JP2000025237A - 静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッドの製造方法及 び射出ヘッドのスタンパの製造方法 - Google Patents

静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッドの製造方法及 び射出ヘッドのスタンパの製造方法

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JP2000025237A
JP2000025237A JP20719698A JP20719698A JP2000025237A JP 2000025237 A JP2000025237 A JP 2000025237A JP 20719698 A JP20719698 A JP 20719698A JP 20719698 A JP20719698 A JP 20719698A JP 2000025237 A JP2000025237 A JP 2000025237A
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ejection
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Osamu Tajima
修 田島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細加工技術を適用できる構造として高密度
記録が可能な静電液体トナージェットプリンタの射出ヘ
ッドを正確に且つ大量生産で製造できる製造方法を提供
する。 【解決手段】 誘電体よりなる先端が尖った複数の射出
突起1と、各射出突起の略下方に配置された記録電極部
14とを備えた静電液体トナージェットプリンタの射出
ヘッドPRの製造方法において、前記射出突起の凹凸形
状を反転させた形状の凹凸を有するスタンパ48と、前
記記録電極部のパターンが形成されたプリント配線基板
6との間に、熱可塑性プラスチック材を介在させて、こ
れらをプレス機により熱圧着することにより前記スタン
パの凹凸形状を前記プラスチック材53に転写させるよ
うにする。これにより、微細加工技術を適用できる構造
として高密度記録が可能な静電液体トナージェットプリ
ンタの射出ヘッドを正確に且つ大量生産で製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電させた着色粒
子を分散させてなる液体トナーを静電力により飛翔させ
て記録媒体上に文字や画像を印刷する静電液体トナージ
ェットプリンタの射出ヘッドの製造方法及び射出ヘッド
のスタンパの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの出力装
置として、対向する記録紙等の記録媒体に向かってイン
ク粒子を射出させる事により記録紙上に文字や画像を形
成するインクジェット記録方式のプリンタが広く普及し
ている。その中にあって、帯電された着色粒子を絶縁液
体中に分散させた液体トナーを用い、静電気力により帯
電着色粒子を記録紙上に射出させて記録を行う静電式の
液体トナージェットプリンタが注目されている。この理
由は、バブルの熱膨張によってノズルから液体トナーを
飛び出させるバブルジェット方式の記録装置やピエゾポ
ンプを用いてノズルから液体トナーを飛び出させるバブ
ルジェット方式の記録装置は、液詰まりの原因となるノ
ズルを用いなければならないのみならず、記録の濃淡
(階調)をつけるためには内径の異なる多数のノズルを
用意しなければならないのに対し、静電式の記録装置
は、ノズルが不要であるのみならず、濃淡の形成は電圧
パルス幅やパルスの高さを変えるだけで容易に実現でき
るからである。
【0003】この静電式のジェットプリンタの射出ヘッ
ドは、例えば特開平9−11475号公報、特開平8−
207307号公報及び特開平9−207355号公報
等に示されており、先端が尖った電極の射出ポイント
に、帯電された着色粒子を分散させてなる液体トナーを
供給し、電極に帯電着色粒子と同極性の電圧を印加して
その時発生するクーロン力により着色粒子を射出し、記
録するものである。画像を形成するためには、帯電色剤
粒子を射出ポイントに凝集させるバイアス電圧を電極に
印加しておき、画像入力信号に応じて電極にパルス状に
射出電圧を印加して記録を行う。この静電液体トナージ
ェット方式は帯電着色粒子を、凝集して射出するため高
濃度印字ができると共に、静電液体トナージェットプリ
ンタの構造が比較的シンプルなため、記録電極をライン
状に並べてマルチ射出点とし、高速印字が容易にできる
特徴を持っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の従
来の静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッドにあ
っては、一般的に、射出ポイントに向かう液体トナーの
流路に沿って記録電極が配置された構造となっているの
で、更なる高密度記録を行なうためには、構造が十分に
シンプル化されたとは言えず、記録密度が限界となって
いた。例えば先の特開平9−207355号公報に開示
されたプリンタにおいては、射出性能に関しては十分な
制御性を有するが、ここで用いられる射出突起は、外径
1mm、長さ10mm程度であり、このような大きな寸
法で複雑な構造の射出突起では、1インチ当たり300
〜600の射出ポイントの密度が必要とされる高密度プ
リンタとして実用化することは極めて困難である。
【0005】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は微細加工技術を適用できる構造として高密度記録が
可能な静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッドを
正確に且つ大量生産で製造できる製造方法及び射出ヘッ
ドのスタンパの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、誘電体よりなる先端が尖った複数の射
出突起と、各射出突起の略下方に配置された記録電極部
とを備えた静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッ
ドの製造方法において、前記射出突起の凹凸形状を反転
させた形状の凹凸を有するスタンパと、前記記録電極部
のパターンが形成されたプリント配線基板との間に、熱
可塑性プラスチック材を介在させて、これらをプレス機
により熱圧着することにより前記スタンパの凹凸形状を
前記プラスチック材に転写させるようにしたものであ
る。
【0007】これにより、射出突起の下方に記録電極部
を配置する構造としたので、射出突起を高密度で形成す
ることが可能となる。そして、射出ヘッドは、熱可塑性
プラスチック材を介在させたプレス加工で形成できるの
で、大量に高速で量産することが可能となる。この場
合、前記プラスチック材は、所定のガラス転移点を有す
る熱可塑性のプラスチックシートにより形成してもよい
し、また、前記プラスチック材は、ゲル状に軟化された
プラスチックゲル材により形成してもよい。
【0008】また、上記射出ヘッドを形成するためのス
タンパを製造するに際しては、感光性の樹脂層を積層し
つつパターン露光することにより所定の凹凸表面を形成
する光造形法を用いてマスターを形成し、該マスターに
前記凹凸表面を転写するために膜厚のメッキ層を形成
し、該メッキ層を前記マスターより引き剥がすようにし
て製造するようにしてもよいし、または、超微細放電加
工機を用いて所定の凹凸表面を形成することにより製造
するようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の静電液体トナー
ジェットプリンタの射出ヘッドの製造方法及び射出ヘッ
ドのスタンパの製造方法の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。まず、本発明方法によって形成される射出
ヘッドの構造について説明する。図1は本発明方法によ
り製造される静電液体トナージェットプリンタの射出ヘ
ッドを示す平面図、図2は図1中の射出ヘッドの1つの
射出突起を示す平面図、図3は図1中のA−A線矢視断
面図、図4は図3に示す構造において液体トナーのメニ
スカスが形成された状態を示す図、図5はプリント配線
基板に形成された記録電極部を示す平面図である。
【0010】図1に示すようにこの静電液体トナージェ
ットプリンタの射出ヘッドPRは、多数の射出突起1を
縦横に配列してマルチヘッドとして構成される。図示例
では縦に4行、横に7列配列され、全部で28個の射出
突起1が示されているが、実際には更に多くの射出突起
が形成される。後述するように各射出突起1が射出ポイ
ントとなり、この先端より液体トナーの液滴が飛ばされ
る。各射出突起1は、図3にも示すように略円錐状に形
成されて、その上端は微小面積の平坦面或いは曲面形状
になされている。各射出突起1の底部の周囲には、これ
を囲むようにして溝状のカナル3がリング状に形成され
ており、これに沿って帯電着色粒子を含む液体トナーT
Nを流すようになっている。
【0011】また、各射出突起1間或いはその側部を通
るようにして、図1中においては縦方向に全体に液体ト
ナーTNを導入するための流入クリーク34と使用済み
の液体トナーTNを流出させるための排出クリーク36
が交互に設けられる。そして、流入クリーク34の一端
は、流入ゲート32を介して液体トナーの流路の大もと
となる供給チャネル30へ連通されて他端は閉塞され、
他方、排出クリーク36の一端は供給チャネル30とは
反対側に設けた排出チャネル31に排出ゲート38を介
して連通されて他端は閉塞されている。そして、各リン
グ状のカナル3は、一側で溝状になされた流入キレット
4を介して流入クリーク34に連通され、他側で溝状に
なされた排出キレット5を介して排出クリーク36に連
通されている。従って、液体トナーTNは図1中の矢印
に示すように供給チャネル30、導入クリーク34、各
カナル3、排出クリーク36及び排出チャネル3の順で
流れて行くことになる。そして、各カナル3、クリーク
34、36、キレット4、5によって囲まれた部分は周
囲より僅かに高くなされてランド2として形成されるこ
とになる。
【0012】一方、図3及び図4にも示すようにプリン
ト配線基板6には、射出突起1の略下方に位置するよう
に記録電極部14が形成されている。具体的には、この
記録電極部14は基板6の上面或いはその近傍に形成さ
れた駆動電極15とバイアス電極16よりなる。図5
(A)は記録電極部14のパターン形状を示し、駆動電
極15とバイアス電極16はそれぞれ射出突起1とラン
ド2の基部と一致するように設けられている。バイアス
電極16は各射出ポイントに共通のバイアス電圧を与え
るものであり、図5(A)に示すように駆動電極15を
抜いたような形状の連続パターンとして構成される。図
5(B)は基板6の背面図であり、駆動電極15はスル
ーホール15aによって背面の個別配線17に繋がって
いる。そして、個別配線17は端子18に接続され、バ
イアス電極16は共通配線17aを介して端子19に接
続される。各駆動電極15は図示しない駆動電源より個
別配線17を介して個別に駆動電圧を印加することがで
きるようになっている。
【0013】次に、以上のように構成されたプリンタの
射出ヘッドの動作について説明する。まず、液体トナー
TNは供給チャネル30及び導入クリーク34を介して
導入され、更に流入キレット4を経由して各射出突起1
とランド2の間の各カナル3に流入する。この液体トナ
ーを移動させる力は射出突起1とランド2、カナル3の
表面の親和性(濡れ性)とカナル3、各キレット4、5
による毛細管現象である。このカナル3に流入した得体
トナーTNは射出突起1とランド2の上面を濡らし、カ
ナル3の上面に略円錐型のメニスカス21(図6参照)
を形成する。また、使用済みの液体トナーTNは、排出
キレット5を経由して排出クリーク36へ流れた後、排
出チャネル31に排出される。
【0014】図6乃至図9は、射出工程を説明するため
に射出ポイントである射出突起の近傍を示す断面拡大
図、図10は端子に印加される電圧波形を示す図であ
る。端子18、19に電圧印加の無いときは液体トナー
TN中の帯電された着色粒子Pは均一に分散している。
バイアス電極16の端子19に帯電着色粒子Pと同極性
のバイアス電圧Vb(図10(A)参照)を印加すると
図7中に示す矢印E、Fのようにバイアス電極16より
外側斜め上方向(射出突起1の先端方向)に向かう電気
力線が発生するので、帯電着色粒子Pはメニスカス21
の先端方向に押し出され、先端付近における着色粒子P
の密度は高くなる。着色粒子Pはバイアス電極から遠退
く力が働くので、着色粒子Pと接している溶媒を引き連
れてメニスカス21の頂点22を上方へ引き上げる。
【0015】図10(A)に示すようにバイアス電圧V
bは印字開始時tsで印加され、印字終了時teで断た
れる。このメニスカス21の膨らみ量は帯電した着色粒
子Pがバイアス電圧Vbによる電界によって受ける力、
溶媒の表面張力のバランスで決まる。図8において駆動
電極15の端子18に駆動電圧Vb(図10(B)参
照)を印加すると矢印Gの如く上向きの電気力線が加わ
り、着色粒子Pの電界による凝集と離脱力は益々大きく
なり、溶媒の表面張力を越えてメニスカス21の頂点2
2は更に伸び出し、ついに図9のように凝集された着色
粒子Pよりなるドロップ(液滴)24となり射出され
る。そして、この前方に置かれた紙等の記録媒体に凝集
された高濃度の着色粒子Pが衝突・粘着され高品位の印
刷が成される。
【0016】駆動電圧Vdは図10(B)のようにバイ
アス電圧Vbの立ち上げである印字開始時tsから着色
粒子Pの凝集が生ずる時間だけ経過した時点である時間
t1から立ち上がる。この駆動電圧Vdが持続している
間に急速な着色粒子Pの凝集と射出が行なわれる。この
ドロップ射出時点で駆動電極15への電圧印加を停止す
ると、ドロップ24が取れ去られた図6に示すような状
態を経てバイアス電圧Vbにより再度、膨らんだ頂点2
2を有するメニスカス21の状態に戻る。一つの駆動パ
ルスに続く次の駆動パルスによって、直ちに液体トナー
TNの凝集した着色粒子Pの射出が行なわれるよう駆動
パルスの休止期間が設定される。駆動パルスによって連
続的に生ずる着色粒子Pの凝集、ドロップ24の成長、
溶媒表面張力への打ち勝ち、離脱(射出)は自励発振現
象であるので、駆動電圧Vdが高い程、或いは印加時間
Tnが長い程、一つの駆動電圧印加期間に射出されるド
ロップ24の量は多い。このように駆動電圧の高さ、或
いはパルス幅の制御によって印字ドットの寸法は制御さ
れる。
【0017】尚、駆動電極15において図10(C)に
示すように駆動パルスとパルスの間にもバイアス電圧V
b1を印加することにより、着色粒子の凝集力は高まる
ので、バイアス電極16のバイアス電圧Vb(図10
(A))は小さくできる。また、この駆動法を採用する
ときはバイアス電極16を持たないで駆動電極15のみ
の記録電極部14の構造としてもよく、この場合にも射
出動作ができる。この場合、駆動電極15による着色粒
子の凝集と射出の効率を上げるため駆動電極15は隣接
する駆動電極との絶縁、クロストークを考慮しつつでき
るだけ大きくすることが望ましい。
【0018】次に、上記した射出ヘッドの製造方法につ
いて説明する。図11は射出ヘッドのスタンパを作るマ
スター41を示す図であり、この表面は、図3に示した
射出突起1とランド2とカナル3に対応させて凹凸が付
された形状になされている。図12は上記マスター41
を形成するための工程を示す工程図、図13は上記マス
ターからスタンパ形成する方法を示す図である。まず、
上記マスター41は、図12に示すように感光性の樹脂
層を一層ずつ光造形法で積み上げることによって形成さ
れる。すなわち、図12において、42はベース板であ
り、このベース板42の表面に感光性の樹脂層として紫
外線硬化樹脂層7を均一に塗布する(図12(A)参
照)。そして、矢印Dのようにランドと射出突起の基部
形状のパターンで紫外線露光を行ない、露光部を硬化さ
せる。この露光の時は細く絞った光ビームで描画するよ
うにしてもよい。ついで、図12(B)に示すように紫
外線硬化樹脂層8を塗布しランドと射出突起のその高さ
位置に相当する断面形状に露光して硬化させる。更に、
図12(C)に示すように紫外線硬化樹脂層9を重ねて
塗布して露光硬化させるとランド2に対応する部分43
が完成する。
【0019】次に、図12(D)に示すように紫外線硬
化樹脂層10からはランド2に対応する部分43より突
出した射出突起に対応する部分44を露光硬化させる。
更に、紫外線硬化樹脂層11、12、13の順で射出突
起の断面積を小さくした形状で硬化形成し、最後の紫外
線硬化樹脂層13で射出突起1に対応する部分44の全
体形状が硬化されることになる。そして、未硬化樹脂を
洗浄除去すればマスター41は完成する。このような紫
外線硬化樹脂を用いる微細加工技術は既に実用化されて
いる。この微細加工技術の他に、半導体集積回路の製造
時に用いられるフォトレジストによる形成法も使うこと
ができる。これにより、高密度のマスターを正確に、且
つ精密に形成することができる。上述のようにしてマス
ター41が完成したならばこれを用いて次にスタンパを
形成する。図13に示すようにまず、マスター41の凹
凸表面に金属被覆45を施す。この金属被覆45には銀
鏡反応を利用することができる。次に、この金属被覆4
5の上に無電界ニッケルメッキ、或いはクロムメッキで
肉厚にメッキ層46を形成し、この上面47を平坦に研
磨する。
【0020】次に、このメッキ層46(金属被覆45を
含む)をマスター41から引き剥がして図9に示すよう
なスタンパ48が完成する。当然のように、このスタン
パ48の凹凸面49は射出突起1やランド2等の形状と
相補的な形状となっている。次に、図14に示すように
スタンパー48はプレス機のダイセット50の上型51
に取り付けられる。また、下型52の上面は平滑に仕上
げられている。熱可塑性プラスチック材よりなるプラス
チックシート53は射出ヘッドの射出突起1とランド2
を形成するためのシート状の素材であり、このシート5
3はスタンパ48とプリント配線基板6との間に介在さ
れる。このシート53の材質は適度な熱可塑性(ガラス
転移点)、インク溶媒による濡れ易さ、適正な誘電率等
を基準として選定される。
【0021】上記プリント配線基板6は熱可塑性材料、
或いは高耐熱性材料よりなり、この基板6の上面、或い
は上面近くには駆動電極15とバイアス電極16が予め
設けられている。尚、上記シート53と、基板6は予め
貼合されていても良いが、ただし後述する熱間プレスに
よって貼合が剥がれないような状態としておく。両者が
予め貼合されていないときは熱間プレスで接着されるよ
うな接着剤等でシート53、或いは基板6の接合面を処
理しておく。54は上型51に内蔵されたヒータであ
り、このヒータ54により上型51、スタンパー48を
シート53のガラス転移点の温度よりも高く加熱してお
く。55は下型52に設けたダウエルピンであり、この
ピン55が基板6のパイロット56を受けて基板6の位
置を出す。ダイセット50は図示していないガイドポス
トであり、上型51、下型52の位置が精密に保持され
ているのでスタンパ48の射出突起等のキャビティ(凹
部)と基板6の駆動電極15やバイアス電極16等と正
確な位置合わせがされる。
【0022】図14に示す配置で上下型51、52を定
圧力でプレスするとプラスチックシート53はガラス転
移点以上に加熱されたスタンパ48の熱と圧力でスタン
パ48のキャビティの形に変形して充填される。基板6
は熱可塑樹脂、或いは高耐熱樹脂により形成されている
ので、プレスの圧力と熱を受けても変形が生ずることは
ない。この後、型を開いて図15に示すような多連射出
ヘッドの完成品が取り出されることになる。このプレス
時の技術的ポイントを以下に示す。プレス温度はガラス
転移点を越える程度の温度として定圧力で圧す。プラス
チックシート53が変形してこれがキャビティ内を充填
し切ると型締めは停止する。従って、シート53の厚さ
tはキャビティ充填後において、図15にて厚さΔtの
ように少し残るよう設計しておく。
【0023】また、キャビティへの溶融シートの充填を
確実に行うためプレス操作は真空中で行うのがよい。ま
た、基板6は可撓性材料により薄く形成し、下型52に
馴染むようにするのがシート53の成形を正しく行うた
めに好ましい。また、たとえシート53の厚さがスタン
パ48のキャビティを充填しない不足気味の厚さとして
もキャビティの形状が正確にできているので射出突起1
の高さは均一に仕上げられる。また、キャビティの形状
の設計とシート53の厚さ設計を正確に行なうことがで
きるので射出突起1の頂点から記録電極部14までの距
離を100ミクロン以内の小さな正確な値に設定でき、
従って、液体トナーTNの着色帯電粒子Pの凝集と射出
を能率良く、且つ正確に行なうことができる。
【0024】上記実施例では、熱可塑性の樹脂層として
薄板状のプラスチックシート53を用いた場合を例にと
って説明したが、これに代えて、加熱されてゲル状に軟
化されたプラスチックゲル材を用いるようにしてもよ
い。この場合には、上記シートを用いた場合と異なって
ゲル化材料の厚さは正確にコントロールすることができ
ないのでダイセットの上型51と下型52の締め付けは
定圧ではなく、定位置までの締め付けとして剰余ゲル化
材料がスタンパ48の周囲に溢れ出るようにする。そし
て、ゲル化材料を冷却固化した後、ダイセットを開いて
製品を取り出すようにする。この場合には、上型51と
下型52に挟み込まれるプラスチック材がゲル状に軟化
しているので、これがスタンパ48のキャビティに容易
に入って行くことになり、射出突起等の成形を一層均一
化させることができる。
【0025】また、上記実施例では、スタンパ48を形
成するために光造形法を用いて、まずマスター41を形
成し、次にこれにメッキ層46を形成することによって
スタンパ48を形成していたが、これに代えて、図16
に示すように超微細放電加工機60を用いて直接スタン
パ48を形成するようしてもよい。この加工機60の加
工軸61は矢印A,Bのように任意の方向に微細な寸
法、例えば5ミクロンオーダーで加工ができるので射出
突起1や、ランド2に対応するのキャビティを容易に作
ることができる。キャビティを加工するのは設計的に除
去容量が少なく加工効率が良いからである。また、この
加工機60による加工コストは高いので、これで作った
ものをメタルマザーとしてこれより2次マスター、スタ
ンパを作るようにしてもよい。
【0026】また、上記製造方法に代えて、超微細放電
加工機60を用いて、図17に示すような超高硬度材料
のマスター41を作り、これを圧子として用いてプレス
によって矢印Cのように軟質金属62を押圧してスタン
パ、或いはマザーを作るようにしてもよい。いずれの方
法も金属の機械加工(除去加工)からスタートする方法
であり、前述した光造形法を用いた場合よりも工程数が
少なくて済む。尚、上記実施例においては、多数の射出
突起1の配列や記録電極部の電極構造は単に一例を示し
たに過ぎず、これに限定されないのは勿論である。例え
ば記録電極部としてバイアス電極を設けることなく駆動
電極のみを設け、これにバイアス電圧と駆動電圧を重畳
させて印加するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電液体
トナージェットプリンタの射出ヘッドの製造方法及び射
出ヘッドのスタンパの製造方法によれば、次のような優
れた作用効果を発揮きすることができる。スタンパとプ
リント配線基板との間に熱可塑性プラスチック材を介在
させて熱圧着により成形するようにしたので、高密度な
射出ヘッドを正確に、且つ精密に、しかも高速に多量生
産することができる。また、射出ヘッドを形成するため
のスタンパを、光造形法や超微細放電加工機を用いて形
成することにより、高密度で且つ精密なキャビティを正
確に形成することができる。熱プレス材料として多種の
熱可塑プラスチック材より選択できるので、液体トナー
との濡れ性、誘電率等に関して好ましい材料を使用でき
る。記録電極部(駆動電極、バイアス電極)を加工した
プリント配線基板との組立も同時に正確に出来るので、
高密度、高性能の射出ヘッドの大量生産ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により製造される静電液体トナージ
ェットプリンタの射出ヘッドを示す平面図である。
【図2】図1中の射出ヘッドの1つの射出突起を示す平
面図である。
【図3】図1中のA−A線矢視断面図である。
【図4】図3に示す構造において液体トナーのメニスカ
スが形成された状態を示す図である。
【図5】プリント配線基板に形成された記録電極部を示
す平面図である。
【図6】射出工程を説明するために射出ポイントである
射出突起の近傍を示す断面拡大図である。
【図7】射出工程を説明するために射出ポイントである
射出突起の近傍を示す断面拡大図である。
【図8】射出工程を説明するために射出ポイントである
射出突起の近傍を示す断面拡大図である。
【図9】射出工程を説明するために射出ポイントである
射出突起の近傍を示す断面拡大図である。
【図10】端子に印加される電圧波形を示す図である。
【図11】射出ヘッドのスタンパを作るマスターを示す
図である。
【図12】マスターを形成するための工程を示す工程図
である。
【図13】マスターからスタンパ形成する方法を示す図
である。
【図14】熱圧着プレスにより射出ヘッドを製造する時
の状況を説明するための図である。
【図15】多連射出ヘッドの完成品を示す図である。
【図16】超微細放電加工機を用いて直接スタンパを形
成する状態を示す図である。
【図17】超微細放電加工機を用いて製造された超高硬
度材料のマスターによりスタンパを製造する方法を示す
図である。
【符号の説明】
1…射出突起、2…ランド、3…カナル、6…プリント
配線基板、7,8,9,10,11,12,13…感光
性の樹脂層(紫外線硬化樹脂)、14…記録電極部、1
5…駆動電極、16…バイアス電極、21…メニスカ
ス、22…頂点、24…ドロップ、30…供給チャネ
ル、31…排出チャネル、34…流入クリーク、36…
排出クリーク、41…マスター、45…金属被覆、46
…メッキ層、48…スタンパ、51…上型、52…下
型、53…プラスチックシート(熱可塑性プラスチック
材)、60…超微細放電加工機、PR…射出ヘッド、T
N…液体トナー。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体よりなる先端が尖った複数の射出
    突起と、各射出突起の略下方に配置された記録電極部と
    を備えた静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッド
    の製造方法において、前記射出突起の凹凸形状を反転さ
    せた形状の凹凸を有するスタンパと、前記記録電極部の
    パターンが形成されたプリント配線基板との間に、熱可
    塑性プラスチック材を介在させて、これらをプレス機に
    より熱圧着することにより前記スタンパの凹凸形状を前
    記プラスチック材に転写させるようにしたことを特徴と
    する静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッドの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記プラスチック材は、所定のガラス転
    移点を有する熱可塑性のプラスチックシートよりなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電液体トナージェット
    プリンタの射出ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プラスチック材は、ゲル状に軟化さ
    れたプラスチックゲル材よりなることを特徴とする請求
    項1記載の静電液体トナージェットプリンタの射出ヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】 誘電体よりなる先端が尖った複数の射出
    突起を有する射出ヘッドを形成するためのスタンパの製
    造方法において、感光性の樹脂層を積層しつつパターン
    露光することにより所定の凹凸表面を形成する光造形法
    を用いてマスターを形成し、該マスターに前記凹凸表面
    を転写するために膜厚のメッキ層を形成し、該メッキ層
    を前記マスターより引き剥がすようにしたことを特徴と
    する射出ヘッドのスタンパの製造方法。
  5. 【請求項5】 誘電体よりなる先端が尖った複数の射出
    突起を有する射出ヘッドを形成するためのスタンパの製
    造方法において、超微細放電加工機を用いて所定の凹凸
    表面を形成することにより製造するようにしたことを特
    徴とする射出ヘッドのスタンパの製造方法。
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