JPH1077463A - 止水シ―ル材 - Google Patents

止水シ―ル材

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JPH1077463A
JPH1077463A JP23210896A JP23210896A JPH1077463A JP H1077463 A JPH1077463 A JP H1077463A JP 23210896 A JP23210896 A JP 23210896A JP 23210896 A JP23210896 A JP 23210896A JP H1077463 A JPH1077463 A JP H1077463A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独立気泡または独立気泡と連続気泡との両気
泡を有する発泡構造体を定型の止水シ―ル材として有効
に使用可能にする。 【解決手段】 独立気泡または独立気泡と連続気泡との
両気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面にポリ
カ―ボネ―ト構造を持つポリマ―を含む粘着剤組成物か
らなる層を設けて、止水シ―ル材Aを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、独立気泡または独
立気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造体を用い
た定型の止水シ―ル材に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム発泡体は、すぐれたクツシヨン性を
有し、クツシヨン材、パツト材などの用途に有用であ
る。発泡構造体における独立気泡と連続気泡とを比較す
ると、前者は気泡間が立体格子状に隔壁で仕切られた構
造であるのに対して、後者は上記仕切られた一連の気泡
間の隔壁が除去された構造であり、後者の方が力学的に
変形させやすい。しかし、連続気泡は止水作用を全く期
待できないのに対し、独立気泡は気泡間の隔壁のために
止水作用を期待できる。
【0003】独立気泡と連続気泡との両気泡を有する発
泡構造体(以下、半独半連の発泡構造体ということもあ
る)は、連続気泡に基づく易変形性による複雑な間隙へ
の充填作業の容易性と、独立気泡に基づく止水性をとも
に期待できるため、複雑な間隙に充填して使用する定型
の止水シ―ル材として適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが行つた試験結果によれば、独立気泡の発泡構造体
や半独半連の発泡構造体を止水シ―ル材として使用する
場合、時間の経過により、発泡構造体としての反発応力
が緩和され、これに伴つて発泡構造体と被着体界面との
接触面圧が低下し、この界面沿いに水漏れが発生して、
止水シ―ル材として有効に使用できなくなることが判明
した。
【0005】この問題を解決するには、発泡構造体の両
面に粘着剤層を設けて、被着体界面を接着シ―ルする方
法が考えられる。しかし、粘着剤層としてアクリル系ま
たはゴム系の一般の粘着剤を用いると、これらの粘着剤
は組み付けと同時に接着力を発現するため、位置直しが
難しく、シ―ル作業に支障をきたしやすい。
【0006】本発明は、このような事情に照らし、独立
気泡または独立気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡
構造体に特定の粘着剤層を設けることにより、定型の止
水シ―ル材として有効に使用可能にすることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対し、鋭意検討した結果、独立気泡の発泡構造体や
半独半連の発泡構造体の表面にポリカ―ボネ―ト構造を
持つ特定のポリマ―を含む粘着剤層を設けるようにする
と、これを止水する部位に組み付けた場合に、上記の粘
着剤層がタツクを持たないため、直ちには接着せず、し
たがつて位置直しが容易で組み付け作業を支障なく行
え、しかも組み付け後は発泡構造体の反発力によつて徐
々に接着し、発泡構造体の表面と止水する部位の界面と
のシ―ル性が著しく高まることを知り、本発明を完成す
るに至つた。
【0008】すなわち、本発明は、独立気泡または独立
気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造体の少なく
とも一方の面に、つぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
基である)で表わされる繰り返し単位を有するポリカ―
ボネ―ト構造を持つポリマ―を含む粘着剤組成物からな
る層を有することを特徴とする止水シ―ル材に係るもの
である。また、本発明は、上記発泡構造体の一方の面に
上記ポリカ―ボネ―ト構造を持つポリマ―を含む粘着剤
組成物からなる層を設けるとともに、反対側の面にアク
リル系粘着剤層またはゴム系粘着剤層を設け、その上に
剥離ライナ―を貼り合わせてなる上記構成の止水シ―ル
材を提供できるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる粘着剤組成物
は、つぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
基である)で表わされる繰り返し単位を有するポリカ―
ボネ―ト構造を持つポリマ―を含んでなるもので、上記
ポリマ―の分子量は、重量平均で1万以上、好ましくは
3万以上、より好ましくは5万以上(通常30万まで)
であるのがよい。
【0010】上記のポリマ―には、ポリカ―ボネ―トジ
オ―ル(またはその誘導体)とジカルボン酸とから合成
されるポリエステル、ポリカ―ボネ―トジカルボン酸と
ジオ―ルとから合成されるポリエステル、ポリカ―ボネ
―トジオ―ルとジイソシアネ―トとから合成されるポリ
ウレタンなどがあり、とくにポリカ―ボネ―トジオ―ル
とジカルボン酸とから合成されるポリエステルが好まし
い。
【0011】このポリエステルは、ポリカ―ボネ―トジ
オ―ルを必須としたジオ―ル成分と炭素数が2〜20の
脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とするジカ
ルボン酸を必須としたジカルボン酸成分とを、常法にし
たがい、無触媒または適宜の触媒を用いてエステル化反
応させることにより、得られるものである。この反応に
際し、ジオ―ル成分とジカルボン酸成分とは、得られる
ポリエステルの分子量が前記範囲となるように、当モル
反応とするのが望ましいが、エステル化反応を促進する
ために、どららかを過剰に用いて反応させてもよい。
【0012】ここで用いられるポリカ―ボネ―トジオ―
ルは、つぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
基である)で表わされる繰り返し単位を有するジオ―ル
で、数平均分子量は、400以上、好ましくは900以
上(通常1万まで)であるのがよい。具体的には、ポリ
ヘキサメチレンカ―ボネ―トジオ―ル、ポリ(3−メチ
ルペンテンカ―ボネ―ト)ジオ―ル、ポリプロピレンカ
―ボネ―トジオ―ル、これらの混合物や共重合物などが
ある。市販品としては、ダイセル化学工業(株)製の
「PLACCEL CD205PL」、「同CD208
PL」、「同CD210PL」、「同CD220P
L」、「同CD205HL」、「同CD208HL」、
「同CD210HL」、「同CD220HL」などが挙
げられる。
【0013】ジオ―ル成分としては、必要により、エチ
レングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ブタンジオ―
ル、ヘキサンジオ―ル、オクタンジオ―ル、デカンジオ
―ル、オクタデカンジオ―ルなどの直鎖状のジオ―ルや
分枝状のジオ―ルなどを併用してもよい。これらのジオ
―ルは、ジオ―ル成分全体の50重量%以下、好ましく
は30重量%以下の使用量とするのがよい。また、ポリ
マ―を高分子量化するために、3官能以上のポリオ―ル
成分を少量添加してもよい。
【0014】また、ジカルボン酸成分は、炭素数が2〜
20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とし
たもので、上記の炭化水素基が直鎖状のものでも分枝状
のものであつてもよい。具体的には、コハク酸、メチル
コハク酸、アジピン酸、ピメリツク酸、アゼライン酸、
セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テト
ラデカン二酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレン
テトラヒドロフタル酸、これらの酸無水物や低級アルキ
ルエステルなどが挙げられる。
【0015】本発明では、通常、このようなポリエステ
ルをはじめとするポリカ―ボネ―ト構造を持つポリマ―
を適宜の手段で架橋処理して、耐熱性などの耐久性にす
ぐれたタツクのない粘着剤組成物とすることができる。
架橋方法は任意でよいが、一般に、ポリエステルなどの
ポリマ―に含まれる水酸基および/またはカルボキシル
基と反応しうる官能基を有する化合物を添加して反応さ
せる、いわゆる架橋剤を用いる方法が望ましい。架橋剤
には、ポリイソシアネ―ト化合物、エポキシ化合物、ア
ジリジン化合物、金属キレ―ト化合物、金属アルコキシ
ド化合物などがあるが、とくにポリイソシアネ―ト化合
物が好ましく用いられる。
【0016】ポリイソシアネ―ト化合物としては、エチ
レンジイソシアネ―ト、ブチレンジイソシアネ―ト、ヘ
キサメチレンジイソシアネ―トなどの低級脂肪族ポリイ
ソシアネ―ト類、シクロペンチレンジイソシアネ―ト、
シクロヘキシレンジイソシアネ―ト、イソホロンジイソ
シアネ―トなどの脂環族ポリイソシアネ―ト類、2,4
−トリレンジイソシアネ―ト、4,4´−ジフエニルメ
タンジイソシアネ―ト、キシリレンジイソシアネ―トな
どの芳香族ポリイソシアネ―ト類などがあり、そのほか
に、トリメチロ―ルプロパンのトリレンジイソシアネ―
ト付加物やヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物など
も用いられる。
【0017】これらの架橋剤は、その1種を単独でまた
は2種以上の混合系で使用できる。使用量は、架橋する
べきポリエステルなどのポリマ―とのバランスにより、
また粘着剤組成物の使用目的により、適宜選択される。
一般には、ポリエステルなどのポリマ―100重量部に
対して、0.5〜5重量部の割合とするのがよく、これ
によりシ―ル性を発揮するための接着性と取り付け作業
を容易にするためのタツクフリ―とのバランス特性に好
結果が得られる。
【0018】本発明に用いられる粘着剤組成物には、従
来公知の各種の粘着付与剤を配合してもよい。粘着付与
剤の配合により、接着力と耐久性などのバランスがとり
やすくなることもある。また、無機または有機の充填
剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状物、箔状物などの
従来公知の各種の添加剤を任意に配合できる。さらに、
老化防止剤の添加により、耐久性の向上を図るようにし
てもよい。
【0019】本発明に用いられる発泡構造体は、独立気
泡または連続気泡と独立気泡の両気泡を有するものであ
れば、公知の各種のものを使用できる。この発泡構造体
の製造には、天然ゴムまたは合成ゴム(クロロプレンゴ
ム、エチレン・プロピレン・タ―ポリマ―など)、加硫
剤、発泡剤、充填剤などをバンバリ―ミキサや加圧ニ―
ダなどの混練り機で混練したのち、カレンダ、押し出し
機、コンベアベルトキヤステイングなどにより連続的に
混練しつつシ―ト状、ロツド状に成形し、これを加熱し
て加硫、発泡させ、さらに必要によりこの加硫発泡体を
所定形状に裁断加工する方法や、天然ゴムまたは合成ゴ
ム、加硫剤、発泡剤、充填剤などをミキシングロ―ルな
どで混練し、この混練組成物をバツチ式により、型で加
硫、発泡ならびに成形する方法などを使用することがで
きる。
【0020】本発明の止水シ―ル材は、このような発泡
構造体上に、上記の粘着剤組成物を乾燥後の厚さが通常
2〜100μm程度となるように塗着して、上記の粘着
剤組成物からなる層を発泡構造体に担持させてなるもの
である。粘着剤組成物からなる層は、発泡構造体の片面
だけでなく、必要により両面に設けるようにしてもよ
い。このように設けられる粘着剤組成物からなる層は、
それ自体タツクを有しないため、この上に剥離ライナを
貼り合わせる必要がなく、使用に際し上記ライナを引き
剥がすなどの作業が不要であり、しかも取り付け時の位
置直しが容易であることから、取り付け作業性に格段に
すぐれている。
【0021】また、上記の粘着剤組成物からなる層を発
泡構造体の片面にのみ設ける場合、発泡構造体の反対側
の面に、汎用の粘着剤として、アクリル系粘着剤層また
はゴム系粘着剤層を設けるようにしてもよい。この場
合、これらの粘着剤層がタツクを有しているため、通常
はその上に剥離ライナが貼り合わされる。止水するべき
部分への取り付け時には、まず片面側に設けたタツクを
有しない前記の粘着剤組成物からなる層を利用して位置
決めを行い、その後に反対面側の剥離ライナを引き剥が
して接着シ―ルするなどの方法を採ることができる。
【0022】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに
具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは
重量部を意味するものとする。
【0023】実施例1 下記の配合組成物をミキシングロ―ルで混練し、この混
練物をオ―ブンで160℃,30分の条件で加熱して加
硫発泡させ、オ―ブンから取り出し、冷却後、加圧法に
より、気泡の一部を破泡させて半独半連の発泡構造体を
得た。この発泡構造体の比重は0.11g/mlであつ
た。 <発泡構造体の配合組成> エチレン・プロピレン・タ―ポリマ― 100部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 1部 カ―ボン 40部 ポリエチレン 20部 重質炭酸カルシウム 180部 ポリブテン 40部 硫黄 2部 メルカプトベンゾチアゾ―ル 1部 ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 2部 アゾジカルボン酸アミド 13部
【0024】一方、四つ口セパラブルフラスコに攪拌
機、温度計および水分離管を付し、これに、ポリカ―ボ
ネ―トジオ―ル〔ダイセル化学工業(株)製の「PLA
CCEL CD220PL」、水酸基価:55.4KO
Hmg/g〕500g、セバシン酸50g、触媒としての
ジブチルチンオキサイド123mgを仕込み、反応水排出
溶剤としての少量のトルエンの存在下、攪拌を開始しな
がら180℃まで昇温し、この温度で保持した。しばら
くすると、水の流出分離が認められ、反応が進行しはじ
めた。約50時間反応を続けて、重量平均分子量が4
7,000となるポリエステルを得た。
【0025】このポリエステルをトルエンで固形分濃度
25重量%に希釈したのち、ポリエステル100部(固
形分)に対し、架橋剤としてトリメチロ―ルプロパンの
ヘキサメチレンジイソシアネ―ト付加物〔日本ポリウレ
タン(株)製の「コロネ―トHL」〕を2部(固形分)
添加し、粘着剤組成物とした。つぎに、この粘着剤組成
物を、アプリケ―タ―により、前記の半独半連の発泡構
造体の片面に塗布し、130℃で5分間乾燥して、厚さ
が30μmの粘着剤組成物からなる層を形成した。さら
に、この層の反対面側に厚さが150μmのアクリル粘
着剤層を設け、その上に剥離ライナ―を設けて、止水シ
―ル材とした。
【0026】実施例2 ポリエステルを含む粘着剤組成物からなる層の厚さを5
μmとした以外は、実施例1と同様にして、止水シ―ル
材を作製した。
【0027】実施例3 下記の配合組成物をミキシングロ―ルで混練し、この混
練物をオ―ブンで160℃30分の条件で加熱して加硫
発泡させ、独立気泡の発泡構造体を得た。この発泡構造
体の比重は0.10g/mlであつた。 <発泡構造体の配合組成> エチレン・プロピレン・タ―ポリマ― 40部 ブチルゴム 60部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 3部 カ―ボン 50部 重質炭酸カルシウム 50部 プロセスオイル 20部 硫黄 0.5部 メルカプトベンゾチアゾ―ル 1部 ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 1部 キノンジオキシム 0.5部 キノンモノオキシム 0.5部 アゾジカルボン酸アミド 20部
【0028】この独立気泡の発泡構造体の片面に、実施
例1で得た粘着剤組成物を、アプリケ―タ―により塗布
し、130℃で5分間乾燥して、厚さが30μmの粘着
剤組成物からなる層を形成した。さらに、この層の反対
面に厚さが150μmのアクリル粘着剤層を設け、その
上に剥離ライナ―を設けて、止水シ―ル材とした。
【0029】比較例1 実施例1で得た半独半連の発泡構造体の片面に、厚さが
150μmのアクリル粘着剤層を設け、その上に剥離ラ
イナ―を設けて、止水シ―ル材とした。
【0030】比較例2 実施例3で得た独立気泡の発泡構造体の片面に、厚さが
150μmのアクリル粘着剤層を設け、その上に剥離ラ
イナ―を設けて、止水シ―ル材とした。
【0031】上記の実施例1〜3および比較例1,2の
各止水シ―ル材について、止水試験として、下記の方法
にて、U字止水試験と高圧流水止水試験を行つた。結果
は、後記の表1に示されるとおりであつた。
【0032】<U字止水試験>止水シ―ル材を、厚さ1
0mm、幅10mmの四角形断面のひも状に加工して、試料
Aとした。この試料Aを、図1および図2に示すよう
に、U字型にし、2枚のアクリル板1,1で挟み、スペ
―サ2による間隔保持のもとで、アクリル板1,1間を
ボルト・ナツト3で締結した。試料Aの厚さ方向の圧縮
率は、スペ―サ2の厚さによつて調節するようにした。
【0033】このようにボルト・ナツト3で締結したの
ち、図3に示すように、試料AのU字型内に水頭h=1
00mmで水4を入れた。また、ボルト・ナツト3の締結
後、80℃の雰囲気下に168時間放置したのち、室温
に戻し、上記と同様に試料AのU字型内に水頭h=10
0mmで水4を入れた。前者を組み付け直後、後者を80
℃×168時間後のU字止水試験として、試料Aの厚さ
方向の圧縮率を何%としたときに、止水可能であるかど
うかを調べた。
【0034】<高圧流水止水試験>止水シ―ル材を、厚
さ10mm、外径100mm、内径80mmのド―ナツ状に加
工して、試料Bとした。この試料Bを、図4および図5
に示すように、アクリル板1とアクリル成形体5で挟
み、ボルト部分に通したスペ―サ2による間隔保持のも
とで、アクリル板1とアクリル成形体5間をボルト・ナ
ツト3で締結した。試料Bの厚さ方向の圧縮率は、スペ
―サ2の厚さによつて調節した。このようにボルト・ナ
ツト3で締結したのち、300mmの距離から80kgf/c
m2の圧力で止水シ―ル材の部分をめがけて、3分間水を
当てた。試料Bの厚さ方向の圧縮率を何%としたとき
に、止水可能であるかどうかを調べた。
【0035】
【0036】上記の表1の結果から明らかなように、本
発明の実施例1〜3の各止水シ―ル材は、いずれも、発
泡構造体の低い圧縮率で非常に良好な止水性が得られ、
経時とともに反発応力が緩和しても止水性が低下せず、
また高圧の流水に対しても高い止水性を示すものである
ことがわかる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明は、独立気泡また
は連続気泡と独立気泡の両気泡を有する発泡構造体の表
面にポリカ―ボネ―ト構造を持つ特定のポリマ―を含む
粘着剤組成物からなる層を設けるようにしたことによ
り、タツクがないために、直ちには接着せず、したがつ
て、取り付け作業を容易に行え、取り付け後には発泡構
造体の反発力によつて徐々に接着し、発泡構造体表面と
被着体界面とのシ―ル性が高められた、すぐれた止水シ
―ル材を提供することができる。
【0038】また、上記の粘着剤組成物からなる層がタ
ツクを持たないために、この層上に剥離ライナを貼り合
わせる必要もなく、使用に際しこの剥離ライナを引き剥
がす面倒が全くないため、止水シ―ル材の取り付け作業
がさらに容易となる。また、片面に上記の粘着剤組成物
からなる層を設け、反対面側に汎用のアクリル系粘着剤
層またはゴム系粘着剤層を設けたものでは、上記利点を
失うことなく、上記汎用の粘着剤層の特徴をも生かすこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】止水シ―ル材のU字止水試験の装置構成を示す
側面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図1および図2の装置構成におけるU字型試料
(止水シ―ル材)内に水を入れた状態を示す断面図であ
る。
【図4】止水シ―ル材の高圧流水止水試験の装置装置を
示す側面図である。
【図5】図4におけるV−V線断面図である。
【符号の説明】
A,B 試料(止水シ―ル材) 1 アクリル板 2 スペ―サ 3 ボルト・ナツト 4 水 5 アクリル成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 雅彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立気泡または独立気泡と連続気泡との
    両気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、つ
    ぎの式; (Rは炭素数2〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素
    基である)で表わされる繰り返し単位を有するポリカ―
    ボネ―ト構造を持つポリマ―を含む粘着剤組成物からな
    る層を有することを特徴とする止水シ―ル材。
  2. 【請求項2】 発泡構造体の一方の面にポリカ―ボネ―
    ト構造を持つポリマ―を含む粘着剤組成物からなる層を
    設けるとともに、反対側の面にアクリル系粘着剤層また
    はゴム系粘着剤層を設け、その上に剥離ライナ―を貼り
    合わせてなる請求項1に記載の止水シ―ル材。
JP23210896A 1996-09-02 1996-09-02 止水シ―ル材 Expired - Lifetime JP3394659B2 (ja)

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