JPH1076667A - インクジェット記録ヘッド用インク室基板の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド用インク室基板の製造方法

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JPH1076667A
JPH1076667A JP23266496A JP23266496A JPH1076667A JP H1076667 A JPH1076667 A JP H1076667A JP 23266496 A JP23266496 A JP 23266496A JP 23266496 A JP23266496 A JP 23266496A JP H1076667 A JPH1076667 A JP H1076667A
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JP
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ink chamber
chamber substrate
ink
recording head
jet recording
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JP23266496A
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English (en)
Inventor
Seiichi Hiroe
誠一 廣江
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の微細なインク加圧室溝を高密度かつ高
精度に形成可能なインクジェット記録ヘッド用インク室
基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 インク室基板の製造行程を実物のインク
室基板14と同形状かつ同寸法のインク室基板模型23
を製作する第1の工程20と、インク室基板模型23を
金属膜層24で被覆する第2の工程21と、インク室基
板模型23から金属膜層24を剥離してインク室基板雌
金型34を得る第3の工程22と、インク室基板雌金型
34を用いて樹脂材料35をインク室基板14の形状に
成形する第4の工程36との4つの工程で構成し、具体
的には、エキシマレーザ加工で複数の微細な溝を高密度
に形成したインク室基板模型23の形状を電気メッキ法
で形成する金属膜層24で忠実に転写し、その後、前記
金属膜層24をインク室基板雌金型34として用いて樹
脂材料35をインク室基板14の形状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を画像記
録媒体上へ選択的に付着させるインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法に関し、さらに詳しくは、インクジェット
記録ヘッドのインク室を形成するインク室基板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドとしては、圧
電素子の変位を利用してインク室の一部分にあるインク
加圧室の一つの圧力壁を形成する振動板を変形させてイ
ンク室内に充填したインクを加圧することによりインク
加圧室に連通するノズルからインク滴を噴射させるもの
(ピエゾインパルス方式)、あるいはインク室の一部に
あるインク流路内に配設した発熱素子を急激に発熱させ
て気泡を発生させることによりインク室に充填したイン
クをインク流路に連通するノズルからインク滴にして噴
射させるもの(バブルジェット方式)等が種々提案され
てきた。
【0003】上述のインクジェット記録ヘッドは、一般
的には、複数の微細なノズル、複数の微細なインク加圧
室あるいは複数の微細なインク流路、複数の微細なイン
加圧室あるいは複数の微細なインク流路の一部に併設さ
れる複数の微細な噴射エネルギ発生素子等を高密度かつ
高精度に備えている。
【0004】なお、複数のインク加圧室あるいは複数の
インク流路を有する場合、それらの複数のインク加圧室
あるいは複数のインク流路は、共通インク室にて連結さ
れた構造となっている。
【0005】そして、この様なインクジェット記録ヘッ
ドを製造する従来の方法としては、例えば、ガラスや金
属等の基板に切削加工やエッチング加工等によって、複
数のインク加圧室あるいは複数のインク流路を形成する
為の複数の微細な溝、およびそれら複数の微細な溝を連
結して共通インク室を形成する為の溝とを形成したイン
ク室基板を作成し、その後このインク室基板に他の適当
な基板を接合して、ヘッド内に複数のインク加圧室ある
いは複数のインク流路、および共通インク室を形成する
方法が知られている。
【0006】しかしながら、前記従来方法の切削加工に
よるインク室基板への溝の形成は、力学的に材料を除去
する機械的な加工法である為に、溝のエッジ部に欠けが
生じる問題があって、複数の微細な溝を高密度かつ高精
度に加工することは困難であるという課題を有する。
【0007】また、前記従来方法のエッチング加工によ
るインク室基板への溝の形成は、化学的に材料を溶解し
て除去する加工法である為に、材料を除去する加工作用
が溝の深さ方向だけではなくて溝の横方向にも働いてし
まう問題、すなわちエッチング加工に特有のサイドエッ
チングの問題があって、複数の微細な溝を高密度かつ高
精度に加工することは困難であるという課題を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、インクジェット記録ヘッドのインク室を形成するイ
ンク室基板の製造方法において、複数の微細な溝を高密
度かつ高精度に形成することが可能なインクジェット記
録ヘッド用インク室基板の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット記録ヘッド用インク室基板
の製造方法は、下記に記載の手段を採用する。
【0010】本発明のインクジェット記録ヘッド用イン
ク室基板の製造方法は、実物のインク室基板と同形状か
つ同寸法のインク室基板模型を製作する第1の工程と、
前記インク室基板模型を金属膜層で被覆する第2の工程
と、前記インク室基板模型から前記金属膜層を剥離して
インク室基板雌金型を得る第3の工程と、前記インク室
基板雌金型を用いて樹脂材料をインク室基板の形状に成
形する第4の工程との、4つの工程からなることを特徴
とする。
【0011】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
用インク室基板の製造方法の前記第1の工程は、高分子
樹脂製基板にエキシマレーザを照射し、高分子樹脂製の
インク室基板模型を製作することを特徴とする。
【0012】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法の前記第2の工程は、電気
メッキ法により金属膜層を形成することを特徴とする。
【0013】またさらに、本発明のインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法の前記電気メッキ法
は、ニッケル電鋳とすることを特徴とする。
【0014】本発明のインクジェット記録ヘッド用イン
ク室基板の製造方法は、実物のインク室基板と同形状か
つ同寸法のインク室基板模型を製作する第1の工程と、
前記インク室基板模型を金属膜層で被覆する第2の工程
と、前記インク室基板模型から前記金属膜層を剥離して
インク室基板雌金型を得る第3の工程と、前記インク室
基板雌金型を用いて樹脂材料をインク室基板の形状に成
形する第4の工程との、4つの工程を備えている。
【0015】そして、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法の前記第1の工程では、エ
キシマレーザを高分子樹脂製の基板に照射して、高分子
樹脂製の基板を加工することによって、高分子樹脂製の
インク室基板模型を製作するが、エキシマレーザを高分
子樹脂材料に照射するとアブレーションと呼ばれる現象
が起こって、高分子樹脂材料が高精度に除去加工され
る。
【0016】このアブレーション現象による加工作用
は、エキシマレーザのフォトンエネルギが高分子樹脂材
料の分子結合エネルギよりも充分に大きい為に、高分子
樹脂材料の分子結合を直接的に解離させるという原理に
基ずくものであって、分子オーダーでの非熱的な加工が
なされる為に、加工部は非常に滑らかで、欠け等を生じ
ること無く、高精度に加工される。
【0017】また、一般的にレーザ加工における加工限
界の最小寸法はレーザ波長の10倍程度であると言われ
ているが、エキシマレーザ加工では波長が紫外域の短波
長であるが故に10μm以下の微細なパターンの加工が
可能であり、微細形状の加工が高精度かつ高密度に実現
できる。
【0018】よって、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法の前記第1の工程では、エ
キシマレーザを高分子樹脂製の基板に照射して高分子樹
脂製の基板を加工することにより、複数の微細な溝を高
密度かつ高精度に有する高分子樹脂製のインク室基板模
型が製作できる。
【0019】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
用インク室基板の製造方法では、前記第2の工程で、前
記インク室基板模型上に電気メッキ法により金属膜層を
形成し、前記インク室基板模型を前記金属膜層で被覆す
る。
【0020】この第2の工程では、前記第1の工程でエ
キシマレーザ加工により高密度かつ高精度に形成した前
記インク室基板模型上の複数の微細な溝を前記金属膜層
で埋め尽くし、前記インク室基板模型の上面および側面
を完全に前記金属膜層で被覆する。
【0021】またさらに、本発明のインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法では、前記第3の工程
において、前記金属膜層で被覆した前記インク室基板模
型から前記金属膜層を剥離する。
【0022】すると、この第3の工程で剥離する前記金
属膜層には、前記第1の工程でエキシマレーザ加工によ
り高密度かつ高精度に形成した前記インク室基板模型の
形状が凹凸を反転した形で忠実に転写できる。
【0023】よって、前記第3の工程で剥離した前記金
属膜層は、高精度なインク室基板雌金型とすることがで
きる。
【0024】そして、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法では、前記第4の工程にお
いて、前記インク室基板雌金型を用いて樹脂材料をイン
ク室基板の形状に成形することにより、複数の微細な溝
を高密度かつ高精度に有するインクジェット記録ヘッド
用インク室基板が得られる。
【0025】なお、上述の様にして、本発明のインクジ
ェット記録ヘッド用インク室基板の製造方法によって得
られるインクジェット記録ヘッド用インク室基板のイン
ク加圧室あるいはインク流路を形成する複数の微細な溝
においては、従来方法の切削加工法で生じる溝エッジ部
の欠けの問題や、従来方法のエッチング加工法で生じる
サイドエッチングの問題は無い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による一実施例を、
図面を基に説明する。
【0027】図6は、本発明によるインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法によって得たインク室
基板を組み込んだインクジェット記録ヘッドの構成を表
す斜視図である。
【0028】図7は、同インクジェット記録ヘッドの構
成を表す分解斜視図である。
【0029】図8は、本発明によるインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法によって得たインク室
基板の構造を表す斜視図であり、図6および図7に示し
たインク室基板14の構造を表す斜視図である。
【0030】まずは、この図6、図7および図8を用い
て、同インクジェット記録ヘッドの構成の概要を説明す
る。
【0031】同インクジェット記録ヘッドはピエゾイン
パルス方式のインクジェット記録ヘッドであって、図6
および図7に示した様に、圧電素子群10と、圧電素子
群10の一端を固定する基台11と、圧電素子群10に
外部から電力を供給するフレキシブルプリントケーブル
12と、圧電素子群10および基台11とを格納するフ
レーム13と、インク加圧室溝群14aと共通インク室
溝14b(図8に図示した)およびインク供給口14c
とを備えたインク室基板14と、インク室基板14と供
にインク加圧室群および共通インク室の一壁を形成して
圧電素子群10の変位をインク加圧室群に伝達しインク
(図示しない)を加圧する振動板17と、インク滴18
を噴射するノズル群19aを備えたノズル板19とから
構成される。
【0032】なお、インク室基板14は、図8に示した
様に、インク加圧室溝群14aと共通インク室溝14b
およびインク供給口14cとを備えており、インク加圧
室溝群14aの各々のインク加圧室溝は共通インク室溝
14bで連結された構造となっている。
【0033】上記の各構成部材の組立としては、組立圧
電素子群10と基台11との当接面、基台11とフレー
ム13との当接面、圧電素子群10と振動板17との当
接面、フレーム13と振動板17との当接面、振動板1
7とインク室基板14との当接面、ノズル板19とフレ
ーム13およびインク室基板14および振動板17との
当接面が、それぞれ接着剤で固着されて組み立てられて
いる。
【0034】圧電素子群10とフレキシブルプリントケ
ーブル12とは、ハンダ付けされて電気的に導通がとら
れた状態に組み立てられている。
【0035】インク室基板14のインク供給口14cに
は、インク(図示しない)を充填したインクタンク(図
示しない)を取り付けて、インク室基板14と振動板1
7とで形成した共通インク室およびインク加圧室群にイ
ンクを流し込んで充填する。
【0036】そして、共通インク室およびインク加圧室
群にインクを充填した状態で、フレキシブルプリントケ
ーブル12を通して外部から適切な電力を圧電素子群1
0に供給すると、圧電素子群10が変位してインク加圧
室群の一つの壁を形成する振動板17を変形させて、イ
ンク加圧室群に充填したインクを加圧し、インク加圧室
群に連通するノズル群19aからインク滴18を噴射す
る。
【0037】インク滴18を噴射した後には、インク加
圧室群に共通インク室からインクが補給され、共通イン
ク室にはインク室基板14のインク供給口14cに取り
付けたインクタンクからインクが補給される。
【0038】なお、図6および図7では図を簡略化する
為に、ノズル群19aを4個のノズルで構成した同イン
クジェット記録ヘッドを示した。
【0039】また、図8にも図を簡略化する為に、ノズ
ル群19aが4個のノズルで構成された同インクジェッ
ト記録ヘッドに対応するインク室基板14を示した。
【0040】しかし、実際の同インクジェット記録ヘッ
ドでは20個あるいは64個、または128個のノズル
でノズル群19aを構成している。
【0041】そして、同インクジェット記録ヘッドを用
いてインク滴18を画像記録媒体上へ選択的に付着させ
るには、ノズル群19a中の特定の選択したノズルだけ
からインク滴18を噴射させれば良く、その為には圧電
素子群10の中からインク滴18を噴射させたいノズル
に対応した特定の圧電素子を選択し、その選択した特定
の圧電素子だけにフレキシブルプリントケーブル12を
通して電力を供給し、圧電素子群10中のから選択した
特定の圧電素子だけを駆動させれば良い。
【0042】上述、本発明によるインクジェット記録ヘ
ッド用インク室基板の製造方法によって得たインク室基
板14を組み込んだインクジェット記録ヘッドの構成説
明に引き続いては、次に、本発明によるインクジェット
記録ヘッド用インク室基板の製造方法の一実施例を説明
する。
【0043】図1は、本発明によるインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法を表す行程図である。
【0044】本発明のインクジェット記録ヘッド用イン
ク室基板の製造方法は、図8に示した実物のインク室基
板14と同形状かつ同寸法のインク室基板模型23を製
作する第1の工程20と、前記インク室基板模型23を
金属膜層24で被覆する第2の工程21と、前記インク
室基板模型23から前記金属膜層24を剥離してインク
室基板雌金型34を得る第3の工程22と、前記インク
室基板雌金型34を用いて樹脂材料35をインク室基板
14の形状に成形する第4の工程36との、4つの工程
を備えている。
【0045】以下、本発明によるインクジェット記録ヘ
ッド用インク室基板の製造方法を図1に示した行程図の
各工程毎に、行程順に従って説明する。
【0046】図2は、本発明によるインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法において、実物のイン
ク室基板14と同形状かつ同寸法のインク室基板模型2
3を製作する第1の工程20を示す説明図であり、エキ
シマレーザマスクイメージング加工法によってインク室
基板模型23を製作する方法を示している。
【0047】クリプトンフッ素エキシマレーザ発振器2
5から出射させたクリプトンフッ素エキシマレーザ26
は、反射ミラー27によって光路を調整した後、インク
室基板14のパターンを有したマスク28を通過させる
ことによりインク室基板14のパターン状に成形し、そ
の後レンズ29を介して高分子樹脂製基板30上に縮小
投影照射して、実物のインク室基板14と同形状かつ同
寸法のインク室基板模型23を製作する。
【0048】なお、上述でマスク28は、単に、インク
室基板14のパターンを有したマスク28と記したが、
具体的には、高分子樹脂製基板30上に縮小投影照射す
るので、縮小投影倍率に応じて、実物のインク室基板1
4のパターンよりは大きい相似形のパターンを有してい
る。
【0049】さらに詳しくは、実物のインク室基板14
の凹凸形状においては凹部に相当する部分がクリプトン
フッ素エキシマレーザ26を通過させるパターンとして
いる。
【0050】そして、実物のインク室基板14の凹凸形
状においては凹部に相当する部分が、クリプトンフッ素
エキシマレーザ26の照射によって除去加工され、実物
のインク室基板14とは同形状かつ同寸法のインク室基
板模型23が得られる。
【0051】本発明のインクジェット記録ヘッド用イン
ク室基板の製造方法において、実物のインク室基板14
と同形状かつ同寸法のインク室基板模型23を製作する
第1の工程20では、エキシマレーザのフォトンエネル
ギが高分子樹脂材料の分子結合エネルギよりも充分に大
きい為に、高分子樹脂材料の分子結合を直接的に解離さ
せるアブレーションと呼ばれる現象が起こり、このアブ
レーション現象の加工作用によって高分子樹脂製基板3
0が加工され、インク室基板模型23を製作できる。
【0052】なお、アブレーション現象の加工作用は上
述ごとく、高分子樹脂材料の分子結合を直接的に解離さ
せる分子オーダーでの非熱的な加工作用である為に加工
部は非常に滑らかな仕上がりとなり、欠け等を生じるこ
と無く、高精度なインク室基板模型23が得られる。
【0053】また、一般的にレーザ加工における加工限
界の最小寸法はレーザ波長の10倍程度であると言われ
ているが、クリプトンフッ素エキシマレーザ26の波長
は紫外域の248nmという短波長であるが故に、イン
ク室基板模型23にはインク加圧室溝群14aと同形状
かつ同寸法の溝群23aが溝幅10μm以下の微細性で
あっても形成可能である。
【0054】よって、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法の前記第1の工程20で
は、エキシマレーザを高分子樹脂製基板30に照射して
高分子樹脂製基板30を加工することにより、インク加
圧室溝群14aと同形状かつ同寸法の溝群23aを高密
度かつ高精度に有する高分子樹脂製のインク室基板模型
23が製作できる。
【0055】なお、本実施例において、実物のインク室
基板14と同形状かつ同寸法のインク室基板模型23を
製作する第1の工程20としては、マスクイメージング
法エキシマレーザ加工によるインク室基板模型23の製
作方法だけを示した。
【0056】しかしながら、実物のインク室基板14と
同形状かつ同寸法のインク室基板模型23を製作する第
1の工程20の具体的手段としては、マスクイメージン
グ法エキシマレーザ加工だけに限定される訳ではなく、
他にはコンタクトマスク法エキシマレーザ加工、コンフ
ォーマルマスク法エキシマレーザ加工、ビームスキャニ
ング法エキシマレーザ加工などによっても良い。
【0057】次に、図3は、本発明によるインクジェッ
ト記録ヘッド用インク室基板の製造方法において、前記
第1の工程20で製作したインク室基板模型23の上面
および側面に金属膜層24を形成する第2の工程21を
示す説明図であり、電気メッキ法ニッケル電鋳により金
属膜層24を形成する方法を示している。
【0058】金属膜層24を形成するインク室基板模型
23の上面および側面には、電気メッキを行う際の電極
とする為、あらかじめ真空蒸着法により金薄膜31が付
けている。
【0059】そして、金薄膜31を付けてあるインク室
基板模型23と、ニッケル板32とをスルファミン酸ニ
ッケルメッキ浴33中に浸し、インク室基板模型23に
付けた金薄膜31を陰電極、ニッケル板32を陽電極と
して、両電極間に適切にコントロールした電流を流す。
【0060】すると、インク室基板模型23の上面およ
び側面に付けた金薄膜31上には、ニッケル製の金属膜
層24が形成される。
【0061】なお、ここでは、インク室基板模型23上
にエキシマレーザ加工によって形成した溝は、金属膜層
24で完全に埋め尽くすことが重要である。
【0062】インク室基板模型23にエキシマレーザ加
工で形成した溝を完全に金属膜層24で埋め尽くすこと
が重要なのは、本発明によるインクジェット記録ヘッド
用インク室基板の製造方法では、後述する第3の工程2
2において金属膜層24をインク室基板模型23から剥
離して、剥離した金属膜層24は後述する第4の工程3
6において樹脂材料35をインク室基板14の形状に成
形するインク室基板雌金型34として使う為であり、イ
ンク室基板雌金型34の底に相当する部分の厚みを充分
確保する為に重要である。
【0063】次に、図4は、本発明によるインクジェッ
ト記録ヘッド用インク室基板の製造方法において、前記
第2の工程21で製作した金属膜層24をインク室基板
模型23から剥離する第3の工程22を示す説明図であ
る。
【0064】この第3の工程22では、インク室基板模
型23の材質である樹脂を溶解可能な溶剤を用いて、イ
ンク室基板模型23を溶解し、金属膜層24をインク室
基板模型23から剥離する。
【0065】すると、インク室基板模型23から剥離し
た金属膜層24には、前記第1の工程20においてエキ
シマレーザ加工によりインク室基板14と同形状かつ同
寸法に製作したインク室基板模型23の形状が、凹凸を
反転した形で、高精度に、忠実に転写形成できる。
【0066】したがって、前記第3の工程22で剥離し
た金属膜層24は、後述する第4の工程36において、
樹脂材料35をインク室基板14の形状に成形する為の
インク室基板雌金型34として用いることができる。
【0067】次に、図5は、本発明によるインクジェッ
ト記録ヘッド用インク室基板の製造方法において、前記
第3の工程22でインク室基板模型23から剥離した金
属膜層24をインク室基板雌金型34として用い、樹脂
材料35をインク室基板14の形状に成形する第4の工
程36を示す説明図である。
【0068】前記第3の工程22でインク室基板模型2
3から剥離した金属膜層24には、前記第1の工程20
においてエキシマレーザ加工によりインク室基板14と
同形状かつ同寸法に製作したインク室基板模型23の形
状が凹凸を反転した形で転写形成されており、前記第3
の工程22でインク室基板模型23から剥離した金属膜
層24は樹脂材料35をインク室基板14の形状に成形
する為のインク室基板雌金型34として用いることがで
きる。
【0069】そこで、本実施においては、紫外線を照射
することにより固化する光硬化性の樹脂材料35をイン
ク室基板雌金型34に流し込み、その後、光硬化性の樹
脂材料35に紫外線を照射して、光硬化性の樹脂材料3
5を固化させる。
【0070】そして、固化させた光硬化性の樹脂材料3
5をインク室基板雌金型34から離型すると、固化した
光硬化性の樹脂材料35にはインク室基板雌金型34の
形状が凹凸を反転した形で転写成形されており、光硬化
性の樹脂材料35製のインク室基板14が得られる。
【0071】なお、上記の本実施例においては、インク
室基板雌金型34で光硬化性の樹脂材料35を成形して
光硬化性の樹脂材料35製のインク室基板14を得る事
例を示したが、本発明のインクジェット記録ヘッド用イ
ンク室基板の製造方法における第4の工程36はこれだ
けに限定される訳ではない。
【0072】上記本実施例以外には、熱可塑性樹脂材料
をインク室基板雌金型34で成形して熱可塑性樹脂材料
製のインク室基板14を得ても良いし、熱硬化性樹脂材
料をインク室基板雌金型34で成形して熱硬化性樹脂材
料製のインク室基板14を得ても良い。
【0073】上述の様に、本発明のインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法では、エキシマレーザ
加工によって高精度かつ滑らかに形成したインク室基板
模型23の形状を金属膜層24で忠実に転写することに
より高精度なインク室基板雌金型34得て、その高精度
なインク室基板雌金型34によって樹脂材料35を成形
して、インク室基板14を得る。
【0074】したがって、本発明のインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法で得られるインク室基
板14のインク加圧室溝群14aについては、従来の切
削加工法でインク加圧室溝群14aを形成した時の様
に、インク加圧室溝群14aの溝エッジ部で欠けを生じ
る問題は無い。
【0075】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
用インク室基板の製造方法で得られるインク室基板14
のインク加圧室溝群14aについては、従来のエッチン
グ加工法でインク加圧室溝群14aを形成した時の様な
サイドエッチングの問題も無い。
【0076】なお、上述の本実施例によって得られたイ
ンク室基板14には、インク供給口14cが設けられて
いないが、インク供給口14cについてはドリル等の穴
開け工具を用いての追加工によって設けられる。
【0077】
【発明の効果】以上の説明で明かなように、本発明にお
けるインクジェット記録ヘッド用インク室基板の製造方
法では、実物のインク室基板と同形状かつ同寸法のイン
ク室基板模型を製作する第1の工程と、前記インク室基
板模型を金属膜層で被覆する第2の工程と、前記インク
室基板模型から前記金属膜層を剥離してインク室基板雌
金型を得る第3の工程と、前記インク室基板雌金型を用
いて樹脂材料をインク室基板の形状に成形する第4の工
程との、4つの工程を備えている。
【0078】そして、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法の前記第1の工程は、エキ
シマレーザを高分子樹脂製基板に照射して、高分子樹脂
製基板を加工することによって、高分子樹脂製のインク
室基板模型を製作する。
【0079】前記第2の工程は、電気メッキ法によって
前記インク室基板模型を金属膜層で被覆する。
【0080】なお、前記電気メッキ法は、具体的にはニ
ッケル電鋳とする。
【0081】したがって、本発明のインクジェット記録
ヘッド用インク室基板の製造方法によって得られるイン
ク室基板のインク加圧室あるいはインク流路を形成する
複数の微細な溝においては、従来方法の切削加工法で生
じる溝エッジ部の欠けの問題や、従来方法のエッチング
加工法で生じるサイドエッチングの問題は無い。
【0082】このため、インクジェット記録ヘッドのイ
ンク室を形成するインク室基板の製造方法において、複
数の微細な溝を高密度かつ高精度に形成することが可能
なインクジェット記録ヘッド用インク室基板の製造方法
が提供された。
【0083】ひいては、信頼性が高く、高性能なインク
ジェット記録ヘッドが提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法を表す行程図である。
【図2】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法において、実物のインク室
基板14と同形状かつ同寸法のインク室基板模型23を
製作する第1の工程20を示す説明図である。
【図3】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法において、前記第1の工程
20で製作したインク室基板模型23の上面および側面
に金属膜層24を形成する第2の工程21を示す説明図
である。
【図4】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法において、前記第2の工程
21で製作した金属膜層24をインク室基板模型23か
ら剥離する第3の工程22を示す説明図である。
【図5】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法において、前記第3の工程
22でインク室基板模型23から剥離した金属膜層24
をインク室基板雌金型34として用いて、樹脂材料35
をインク室基板14の形状に成形する第4の工程36を
示す説明図である。
【図6】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法によって得たインク室基板
14を組み込んだインクジェット記録ヘッドの構成を表
す斜視図である。
【図7】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法によって得たインク室基板
14を組み込んだインクジェット記録ヘッドの構成を表
す分解斜視図である。
【図8】本発明による実施例のインクジェット記録ヘッ
ド用インク室基板の製造方法によって得たインク室基板
14の構造を表す斜視図である。
【符号の説明】
14 インク室基板 18 インク滴 20 実物のインク室基板14と同形状かつ同寸法の
インク室基板模型23を製作する第1の工程 21 インク室基板模型23を金属膜層24で被覆す
る第2の工程 22 インク室基板模型23から金属膜層24を剥離
してインク室基板雌金型34を得る第3の工程 23 インク室基板模型 24 金属膜層 26 クリプトンフッ素エキシマレーザ 30 高分子樹脂製基板 34 インク室基板雌金型 35 樹脂材料 36 インク室基板雌金型34を用いて樹脂材料35
をインク室基板14の形状に成形する第4の工程

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を画像記録媒体上へ選択的に付
    着させるインクジェット記録ヘッドのインク室を形成す
    るインク室基板の製造方法において、実物のインク室基
    板と同形状かつ同寸法のインク室基板模型を製作する第
    1の工程と、前記インク室基板模型を金属膜層で被覆す
    る第2の工程と、前記インク室基板模型から前記金属膜
    層を剥離してインク室基板雌金型を得る第3の工程と、
    前記インク室基板雌金型を用いて樹脂材料をインク室基
    板の形状に成形する第4の工程との、4つの工程からな
    ることを特徴とするインクジェット記録ヘッド用インク
    室基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程は、高分子樹脂製基板に
    エキシマレーザを照射し、高分子樹脂製のインク室基板
    模型を製作することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録ヘッド用インク室基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程は、電気メッキ法により
    金属膜層を形成することを特徴とする請求項1又は2に
    記載のインクジェット記録ヘッド用インク室基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記電気メッキ法は、ニッケル電鋳とす
    ることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記
    録ヘッド用インク室基板の製造方法。
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