JPH1080091A - 動圧流体軸受け装置およびこれを備えたモータ - Google Patents

動圧流体軸受け装置およびこれを備えたモータ

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JPH1080091A
JPH1080091A JP23507696A JP23507696A JPH1080091A JP H1080091 A JPH1080091 A JP H1080091A JP 23507696 A JP23507696 A JP 23507696A JP 23507696 A JP23507696 A JP 23507696A JP H1080091 A JPH1080091 A JP H1080091A
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sleeve
lubricating fluid
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Yoshikazu Ichiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑流体のシール効果を高めることができ、
また仮に潤滑流体が飛散したとしても飛散した潤滑流体
を回収することができる動圧流体軸受け装置およびこれ
を備えたモータを提供すること。 【解決手段】 軸部28および円盤状フランジ部32を
有する軸部材24と、軸部材24に対して相対的に回転
自在なスリーブ部材26と、スリーブ部材26と軸部材
24との間隙に充填された潤滑流体62とを備えた動圧
流体軸受け装置。軸部材の軸部にラジアル動圧軸受け手
段52,54が設けられ、軸部材のフランジ部の一面に
スラスト動圧軸受け手段58が設けられ、フランジ部3
2の他面と対向するキャップ部材44の内面には比較的
広い範囲にわたって半径方向外方に向かって間隔が狭く
なるテーパ60が形成され、潤滑流体62のシール界面
はテーパ60に位置し、軸部材24には、スラスト動圧
軸受け手段56によって発生するスラスト力に釣り合う
スラスト力とは反対方向の力が作用する。また、このよ
うな動圧流体軸受け装置を備えたモータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油からなる流
体(「潤滑流体」という)を利用し、軸部材とスリーブ
部材の相対回転時にその間に充填された潤滑流体に圧力
を生させ、その流体圧力によって軸部材を支持する動圧
流体軸受け装置およびこれを備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、動圧流体軸受け装置として、
軸部およびこの軸部から半径方向外方に突出するフラン
ジ部を有する軸部材と、この軸部材に対して相対的に回
転自在であるスリーブ部材と、軸部材とスリーブ部材と
の間に規定された空間に充填された潤滑流体とを備えた
ものが知られている。この種の動圧流体軸受け装置にお
いては、軸部材の軸部の外周面およびこれに対向するス
リーブ部材の内周面の一方又は両方にラジアル動圧溝が
設けられ、この軸部の外周面とスリーブ部材の内周面と
の間の間隙に潤滑流体が充填される。また、軸部材のフ
ランジ部の両面およびこれら両面に対向するスリーブ部
材の内面の一方又は両方にスラスト動圧流体溝が設けら
れ、フランジ部の両面とスリーブ部材の内面との間の間
隙にも潤滑流体が充填される。
【0003】このような動圧流体軸受け装置は、たとえ
ば、マイクロコンピュータのハードディスク駆動用のD
Cブラシレスモータや、CD−ROM駆動用モータなど
種々のモータに使われることが多いが、モータに使う場
合、前記軸部およびスリーブ部材の一方がモータのステ
ータおよび固定部に結合され、他方がロータに連結され
る。また、モータには、軸が固定され、それに対してロ
ータが回転する軸固定型と、軸がロータと共に回転する
軸回転型があるが、軸固定型の場合、軸が、モータのベ
ースプレートのような固定部に固着され、スリーブ部材
がロータに一体的に回転するように結合される。また、
軸回転型では、スリーブ部材がモータの固定部に固定さ
れ、軸部材がロータに連結される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような動圧流体軸
受け装置およびそれを備えたモータにおいては、軸部材
とスリーブ部材との間の間隙に充填された潤滑流体の保
持が重要な問題である。すなわち、この潤滑流体は、高
温下で熱膨張して間隙からあふれたり、蒸発したり、衝
撃により飛散したり、あるいはマイグレーションとして
知られている滲みなどにより外部に漏れるおそれがあ
る。
【0005】本発明の目的は、潤滑流体のシール効果を
高めることができ、また仮に潤滑流体が飛散したとして
も飛散した潤滑流体を回収することができる動圧流体軸
受け装置およびこれを備えたモータを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一側面によれ
ば、軸部およびこの軸部から半径方向外方に突出し、軸
部と一体的に回転する円盤状フランジ部を有する軸部材
と、該軸部材との間に所定間隔をもって、軸部とスリー
ブ嵌合すると共に、フランジ部を囲繞し、軸部材に対し
て相対的に回転自在なスリーブ部材と、該スリーブ部材
と軸部材との間の間隙に充填された潤滑流体とを具備す
る動圧流体軸受け装置を備えたモータにおいて、前記軸
部材の軸部およびスリーブ部材の互いに対向する面の一
方又は両方にラジアル動圧溝が設けられ、前記軸部材の
フランジ部の一面およびこれに対向するスリーブ部材の
第一対向面の一方又は両方にスラスト動圧溝が設けら
れ、前記軸部材のフランジ部の他面およびこれに対向す
るスリーブ部材の第二対向面の一方又は両方の、軸部に
近い位置からフランジ部の周縁に至る比較的広い範囲
に、半径方向外方に向かって間隔が狭くなるテーパが形
成され、前記スリーブ部材のスリーブ嵌合部およびフラ
ンジ部を囲繞する部分の軸部材との間の間隙は連続して
いて、潤滑流体はスリーブ嵌合部の間隙からフランジ周
面の間隙まで連続して充填され、前記軸部材およびスリ
ーブ部材のいずれか一方にはステータが一体的に設けら
れ、他方にはロータマグネットが一体的に回転するよう
に設けられ、それらステータとロータマグネットとは、
前記スラスト動圧溝によって発生するスラスト支持力に
釣り合うスラスト支持力とは反対方向の磁気背圧力を軸
部材に作用するような相対的位置関係にあることを特徴
とするモータが提供される。
【0007】本発明の他の側面によれば、軸部およびこ
の軸部から半径方向外方に突出し、軸部と一体的に回転
する円盤状フランジ部を有する軸部材と、該軸部材との
間に所定間隔をもって、軸部とスリーブ嵌合すると共に
フランジ部を囲繞し、軸部材に対して相対的に回転自在
なスリーブ部材と、該スリーブ部材と軸部材との間の間
隙に充填された潤滑流体とを備えた動圧流体軸受け装置
において、前記軸部材の軸部およびスリーブ部材の互い
に対向する面の一方又は両方にラジアル動圧溝が設けら
れ、前記軸部材のフランジ部の一面およびこれに対向す
るスリーブ部材の第一対向面の一方又は両方にスラスト
動圧溝が設けられ、前記軸部材のフランジ部の他面およ
びこれに対向するスリーブ部材の第二対向面の一方又は
両方の、軸部に近い位置からフランジ部の周縁に至る比
較的広い範囲に、半径方向外方に向かって間隔が狭くな
るテーパが形成され、前記スリーブ部材のスリーブ嵌合
部およびフランジ部を囲繞する部分の軸部材との間の間
隙は連続していて、潤滑流体はスリーブ嵌合部の間隙か
らフランジ周面の間隙まで連続して充填され、前記軸部
材には、前記スラスト動圧溝によって発生するスラスト
支持力に釣り合うスラスト支持力とは反対方向の力が作
用されることを特徴とする動圧流体軸受け装置が提供さ
れる。
【0008】本発明の他の側面によれば、軸部およびこ
の軸部から半径方向に突出し、軸部と一体的に回転する
円盤状フランジ部を有する軸部材と、該軸部材との間に
所定間隔をもって、軸部とスリーブ嵌合すると共にフラ
ンジ部を囲繞し、軸部材に対して相対的に回転自在なス
リーブ部材と、該スリーブ部材と軸部材との間のスリー
ブ嵌合部からフランジ囲繞部まで連続した間隙の所定レ
ベルまで充填された潤滑流体とを備えた動圧流体軸受け
装置において、前記スリーブ嵌合部にラジアル動圧軸受
け手段を設け、前記フランジ部の内面側とそれに対向す
るスリーブ部材の対向面との部分にスラスト動圧軸受け
手段を設け、フランジ部の外面は、それに対向するスリ
ーブ部材の対向面と協働して、前記潤滑流体を表面張力
によって封止するテーパシール構造を形成すると共に、
潤滑流体溜として利用し、前記フランジ部の内面側のス
ラスト動圧軸受け手段のスラスト支持力に釣り合う力を
前記軸部材に作用させる手段を備えたことを特徴とする
動圧流体軸受け装置が提供される。
【0009】本発明のさらに他の側面によれば、軸部お
よびこの軸部から半径方向に突出し、軸部と一体的に回
転する円盤状フランジ部を有する軸部材と、該軸部材と
の間に所定間隔をもって、軸部とスリーブ嵌合すると共
にフランジ部を囲繞し、軸部材に対して相対的に回転自
在なスリーブ部材と、該スリーブ部材と軸部材との間の
スリーブ嵌合部からフランジ囲繞部まで連続した間隙の
所定レベルまで充填された潤滑流体と、前記軸部材およ
びスリーブ部材の一方と結合したステータと、前記軸部
材およびスリーブ部材の他方と一体的に回転するよう結
合されたロータマグネットとを備え、前記スリーブ嵌合
部にラジアル動圧軸受け手段を設け、前記フランジ部の
内面側とそれに対向するスリーブ部材の対向面との部分
にスラスト動圧軸受け手段を設け、フランジ部の外面
は、それに対向するスリーブ部材の対向面と協働して、
前記潤滑流体を表面張力によって封止するテーパシール
構造を形成すると共に、潤滑流体溜として利用し、前記
ステータとロータマグネットとは、前記フランジ部の内
面側のスラスト動圧軸受け手段のスラスト支持力に釣り
合う磁気力を前記軸部材に作用させるような相対位置関
係に配置されたことを特徴とするモータが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う動圧流体軸
受け装置を、マイクロコンピュータのハードディスク駆
動用DCブラシレス・スピンドルモータに用いた実施形
態を示している。図1において、図示のスピンドルモー
タはベースプレート2を備えている。ベースプレート2
は円形状のプレート本体4を有し、プレート本体4の外
周部には上方に延びる周側壁6が設けられ、この周側壁
6の外端部には、半径方向外方に突出する取付フランジ
8が設けられている。取付フランジ8は、図示していな
いが、たとえばハードディスク駆動装置のごときディス
ク駆動装置のベース部材に固定ねじによって取付けられ
る。ベースプレート2には動圧流体軸受け装置11を介
してロータ10が回転自在に支持されている。ロータ1
0は、円筒状のハブ本体12を備えている。ハブ本体1
2の下端部には、半径方向外方に突出するディスク載置
部14が設けられ、このディスク載置部14に磁気ディ
スクのごとき記録ディスクが所定の間隔を置いて複数枚
取付けられる。ハブ本体12の内周面には、ロータマグ
ネット16が装着され、このロータマグネット16に対
向してベースプレート2にはステータ18が配設され
る。ステータ18は、複数枚のコアプレートを積層した
ステータコア20と、このステータコア20に巻かれた
コイル22から構成されている。かく構成されているの
で、ステータ18のコイル22に電流が送給されると、
ステータ18とマグネット16の相互磁気作用によって
ロータ10が所定方向に回転駆動される。
【0011】次いで、動圧流体軸受け装置11について
説明すると、図示の動圧流体軸受け装置11は、軸部材
24とスリーブ部材26の組合わせから構成されてい
る。軸部材24は、断面が円形の細長い軸部28を有
し、この軸部28の他端部近傍には円盤状部材30が一
体に設けられ、この円盤状部材30が軸部28から半径
方向外方に突出するフランジ部32を構成している。実
施の形態では、軸部28と円盤状部材30とは一体に形
成されているが、両者を別体に形成して固定するように
することもできる。軸部材24の軸部28のフランジ部
32を越えて突出する他端部には、ロータ12が圧入の
ごとき手段によって固定されている。したがって、軸部
材24はロータ10に固定され、ベースプレート2に対
してロータ12と一体的に所定方向に回動される。
【0012】軸部材24の軸部28には、その一端(下
端)から上端まで延びる注入孔34が形成されている。
実施の形態では、注入孔34の一端は軸部28の下端面
に開口し、その他端は軸部28の上端面に開口し、その
一端開口から他端開口まで軸線方向に直線状に延びてい
る。この注入孔34の軸線方向上端部には、オイルのご
とき潤滑流体の注入方向に径が小さくなっているテーパ
部34aが設けられ、テーパ部34aを境にその上側で
は注入孔34の内径が幾分大きくなっており、その下側
では注入孔34の内径が幾分小さくなっている。注入孔
34を通しての潤滑流体の充填については、後述する。
【0013】スリーブ部材26は、中空円筒状のスリー
ブ部材本体36を備えている。スリーブ部材本体36
は、内径が小さい小内径部38、内径が上記小内径部3
8より大きい中内径部40、および内径が上記中内径部
40より大きい大内径部42を有し、小内径部38、中
内径部40および大内径部42がスリーブ部材本体36
の一端部(下端部)から他端部(上端部)に向けてこの
順序で配設されている。小内径部38の内径は軸部材2
4の軸部28の外径よりも幾分大きく、また中内径部4
0の内径は軸部材24のフランジ部32の外径よりも幾
分大きく設定されている。このようなスリーブ部材本体
36に軸部材28を装着すると、軸部材24の軸部28
がスリーブ部材本体36の小内径部38にスリーブ嵌合
(軸部材24の軸線方向の比較的長い領域において嵌合
されること)され、また、軸部材24のフランジ部30
がスリーブ部材本体36の中内径部40に配置され、ス
リーブ部材本体36の小内径部38、肩部46および中
内径部40と軸部材24の軸部28並びにフランジ部3
2の一面および周面との間には、潤滑流体のための間隙
が設けられる。
【0014】キャップ部材44は、スリーブ部材本体3
6と一体的に回転するようスリーブ部材本体36の大内
径部に装着され、固定され、スリーブ部材本体36の一
部を成している。キャップ部材44は軸部材24のフラ
ンジ部32の外側の面を覆っており、スリーブ部材本体
36の中内径部40と、この中内径部40と大内径部4
2の境を規定する肩部46と、キャップ部材44とによ
ってフランジ部32の表面のほぼ全域を囲繞するフラン
ジ囲繞部を構成する。このキャップ部材44に関連し
て、上記肩部46には環状凹部が設けられ、この環状凹
部に0リング48が配設されている。Oリング48は、
たとえば合成ゴム等から形成することができ、キャップ
部材44とスリーブ部材本体36との間をシールする。
なお、このキャップ部材44は、たとえばカシメ等の手
段によってスリーブ部材本体36に固定される。
【0015】スリーブ部材26の一端部(図1において
下端部)には、軸部材24の軸部28の一端部に間隙を
介して対向して閉塞部材50が装着されている。閉塞部
材50は、円形のプレート状部材から構成され、スリー
ブ部材本体36の一端面(下端面)に形成された環状凹
部にカシメ等の手段によって固定される。このように閉
塞部材50を設けることにより、スリーブ部材26の一
端部において小内径部38は閉塞され、スリーブ部材2
6は一端部が閉じられた収容空間を規定し、スリーブ部
材26および閉塞部材50によって規定された収容空間
は、図1に示すとおり、軸部材24の軸部28の一端部
を囲繞し、この収容空間は上記スリーブ嵌合部の間隙と
連通する。このような形態のモータでは、スリーブ部材
26と軸部材24との間の空間(この空間に潤滑流体が
充填される)はスリーブ部材26の他端部(大内径部4
2側)において外部に開放され、このスリーブ部材26
の他端部側からの潤滑流体の漏れを考慮するのみでよ
い。
【0016】本実施の形態では、スラスト動圧軸受け手
段およびラジアル動圧軸受け手段は、次のとおりに配置
されている。ラジアル動圧軸受け手段52,54は、軸
部材24の軸部28と、スリーブ部材26とのスリーブ
嵌合部に軸線方向に間隔を置いて配設され、軸部材24
に作用するラジアル力を支持する。一対のラジアル動圧
軸受け手段52,54の間の軸部材24の軸部28の部
分は、他の部分に比べて幾分小径となっている。ラジア
ル動圧軸受け手段52,54の動圧溝は、へリングボー
ン、スパイラル等の形状でよく、図1に破線で示すとお
り、スリーブ部材26の小内径部38の内周面に形成さ
れている。ラジアル動圧溝は、スリーブ部材26の内周
面に設けることに代えて、たとえば、軸部材24の軸部
28の外周面に設けてもよく、またスリーブ部材26の
内周面と軸部材24の軸部28の外周面の双方に設けて
もよい。また、スラスト動圧軸受け手段56は、軸部材
24のフランジ部32の内側の面(図1において下側の
一面)に設けられ、軸部材24に作用するスラスト力を
支持する。スラスト動圧軸受け手段56の動圧溝は、へ
リングボーン、スパイラル等の形状でよく、図1に破線
で示すとおり、フランジ部32の内側の面に形成されて
いる。このスラスト動圧溝は、フランジ部32の内側の
面に設けることに代えて、フランジ部32のこの一面と
対向するスリーブ部材26の対向面、すなわちスリーブ
部材26の小内径部38と中内径部40との間の肩部5
8の面(第一対向面を構成する)に設けるようにしても
よく、またフランジ部32の内側の面およびスリーブ部
材32の上記肩部58の面の双方に設けるようにしても
よい。
【0017】実施の形態では、軸部材24のフランジ部
32の外側の面(図1において上側の他面)に対向する
キャップ部材44の内面(スリーブ部材26の第二対向
面を構成する)に、テーパシール構造を構成するテーパ
60が設けられている。テーパ60は、半径方向外方に
向けてフランジ部32との間隔が狭くなっており、フラ
ンジ部32の他面に対向して環状のテーパ状空間を規定
する。このテーパ60は、表面張力によって潤滑流体に
半径方向外方に向かう力を付与する。テーパ60は、半
径方向外方に向けてキャップ部材44とフランジ部32
との間隔が小さくなっているので、モータの回転によっ
て軸部材24とスリーブ部材26とが相対回転すると、
テーパ60の潤滑流体には、その回転によって発生する
遠心力によっても半径方向外方への力が作用し、潤滑流
体の漏れ方向(半径方向内方)の移動が確実に防止され
る。この遠心力による半径方向外方への力は、潤滑流体
の半径方向内方への滲み(いわゆるマイグレーショ
ン)、潤滑流体のミスト、衝撃による飛散等が発生した
ときにも作用し、潤滑流体(又はその微粒子)は、この
遠心力によって半径方向内方に回収される。テーパ60
は、キャップ部材44の内面に代えて、又はこれと共に
軸部材24のフランジ部32の外側端面に設けることも
できるが、キャップ部材44に設けることによって容易
に形成することができる。フランジ部32の他面および
この他面に対向するキャップ部材44の内面の領域にス
ラスト動圧溝を設けることなく、本実施の形態ではキャ
ップ部材44の上記内面の少なくとも大部分の比較的広
い範囲にテーパ60が設けられているので、比較的大き
いスペースのテーパ状空間を形成することができ、潤滑
流体のための充分な流体溜とすることができる。このテ
ーパ60には潤滑流体のシール界面が位置し、テーパ6
0はシール機能をも有する。このように、フランジ部3
2の少なくとも大部分の領域(又はこの領域に対向する
キャップ部材44の内面)を利用してテーパ60が設け
られるので、温度が上昇して潤滑流体が膨張してもこの
テーパ60において熱膨張を吸収することができ、また
長期の使用によって潤滑流体が蒸発してもこのテーパ6
0に溜められた潤滑流体を補給用流体として利用するこ
とができる。図示の実施形態では、充分なテーパ状空間
を確保するために、テーパ60の開放側端は軸部材24
の軸部28に近い位置に位置し、この半径方向内側の位
置からフランジ部32の周縁に対向する位置まで断面で
見て直線状に形成されている。テーパ60の半径方向内
方には、軸部材24のフランジ部32の軸部28への付
け根部分に近くに位置する環状溝61が軸部材24のフ
ランジ部32の他面に形成され、この環状溝61に、潤
滑流体の流動を抑える撥油剤63(図2)が塗布されて
いる。撥油剤63は潤滑流体をはじき、半径方向内方へ
の流動、にじみを阻止する。
【0018】このような構成は、比較的小型のモータ、
たとえば直径2.5インチ以下の磁気ディスクを回転駆
動するハードディスク用スピンドルモータに好都合に適
用することができ、各種構成要素の寸法を次のように設
定することができる。図2を参照して、たとえば軸部材
24の軸部28の外径D1を3.0〜3.5mmに、フ
ランジ部32の外径D2を6.0〜6.5mmに、フラ
ンジ部32の厚みTを1.0〜1.5mmに、テーパ6
0の開放側端Pと軸部28との間隔Wを0.4〜0.5
mmに、テーパ60の閉塞側端Qをフランジ部32の周
縁に対向させ、テーパ60の閉塞側Qから開放側端Pに
至るテーパ角度αを20〜30度に設定されている。
【0019】本実施の形態では、図1に示すとおり、動
圧流体軸受け装置の潤滑流体62は、そのシール界面が
テーパ60に位置し、このシール界面よりも下側の軸部
材24とスリーブ部材26との間の間隙の実質上全域に
充填されている。すなわち、潤滑流体62は軸部材24
の軸部28の一端面(閉塞部材50に対向する面)から
ラジアル動圧軸受け手段52,54およびスラスト動圧
軸受け手段56を経てテーパ60まで実質上連続して充
填されている。したがって、容易に理解されるごとく、
潤滑流体62の漏れを防止するためのテーパ60は1個
所に設けるのみでよく、動圧流体軸受け装置、およびこ
れを用いたモータの構造を簡略化することができ、また
潤滑流体62の漏れの可能性も少なくなる。
【0020】潤滑流体62が軸部材24の軸部28の一
端面にも充填されるので、この軸部28の一端面に補助
スラスト動圧軸受け手段64を設けるようにしてもよ
い。補助スラスト動圧軸受け手段64は、軸部材24の
フランジ部32に設けられたスラスト動圧軸受け手段5
6のスラスト力を調整するために設けられる。スラスト
動圧軸受け手段64の動圧溝は、へリングボーン、スパ
イラル等の形状でよく、図1に破線で示すとおり、軸部
28の一端面に形成されている。この補助スラスト動圧
溝は、軸部28の一端面に設けることに代えて、閉塞部
材50の内面に設けるようにしてもよく、また軸部28
の一端面と閉塞部材50の双方に設けるようにしてもよ
い。
【0021】補助スラスト動圧軸受け手段64として
は、スラスト動圧軸受け手段56によるスラスト支持力
をアップさせる、すなわち軸部材28を浮上させる力を
大きくするときには、ポンプイン型の動圧溝構造が採用
される。この場合には、補助スラスト動圧軸受け手段部
64において潤滑流体62が内側に流入され、これによ
って軸部材24、したがってロータ10に浮上力が作用
する。
【0022】本実施の形態では、潤滑流体62中に混入
した空気を外部に排出するために、次の通り構成されて
いる。すなわち、軸部材24には、出口をフランジ部3
2の外周面に、入口を軸部28の一端面にそれぞれ形成
した潤滑流体62の圧力調整用チャンネル66が設けら
れている。具体的には、軸部28に形成した注入孔34
をチャンネル66の縦孔として利用し、フランジ部32
の外周面から注入孔34に連通する連通孔67を形成し
て構成される。注入孔34の連通孔67より上部は後述
する弾性栓体70によって閉塞される。ここで、ラジア
ル動圧軸受け手段52,54、スラスト動圧軸受け手段
58および補助スラスト動圧軸受け手段64における動
圧溝のうち一部又は全部は、潤滑流体62がチャンネル
66の出口からフランジ部32の周面および一面を通
り、軸部28の外周を下側へ移動し、その端面からチャ
ンネル66に流入するように、溝形状に工夫がなされて
おり、チャンネル66を含む上述した循環路を通して潤
滑流体62の循環が行われる。このように潤滑流体62
を循環させることによって、スラスト動圧溝56および
ラジアル動圧溝52,54によって生じる流体圧力も調
整される。
【0023】また、フランジ部32の外周面とこれに対
向するスリーブ部材本体36の中内径部40の内周面と
の間の間隙L1は、図2に拡大して示すとおり、毛細管
現象により潤滑流体62を保持する程度の間隔、たとえ
ばL1=50μmあるいはそれより若干小さい寸法に設
定されている。したがって、潤滑流体62中に混入する
気泡が温度上昇により膨張すると、膨張した気泡が潤滑
流体62の循環によってフランジ部32の外周面に案内
され、ここで空気と潤滑流体62とに分離され、潤滑流
体62は再びスラスト動圧軸受け手段58に向けて循環
され、空気はテーパ部60から軸部材24とキャップ部
材44との間を通って外部に排出される。
【0024】このチャンネル66には、必要に応じてフ
ィルタ68を配設することができる。フィルタ68は、
注入孔34に配設され、たとえば多孔質材料又は繊維材
料から形成することができる。フィルタ68は、潤滑流
体62中の摩耗粉等の不純物を捕捉し、これによって動
圧流体軸受け装置11の信頼性を向上させることができ
る。
【0025】図2に詳細に示すように、フランジ部32
の一辺部(下側辺部)の外周面には、半径方向外方に向
けて突出する環状の絞り突部69が設けられている。こ
の絞り突部69の外周面と中内径部40の内周面との間
の間隙L2は、たとえば20μmに設定されている。こ
の絞り突部69は、軸部材24の軸方向の衝撃に対し、
これが潤滑流体62中を移動することにより、加えられ
た衝撃を緩衝する。絞り突部69は潤滑流体62の循環
路の連通孔67より下側に位置しており、しかも上記間
隙L1を大きく絞るので、潤滑流体62から気泡を効果
的に分離する作用もある。
【0026】本実施の形態では、ステータ18は動圧流
体軸受け装置11のスリーブ部材26の外周面に装着さ
れ、このスリーブ部材26を介してベースプレート2に
支持されているが、これに代えて、たとえばベースプレ
ート2に環状支持壁を設け、この環状支持壁にステータ
18を取付けるようにしてもよい。このステータ18に
関連して、ステータ18とロータ10に装着されたロー
タマグネット16との磁気センタが軸部材24の軸線方
向に幾分ずれて配置されている。すなわち、マグネット
16の磁気的中心がステータ18の磁気的中心よりも上
下方向(図1において上下方向)上方に幾分ずれて配置
されている。それ故に、ステータ18に対するマグネッ
ト16の磁気的吸引作用によって、ロータ10にはベー
スプレート2に近接する方向の偏倚力(軸部材24の一
端面が閉塞部材50に近接する方向の偏倚力)が作用す
る。モータの回転時、軸部材24には、スラスト動圧軸
受け手段58によって図1において上方に浮き上がろう
とするスラスト力(補助スラスト動圧軸受け手段64が
設けられているときにはこれによって生じるスラスト力
をも含めた力)が作用し、このスラスト力とマグネット
16およびステータ18による図1において下方に押さ
えようとする磁気的偏倚力、すなわち磁気背圧力とが釣
り合い、ロータ10は上下方向に安定して回転する。こ
の磁気的偏倚力は、またロータ10のスリーブ部材26
からの抜けも防止する。
【0027】動圧流体軸受け装置11への潤滑流体62
の注入は、たとえば、次のように行うことによって比較
的簡単にかつ確実に注入することができる。図3(a)
〜(d)を参照して、潤滑流体62を注入するには、ま
ず、図3(a)に示すように、注入孔34にフィルタ6
8を装着した後、軸部材24に形成された注入孔34に
弾性栓体70を仮装着する。栓体70は、たとえば合成
ゴム、天然ゴム等から形成することができ、注入孔34
のテーパ部34aの形状に対応した形状を有するのが望
ましい。弾性栓体70のテーパ部72の一端部には、注
入孔34の小内径部に対応した小径部74が設けられ、
その他端部には注入孔34の大内径部に対応した大径部
76が設けられている。栓体70は図3(a)で示すと
おり、そのテーパ部72がロータ10側から注入孔34
のテーパ部34aに位置するように仮装着される。かく
仮装着すると、その小径部74が注入孔34の小内径部
に、また大径部76が注入孔34の大内径部に位置し、
この仮装着状態において、注入される潤滑流体62が栓
体70から漏れないようになっている。
【0028】次いで、図3(b)で示すとおり、仮装着
された栓体70を貫通して中空針78を挿入し、その先
端部を注入孔34の小内径部に突出させる。しかる後、
中空針78を通して潤滑流体62を栓体70の奥側に、
すなわち注入孔34の小内径部およびこれに連通する動
圧流体軸受け装置11の動圧空間、すなわち軸部材24
とスリーブ部材26の間に規定される間隙に潤滑流体6
2を注入する。
【0029】次に、図3(c)で示すとおり、栓体70
から中空針78を引抜いた後、棒状の押圧工具82によ
ってこの栓体70を押込み、図3(d)で示すとおり、
栓体70全体を注入孔34の小内径部内まで圧入する。
中空針78を引抜くと、栓体70には針貫通痕80が生
じ、動圧流体軸受け装置11の長期間に渡る使用によっ
てこの針貫通痕80から潤滑流体62の蒸発、漏れ等が
生じる恐れがある。それ故に、中空針78を引抜いた
後、これを注入孔34の小内径部に圧入する。このよう
に圧入することによって、特に栓体70の大径部76が
大きく弾性変形し、大径部76が注入孔34を弾性的に
確実に閉塞すると共に、大径部76において針貫通痕8
0が確実に閉塞され、潤滑流体62の栓体70を通して
の蒸発、漏れ等が確実に防止される。なお、弾性栓体7
0は、注入孔34に仮装着したときには幾分弾性変形
し、仮装着状態からさらに圧入したときには大きく弾性
変形するのが望ましく、このように弾性変形する適宜の
形状でよい。
【0030】栓体70を注入孔34の小内径部に圧入す
ると、これによってその内側に存在する潤滑流体62が
ラジアル動圧軸受け手段52,54およびスラスト動圧
軸受け手段56の動圧空間に送給され、図3(d)に示
すごとく、潤滑流体62は注入孔34の小内径部から軸
部材24の軸部28の一端面、軸部28の外周、フラン
ジ部32の内側面を経て所定レベルまで充填され、この
ようように所定レベルまで充填すると、潤滑流体62の
シール界面は、キャップ部材44のテーパ60に位置す
る。このような潤滑流体62の注入作業は、真空チャン
バ内において行うのが好ましく、また図3(a)〜
(d)に示すとおり潤滑流体62が注入される空間が上
側に位置する、換言すれば実施の形態ではロータ10が
下側に位置するように保持して行うのが望ましい。
【0031】上述した実施の形態では、本発明を軸回転
型のモータに適用して説明したが、図4に示す軸固定型
のモータにも同様に適用することができる。モータの第
2の実施形態を示す図4において、図示のモータは、ベ
ースプレート102とベースプレート102に対して相
対的に回転自在であるロータ104を備え、ベースプレ
ート102とロータ104との間に動圧流体軸受け装置
106が介在されている。本実施形態における動圧流体
軸受け装置106は、図1に示す動圧流体軸受け装置1
1と略同一の構成であり、それ故にその相違点について
のみ後述する。
【0032】この形態では、動圧流体軸受け装置106
は、図1の形態における適用例と上下を逆にして用いら
れている。すなわち、動圧流体軸受け装置106のスリ
ーブ部材108の一端部(閉塞部材110が設けられて
いる端部)がロータ104に結合されている。また、軸
部材112の突出端部(軸部114のフランジ部116
から軸線方向に突出する端部)がベースプレート102
に結合される。また、ベースプレート102には、スリ
ーブ部材106の外側に環状支持壁118が設けられ、
この環状支持壁118にステータ120が取付けられて
いる。
【0033】このモータでは、軸部材112がベースプ
レート102に固定されるので、軸部材112、したが
ってベースプレート102に対してスリーブ108がロ
ータ104と一体的に所定方向に回転駆動される。
【0034】なお、上述した説明から理解されるごと
く、動圧流体軸受け装置は共通部品として用いることが
でき、その使用においてもスリーブ部材の一端部を閉塞
する閉塞部材が上側に位置するように用いてもよく、こ
れとは反対に閉塞部材が下側に位置するように用いるこ
ともでき、動圧流体軸受け装置としては同様の作用効果
が達成される。
【0035】図4と共に図5を参照して、この第2実施
形態においては、ラジアル動圧軸受け手段122,12
4が軸部材112の軸部114、すなわちスリーブ部材
108とのスリーブ嵌合部に設けられ、このラジアル動
圧軸受け手段122,124の動圧溝126,128
が、軸部114の外周面に形成されている。また、スラ
スト動圧軸受け手段130がフランジ部116の一面
(図4、図5において上側の面)に設けられ、スラスト
動圧軸受け手段130の動圧溝132がこの一面に形成
されている。なお、このようなラジアル動圧溝126,
128およびスラスト動圧溝132の溝形状は、図1に
おいて明確に示していないが、上記第1の実施形態でも
同様に形成される。
【0036】第2の実施の形態では、軸部材112のフ
ランジ部116に、出口をフランジ部116の外周面
に、入口をフランジ部116の軸部114との付け根部
分におけるテーパ136が設けられた側とは反対側の一
面(内側の面)にそれぞれ形成した圧力調整用チャンネ
ル138が設けられている。この場合、フランジ部11
6の一面に形成したスラスト動圧軸受け手段130の動
圧溝は、潤滑流体124がフランジ部116の外周から
スラスト動圧軸受け手段130を通ってチャンネル13
8に流入するよう、溝形状が工夫され、チャンネル13
8は、フランジ部116の外周および一面とこれらに対
向するスリーブ部材108の内面との間の間隙とによっ
て循環路を形成する。したがって、軸部114とフラン
ジ部116との接続部分は気泡が溜まりやすくなってい
るが、フランジ部116の軸部114への付け根部分に
チャンネル126の入口が開口されているので、潤滑流
体124が循環路を循環することによって、第1の実施
の形態で説明したと同様にして気泡の外部への排出が円
滑に行われる。チャンネル126の入口は、図5に示す
とおり、スラスト動圧軸受け手段130の動圧溝132
が形成された領域より半径方向内方に設けるのが望まし
く、このチャンネル126は周方向に間隔を置いて2個
以上設けてもよい。なお、この第2の実施形態において
第1の実施形態における潤滑流体の循環構造を採用して
もよく、これと反対に、第2の実施形態の潤滑流体の循
環構造を第1の実施形態に用いてもよい。
【0037】なお、この実施形態では、軸部114の端
面(上面)に補助スラスト動圧軸受け手段を設ける場
合、潤滑流体124の循環に関係なくスラスト力の釣り
合いのみを考慮してポンプイン型又はポンプアウト型を
採用できる。ポンプイン型の場合は第1の実施形態で説
明したようにロータ104に浮上力を作用させることが
できる。一方、スラスト動圧軸受け手段130によるス
ラスト支持力を減ずる、すなわち軸部材112を浮上さ
せる力を小さくするときには、ポンプアウト型の動圧溝
が採用される。この場合には、補助スラスト動圧軸受け
手段において潤滑流体123が外側に流出され、これに
よって軸部材112、したがってロータ104に閉塞部
材110が軸部114の端面に向かう吸引力が作用す
る。
【0038】上述した実施形態では、いずれも、動圧流
体軸受けをモータに用いた場合について説明したが、回
転軸を回転支持する軸受け装置単独として用いることも
可能である。このような場合、スラスト動圧軸受け手段
によっ発生するスラスト力と釣り合う所定方向の磁気的
力を軸部材に作用させるためのロータマグネットとステ
ータが存在しないので、軸部材に上記スラスト力に釣り
合う力を作用させるための手段を別個に設ける必要があ
る。
【0039】動圧流体軸受け装置としての単独の使用例
を示す図6において、図示の動圧流体軸受け装置は、ス
リーブ部材202とスリーブ部材202に対して相対的
に回転自在である軸部材204を備えている。スリーブ
部材202の一端部には閉塞部材206が装着されてい
る。この例では、軸部材204が磁性材料から形成さ
れ、軸部材204に偏倚力を作用させる手段としてマグ
ネット片208が用いられている。閉塞部材206は非
磁性材料から形成され、この閉塞部材206の外面に円
板状マグネット片208が固定されている。マグネット
片208からの磁界は閉塞部材206を通して軸部材2
04に作用し、マグネット片208の磁気的作用によっ
て軸部材204には閉塞部材206に近接する方向の磁
気的力が作用する。この例においては、軸部材204の
軸部210にラジアル動圧軸受け手段214,216が
設けられ、そのフランジ部212の一面(図6において
下面)にスラスト動圧軸受け手段218が設けられてお
り、マグネット片218による磁気力はスラスト動圧軸
受け手段218の動圧溝によって発生するスラスト力と
釣合うように設定される。
【0040】また、この例では、軸部材204に圧力調
整用チャンネル220が設けられている。このチャンネ
ル220は、軸部材204の軸部210の端面に開口し
て軸線方向に延びる縦孔200aと、この縦孔200a
から半径方向外方に延びてフランジ部212の外周に開
口する連通孔200bから構成されている。潤滑流体2
22は、軸部210の端面からチャンネル220を通っ
てフランジ部212の外周に導かれ、さらにスリーブ部
材202のフランジ部212および軸部210との間に
規定された間隙を通って軸部210の上記端面に至る循
環路を通して循環される。潤滑流体の上述した循環は、
第1の実施形態と実質上同一であるので、上述したと同
様の効果が達成され、潤滑流体222中の気泡はこの循
環によって外部に排出される。この動圧流体軸受け装置
の他の構造は、第1の実施形態に採用されているものと
実質上同一である。
【0041】このような動圧流体軸受け装置による支持
構造においては、軸部材204は、図示していないが、
たとえばプーリおよびベルト等の駆動力伝動機構(図示
せずを介して電動モータのごとき駆動源の出力軸に駆動
連結され、駆動源の作用によって所定方向に回転駆動さ
れる。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1のモータにおいては、
軸部材のフランジ部の他面およびこれに対向するスリー
ブ部材の第二対向面の一方又は両方の比較的広い範囲わ
たってテーパが形成されているので、テーパによって規
定されるテーパ状空間を比較的大きくすることができ
る。このテーパは、表面張力によるシール機能に加えて
潤滑流体を保持する溜機能を有し、潤滑流体のシール界
面および潤滑流体溜のための充分な空間を確保すること
ができる。それ故に、温度が上昇して潤滑流体が膨張し
てもこのテーパにおいて熱膨張を吸収することができ、
また長期の使用によって潤滑流体が蒸発してもこのテー
パに溜められた潤滑流体を補給用流体として利用するこ
とができる。また、このテーパは半径方向外方に向けて
間隔が狭くなっているので、テーパに存在する潤滑流体
には、表面張力によって半径方向外方への力が作用する
と共に、軸部材とスリーブ部材とが相対回転したときに
発生する遠心力によっても半径方向外方への力が作用
し、潤滑流体の漏れ方向(半径方向内方)の移動が確実
に防止される。この遠心力による半径方向外方への力
は、潤滑流体の半径方向内方への滲み(いわゆる潤滑流
体のマイグレーション)、潤滑流体のミスト、衝撃によ
る飛散等が発生したときにも有効に作用し、半径方向内
方に移動しようとする潤滑流体(又はその微粒子)は、
遠心力によって半径方向内方に回収され、潤滑流体の滲
み、ミスト、飛散等による漏れを防止することができ
る。さらに、ステータとロータマグネットとが所定方向
の磁気背圧力を軸部材に作用するような相対位置関係に
あるので、このステータとロータマグネットによる磁気
偏倚手段による磁気背圧力がスラスト動圧溝によって発
生されるスラスト支持力と釣合い、フランジ部の他面側
にスラスト動圧軸受け手段を設けることなく、軸部材に
作用するスラスト方向の力が釣り合い、ロータマグネッ
トを含むロータを安定して回転することができる。
【0043】本発明の請求項2のモータにおいては、ス
リーブ部材には、軸部材の軸部と対向して閉塞部材が設
けられ、スリーブ部材は閉塞部材と共に軸部材の端部を
囲繞する収容空間を規定し、この収容空間はスリーブ嵌
合部の間隙と連続しているので、潤滑流体のためのシー
ルは、軸部材のフランジ部の他面においてのみでよく、
比較的簡単な構成でもって確実にシールすることができ
る。
【0044】本発明の請求項3のモータにおいては、軸
部材には、フランジ部の周面と軸部の端面とを連通する
チャンネルが設けられているので、軸部材とスリーブ部
材との間に充填された潤滑流体は、このチャンネルを通
しスラスト動圧軸受け手段およびラジアル動圧軸受け手
段を通して循環され、スラスト動圧軸受け手段およびラ
ジアル動圧軸受け手段にて発生する流体圧力が調整され
る。また、潤滑流体中に気泡が混入しても、潤滑流体の
循環によって混入した気泡がフランジ部の周面に導か
れ、フランジ部の外周において潤滑流体と空気とに分離
され、分離された空気が外部に排出される。
【0045】本発明の請求項4のモータにおいては、圧
力調整用チャンネルが長手方向に延びる縦孔とこの縦孔
とフランジ部外周を連通する連通孔から構成されるの
で、このチャンネルを比較的簡単に形成することができ
る。
【0046】本発明の請求項5のモータにおいては、縦
孔にフィルタが配設されているので、潤滑流体中に混入
している不純物を捕捉することができる。
【0047】本発明の請求項6のモータにおいては、潤
滑流体に混入した気泡は軸部材の軸部とフランジ部の接
続部に溜まり易いが、フランジ部の軸部への付け根部分
とフランジ部の外周とがチャンネルによって連通されて
いるので、溜まった気泡はチャンネルを通ってフランジ
部の外周に導かれ、フランジ部の外周にて潤滑流体と空
気とに分離され、分離された空気が外部に排出される。
【0048】本発明の請求項7のモータにおいては、フ
ランジ部の周面とそれに対向するスリーブ部材の内周面
との間の間隙が毛細管現象により潤滑流体を保持するよ
うに設定されているので、チャンネルを通してフランジ
部の外周に導かれた気泡は内部に入込むことが阻止さ
れ、潤滑流体の漏れが生じることはない。
【0049】本発明の請求項8のモータにおいては、フ
ランジ部の、スラスト動圧軸受け手段が設けられている
側の辺部には、半径方向外方に突出する緩衝用絞り突部
が設けられているので、軸部材とスリーブ部材との軸線
方向の相対的移動は、絞り突部が潤滑流体中を移動する
ことによって緩衝される。また、潤滑流体に混入された
気泡のスラスト動圧軸受け手段への流れも阻止される。
【0050】本発明の請求項9のモータにおいては、ス
リーブ部材のスラスト部を覆う蓋部にテーパが設けられ
ているので、比較的容易にテーパを形成することができ
る。
【0051】本発明の請求項10のモータにおいては、
フランジ部に設けられた環状溝に溌油剤が塗布されてい
るので、潤滑流体の漏れを一層確実に防止できる。
【0052】本発明の請求項11の動圧流体軸受け装置
においては、軸部材のフランジ部の他面およびこれに対
向するスリーブ部材の第二対向面の一方又は両方の比較
的広い範囲わたってテーパが形成され、このテーパは半
径方向外方に向かって間隔が狭くなっているので、上述
したのと同様の作用が達成される。また、軸部材には、
スラスト動圧溝によって発生するスラスト支持力とは反
対方向の力が作用するので、スラスト支持力とその反対
方向の力とが釣り合い、フランジ部の他面側にスラスト
動圧軸受け手段を設けることなく、軸部材を安定して回
転することができる。
【0053】本発明の請求項12の動圧流体軸受け装置
においては、スリーブ部材には、軸部材の軸部と対向し
て閉塞部材が設けられ、スリーブ部材は閉塞部材と共に
軸部材の端部を囲繞する収容空間を規定し、この収容空
間はスリーブ嵌合部の間隙と連続している。また、軸部
材には、フランジ部の周面と軸部の端面とを連通するチ
ャンネルが設けられている。したがって、上述したと同
様に、潤滑流体のシールが容易であり、また潤滑流体
は、このチャンネルを通しスラスト動圧軸受け手段およ
びラジアル動圧軸受け手段を通して循環され、スラスト
動圧軸受け手段およびラジアル動圧軸受け手段にて発生
する流体圧力が調整され、潤滑流体中の気泡も潤滑流体
から分離されて外部に排出される。
【0054】本発明の請求項13の動圧流体軸受け装置
においては、潤滑流体の注入孔に弾性栓体が装着される
ので注入した潤滑流体の漏れが防止される。
【0055】本発明の請求項14の動圧流体軸受け装置
においては、潤滑流体の注入に使用する注入孔が潤滑流
体を潤滑する潤滑経路の一部を構成するので、注入後の
注入孔が全く無駄にならないだけでなく、スラスト動圧
軸受け手段およびラジアル動圧軸受け手段にて発生する
流体圧力の調整機能をも有し、潤滑流体の潤滑路および
圧力調整機能のための構成が簡単となる。
【0056】本発明の請求項15の動圧流体軸受け装置
においては、軸部材が磁性材料から構成され、この軸部
材を磁気的に吸引するマグネット片が設けられるので、
比較的簡単な構成でもってスラスト動圧軸受け手段によ
って発生するスラスト力との釣り合いを保つことができ
る。
【0057】本発明の請求項16の動圧流体軸受け装置
においては、フランジ部の外面は、それと対向するスリ
ーブ部材の対向面と協働してテーパシール構造が設けら
れ、このテーパシール構造の部分が潤滑流体溜としても
利用されるので、テーパシール構造という比較的簡単な
構成でもって潤滑流体のシール機能および溜機能を持た
せることができる。また、スラスト動圧軸受け手段のス
ラスト支持力に釣り合う力を軸部材に作用させるための
手段が設けられているので、軸部材を安定して支持する
ことができる。
【0058】本発明の請求項19のモータにおいては、
フランジ部の外面は、それと対向するスリーブ部材の対
向面と協働してテーパシール構造が設けられ、このテー
パシール構造の部分が潤滑流体溜としても利用されるの
で、テーパシール構造という比較的簡単な構成でもって
潤滑流体のシール機能および溜機能を持たせることがで
きる。また、ステータとロータマグネットとは、スラス
ト動圧軸受け手段のスラスト支持力に釣り合う磁気力を
軸部材に作用させるような相対位置関係に配置されてい
るので、ロータマグネットを含むロータを安定して支持
することができる。
【0059】本発明の請求項17の動圧流体軸受け装置
および請求項20のモータにおいては、潤滑流体を循環
する循環路が設けられているので、潤滑流体の循環作用
によってスラスト動圧流体軸受け手段およびラジアル動
圧軸受け手段によって発生する流体圧力が調整され、軸
部材は安定して回転する。
【0060】本発明の請求項17の動圧流体軸受け装置
および請求項21のモータにおいては、循環路にフィル
タが配設されているので、潤滑流体の循環によってそれ
に混入した不純物が捕捉される。
【0061】本発明の請求項22のモータにおいては、
軸部材のフランジ部に対向するスリーブ部材の面の比較
的広い範囲にわたりテーパが設けられているので、この
テーパでもって充分なテーパ状空間を有するテーパシー
ル構造とすることができ、また潤滑流体の充分な溜とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う動圧流体軸受を備えたモータの第
1の実施形態を示す要部断面図である。
【図2】図1のモータにおける動圧流体軸受部分の部分
拡大断面図である。
【図3】図1のモータにおける潤滑流体の注入方法を説
明する簡略説明図である。
【図4】本発明に従う動圧流体軸受を備えたモータの第
2の実施形態を示す要部断面図である。
【図5】図4のモータにおける軸部材の一部を拡大して
示す部分斜視図である。
【図6】本発明に従う動圧流体軸受の他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
2,102 ベースプレート 10,104 ロータ 11,106 動圧流体軸受け装置 16 ロータマグネット 18 ステータ 24,112,204 軸部材 26,108,202 スリーブ部材 28,114,210 軸部 32,116,212 フランジ部 34 注入孔 44 キャップ部材 52,54,122,124,214,216 ラジア
ル動圧軸受け手段 56,130,218 スラスト動圧軸受け手段 60,122 テーパ 62,123,222 潤滑流体 70 弾性栓体 208 マグネット片

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部およびこの軸部から半径方向外方に
    突出し、軸部と一体的に回転する円盤状フランジ部を有
    する軸部材と、該軸部材との間に所定間隔をもって、軸
    部とスリーブ嵌合すると共に、フランジ部を囲繞し、軸
    部材に対して相対的に回転自在なスリーブ部材と、該ス
    リーブ部材と軸部材との間の間隙に充填された潤滑流体
    とを具備する動圧流体軸受け装置を備えたモータにおい
    て、 前記軸部材の軸部およびスリーブ部材の互いに対向する
    面の一方又は両方にラジアル動圧溝が設けられ、 前記軸部材のフランジ部の一面およびこれに対向するス
    リーブ部材の第一対向面の一方又は両方にスラスト動圧
    溝が設けられ、 前記軸部材のフランジ部の他面およびこれに対向するス
    リーブ部材の第二対向面の一方又は両方の、軸部に近い
    位置からフランジ部の周縁に至る比較的広い範囲に、半
    径方向外方に向かって間隔が狭くなるテーパが形成さ
    れ、 前記スリーブ部材のスリーブ嵌合部およびフランジ部を
    囲繞する部分の軸部材との間の間隙は連続していて、潤
    滑流体はスリーブ嵌合部の間隙からフランジ周面の間隙
    まで連続して充填され、 前記軸部材およびスリーブ部材のいずれか一方にはステ
    ータが一体的に設けられ、他方にはロータマグネットが
    一体的に回転するように設けられ、それらステータとロ
    ータマグネットとは、前記スラスト動圧溝によって発生
    するスラスト支持力に釣り合うスラスト支持力とは反対
    方向の磁気背圧力を軸部材に作用するような相対的位置
    関係にあることを特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 前記軸部材の軸部のフランジ部とは反対
    側の端部に間隙を介して対向する閉塞部材が前記スリー
    ブ部材に設けられ、該スリーブ部材は、閉塞部材と共に
    軸部材の端部を囲繞する収容空間を規定し、前記端部の
    間隙はスリーブ嵌合部の間隙と連続していて潤滑流体が
    満たされていることを特徴とする請求項1記載のモー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記軸部材には、フランジ部の周面と軸
    部の端面とを連通する圧力調整用チャンネルが設けられ
    ており、該圧力調整用チャンネルは軸部材とスリーブ部
    材との間の間隙によって潤滑流体の循環路を形成するこ
    とを特徴とする請求項2記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記軸部材には、その軸部の前記端部で
    開口し、長手方向に延びる縦孔と、該縦孔とフランジ部
    の周面とを連通する連通孔とが設けられたことを特徴と
    する請求項3記載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記縦孔には、潤滑流体に混入した不純
    物を捕獲するフィルタが設けられていることを特徴とす
    る請求項4記載のモータ。
  6. 【請求項6】 前記軸部材には、フランジ部の周面とフ
    ランジ部の一面における、フランジ部の軸部への付け根
    部近くとを連通する圧力調整用チャンネルが設けられ、
    該圧力調整チャンネルは前記フランジ部とスリーブ部材
    との間の間隙によって潤滑流体の循環路を形成すること
    を特徴とする請求項2記載のモータ。
  7. 【請求項7】 前記フランジ部の周面と前記スリーブ部
    材のフランジ部周面に対向する内周面との間の間隙は、
    毛細管現象により潤滑流体を保持する大きさに設定され
    ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    のモータ。
  8. 【請求項8】 前記フランジ部の周面の、スラスト動圧
    溝が設けられている側の辺部には、半径方向外方に突出
    する緩衝用絞り突部が設けられていることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載のモータ。
  9. 【請求項9】 前記スリーブ部材のフランジ部囲繞部
    は、前記フランジ部のスラスト動圧溝が設けられている
    側の面および周面に対向する面を有するスリーブ部材本
    体と、該スリーブ部材本体に固着され、フランジ部の、
    テーパが設けられている側の面に対向する蓋部とからな
    り、該蓋部にテーパが形成されていることを特徴とする
    請求項1記載のモータ。
  10. 【請求項10】 フランジ部の軸部への付け根部近くに
    環状溝が形成され、該環状溝に溌油剤が塗布されている
    ことを特徴とする請求項9記載のモータ。
  11. 【請求項11】 軸部およびこの軸部から半径方向外方
    に突出し、軸部と一体的に回転する円盤状フランジ部を
    有する軸部材と、該軸部材との間に所定間隔をもって、
    軸部とスリーブ嵌合すると共にフランジ部を囲繞し、軸
    部材に対して相対的に回転自在なスリーブ部材と、該ス
    リーブ部材と軸部材との間の間隙に充填された潤滑流体
    とを備えた動圧流体軸受け装置において、 前記軸部材の軸部およびスリーブ部材の互いに対向する
    面の一方又は両方にラジアル動圧溝が設けられ、 前記軸部材のフランジ部の一面およびこれに対向するス
    リーブ部材の第一対向面の一方又は両方にスラスト動圧
    溝が設けられ、 前記軸部材のフランジ部の他面およびこれに対向するス
    リーブ部材の第二対向面の一方又は両方の、軸部に近い
    位置からフランジ部の周縁に至る比較的広い範囲に、半
    径方向外方に向かって間隔が狭くなるテーパが形成さ
    れ、 前記スリーブ部材のスリーブ嵌合部およびフランジ部を
    囲繞する部分の軸部材との間の間隙は連続していて、潤
    滑流体はスリーブ嵌合部の間隙からフランジ周面の間隙
    まで連続して充填され、 前記軸部材には、前記スラスト動圧溝によって発生する
    スラスト支持力に釣り合うスラスト支持力とは反対方向
    の力が作用されることを特徴とする動圧流体軸受け装
    置。
  12. 【請求項12】 前記軸部材の軸部のフランジ部とは反
    対側の端部に間隙を介して対向する閉塞部材が前記スリ
    ーブ部材に設けられ、該スリーブ部材は、閉塞部材と共
    に軸部材の端部を囲繞する収容空間を規定し、前記端部
    の間隙はスリーブ嵌合部の間隙と連続していて潤滑流体
    が満たされており、さらに前記軸部材には、フランジ部
    の周面と軸部の端面とを連通する圧力調整用チャンネル
    が設けられ、該圧力調整用チャンネルは軸部材とスリー
    ブ部材との間の間隙とによって循環路を形成することを
    特徴とする請求項11記載の動圧流体軸受け装置。
  13. 【請求項13】 前記軸部材には、その一端から他端ま
    で貫通して潤滑流体を注入するための注入孔が形成さ
    れ、該注入孔には、注入された潤滑流体の漏れを防止す
    るための弾性栓体が装着されることを特徴とする請求項
    12記載の動圧流体軸受け装置。
  14. 【請求項14】 前記軸部材には、フランジ部の周面と
    前記注入孔の潤滑流体が充填される部分とを連通する連
    通孔が設けられ、該連通孔および注入孔によって圧力調
    整用チャンネルが形成されることを特徴とする請求項1
    3記載の動圧流体軸受け装置。
  15. 【請求項15】 前記軸部材は磁性材料から形成され、
    この軸部材に対向したマグネット片が設けられ、該マグ
    ネット片は、前記スラスト動圧溝によって発生するスラ
    スト支持力に釣り合うスラスト支持力とは反対方向の力
    を軸部材に作用することを特徴とする請求項11〜14
    のいずれかに記載の動圧流体軸受け装置。
  16. 【請求項16】 軸部およびこの軸部から半径方向に突
    出し、軸部と一体的に回転する円盤状フランジ部を有す
    る軸部材と、該軸部材との間に所定間隔をもって、軸部
    とスリーブ嵌合すると共にフランジ部を囲繞し、軸部材
    に対して相対的に回転自在なスリーブ部材と、該スリー
    ブ部材と軸部材との間のスリーブ嵌合部からフランジ囲
    繞部まで連続した間隙の所定レベルまで充填された潤滑
    流体とを備えた動圧流体軸受け装置において、 前記スリーブ嵌合部にラジアル動圧軸受け手段を設け、 前記フランジ部の内面側とそれに対向するスリーブ部材
    の対向面との部分にスラスト動圧軸受け手段を設け、 フランジ部の外面は、それに対向するスリーブ部材の対
    向面と協働して、前記潤滑流体を表面張力によって封止
    するテーパシール構造を形成すると共に、潤滑流体溜と
    して利用し、 前記フランジ部の内面側のスラスト動圧軸受け手段のス
    ラスト支持力に釣り合う力を前記軸部材に作用させる手
    段を備えたことを特徴とする動圧流体軸受け装置。
  17. 【請求項17】 前記軸部およびフランジ部における間
    隙に充填された潤滑流体に対し、軸部材の中を通る循環
    路を形成したことを特徴とする請求項16記載の動圧流
    体軸受け装置。
  18. 【請求項18】 前記循環路の中に、潤滑流体に混入し
    た不純物を捕獲するフィルタが設けられていることを特
    徴とする請求項17記載の動圧流体軸受け装置。
  19. 【請求項19】 軸部およびこの軸部から半径方向に突
    出し、軸部と一体的に回転する円盤状フランジ部を有す
    る軸部材と、該軸部材との間に所定間隔をもって、軸部
    とスリーブ嵌合すると共にフランジ部を囲繞し、軸部材
    に対して相対的に回転自在なスリーブ部材と、該スリー
    ブ部材と軸部材との間のスリーブ嵌合部からフランジ囲
    繞部まで連続した間隙の所定レベルまで充填された潤滑
    流体と、前記軸部材およびスリーブ部材の一方と結合し
    たステータと、前記軸部材およびスリーブ部材の他方と
    一体的に回転するよう結合されたロータマグネットとを
    備え、 前記スリーブ嵌合部にラジアル動圧軸受け手段を設け、 前記フランジ部の内面側とそれに対向するスリーブ部材
    の対向面との部分にスラスト動圧軸受け手段を設け、 フランジ部の外面は、それに対向するスリーブ部材の対
    向面と協働して、前記潤滑流体を表面張力によって封止
    するテーパシール構造を形成すると共に、潤滑流体溜と
    して利用し、 前記ステータとロータマグネットとは、前記フランジ部
    の内面側のスラスト動圧軸受け手段のスラスト支持力に
    釣り合う磁気力を前記軸部材に作用させるような相対位
    置関係に配置されたことを特徴とするモータ。
  20. 【請求項20】 前記スリーブ部およびフランジ部にお
    ける間隙に充填された潤滑流体に対し、軸部材の中を通
    る循環路を形成したことを特徴とする請求項19記載の
    モータ。
  21. 【請求項21】 前記循環路の中に、潤滑流体に混入し
    た不純物を捕獲するフィルタが設けられていることを特
    徴とする請求項20記載のモータ。
  22. 【請求項22】 前記スリーブ部材のフランジ外面に対
    向する面の比較的広い範囲にわたり、半径方向外方に行
    くに従ってフランジ部との間の距離が小さくなるテーパ
    が形成された請求項19記載のモータ。
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