JPH1080942A - 繊維強化複合材セルロース系フィルム及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材セルロース系フィルム及びその製造方法

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JPH1080942A
JPH1080942A JP9205533A JP20553397A JPH1080942A JP H1080942 A JPH1080942 A JP H1080942A JP 9205533 A JP9205533 A JP 9205533A JP 20553397 A JP20553397 A JP 20553397A JP H1080942 A JPH1080942 A JP H1080942A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース繊維を再生セルロースマトリック
ス中に均一に分散させたものを含む複合材フィルムを架
橋するための改良された方法を提供する。 【解決手段】 均一に分散したマニラ麻繊維とポリエチ
レンオキシド可塑剤とを含む再生セルロースマトリック
スを含む架橋されたセルロース複合材フィルム。マニラ
麻、ポリエチレンオキシド及びセルロース溶剤をセルロ
ース溶液と混合し、その混合物を押出し、その溶液から
セルロースを再生しマニラ麻繊維を含むマトリックスを
生成し、架橋剤と接触させ、乾燥する工程を含んだフィ
ルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生純セルロース
マトリックス中に均一に分散したセルロース系繊維を含
む架橋した複合材フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースは種々の紙を作るために何世
紀もの間使われてきた天然高分子である。近年セルロー
スは化学的に再生されて、繊維、透明紙、セロファン、
フィルム及び工業用や食品関連用のケーシングに加工さ
れてきた。これらのセルロース製のケーシングはソーセ
ージなどの食品用としてよく知られている。
【0003】ケーシングやフィルムを作るために用いら
れている再生セルロースポリマーは、最も一般には周知
のビスコース法により製造されている。ビスコース法に
おいては、木材パルプや木綿リンターなどの天然セルロ
ースをカセイ溶液で処理し、そのセルロースを活性化し
て誘導体を合成し、アルカリに可溶な部分を天然セルロ
ースから抽出する。生成したアルカリセルロースを粉
砕、老成し、二硫化炭素で処理してセルロースの誘導体
であるセルロースキサントゲン酸ナトリウムを生成す
る。その後セルロースキサントゲン酸ナトリウムを希カ
セイ溶液に溶解する。その結果生成した溶液、即ちビス
コース、を熟成、ロ過、脱泡した後、塩や硫酸を含む凝
固及び再生浴中にフィルムや管の形状に押出す。この酸
性浴中でセルロースキサントゲン酸ナトリウム、例えば
ビスコース、は化学反応を起こして分解し、加水分解し
て純粋な形態のセルロースに戻る。
【0004】通常セルロースの食品用ケーシングは強化
又は非強化の形態で作られる。非強化ケーシングは、再
生セルロースポリマーの管状フィルムからなり、その肉
厚は約0.025mm(0.001 インチ)ないし約0.0
76mm(0.003 インチ)、直径は約14.5mm(0.
57インチ)ないし約203mm(8 インチ)の範囲であ
る。
【0005】強化ケーシングは、通常“フィブラス(fi
brous )”ケーシングと呼ばれており、非強化セルロー
スケーシングと区別されている。非強化ケーシング用に
使用される低粘度のビスコースは、このビスコースは凝
固及び再生浴に入る前に、シート状や管状をした紙の上
に押出される。その結果、この再生セルロースは紙の基
質に含浸して接着する。フィブラスケーシングは肉厚は
0.050mm(0.002 インチ)ないし約0.102m
m(0.004 インチ)、直径は約40.6mm(1.6 イン
チ)ないし193mm(7.5 インチ)又はこれ以上であ
る。フィブラスケーシングは、非強化ケーシングよりも
寸法安定性が優れている。この良い寸法安定性は、紙が
強化されたためにケーシングが剛性を持ち、非強化ケー
シングよりも伸びないことによるものである。従って、
フィブラス及び非強化ケーシングは共に同じ破断時の引
張強度を持つが、フィブラスケーシングは高い初期湿潤
モジュラスを持つ。ここで、モジュラスとは、伸びが5
%のときに測ったケーシングの引張強度をいう。例え
ば、通常のフィブラスケーシングの破断時の縦方向の引
張強度はおよそ2.3 Kg/mm2 (3.3 lb/inch-mil) であ
り、その伸びが5%のときの引張強度はおよそ8.8な
いし10.7 Kg/mm2 (12.5ないし15.2 lb/inch-mil)
である。
【0006】フィブラスケーシングは、非強化ケーシン
グより剛性が高く、伸びが少ないため、一旦ケーシング
に肉を詰めると、一定の幅に一定の重量の肉を含む。こ
のことから、ソーセージ製造業者は、重量を測ることな
く、スライスの数を数えることにより、容易に一定重量
のソーセージ肉を包装することが可能になる。
【0007】フィブラスケーシングは、また、炭酸セル
ロースのようなこの他のセルロース誘導体を繊維強化紙
に含浸させることによっても作ることができる。米国特
許第5,277,857号はフィブラスケーシングを作
る他の方法を示している。この特許では、N−メチルモ
ルホリン−N−オキサイド(NMMO)のようなセルロ
ース溶剤に(誘導体を生成せずに)直接溶解させた天然
セルロース(木材パルプ、木綿リンター、麻など)から
成る熱可塑性のセルロース溶液を、繊維強化紙に、コー
トするか含浸させる。このコートされた紙は水のような
セルロース非溶剤に接触することによって、NMMOを
セルロース溶液から除去し、溶解したセルロースを再生
し、繊維強化紙が純再生セルロースのコーティングと接
着する。
【0008】ビスコースを紙にコートする方法はフィブ
ラスケーシングを作る方法として最も広汎に用いられて
いる。この方法の欠点は、セルロース誘導体が純セルロ
ースに再生する反応の途中でイオウ、二硫化炭素、硫化
水素などの好ましくない副生成物を生成することであ
る。米国特許第5,277,857号には、これに代わ
る方法としてセルロースを単純に溶解させて(誘導化反
応ではなく)得られる高分子セルロース溶液を用いる方
法が記されており、この方法はより環境にやさしい。し
かし、出願人の知る限りでは、誘導体合成されていない
セルロース溶液を繊維強化紙にコートしてフィブラスケ
ーシングを作る方法は、商業的には応用されていない。
【0009】フィブラスケーシングを作るために誘導体
合成されていないセルロースを使うことは、EP公開出
願95−118159でさらに議論されている。ここで
は、セルロース、アミンオキシド、水及び部分的にこの
溶液に可溶化された二次繊維物質から成る配合繊維ドー
プ組成物を生成することにより紙を使用することを避け
ている。EP95−118159の教示するところによ
れば、ケーシングやその他の製品は用紙を使わずに作る
ことができる。さらに架橋剤で処理すれば、この繊維ド
ープ組成物で作られたフィルムやケーシングは、伝統的
フィブラスケーシングと同等の初期湿潤モジュラス、寸
法安定性及び引張強度を持つ。このフィルムやケーシン
グは、さらに架橋されなければ、非フィブラスケーシン
グに近い寸法安定性を持ち、剛性はないが伸縮性を持
つ。
【0010】EP95−118159に開示されている
ように、配合繊維ドープ組成物は、“ドープ(dope)”と
して知られる望ましくはNMMOである水性アミンオキ
シドに溶解させた通常木材パルプであるセルロース原料
と、繊維物質とを混合することにより作られる。この繊
維物質はドープに用いられるセルロースと同じであって
もなくてもよいが、そのアミンオキシドと水で湿潤さ
れ、可塑化され、可溶である。ドープと繊維物質の混合
は繊維物質を溶解させないような方法で行われる。例え
ば、繊維をドープ中に完全に分散させるに必要なせん断
と温度を制限して、混合に必要なエネルギーを調整する
ことにより、部分的に膨潤し可塑化され一部溶解してい
ると同時に完全なままである均一に分散した繊維物質を
含む新たな配合繊維ドープ組成物がつくられる。そうし
なければ繊維物質は劣化する。この配合繊維ドープ組成
物が管又はフィルムに押出され最終製品に再生された場
合には部分的に可溶化された繊維物質の繊維は光学顕微
鏡で見ることができる。
【0011】この方法で作られたフィルムは複合材であ
って、その全複合材中に高濃度で加えられた物質(セル
ロース繊維)はその組成物の主な性質を損なわない。本
出願の目的を達成するためには、“複合材(composite)
”は、ポリマーに加えられた物質が元のポリマーの状
態を乱さずに、その加えられた物質の強度、剛性及び寸
法安定性などの特性をそのポリマーに付与するように作
られる。
【0012】EP95−118159に開示されている
ように、複合材フィルムは更に剛性や引張強度などのフ
ィルム物性を改良するために架橋剤で処理される。紙や
フィブラスケーシングの製造に架橋剤を使用することは
公知である。例えば、紙の湿潤強度は架橋することによ
り改良できることは公知である。適当な架橋剤は複合材
フィルムと反応して再生セルロース中の水酸基同士の間
や再生セルロースと麻の水酸基の間を結合して構造を剛
性のあるものにする。例えば、米国特許第2,926,
116号はエピクロルヒドリンとポリアミドの反応生成
物のような熱硬化樹脂で紙を処理すると湿潤強度が改良
されることを開示する。この反応生成物は陽イオン性樹
脂であり、この樹脂の代表的な製品としてハーキュレス
社(Hercules)のKYMENEがある。
【0013】米国特許第4,952,431号は、炭酸
セルロース及びKYMENEのようなアルカリ硬化剤と
紙とを接着させてフィブラスケーシングを作る際に使う
紙の改良について開示している。この点において、この
方法は麻繊維で構成される繊維強化シートを作る段階と
このシートを炭酸セルロースとKYMENEを含む溶液
に浸す段階とから成る。処理された材料は乾燥してフィ
ブラスケーシングを製造する際の原紙として使われる。
米国特許第4,952,431号で興味深いところは、
KYMENEを添加すると、炭酸に結合した紙の性質は
改良するが、ビスコースに結合した紙の強度はほとんど
変化しないことである。
【0014】EP95−118159では、複合材フィ
ルムを架橋剤溶液に接触し、乾燥し架橋反応を起こし
て、複合材を架橋した効果を試験した。その結果生成し
たフィルムは試験のために再び湿らされる。
【0015】実際には、フィブラスケーシングの製造業
者は、ケーシングをグリセリンのようなポリオールで可
塑化するのが一般である。その手順は、まず原料の紙に
ビスコースを含浸させ、ビスコースを反応させてセルロ
ースに再生し、反応の副生成物を洗浄して除去し、湿潤
ケーシングにグリセリンのような可塑剤を加え、水分が
10 - 12 重量%になるまで乾燥する。乾燥後のケーシン
グを十分柔らかくして、平らにしたり巻き取るような手
作業や機械作業を可能にするために、可塑剤の添加は必
須である。このような可塑剤を使用しないと、乾燥した
ケーシングは脆くなり、上記の機械作業において割れた
り裂けたりする。押出しの前にビスコースにグリセリン
を添加することは実際的ではない。グリセリンは水溶性
なので洗浄工程で除去されてしまうからである。
【0016】同様の手順に従ってEP95−11815
9に開示されたNMMO技術を用いて繊維複合材ケーシ
ングを作ることができる。即ち、繊維強化複合材を押出
して、非溶剤に接触させて複合材の溶解したセルロース
部分を再生し、洗浄して溶剤を除去し、湿潤ケーシング
に可塑剤を加えて、乾燥する。このような架橋反応を伴
わないケーシングは、剛性、引張強度及び寸法安定性に
欠ける。従って、必要な剛性、引張強度及び寸法安定性
を持つためには、複合材ケーシングを架橋剤と反応させ
ることが望ましい。
【0017】この手順の中で架橋剤にさらす時点が重要
であることがわかった。例えば、湿潤ケーシングをグリ
セリンで可塑化した後に架橋剤に接触させても、ケーシ
ングの性質は全く改良されない。この手順では、架橋剤
がグリセリン可塑剤の水酸基と反応し、セルロースの水
酸基と反応しないからであると推測される。上述のよう
に、グリセリン可塑剤を使用しないと、乾燥したケーシ
ングは脆すぎて、その後の平らにしたり巻き取るような
手作業や機械作業において割れたり裂けたりするため、
ここでグリセリン可塑剤を使わないことは現実的な解決
策ではない。
【0018】従って、架橋させるためには、ケーシング
をグリセリンで可塑化する前に、湿潤ケーシングを架橋
剤で処理することが必要であることがわかった。このた
めには、乾燥工程を一つ追加することが必要になる。最
初の乾燥工程は湿潤ケーシングの水分を5 - 10重量%に
するために必要である。この水分範囲において架橋剤が
活性化されるからである。その後、乾燥したケーシング
はグリセリンと水の可塑化溶液で再び湿潤された後、貯
蔵、取り扱い及び印刷などの機械作業に適するようにケ
ーシングの水分を10 - 15 重量%に落とすために第二の
乾燥工程が必要になる。乾燥工程を追加することは、製
造工程に新たな変動要素を加えることになり、製造コス
ト及び製造時間を増やすことになるため、好ましくな
い。ケーシングを軟質にする可塑剤がケーシング中にな
いと、乾燥ケーシングを傷つけずに乾燥ケーシングに行
う機械作業の量に制限が生じる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】それ故に、本発明の目
的は、セルロース繊維を再生セルロースマトリックス中
に均一に分散させたものを含む複合材フィルムを架橋す
るための改良された方法を提供することにある。
【0020】更に、本発明の目的は単一の乾燥工程を使
って繊維強化セルロース系複合材フィルムを架橋するた
めの方法を提供することにある。
【0021】また更に、本発明の目的は架橋剤が可塑剤
と共存可能な可塑化された繊維強化セルロース系複合材
フィルムを架橋するための方法を提供することにある。
【0022】また更に、本発明の目的は可塑化されたポ
リオールを使用せずに架橋された繊維強化セルロース系
複合材フィルムを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】今、予期されないこと
に、可塑剤としてポリエチレンオキサイド(PEO)を
使うことにより、繊維強化セルロース系複合材を押出
し、架橋する方法を非常に簡単化することを見出した。
同時係属出願第08/342287号(EP95−11
8159に相当する)には繊維強化セルロース系複合材
を製造するための方法の一般的記述がされており、その
内容が開示されているので参照されたい。
【0024】簡単にいうと、出願第08/342287
号に記載されているように、アミンオキシドセルロース
溶剤、セルロース及び水から成るセルロース溶液に均一
に分散する望ましくは麻のような天然セルロース繊維の
ような繊維物質を含む押出し可能な熱可塑性繊維強化複
合材を作ることができる。この組成物は管状フィルムま
たはシートとして押出し可能である。押出された材料は
水又はその他のセルロース非溶剤を含む浴槽の中を通過
する。この浴槽の中でアミンオキシド溶剤は押出された
材料から抜き出され溶液中のセルロースは再生される。
これにより、均一に分散した繊維を含む再生純セルロー
スマトリックスから成る湿潤ゲル管又はシートが作られ
る。
【0025】セルロースマトリックスが再生された後、
そのフィルムに強度及び剛性を持たせるために、適当な
試薬により架橋することが望ましい。上述のように、も
しフィルムがまずグリセリンで可塑化されて、その後で
架橋剤に接触したときは、ほとんど架橋はされない。一
方、グリセリンで可塑化される前に架橋すると、乾燥工
程が二つ必要になる。
【0026】今、オレフィンオキシドポリマーを押出し
可能な熱可塑性溶液に混合させると、フィルムが効果的
に可塑化され架橋されることを見いだした。適当なオレ
フィンオキシドポリマーは適当な可塑剤となり、そして
架橋剤の作用を損なわない。
【0027】これは、これらのポリマーが、グリセリン
のような従来の可塑剤と異なり、有効な水酸基が少ない
こと及びグリセリンのような小さい分子に比べてポリマ
ー長が大きいために動きにくいことから、架橋剤との反
応性が低いという理由のためであろう。これらのポリマ
ーのその他の利点は、繊維強化複合材の押出し温度にお
いて蒸発しないこと及び、アミンオキシド溶剤が除去さ
れるときに洗い流されないことである。その結果、押出
しの前に繊維強化複合材に混合されたオレフィンオキシ
ドポリマーは、押出工程及び再生工程の間保持されるの
で、後の工程で更に可塑剤を添加する必要がない。
【0028】分子量が少なくとも約70,000から約
5×106 までのポリエチレンオキシドのようなオレフ
ィンオキシドポリマーは、乾燥した自由流れ性を持つ白
い粉末で、98℃まで水に完全に可溶である。それらは
実質的に結晶性である。商業上入手できる材料は、X線
とNMRの分析により約62°ないし67℃の融点をも
ち、1.15ないし1.26g/cm2 の密度を持つことが
報告されている。ポリエチレンオキシドポリマーの化学
構造は -(- O- CH2-CH2-)x - である。
【0029】これらの樹脂が非常に高い分子量を持つこ
とは、これらの物質の反応末端基の密度は非常に低いこ
とを示唆する。その結果、樹脂の末端基の反応性は非常
に小さいか又はほとんどない。従って、有効な水酸基は
ほとんどない。ここで用いている分子量は重量平均分子
量(Mw)をいう。
【0030】ポリエチレンオキシドはユニオン・カーバ
イド社からPOLYOXの商標で商業上入手可能であ
る。POLYOX水溶性樹脂、CAVES 登録番号第25322-
68-3、は非イオン水溶性ポリマー、ポリエチレンオキシ
ドとして表記されており、幅広い分子量で入手可能であ
る。例えば、POLYOX樹脂の重合度は上記の化学構
造式中の“x”で示され、約2,000 から約180,000 の範
囲と発表されている。POLYOX樹脂の性質、機能及
び使用法に関するもっと詳細な情報は1988年及び1
990年のユニオン カ−バイド ケミカルズ&プラス
チックス テクノロジーによる小冊子“POLYOX水
溶性樹脂”に開示されているので参照されたい。
【0031】米国特許第5,470,519号には、ポ
リエチレンオキシドをビスコース(液状セルロース誘導
体)に加えて押出しの前に均一な混合物を作るという、
分子量が少なくとも70,000のポリエチレンオキシ
ドをソーセージのケーシングのようなセルロース製品に
使うという考えが開示されている。オレフィンオキシド
ポリマーはセルロースの一部に置き換わり、その結果再
生したソーセージケーシングはグリセリンのような活性
可塑剤の添加をほとんど必要としないといわれている。
米国特許第5,470,519号は、オレフィンオキシ
ドポリマーをN-メチルモルホリン-N- オキシド(NMM
O)を含む押出し可能なセルロース溶液に加える可能性
について言及しているが、この特許にはオレフィンオキ
シドポリマーをビスコースプロセスに使用する実施例の
みが記載されているにすぎず、NMMO技術の実施例は
ない。
【0032】本発明によれば、食品用ケーシングとして
の使用に適したポリオールを使わない架橋した繊維強化
セルロース系複合材フィルムの製造方法を提供する。そ
の方法は以下の段階から成る: a)アミンオキシドセルロース溶剤、その溶媒に可溶化
された誘導体合成のされていないセルロース及びオレフ
ィンオキシドポリマーの水溶液と均一に分散した不溶の
セルロース繊維とを含む組成物から成る押出し可能な熱
可塑性組成物を準備する段階と、 b)その熱可塑性組成物のフィルムを押出す段階と、 c)押出された熱可塑性組成物を非溶剤で洗浄し、アミ
ンオキシドセルロース溶剤を除去し、その結果、可溶化
された誘導体合成のされていないセルロースを再生し、
オレフィンオキシドポリマーを含む再生セルロースの連
続相と、この連続相に均一に分散した不溶のセルロース
繊維とから成る湿潤ゲルフィルムを生成する段階と、 d)湿潤ゲルフィルムを架橋剤に接触させる段階と、 e)湿潤ゲルフィルムを架橋剤の存在下で乾燥して架橋
剤を活性化させる段階。
【0033】別の観点から見ると本発明は、アミンオキ
シドセルロース溶剤、セルロース及び水から組成される
セルロース溶液から再生された誘導体合成のされていな
いセルロースの連続相であって、前記連続層がオレフィ
ンオキシドポリマー、不溶のセルロース系繊維の均一な
分散体、及び有効な量の架橋剤を含んでいる、食品ケー
シングとしての使用に適した架橋された繊維強化セルロ
ース系複合材フィルムにより特徴づけられる。
【0034】本明細書の目的から見て、“誘導体合成の
されていない(nonderivatized)”セルロースとは、溶剤
や試薬と共有結合をするのではなく、溶剤又は試薬と錯
体形成を通じて会合したり、ファンデアワールス力や水
素結合等により、溶解しているセルロースをいう。“誘
導体合成のされていないセルロースケーシング”及び
“誘導体合成のされていないセルロース系ケーシング”
とは、上記に定義した誘導体合成のされていないセルロ
ースで作られた食品ケーシングをいう。“誘導体合成の
された(derivatized) セルロースケーシング”及び“誘
導体合成のされたセルロース系ケーシング”とは、誘導
体合成のされたセルロースを望ましくは上述のビスコー
スプロセスを用いて再生することにより作られた食品ケ
ーシングをいう。“非溶剤”とは、セルロース溶剤では
ない液体をいう。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の以下の議論は、大体繊維
強化されているようなソーセージケーシングに向けられ
ているが、例えば、紙、その他のフィルム、薄板等のよ
うな、成形されるか又は押出された物品も本発明の趣旨
に含まれていることは理解されるべきである。以下の記
述中の基本形の物品は単に便宜のためであり、この技術
分野の熟練者に知られている他の形状の物品を除外する
意味ではない。
【0036】直接溶解法を用いる繊維強化セルロース複
合材の一般的製造方法は、米国特許第5,277,83
7号、同第5,451,364号及びEP95−118
159に開示されている。その内容はこれらに開示され
ているので参照されたい。このプロセスの最初の段階で
は、木材パルプ又は木綿リンターなどの天然セルロース
を水性アミンオキシドセルロース溶剤に溶解する。これ
により、単にセルロースを溶解させる方法で高分子溶液
が生成し、化学反応を伴わずに可溶なセルロース誘導体
が生成する。このセルロース溶解プロセスは米国特許第
2,179,181号に開示されている。この特許に
は、例えば、7から10重量%のセルロースを93から
90重量%の三級アミンオキシドに溶解させるように天
然セルロースを三級アミンオキシドに溶解して固形分が
比較的の少ない溶液を作る方法が開示されている。この
結果生成する溶液中のセルロースは溶解に先立って非誘
導体化される。米国特許第3,447,939号には、
N-メチルモルホリン-N- オキシド(NMMO)をアミン
オキシド溶剤として使う方法が開示されている。
【0037】米国特許第4,145,532号や同4,
426,288号のようなより最近の特許には米国特許
第3,447,939号で開示された発明の改良が示さ
れている。米国特許第4,145,532号には、10
から35重量%のセルロースを含む、NMMOのような
三級アミンオキシドにセルロースを溶解した溶液を作る
プロセスが開示されている。この高い固形分は、三級ア
ミンオキシド溶媒に水をある程度(1.4から約29重
量%)入れることで達成されるが、繊維、フィルム又は
ケーシングに押出してセルロース系製品を成形するのに
適した溶液を提供する。米国特許第4,426,288
号には、NMMO−セルロース高分子溶液がセルロース
高分子鎖の分解を抑える添加剤を含むことが開示されて
いる。そのため、成形したり紡ぐ材質にほんの少しの着
色しか残さないので、水のような非溶剤中で再生する時
に成形された形状が顕著な強度を有する結果となる。
【0038】直接セルロースをNMMOに溶解して得ら
れる高分子溶液又は“ドープ(dope)”は、熱可塑性であ
り押出しが可能であることが、米国特許第5,277,
837号及び同5,451,364号に開示されてい
る。
【0039】ドープの繊維強化複合材を作るためには、
繊維をこのドープ組成物の中に繊維が均一に分散するよ
うに混ぜることが必要である。本発明に従えば、不溶の
繊維とオレフィンオキシドポリマーとを含む押出し可能
な組成物を得るためにオレフィンオキシドポリマーをド
ープに混ぜることが必要である。これは、まず繊維とオ
レフィンオキシドポリマーを含むスラリーを作り、この
スラリーをドープに添加することにより出来る。これ
は、オレフィンオキシドポリマーを含むフィルムの押出
しができる繊維強化ドープ組成物を作る。ドープ中のオ
レフィンオキシドポリマーの量は生成するフィルムを可
塑化するに充分な量であることが好ましい。そうすれ
ば、そのフィルムにポリオールを添加する必要がない。
そのためには、フィルム中のセルロースの全重量を基準
として1%から3%のオレフィンオキシドポリマーで充
分であると考えられる。
【0040】例えば、繊維強化ドープ組成物は以下に開
示する方法で作ることができる。試薬とその量は明記さ
れているが、試薬とその量は、本開示に特に教示されて
いるが、作るべき複合材の正確な量や使う材料の必要に
応じて、セルロースと有機化学に詳しい熟練者が変更す
ることができる。以下に述べる実施例は、木材パルプと
麻である繊維材料を含むNMMOから作られるドープか
ら作られる複合材に関している。他の試薬を使った場合
には、この手順に変更が必要になるかもしれないが、そ
の変更はすべてこの技術分野の熟練者の技能の範囲内に
ある。
【0041】麻は繊維材料として望ましいが、本発明に
有効な繊維材料には、ドープ(アミンオキシドセルロー
ス溶液)に濡れ易く部分的に可塑化されるいかなる繊維
材料も含まれる。この繊維材料はまた,熱、仕事及び剪
断の適当な条件下でこれらの繊維材料が過度に可塑化さ
れ又は可溶化されないことを条件として、ドープに完全
に溶ける繊維材料を含む。木材パルプのような繊維材料
は、ドープの成分として水性アミンオキシド溶剤に全く
可溶であることが知られているが、混合及び加熱条件を
制限し、そのために木材パルプ繊維が連続セルロース相
を部分的にしか可溶化し可塑化しないかぎり、繊維材料
としてドープに添加することができる。その代わりに、
完全に溶解することを抑制するために、ドープと混合す
る前に木材パルプを処理することができる。しかし、上
記の定義に含まれる全ての材料の中で、マニラ麻繊維が
最も望ましい。
【0042】望ましい材料であるマニラ麻(アバカ(aba
ca) )は長野菜繊維として知られる種類に属する。これ
らは、種子の毛である綿花、木材パルプ及びバガスやサ
トウキビの茎のような草やわらなどのその他の野菜セル
ロース材料とは区別される。長野菜繊維は二つの源に由
来する。一つの源はジュート、ラミー及びサンヘンプを
含む双子葉植物の茎からとれる靭皮繊維である。別の長
野菜繊維の源は葉の大きい単子葉植物の維管束組織から
とれる葉繊維であり、サイザル麻、マニラ麻(アバカ)
及びニュージーランド麻を含む。アバカ植物、即ちマニ
ラ麻、はバナナ植物に似ており3.66ないし7.62
メートル(12ないし25フィート)又はそれ以上の高
さまで成長する。それはフィリピン群島とエクアドルに
生育する。
【0043】現時点でマニラ麻を繊維材料として選ん
だ。この繊維はその特別な特徴を最終製品のケーシング
に与える。そのため、そのケーシングは古典的なケーシ
ングと比べて競争力がある。麻繊維がそのものの性能を
そのまま発揮する理由ははっきりとは解ってはいない
が、木材パルプ繊維と比較して、その繊維の大きさと分
子の配向の組合せによって説明することが可能であろ
う。
【0044】これらの麻繊維は一般的に木材パルプ繊維
に比べて長い。アバカが2.7mmないし6.2mm
(0.11ないし0.24インチ)であるのに、軟質木材パルプ
が2.7mmないし4.6mm(0.11ないし0.18イン
チ)であり、硬質木材パルプは0.7mmないし1.6
mm(0.03ないし0.06インチ)である。木材パルプの繊
維長の分布が最大値を一つ持つのに比べて、麻の繊維長
の分布のピークは二つ(bimodal) ある。短い繊維は繊維
全体の約75%ないし80%あり、残りは非常に長く細
い繊維である。伝統的な木材パルプに比べると、長い繊
維は寸法安定性と強度を上げ、多量の短い繊維は長い繊
維の凝集力を上げる。
【0045】麻繊維と木材パルプ繊維のその他の違いは
繊維のモルホロジーにある。木材繊維ではセルロース高
分子鎖が細胞軸に対し15°ないし45°の角度でらせ
ん状をしているのに対し、麻繊維ではセルロース高分子
鎖が細胞軸に対し平行である。従って、細胞軸に対し角
度を持っている木材パルプのセルロース高分子鎖より
も、麻繊維の平行なセルロース高分子鎖はより強い構造
を与える。この他の違いは、麻の分子量は一般的に木材
パルプよりも大きいため、麻と木材パルプの粘度に違い
を生じる。
【0046】しかし、本発明は麻の使用に限定されるこ
とはなく、他の材料も使うことができる。他の有効な繊
維材料としては、木綿リンター、ナイロン、例えば90
0単位以上の重合度を持つ非常に高分子量の木材パル
プ、及び高湿潤モジュラスレーヨンのような増強された
配向度と強度を有する再生セルロース繊維がある。その
他の有効な再生セルロース繊維としては、例えばホルム
アルデヒド、二官能のアルデヒド、アルデヒド変性され
た樹脂、カルボン酸、エポキシ樹脂、エピクロルヒドリ
ン、又はその他この分野の熟練者に通常よく知られてい
る炭水化物に対し反応性のある架橋剤等のセルロース架
橋剤で架橋されて、膨潤に対して安定化された再生セル
ロース繊維がある。
【0047】部分的に可溶化された二次繊維材料が均一
に分散した物品を作るためには、その繊維が損なわれな
いために、アミンオキシドセルロースドープにその繊維
材料を分散させる間の機械的及び熱的な作業は最小限に
しなければならない。木材パルプがその繊維材料として
用いられるときには、この制限は特に必ずなされなけれ
ばならない。またこの制限は、セルロース溶剤に可溶な
いくつかのナイロンや、純木材セルロースに似ていてセ
ルロース溶剤に完全に可溶な総てのセルロース系繊維に
適用される。麻は、木材パルプに比べて平均繊維長が長
く、平均分子量も大きく、結晶の配向も異なるが、にも
かかわらずNMMO溶剤に可溶である。最終製品はセル
ロースフィルム中に繊維が分離して存在するものでなけ
ればならないことを心に留めておかなければならない。
【0048】本発明によれば、押出し可能な繊維ドープ
組成物の一つの製法では、暖めた水性NMMO溶液にオ
レフィンオキシドポリマーを添加する。本発明の目的の
ために適当なオレフィンオキシドポリマーは、ユニオン
カーバイド社から販売されている、分子量が約100,
000のPOLYOX WSR N−10である。全て
のPOLYOXが溶解するまで攪拌しながら添加は行わ
れる。NMMOにPOLYOXが溶解した後に、繊維材
料を添加する。繊維材料は別のセルロース系材料である
ことが望ましく、上記のように麻が望ましい。ここで、
小片に切られた麻のシートを暖めて、熱したPOLYO
X−NMMO水性溶液に添加する。麻を暖めれおくこと
は重要である。そうでないと、麻を添加した時にNMM
Oが結晶化し始めるかもしれない。麻がその混合液中に
均一に分散し麻が膨潤し始めるまで、その混合物を攪拌
する。麻繊維が膨潤することは溶解が始まったことを示
す。幾分かの麻繊維が溶解することは許容されるが、大
部分の繊維が繊維として完全な状態を保ち、完全な繊維
となって溶解していないことが重要である。
【0049】この方法で麻繊維がNMMOに均一に分散
した水性スラリーが生成し、その中の完全な麻繊維は光
学顕微鏡で見ることができる。麻のような繊維材料の添
加量はフィルムの要求性能により変わる。本発明の目的
から見て、伝統的な繊維強化ソーセージケーシングに置
き換わるような複合材フィルムを作るためには、スラリ
ー中の麻繊維の量は、フィルム中の再生セルロースの重
量を基準として麻繊維が30%から40%になるように
すべきである。
【0050】ポリオールを含まない繊維強化セルロース
系複合材フィルムを作るための使用に適する水性スラリ
ーは、55ないし73重量%のNMMO、18ないし2
2重量%の水、9ないし23重量%の麻繊維及び0.4
ないし0.8重量%のオレフィンオキシドポリマー(P
OLYOX)からなる。
【0051】その後このスラリーを、水性三級アミンオ
キシドセルロース溶剤に誘導体合成なしに溶解された木
材パルプのような天然セルロースから成るドープ溶液に
添加する。
【0052】ここに記載されているようなドープ溶液
は、約78重量%のNMMO、7重量%の水及び15重
量%の溶解したセルロースからなる。そのスラリーとド
ープ溶液は一般的にはスラリー1部に対しドープ2部の
割合で混合され、72ないし76重量%のNMMO、1
0ないし12重量%の水、9ないし11重量%の溶解し
たセルロース、3ないし8重量%の可溶化されていない
麻繊維及び0.1ないし0.3重量%のオレフィンオキ
シドポリマーからなる熱可塑性組成物を生成する。
【0053】そのスラリーのドープへの添加はEP11
8159に記載されているようにできる。しかし、その
添加は二軸スクリュー押出機でなされることが望まし
い。この押出機の中で、ドープと水性NMMO及び麻の
スラリーが別のストリームで添加され、一緒にされ、加
熱されて、完全に混合される。
【0054】その混合物は、水のようなセルロース非溶
剤を含む浴槽に押出され、溶解したセルロースを再生す
る。この再生は化学反応を伴わずに起き、非溶剤の浴槽
によりNMMO溶剤が抽出される。その結果、完全な繊
維と部分的に溶解した繊維を含んだ麻繊維とオレフィン
オキシドポリマーが均一に分散している再生純セルロー
スマトリックスからなる湿潤ゲルフィルムを生成する。
生成した湿潤ゲルフィルム、水成分以外は、54ないし
73重量%の再生セルロース、25ないし44重量%の
可溶化されていない麻繊維及び1ないし3重量%のオレ
フィンオキシドポリマーからなる。
【0055】その湿潤ゲルフィルムはその後架橋剤に接
触される。架橋剤として適当な試薬は、米国デラウエア
州ウイルミントンのハーキュレス社が販売しているKy
mene−557HまたはKymene−450であ
る。これらの試薬は、水溶性の熱硬化性カチオン性エピ
クロルヒドリン−ポリアミド樹脂である。ポリアルキレ
ンポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂やアミンポリマ
ー−エピクロルヒドリン樹脂のようなその他の架橋剤、
ポリアミノアミドベースのエポキシ硬化剤、および多官
能のアジリジンは、この方法のこの工程に有用な化学品
の例である。ホルムアルデヒドウレアや誘導化されたホ
ルムアルデヒドウレアのような水酸基を含んだポリマー
を架橋するこの分野で知られている架橋剤組成物も同様
に有効である。
【0056】その湿潤ゲルフィルムを、水分含有量が全
フィルム重量の5ないし10%になるまで乾燥して、架
橋剤を硬化して、麻繊維と再生セルロースマトリックス
中の水酸基間に結合を生成する。麻繊維の周囲の再生セ
ルロースマトリックスもこの方法で架橋される。そのフ
ィルムにその後、水分含有量が約10ないし15%にな
るまで再び湿気を与えて、この方法は完了する。湿気
は、フィルムを湿潤空気雰囲気に曝すことにより与えら
れる。
【0057】
【実施例】実施例1 複合材サンプルは、180 gの水性NMMO(78%NMMO,22%
H2O)を、温度範囲50℃から60℃に加熱することにより準
備する。そのNMMOをガラス棒で手撹拌しうず作る。
1.0 gのPOLYOX N−10をふるいにかけながら
そのうずの中心に添加する。固形のPOLYOXが見え
なくなるまで撹拌を続ける。マニラ麻シートを通常3.17
5 mm2 ないし6.35mm2 に裁断し、約25gのマニラ麻
を加熱して(50℃ないし60℃)、加熱したNMMO−P
OLYOX混合物に添加する。マニラ麻とNMMO−P
OLYOX混合物を、均一なスラリーができるまで、手
撹拌する。そのスラリーを50℃ないし60℃のオーブンに
約30分間いれる。この処理の最期には、裁断された小
片の中のマニラ麻繊維はほぐれてスラリー中に均一に分
散する。光学顕微鏡で見ると完全な繊維を見ることがで
き、このことはスラリーが不溶のマニラ麻繊維を含んで
いることを示す。
【0058】そのスラリーを、プラスチックシートの上
に3 mmないし4 mmの厚さの層に広げて、空気で冷却
し硬化する。その後、手で割り、ワーリング(Waring)ブ
レンダーで粉末にする。
【0059】溶解した木材パルプ15部、NMMO78部及
び水7 部からなる固体ドープを粒子サイズが3 ないし7
mmになるまで擦りつぶして、擦りつぶしたドープ2 部
に対しスラリー1 部の割合で、粉末化したスラリーと混
合する。これにより、NMMO約74.7%、水11.1%、マ
ニラ麻4 %、溶解したセルロース10%、及びPOLYO
X0.2 %以下からなる熱可塑性組成物ができる。
【0060】擦りつぶしたドープとマニラ麻/NMMO
/POLYOXの粉末化したスラリーの混合物を、長さ
254 mmの直線単軸スクリューのL/D比が10:1のBr
aybender押出機に送る。その混合物は押出機の
中で溶解し、152 × 0.71 mm(6 × 0.028インチ)の
出口を持つ垂直リボンダイに送られる。ダイから押出さ
れた溶解したリボンを水の浴槽に入れて、NMMOを除
去し、湿潤ゲルフィルムを作る。
【0061】このようにして作られた湿潤ゲルフィルム
は、フィルム中のセルロースの全量を基準として約71.2
%の再生セルロースと約28.8%の不溶のマニラ麻繊維で
ある。POLYOX含量は、再生セルロースの重量を基
準として1.6 %であり、セルロースの全重量(再生セル
ロースとマニラ麻)を基準として1.2 %である。
【0062】その湿潤ゲルフィルムを刺繍用の輪に置
き、30分水浴に浸す。その後、輪になったフィルム
を、水に1000gに対してKYMENE 557LX(固
形分12.5%)25.0gから作られたKYMENE0.31%を
含む二次水溶液に45-60 分間浸す。その後、湿潤ゲルフ
ィルムを115 ℃で45分間乾燥する。
【0063】実施例2 湿潤ゲルフィルムを、乾燥前に、KYMENE0.31%溶
液ではなくグリセリン3 %溶液に2-3 分間浸す他は、実
施例1と同じ操作を繰り返す。
【0064】実施例3 NMMO/マニラ麻スラリーを作る際にPOLYOXを
使わずに、実施例1に示した方法で湿潤ゲルフィルムを
作る。その結果作られたゲルフィルムに、以下の3つの
異なった処理を施す。 a.グリセリン3 %溶液に30分間浸した後、115 ℃で45
-60 分間乾燥する。 b.KYMENE0.31%溶液に浸した後、グリセリン30
%溶液に浸し、その後乾燥してKYMENEを硬化す
る。 c.KYMENE0.31%溶液に浸した後、乾燥する(乾
燥してKYMENEを硬化する前にグリセリンには浸さ
ない)。
【0065】実施例1から3のフィルムは乾燥後、試験
のためにグリセリン30%溶液に浸して再び湿らす。再び
湿らしたフィルムの縦方向(MD)と横方向(TD)の引張強度
を測定する。引張強度は、破断又は破裂時の一定の動的
負荷の下の材料の単位面積当たりの強度で表わされ、ポ
ンド/インチ・ミル(pounds/inch-mil) の単位で表わさ
れる(N.Irving Sax and R. J. Lewis, Sr, eds., Hawle
y's Condensed Chemical Dictionary, Eleventh Editio
n, 1987)。フィルムの剛性または寸法安定性は、5 %湿
潤セカントモジュラス試験により測定され、結果はポン
ド/インチ・ミルの単位で表わされる。引張強度の測定
は、Instron U4301(Instron Corporation, Canton, Mas
sachusetts, USA 02021)で行なった。なおASTM D-882を
一部変更して試験に用いた。即ち、1 インチ×2インチ
のサンプルを用い、25ポンドのフルスケール負荷で、ク
ロスヘッドのスピ−ドを20インチ/分とした。破断引張
強度はポンド/インチ・ミル又はPIM で計算した。表1
に報告された結果は、引張強度をKg/mm2の単位で表わし
てあるが、比較のためカッコ内にPIM 単位で表わす。そ
の表には5 %伸び時の再湿潤フィルムの湿潤モジュラス
が同じ単位で記載されている。5 %湿潤セカントモジュ
ラス試験は、1 %伸びを5 %伸びに変更してASTM D-882
に従って行った。各フィルムの破断時の伸びも表Iに記
載されている。
【0066】
【表1】
【0067】実施例2と3Aとを比較すると、押し出さ
れた混合物にPOLYOXを添加することは(実施例
2)、POLYOXを含んでいない実施例3Aのフィル
ムに比べて、再湿潤フィルムの引張強度とモジュラスを
ほとんど改善していない。湿潤引張強度と湿潤モジュラ
スを見ると、POLYOXを含まない実施例3Aのフィ
ルムは、POLYOXを含む実施例2のフィルムと顕著
には異ならない。
【0068】実施例3Bは、グリセリンの存在下でKY
MENEを反応させても、架橋がほとんど起きていない
ことを示す。実施例3Bの再湿潤フィルム(KYMEN
Eああり)の引張強度と低いモジュラスが実施例3Aの
フィルム(KYMENEなし)のものと顕著には異なら
ないことは、このことを示している。
【0069】実施例3Cに示すようにグリセリンが存在
しないと、湿潤引張強度が改善され湿潤モジュラスが高
いことから示されるように、KYMENEはフィルムを
効果的に架橋する。これを、本発明を具体化したもので
ある実施例1と比較すると良いことが解る。これらか
ら、実施例1から3は,KYMENEがポリエチレンオ
キシドの存在下でフィルムを効果的に架橋するが、グリ
セリンの存在下では効果的ではないことを示す。そのう
え実施例1のフィルムに混合されたポリエチレンオキシ
ドは有効な可塑剤であり、さらに可塑剤を添加する必要
はない。実施例1のフィルムを機能させて乾燥後に架橋
剤を活性化するために必要なことは、コントロールされ
たスチームまたは湿潤空気雰囲気に通してフィルムの水
分含量を上げることである。
【0070】他の例と比較すると、実施例3Cのフィル
ムは可塑剤(グリセリン又はPOLYOX)を含んでい
ない。従って、実施例3Cのフィルムの湿潤引張強度と
モジュラスは実施例1のフィルムと比べて良いが、それ
が機能するためには、典型的にはグリセリン−水の溶液
に浸して可塑化し、且つ、適切な水分含量まで乾燥しな
ければならない。既に述べたように、生産サイクルにコ
ストと時間を増やすので、二次乾燥工程は望まれない。
【0071】実施例4 本発明をさらに説明するために、実施例1と同じ組成物
の管状フィルムを押出し再生した。そのフィルムをまず
30%グリセリン溶液に浸し、0.31%KYMENE溶液に
浸し、約77℃でキュアする。75分間キュアした後の再湿
潤フィルムの5%伸び時のモジュラスはたった4.1 Kg/mm
2(5.8PIM)であった。しかし、3 %グリセリン溶液に浸
し、同様のKYMENE処理とキュアを行なうと、フィ
ルムのモジュラスは9.6 Kg/mm2(13.6PIM) であった。こ
のことは、さらに、KYMENEはグリセリンの存在下
では架橋機能を発揮することができないことを示す。
【0072】実施例5 他の一連の試験においては、複合材フィルムを作るため
に二軸スクリュー押出機を使って本発明をさらに説明す
る。この場合、実施例1に示した方法を用いてNMM
O、マニラ麻繊維及びPOLYOXからなるスラリーを
作る。そのスラリーは4250gの水性NMMO(78% NMM
O)、500 gのマニラ麻及び34gのPOLYOXからな
る。このマニラ麻スラリーを2時間熟成し、その時点で
液状であるが、Berstorff Corporat
ion製のZE40二軸スクリュー押出機の入口に入れ
る。NMMO78部、溶解した木材パルプ15部及び水7 部
からなる標準ドープ溶液を、押出機の二次入口に入れ
る。
【0073】これらの材料を二つの入口に、マニラ麻ス
ラリー1部に対しドープ2部の割合で入れる。その二つ
の材料のストリームは二軸スクリュー押出機の中で一緒
になり混合されて、混合物の中に繊維を均一に分散す
る。各成分を混ぜるスクリューと混合物の中に繊維を均
一に分散するための速度を適切に選択することは、この
分野の技能の範囲内である。マニラ麻繊維がNMMO溶
剤中で溶解したり過剰に可塑化されるとモジュラスと引
張強度を下げるので、そうならないように、温度、滞留
時間及び仕事量をコントロールすべきである。この実施
例のスラリーとドープの熱可塑性混合物は、NMMO約
75.09 %、水11.18 %、マニラ麻繊維3.48%、溶解した
セルロース10%及びPOLYOX0.2 %以上を含む。
【0074】押出機の出口は、0.508 mm(0.020 イン
チ)のダイギャップを持つ10.16 cm(4 インチ)のス
ロットダイに接続している。一緒になった二つの材料ス
トリームがダイを通過する時の流速は、15 Kg/hrであ
る。この流速では、押出機及びダイを通過する材料スト
リームの温度は、約150 ℃(302 °F)を越えない。
【0075】押出されたフィルムのリボンを水浴に通し
てNMMOを抽出しセルロースを再生する。このように
して生成したゲルフィルムは、フィルム中の全セルロー
スにを基準として実施例1のフィルムとほぼ同等の割合
の再生セルロースとマニラ麻繊維を有する。しかし、P
OLYOX含量は、再生セルロースを基準として2.3%
であり、全セルロース(再生セルロースとマニラ麻との
合計)を基準として1.7 %である。
【0076】再生後、フィルムを0.31%KYMENE溶
液に浸し、115 ℃で45-60 分間キュアする。引張試験を
するために、そのフィルムを再び湿らす。このようにし
て作ったフィルムの再湿潤縦方向引張強度(5サンプル
の平均)は16 Kg/mm2(22.68PIM)であり、再湿潤横方向
引張強度は9.2 Kg/mm2(13.09 PIM) である。縦方向及び
横方向のモジュラス(5サンプルの平均)は、それぞれ
11.8 Kg/mm2(16.82 PIM)と2.7 Kg/mm2(3.9 PIM) であ
る。グリセリンのみで(Kymeneなしで)処理され
た同様のフィルムの再湿潤縦方向/横方向引張強度は1
2.6/7.3 Kg/mm2(17.86/10.35 PIM)であり、縦方向/横
方向モジュラスは4.9 Kg/mm2(7 PIM) と1.7Kg/mm2(2.4
PIM) である。
【0077】実施例6 実施例5と同様の材料と装置を用いて管状ケーシングを
押出した。ここで、二軸スクリュー押出機を変更して、
ダイギャップが0.508 mm(0.020 インチ)で直径が2
5.4mm(1.0 インチ)の環状押出ダイとした。そのダ
イ通過時の流速は9.77 Kg/hrである。
【0078】実施例5のフィルムと同様の方法で再生さ
れKymeneで処理された環状フィルムは、再湿潤縦
方向/横方向引張強度が10.9/4.6 Kg/mm2(15.51/6.55 P
IM)であり、縦方向/横方向モジュラスがそれぞれ0.56
と0.25 Kg/cm-0.1mmである。
【0079】実施例5のリボン押出フィルムと比較し
て、この管状押出フィルムがこれらの低い値を持つこと
は、管状に押し出す際に押出温度が高くなることの結果
であると考えられる。ここで、環状ダイの背圧が押出機
中の材料の滞留時間を長くし、スラリー−ドープ混合物
の温度を約93℃(200 °F)まで上げる。この高温のた
め、NMMOセルロース溶剤がマニラ麻繊維を低温の場
合よりもよけいに溶解し、再生セルロースマトリックス
中に完全なマニラ麻繊維が均一に分散していることの利
点が失われている。しかしそうであっても本試験はマニ
ラ麻スラリーとドープの混合物の管状押出を実証してい
る。また、この試験で環状ダイを使った結果背圧を生
じ、これが滞留時間を長くし、この混合物の温度を受け
入れられない程まで上げるという知識を持っていれば、
これらの欠点を除くために押出ダイを再設計することは
この分野の技能の範囲内である。
【0080】
【発明の効果】従って、本発明が、均一に分散したセル
ロース繊維を含んだ再生セルロースマトリックスからな
る、ポリオールを使わずに架橋されたセルロース複合材
フィルムを提供するという、その目的を達成した価値は
認められるべきである。さらに、本発明の方法により、
再生セルロースの乾燥と架橋剤のキュアを、単一の乾燥
工程で行なうことを達成した。ポリエチレンオキシドを
セルロース溶液に導入することで、ポリオール可塑剤を
不要にして、架橋剤の反応を阻害することもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)アミンオキシドセルロース溶剤、そ
    の溶媒に可溶化された誘導体合成のされていないセルロ
    ース及びオレフィンオキシドポリマーの水溶液と均一に
    分散した不溶のセルロース繊維とを含む組成物から成る
    押出し可能な熱可塑性組成物を準備する段階と、 b)その熱可塑性組成物のフィルムを押出す段階と、 c)押出された熱可塑性組成物を非溶剤で洗浄し、アミ
    ンオキシドセルロース溶剤を除去し、その結果、可溶化
    された誘導体合成のされていないセルロースを再生し、
    オレフィンオキシドポリマーを含む再生セルロースの連
    続相と、この連続相に均一に分散した不溶のセルロース
    繊維とから成る湿潤ゲルフィルムを生成する段階と、 d)湿潤ゲルフィルムを架橋剤に接触させる段階と、 e)湿潤ゲルフィルムを架橋剤の存在下で架橋剤を活性
    化させて再生セルロースと不溶のセルロース繊維を架橋
    するに十分な水分含量まで乾燥させる段階とから成る、
    乾燥フィルム中のオレフィンオキシドポリマーの量を乾
    燥フィルムを可塑化するためにポリオールの追加が必要
    になることを避けるためにその乾燥フィルムを可塑化す
    るに十分な量とする、天然セルロース繊維を含む再生セ
    ルロースマトリックスから構成されるポリオールを使わ
    ないセルロース系フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 オレフィンオキシドポリマーをポリエチ
    レンオキシドとする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 乾燥フィルム中のポリエチレンオキシド
    の量を再生セルロースの重量を基準として1.6%ない
    し2.3%とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性組成物を生成する方法が、
    a)水性アミンオキシドセルロース溶剤、前記オレフィ
    ンオキシドポリマー及びセルロース繊維を加熱混合し、
    前記セルロース繊維とオレフィンオキシドポリマーがそ
    のセルロース溶剤中に均一に分散するスラリーを生成す
    る段階と、b)アミンオキシドセルロース溶剤、水及び
    その溶剤に可溶化されたセルロースから成るセルロース
    溶液にそのスラリーを添加し、そのスラリー中のセルロ
    ース繊維がそのセルロース溶液に均一に分散するように
    混合する段階とから成る請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 スラリーが、セルロース溶剤約55重量
    %ないし73重量%、水18重量%ないし22重量%、
    セルロース繊維9重量%ないし23重量%及びオレフィ
    ンオキシドポリマー0.4重量%ないし0.8重量%か
    ら成る請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 スラリーが、セルロース溶剤約67重量
    %ないし70重量%、水18重量%ないし20重量%、
    セルロース繊維9重量%ないし13重量%及びオレフィ
    ンオキシドポリマー0.4重量%ないし0.8重量%か
    ら成る請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記セルロース繊維をマニラ麻とする請
    求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性組成物がアミンオキシドセルロ
    ース溶剤74重量%ないし76重量%、水10重量%な
    いし12重量%、可溶化されたセルロース9重量%ない
    し11重量%、不溶のセルロース繊維3重量%ないし8
    重量%及びオレフィンオキシドポリマー0.1重量%な
    いし0.3重量%を含む請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性組成物が不溶のセルロース繊維
    3重量%ないし5重量%を含む請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記セルロース繊維をマニラ麻とする
    請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 架橋剤を熱硬化性エピクロルヒドリン
    −ポリアミド樹脂とする請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 湿潤ゲルフィルムを熱硬化性エピクロ
    ルヒドリン−ポリアミド樹脂セルロース架橋剤の0.3
    1%溶液に接触させる段階を含む請求項1に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 湿潤ゲルフィルムを5−10重量%の
    水分含量まで乾燥し架橋剤を活性化させる段階を含む請
    求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 乾燥フィルムを約10ないし約15重
    量%の水分含量まで再湿潤させる段階を含む請求項13
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 可溶化された誘導体合成のされていな
    いセルロースを木材パルプとし、セルロース繊維をマニ
    ラ麻とする請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 均一に分散した不溶のセルロース繊維
    を含む誘導体合成のされていない再生セルロースの連続
    相、オレフィンオキシドポリマー及び有効量のセルロー
    ス架橋剤を含む架橋繊維強化セルロース系複合材フィル
    ム。
  17. 【請求項17】 前記フィルム中の全セルロース重量を
    基準にして25%ないし45%の不溶のセルロース繊維
    を含む請求項16に記載のフィルム。
  18. 【請求項18】 前記不溶のセルロース繊維をマニラ麻
    とする請求項17に記載のフィルム。
  19. 【請求項19】 継ぎ目のない管状フィルムから成る請
    求項16に記載のフィルム。
  20. 【請求項20】 前記フィルム中の全セルロース重量を
    基準にして1%から2%のオレフィンオキシドを含む請
    求項16に記載のフィルム。
  21. 【請求項21】 前記フィルムがポリオールを含まない
    請求項16に記載のフィルム。
  22. 【請求項22】 全重量を基準にして水分含量が10%
    ないし15%である請求項16に記載のフィルム。
  23. 【請求項23】 前記フィルムがポリオールを含まず、
    全重量を基準にして水分含量が10%ないし15%であ
    る請求項16に記載のフィルム。
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