JP2001191540A - ノズル形成部材及びその製造方法、インクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

ノズル形成部材及びその製造方法、インクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置

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JP2001191540A
JP2001191540A JP2000000809A JP2000000809A JP2001191540A JP 2001191540 A JP2001191540 A JP 2001191540A JP 2000000809 A JP2000000809 A JP 2000000809A JP 2000000809 A JP2000000809 A JP 2000000809A JP 2001191540 A JP2001191540 A JP 2001191540A
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nozzle forming
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Katsuyuki Okubo
克之 大窪
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積化及び高周波吐出に対応することがで
きない。 【解決手段】 ノズル板4はフレーム部材41に形成し
た貫通穴42内にノズル5となるノズル孔44を形成し
たノズル孔部材43を保持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノズル形成部材及びその
製造方法、インクジェットヘッド並びにインクジェット
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジ
ェット記録装置において使用するインクジェットヘッド
としては、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが
連通するインク流路(加圧液室、圧力室、吐出室、液室
等とも称される。)と、インク流路内のインクを加圧す
る圧電素子などの電気機械変換素子、或いはヒータなど
の電気熱変換素子、若しくはインク流路の壁面を形成す
る振動板とこれに対向する電極からなるエネルギー発生
手段とを備えて、エネルギー発生手段で発生したエネル
ギーでインク流路内インクを加圧することによってノズ
ルからインク滴を吐出させる。
【0003】ここで、ノズルを形成したノズル形成部材
としては、特開平1−108056号公報、特開平2−
121842号公報等に記載されているように、有機樹
脂材料からなるプレートにエキシマレーザーによってノ
ズルとなる孔(ノズル孔)を形成したもの、或いは、特
開昭63−3963号公報、特開平1−42939号公
報等に記載されているように、電鋳支持基板上にドライ
フィルムレジスト等の感光性樹脂材料を用いてノズル径
に応じたレジストパターンを形成した後、このレジスト
パターンを用いてニッケル等の金属材料を電鋳工法で析
出してノズルプレートを形成するもの、その他プレス加
工でノズル孔を形成するものなどが知られている。
【0004】さらに、特開平8−34119号公報に記
載されているように、予めノズル孔を電鋳工法で形成し
た金属層にエポキシ系接着剤で高分子層を積層したノズ
ルプレート基体を用いて、エキシマレーザーで高分子層
にノズル孔に連通する孔部を形成したもの(ノズル表面
が金属層)、或いは特開平8−85212号公報に記載
されているように、電鋳で孔部を形成した金属プレート
上に樹脂フィルムを接着積層し、金属プレート側からレ
ーザー光を照射して樹脂フィルムにノズル孔を形成した
もの(ノズル表面が樹脂層)なども知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の各種ノズル形成部材では、高速プリント対応のイン
クジェットヘッドに対応することが困難になっている。
すなわち、高速プリントを実現するためには、ノズル数
を増加し、吐出駆動周波数を高くすることが必要にな
り、これを生産技術的に見ると、母型(ピン)を多数用
意する、大面積ノズル形成部材を製作する、ノズル形成
部材の剛性を上げることになるが、現状の技術ではこう
した課題をすべて達成することが困難である。
【0006】もっとも単純に金属板にプレス加工でノズ
ル孔を形成する場合、プレス加工で用いるピンは金属を
高精度に打ち抜くために高い耐摩耗性を必要とする。こ
のため、多くの場合、ピン作製は加工時間のかかる放電
加工で行われ、多数のピンを準備するには膨大な時間を
必要とする。また、ノズル形状を維持するにはピンの定
期的なメンテナンスが必要であり、プレス加工ではこの
間隔を他の加工法に比べて短くする必要がある。ピン数
が増えるとメンテナンスの手間は飛躍的に増加し、生産
性の低下を招くことになる。
【0007】そこで、プレス加工よりも成形加工やレー
ザー穿孔加工の方がノズル数増加には有利に思われる
が、ノズル形成部材の大面積化には成形加工では重大な
問題がある。成形加工やレーザー穿孔加工では多くの場
合樹脂が用いられるが、ノズルが連通するインク流路に
はセラミックス、半導体など無機物が圧倒的に多く用い
られるため、ノズル形成部材が大面積化すると、樹脂と
無機物の熱膨張率差が無視できなくなって接着部に負荷
がかかったり、ヘッドのマクロな形状変形をもたらす場
合がある。これは、ヘッドの信頼性を著しく低下させ
る。
【0008】また、ノズル形成部材が樹脂である場合、
剛性が低く、高周波の圧力波に対する応答性が低下する
ことになる。特に、高周波吐出に有利な静電型インクジ
ェットヘッドではインク流路部の大型化は避けられず、
ノズル形成部材がインク流路部材の天板を兼ねるような
構造を採用した場合、剛性の低下は致命的な問題にな
る。
【0009】そのため、上述したように、流路部となる
金属板に樹脂前駆体をキャストしてこれを金属板上で高
分子化させ、剥離の起こりにくい強い金属−樹脂接合を
有する積層板を作り、これを金属側からエッチングして
樹脂部をむき出してこれにレーザー光を照射してノズル
孔を穿孔することが行われている(上記特開平8−85
212号)が、エッチングによってむき出しになる樹脂
部分の形状の精度が確保しにくいという課題がある。
【0010】すなわち、理想的にはレーザーによって穿
孔する領域だけが形成できればよいが、実際には、余裕
を見て穿孔領域よりも大きめに樹脂面を露出させておく
必要がある。形状精度が低い理由は片面からのエッチン
グであることと、樹脂面が撥水性を持っているのでエッ
チャントとの接触状態が変化することに起因しているも
のと考えられる。
【0011】また、エッチング表面は微小ピットが多く
気泡排出性が必ずしも良くない。また、レーザー穿孔に
よって形成されたノズル孔内壁は、カーボンが堆積した
り、壁面微細形状が粗れるために、インクとの親和性が
制御できない状態になっている。
【0012】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、大面積化と高周波吐出が可能なノズル形成部材
及びその製造方法、高速記録が可能なインクジェットヘ
ッド及びインクジェット記録装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るノズル形成部材は、フレーム部材に形
成された貫通穴内にノズル孔を形成するノズル孔部材を
保持したものである。
【0014】ここで、フレーム部材とノズル孔部材とが
異なる材料であることが好ましい。また、フレーム部材
のヤング率が10GPGa以上であることが好ましい。
さらに、フレーム部材の熱膨張率がこのフレーム部材を
接合する部材の線膨張係数に対して10〜1000%の
熱膨張率であることが好ましい。この場合、熱膨張率
は、更に好ましくは50〜200%、特に好ましくは8
0〜125%である。さらにまた、フレーム部材の貫通
穴はパンチング、エッチング又はレーザー照射で形成す
ることができる。
【0015】また、ノズル孔部材はフレーム部材の貫通
穴に充填された材料からなることが好ましい。さらに、
ノズル孔部材は熱可塑性樹脂、熱硬化又は光硬化樹脂、
熱硬化又は光硬化ゾルゲルセラミックス若しくはガラ
ス、熱硬化又は光硬化樹脂とゾルゲルセラミックス又は
ガラスのハイブリッド材料のいずれかからなることが好
ましい。
【0016】本発明に係るノズル形成部材の製造方法
は、本発明に係るノズル形成部材を製造する方法であっ
て、ノズル孔部材に光、電子又はイオンを照射してノズ
ルとなる部分を除去してノズル孔を形成するものであ
る。また、本発明に係るノズル形成部材の製造方法は、
本発明に係るノズル形成部材を製造する方法であって、
フレーム部材の貫通穴内にノズル孔に対応するピン状の
母型を配置した後、貫通穴内に前記ノズル孔部材となる
材料を充填するものである。この場合、母型は、電鋳、
機械加工品、成形、又はレジストで形成したものを用い
ることができる。
【0017】本発明に係るインクジェットヘッドは、ノ
ズルが連通するインク流路と、このインク流路内のイン
クを加圧してノズルからインク滴を吐出させるエネルギ
ーを発生するエネルギー発生手段とを有し、ノズル形成
部材として本発明に係るノズル形成部材を有するもので
ある。
【0018】ここで、インク流路を形成する部材にノズ
ル形成部材を接合し、ノズル形成部材のフレーム部材の
熱膨張率がインク流路を形成する部材の線膨張係数に対
して10〜1000%の熱膨張率であることが好まし
い。この場合、熱膨張率は、更に好ましくは50〜20
0%、特に好ましくは80〜125%である。また、エ
ネルギー発生手段はインク流路の壁面を形成する振動板
とこれに対向する電極とを有し、振動板と電極との間に
発生する静電力で前記振動板を変位させる静電型アクチ
ュエータである場合、本発明による効果が極めて顕著に
現れる。
【0019】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出するインクジェットヘッドに本発明に係
るインクジェットヘッドを備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した静電
型インクジェットヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘ
ッドの透過状態で示す上面説明図、図3は同ヘッドの液
室長辺方向に沿う模式的断面説明図、図4は同ヘッドの
液室短辺方向に沿う模式的断面説明図である。
【0021】このインクジェットヘッドは、インク流路
形成部材である振動板/液室基板1と、振動板/液室基
板1の下側に設けた電極基板3と、振動板/液室基板1
の上側に設けた本発明に係るノズル形成部材であるノズ
ル板4とを備え、複数のノズル5、各ノズル5が連通す
るインク流路である液室(吐出室)6、液室6に流体抵
抗部となるインク供給路7を介して連通する共通インク
室8などを形成している。
【0022】振動板/液室基板1には、液室6及びこの
液室6の底部となる振動板10、各液室6を隔てる隔壁
11を形成する凹部、共通インク室8を形成する凹部な
どを形成している。このような振動板/液室基板1は、
例えばシリコン基板に振動板となる厚み(深さ)にボロ
ンなどの不純物を拡散し、この不純物拡散層をエッチン
グストップ層として異方性エッチングを行って液室6と
なる凹部等を形成することで得られる。
【0023】電極基板3には、凹部14を形成して、こ
の凹部14の底面に振動板10に所定のギャップ16を
置いて対向する電極15を形成し、この電極15と振動
板10によって、振動板15を変位させて液室16の内
容積を変化させるアクチュエータ部を構成している。こ
の電極基板3の電極15上には振動板10との接触によ
って電極15が破損するのを防止するためのSiO2など
の絶縁層17を成膜している。なお、電極15を電極基
板3の端部付近まで延設して外部駆動回路と接続手段を
介して接続するための電極パッド部15aを形成してい
る。
【0024】この電極基板3は、ガラス基板、また表面
に熱酸化膜3aを形成したSi基板上に、HF水溶液な
どでエッチングにより凹部14を形成し、この凹部14
に窒化チタンなどの高耐熱性を有する電極材料をスパッ
タ、CVD、蒸着などの成膜技術で所望の厚さに成膜
し、その後、フォトレジストを形成してエッチングする
ことにより、凹部14にのみ電極15を形成したもので
ある。この電極基板3と振動板/液室基板1とは陽極接
合、直接接合などのプロセスで接合している。
【0025】ノズル板4にはノズル5及び液室6と共通
インク室38との間のインク供給路7となる溝部及び図
示しないヘッド外部のインクタンクと接続するためのイ
ンクタンク接続口19も形成している。このノズル板3
4は、後述するようにフレーム部材の貫通穴内にノズル
5となるノズル孔を形成するノズル孔部材を保持したも
のであり、また、ノズル面(吐出方向の表面)には、イ
ンクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは
撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成し
ている。
【0026】このインクジェットヘッドにおいては、振
動板10と電極15との間(いずれかを共通電極、他方
を個別電極とする。)に駆動電圧を印加することによっ
て充電して、静電力によって振動板10を電極15側に
変形させ、続いて振動板10と電極15間の電荷を放電
させることによって振動板10が復帰変形して、液室6
の内容積(体積)/圧力が変化することによって、ノズ
ル5からインク滴が吐出され、インク供給路7を通じて
共通インク室8からインクが補充される。なお、この場
合、振動板10を電極15に当接させない非当接駆動方
式、あるいは振動板10を電極15に当接させる当接駆
動方式のいずれの方式でも駆動することができる。
【0027】そこで、このインクジェットヘッドにおけ
るノズル形成部材であるノズル板4の詳細について図5
乃至図7をも参照して説明する。ノズル板4は、図5及
び図6に示すように、フレーム部材41に形成した貫通
穴42内にノズル5となるノズル孔44を形成したノズ
ル孔部材43を保持し、表面に撥水層45を成膜してい
る。
【0028】ここで、フレーム部材41自体はノズル孔
を形成しないので、貫通穴42としては、穴径に対して
10〜20%程度の誤差を許容することができ、センタ
ー位置(図6の線aで示す位置)もピッチの10%程度
の誤差を許容することができる。一方、ノズル孔部材4
3のノズル孔44の形状精度、センター位置(図6の線
bで示す位置)のピッチ誤差は貫通穴42に比べて3〜
5倍程度に高くする必要があるが、ノズル孔部材43と
してフレーム部材41よりも高精度加工が容易な材料を
選択すれば良い。
【0029】フレーム部材41としては、ヤング率が高
く(好ましくは1010Pa以上)、また、熱膨張率はフ
レーム部材41を接合する部材であるセラミック基板を
用いた振動板/液室基板1の線膨張係数に対して10〜
1000%の熱膨張率であることが好ましく、更に好ま
しくは50〜200%、特に好ましくは80〜125%
である。例えば、ステンレススチールに代表される金
属、ジルコニアに代表されるセラミックスなどを用いる
ことが好ましい。
【0030】これにより、インク流路部材である振動板
/液室基板1と同等の高剛性を得ることができて、大面
積化と高周波吐出に対応することができる。この場合、
フレーム部材41自体は上述したようにノズル孔を形成
しないため、貫通孔42の加工精度は穴径、形状ともに
10%程度の誤差を許容することができるようになる。
その結果、フレーム部材41の貫通穴42はパンチン
グ、エッチング又はレーザー照射などの加工方法を用い
ることができ、工程の安定化を図ることができる。
【0031】また、ノズル孔部材43としては、ノズル
形成部材43自体の剛性の維持に直接関係しないので、
フレーム部材41に比べて熱膨張率が高く、ヤング率が
低い材料でも用いることができる。勿論、フレーム部材
41と同等であってもよい。
【0032】このノズル孔部材43としては、フレーム
部材41の貫通穴42に充填でき、る材料、例えば、熱
可塑性樹脂、熱硬化又は光硬化樹脂、熱硬化又は光硬化
ゾルゲルセラミックス若しくはガラス、熱硬化又は光硬
化樹脂とゾルゲルセラミックス又はガラスのハイブリッ
ド材料などを用いている。これらの材料は充填が容易で
あることから、工程の安定化を図ることができる。
【0033】そして、このノズル孔部材43として高精
度加工が容易な材料を選択することにより、ノズル及び
その配置位置精度を高くすることができて、高精度ノズ
ルを形成することができる。また、高精度加工が容易な
材料を用いることで、寸法精度や面精度が高くなり、気
泡排出性も向上する。
【0034】このように、ノズル形成部材をフレーム部
材とノズル孔部材の2種類の材料によって構成し、フレ
ーム部材の大まかな貫通穴内部に充填されている別材料
によってノズルを形成する構造にすることにより、大面
積化と高周波吐出に対応でき、また、ノズル周辺部分は
高い形状精度を維持しつつ高いノズル生産性を達成する
ことができる。
【0035】上述した構成の大面積ノズル板4を用いて
インクジェットヘッドを作製し、印字させたところ、樹
脂や金属で作製された従来構成の小面積のノズル板を用
いたヘッドと同等の吐出特性を全面において達成できた
ばかりか、高周波吐出条件においても金属性ノズル板と
同等の性能を得られた。
【0036】そこで、このノズル板4の製造工程の一例
について図7をも参照して説明する。まず、同図(a)
に示すように、貫通穴42を有するフレーム部材41を
準備する。このフレーム部材41の貫通穴42の形成
は、金属を用いた場合はプレス、エッチングで十分に可
能である。また、セラミックスを用いた場合はグリーン
シートの状態でプレスをして焼成しても上述したように
寸法変化10%程度が許容されるので十分に作製可能で
ある。
【0037】そして、このフレーム部材41をベースプ
レート51上に載置した後、ノズル孔部材43となる材
料52をフレーム部材41の貫通穴42内に加圧又は常
圧で充填する。このノズル孔部材43となる材料52と
しては、上述したように熱可塑性樹脂、熱硬化又は光硬
化樹脂、熱硬化又は光硬化ゾルゲルセラミックス、熱硬
化又は光硬化樹脂とゾルゲルセラミックスのハイブリッ
ド材料などから適宜選択した。
【0038】その後、同図(b)に示すように、ノズル
孔部材43となる材料52とフレーム部材41の表面を
同一平面とした状態で、冷却(熱可塑性材料の場合)又
は加熱(熱硬化性材料の場合)、光照射(光硬化性材料
の場合)を行って材料52を硬化させて、ノズル孔部材
41を形成する。
【0039】次いで、ノズル孔部材43を有するフレー
ム部材41をベースプレート51から取り外して、図示
しないが、フレーム部材41の露出側表面にノズル5に
対応する開口を形成したレジストパターンを形成した
後、同図(c)に示すようにレーザー光(その他、電子
やイオンを用いることもできる)を照射して、ノズル孔
部材43にノズル5となるノズル孔44を穿孔する。
【0040】このようにノズル孔部材の充填工程とノズ
ル孔形成工程とを別工程とすることにより、充填工程の
時間を短縮することができ、スループットを向上するこ
とができる。
【0041】なお、穿孔前に撥水層45を成膜してお
き、ノズル孔部材43にノズル5となるノズル孔44を
穿孔するときに撥水層45にも穿孔することで、撥水層
45がノズル5内に侵入することを防止できて、インク
メニスカス位置の安定化、噴射方向性の向上を図ること
ができる。
【0042】次に、ノズル板4の製造工程の他の例につ
いて図8をも参照して説明する。まず、同図(a)に示
すように、貫通穴42を有するフレーム部材41を準備
するとともに、相対位置を所定のノズルピッチ精度及び
形状で形成した母型53を有するベースプレート54を
準備する。このベースプレート54上の母型53として
は、電鋳、放電加工などの機械加工、成形、液体レジス
トやドライフィルムレジストなどによって製作すること
ができる。なお、母型53はベースプレート54に固定
していることが工程の安定化上好ましい。
【0043】そして、フレーム部材41の貫通穴42を
ベースプレート54の母型53に対応させてフレーム部
材41をベースプレート54上に載置した後、ノズル孔
部材43となる材料52を母型53と貫通穴42との隙
間に充填し、同図(b)に示すように硬化させる。その
後、同図(c)に示すようにフレーム部材41をベース
プレート54から剥離することによってノズル孔部材4
3にノズル5となるノズル孔44が形成されたノズル板
4が得られる。
【0044】このようにノズル孔に対応する形状の母型
を用いてノズル孔43の作製を材料の充填硬化と同時に
行うことによって、工程数が低減し、工程が安定化す
る。また、ノズル形状となる母型を別工程で作製するの
で、品質の安定化を図ることもできる。
【0045】上述したようにして得られるノズル板4を
シリコン基板を用いた振動板/液室基板1と接合するこ
とにより、高速プリントが可能な大面積ノズル板4を備
えた信頼性の高いインクジェットヘッドを得ることがで
きる。
【0046】そして、公知のインクジェット記録装置の
キャリッジに上記のインクジェットヘッドを搭載するこ
とにより、高速記録が可能になる。
【0047】なお、上記実施形態においては、本発明を
静電型インクジェットヘッドのノズル形成部材に適用し
た例で説明したが、インクジェットヘッド以外のノズル
形成部材にも適用することができ、またピエゾ型インク
ジェットヘッドやバブル型インクジェットヘッドなどの
ノズル形成部材にも適用することができ、さらにシリア
ル型インクジェット記録装置だけでなくライン型インク
ジェット記録装置にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るノズ
ル形成部材によれば、フレーム部材に形成された貫通穴
内にノズル孔を形成するノズル孔部材を保持したので、
高剛性を維持しつつ高精度ノズルを形成することができ
るようになり、大面積化と高周波吐出が可能になる。
【0049】ここで、フレーム部材とノズル孔部材は異
なる材料とすることにより、フレーム部材には高剛性材
料を、ノズル孔部材には高精度加工が容易な材料を用い
ることができるようになり、高剛性を維持しつつ高精度
ノズルを形成することができる。
【0050】また、フレーム部材としてヤング率が10
GPGa以上のものを用いることで、高剛性を得られ、
大面積化及び高周波吐出が容易になる。さらに、フレー
ム部材の熱膨張率がこのフレーム部材を接合する部材の
線膨張係数に対して10〜1000%の熱膨張率とする
ことにより、接合信頼性を向上することができる。さら
にまた、フレーム部材の貫通穴はパンチング、エッチン
グ又はレーザー照射で形成することにより、工程の安定
化を図れる。
【0051】また、ノズル孔部材はフレーム部材の貫通
穴に充填された材料から形成することで、ノズル孔部材
の形成が容易になる。さらに、ノズル孔部材は熱可塑性
樹脂、熱硬化又は光硬化樹脂、熱硬化又は光硬化ゾルゲ
ルセラミックス若しくはガラス、熱硬化又は光硬化樹脂
とゾルゲルセラミックス又はガラスのハイブリッド材料
のいずれかを用いることで、フレーム部材の貫通穴への
充填が容易になって工程の安定化を図ることができる。
【0052】本発明に係るノズル形成部材の製造方法に
よれば、本発明に係るノズル形成部材を製造する場合
に、ノズル孔部材に光、電子又はイオンを照射してノズ
ルとなる部分を除去してノズル孔を形成するので、ノズ
ル孔部材となる材料の充填工程とノズル孔形成工程とを
分離することができて、充填工程の短縮によるスループ
ットの向上を図ることができる。
【0053】また、本発明に係るノズル形成部材の製造
方法によれば、本発明に係るノズル形成部材を製造する
場合に、フレーム部材の貫通穴内にノズル孔に対応する
ピン状の母型を配置した後、貫通穴内にノズル孔部材と
なる材料を充填するので、充填とノズル孔形成を同時に
行うことができて、工程数の削減、工程の安定化を図る
ことができる。この場合、母型は、電鋳、機械加工品、
成形、又はレジストで形成したものを用いることで、品
質の安定化を図れる。
【0054】本発明に係るインクジェットヘッドによれ
ば、ノズルが連通するインク流路と、このインク流路内
のインクを加圧してノズルからインク滴を吐出させるエ
ネルギーを発生するエネルギー発生手段とを有し、ノズ
ル形成部材として本発明に係るノズル形成部材を有する
ので、大面積化及び高周波吐出が可能になって高速記録
が可能になる。
【0055】ここで、インク流路を形成する部材にノズ
ル形成部材を接合し、ノズル形成部材のフレーム部材の
熱膨張率がインク流路を形成する部材の線膨張係数に対
して10〜1000%の熱膨張率であることとすること
で、接合信頼性が向上する。また、エネルギー発生手段
はインク流路の壁面を形成する振動板とこれに対向する
電極とを有し、振動板と電極との間に発生する静電力で
振動板を変位させる静電型アクチュエータとすることに
より、より高速記録が可能になる。
【0056】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、インク滴を吐出するインクジェットヘッドに本発
明に係るインクジェットヘッドを備えたので、高速記録
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した静電型インクジェットヘッド
の分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの透過状態で示す上面説明図
【図3】同ヘッドの液室長辺方向に沿う模式的断面説明
【図4】同ヘッドの液室短辺方向に沿う模式的断面説明
【図5】本発明に係るノズル板の斜視説明図
【図6】同ノズル板の要部拡大断面説明図
【図7】図5のノズル板の製造工程を説明する説明図
【図8】図5のノズル板の製造工程の他の例を説明する
説明図
【符号の説明】
1…振動板/液室基板、3…電極基板、4…ノズル板、
5…ノズル、6…液室、10…振動板、15…電極、4
1…フレーム部材、42…貫通穴、43…ノズル孔部材
部材、44…ノズル孔、45…撥水層、51,54…ベ
ースプレート、53…母型。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を吐出するノズルを有するノズル形
    成部材において、フレーム部材に形成された貫通穴内に
    前記ノズルとなる孔を形成するノズル孔部材を保持した
    ことを特徴とするノズル形成部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のノズル形成部材におい
    て、前記フレーム部材とノズル孔部材とが異なる材料で
    あることを特徴とするノズル形成部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のノズル形成部材
    において、前記フレーム部材のヤング率が10GPGa
    以上であることを特徴とするノズル形成部材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材において、前記フレーム部材の熱膨張率がこ
    のフレーム部材を接合する部材の線膨張係数に対して1
    0〜1000%の熱膨張率であることを特徴とするノズ
    ル形成部材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材において、前記フレーム部材の貫通穴はパン
    チング、エッチング又はレーザー照射で形成されている
    ことを特徴とするノズル形成部材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材において、前記ノズル孔部材は前記フレーム
    部材の貫通穴に充填された材料からなることを特徴とす
    るノズル形成部材。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材において、前記ノズル孔部材は熱可塑性樹
    脂、熱硬化又は光硬化樹脂、熱硬化又は光硬化ゾルゲル
    セラミックス若しくはガラス、熱硬化又は光硬化樹脂と
    ゾルゲルセラミックス又はガラスのハイブリッド材料の
    いずれかからなることを特徴とするノズル形成部材。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材を製造する方法において、前記ノズル孔部材
    に光、電子又はイオンを照射してノズルとなる部分を除
    去してノズル孔を形成することを特徴とするノズル形成
    部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材を製造する方法において、前記フレーム部材
    の貫通穴内にノズル孔に対応するピン状の母型を配置し
    た後、前記貫通穴内に前記ノズル孔部材となる材料を充
    填することを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のノズル形成部材の製
    造方法において、前記母型は、電鋳、機械加工品、成
    形、又はレジストで形成したものであることを特徴とす
    るノズル形成部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 インク滴を吐出するノズルを有するノ
    ズル形成部材と、前記ノズルが連通するインク流路と、
    このインク流路内のインクを加圧して前記ノズルからイ
    ンク滴を吐出させるエネルギーを発生するエネルギー発
    生手段とを有するインクジェットヘッドにおいて、前記
    ノズル形成部材が前記請求項1乃至8のいずれかに記載
    のノズル形成部材であるインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のインクジェットヘ
    ッドにおいて、前記インク流路を形成する部材に前記ノ
    ズル形成部材を接合し、前記ノズル形成部材のフレーム
    部材の熱膨張率が前記インク流路を形成する部材の線膨
    張係数に対して10〜1000%の熱膨張率であること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載のインクジ
    ェットヘッドにおいて、前記エネルギー発生手段は前記
    インク流路の壁面を形成する振動板とこれに対向する電
    極とを有し、前記振動板と電極との間に発生する静電力
    で前記振動板を変位させることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  14. 【請求項14】 インク滴を吐出するインクジェットヘ
    ッドを備えたインクジェット記録装置において、前記イ
    ンクジェットヘッドが前記請求項11乃至13のいずれ
    かに記載のインクジェットヘッドであることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
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