JP3160754B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP3160754B2
JP3160754B2 JP4613296A JP4613296A JP3160754B2 JP 3160754 B2 JP3160754 B2 JP 3160754B2 JP 4613296 A JP4613296 A JP 4613296A JP 4613296 A JP4613296 A JP 4613296A JP 3160754 B2 JP3160754 B2 JP 3160754B2
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教博 越智
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久 ▲吉▼村
康史 ▲鶴▼井
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14346Ejection by pressure produced by thermal deformation of ink chamber, e.g. buckling

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オリフィスよりイ
ンク滴を吐出することにより印刷用紙などの記録媒体に
印刷するインクジェットプリンタにおけるインクジェッ
トヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドはインク滴を吐出
するオリフィスを多数形成しているオリフィスプレート
を有している。
【0003】従来のオリフィスプレートのオリフィスの
加工方法としては、 ドリル、プレス等による機械加工、 放電加工法による微細加工、 射出成形機を用いた成形、 化学エッチングによる加工、 レジストをオリフィス形状にパターンニングし、メ
ッキしてからレジストを除去する方法、 炭酸ガスレーザー、YAGレーザーにより加熱溶融
させる微細加工、 有機物(樹脂)からなるオリフィスプレートにエキ
シマレーザー光を照射して有機物(樹脂)の分子結合を
切断し分解して加工する方法(例えば特開平2−121
842号公報参照)などが知られている。
【0004】また、インクジェットヘッドにおいてイン
ク滴吐出のための圧力発生方法として、熱膨張や熱歪に
より発生した曲げモーメントによって平面プレートを座
屈させて圧力を発生させインク滴を吐出させる方法(例
えば特開平2−30543号公報参照)が知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のオリフィスプレートのオリフィスの加工方法には次に
述べるような問題があった。
【0006】のドリル、プレス等による機械加工の場
合には、オリフィス寸法の微小化が困難であるととも
に、オリフィス加工時にバリが発生するので良好なイン
ク滴吐出を妨げるという問題があった。
【0007】の放電加工法による微細加工では、と
同様にオリフィス寸法の微小化がむずかしいという問題
があった。
【0008】の射出成形の場合には、微細なオリフィ
ス形状のための成形金型そのものの製作が困難であると
いう問題があった。
【0009】の化学エッチングの場合には、加工時間
が長くかかり、生産性が悪いという問題があった。
【0010】のレジストをオリフィス形状にパターン
ニングし、メッキしてからレジストを除去する方法の場
合には、オリフィス部におけるフォトレジスト等の感光
性材料を溶解、膨張または剥離するレジスト用剥離液に
浸漬することにより除去するが、この最後のオリフィス
部除去工程の前の別の工程において高温にさらされた
り、イオン衝撃を受けるために、感光性材料の前記の液
体に対する物性が変わってしまい、容易に溶解、膨張ま
たは剥離しなくなってしまう。その結果として、この方
法を用いる場合には、オリフィス部固体層(感光性材
料)の変質を招くようなプロセスを避けなければなら
ず、製造プロセスの自由度が狭められるという問題があ
った。
【0011】の炭酸ガスレーザー、YAGレーザーに
より加熱溶融させる微細加工の場合には、オリフィスの
周辺に熱に起因した形状の変化が発生しやすいという問
題があった。
【0012】は、図9に示すように樹脂製オリフィス
プレート60とエキシマレーザー照射装置(図示せず)
との間にオリフィスに対応した透明部61aをもったマ
スク61を介在させ、エキシマレーザー光62を透明部
61aを通して樹脂製オリフィスプレート60に照射
し、樹脂の分子結合を切断・分解してオリフィスプレー
ト60にオリフィス(図示せず)を加工する方法である
(例えば特開平2−121842号公報参照)。この加
工方法はオリフィス周辺にバリや熱による形状変化が生
じにくいすぐれた方法である。しかし、この加工方法は
有機物のC−F結合、C−C結合を分解することにより
除去するものであるので、原理上、加工するオリフィス
プレートの材料が有機材料に限定されてしまい、金属製
のオリフィスプレートの製造には用いることができない
という大きな欠点があった。つまり、この加工方法では
エキシマレーザー光で加工する樹脂自体が耐インク性の
高いものでなければならず、材料の選択に注意する必要
があるが、それが大変にむずかしいという問題があっ
た。
【0013】一方、インク滴を吐出させる方法としての
熱膨張や熱歪により発生した曲げモーメントによって平
面プレートを座屈させて圧力を発生させる方法(例えば
特開平2−30543号公報参照)は、インク室(圧力
室)の壁面の一部である平面プレートを座屈変形させて
インク室内の圧力を高め、インク滴を吐出させるもので
ある。この方法は熱による座屈変形を利用するものであ
るため、繰り返し駆動している間に蓄熱により平面プレ
ートの温度が次第に上昇していき、最終的に飽和温度に
達する場合がある。また、平面プレートの大きさを決め
ると、そのときの最大のエネルギーを取り出すことので
きる最適のプレート厚さが決まるが、平面プレートを小
型化するにつれてその最適プレート厚さが薄くなる傾向
がある。
【0014】そして、これは同時にその座屈温度の低下
を意味する。特に平面プレートを一定以上に小型化する
と、飽和温度が平面プレートの座屈温度を越えてしま
い、非駆動時においても座屈変形したままの状態にとど
まってしまう場合がある。その場合には、さらなる温度
上昇によりすでに座屈変形した状態から変形することに
なるので、取り出せるエネルギーが初期の状態からの場
合のエネルギーよりも大幅に少なくなる。この不都合を
避けるには、一度駆動した平面プレートを充分に放熱し
て原姿勢に戻してから次の駆動を始めるように工夫する
必要があるが、その場合には駆動速度が著しく低下する
ことになるという問題がある。
【0015】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであって、高速での駆動を可能とした印刷速度
の速いインクジェットヘッド、さらにはインク滴の吐出
精度の良好なインクジェットヘッドを提供することを目
的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットヘッドは、インク室の隔壁を形成してその壁面に垂
直な方向に座屈変形してインク室内圧を増加させる第1
圧力発生部材と、この第1圧力発生部材に対向して配置
されて同様にインク室の隔壁を形成するとともにインク
滴吐出のためのオリフィスが形成されたオリフィスプレ
ートとからなり、前記オリフィスプレートを前記第1圧
力発生部材と同様にその壁面に垂直な方向に座屈変形し
てインク室内圧を増加させる第2圧力発生部材に構成
し、前記第2圧力発生部材である座屈変形オリフィスプ
レートのオリフィス近傍の厚さを部分的に厚くしてある
ことを特徴としている。第1圧力発生部材を座屈変形さ
せてインク滴を吐出させた後、第2圧力発生部材である
オリフィスプレートを座屈変形させてインク滴を吐出さ
せることにより、圧力発生部材が単一の場合に比べて駆
動周波数を上げ、印刷速度を高速化することができる。
また、蓄熱のために第1圧力発生部材が座屈温度を越え
て非駆動時でも座屈変形したままの状態になっている場
合には、第2圧力発生部材であるオリフィスプレートを
座屈変形させることにより、インク滴吐出を行うと同時
に第1圧力発生部材を初期状態に強制的に復帰させてそ
の放熱を速め、さらなる印刷速度の高速化を図ることが
できる。また、第1圧力発生部材に対向するオリフィス
プレートを第2圧力発生部材としてあるので、第1圧力
発生部材に直交する壁面部分を第2圧力発生部材とする
場合に比べて、インク室の容積および隣接するインク室
間の間隔が増すことを抑制できるので、オリフィスの高
密度化を妨げることがない。さらに、座屈変形するオリ
フィスプレートの厚さが全体にわたって均一であるとそ
の座屈変形に伴ってオリフィス近傍も変形してオリフィ
ス自体の形状が変化する結果、インク滴の吐出方向およ
び吐出量が不安定になるが、オリフィスの近傍を肉厚に
形成しておくと、この厚肉部分はオリフィスプレートの
座屈変形によっては変形せず、オリフィス自体の形状も
一定の状態を保つことになるため、インク滴の吐出方向
および吐出量を安定させて、高精度な印刷を可能とす
る。
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】〔実施の形態1〕実施の形態1はインクジ
ェットヘッドにおけるオリフィスプレートの製造方法に
係るものである。図1(a)〜(c)および図2(a)
〜(e)に示した工程に従って実施の形態1に係るオリ
フィスプレートの製造方法を説明する。
【0021】図1(a)に示すように、シリコン基板1
上にスパッタ、蒸着等によりメッキの下地2を成膜し、
さらにメッキの下地2上にドライフィルムレジスト3を
ラミネートし、積層体4を作製する。そのラミネートの
条件は、例えば温度が105℃で、0.5m/分、3.
0kg/cm2 である。
【0022】次に、図1(b)に示すように、図1
(a)の積層体4に対してオリフィス形成のための透明
部5aを所定のパターンで形成してあるフォトマスク5
を重ね合わせるか近接対向させ、紫外線6によって露光
する。そのエネルギー密度は例えば200mJ/cm2
である。透明部5aを通った紫外線6はドライフィルム
レジスト3のうちの透明部5aに対応する箇所を露光す
る。その他の箇所は未露光となる。
【0023】次に、ドライフィルムレジスト3の未露光
部分をキシレン、ブチルセロソルアセテートからなる所
定の現像液で溶解除去すると、図1(c)に示すように
ドライフィルムレジスト3の露光部分がオリフィス部固
体層7としてメッキの下地2上に残る。
【0024】次に、図2(a)に示すように、電気メッ
キにより耐インク性にすぐれたNiやTi等の金属層8
をオリフィス部固体層7を除く状態でメッキの下地2上
に所定厚さに積層し、積層体9を得る。
【0025】次に、図2(b)に示すように、積層体9
に対して金属層8の側からエキシマレーザー光10を照
射することにより、図2(c)に示すように、オリフィ
ス部固体層7をなすドライフィルムレジストを化学的に
分解除去して金属層8にオリフィス部11を形成する。
【0026】次に、シリコン基板1をKOH溶液にてエ
ッチングすると、図2(d)に示すようにシリコン基板
1が除去され、オリフィス部11を有する金属層8がメ
ッキの下地2に積層された状態となる。
【0027】最後にメッキの下地2をイオンミリングで
取り除くと、図2(e)に示すようにNiやTi等の耐
インク性にすぐれた金属層8にオリフィス11aが形成
された金属製のオリフィスプレート8aが得られる。
【0028】本実施の形態によれば、除去すべきオリフ
ィス部固体層7に対してエキシマレーザー光10を照射
してオリフィス部固体層7の有機材料を化学的に分解除
去するので、その前の工程で高温にさらされたりイオン
衝撃を受けたためにレジスト用剥離液に対する物性が変
化していたとしても、そのことには何ら影響されること
なく、エキシマレーザー光照射により容易にオリフィス
部固体層7の有機材料を分解除去することができ、金属
製のオリフィスプレート8aの製造プロセスに広い自由
度を与えることができる。また、オリフィス11aの加
工形状はバリや熱による変形のない安定した良好なもの
で、かつ、その大きさは微細なものであり、オリフィス
プレート8a自体は金属製であるので耐インク性にすぐ
れている。
【0029】〔実施の形態2〕実施の形態2はインクジ
ェットヘッドの製造方法に係るものである。図3(a)
〜(d)および図4(a)〜(e)に示した工程に従っ
て実施の形態2に係るインクジェットヘッドの製造方法
を説明する。
【0030】まず、図3(a)〜(d)に従って第1圧
力発生部材を有する平面プレートの作製方法を述べる。
【0031】図3(a)に示すように、両面が熱酸化膜
20,21に被覆されたシリコン基板22があり、熱酸
化膜21上にAlをスパッタ、蒸着等により成膜し、そ
の膜をフォトリソグラフィにより所望のパターンのAl
犠牲層23とする。
【0032】次に、図3(b)に示すように、熱酸化膜
21およびAl犠牲層23の上にSiO2 、Si
3 4 、Ta2 5 等の電気絶縁性のある第1の絶縁層
24をスパッタ、蒸着、CVD等の方法により成膜す
る。その第1の絶縁層24の上にNi等からなるヒータ
ー層をスパッタ、蒸着、CVD等の方法により成膜し、
その膜をフォトリソグラフィによりヒーターの形状にレ
ジスト被膜を設け、イオンミリングにより所望の形状の
ヒーター25にする。さらに、第1の絶縁層24および
ヒーター25の上に、第1の絶縁層24と同様にして第
2の絶縁層26を設ける。
【0033】次に、図3(c)に示すように、第2の絶
縁層26上にNiのメッキカレント層(図示せず)をス
パッタした後にNi層27を電気メッキにより所定の厚
さに積層する。
【0034】次に、図3(d)に示すように、Al犠牲
層23に対応する箇所において、熱酸化膜20の一部を
ドライエッチングにより取り除き、シリコン基板22の
一部をKOH溶液によりエッチングし、その上の熱酸化
膜21の一部をドライエッチングにより取り除き、さら
にAl犠牲層23を取り除く。これによりヒーター25
に対応して凹所28が形成される。
【0035】以上により、平面プレート29が作製され
る。以下、第1の絶縁層24、ヒーター25、第2の絶
縁層26、Ni層27をまとめて第1圧力発生部材30
とする。
【0036】次に、図4(a)〜(d)に従って第2圧
力発生部材である座屈変形オリフィスプレートの作製方
法を述べる。
【0037】図4(a)に示すように、シリコン基板3
1上にメッキカレント層32をスパッタ、蒸着等により
積層し、ドライフィルムまたはフォトレジストを用いた
フォトリソグラフィにより所定のオリフィスパターン状
にオリフィス部固体層33を形成し、さらに電気メッキ
によりオリフィス部固体層33を除いてメッキカレント
層32上に下部金属層34を形成する。
【0038】次に、図4(b)に示すように、前述した
図3(b)の場合と同様にして、下部金属層34上にS
iO2 、Si3 4 、Ta2 5 等の電気絶縁性のある
第1の絶縁層35を形成し、第1の絶縁層35上にNi
等のオリフィス内ヒーター36を成膜し、さらにその上
に第2の絶縁層37を形成する。そして、メッキカレン
ト層(図示せず)のスパッタの後に電気メッキにより上
部金属層38を所望の厚さに積層する。
【0039】この工程まででオリフィス部固体層33を
構成するドライフィルムまたはフォトレジストは複数回
にわたりスパッタ装置内で高温とイオン衝撃にさらされ
ており、その物性が変化していて、通常の剥離液での溶
解は困難なものとなっている。
【0040】そこで、図4(c)に示すように、上部金
属層38の側からエキシマレーザー光39を照射するこ
とにより、オリフィス部固体層33を構成する物性の変
化してしまったドライフィルムまたはフォトレジストを
化学的に分解除去することにより、それは容易かつ微細
に除去されることになり、上部金属層38からメッキカ
レント層32までに至るオリフィス部40が形成され
る。
【0041】次に、図4(d)に示すように、シリコン
基板31をKOH溶液でエッチングし、メッキカレント
層32をイオンミリングにより取り除くと、内部にヒー
ター36を備え、所定のパターンにオリフィス41が形
成された座屈変形オリフィスプレート42が作製され
る。このオリフィスプレート42はその名のとおり座屈
変形するので第2圧力発生部材となる。
【0042】最後に、図4(e)に示すように、図3
(d)のシリコン基板22に第1圧力発生部材30を備
えてなる平面プレート29のNi層27と図4(d)の
第2圧力発生部材である座屈変形オリフィスプレート4
2の下部金属層34とをスペーサ43を介して接着す
る。Ni層27と下部金属層34とスペーサ43とによ
りオリフィス41が連通するインク室44が形成され
る。以上によって、インク室44が第1圧力発生部材3
0と第2圧力発生部材42とで挟まれてなるインクジェ
ットヘッド45が作製される。第1圧力発生部材30の
内部には第1の絶縁層24と第2の絶縁層26とで挟ま
れたヒーター25が埋め込まれており、第1圧力発生部
材30のNi層27がインク室44に臨んでいる。第2
圧力発生部材42の内部には第1の絶縁層35と第2の
絶縁層37とで挟まれたヒーター36が埋め込まれてお
り、第2圧力発生部材42の下部金属層34がインク室
44に臨んでいる。第2圧力発生部材42におけるオリ
フィス41は下部金属層34から上部金属層38にわた
って貫通形成されており、その形成がエキシマレーザー
光39の照射によるものであるから、バリや変形などは
発生せず、形状・寸法的にきわめて高精度なものとなっ
ている。第1の絶縁層35の内部のヒーター25はオリ
フィス41に位置対応している。
【0043】次に、上記のように構成された座屈変形可
能なオリフィスプレート42を用いたインクジェットヘ
ッド45の動作を図5(a)〜(c)に基づいて説明す
る。
【0044】初期状態として、インク室(圧力室)44
にはインク46が満たされている。
【0045】図5(a)に示すように、第1圧力発生部
材30内のヒーター25に通電して発熱させ、その熱を
Ni層27に伝達させてNi層27の温度を上昇させ
る。Ni層27は熱膨張することにより内部応力が増大
し、その平面方向で膨張しようとするが、Ni層27の
周部は固定されているので、Ni層27はその平面に対
する垂直方向すなわちインク室44を圧縮する方向に座
屈変形する。Ni層27の座屈変形に伴って第1の絶縁
層24、ヒーター25、第2の絶縁層26も同方向に座
屈変形する。Ni層27の座屈変形によりインク室44
の内部圧力が増加し、インク46が圧縮されるため、そ
の一部がオリフィス41を通って外部にインク滴47と
なって吐出される。
【0046】ヒーター25への通電を停止すると、Ni
層27の温度が低下しNi層27が収縮するため、第1
圧力発生部材30は初期状態に戻る。ヒーター25への
通電と通電停止との繰り返しにより、オリフィス41か
ら吐出させたインク滴47を印刷用紙などの記録媒体に
定着させて印刷を行う。
【0047】図5(b)に示すように、オリフィスプレ
ート42すなわち第2圧力発生部材42内のヒーター3
6に通電して下部金属層34と上部金属層38の温度を
上昇させると、前記と同様にして下部金属層34および
上部金属層38がインク室44を圧縮する方向に座屈変
形し、インク室44の内部圧力を増加させてオリフィス
41よりインク滴47を吐出させる。
【0048】このようにオリフィスプレート42に第2
圧力発生部材としての機能をもたせることにより、イン
ク滴47の吐出間隔を短くできる。すなわち、インク室
44に対する圧力印加の駆動周波数を上げて、印刷速度
の高速化を図ることができる。
【0049】また、図5(c)に示すように蓄熱のため
に第1圧力発生部材30が座屈温度を越えて非駆動時に
おいても座屈変形していて初期状態に戻り切っていない
状態で、第2圧力発生部材42を座屈変形させると、イ
ンク滴47が吐出されるとともに、第1圧力発生部材3
0がシリコン基板22の方向に強制的に押し戻され、初
期状態に復帰するため、第1圧力発生部材30の熱がシ
リコン基板22に伝達されて第1圧力発生部材30が速
やかに放熱されることになる。これによっても印刷速度
の高速化を図ることができる。
【0050】〔実施の形態3〕実施の形態3はインクジ
ェットヘッドの製造方法に係るもので、座屈変形オリフ
ィスプレート(第2圧力発生部材)の形状を実施の形態
2とは異ならせたものである。すなわち、オリフィスの
近傍の厚さをそれ以外の部分よりも厚くしたものであ
る。その座屈変形オリフィスプレートの作製の工程を図
6(a)〜(f)に従って説明する。
【0051】図6(a)までの工程は、図4(b)まで
の工程とほぼ同じ状態である。上部金属層38は例えば
Niであり、その上にフォトリソグラフィによりオリフ
ィス部固体層33の近傍にレジストマスク48を形成す
る。
【0052】次に、図6(b)に示すように、基板全体
をHNO3 :H2 2 :H2 O=22:11:67から
なるNiのエッチング液52に入れて液温を32℃に保
ったままスターラー53を600rpm.で回転させて
エッチング液を撹拌しながらエッチングを行うとレジス
トマスク48に覆われていない部分のNiはおよそ4.
5μm/min.でエッチングされる。従ってエッチン
グ時間を制御することによって、上部金属層38は、任
意の段差を持った上部金属層38bと外側の薄肉金属部
分38aとに分かれ、図6(c)に示すような状態にな
る。
【0053】次に、図6(d)に示すようにレジストマ
スク48を溶剤で溶かして除去する。この工程でオリフ
ィス部固体層33はレジスト用の溶剤に対する物性が変
化しているため取り除かれず残っている。
【0054】次にエキシマレーザー光49を照射してオ
リフィス部固体層33を化学的に分解除去すると、上部
金属層38からメッキカレント層32に至るオリフィス
部40が形成される。
【0055】次に、図6(f)に示すように、シリコン
基板31をKOH溶液でエッチングし、メッキカレント
層32をイオンミリングにより取り除くと、内部にヒー
ター36を備え、所定のパターンにオリフィス41が形
成され、そのオリフィス41の近傍に厚肉金属層部分3
8bが存在する座屈変形オリフィスプレート42Aが作
製される。このオリフィスプレート42Aも第2圧力発
生部材となる。
【0056】このあとは、図4(e)と同様にして、オ
リフィスプレート42Aと図3(d)の第1圧力発生部
材30を備えた平面プレート29とを接着してインクジ
ェットヘッドを作製する。
【0057】次に、オリフィスの近傍の厚さをそれ以外
の部分よりも厚くした座屈変形オリフィスプレートにつ
いての別の作製の工程を図7(a)〜(c)および図8
(a)〜(c)に従って説明する。
【0058】図7(a)までの工程は、図4(b)まで
の工程と同じ状態である。
【0059】図7(b)に示すように、上部金属層38
上においてオリフィス部固体層33の周辺部以外の部分
をレジストマスク50で被覆する。
【0060】次に、図7(c)に示すように、レジスト
マスク50以外の部分において上部金属層38上に電気
メッキにより同質材料の追加金属層51を積層する。こ
の追加金属層51は上部金属層38と一体となる。
【0061】次に、図8(a)に示すように、レジスト
マスク50を溶剤で溶かして除去する。上部金属層38
と追加金属層51とが一体となった部分は、図6(e)
の場合と同様に、薄肉金属層部分38aと厚肉金属層部
分38bとに分かれる。
【0062】次に、図8(b)に示すように、再びエキ
シマレーザー光49を照射してオリフィス部固体層33
を化学的に分解除去すると、上部金属層38からメッキ
カレント層32に至るオリフィス部40が形成される。
【0063】次に、図8(c)に示すように、シリコン
基板31をKOH溶液でエッチングし、メッキカレント
層32をイオンミリングにより取り除くと、内部にヒー
ター36を備え、所定のパターンにオリフィス41が形
成され、そのオリフィス41の近傍に厚肉金属層部分3
8bが存在する座屈変形オリフィスプレート42Bが作
製される。このオリフィスプレート42Bも第2圧力発
生部材となる。
【0064】このあとは、図4(e)と同様にして、オ
リフィスプレート42Bと図3(d)の第1圧力発生部
材30を備えた平面プレート29とを接着してインクジ
ェットヘッドを作製する。
【0065】オリフィス41の近傍に厚肉金属層部分3
8bを形成しておくと、次のような利点がある。座屈変
形するオリフィスプレート42の厚さが全体にわたって
均一である場合には、オリフィスプレート42の座屈変
形に伴ってオリフィス41の近傍も変形するので、オリ
フィス41自体の形状が変化してしまい、インク滴47
の吐出方向および吐出量が不安定になる。これに対して
オリフィス41の近傍を厚肉金属層部分38bに形成し
ておくと、この厚肉金属層部分38bはオリフィスプレ
ート42の座屈変形によっては変形せず、厚肉金属層部
分38bはシリコン基板22に対して平行性を保ったま
ま移動する。すなわち、オリフィス41自体の形状も一
定の状態を保つことになるため、インク滴47の吐出方
向および吐出量が安定したものとなり、高精度な印刷が
行える。
【0066】
【発明の効果】本発明に係るインクジェットヘッドによ
れば、インク室を挟んで第1圧力発生部材と対向してい
るオリフィスプレートを第1圧力発生部材と同様にその
壁面に垂直な方向に座屈変形してインク室内圧を増加さ
せる第2圧力発生部材に構成したので、第1圧力発生部
材を座屈変形させてインク滴を吐出させた後、第2圧力
発生部材であるオリフィスプレートを座屈変形させてイ
ンク滴を吐出させることにより、圧力発生部材が単一の
場合に比べて駆動周波数を上げ、印刷速度を高速化する
ことができる。また、蓄熱のために第1圧力発生部材が
座屈温度を越えて非駆動時でも座屈変形したままの状態
になっている場合には、第2圧力発生部材であるオリフ
ィスプレートを座屈変形させることにより、インク滴吐
出を行うと同時に第1圧力発生部材を初期状態に強制的
に復帰させてその放熱を速め、さらなる印刷速度の高速
化を図ることができる。また、第1圧力発生部材に対向
するオリフィスプレートを第2圧力発生部材としてある
ので、第1圧力発生部材に直交する壁面部分を第2圧力
発生部材とする場合に比べて、インク室の容積および隣
接するインク室間の間隔が増すことを抑制できるので、
オリフィスの高密度化を妨げることがない。さらに、座
屈変形オリフィスプレートのオリフィス近傍の厚さを部
分的に厚くしてあるので、その厚肉部分はオリフィスプ
レートの座屈変形によっては変形せず、オリフィス自体
の形状も一定の状態を保つことになるため、インク滴の
吐出方向および吐出量を安定させて、高精度な印刷を可
能とする。
【0067】
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘ
ッドにおけるオリフィスプレートの製造方法の工程を示
す図である。
【図2】実施の形態1において図1に引き続く工程を示
す図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘ
ッドにおける第1圧力発生部材の作製の工程を示す図で
ある。
【図4】実施の形態2のインクジェットヘッドにおける
第2圧力発生部材であるオリフィスプレートの作製の工
程および完成されたインクジェットヘッドを示す図であ
る。
【図5】実施の形態2のインクジェットヘッドの動作説
明図である。
【図6】実施の形態3のインクジェットヘッドにおける
オリフィスプレートの作製の工程を示す図である。
【図7】実施の形態3のインクジェットヘッドにおける
オリフィスプレートの別の仕方での作製の工程を示す図
である。
【図8】実施の形態3について図7の続きの工程を示す
図である。
【図9】従来技術において樹脂製オリフィスプレートに
エキシマレーザー照射でオリフィスを形成している様子
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……シリコン基板 2……メッキの
下地 3……ドライフィルムレジスト 5……フォトマ
スク 5a…透明部 6……紫外線 7……オリフィス部固体層 8……金属層 8a…金属製のオリフィスプレート 10……エキシマレーザー光 11……オリフ
ィス部 11a…オリフィス 20……熱酸化
膜 21……熱酸化膜 22……シリコ
ン基板 23……Al犠牲層 24……第1の
絶縁層 25……ヒーター 26……第2の
絶縁層 27……Ni層 28……凹所 29……平面プレート 30……第1圧
力発生部材 31……シリコン基板 32……メッキ
カレント層 33……オリフィス部固体層 34……下部金
属層 35……第1の絶縁層 36……オリフ
ィス内ヒーター 37……第2の絶縁層 38……上部金
属層 38a…薄肉金属層部分 38b…厚肉金
属層部分 39……エキシマレーザー光 40……オリフ
ィス部 41……オリフィス 42,42A,42B…座屈変形オリフィスプレート
(第2圧力発生部材) 43……スペーサ 44……インク
室 45……インクジェットヘッド 46……インク 47……インク滴 48……レジス
トマスク 49……エキシマレーザー光 50……レジス
トマスク 51……追加金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼村 久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 ▲鶴▼井 康史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 堀内 貴洋 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−188256(JP,A) 特開 平4−14458(JP,A) 特開 平7−314673(JP,A) 特開 平3−65350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/135 B41J 2/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク室の隔壁を形成してその壁面に垂
    直な方向に座屈変形してインク室内圧を増加させる第1
    圧力発生部材と、この第1圧力発生部材に対向して配置
    されて同様にインク室の隔壁を形成するとともにインク
    滴吐出のためのオリフィスが形成されたオリフィスプレ
    ートとからなり、前記オリフィスプレートを前記第1圧
    力発生部材と同様にその壁面に垂直な方向に座屈変形し
    てインク室内圧を増加させる第2圧力発生部材に構成
    し、前記第2圧力発生部材である座屈変形オリフィスプ
    レートのオリフィス近傍の厚さを部分的に厚くしてある
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
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