JPH107804A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH107804A
JPH107804A JP18268296A JP18268296A JPH107804A JP H107804 A JPH107804 A JP H107804A JP 18268296 A JP18268296 A JP 18268296A JP 18268296 A JP18268296 A JP 18268296A JP H107804 A JPH107804 A JP H107804A
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JP
Japan
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group
component
compound
thermosetting resin
resin composition
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Application number
JP18268296A
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English (en)
Inventor
Kinji Yamada
欣司 山田
Hideetsu Fujiwara
秀悦 藤原
Takahiko Kurosawa
孝彦 黒澤
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種溶媒に対する溶解性および溶液としての
保存安定性に優れ、硬化時のクラックの発生がなく、し
かも耐熱性、透明性、電気絶縁性、耐湿熱性、各種基材
に対する密着性等に優れた硬化物を形成しうる熱硬化性
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)加水分解性オルガノシラン化合物
の加水分解物および/またはその部分縮合物、並びに
(B)加水分解性シリル基を有するポリヒダントイン誘
導体を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水分解性オルガ
ノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮
合物と加水分解性シリル基含有ポリヒダントイン誘導体
とを含有し、各種溶媒に対する溶解性および溶液として
の保存安定性に優れるとともに、優れた諸特性を有する
硬化物をもたらしうる新規な熱硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルコキシシラン化合物は、加水分解お
よびそれに続く脱水縮合反応によってポリシロキサン樹
脂を形成することはよく知られている。このポリシロキ
サン樹脂は熱硬化性を有し、その硬化物が耐熱性、電気
絶縁性に優れているものの、アルコキシシラン化合物を
出発原料とした場合、硬化時の体積収縮が大きいため、
硬化物にクラックが発生しやすいという問題があった。
そこで、アルコキシシラン化合物の加水分解物および/
またはその部分縮合物にアクリル樹脂等を配合して、硬
化時のクラック発生を防止しようとする試みが検討され
ており、例えば、オルガノシランの部分縮合物、コロイ
ダルシリカの分散液およびシリコーン変性アクリル樹脂
からなる組成物(例えば特開昭60−135465号公
報参照)、オルガノシランの縮合物、ジルコニウムアル
コキシドのキレート化合物および加水分解性シリル基含
有ビニル系樹脂からなる組成物(例えば特開昭64−1
769号公報参照)のほか、オルガノシランの部分縮合
物、加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂、金属キレー
ト化合物並びにβ−ジケトン類および/またはβ−ケト
エステル類からなる組成物(例えば特開平4−5882
4公報参照)等が提案されている。しかしながら、これ
らの組成物から得られる硬化物はいずれも、ポリシロキ
サン樹脂本来の耐熱性が損なわれるという欠点がある。
一方、ポリヒダントイン類は、既知の化合物であり、例
えば、(イ)α−ハロゲノカルボン酸誘導体とポリイソ
シアネート化合物との反応、(ロ)α−ハロゲノカルボ
ン酸誘導体とポリアミン化合物およびポリイソシアネー
ト化合物との反応、(ハ)α,β−不飽和カルボン酸誘
導体とポリイソシアネート化合物との反応、(ニ)α,
β−不飽和カルボン酸誘導体とポリカルボジイミドとの
反応等により得ることができる。このようなポリヒダン
トイン類は、各種溶媒に対する溶解性および溶液状態で
の保存安定性に優れており、分子中に例えば遊離イソシ
アネート基を有するものでは熱硬化性を有し、その硬化
物は電気絶縁性は良好であるが、耐熱性がポリシロキサ
ン樹脂に比べて低いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術における問題点を背景になされたもので、その課題
は、各種溶媒に対する溶解性および溶液としての保存安
定性に優れるとともに、硬化時にクラックを発生するこ
とがなく、しかも耐熱性、透明性、電気絶縁性、耐湿熱
性、各種基材に対する密着性等に優れた硬化物を形成し
うる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(A)
加水分解性オルガノシラン化合物の加水分解物および/
またはその部分縮合物、並びに(B)加水分解性シリル
基を有するポリヒダントイン誘導体を含有することを特
徴とする熱硬化性樹脂組成物、からなる。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。(A)成分 本発明における(A)成分は、加水分解性オルガノシラ
ン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物か
らなる。前記加水分解性オルガノシラン化合物として
は、下記一般式(1) (R1)n Si (OR2)4-n ・・・(1) (但し、R1は炭素数1〜8の有機基、R2は炭素数1〜5
のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示し、n
は0〜2の整数である。)で表されるシラン化合物(以
下、「シラン化合物(I)」という。)が好ましい。一
般式(1)において、R1の炭素数1〜8の有機基として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖あるい
は分岐鎖のアルキル基のほか、3−クロロプロピル基、
3−ブロモプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピ
ル基、3−グリシドキシプロピル基、3−(メタ)アク
リルオキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3
−アミノプロピル基、3−ジメチルアミノプロピル基、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、ビ
ニル基、フェニル基等を挙げることができる。一般式
(1)において、R1が2個存在するとき、各R1は相互に
同一でも異なってもよい。また、R2の炭素数1〜5のア
ルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチ
ル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基等の直鎖あるいは分岐鎖の基を挙げることができ、炭
素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基等を挙げることができる。
一般式(1)において、R2が2〜4個存在するとき、各
R2は相互に同一でも異なってもよい。
【0006】このようなシラン化合物(I)の具体例と
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−
i−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルト
リエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、
i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメト
キシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン等のアルキ
ルトリアルコキシシラン類;3−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラ
ン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラ
ン等のハロアルキルトリアルコキシシラン類;3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン等のグリシドキシアルキ
ルトリアルコキシシラン類;3−(メタ)アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリル
オキシプロピルトリエトキシシラン等(メタ)アクリル
オキシアルキルトリアルコキシシラン類;3−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン等のメルカプトアルキルトリアル
コキシシラン類;3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ
アルキルトリアルコキシシラン類;ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアル
コキシシラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン等のフェニルトリアルコキシシラ
ン類;3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメト
キシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルト
リエトキシシラン等の3,4−エポキシシクロヘキシル
アルキルトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキ
シシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピ
ルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラ
ン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロ
ピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン
類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシ
ラン、エチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセト
キシシラン、ジエチルジアセトキシシラン等のアシルオ
キシシラン類等を挙げることができる。これらのシラン
化合物(I)のうち、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン等が好ましい。前記シラン化合物
(I)は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0007】本発明において、(A)成分は、シラン化
合物(I)を予め加水分解・部分縮合させて使用するこ
ともできるが、通常、シラン化合物(I)と後述する
(B)成分とを配合する際に、適量の水を添加すること
により、組成物の調製時にシラン化合物(I)を加水分
解・部分縮合させて、(A)成分とする。シラン化合物
(I)を加水分解・部分縮合させる際の水の添加量は、
シラン化合物(I)中のアルコキシシリル基および/ま
たはアシルオキシシリル基1当量当たり、通常、0.3
〜1モル、好ましくは0.3〜0.8モル程度である。
(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により求めたポリスチレン換算重量平均分子
量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,00
0〜100,000である。
【0008】(B)成分 本発明における(B)成分は、加水分解性シリル基を有
するポリヒダントイン誘導体からなる。(B)成分とし
ては、下記一般式(2)
【0009】
【化1】
【0010】(但し、R1は炭素数1〜8の有機基、R2
炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル
基を示し、mは0〜2の整数である。)で表される加水
分解性シリル基(以下、「加水分解性シリル基(2)」
という。)を有するポリヒダントイン誘導体が好まし
い。一般式(2)において、R1の炭素数1〜8の有機基
およびR2の炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜
4のアシル基としては、例えば、それぞれ一般式(1)
におけるR1およびR2について例示した基を挙げることが
できる。一般式(2)において、R1が2個存在すると
き、各R1は相互に同一でも異なってもよく、R2が2〜3
個存在するとき、各R2は相互に同一でも異なってもよ
い。また、一般式(2)におけるR1およびR2は、それぞ
れ一般式(1)におけるR1およびR2と同一でも異なって
もよい。このような加水分解性シリル基(2)含有ポリ
ヒダントイン誘導体の反応原料となるポリヒダントイン
類は、下記一般式(3)
【0011】
【化2】
【0012】で表されるヒダントイン環構造を少なくと
も1種有する樹脂であり、種々の方法で合成することが
できる。ポリヒダントイン類の合成法としては、例え
ば、前述した(イ)α−ハロゲノカルボン酸誘導体とポ
リイソシアネート化合物とを反応させる方法、(ロ)α
−ハロゲノカルボン酸誘導体とポリアミン化合物との反
応生成物にさらにポリイソシアネート化合物を反応させ
る方法、(ハ)α,β−不飽和カルボン酸誘導体とポリ
イソシアネート化合物とを反応させる方法、(ニ)α,
β−不飽和カルボン酸誘導体とポリカルボジイミド化合
物とを反応させる方法のほか、(ホ)ビスグリシン誘導
体とポリイソシアネート化合物とを反応させる方法、
(ヘ)ビス(N−カルボアルコキシアミノ)化合物とビ
ス(N−カルボアルコキシメチルアミノ)化合物とを反
応させる方法等を挙げることができる。したがって、本
発明における(B)成分は、前記(イ)〜(ヘ)等の各
方法に使用される少なくとも1種の反応原料に、加水分
解性シリル基(2)を有する化合物を使用する同様の方
法により合成することができるが、前記(ハ)および
(ニ)の方法に準ずる方法が、副反応の生じるおそれが
少ない点で好ましい。また、本発明における(B)成分
は、前記(イ)〜(ヘ)等の方法により得たポリヒダン
トイン類を、加水分解性シリル基(2)を含有する各種
シランカップリング剤で処理することにより合成するこ
ともできる。
【0013】本発明における(B)成分の合成法の具体
例を示すと、下記(イ−1)〜(ヘ−2)の方法等を挙
げることができる。 (イ−1)α−ハロゲノカルボン酸誘導体と加水分解性
シリル基(2)含有ジイソシアネート化合物とを、場合
により有機ジイソシアネート化合物と共に、反応させる
方法。(イ−1)の方法に使用されるα−ハロゲノカル
ボン酸誘導体としては、例えば、クロル酢酸、ブロム酢
酸、α−クロルプロピオン酸、α−ブロムプロピオン
酸、α−クロル酪酸、α−ブロム酪酸、α−クロル−2
−エチルヘキサン酸、α−ブロム−2−エチルヘキサン
酸、α−クロルステアリン酸、α−ブロムステアリン
酸、α−クロルフェニル酢酸、α−ブロムフェニル酢
酸、α−クロルジフェニル酢酸、α−フェニルジブロム
酢酸、α−クロルメチル酢酸、α−ブロムメチル酢酸、
α−クロルジメチル酢酸、α−ブロムジメチル酢酸、α
−クロルイソプロピル酢酸、α−ブロムイソプロピル酢
酸、α−クロルシクロヘキサン酸、α−ブロムシクロヘ
キサン酢酸等を挙げることができる。これらのα−ハロ
ゲノカルボン酸誘導体は、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。
【0014】また、(イ−1)の方法に使用される加水
分解性シリル基(2)含有ジイソシアネート化合物は、
例えば、イソシアネート基との反応性を有する基と加水
分解性シリル基(2)とを含有するシラン化合物を、3
官能イソシアネート化合物と1:1のモル比で反応させ
るか、あるいは4官能イソシアネート化合物と2:1の
モル比で反応させることにより得ることができる。前記
イソシアネート基との反応性を有する基と加水分解性シ
リル基(2)とを含有するシラン化合物としては、例え
ば、メルカプトメチルトリメトキシシラン、2−メルカ
プトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメト
キシメチルシラン等のメルカプトシラン類;3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチル
シラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、
3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルジメチルエトキシシラン、(2−アミノエチ
ルアミノ)メチルトリメトキシシラン、3−(2−アミ
ノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−
(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチル
シラン、3−〔2−(2−アミノエチルアミノ)エチル
アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、N−(3−トリ
メトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリエト
キシシリルプロピル)ウレア、2−(2−アミノエチル
チオ)エチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエ
チルチオ)エチルトリエトキシシラン、2−(2−アミ
ノエチルチオ)エチルジメトキシメチルシラン、2−
(2−アミノエチルチオ)エチルジエトキシメチルシラ
ン等のアミノシラン類;ビス(3−トリメトキシシリル
プロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロ
ピル)アミン、3−シクロヘキシルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−シクロヘキシルアミノプロピルジ
メトキシメチルシラン、3−フェニルアミノプロピルト
リメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルジメト
キシメチルシラン、3−ベンジルアミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−ベンジルアミノプロピルジメトキシ
メチルシラン、3−(p−ビニルベンジルアミノ)プロ
ピルトリメトキシシラン、3−(p−ビニルベンジルア
ミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−アリルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプ
ロピルジメトキシメチルシラン、3−ピペラジノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−ピペラジノプロピルジメト
キシメチルシラン等のイミノシラン類等を挙げることが
できる。これらのシラン化合物は、単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。
【0015】前記3官能イソシアネート化合物として
は、例えば、フェニル−1,3,5−トリイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−2,5,4’−トリイソシア
ネート、トリフェニルメタン−2,4’,4”−トリイ
ソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−
トリイソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−ト
リイソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリ
ス(メチルイソシアネート)、3,5−ジメチルシクロ
ヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネー
ト)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,
3,5−トリス(メチルイソシアネート)、ジシクロヘ
キシルメタン−2,4,2’−トリイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタン−2,4,4’−トリイソシアネ
ート等を挙げることができる。これらの3官能イソシア
ネート化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。前記4官能イソシアネート化合物と
しては、例えば、ジフェニルメタン−2,4,2’,
4’−テトライソシアネート、ジフェニルメタン−2,
5,2’,5’−テトライソシアネート等を挙げること
ができる。これらの4官能イソシアネート化合物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0016】また、前記有機ジイソシアネート化合物と
しては、例えば、フェニレン−1,3−ジイソシアネー
ト、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メト
キシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチ
ルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4
−キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェ
ニレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメ
チルビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ
ート、シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート、シ
クロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘ
キシレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキ
シレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロ
ヘキシレン−2,6−ジイソシアネート、1−イソシア
ネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネート
メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,3−ビス
(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,4−
ビス(メチルイソシアネート)、イソホロンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,
6−ジイソシアネート、ドデカメチレン−1,12−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステ
ル等を挙げることができる。これらの有機ジイソシアネ
ートは、単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0017】(ロ−1)前記α−ハロゲノカルボン酸誘
導体と芳香族ジアミン化合物との反応生成物に、さらに
前記加水分解性シリル基(2)含有ジイソシアネート化
合物を、場合により前記有機ジイソシアネート化合物と
共に、反応させる方法。前記芳香族ジアミン化合物とし
ては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6−ジ
アミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、ベン
ジジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミ
ノベンゾフェノン、1,4−ビス(p−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−ビス(p−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン等を挙げることができる。これ
らの芳香族ジアミン化合物は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。
【0018】(ハ−1)加水分解性シリル基(2)含有
α,β−不飽和カルボン酸誘導体を、場合により遊離カ
ルボキシル基含有α,β−不飽和カルボン酸誘導体と共
に、前記有機ジイソシアネート化合物および/または前
記加水分解性シリル基(2)含有ジイソシアネート化合
物と反応させる方法。前記加水分解性シリル基(2)含
有α,β−不飽和カルボン酸誘導体は、例えば、マレイ
ン酸、フマル酸あるいは無水マレイン酸を、カルボキシ
ル基あるいはカルボン酸無水物基との反応性を有する基
と加水分解性シリル基(2)とを含有するシラン化合物
と反応させることにより得ることができる。前記カルボ
ン基あるいはカルボン酸無水物基との反応性を有する基
と加水分解性シリル基(2)とを含有するシラン化合物
としては、前記(イ−1)の方法で例示したメルカプト
シラン類、アミノシラン類およびイミノシラン類のほ
か、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3
−グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルジメトキシメチルシラン等のエポキシシラン類;3
−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イ
ソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシ
アネートプロピルジメトキシメチルシラン、3−イソシ
アネートプロピルジエトキシメチルシラン等のイソシア
ネートシラン類等を挙げることができる。これらのシラ
ン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。また、前記遊離カルボキシル基含有α,
β−不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モ
ノ−n−プロピル、マレイン酸モノ−i−プロピル、マ
レイン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノ−n−ヘキ
シル等のマレイン酸モノエステル類;フマル酸モノメチ
ル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ−n−プロピ
ル、フマル酸モノ−i−プロピル、フマル酸モノ−n−
ブチル、フマル酸モノ−n−ヘキシル等のフマル酸モノ
エステル類等を挙げることができる。これらのα,β−
不飽和カルボン酸誘導体は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。
【0019】(ハ−2)前記遊離カルボキシル基含有
α,β−不飽和カルボン酸誘導体と前記加水分解性シリ
ル基(2)含有ジイソシアネート化合物とを、場合によ
り前記有機ジイソシアナート化合物と共に、反応させる
方法。 (ニ−1)加水分解性シリル基(2)含有ポリカルボジ
イミド化合物と前記遊離カルボキシル基含有α,β−不
飽和カルボン酸誘導体および/または前記加水分解性シ
リル基(2)含有α,β−不飽和カルボン酸誘導体と
を、反応させる方法。前記加水分解性シリル基(2)含
有ポリカルボジイミド化合物は、例えば、有機ポリイソ
シアネート化合物を、イソシアネート基のカルボジイミ
ド化反応を促進する触媒の存在下で、場合により前記有
機ジイソシアナート化合物と共に、脱炭酸縮合反応させ
ることによりポリカルボジイミドを合成する公知の方法
において、該ポリイソシアネート化合物として、前記加
水分解性シリル基(2)含有ジイソシアネート化合物あ
るいはそれと前記有機ジイソシアナート化合物を使用す
ることにより得ることができる。 (ニ−2)前記脱炭酸縮合反応により得られるポリカル
ボジイミド化合物と前記加水分解性シリル基(2)含有
α,β−不飽和カルボン酸誘導体とを、場合により前記
遊離カルボキシル基含有α,β−不飽和カルボン酸誘導
体と共に、反応させる方法。
【0020】(ホ−1)芳香族ビスグリシン誘導体と前
記加水分解性シリル基(2)含有ジイソシアネート化合
物とを、場合により前記有機ジイソシアナート化合物と
共に、反応させる方法。前記芳香族ビスグリシン誘導体
としては、例えば、メチレンビス(N−フェニルグリシ
ンメチルエステル)、メチレンビス(N−フェニルグリ
シンエチルエステル)、メチレンビス(N−フェニルグ
リシンプロピルエステル)、メチレンビス(N−フェニ
ルグリシンブチルエステル)、m−フェニレンビスイミ
ノ酢酸メチルエステル、m−フェニレンビスイミノ酢酸
エチルエステル、p−フェニレンビスイミノ酢酸メチル
エステル、p−フェニレンビスイミノ酢酸エチルエステ
ル、オキシビス(N−フェニルグリシンメチルエステ
ル)、スルホニルビス(N−フェニルグリシンメチルエ
ステル)、チオビス(N−フェニルグリシンメチルエス
テル)等を挙げることができる。これらの芳香族ビスグ
リシン誘導体は、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。 (ヘ−1)加水分解性シリル基(2)含有ビス(N−カ
ルボアルコキシアミノ)化合物とビス(N−カルボアル
コキシメチルアミノ)化合物とを反応させる方法。前記
加水分解性シリル基(2)含有ビス(N−カルボアルコ
キシアミノ)化合物は、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール、t−ブタノール等のモノア
ルコール類またはモノフェノール類と、前記加水分解性
シリル基(2)含有ジイソシアネート化合物との反応に
より得ることができる。また、前記ビス(N−カルボア
ルコキシメチルアミノ)化合物は、例えば、クロロ酢酸
メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピル、クロ
ロ酢酸ブチル、、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチ
ル、ブロモ酢酸プロピル、ブロモ酢酸ブチル等のハロゲ
ノ酢酸アルキル化合物と、1,1−ジアミノメタン、
1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、
1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、
1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタ
ン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナ
ン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノド
デカン、o−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼ
ン、p−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエ
ン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ジアミノナフ
タレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミ
ノナフタレン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン等のジアミン化合物との反
応により得ることができる。 (ヘ−2)ビス(N−カルボアルコキシアミノ)化合物
と加水分解性シリル基(2)含有ビス(N−カルボアル
コキシメチルアミノ)化合物とを反応させる方法。前記
ビス(N−カルボアルコキシアミノ)化合物は、例え
ば、前記モノアルコール類またはモノフェノール類と前
記有機ジイソシアナート化合物との反応により得ること
ができる。また、前記加水分解性シリル基(2)含有ビ
ス(N−カルボアルコキシメチルアミノ)化合物は、例
えば、前記イソシアネート基との反応性を有する基と加
水分解性シリル基(2)とを含有するシラン化合物と、
1,2,4−トリアミノベンゼン、メラミン等のトリア
ミン化合物とを、1:1のモル比で反応させて得られる
加水分解性シリル基(2)含有ジアミン化合物を、前記
ハロゲノ酢酸アルキル化合物と反応させることにより得
ることができる。
【0021】前記(イ−1)〜(ヘ−2)の方法におけ
る反応は、通常、0〜250℃で数分〜数時間行なう。
また、これらの反応は、通常、無触媒下で行なわれる
が、必要に応じて、例えば、トリエチルアミン、N−メ
チルモルホリン、エチレンピペラジン等の塩基類;p−
トルエンスルホン酸、硫酸、硝酸等の酸類;鉄、鉛、亜
鉛、錫、銅、コバルト、チタン、マンガン等の金属類;
チタンテトラブチレート、チタンアミノアルコール、鉄
アセチルアセトネート、ジブチル錫ラウレート、酢酸
鉛、オクタン酸錫、ナトリウムt−ブチラート、ナトリ
ウムメチラート等の金属含有有機化合物等の触媒の存在
下で実施することもできる。また、これらの反応は、無
溶媒下で、または適当な不活性溶媒中で実施することが
できる。前記不活性溶媒としては、(B)成分およびそ
の反応原料に対して不活性であり、かつそれらを溶解し
うるものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、ケトン系溶
媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、
芳香族炭化水素系溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げ
ることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。以上のようにして
合成された(B)成分は、溶液として、あるいは溶液か
ら分離して使用することができる。この場合、(B)成
分を溶液から分離する方法としては、例えば、(B)成
分の溶液を、該成分に対して不活性な非溶媒中に添加
し、生じた沈澱物あるいは油状物をろ過またはデカンテ
ーションにより分離・採取する方法;噴霧乾燥により分
離・採取する方法;(B)成分の合成に用いた不活性溶
媒に対する(B)成分の温度による溶解度変化を利用し
て分離・採取する方法、即ち、合成直後は該溶媒に溶解
している(B)成分が系の温度を下げることにより析出
する場合、その混濁液からろ過等により分離・採取する
方法等を挙げることができ、さらに、これらの分離・採
取方法を適宜組合せて行うこともできる。
【0022】本発明における(B)成分中の加水分解性
シリル基(2)の含有率は、通常、0.1〜70重量
%、好ましくは0.5〜60重量%、特に好ましくは1
〜50重量%である。この場合、加水分解性シリル基
(2)の含有率が0.1重量%未満では、熱硬化性樹脂
組成物から得られる硬化物の透明性や均質性が低下する
傾向がある。なお、(B)成分中に加水分解性シリル基
(2)を70重量%を超えて含有させることは、実際上
不可能である。本発明において、(B)成分は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。本発
明における(B)成分の配合割合は、(A)成分100
重量部に対して、通常、5〜1000重量部、好ましく
は10〜800重量部、さらに好ましくは15〜600
重量部である。この場合、(B)成分の配合割合が5重
量部未満では、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化時に
クラックを発生する場合があり、また1000重量部を
超えると、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。
【0023】さらに、本発明においては、前記(A)成
分および(B)成分以外に、下記(C)成分および
(D)成分を使用することが好ましい。(C)成分 (C)成分は、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウ
ムの群から選ばれる金属のキレート化合物からなる。こ
れらの化合物は、(A)成分と(B)との間の縮合反応
を促進し、両成分の共縮合物の形成を促進する作用をな
すものと考えられる。このような(C)成分としては、
例えば、一般式Zr(OR3)p (R4COCHCOR5)4-p 、Ti(OR3)q
(R4COCHCOR5)4-q またはAl(OR3)r (R4COCHCOR5)3-rで表
される化合物、あるいはこれらの化合物の部分加水分解
物を挙げることができる。前記各式において、R3および
R4は、それぞれ独立にエチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の直鎖もし
くは分岐鎖のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜5の
1価のエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペ
ンチル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基、またはメ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブ
トキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステア
リルオキシ基等の炭素数1〜16の直鎖または分岐鎖の
アルコキシ基を示す。各式中にR3、R4あるいはR5が2個
以上存在するとき、それぞれの基は相互に同一でも異な
ってもよい。また、pおよびqは0〜3の整数、rは0
〜2の整数である。
【0024】(C)成分の具体例としては、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化
合物;ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチ
ルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセテート)チタニウム等のチタンキレート
化合物;ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテート
アルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセテー
トアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセト
アセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(ア
セチルアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセテ
ート)アルミニウム、モノアセチルアセテート・ビス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニ
ウムキレート化合物等を挙げることができる。これらの
化合物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセ
テートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・エ
チルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルア
セトアセテート)アルミニウムが好ましい。本発明にお
いて、(C)成分は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。(C)成分の配合割合は、
(A)成分の原料であるシラン化合物(1)100重量
部に対して、通常、0.01〜50重量部、好ましくは
0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜10重
量部である。(C)成分をこのような配合割合で使用す
ることにより、硬化物の透明性がさらに改善される。
【0025】(D)成分 (D)成分は、一般式 R4COCH2COR5 (但し、R4およびR5は、それぞれ前記(C)成分の金属
キレート化合物を表す前記一般式におけるR4およびR5
同義であるが、両者のR4およびR5は、それぞれ同一でも
異なってもよい。)で表されるβ−ジケトン類および/
またはβ−ケトエステル類からなり、本発明の熱硬化性
樹脂組成物の保存安定性をさらに向上させる作用を有す
るものである。即ち、(D)成分は、前記(C)成分を
なす金属キレート化合物中の金属原子に配位することに
より、該金属キレート化合物の(A)成分と(B)との
間の縮合反応の促進作用を適度に抑制することによっ
て、得られる熱硬化性樹脂組成物の保存安定性を向上さ
せる作用を有するものと考えられる。このような(D)
成分の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸
メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、
アセト酢酸i−プロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセ
ト酢酸i−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト
酢酸t−ブチル、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘ
プタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オク
タンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナン
ジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−
ヘキサンジオンを挙げることができる。これらの化合物
のうち、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルが好まし
く、特にアセチルアセトンが好ましい。本発明におい
て、(D)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。(D)成分の配合割合は、(C)
成分1モル当り、通常、2モル以上、好ましくは3〜2
0モル、さらに好ましくは4〜15モルである。この場
合、(D)成分の配合割合が2モル未満では、得られる
熱硬化性樹脂組成物の保存安定性の向上効果が低下する
傾向がある。
【0026】他の添加剤 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記(A)成分および
(B)成分を必須とし、好ましくは前記(A)〜(D)
成分を主成分とするが、さらに種々の添加剤を配合する
ことができる。即ち、硬化物の耐クラック性をさらに改
善するために、オルガノポリシロキサン(以下、
「(E)成分」という。)を少なくとも1種配合するこ
とができる。このような(E)成分としては、一般式 (R1)s SiO (4-s)/2 (但し、R1は一般式(1)のR1と同義であるが、両者の
R1は同一でも異なってもよく、sは平均1.1〜1.8
の数である。)で表される繰返し単位を有し、Mwが、
通常、2,000〜20,000であり、シラノール基
および/またはアルコキシル基を、通常、1重量%以
上、好ましくは3重量%以上含有するオルガノポリシロ
キサンが好ましい。このような(E)成分の具体例とし
ては、東レシリコーン(株)製SR2402、東芝シリ
コーン(株)製XR31−323、同YR−3370等
を挙げることができる。成分(E)の配合割合は、
(A)成分と(B)成分の固形分合計の、通常、100
重量%以下、好ましくは80重量%以下である。この場
合、成分(E)の配合割合が100重量%を超えると、
硬化物が不透明で不均質となる場合がある。(E)成分
の添加方法は特に限定されるものではなく、本発明の熱
硬化性樹脂組成物を調製する際および/または調製後の
適宜の段階で添加することができる。
【0027】硬化物の硬度をさらに高めるために、コロ
イド状シリカおよび/またはコロイド状アルミナ(以
下、これらをまとめて「(F)成分」という。)を少な
くとも1種配合することができる。前記コロイド状シリ
カは、高純度無水ケイ酸を水および/または親水性有機
溶媒中に分散した分散液であり、その平均粒径は、通
常、5〜100nm、好ましくは10〜50nmで、固
形分濃度は、通常、10〜40重量%程度である。この
ようなコロイド状シリカは、例えば、スノーテックス、
メタノールシリカゾル、MA−ST−M、IPA−S
T、EG−ST、EG−ST−ZL、NPC−ST、D
MAC−ST、MEK−ST、XBA−ST、MIBK
−ST(以上、日産化学工業(株)製);カタロイドS
N、オスカル(以上、触媒化成工業(株)製);Lud
ex(米国デュポン社製);Syton(米国モンサン
ト社製);Nalcoag(米国ナルコケミカル社製)
等の商品名で市販されている。また、前記コロイド状ア
ルミナは、水を分散媒とするpHが2.5〜6の範囲の
アルミナゾル、あるいは親水性有機溶媒を分散媒とする
アルミナゾルであり、その平均粒径は、通常、5〜20
0nm、好ましくは10〜100nmで、固形分濃度
は、通常、5〜25重量%程度である。アルミナとして
は、例えば、合成アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト
等が使用される。このようなコロイド状アルミナは、例
えば、アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、
アルミナゾル−520(以上、日産化学工業(株)
製)、アルミナクリヤーゾル、アルミナゾル10、アル
ミナゾル132(以上、川研ファインケミカル(株)
製)等の商品名で市販されている。(F)成分の配合割
合は、固形分換算で、(A)成分と(B)成分の固形分
合計の、通常、200重量%以下、好ましくは100重
量%以下、さらに好ましくは80重量%以下である。こ
の場合、(F)成分の配合割合が200重量%を超える
と、硬化物の耐湿熱性が低下する場合がある。(F)成
分の添加方法は特に限定されるものではなく、本発明の
熱硬化性樹脂組成物を調製する際および/または調製後
の適宜の段階で添加することができるが、(F)成分の
分散媒が水である場合は、得られる組成物の保存安定性
の点で、組成物を調製する際に添加することが好まし
い。
【0028】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化
条件によっては、硬化促進剤(以下、「(G)成分」と
いう。)を少なくとも1種添加してもよく、比較的低い
温度で硬化させるには、(G)成分の併用が効果的であ
る。このような(G)成分としては、例えば、ナフテン
酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸等
のアルカリ金属塩:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、りん酸、p
−トルエンスルホン酸、フタル酸等の酸性化合物;1,
2−エチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−
フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノ
ールアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン
等のアミン類や、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられ
る各種変性アミン類;3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリ
メトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロ
ピルジメトキシメチルシラン、3−アニリノプロピルト
リメトキシシラン等のアミノ基含有シラン化合物;(C4H
9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(C
4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2 、(C8H17)2Sn(OCOC
11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(C8H17)2Sn
(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC8H17)
2 、Sn(OCOC8H17)2 等のカルボン酸型有機スズ化合物;
(C4H9)2Sn(SCH2COO)2 、(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C
8H17)2Sn(SCH2COO)2、(C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)2 、(C8H
17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)2 、(C8H17)2Sn(SCH2COO
CH2CH2CH2CH2OCOCH2S)2 、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)
2 、(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2
【0029】
【化3】 等のメルカプチド型有機錫化合物;
【0030】(C4H9)2Sn=S 、(C8H17)2Sn=S、
【化4】 等のスルフィド型有機錫化合物;
【0031】(C4H9)2Sn=O 、(C8H17)2Sn=O等の酸化物型
有機錫酸化物と、エチルシリケート、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエス
テル化合物との反応生成物等の有機錫化合物等を挙げる
ことができる。(G)成分の配合割合は、(A)〜
(F)成分の固形分合計の、通常、15重量%以下、好
ましくは10重量%以下である。なお、前記(C)成分
も、硬化促進剤として作用するものである。(G)成分
の添加方法は特に限定されるものではなく、本発明の熱
硬化性樹脂組成物を調製する際および/または調製後の
適宜の段階で添加することができる。さらに、例えば、
クレー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボ
ンブラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、ワラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、
アルミナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭
化ケイ素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミド
イミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子
量ポリエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力
ポリビニルアルコール等の繊維あるいはウイスカー等の
を少なくとも1種配合することができる。前記補強材
は、織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛
に本発明の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて使用するこ
ともできる。これらの充填剤および補強材は、それぞれ
単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。また前記添加剤以外に、必要に応じて、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、
難燃剤、滑剤、防曇剤、防カビ剤、顔料、染料、分散
剤、増粘剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤や、オルトぎ酸メチル、、オルト酢
酸メチル、テトラエトキシシラン等の脱水剤等を配合す
ることもできる。
【0032】熱硬化性樹脂組成物の調製 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは、前記
(A)成分と(B)成分を含有し、好ましくはさらに前
記(C)成分を含有する組成物を調製し、これに好まし
くは前記(D)成分を添加する方法により調製すること
ができる。熱硬化性樹脂組成物の特に好ましい調製法
は、下記〜の方法である。 シラン化合物(1)、(B)成分および(C)成分
の混合物に、シラン化合物(1)中のアルコキシシリル
基および/またはアシルオキシシリル基1当量当たり、
0.3〜1モルの水を加えて、シラン化合物(1)を加
水分解・部分縮合させて、(A)〜(C)成分からなる
組成物を調製したのち、(D)成分を添加する方法。 シラン化合物(1)に対して、シラン化合物(1)
中のアルコキシシリル基および/またはアシルオキシシ
リル基1当量当たり、0.3〜1モルの水を加えて、シ
ラン化合物(1)を加水分解・部分縮合させ、その後
(B)成分と(C)成分を同時にあるいは段階的に添加
して、さらに縮合反応を行って、(A)〜(C)成分か
らなる組成物を調製したのち、(D)成分を添加する方
法。 シラン化合物(1)と(C)成分の混合物に、シラ
ン化合物(1)中のアルコキシシリル基および/または
アシルオキシシリル基1当量当たり、0.3〜1モルの
水を加えて、シラン化合物(1)を加水分解・部分縮合
させ、その後(B)成分を添加して、さらに縮合反応を
行って、(A)〜(C)成分からなる組成物を調製した
のち、(D)成分を添加する方法。 前記〜の方法においては、(E)〜(G)成分およ
び前記他の添加剤は、適宜の段階で配合することができ
る。本発明においては、熱硬化性樹脂組成物の全固形分
濃度を調整し、併せて粘度も調整するために、有機溶媒
を使用することができる。このような有機溶媒として
は、本発明の熱硬化性樹脂組成物に対して不活性であ
り、かつこれを溶解しうる限り、特に限定されるもので
はなく、その例としては、前記(B)成分の合成につい
て例示したアルコール系溶媒、フェノール系溶媒、ケト
ン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、アミド系
溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、非プロトン性極性溶媒等
を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。有機溶
媒の添加方法は特に限定されるものではなく、本発明の
熱硬化性樹脂組成物を調製する際および/または調製後
の適宜の段階で添加することができる。
【0033】熱硬化性樹脂組成物の特性および用途 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、加熱により硬化するも
のであるが、必要に応じて硬化に引き続き熱処理を行な
うこともできる。このような硬化時および/またはその
後の熱処理時の温度は、通常、200℃以上、好ましく
は250〜450℃、さらに好ましくは300〜400
℃である。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、各種溶媒に
対する溶解性および溶液としての保存安定性に優れると
ともに、硬化時にクラックの発生がなく、しかもその硬
化物は、耐熱性、透明性、電気絶縁性、機械的特性、耐
湿熱性、各種基体に対する密着性等に優れている。した
がって、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特に、各種の
電気機器や電子部品等の保護膜、電気絶縁膜等として極
めて好適に使用することができるほか、耐熱性が要求さ
れる接着剤や塗料としても有用である。また、本発明の
熱硬化性樹脂組成物を予め離型処理した適当な基体に塗
布して、熱硬化性薄膜を成形し、該薄膜を硬化前に基体
から強制的に剥離することによって、熱硬化性フィルム
を取得することができ、該熱硬化性フィルムは、電気機
器や電子部品等の耐熱性接着フィルム等として有用であ
る。あるいは、前記基体から強制的に剥離された熱硬化
性薄膜を硬化させるか、または予め離型処理した適当な
基体上に形成した熱硬化性薄膜を加熱、硬化させたの
ち、得られた硬化薄膜を基体から強制的に剥離すること
によって、硬化フィルムを取得することができる。さら
に、本発明の熱硬化性樹脂組成物の溶液をガラスクロス
等の適当な布帛に含浸させたのち乾燥したプリプレグ、
あるいは無溶媒の該樹脂組成物をガラスクロス等の適当
な布帛に含浸させたプリプレグは、銅張り積層板等の積
層材等としても有用である。また、本発明の熱硬化性樹
脂組成物は、例えば、粉末、ペレット等の形態で、熱硬
化性成形材料としても有用である。本発明の熱硬化性樹
脂組成物から熱硬化性フィルムあるいは硬化フィルムを
形成させる際に使用される基体は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、鉄、ニッケル、ステンレス、チタ
ン、アルミニウム、銅、各種合金等の金属;窒化ケイ
素、炭化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化
ほう素、炭化ほう素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、
アルミナ、シリカや、これらの混合物等のセラミック;
Si、Ge、SiC 、SiGe、GaAs等の半導体; ガラス、陶磁器
等の窯業材料;芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリイミド、全芳香族ポリエステル等の耐熱性樹脂等を
挙げることができる。前記基体には、所望により、予め
離型処理を施しておくことができ、また、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤等による薬品処理や、
プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリン
グ、気相反応法、真空蒸着の如き適宜の前処理を施すこ
ともできる。本発明の熱硬化性樹脂組成物を前記基体に
塗布する際には、回転塗布法、ロール塗布法、流延塗布
法、浸漬塗布法、噴霧塗布法等の適宜の塗布手段を採用
することができる。また、塗布厚さは、塗布手段の選
択、組成物溶液の固形分濃度や粘度を調節することによ
り、適宜制御することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明の実
施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、
これらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例
および比較例中の部および%は、特記しない限り重量に
基づく。実施例および比較例における各評価は、下記の
要領で行った。保存安定性 硬化促進剤を添加しない組成物試料を、ポリエチレン製
ビン中に常温で1ヶ月間密栓保存し、目視によりゲル化
の有無を判定した。さらに、ゲル化を生じていないもの
については、BM型粘度計(東京計器(株)製)により
粘度を測定し、変化率が20%以内のものを、“変化な
し”とした。耐クラック性 ガラス板上に、スリット巾254μmのアプリケーター
を用いて組成物試料を塗布し、300℃で30分乾燥さ
せたのち、塗膜の外観を目視により観察し、下記基準で
評価した。 ○:クラックが認められない、 ×:クラックが認められる。透明性 ガラス板上に、スリット巾254μmのアプリケーター
を用いて組成物試料を塗布し、300℃で30分乾燥さ
せたのち、塗膜の外観を目視により観察し、下記基準で
評価した。 ○:塗膜が透明で均質、 △:塗膜に僅かのくもりが認められるが均質、 ×:塗膜が不透明および/または不均質。密着性 各種の基体上に、No.6バーコーターを用いて組成物
試料を塗布し、300℃で30分乾燥させたのち、JI
S K5400に準拠した碁盤目テストにより、テープ
剥離試験を3回実施し、碁盤目100個のうち塗膜が基
材に密着している平均数(n)により評価した。誘電率 ステンレス板上に、スピンナーを用いて組成物試料を塗
布し、300℃で30分乾燥させたのち、横河・ヒュー
レット・パッカード(株)製HP16451B電極およ
びHP4284AプレシジョンLCRメータを用いて、
1MHzにおける誘電率を測定した。耐熱性 アルミニウムパン中に組成物試料を加え、300℃で3
0分乾燥させたのち、セイコー電子工業(株)製SSC
5200熱重量分析装置(TGA)を用い、空気中10
℃/分の昇温速度による5重量%重量減少温度を測定し
た。耐湿熱性 各種の基体上に、No.6バーコーターを用いて組成物
試料を塗布し、300℃で30分乾燥させたのち、12
1℃、湿度100%および2気圧の条件下で、250時
間耐湿熱試験(PCT)を行い、試験の前後で前記密着
性試験を実施して、耐湿熱性を下記基準で評価した。 ○:密着性に変化なし、 ×:密着性が低下。硬度 JIS K5400に準拠した鉛筆硬度により評価し
た。
【0035】
【実施例】
製造例1((B)成分の合成) トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネ
ート37部と3−アミノプロピルトリメトキシシラン1
5部を、トルエン50部中、60℃で2時間反応させ
た。次いで、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート25部とm−クレゾール300部を加え、120
℃に昇温したのち、さらにジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネート50部を2時間かけて添加した。そ
の後、クロル酢酸19部を加えたのち、185℃に昇温
し、そのまま炭酸ガスと塩化水素ガスの発生が止まるま
で反応を続けた。次いで、反応溶液に、メタノール20
00部を加え、生じた沈澱をろ過し、メタノールで洗浄
し、乾燥したのち、シクロヘキサノンに溶解して、(B
−1)成分の20%溶液を得た。
【0036】製造例2((B)成分の合成) 無水マレイン酸10部とビス(3−トリメトキシシリル
プロピル)アミン34部を、シクロヘキサノン100部
中、60℃で2時間反応させたのち、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート25部とシクロヘキサノ
ン160部を加え、150℃で12時間反応させて、
(B−2)成分の20%溶液を得た。
【0037】製造例3((B)成分の合成) α,α’−ジカルボエトキシ−p−キシリレンジアミン
28部、エタノール10部およびジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート25部を、シクロヘキサノ
ン200部中、150℃で12時間反応させた。次い
で、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン2
1部とシクロヘキサノン21部を加えたのち、80℃で
2時間反応させて、(B−3)成分の20%溶液を得
た。
【0038】比較製造例1(ポリヒダントインの合成) マレイン酸モノエチル14部とジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート25部を、シクロヘキサノン1
40部中、150℃で12時間反応させて、ポリヒダン
トイン(b−1)の20%溶液を得た。
【0039】実施例1 シラン化合物(1)としてメチルトリメトキシシラン1
00部、(B) 成分として製造例2で得た(B−2)成
分の20%溶液1500部、およびイオン交換水14部
を、60℃で4時間反応させたのち、シクロヘキサノン
330部を加えて、固形分濃度18%の熱硬化性樹脂組
成物(I)を調製した。この熱硬化性樹脂組成物の評価
結果を、表1および表2に示す。
【0040】実施例2〜5 配合組成を表1に示すとおりとした以外は、実施例1と
同様にして、表1に示す固形分濃度を有する熱硬化性樹
脂組成物(II) 〜 (V)を調製した。これらの熱硬化性
樹脂組成物の評価結果を、表1および表2に示す。
【0041】比較例1〜2 配合組成を表4に示すとおりとした以外は、実施例1と
同様にして、表3に示す固形分濃度を有する熱硬化性樹
脂組成物(i) および (ii)を調製した。これらの熱硬
化性樹脂組成物の評価結果を、表3および表4に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂水性分散体は、各
種溶媒に対する溶解性および溶液としての保存安定性に
優れるとともに、硬化時にクラックを発生することがな
く、しかも耐熱性、透明性、電気絶縁性、耐湿熱性、各
種基材に対する密着性等に優れた硬化物を形成すること
ができる。したがって、本発明の熱硬化性樹脂水性分散
体は、電気機器や電子部品等の保護膜、電気絶縁膜、接
着剤、塗料、熱硬化性フィルム、硬化フィルム、プリプ
レグ、硬化成形品等として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)加水分解性オルガノシラン化合物
    の加水分解物および/またはその部分縮合物、並びに
    (B)加水分解性シリル基を有するポリヒダントイン誘
    導体を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
JP18268296A 1996-06-25 1996-06-25 熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH107804A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005235915A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体用接着フィルムおよび半導体装置
US7279576B2 (en) 2002-12-31 2007-10-09 Deciphera Pharmaceuticals, Llc Anti-cancer medicaments
US7342037B2 (en) 2002-12-31 2008-03-11 Deciphera Pharmaceuticals, Llc Anti-inflammatory medicaments
US7666895B2 (en) 2002-12-31 2010-02-23 Deciphera Pharmaceuticals, Llc Anti-inflammatory medicaments
US7790756B2 (en) 2006-10-11 2010-09-07 Deciphera Pharmaceuticals, Llc Kinase inhibitors useful for the treatment of myleoproliferative diseases and other proliferative diseases
US8143293B2 (en) 2007-04-20 2012-03-27 Deciphera Pharmaceuticals, Llc Kinase inhibitors useful for the treatment of myleoprolific diseases and other proliferative diseases

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