JPH1095071A - 複合ゴムフィルムおよびその製造法 - Google Patents

複合ゴムフィルムおよびその製造法

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JPH1095071A
JPH1095071A JP35350896A JP35350896A JPH1095071A JP H1095071 A JPH1095071 A JP H1095071A JP 35350896 A JP35350896 A JP 35350896A JP 35350896 A JP35350896 A JP 35350896A JP H1095071 A JPH1095071 A JP H1095071A
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rubber film
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勝朗 久世
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーンゴムを主成分とするゴムフ
ィルムとポリエステルフィルムの積層体からなり、各種
の装置や部品に組み込む際に安価な汎用接着剤で接着加
工を行うことができ、組み込み作業の際の作業性が良好
で、しかも層間の接着力に優れた実用的な複合ゴムフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片
面にシリコーンゴムを主成分とするゴム組成物を積層
し、次いで加硫処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコーンゴム
を主成分とするゴムフィルムとポリエステルフィルムと
の積層体からなり、上記ゴムフィルムとポリエステルフ
ィルムとの層間接着力の優れた複合ゴムフィルムおよび
その製造法に関し、各種分野のシール材やクッション材
として使用可能な複合ゴムフィルムを提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムフィルムは、優れた耐熱
性とクッション性を有しているため、産業上の広い分野
でシール材やクッション材等に使用されている。しかし
ながら、シリコーンゴムフィルムは、他の素材との接着
性に乏しく、シリコーンゴムフィルムを装置や部品に組
み込む場合に高価な接着剤を使用する必要があった。ま
た、シリコーンゴムフィルムは、柔軟であるため、組み
込み作業時の作業性に劣る等の欠点も有していた。この
ような問題を解決する手段として、シリコーンゴムフィ
ルムと同様に耐熱性に優れ、かつシリコーンゴムフィル
ムよりも接着性が良好であって、低価格の汎用接着剤で
接着可能なポリエステルフィルムと複合することが知ら
れており、この方法はシリコーンゴムフィルムがポリエ
ステルフィルムで補強されるため、組み込み作業時の作
業性は向上するが、シリコーンゴムフィルムとポリエス
テルフィルムの接着性が悪いため実用化されていない。
【0003】シリコーンゴムと他の素材との接着性を向
上する手段として、シリコーンゴムにアリルグリシジル
エーテル、グリシジルアクリレートを配合すること(特
開昭54−162751号公報参照)、ヘキサビニルジ
シロキサン、ジメチルテトラビニルジシロキサン等のオ
ルガノシロキサンを配合すること(特開平3−1114
52号公報参照)、アルケニルカーボネート基含有化合
物および/またはメルカプトアセテート基含有化合物を
配合すること(特開平8−120177号公報参照)等
が提案されているが、これらを配合したシリコーンゴム
フィルムをポリエステルフィルムに積層しても、両フィ
ルム間の層間接着力はまだ不十分であって、実用的な複
合体が得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜4に記載の
発明は、シリコーンゴムを主成分とするゴムフィルムと
ポリエステルフィルムの積層体からなり、各種の装置や
部品に組み込む際に安価な汎用接着剤で接着加工を行う
ことができ、組み込み作業の際の作業性が良好で、しか
も層間接着力に優れていて実用的な複合ゴムフィルムを
提供するものであり、請求項5〜8記載の発明は上記複
合ゴムフィルムの製造法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ポリエステルフィルムの少なくとも片面にシリコーンゴ
ムを主成分とするゴムフィルムを積層してなる複合ゴム
フィルムにおいて、上記のゴムフィルムおよびポリエス
テルフィルムの層間剥離強度が4N/20mm以上である
ことを特徴とする複合ゴムフィルムである。ただし、上
記のゴムフィルムは、シリコーンゴムを主成分とするも
の、すなわちゴム成分がシリコーンゴムのみのゴム組成
物および全ゴム成分の50重量%以上がシリコーンゴム
のゴム組成物からなるものである。
【0006】上記の複合ゴムフィルムは、請求項5に記
載のごとく、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に
シリコーンゴムを主成分とする未加硫のゴム組成物を積
層し、次いで加硫処理をすることによって製造すること
ができる。
【0007】この発明の複合ゴムフィルムは、シリコー
ンゴムを主成分とするゴムフィルムとポリエステルフィ
ルムの複合体であるから、任意の装置に組み込む際、ポ
リエステルフィルム面を接着剤で接着することにより、
上記装置の所望箇所に容易に接着でき、かつポリエステ
ルフィルムの存在により、組み込み時の作業性もゴムフ
ィルム単体に比べて良好である。そして、ゴムフィルム
とポリエステルフィルムの層間剥離強度が4N/20mm
以上、好ましくは6N/20mm以上、特に好ましくは8
N/20mm以上、すなわちシリコーンゴムを主成分とす
るゴムフィルムの強度以上であるから、上記装置への接
着後にゴムフィルムがポリエステルフィルムとの層間で
剥離することもない。したがって、シリコーンゴムを主
成分とするフィルムの優れた耐熱性およびクッション性
を活かしてシール材やクッション材として有効に利用す
ることができる。ただし、上記層間剥離強度が4N/2
0mm未満では、ポリエステルフィルム面を基材に接着し
た後に外力が作用すると、層間に剥離が生じるため、実
用に供し得ない。
【0008】この発明で用いるシリコーンゴムは、平均
単位式:Ra Si O(4-a)/2 で表されるオルガノポリシ
ロキサンである。上式中、Rは置換または非置換の一価
炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキ
ル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル
基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3−クロ
ロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等
のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはメチ
ル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基である。また、上式中、aは1.9〜2.
1の範囲内の数である。シリコーンゴム成分は、上記の
平均単位式で表されるが、これを構成する具体的なシロ
キサン単位としては、例えば、R3 Si O1/2 単位、R
2 (HO)Si O1/2 単位、R2 Si O2/2 単位、RS
i O3/2 単位およびSi O4/2 単位が挙げられる。
【0009】シリコーンゴム成分の主成分は、R2 Si
2/2 単位とR3 Si O1/2 単位もしくはR2 (HO)
Si O1/2 単位を必須とする直鎖状の重合体であり、場
合により少量のRSi O3/2 単位および/またはR3
i O1/2 単位を含有して、一部分岐構造を有することが
できる。また、シリコーンゴム成分の一部としてR3Si
1/2 単位およびSi O4/2 単位からなる樹脂状の重
合体を配合することができる。このようにシリコーンゴ
ム成分は、二種以上の重合体の混合物であってもよい。
また、本組成物が付加反応硬化型シリコーンゴム組成物
である場合には、上記平均単位式で表されるオルガノポ
リシロキサン中のRの少なくとも2個はアルケニル基で
あることが必要である。
【0010】また、シリコーンゴム成分の分子構造は特
に限定されず、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖
状、分岐鎖状、樹脂状等が挙げられ、シリコーンゴムを
形成するためには、直鎖状の重合体か、または直鎖状の
重合体を主成分とする混合物である。このようなシリコ
ーンゴム成分としては、例えば、分子鎖両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末
端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサ
ン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェ
ニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ
基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共
重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチ
ルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分
子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサ
ン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロ
キサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチ
ルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチル
ビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖
両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリ
シロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封
鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチ
ルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビ
ニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニル
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシ
ロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−ト
リフルオロプロピル)シロキサン共重合体、分子鎖両末
端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・
メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共
重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシ
ロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニル
ポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチル
フェニルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合
体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シ
ラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,
3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、分子
鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチル
ビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合
体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチル
ポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基
封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重
合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチ
ルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分
子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキ
サン共重合体、R3 Si O1/2 単位とSi O4/2 単位か
らなるオルガノポリシロキサン共重合体、R2 Si O
2/2 単位とRSi O3/2 単位からなるオルガノポリシロ
キサン共重合体、R3 Si O1/2 単位とR2 Si O2/2
単位とRSi O3/2 単位からなるオルガノポリシロキサ
ン共重合体、これら二種以上の混合物が挙げられる。な
お、上記シリコーンゴム成分の25℃における粘度は、
特に限定されないが、実用的には100センチストーク
ス以上、特に1,000センチストークス以上が好まし
い。
【0011】この発明では、上記のシリコーンゴムに他
のゴムを混用して特性を改善することができる。他のゴ
ムは、天然ゴムまたは合成ゴムのいずれでもよく、合成
ゴムとしてはブタジエン系、イソプレン系、スチレン
系、ニトリル系、エチレンプロピレン系、フッ素系等が
例示され、付加すべき特性に応じて選択される。ただ
し、シリコーンゴム以外のゴムの配合量は、全ゴム成分
の50重量%未満にすべきであり、配合量が50重量%
以上になると、シリコーンゴムを主成分とするゴムフィ
ルムの耐熱性が低下する。
【0012】上記のシリコーンゴムを主成分とするゴム
フィルムには、ポリエステルフィルムとの接着性を改善
するため、請求項2、6に記載のごとく、接着性改良剤
を配合することが好ましく、この接着性改良剤は、請求
項3、7に記載のごとく、ラジカル反応に対して活性な
官能基を含む化合物であることが好ましい。この化合物
としては、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、ア
リル誘導体等が例示されるが、これらの誘導体の中で不
飽和結合を2個以上、特に3個以上有する化合物が好ま
しい。これらの化合物は、ゴムの共架橋剤として広く使
用されている化合物であり、多価アルコールのアクリル
酸エステルやメタクリル酸エステル、多価カルボン酸の
アリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルシアヌレート等が挙げられる。
【0013】上記多価アルコールのアクリル酸エステル
やメタクリル酸エステルは、2個以上のアルコール性水
酸基を有する多価アルコールのアルコール性水酸基2個
以上をアクリル酸やメタクリル酸でエステル化したエス
テル化合物であり、例えばエチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3
ブタンジオールジアクリレート、1,3ブタンジオール
ジメタクリレート、1,4ブタンジオールアクリレー
ト、1,4ブタンジオールメタクリレート、1,6ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオール
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2,
2′ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2′ビス(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロン、グリセリンジメタクリレート、グリセ
リントリアクリレート、グリセリントリメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、テトラメチロールメタ
ンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリ
レート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テ
トラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチ
ロールテトラアクリレート、テトラメチロールテトラメ
タクリレート等が挙げられ、特に3個以上のアリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルを含む化合物が好ま
しい。なお、上記の化合物は、アクリル酸およびメタク
リル酸のそれぞれの単独エステル化合物を例示したが、
アクリル酸とメタクリル酸の混合エステルの形であって
もよい。
【0014】また、多価カルボン酸のアリルエステルと
してはフタル酸ジアリレート、トリメリット酸ジアリレ
ート、ピロメリット酸テトラアリレート等が挙げられ
る。
【0015】上記ゴムフィルムの接着性改良剤は、いず
れか一種を単独で用いてもよく、また二種以上を併用し
てもよい。また、この発明に用いられる接着性改良剤
は、上記の例示化合物に限定されるものではない。
【0016】上記接着性改良剤の配合量は、全ゴム成分
100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは
0.5〜10重量部であり、0.2重量部未満ではポリ
エステルフィルムとの接着強度が不十分となり、反対に
20重量部を超えると上記接着強度の向上効果が飽和に
達し、かつゴム成分の物性が低下する。なお、必要に応
じて補強性充填剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止
剤、離型剤、難燃剤、チクソトロピー性付与剤、充填剤
用分散剤等を配合することができる。
【0017】この発明においては、上記の接着性改良剤
による接着性向上効果を促進させるための接着性向上促
進剤として、過酸化物を配合することができ、この配合
によりゴムフィルムとポリエステルフィルムの層間剥離
強度が一層向上する。ただし、上記過酸化物の配合量
は、ゴム成分100重量部に対して0.05〜10重量
部、特に1〜8重量部が好ましく、0.05重量部未満
では接着性向上効果の発現が促進されず、また10重量
部を超えた場合は、上記の促進効果が飽和し、かつゴム
フィルムの物性が低下する。
【0018】なお、上記の過酸化物は、アシル系または
アルキル系のいずれでもよく、ベンゾイルパーオキサイ
ド、モノクロルベンゾイルパーオキサイド、2,4ジク
ロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパー
オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、ジーt−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド等が例示される。
【0019】シリコーンゴムを主成分とするゴムに上記
配合剤を配合する方法は、特に限定されず、例えばゴム
コンパウンドを作製する際に2本ロール、バンバリーミ
キサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練り機を
用いて行ってもよく、またゴムを溶剤に溶解し、流延法
で製膜する場合は、ゴムコンパウンドを溶媒に溶解して
溶液を作製する際、または得られた溶液に添加配合して
もよい。
【0020】この発明におけるポリエステルフィルム
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート等を主成分とする
ものであれば任意に使用できる。このポリエステルフィ
ルムとして、その表面を活性線で処理したり、ポリエス
テルフィルムの表面に接着性を向上させる化合物からな
る易接着層を積層した易接着性ポリエステルフィルムを
使用してもよく、この易接着性ポリエステルフィルムの
使用により、前記ゴムフィルムに対する接着性改良剤の
配合量を下げることができる。
【0021】上記の活性線による処理方法としては、コ
ロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処
理等が例示され、積層により接着性を向上させる易接着
層用の化合物としては、請求項4、8に記載のごとく、
ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアクリル系のポ
リマーまたはこれらの混合物が挙げられる。この易接着
層を積層する方法は、製膜時に積層するいわゆるインラ
イン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆるオ
フライン法のいずれでもよい。また、易接着層を積層し
たフィルムの易接着層表面を上記の活性線で処理するこ
ともできる。
【0022】また、この発明のポリエステルフィルム
は、多層構造のものでもよい。例えば、上記のポリエス
テルフィルムに低融点のポリエステルフィルムを積層
し、高融点側のフィルム面にゴムフィルムを積層した複
合ゴムフィルムは、低融点側のフィルム面を基材に熱接
着することが可能になり、複合ゴムフィルムの用途分野
が拡大される。
【0023】この発明の複合ゴムフィルムは、前記のと
おりポリエステルフィルムの少なくとも片面にシリコー
ンゴムを主成分とする未加硫のゴム組成物を積層し、次
いで加硫処理をすることにより製造されるが、この製造
法は、上記の加硫処理によりゴムの架橋反応が進むと同
時に、ゴムフィルムとポリエステルフィルム間に接着力
が発現することが特長である。ゴムフィルムが未加硫状
態では、ゴムフィルムとポリエステルフィルム間の接着
力が低く、また加硫したゴムフィルムとポリエステルフ
ィルムとを積層しても接着力が発現しない。そして、ゴ
ムフィルムに接着性改良剤や接着性向上促進剤を配合し
たり、またポリエステルフィルムを活性線で処理した
り、またポリエステルフィルムに易接着層を積層したり
しても、その接着性向上効果は、上記とおり未加硫状態
で積層し、この積層後に加硫することにより初めて発現
する。
【0024】この発明において、ポリエステルフィルム
に未加硫のゴムフィルムを積層する方法は、特に限定さ
れない。例えば、ポリエステルフィルムの表面にゴム組
成物を溶媒に溶解した溶液を塗工、乾燥してゴムの薄膜
を形成する方法、ポリエステルフィルムの表面にゴム組
成物を高圧下で押出してゴムの薄膜を形成する方法等が
挙げられる。液状ゴムの場合は、溶剤で希釈することな
く塗工する方法でもよい。なお、本発明におけるゴムフ
ィルムおよびポリエステルフィルムの厚み構成比は、複
合体の用途に応じて任意に設定することができる。
【0025】架橋方法も特に限定されない。例えば、ゴ
ム組成物に過酸化物を配合し、上記の方法で積層した
後、積層体を加熱処理して架橋させてもよく、また紫外
線、電子線、γ線等の活性線を照射して架橋させてもよ
い。これらの架橋処理における各種助剤を添加すること
は何ら制限されない。
【0026】上記複合ゴムフィルムは、使用目的により
ゴムフィルムの表面粗さを種々に変えたい場合がある。
例えば、コンパクトディスクのドライブテーブル上に取
付けるための緩衝用ゴムテープでは、コンパクトディス
クのグリップ性と離脱性をバランスさせるため、表面粗
度を適度に設定する必要がある。このような目的でゴム
フィルムの表面粗度を制御する手段として、表面粗度の
異なるフィルムや布帛からなるカバーシートを未架橋状
態のゴムフィルム表面に重ねてカバーシートの表面形態
をゴムフィルム表面に転写することが知られている。例
えば、一般のゴムシートの表面に微細な凹凸を付与する
手段として、マット加工やエンボス加工を施したポリエ
チレンフィルムや塩化ビニルフィルム、またはナイロン
タフタやポリエステルタフタ等のフィラメント織物をカ
バーシートに用いた目付けが広く行われている。
【0027】ところで、上記のカバーシートは、ゴムシ
ートの架橋時にその表面に重ねられて架橋終了後に剥離
されるが、この発明のようにゴムフィルムにポリエステ
ルフィルムとの間の層間剥離強度を向上させるために接
着性改良剤等が配合されている場合は、架橋後にカバー
シートを剥離しようとしても、ゴムシートとカバーシー
ト間の剥離強度も向上しているためカバーシートの剥離
が困難になり、かといって架橋処理前にカバーシートを
剥離すると、ゴムフィルムのゴムが欠けてカバーシート
に付着するという問題がある。
【0028】したがって、カバーシートでゴムフィルム
の表面粗度を制御する場合は、カバーシートの剥離性を
向上させるための表面処理を行うことが好ましい。ま
た、カバーシートとして、ゴムフィルムに対する接着力
が低い素材、例えばポリ−4−メチルペンテン−1また
はエチレン・メチルメタクリレート共重合体からなるフ
ィルムを用いてもよい。また、ゴムフィルムを多層化
し、接着性改良剤の配合量をポリエステル側よりもカバ
ーシート側で少なくすることができる。また、架橋を電
子線照射で行う場合は、その照射をポリエステルフィル
ム側から行うことも一方法であり、この場合はゴムフィ
ルムとポリエステルフィルムの層間接着力も向上する点
で好ましい。
【0029】なお、カバーシートにナイロンタフタやポ
リエステルタフタ等のフィラメント織物を用いて目付け
する場合、ゴム組成物が織目からしみ出してポリエステ
ルフィルムの裏面を汚染するのを防ぐため、上記の織物
に目止め処理することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施形態1 シリコーンゴム100重量部に対し多価アルコールのメ
タクリル酸エステルを0.2〜20重量部配合し、混練
して得られたシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶媒
に溶解してシリコーンゴム溶液とし、このシリコーンゴ
ム溶液を厚みが0.003〜0.25mmの市販のポリエ
ステルフィルムの表面に乾燥後の全厚みが好ましくは
0.03〜0.5mmとなるように塗布、乾燥し、しかる
のち電子線照射によって架橋し、シリコーンゴムフィル
ムとポリエステルフィルムの層間剥離強度が4N/20
mm以上の複合ゴムフィルムを得る。なお、この実施形態
は、架橋を電子線照射によって行うので、厚みが均一な
複合体を経済的に製造できる点で好ましい。
【0031】得られた複合ゴムフィルムは、ポリエステ
ルフィルムの面を接着面として使用することにより、市
販の汎用接着剤で所望の機材に容易に接着することがで
き、しかもシリコーンゴムフィルムとポリエステルフィ
ルムの層間接着力が強いため、この層間から外力で剥離
されることがなく、実用的である。例えば、シリコーン
ゴムフィルムを機材に接着する際に広く使用されている
両面粘着テープを用いた場合、上記の層間接着力が強い
ため、外力を加えた際に層間で剥離することはなく、両
面粘着テープによる接着部で剥離が生じる。また、シリ
コーンゴムフィルムとポリエステルフィルムとからなる
複合ゴムフィルムであり、シリコーンゴムフィルム単体
に比べて腰が強いため、任意の装置に組み込む際の作業
性に優れる。したがって、シリコーンゴムフィルムの優
れた耐熱性とクッション性を十分に活かしてシール材や
クッション材として使用可能になる。
【0032】実施形態2 液状シリコーンゴム組成物を用い、これを希釈すること
なく直ちにメタクリル酸エステルを添加、攪拌し、しか
るのちポリエステルフィルムの表面に塗布した後、乾燥
することなく電子線照射によって架橋し、複合ゴムフィ
ルムを製造する。得られた複合ゴムフィルムは、シリコ
ーンゴムフィルムとポリエステルフィルムの層間剥離強
度が4N/20mm以上であり、実施形態1の複合ゴムフ
ィルムと同様に使用できる。
【0033】実施形態3 ポリエステルフィルムの表裏両面に接着性向上用のポリ
エステル系ポリマーを積層し、得られた易接着性ポリエ
ステルフィルムの表面に実施形態1のシリコーンゴム溶
液を塗布、乾燥し、このゴムフィルムの表面にカバーシ
ートとしてポリビニルアルコールで目止めしたナイロン
タフタを重ねて圧接させ、得られた積層体にポリエステ
ルフィルム側から電子線を照射してプレ架橋を行い、次
いでカバーシートを剥離したのちゴムフィルム側から電
子線を照射してポスト架橋を行って複合ゴムフィルムを
製造する。得られた複合ゴムフィルムは、シリコーンゴ
ムフィルムとポリエステルフィルムの層間剥離強度が4
N/20mm以上で、実施形態1の複合ゴムフィルムと同
様に実用性が高い。
【0034】実施形態4 シリコーンゴム100重量部に対して多価アルコールの
メタクリル酸エステルを0.2〜20重量部、過酸化物
を0.05〜10重量部それぞれ配合し、混練してゴム
シートを成形し、このゴムシートを用いてトッピング法
により上記実施形態3の易接着性ポリエステルフィルム
の表面にシリコーンゴムフィルムを積層し、しかるのち
熱プレスで加硫して複合ゴムフィルムを製造する。この
複合ゴムフィルムは、シリコーンゴムフィルムとポリエ
ステルフィルムの層間剥離強度が4N/20mm以上で、
実施形態1の複合ゴムフィルムと同様に実用性が高い。
【0035】実施形態5 実施形態4において、その過酸化物を省略し、加硫を熱
プレスに代えて電子線照射で行う以外は、実施形態4と
同様にして層間剥離強度が4N/20mm以上の複合フィ
ルムを製造する。
【0036】実施形態6 実施形態1のシリコーンゴム組成物に該シリコーンゴム
よりも少量の天然ゴムまたはブタジエン系、イソプレン
系、スチレン系、ニトリル系、エチレンプロピレン系、
フッ素系等の合成ゴムを含むゴム組成物を加えて混練
し、溶媒に溶解し、得られたゴム溶液を実施形態3の易
接着性ポリエステルフィルムの表面に塗布、乾燥し、以
下実施形態3と同様にカバーシートを重ねて圧接し、電
子線照射によるプレ架橋とポスト架橋を順に行って層間
剥離強度4N/20mm以上の複合ゴムフィルムを製造す
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳述する。な
お、以下の記載で「部」は重量部を示す。
【0038】実施例1 シリコーンゴムコンパウンドとして、市販の高強度型シ
リコーンゴムコンパウンド(信越化学工業社製、「KE
555−U」)および市販の一般成形用シリコーンゴム
コンパウンド(信越化学工業社製、「KE958−
U」)を60:40の重量比で配合し、2本ロールを用
い、100℃で混練して厚み3mmのゴムシートを成形し
た。この未加硫のゴムシートを切断して1cm角の細片と
し、この細片をトルエンに対する重量比率が23%とな
るように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌
機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をト
ルエンに溶解した後、該溶液にトリメチロールプロパン
トリメタクリレートを、シリコーンゴムコンパウンド1
00部に対して2部となるように添加し、均一に攪拌し
た後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧−750mmHgの
真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
【0039】次いで、上記の溶解、脱泡で得られたシリ
コーンゴム溶液をロールコーターに供給し、あらかじめ
コロナ処理を施した厚み0.038mmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムのコロナ処理面に乾燥後厚みが
0.15mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入
し、80℃で乾燥し、更に電子線照射装置(200K
V、15Mrad )に導き、ゴム側から電子線を照射して
架橋処理を施し、シリコーンゴムフィルムにポリエステ
ルフィルムが積層された複合ゴムフィルムを製造した。
【0040】得られた複合ゴムフィルムにおけるシリコ
ーンゴムフィルムとポリエステルフィルムの層間剥離強
度をJIS K6854に準じT型剥離法で測定したと
ころ、途中でシリコーンゴムフィルムが破損し、剥離強
度は10N/20mm以上と判断された。したがって、こ
の複合ゴムフィルムのポリエステルフィルム面を両面粘
着テープで機材に接着した際、接着性が良好であると共
に、外力で上記の層間が剥離することはなく、かつポリ
エステルフィルムの存在により作業性に優れており、実
用性の高いものであった。
【0041】比較例1 実施例1において、トリメチロールプロパントリメタク
リレートの添加を省略する以外は実施例1と同様にして
比較例1の複合ゴムフィルムを製造した。この比較例1
の層間剥離強度を前記同様に測定したところ、0.4N
/20mmと低く、この複合ゴムフィルムは装置に組み込
んだ際に層間から剥離し易く、実用性に劣るものであっ
た。
【0042】実施例2 実施例1におけるトリメチロールプロパントリメタクリ
レートの添加量を4部とし、かつシリコーンゴム溶液を
ポリエステルフィルムの非コロナ面に塗布、乾燥する以
外は、実施例1と同様にして実施例2の複合ゴムフィル
ムを製造した。層間剥離強度は、8N/20mmと強く、
実用性に優れていた。
【0043】比較例2 実施例2におけるトリメチロールプロパントリメタクリ
レートの添加を省略する以外は、実施例2と同様にして
比較例2の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離
強度は0.08N/20mmと低く、実用性に劣るもので
あった。
【0044】実施例3 実施例1のシリコーンゴム溶液を調製する際、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレートの添加量を1部にす
る以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム溶液を得
た。一方、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表裏
両面に接着性向上用のポリエステル系ポリマー(テレフ
タル酸、イソフタル酸、3−スルホイソフタル酸のナト
リウム塩、エチレングリコール、ジエチレングリコール
およびネオペンチルグリコールよりなるポリエステル)
を積層した厚み0.038mmの易接着性ポリエステルフ
ィルムを用意する。そして、この易接着性ポリエステル
フィルムに上記のシリコーンゴム溶液を乾燥後厚みが
0.16mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入
して80℃で乾燥し、そのゴム表面にカバーシートとし
てポリビニルアルコールで目止め処理を施したナイロン
タフタを重ね、圧着ロールを用いて圧力5 kgf/cm2
押さえながら連続的に積層する。
【0045】次いで、得られた積層体を電子線照射装置
に導入し、ポリエステルフィルム側から200KV、3
Mrad の電子線照射によるプレ架橋を行ってゴムフィル
ムとポリエステルフィルムとを接着し、上記のカバーシ
ートを剥離した。続いて、得られたシリコーンゴムフィ
ルムとポリエステルフィルムの複合体を再び電子線照射
装置に導入し、ゴムフィルム側から200KV、15M
rad の電子線照射によるポスト架橋を行い、総厚み0.
20mmの複合ゴムフィルムを得てロール状に巻き取っ
た。ゴムフィルムとポリエステルフィルムの層間剥離強
度は、測定時にゴムフィルムが破損して12N/20mm
以上と判断される程度に強く、実施例1の複合ゴムフィ
ルムと同様に実用性の高いものであった。
【0046】比較例3 実施例3におけるトリメチロールプロパントリメタクリ
レートの添加を省略する以外は実施例3と同様にして比
較例3の複合ゴムフィルムを製造した。この複合ゴムフ
ィルムの層間剥離強度は0.8N/20mmと低く、実用
性の劣るものであった。
【0047】実施例4〜7 実施例3のトリメチロールプロパントリメタクリレート
に代えて種々の接着性改良剤を用い、配合量を変える以
外は実施例3と同様にして複合ゴムフィルムを製造し
た。得られた複合ゴムフィルムの層間剥離強度は、下記
の表1に示すように強く、実用性の高いものであった。
【0048】 表 1 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 接着性改良剤 A B C D 配合量(部) 4 6 3 2 層間剥離強度(N/20mm) 10以上 8 8 12以上 ただし、表中の接着性改良剤A〜Dは下記の化合物を示
す。 A:トリメチロールプロパントリアクリレート B:トリアリールイソシアヌレート C:エチレングリコールジメタクリレート D:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
【0049】実施例8 実施例3において、シリコーンゴムコンパウンドとし
て、市販の高強力型シリコーンゴムコンパウンド(信越
化学工業社製、「KE575−U」)、市販の一般成形
用シリコーンゴムコンパウンド(信越化学工業社製、
「KE956−U」)および市販の導電型シリコーンゴ
ムコンパウンド(信越化学工業社製、「KE3603−
U」)を用い、これらを70:10:20の比率で混練
する以外は、実施例3と同様にして実施例8の複合ゴム
フィルムを製造した。この複合ゴムフィルムの層間剥離
強度は、測定時にシリコーンゴムフィルムが破損して1
1N/20mm以上と判断される程度に強く、実用性に優
れていた。
【0050】比較例4 実施例8におけるトリメチロールプロパントリメタクリ
レートの添加を省略する以外は、実施例8と同様にして
比較例4の複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離
強度は0.8N/20mmと低く、実用性に劣るものであ
った。
【0051】実施例9 実施例3において、シリコーンゴムコンパウンドを市販
の高強力型シリコーンゴムコンパウンド(信越化学工業
社製、「KE522−U」)単独に、ゴムフィルムの厚
みを0.035mmに、ポリエステルフィルムの厚みを
0.10mmに、またカバーシートをマット加工したポリ
エチレンフィルムにそれぞれ変更する以外は、実施例3
と同様にして実施例9の複合ゴムフィルムを製造した。
その層間剥離強度は、測定時にゴムフィルムが破損して
12N/20mm以上と判断される程度に強く、実用性に
優れていた。
【0052】比較例5 実施例9において、そのトリメチロールプロパントリメ
タクリレートの添加を省略する以外は、実施例9と同様
にして比較例5の複合ゴムフィルムを製造した。その層
間剥離強度は0.7N/20mmと低く、実用性に欠けて
いた。
【0053】実施例10 実施例3において、ポリエステルフィルムの接着性向上
用ポリエステル系ポリマーを市販の水分散型ポリウレタ
ン樹脂(大日本化学工業社製「ハイドランHW35
0」)および市販の水分散型ポリエステル樹脂(東洋紡
績社製「バイロナールMD1200」)の60:40重
量比の混合物に、ポリエステルフィルムの厚みを0.0
5mmに、カバーシートをポリ−4−メチルペンテン1の
共重合体からなる厚み0.035mmのマット加工フィル
ム(三井石油化学社製「オピュランX−60YMT4)
にそれぞれ変更する以外は、実施例3と同様にして複合
ゴムフィルムを製造した。その層間剥離強度は、測定時
にゴムフィルムが破損して11N/20mm以上と判断さ
れる程度に強く、実用性に優れていた。
【0054】実施例11 シリコーンゴムコンパウンドとして、市販の高強度型シ
リコーンゴムコンパウンド(信越化学工業社製、「KE
555−U」)および市販の一般成形用シリコーンゴム
コンパウンド(信越化学工業社製、「KE958−
U」)を70:30の重量比で配合し、これに2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン5部およびトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト3部を加え、2本ロールを用い、100℃で混練して
厚み3mmのゴムシートを成形した。一方、ポリエチレン
テレフタレートフィルムの表裏両面に実施例3の接着性
向上用のポリエステル系ポリマーを積層した厚み0.0
75mmの易接着性ポリエステルフィルムを用意する。そ
して、この易接着性ポリエステルフィルムに上記のゴム
シートを、トッピング法でゴム層厚みが0.30mmとな
るように積層し、165℃のヒートプレスによる加硫処
理を施して複合ゴムフィルムを製造した。その層間剥離
強度は、測定時にゴムフィルムが破損して10N/20
mm以上と判断される程度に強く、実用性に優れていた。
【0055】実施例12 実施例11の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサンを省略する以外は、実施例11
と同様にトッピング法でゴムを易接着性ポリエステルフ
ィルムに積層し、これを電子線照射装置(750KV、
15Mrad )に導き、ポリエステルフィルム側から電子
線を照射して架橋処理を施し、シリコーンゴムフィルム
およびポリエステルフィルムの複合ゴムフィルムを製造
した。得られた複合フィルムの層間剥離強度は、10N
/20mm以上と判断される程度に強く、実用性に優れて
いた。
【0056】実施例13 シリコーンゴム以外のゴムとしてEPDM(エチレン含
有量34%、日本合成ゴム社製「EP21」)を用い、
このEPDM100部につきポリエチレングリコール
(分子量4000)を2.5部、ステアリン酸を0.5
部、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(大内
新興化学工業社製「ノクラックMBZ」)を1.5部、
4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン(大内新興化学工業社製「ノクラックCD」)を0.
7部、フェノールホルムアルデヒドを2.0部、MAF
カーボンを30.0部、FTカーボンを40.0部、ポ
リブテンを15.0部、N,N′−mフェニレンジマレ
イミドを1.5部添加し、常法により混練した。
【0057】市販の高強度型シリコーンゴムコンパウン
ド(信越化学工業社製、「KE555−U」)および上
記のEPDMコンパウンドを80/20の重量比で常法
により混練し、得られたゴム混合物を用い、実施例3と
同じ方法で複合フィルムを得た。この複合ゴムフィルム
の層間剥離強度は、11N/20mm以上と判断される程
度に強く、かつ耐候性が向上し、実用性に優れていた。
【0058】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発明は、シリコー
ンゴムを主成分とするゴムフィルムとポリエステルフィ
ルムの複合体であるから、ポリエステルフィルム面を接
着面として装置に組み込む場合、単体のゴムフィルムで
は接着力が弱くて使用できないような安価な汎用接着剤
を使用することができ、かつ単体のゴムフィルムに比べ
て腰が強いため、組み込み作業時の作業性が向上する。
更に、シリコーンゴムを主成分とするゴムフィルムとポ
リエステルフィルムの層間接着力が強く、外力で相関剥
離が生じないため、広い分野でシール材やクッション材
として好適に使用することができる。
【0059】請求項5〜8記載の発明によれば、請求項
1〜4に記載された複合ゴムフィルムを容易に、かつ経
済的に製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    にシリコーンゴムを主成分とするゴムフィルムを積層し
    てなる複合ゴムフィルムにおいて、上記のゴムフィルム
    およびポリエステルフィルムの層間剥離強度が4N/2
    0mm以上であることを特徴とする複合ゴムフィルム。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴムを主成分とするゴムフィ
    ルムが接着性改良剤を配合した組成物からなる請求項1
    記載の複合ゴムフィルム。
  3. 【請求項3】 接着性改良剤がラジカル反応に対して活
    性な官能基を含む化合物である請求項2記載の複合ゴム
    フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムがポリエステル系
    ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリアクリル系ポ
    リマーまたはこれらの混合物からなる接着性向上用の易
    接着層を積層したものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の複合ゴムフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    にシリコーンゴムを主成分とする未加硫のゴム組成物を
    積層し、次いで加硫処理をすることを特徴とする複合ゴ
    ムフィルムの製造法。
  6. 【請求項6】 未加硫のゴム組成物が接着剤改良剤を配
    合したものである請求項5記載の複合ゴムフィルムの製
    造法。
  7. 【請求項7】 接着性改良剤がラジカル反応に対して活
    性な官能基を含む化合物である請求項6記載の複合ゴム
    フィルムの製造法。
  8. 【請求項8】 ポリエステルフィルムがポリエステル系
    ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリアクリル系ポ
    リマーまたはこれらの混合物からなる接着性向上用の易
    接着層を積層したものである請求項5〜7のいずれかに
    記載の複合ゴムフィルムの製造法。
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