に比べて外側ほど熱伝導率が高くなり、冷却水通路7
内を還流する冷却水は外側ほど多くの熱量を奪うことが
できる。ゆえに、発熱室10の内側と外側とで発熱量に
差があっても、内側と外側との粘性流体の温度を均一に
保つことができる。
【0042】〔第4実施形態〕図5および図6は本発明
の第4実施形態を示したもので、図5はビスカスヒータ
の全体構造を示した図で、図6(a)は回転プレートの
フロント側を示した図で、図6(b)は回転プレートを
示した図で、図6(c)は回転プレートのリヤ側を示し
た図である。ここで、図5および図6中の矢印は粘性流
体の流れを表す。
【0043】本実施形態では、回転プレート9の板厚が
内側から外側まで一定で、第1、第2固定プレート5、
6のベース部の板厚も内側から外側まで一定である。し
たがって、回転プレート9と第1、第2固定プレート
5、6との間のプレート間隔が内側から外側まで一定で
あるため、粘性流体の発熱量が発熱室10の内側ほど少
なく、発熱室10の外側ほど多くなる点は第3実施形態
と同様である。
【0044】しかし、本実施形態では、回転プレート9
の一端面(フロント側面)および他端面(リヤ側面)
に、それぞれ回転プレート9の回転方向に対して逆向き
に粘性流体が流れるように複数本の溝部(本発明の凹状
部に相当する)41、42が掘られている。これらの溝
部41、42は、図5に矢印で示したように、発熱室1
0内において回転プレート9の一端面上と回転プレート
9の他端面上とで粘性流体を循環させるための循環流発
生手段である。
【0045】以上の構成により、本実施形態では、回転
プレート9のフロント側面に掘られた溝部41と回転プ
レート9のリヤ側面に掘られた溝部42との溝形状の差
により、粘性流体が回転プレート9のフロント側では内
側から外側方向に流れ、回転プレート9のリヤ側では外
側から内側方向に流れる。したがって、回転プレート9
を挟んで、発熱室10内においてフロント側とリヤ側と
で粘性流体が循環するため、粘性流体の温度分布を無く
すことができる。なお、粘性流体を発熱室10内におい
て循環させるための溝部は回転プレート9側に限られる
ものではなく、第1、第2固定プレート5、6の対向面
に掘られていても良い。
【0046】〔他の実施形態〕本実施形態では、駆動源
として水冷式のエンジンを使用した例を説明したが、駆
動源として、空冷式のエンジン、電動モータを使用して
も良い。本実施形態では、粘性流体として高粘性のシリ
コンオイルを使用した例を説明したが、粘性流体はシリ
コンオイルに限られるものではなく、必要な粘度を持ち
変質しない性質を持った粘性流体であれば何でも良い。
【0047】本実施形態では、プーリ2と駆動軸3とを
直結したが、プーリ2と駆動軸3との間に、ビスカスヒ
ータ1のON、OFF制御を行うための電磁クラッチ等
の作動停止制御機構を設けても良い。本実施形態では、
熱媒体としてエンジンを冷却する冷却水を使用した例を
説明したが、熱媒体は冷却水に限られるものではなく、
車載装置の作動油、潤滑油等のオイルを使用しても良
い。
【0048】本実施形態では、第1、第2固定プレート
5、6の背面に冷却水通路7用の溝状部23、24を形
成しているが、フロントハウジング14とリヤハウジン
グ15の内壁面に冷却水通路7用の溝状部を形成しても
良い。本実施形態では、冷却水入口19a側に近い通路
25を、粘性流体の剪断速度が速く高温側となる外側に
配置し、冷却水出口20a側に近い通路26を、粘性流
体の剪断速度が遅く低温側となる内側に配置している。
この場合には、第1、第2固定プレート5、6のベース
部および回転プレート9の板厚を内側と外側とで一定と
なるように形成して、内側と外側とで発熱量に差があっ
ても、冷却水入口19a側に近い通路25を通る冷却水
の方が冷却水出口20a側に近い通路26を通る冷却水
よりも温度が低くなるので、内側と外側との粘性流体の
温度を均一に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビスカスヒータの全体構造を示した断面図であ
る(第1実施形態)。
【図2】図1のA−A断面図である(第1実施形態)。
【図3】ビスカスヒータの全体構造を示した断面図であ
る(第2実施形態)。
【図4】ビスカスヒータの全体構造を示した断面図であ
る(第3実施形態)。
【図5】ビスカスヒータの全体構造を示した断面図であ
る(第4実施形態)。
【図6】(a)は回転プレートのフロント側を示した正
面図で、(b)は回転プレートを示した側面図で、
(c)は回転プレートのリヤ側を示した正面図である
(第4実施形態)。
【符号の説明】
1 ビスカスヒータ(車両用補助暖房装置) 2 プーリ 3 駆動軸 4 熱交換器 5 第1固定プレート 6 第2固定プレート 7 冷却水通路(熱媒体通路) 9 回転プレート 10 発熱室 41 溝部(凹状部) 42 溝部(凹状部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 朝一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 大島 敏浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源により駆動される回転プレートと、 この回転プレートの端面に対向した位置で固定される固
    定プレートと、 前記回転プレートと前記固定プレートとの間のプレート
    間隔内に充填されて、剪断力が作用することで発熱する
    粘性流体と、 この粘性流体に発生した熱を熱媒体に与えるための熱媒
    体通路とを備え、 前記回転プレートまたは前記固定プレートは、粘性流体
    の剪断速度の遅い内側のプレート間隔を狭め、粘性流体
    の剪断速度の速い外側のプレート間隔を広げるように設
    けられたことを特徴とする車両用補助暖房装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用補助暖房装置にお
    いて、 前記回転プレートは、粘性流体の剪断速度の遅い内側を
    厚くし、粘性流体の剪断速度の速い外側を薄くしたこと
    を特徴とする車両用補助暖房装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用補
    助暖房装置において、 前記固定プレートは、粘性流体の剪断速度の遅い内側を
    厚くし、粘性流体の剪断速度の速い外側を薄くしたこと
    を特徴とする車両用補助暖房装置。
  4. 【請求項4】駆動源により駆動される回転プレートと、 この回転プレートの端面に対向した位置で固定される固
    定プレートと、 前記回転プレートと前記固定プレートとの間のプレート
    間隔内に充填されて、剪断力が作用することで発熱する
    粘性流体と、 この粘性流体に発生した熱を、前記固定プレートを介し
    て熱媒体に与えるための熱媒体通路とを備え、 前記固定プレートは、粘性流体の剪断速度の遅い内側を
    厚くし、粘性流体の剪断速度の速い外側を薄くしたこと
    を特徴とする車両用補助暖房装置。
  5. 【請求項5】駆動源により駆動される回転プレートと、 この回転プレートの端面に対向した位置で固定される固
    定プレートと、 前記回転プレートと前記固定プレートとの間のプレート
    間隔内に充填されて、剪断力が作用することで発熱する
    粘性流体と、 この粘性流体に発生した熱を熱媒体に与えるための熱媒
    体通路とを備え、 前記熱媒体通路は、粘性流体の剪断速度の速い外側に入
    口側を配置し、粘性流体の剪断速度の遅い内側に出口側
    を配置したことを特徴とする車両用補助暖房装置。
  6. 【請求項6】駆動源により駆動される回転プレートと、 この回転プレートの一端面に対向した位置で固定される
    第1固定プレートと、 この回転プレートの他端面に対向した位置で固定される
    第2固定プレートと、 前記回転プレートと前記第1固定プレートとの間のプレ
    ート間隔内、および前記回転プレートと前記第2固定プ
    レートとの間のプレート間隔内に充填されて、剪断力が
    作用することで発熱する粘性流体と、 この粘性流体に発生した熱を熱媒体に与えるための熱媒
    体通路とを備え、 前記回転プレートおよび前記第1固定プレートまたは前
    記第2固定プレートは、前記回転プレートの一端面上と
    その他端面上とで前記粘性流体を循環させるための凹状
    部を有することを特徴とする車両用補助暖房装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の車両用補助暖房装置にお
    いて、 前記凹状部内の前記粘性流体の流れ方向は、前記回転プ
    レートの回転方向に対して逆向きに設けられていること
    を特徴とする車両用補助暖房装置。
JP7820298A 1998-03-26 1998-03-26 車両用補助暖房装置 Withdrawn JPH11278042A (ja)

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