JPH08309980A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッド及びその製造方法Info
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- JPH08309980A JPH08309980A JP11852995A JP11852995A JPH08309980A JP H08309980 A JPH08309980 A JP H08309980A JP 11852995 A JP11852995 A JP 11852995A JP 11852995 A JP11852995 A JP 11852995A JP H08309980 A JPH08309980 A JP H08309980A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- buckling structure
- buckling
- substrate
- pressure generating
- fins
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2002/14346—Ejection by pressure produced by thermal deformation of ink chamber, e.g. buckling
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加熱及び冷却による良好な応答特性を有し、
高速印字に適したインクジェットヘッドを提供する。ま
た、小さな寸法を維持したまま大きな吐出力を得ること
のできる寿命の長いインクジェットヘッドを提供する。 【構成】 基板上にインクを吐出させるための圧力を発
生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定の間隔
を隔て、インクを吐出させるノズルを有するノズルプレ
ートと、を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記
圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座屈構
造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ相から
なり、前記座屈構造体の基板側と前記基板の座屈構造体
側には、それぞれ交互に組み合わさる複数のフィンが形
成され、該フィンは、少なくとも片側が常に狭い間隔で
対向している。
高速印字に適したインクジェットヘッドを提供する。ま
た、小さな寸法を維持したまま大きな吐出力を得ること
のできる寿命の長いインクジェットヘッドを提供する。 【構成】 基板上にインクを吐出させるための圧力を発
生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定の間隔
を隔て、インクを吐出させるノズルを有するノズルプレ
ートと、を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記
圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座屈構
造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ相から
なり、前記座屈構造体の基板側と前記基板の座屈構造体
側には、それぞれ交互に組み合わさる複数のフィンが形
成され、該フィンは、少なくとも片側が常に狭い間隔で
対向している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に満たされたイン
ク液に圧力を加え、内部から外部へインク液を吐出させ
るインクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
ク液に圧力を加え、内部から外部へインク液を吐出させ
るインクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より記録液を吐出、飛翔させて記録
を行うインクジェット記録方法が知られているが、該方
法は低騒音で比較的高速印字が可能であること、装置の
小型化やカラー記録が容易であること等数々の利点を有
している。このようなインクジェト記録方法で用いられ
るインクジェットヘッドの形式としては、従来より幾つ
かの方式が用いられている。例えば、図16に示すよう
に圧電素子に高電圧を印加して圧電素子に機械的な変形
を生じさせ、この機械的な変位を用いてインク圧力室に
圧力を発生させ、ノズルからインクを粒状にして吐出さ
せる方式や、図17及び図18に示すようにキャビティ
内部にヒータを設け、このヒータを急速に過熱すること
によりインクを沸騰させて泡を形成し、この泡の発生に
よる圧力変化でインクをノズルから吐出させるいわゆる
バブルジェット方式、また図19に示す特開平2−30
543のように、温度変化により駆動する駆動体の変位
を用いてインク圧力室に圧力を発生させ、これによりノ
ズルからインクを粒状にして吐出させる方式がある。
を行うインクジェット記録方法が知られているが、該方
法は低騒音で比較的高速印字が可能であること、装置の
小型化やカラー記録が容易であること等数々の利点を有
している。このようなインクジェト記録方法で用いられ
るインクジェットヘッドの形式としては、従来より幾つ
かの方式が用いられている。例えば、図16に示すよう
に圧電素子に高電圧を印加して圧電素子に機械的な変形
を生じさせ、この機械的な変位を用いてインク圧力室に
圧力を発生させ、ノズルからインクを粒状にして吐出さ
せる方式や、図17及び図18に示すようにキャビティ
内部にヒータを設け、このヒータを急速に過熱すること
によりインクを沸騰させて泡を形成し、この泡の発生に
よる圧力変化でインクをノズルから吐出させるいわゆる
バブルジェット方式、また図19に示す特開平2−30
543のように、温度変化により駆動する駆動体の変位
を用いてインク圧力室に圧力を発生させ、これによりノ
ズルからインクを粒状にして吐出させる方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術には以下のような問題点がある。
従来技術には以下のような問題点がある。
【0004】第1の圧電素子を用いた方式では、圧電素
子の変形量を大きくするには各圧電素子を大きな膜厚で
形成する必要がある。このため、圧電素子を機械的に加
工してヘッドを形成するが、機械加工のためインク室の
間隔をあまり小さくできず、結果的にインクを吐出させ
るノズルの間隔を小さくできない、という問題点があ
る。
子の変形量を大きくするには各圧電素子を大きな膜厚で
形成する必要がある。このため、圧電素子を機械的に加
工してヘッドを形成するが、機械加工のためインク室の
間隔をあまり小さくできず、結果的にインクを吐出させ
るノズルの間隔を小さくできない、という問題点があ
る。
【0005】第2のバブルジェット方式では、インクを
沸騰させて泡を形成するにはヒータを瞬間的に1000
℃の高温にする必要があり、このためヒータの劣化が避
けられずヘッドの寿命が短い、という問題点がある。
沸騰させて泡を形成するにはヒータを瞬間的に1000
℃の高温にする必要があり、このためヒータの劣化が避
けられずヘッドの寿命が短い、という問題点がある。
【0006】第3の特開平2−30543の方式では、
圧力発生部材は加熱により変位し、その後冷却されて元
の形状に復帰する。つまり、圧縮力発生部材の変位と復
帰とを連続的に繰り返すために圧縮力発生部材の加熱と
冷却とが連続的に繰り返されるが、この冷却時において
圧力発生部材が冷却されにくく、加熱、冷却による圧力
発生部材の応答特性が良くないため高速印字に適さな
い、という問題点がある。
圧力発生部材は加熱により変位し、その後冷却されて元
の形状に復帰する。つまり、圧縮力発生部材の変位と復
帰とを連続的に繰り返すために圧縮力発生部材の加熱と
冷却とが連続的に繰り返されるが、この冷却時において
圧力発生部材が冷却されにくく、加熱、冷却による圧力
発生部材の応答特性が良くないため高速印字に適さな
い、という問題点がある。
【0007】これらの問題点に鑑み本発明では、加熱及
び冷却による良好な応答特性を有し、高速印字に適した
インクジェットヘッドを提供することを目的とする。ま
た、小さな寸法を維持したまま大きな吐出力を得ること
できる寿命の長いインクジェットヘッドを提供すること
を目的とする。
び冷却による良好な応答特性を有し、高速印字に適した
インクジェットヘッドを提供することを目的とする。ま
た、小さな寸法を維持したまま大きな吐出力を得ること
できる寿命の長いインクジェットヘッドを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインク
ジェットヘッドでは、基板上にインクを吐出させるため
の圧力を発生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と
所定の間隔を隔て、インクを吐出させるノズルを有する
ノズルプレートと、を備えたインクジェットヘッドにお
いて、前記圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生
じる座屈構造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒ
ータ層からなり、前記座屈構造体の基板側と前記基板の
座屈構造体側には、それぞれ交互に組み合わさる複数の
フィンが形成され、該フィンは、少なくとも片側が常に
狭い間隔で対向していることを特徴としている。
ジェットヘッドでは、基板上にインクを吐出させるため
の圧力を発生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と
所定の間隔を隔て、インクを吐出させるノズルを有する
ノズルプレートと、を備えたインクジェットヘッドにお
いて、前記圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生
じる座屈構造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒ
ータ層からなり、前記座屈構造体の基板側と前記基板の
座屈構造体側には、それぞれ交互に組み合わさる複数の
フィンが形成され、該フィンは、少なくとも片側が常に
狭い間隔で対向していることを特徴としている。
【0009】請求項2に記載のインクジェットヘッドで
は、基板上にインクを吐出させるための圧力を発生させ
る圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定の間隔を隔
て、インクを吐出させるノズルを有するノズルプレート
と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記圧力
発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座屈構造体
と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層からな
り、前記圧力発生手段と前記ノズルプレートとの間に
は、前記圧力発生手段が座屈変形を生じた際にノズルプ
レートと接触するような間隔を有することを特徴として
いる。
は、基板上にインクを吐出させるための圧力を発生させ
る圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定の間隔を隔
て、インクを吐出させるノズルを有するノズルプレート
と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記圧力
発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座屈構造体
と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層からな
り、前記圧力発生手段と前記ノズルプレートとの間に
は、前記圧力発生手段が座屈変形を生じた際にノズルプ
レートと接触するような間隔を有することを特徴として
いる。
【0010】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、基板上にインクを吐出させるための圧力を発生させ
る圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定の間隔を隔
て、インクを吐出させるノズルを有するノズルプレート
と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記圧力
発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座屈構造体
と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層からな
り、前記座屈構造体の基板側と前記基板の座屈構造体側
には、それぞれ交互に組み合わさる複数のフィンが形成
され、該フィンは、少なくとも片側が常に狭い間隔で対
向し、前記圧力発生手段と前記ノズルプレートとの間に
は、前記圧力発生手段が座屈変形を生じた際にノズルプ
レートと接触するような間隔を有することを特徴として
いる。
は、基板上にインクを吐出させるための圧力を発生させ
る圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定の間隔を隔
て、インクを吐出させるノズルを有するノズルプレート
と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記圧力
発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座屈構造体
と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層からな
り、前記座屈構造体の基板側と前記基板の座屈構造体側
には、それぞれ交互に組み合わさる複数のフィンが形成
され、該フィンは、少なくとも片側が常に狭い間隔で対
向し、前記圧力発生手段と前記ノズルプレートとの間に
は、前記圧力発生手段が座屈変形を生じた際にノズルプ
レートと接触するような間隔を有することを特徴として
いる。
【0011】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項1または請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドにおいて、前記座屈構造体側のフィンと前記基板側
のフィンとは、互いに等間隔で噛み合っていることを特
徴としている。
は、請求項1または請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドにおいて、前記座屈構造体側のフィンと前記基板側
のフィンとは、互いに等間隔で噛み合っていることを特
徴としている。
【0012】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項1または請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドにおいて、前記フィンは、コーナーに丸みを持たせ
たことを特徴としている。
は、請求項1または請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドにおいて、前記フィンは、コーナーに丸みを持たせ
たことを特徴としている。
【0013】請求項6に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項1乃至請求項3に記載のインクジェットヘッ
ドにおいて、座屈構造体上に一部が座屈構造体と連結さ
れたダイヤフラムを有することを特徴としている。
は、請求項1乃至請求項3に記載のインクジェットヘッ
ドにおいて、座屈構造体上に一部が座屈構造体と連結さ
れたダイヤフラムを有することを特徴としている。
【0014】請求項7に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項1乃至請求項3に記載のインクジェットヘッ
ドにおいて、圧力発生部材が座屈特性を有するダイヤフ
ラムと、ダイヤフラムに沿って設けられたヒータ層によ
り形成されることを特徴としている。
は、請求項1乃至請求項3に記載のインクジェットヘッ
ドにおいて、圧力発生部材が座屈特性を有するダイヤフ
ラムと、ダイヤフラムに沿って設けられたヒータ層によ
り形成されることを特徴としている。
【0015】請求項8に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項2または請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドにおいて、前記ノズルプレートを形成する材質は、
熱伝導率が50J(msK)-1以上であることを特徴と
している。
は、請求項2または請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドにおいて、前記ノズルプレートを形成する材質は、
熱伝導率が50J(msK)-1以上であることを特徴と
している。
【0016】請求項9に記載のインクジェットヘッドの
製造方法では、基板上に複数の第2のフィンを形成する
工程と、該第2のフィンの表面に第1犠牲層を形成する
工程と、該第1犠牲層上に第1のフィンを形成する工程
と、該第1のフィン上にメッキ法により座屈構造体とな
る第1金属層を形成する工程と、該第1金属層の上に第
2犠牲層を形成する工程と、該第2犠牲層上にメッキ法
によりダイヤフラムとなる金属層を形成する工程と、前
記第1犠牲層と前記第2犠牲層をエッチングするための
窓を前記基板に空ける工程と、該窓からエッチングを行
い前記第1犠牲層と前記第2犠牲層を一括してエッチン
グし、前記第1のフィンと前記第2のフィン、及び前記
座屈構造体と前記ダイヤフラムを分離する工程と、前記
第2金属層をパターンニング加工して、所定の形状を持
つダイヤフラムを形成する工程と、を有することを特徴
としている。
製造方法では、基板上に複数の第2のフィンを形成する
工程と、該第2のフィンの表面に第1犠牲層を形成する
工程と、該第1犠牲層上に第1のフィンを形成する工程
と、該第1のフィン上にメッキ法により座屈構造体とな
る第1金属層を形成する工程と、該第1金属層の上に第
2犠牲層を形成する工程と、該第2犠牲層上にメッキ法
によりダイヤフラムとなる金属層を形成する工程と、前
記第1犠牲層と前記第2犠牲層をエッチングするための
窓を前記基板に空ける工程と、該窓からエッチングを行
い前記第1犠牲層と前記第2犠牲層を一括してエッチン
グし、前記第1のフィンと前記第2のフィン、及び前記
座屈構造体と前記ダイヤフラムを分離する工程と、前記
第2金属層をパターンニング加工して、所定の形状を持
つダイヤフラムを形成する工程と、を有することを特徴
としている。
【0017】
【作用】請求項1に記載のインクジェットヘッドでは、
座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期間に
入ると、座屈体及びヒータ層の熱は、フィンと基板を通
してインク室外へ放出されるため、圧力発生部材の冷却
速度が速くなる。
座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期間に
入ると、座屈体及びヒータ層の熱は、フィンと基板を通
してインク室外へ放出されるため、圧力発生部材の冷却
速度が速くなる。
【0018】請求項2に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈構造体及びヒータに発生した熱は、ダ
イヤフラムから間にインクを介する事なく直接ノズルプ
レートへ素早く流れるため冷却速度が速くなる。さらに
座屈構造体の変形が基板側へ回復する直前は、座屈構造
体上の第1絶縁膜と、基板上の第3絶縁膜の狭いギャッ
プ部を通って基板へ素早く流れるため冷却速度が速くな
る。
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈構造体及びヒータに発生した熱は、ダ
イヤフラムから間にインクを介する事なく直接ノズルプ
レートへ素早く流れるため冷却速度が速くなる。さらに
座屈構造体の変形が基板側へ回復する直前は、座屈構造
体上の第1絶縁膜と、基板上の第3絶縁膜の狭いギャッ
プ部を通って基板へ素早く流れるため冷却速度が速くな
る。
【0019】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈体及びヒータ層の熱は、フィンと基板
を通してを通してインク室外へ放出される。また一部
は、ダイヤフラムから間にインクを介する事なく直接ノ
ズルプレートへ素早く流れるため冷却速度が速くなる。
特に座屈構造体側のフィンと基板側のフィンは、座屈構
造体が最大変形から戻り始めてから待機状態に完全に戻
るまで常に対向しており、その間隔は狭い間隔を維持し
たままなので放熱の効果は大きい。座屈構造体側のフィ
ンと基板側のフィンが接触した場合は、さらに放熱速度
が速くなり、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈体及びヒータ層の熱は、フィンと基板
を通してを通してインク室外へ放出される。また一部
は、ダイヤフラムから間にインクを介する事なく直接ノ
ズルプレートへ素早く流れるため冷却速度が速くなる。
特に座屈構造体側のフィンと基板側のフィンは、座屈構
造体が最大変形から戻り始めてから待機状態に完全に戻
るまで常に対向しており、その間隔は狭い間隔を維持し
たままなので放熱の効果は大きい。座屈構造体側のフィ
ンと基板側のフィンが接触した場合は、さらに放熱速度
が速くなり、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。
【0020】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、フィンを通る熱の経路が増えるのでさらに放熱速度
が速くなり、応答特性が良くなる。また座屈構造体側の
フィンと基板側のフィンは接触するか、一定の間隔を維
持したままなので、フィンが離れることが無い。
は、フィンを通る熱の経路が増えるのでさらに放熱速度
が速くなり、応答特性が良くなる。また座屈構造体側の
フィンと基板側のフィンは接触するか、一定の間隔を維
持したままなので、フィンが離れることが無い。
【0021】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、加熱、冷却を繰り返し、座屈構造体側のフィンが上
下に振動する際、基板側のフィンの隙間をスムーズに振
動することができる。
は、加熱、冷却を繰り返し、座屈構造体側のフィンが上
下に振動する際、基板側のフィンの隙間をスムーズに振
動することができる。
【0022】請求項6に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体の裏側へのインクの回り込みが無くな
り、インクの吐出速度を大きくすることができる。
は、座屈構造体の裏側へのインクの回り込みが無くな
り、インクの吐出速度を大きくすることができる。
【0023】請求項7に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体がないためヘッドの製造プロセスが容易
になる。
は、座屈構造体がないためヘッドの製造プロセスが容易
になる。
【0024】請求項8に記載のインクジェットヘッドで
は、加熱を終了して冷却期間に入ると、圧力発生部材、
特に座屈体およびヒータ層の熱は、上記ダイヤフラムと
ノズルプレートを通してインク室外へ放出されるため、
圧力発生部材の冷却速度が速くなる。
は、加熱を終了して冷却期間に入ると、圧力発生部材、
特に座屈体およびヒータ層の熱は、上記ダイヤフラムと
ノズルプレートを通してインク室外へ放出されるため、
圧力発生部材の冷却速度が速くなる。
【0025】請求項9に記載のインクジェットヘッドの
製造方法によれば、上記圧力発生部材を半導体プロセス
によって作製できるので、インクジェットヘッドを小型
に作製することができる。また、基板上の第1のフィン
と座屈構造体上の第2のフィンの間隙と、圧力発生部材
内の座屈構造体とダイヤフラムの間隙の2つの間隙を、
第1犠牲層と第2犠牲層を連続的にエッチングして除去
することにより、一括して形成できる。
製造方法によれば、上記圧力発生部材を半導体プロセス
によって作製できるので、インクジェットヘッドを小型
に作製することができる。また、基板上の第1のフィン
と座屈構造体上の第2のフィンの間隙と、圧力発生部材
内の座屈構造体とダイヤフラムの間隙の2つの間隙を、
第1犠牲層と第2犠牲層を連続的にエッチングして除去
することにより、一括して形成できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明のインクジェットヘッドおよび
その製造方法を実施例により詳細に説明する。
その製造方法を実施例により詳細に説明する。
【0027】図1は、本発明のインクジェットヘッドの
待機状態における構成を概略的に示した断面図である。
図2は、図1の座屈構造体1およびフィンの一部を拡大
した断面図である。
待機状態における構成を概略的に示した断面図である。
図2は、図1の座屈構造体1およびフィンの一部を拡大
した断面図である。
【0028】まず図1を参照して、本発明のインクジェ
ットヘッドは、座屈構造体1、第1絶縁膜2、ヒータ回
路3、第2絶縁膜4、ダイヤフラム5、第3絶縁膜6、
基板7、スペーサー8、筺体9、ノズルプレート10、
ノズル11、第1フィン12、第2フィン13、電極1
4a、14b、電源15、およびインク供給口16より
構成される。
ットヘッドは、座屈構造体1、第1絶縁膜2、ヒータ回
路3、第2絶縁膜4、ダイヤフラム5、第3絶縁膜6、
基板7、スペーサー8、筺体9、ノズルプレート10、
ノズル11、第1フィン12、第2フィン13、電極1
4a、14b、電源15、およびインク供給口16より
構成される。
【0029】座屈構造体1の基板側に第2絶縁膜4を介
してヒータ回路3を形成しており、さらにヒータ回路3
と基板7の絶縁性を確保するため、ヒータ回路3と基板
7間に第1絶縁膜2を形成している。第1絶縁膜2の基
板側には第1フィン12が多数形成されている。また、
座屈構造体1のノズルプレート10側にはダイヤフラム
5が形成され、座屈構造体1及びダイヤフラム5により
圧力発生部材を構成している。基板7上にある第3絶縁
膜6の座屈構造体1側には、上記第1フィンと噛み合う
ように第2フィン13が多数形成され、第1フィンと第
2フィンは所定の間隔Gを隔てている。また第1絶縁膜
2は、第3絶縁膜6上に形成された第1フィン12と所
定の距離gを隔てている。
してヒータ回路3を形成しており、さらにヒータ回路3
と基板7の絶縁性を確保するため、ヒータ回路3と基板
7間に第1絶縁膜2を形成している。第1絶縁膜2の基
板側には第1フィン12が多数形成されている。また、
座屈構造体1のノズルプレート10側にはダイヤフラム
5が形成され、座屈構造体1及びダイヤフラム5により
圧力発生部材を構成している。基板7上にある第3絶縁
膜6の座屈構造体1側には、上記第1フィンと噛み合う
ように第2フィン13が多数形成され、第1フィンと第
2フィンは所定の間隔Gを隔てている。また第1絶縁膜
2は、第3絶縁膜6上に形成された第1フィン12と所
定の距離gを隔てている。
【0030】座屈構造体1の両端は、第3絶縁膜6を介
して基板7の一方表面に固定されている。またダイヤフ
ラム5は、周囲を基板7に固定されている。さらに基板
7には、圧力発生部材とノズルプレート10の間にイン
クを供給するためのインク供給口16が形成されてい
る。また座屈構造体1の両端部には電極14a、14b
が形成されており、電極14aには電源15により電圧
が印加可能である。また電極14bは接地状態とされて
いる。
して基板7の一方表面に固定されている。またダイヤフ
ラム5は、周囲を基板7に固定されている。さらに基板
7には、圧力発生部材とノズルプレート10の間にイン
クを供給するためのインク供給口16が形成されてい
る。また座屈構造体1の両端部には電極14a、14b
が形成されており、電極14aには電源15により電圧
が印加可能である。また電極14bは接地状態とされて
いる。
【0031】基板7の座屈構造体1が取り付けられた側
には、スペーサー8を介してノズルプレート10が取り
付けられている。ノズルプレート10にはノズル11が
形成されている。座屈構造体1が取り付けられた側と反
対側には筺体9が取り付けられている。座屈構造体1と
ダイヤフラム5の間、ダイヤフラム5とノズルプレート
10の間、第1絶縁膜2と筺体9の間はインク17で満
たされている。
には、スペーサー8を介してノズルプレート10が取り
付けられている。ノズルプレート10にはノズル11が
形成されている。座屈構造体1が取り付けられた側と反
対側には筺体9が取り付けられている。座屈構造体1と
ダイヤフラム5の間、ダイヤフラム5とノズルプレート
10の間、第1絶縁膜2と筺体9の間はインク17で満
たされている。
【0032】座屈構造体1は、ニッケルなどの金属材料
により構成され、各ノズルオリフィス11に対応するよ
うに設けられている。第2絶縁膜4及び第1絶縁膜2
は、酸化シリコンあるいはアルミナなどの絶縁性材料よ
り形成され、ヒータ回路3はニッケルあるいはニッケル
クロム合金などの抵抗の高い材料より形成されている。
ダイヤフラム5はニッケルなどの延性材料より形成さ
れ、基板7はシリコンあるいはガラスなどにより構成さ
れている。
により構成され、各ノズルオリフィス11に対応するよ
うに設けられている。第2絶縁膜4及び第1絶縁膜2
は、酸化シリコンあるいはアルミナなどの絶縁性材料よ
り形成され、ヒータ回路3はニッケルあるいはニッケル
クロム合金などの抵抗の高い材料より形成されている。
ダイヤフラム5はニッケルなどの延性材料より形成さ
れ、基板7はシリコンあるいはガラスなどにより構成さ
れている。
【0033】ノズルプレート10は、厚さ0.2mmあ
るいはそれ以下のガラス、プラスチックシート、あるい
はニッケル等の金属材料により構成されている。ノズル
プレート10にはノズルプレート10を貫通し、かつ一
定方向に配列された複数個のノズル11が円錐場または
漏斗状に形成されている。またノズルプレート10は、
ダイヤフラムが変形した際にノズルプレートと接触する
よう予め円錐状に形成されている。
るいはそれ以下のガラス、プラスチックシート、あるい
はニッケル等の金属材料により構成されている。ノズル
プレート10にはノズルプレート10を貫通し、かつ一
定方向に配列された複数個のノズル11が円錐場または
漏斗状に形成されている。またノズルプレート10は、
ダイヤフラムが変形した際にノズルプレートと接触する
よう予め円錐状に形成されている。
【0034】スペーサー8は、ポリイミドあるいはアク
リル系の感光性接着剤などの絶縁性材料より形成されて
いる。またノズルプレート10とダイヤフラム5の間に
はインクを導くインクの供給口16を形成している。
リル系の感光性接着剤などの絶縁性材料より形成されて
いる。またノズルプレート10とダイヤフラム5の間に
はインクを導くインクの供給口16を形成している。
【0035】次に図3は、本発明のインクジェットヘッ
ドの動作状態における概略的な構成を示す断面図であ
る。図4は、図3の座屈構造体1及びフィンの一部を拡
大した断面図である。このインクジェットヘッドの動作
においては、まず図1のごとくインクの供給口16を通
じてインク17が供給され、ダイヤフラム5はインク1
7に浸された状態となる。この後、電極14aに電源1
5により電圧が印加される。これによりヒータ3には電
流が流れ、ヒータ3の抵抗発熱により座屈構造体1は加
熱され長手方向に伸びようとする。しかしながら、座屈
構造体1の長手方向の両端部は基板7に固定されてお
り、座屈構造体1はその長手方向に伸びることができな
い。それゆえ座屈構造体1にはその反力として圧縮力P
0が発生し、蓄積される。この圧縮力P0が座屈荷重をこ
えると座屈構造体1は、図3に示すように座屈変形を起
こす。
ドの動作状態における概略的な構成を示す断面図であ
る。図4は、図3の座屈構造体1及びフィンの一部を拡
大した断面図である。このインクジェットヘッドの動作
においては、まず図1のごとくインクの供給口16を通
じてインク17が供給され、ダイヤフラム5はインク1
7に浸された状態となる。この後、電極14aに電源1
5により電圧が印加される。これによりヒータ3には電
流が流れ、ヒータ3の抵抗発熱により座屈構造体1は加
熱され長手方向に伸びようとする。しかしながら、座屈
構造体1の長手方向の両端部は基板7に固定されてお
り、座屈構造体1はその長手方向に伸びることができな
い。それゆえ座屈構造体1にはその反力として圧縮力P
0が発生し、蓄積される。この圧縮力P0が座屈荷重をこ
えると座屈構造体1は、図3に示すように座屈変形を起
こす。
【0036】座屈構造体1の変形は、図3に示すように
座屈構造体1の中央部がノズルプレート10側へ変形す
る。この時、座屈構造体1に連結しているダイヤフラム
5もノズルプレート10側へ変形する。このためインク
17がノズル11を通じて外部へ押し出され、インクジ
ェットヘッドの外部にインク滴が形成される。このイン
ク滴の噴出によりプリント面への印字が行われる。
座屈構造体1の中央部がノズルプレート10側へ変形す
る。この時、座屈構造体1に連結しているダイヤフラム
5もノズルプレート10側へ変形する。このためインク
17がノズル11を通じて外部へ押し出され、インクジ
ェットヘッドの外部にインク滴が形成される。このイン
ク滴の噴出によりプリント面への印字が行われる。
【0037】次に電極14a、14bの電流を断ち、座
屈構造体1が冷却されれば待機状態へ戻る(図1)。こ
の時、座屈構造体1およびヒータ3の熱は第1フィン1
2、第2フィン13及び基板7を伝わって放出される。
また、座屈構造体1及びヒータ3の熱は、ダイヤフラム
5とノズルプレート10を伝わって放出される。従って
座屈構造体1は速やかに冷却され、待機状態に戻ること
ができる。
屈構造体1が冷却されれば待機状態へ戻る(図1)。こ
の時、座屈構造体1およびヒータ3の熱は第1フィン1
2、第2フィン13及び基板7を伝わって放出される。
また、座屈構造体1及びヒータ3の熱は、ダイヤフラム
5とノズルプレート10を伝わって放出される。従って
座屈構造体1は速やかに冷却され、待機状態に戻ること
ができる。
【0038】図5は、本発明のインクジェットヘッドの
構成を概略的に示す分解斜視図である。また図6は、図
5の座屈構造体部の詳細図であり、座屈構造体1、第2
絶縁膜4、ヒータ層3、第1絶縁膜4から形成される。
なお、座屈構造体1の表面及び基板7の表面には前記フ
ィン12、13を形成しているが、図5及び図6では図
示していない。
構成を概略的に示す分解斜視図である。また図6は、図
5の座屈構造体部の詳細図であり、座屈構造体1、第2
絶縁膜4、ヒータ層3、第1絶縁膜4から形成される。
なお、座屈構造体1の表面及び基板7の表面には前記フ
ィン12、13を形成しているが、図5及び図6では図
示していない。
【0039】・実施例1 本実施例におけるインクジェットヘッドは、ダイヤフラ
ム5が変形した際ノズルプレート10とダイヤフラムと
が接触しないよう、図7のごとくノズルプレート10と
ダイヤフラム5の間に30μmの間隙Hを設けた構造で
ある。図8は、図7の座屈構造体及びフィンの一部を拡
大したものであり、第1フィン12と第2フィン13は
互いに等間隔で噛み合うように構成している。
ム5が変形した際ノズルプレート10とダイヤフラムと
が接触しないよう、図7のごとくノズルプレート10と
ダイヤフラム5の間に30μmの間隙Hを設けた構造で
ある。図8は、図7の座屈構造体及びフィンの一部を拡
大したものであり、第1フィン12と第2フィン13は
互いに等間隔で噛み合うように構成している。
【0040】また、図9及び図10は、前記インクジェ
ットヘッドにおいて、第1フィン12及び第2フィン1
3が片側のみ対向するような構成としたものである。
ットヘッドにおいて、第1フィン12及び第2フィン1
3が片側のみ対向するような構成としたものである。
【0041】図5、図6に示した座屈構造体1の各辺m
bの長さ(十字部maのうち中央の交差部を含まない)M
は250μm、幅Wは92μm、厚さTは5μmとし
た。また図5、図6では座屈構造体1の辺mbの数(座
屈部分の本数)は4本であるが、このシミュレーション
では放射状に8本存在するものとして行った。ダイヤフ
ラムの直径Eは800μm、ヒータ3の厚さは0.1μ
m、第1絶縁膜2の厚さは0.3μm、第2絶縁膜4の
厚さは0.5μmとした。
bの長さ(十字部maのうち中央の交差部を含まない)M
は250μm、幅Wは92μm、厚さTは5μmとし
た。また図5、図6では座屈構造体1の辺mbの数(座
屈部分の本数)は4本であるが、このシミュレーション
では放射状に8本存在するものとして行った。ダイヤフ
ラムの直径Eは800μm、ヒータ3の厚さは0.1μ
m、第1絶縁膜2の厚さは0.3μm、第2絶縁膜4の
厚さは0.5μmとした。
【0042】第1フィン12及び第2フィン13の長さ
Lは座屈構造体1の中央部の変形量の1.2倍とし、こ
こでは10μmとした。また第1フィン12と第2フィ
ン13の間隙Gは0.1〜1.0μm、座屈構造体1上
の第1絶縁膜2と第3絶縁膜6の上に形成した第1フィ
ン12との間隙gは0.5μmとした。
Lは座屈構造体1の中央部の変形量の1.2倍とし、こ
こでは10μmとした。また第1フィン12と第2フィ
ン13の間隙Gは0.1〜1.0μm、座屈構造体1上
の第1絶縁膜2と第3絶縁膜6の上に形成した第1フィ
ン12との間隙gは0.5μmとした。
【0043】このインクジェットヘッドを用いて熱伝導
特性のシュミレーションを行った。座屈構造体1の温度
上昇は100degとし、立ち上がり応答速度
(tr)、立ち下がり応答速度(td)及び消費電力を計
算した。ここで、立ち上がり応答速度(tr)は座屈構
造体1が100deg温度上昇する時間、立ち下がり応
答速度(td)は座屈構造体1が上昇した温度から座屈
温度(40deg)へ降下する時間である。なお、温度
上昇を100degとしたのは、別のエネルギー計算で
インク滴が吐出するのに必要なエネルギーをインク滴の
“運動エネルギー+表面エネルギー”の十倍として設定
したためである。
特性のシュミレーションを行った。座屈構造体1の温度
上昇は100degとし、立ち上がり応答速度
(tr)、立ち下がり応答速度(td)及び消費電力を計
算した。ここで、立ち上がり応答速度(tr)は座屈構
造体1が100deg温度上昇する時間、立ち下がり応
答速度(td)は座屈構造体1が上昇した温度から座屈
温度(40deg)へ降下する時間である。なお、温度
上昇を100degとしたのは、別のエネルギー計算で
インク滴が吐出するのに必要なエネルギーをインク滴の
“運動エネルギー+表面エネルギー”の十倍として設定
したためである。
【0044】まず、図7のごとく第1フィン12と第2
フィン13が等間隔で噛み合うような構造とし、その間
隔Gを0.1μmとしてシミュレーションを行った。座
屈構造体1の単位体積当たりの消費エネルギーは6.4
×108J/m3、消費電力は4×1013W/m3、パル
ス幅は16μsとして座屈構造体1を駆動させた。
フィン13が等間隔で噛み合うような構造とし、その間
隔Gを0.1μmとしてシミュレーションを行った。座
屈構造体1の単位体積当たりの消費エネルギーは6.4
×108J/m3、消費電力は4×1013W/m3、パル
ス幅は16μsとして座屈構造体1を駆動させた。
【0045】図11(a)は、上記の条件で座屈構造体
1を駆動させた場合の駆動波形であり、図11(b)
は、その時の座屈構造体の上昇温度と時間との関係を計
算した結果を表すグラフである。この図11(b)の上
昇温度カーブから応答速度を計算すると、立ち上がり応
答速度(tr)は16μs、立ち下がり応答速度(td)
は114μsとなり、この結果周波数応答が7.7kH
zでの駆動が可能になる。これに対して第1フィン、第
2フィンとも無い場合は、立ち上がり応答速度(tr)
は14μs、立ち下がり応答速度(td)は170μs
であり、周波数応答は5.4kHzであったので、周波
数応答が著しく速くなったことがわかる。
1を駆動させた場合の駆動波形であり、図11(b)
は、その時の座屈構造体の上昇温度と時間との関係を計
算した結果を表すグラフである。この図11(b)の上
昇温度カーブから応答速度を計算すると、立ち上がり応
答速度(tr)は16μs、立ち下がり応答速度(td)
は114μsとなり、この結果周波数応答が7.7kH
zでの駆動が可能になる。これに対して第1フィン、第
2フィンとも無い場合は、立ち上がり応答速度(tr)
は14μs、立ち下がり応答速度(td)は170μs
であり、周波数応答は5.4kHzであったので、周波
数応答が著しく速くなったことがわかる。
【0046】周波数応答が速くなったのは、主に立ち下
がり応答が速くなったためである。すなわち、座屈構造
体1及びヒータ3の熱は第2フィン13、ギャップ部の
インク17、第1フィン12を通してインク室外へ放出
される。特に第1フィンと第2フィンの間隙Gは座屈構
造体1が変形し始めてから最大変位に到達するまで変わ
らないので放熱の効果は大きい。したがって、圧力発生
部材の冷却速度が速くなり、この結果応答特性が良くな
り、高速印字が可能となるのである。
がり応答が速くなったためである。すなわち、座屈構造
体1及びヒータ3の熱は第2フィン13、ギャップ部の
インク17、第1フィン12を通してインク室外へ放出
される。特に第1フィンと第2フィンの間隙Gは座屈構
造体1が変形し始めてから最大変位に到達するまで変わ
らないので放熱の効果は大きい。したがって、圧力発生
部材の冷却速度が速くなり、この結果応答特性が良くな
り、高速印字が可能となるのである。
【0047】図12は、第1フィン12と第2フィン1
3が片側のみ対向する構造のインクジェットヘッドの立
ち上がり応答速度(tr:−〇−印)及び立ち下がり応
答速度(td:−△−印)のフィン間隔G依存性、及び
第1フィン12、第2フィン13が等間隔0.1μmで
噛み合った構造の立ち上がり応答速度(tr:−□−
印)及び立ち下がり応答速度(td:−▽−印)を示し
たものである。また第1フィン、第2フィンとも無い場
合の立ち上がり応答速度(tr:−●−印)及び立ち下
がり応答速度(td:−▲−印)も同時に示している。
3が片側のみ対向する構造のインクジェットヘッドの立
ち上がり応答速度(tr:−〇−印)及び立ち下がり応
答速度(td:−△−印)のフィン間隔G依存性、及び
第1フィン12、第2フィン13が等間隔0.1μmで
噛み合った構造の立ち上がり応答速度(tr:−□−
印)及び立ち下がり応答速度(td:−▽−印)を示し
たものである。また第1フィン、第2フィンとも無い場
合の立ち上がり応答速度(tr:−●−印)及び立ち下
がり応答速度(td:−▲−印)も同時に示している。
【0048】図12より、立ち上がり応答速度は間隔G
の影響をあまり受けていないことがわかる。これに対し
て立ち下がり応答速度は間隔Gが狭いほど速くなる。こ
れは熱伝導率の低いインク層が薄く、第2フィン13か
ら第1フィン12へ熱が速やかに流れるためである。第
1フィンと第2フィンの間隔Gは狭いほうが応答速度は
速く、0.2μm以下であればより好ましい。
の影響をあまり受けていないことがわかる。これに対し
て立ち下がり応答速度は間隔Gが狭いほど速くなる。こ
れは熱伝導率の低いインク層が薄く、第2フィン13か
ら第1フィン12へ熱が速やかに流れるためである。第
1フィンと第2フィンの間隔Gは狭いほうが応答速度は
速く、0.2μm以下であればより好ましい。
【0049】本実施例では、座屈構造体の上にダイヤフ
ラムを形成した構造でシミュレーションを行ったが、フ
ィンをつけた効果はダイヤフラムがある場合に限定され
るものではなく、ダイヤフラムが無い場合や、上記座屈
構造体が無くダイヤフラムが直接座屈する構造の場合も
同様の効果を示す。
ラムを形成した構造でシミュレーションを行ったが、フ
ィンをつけた効果はダイヤフラムがある場合に限定され
るものではなく、ダイヤフラムが無い場合や、上記座屈
構造体が無くダイヤフラムが直接座屈する構造の場合も
同様の効果を示す。
【0050】またフィンの形状をコーナーに丸みを持た
せた形状とすることにより、加熱、冷却によって座屈構
造体側のフィンが上下に移動する際、基板側のフィンの
隙間をスムーズに移動することができるので、インクジ
ェットヘッドの信頼性と耐久性が向上する。
せた形状とすることにより、加熱、冷却によって座屈構
造体側のフィンが上下に移動する際、基板側のフィンの
隙間をスムーズに移動することができるので、インクジ
ェットヘッドの信頼性と耐久性が向上する。
【0051】また、上記ノズルプレートの材質はシリコ
ンに限定されるものではなく、熱伝導率が50J(ms
K)-1以上のものであればどんな材質でも良い。さら
に、上記インク層17の物質はインクに限定されるもの
ではなく、他の液体あるいはゾル状の物質でも熱伝導率
が0.5W・m-1・K-1以上であれば良い。
ンに限定されるものではなく、熱伝導率が50J(ms
K)-1以上のものであればどんな材質でも良い。さら
に、上記インク層17の物質はインクに限定されるもの
ではなく、他の液体あるいはゾル状の物質でも熱伝導率
が0.5W・m-1・K-1以上であれば良い。
【0052】実施例2 本実施例におけるインクジェットヘッドを図13及び図
14に示す。本実施例ではノズルプレート10の材料を
ニッケルとし、ノズルプレート10はダイヤフラム5が
変形した際、ダイヤフラム5と接触するように形成され
ている。第1フィン及び第2フィンはなく、座屈構造体
1上の第1絶縁膜2と基板7上の第3絶縁膜6を間隔
0.5μmを隔てて配置した構造である。座屈構造体1
の本数、寸法、ダイヤフラム5の直径、ヒータ層3の厚
さ、第1絶縁膜2の厚さ及び第2絶縁膜4の厚さは全て
実施例1と同じである。
14に示す。本実施例ではノズルプレート10の材料を
ニッケルとし、ノズルプレート10はダイヤフラム5が
変形した際、ダイヤフラム5と接触するように形成され
ている。第1フィン及び第2フィンはなく、座屈構造体
1上の第1絶縁膜2と基板7上の第3絶縁膜6を間隔
0.5μmを隔てて配置した構造である。座屈構造体1
の本数、寸法、ダイヤフラム5の直径、ヒータ層3の厚
さ、第1絶縁膜2の厚さ及び第2絶縁膜4の厚さは全て
実施例1と同じである。
【0053】このインクジェットヘッドを用いて熱伝導
特性のシミュレーションを行った。実施例1と同様に座
屈構造体1の温度上昇を100degとし、立ち上がり
応答速度(tr)、立ち下がり応答速度(td)および消
費電力を計算した。このとき座屈構造体1の単位体積当
たりの消費エネルギーを6.0×108J/m3、消費電
力を4×1013W/m3、パルス幅を15μsとして座
屈構造体1を駆動させた。
特性のシミュレーションを行った。実施例1と同様に座
屈構造体1の温度上昇を100degとし、立ち上がり
応答速度(tr)、立ち下がり応答速度(td)および消
費電力を計算した。このとき座屈構造体1の単位体積当
たりの消費エネルギーを6.0×108J/m3、消費電
力を4×1013W/m3、パルス幅を15μsとして座
屈構造体1を駆動させた。
【0054】図12に、シミュレーションで得られた立
ち上がり応答速度(tr:−■−印)及び立ち下がり応
答速度(td:−★−印)を、ダイヤフラム5が変形し
た際、ノズルプレート10がダイヤフラム5と接触しな
い場合(●印、▲印)と比較して示す。
ち上がり応答速度(tr:−■−印)及び立ち下がり応
答速度(td:−★−印)を、ダイヤフラム5が変形し
た際、ノズルプレート10がダイヤフラム5と接触しな
い場合(●印、▲印)と比較して示す。
【0055】立ち上がり応答速度は15μsであり、ダ
イヤフラムが変形した際、ノズルプレート10がダイヤ
フラム5と接触しない場合と比較してもあまり影響が見
られない。立ち下がり応答速度は、ノズルプレート10
とダイヤフラム5とが接触した場合は39μsであり、
接触しない場合と比較すると著しく速くなる。また周波
数応答は18kHzに向上する。
イヤフラムが変形した際、ノズルプレート10がダイヤ
フラム5と接触しない場合と比較してもあまり影響が見
られない。立ち下がり応答速度は、ノズルプレート10
とダイヤフラム5とが接触した場合は39μsであり、
接触しない場合と比較すると著しく速くなる。また周波
数応答は18kHzに向上する。
【0056】このように立ち下がり応答が速くなったの
は、座屈構造体1が最大変位に達したとき、座屈構造体
1およびヒータ3に発生した熱がダイヤフラム5から間
にインクを介する事なく、直接ノズルプレート10へ素
早く流れるためである。さらに座屈構造体1の変形が基
板7側へ回復した場合には、座屈構造体1上の第1絶縁
膜2と基板7上の第3絶縁膜6との間の狭いギャップ部
を通って基板7へ素早く流れるため圧力発生部材の冷却
速度が速くなる。この結果、応答特性が良くなり、高速
印字が可能となるのである。。
は、座屈構造体1が最大変位に達したとき、座屈構造体
1およびヒータ3に発生した熱がダイヤフラム5から間
にインクを介する事なく、直接ノズルプレート10へ素
早く流れるためである。さらに座屈構造体1の変形が基
板7側へ回復した場合には、座屈構造体1上の第1絶縁
膜2と基板7上の第3絶縁膜6との間の狭いギャップ部
を通って基板7へ素早く流れるため圧力発生部材の冷却
速度が速くなる。この結果、応答特性が良くなり、高速
印字が可能となるのである。。
【0057】・実施例3 本実施例ではノズルプレート10の材料をニッケルと
し、ダイヤフラムが変形した際、図3のごとくノズルプ
レート10とダイヤフラムとが接触する構成としてい
る。また第1フィン12と第2フィン13とが等間隔で
噛み合う構造とし、その間隙Gは0.1μmにした。座
屈構造体1の本数、寸法、ダイヤフラム5の直径、ヒー
タ3の厚さ、第1絶縁膜2の厚さ、第2絶縁膜4の厚さ
は全て実施例1と同じである。
し、ダイヤフラムが変形した際、図3のごとくノズルプ
レート10とダイヤフラムとが接触する構成としてい
る。また第1フィン12と第2フィン13とが等間隔で
噛み合う構造とし、その間隙Gは0.1μmにした。座
屈構造体1の本数、寸法、ダイヤフラム5の直径、ヒー
タ3の厚さ、第1絶縁膜2の厚さ、第2絶縁膜4の厚さ
は全て実施例1と同じである。
【0058】このインクジェットヘッドを用いて熱伝導
特性のシミュレーションを行った。実施例1と同様に座
屈構造体1の温度上昇を100degとし、立ち上がり
応答速度(tr)、立ち下がり応答速度(td)及び消費
電力を計算した。このとき座屈構造体1の単位体積当た
りの消費エネルギーは6.0×108J/m3、消費電力
は4×1013W/m3、パルス幅は15μsとして座屈
構造体1を駆動させた。
特性のシミュレーションを行った。実施例1と同様に座
屈構造体1の温度上昇を100degとし、立ち上がり
応答速度(tr)、立ち下がり応答速度(td)及び消費
電力を計算した。このとき座屈構造体1の単位体積当た
りの消費エネルギーは6.0×108J/m3、消費電力
は4×1013W/m3、パルス幅は15μsとして座屈
構造体1を駆動させた。
【0059】図12に立ち上がり応答速度(tr:−×
−印)及び立ち下がり応答速度(td:−▼−印)の測
定結果を示す。立ち上がり応答速度は16μsであり、
実施例1のフィンを付けてノズルプレート10とダイヤ
フラム5が接触しない場合、及び実施例2のフィンが無
くてノズルプレート10とダイヤフラム5が接触する場
合と比較してもあまり影響を受けていない。立ち下がり
応答速度は36μsであり、実施例1及び実施例2の場
合と比較すると特に速くなっている。このときの周波数
応答は19kHzに向上する。
−印)及び立ち下がり応答速度(td:−▼−印)の測
定結果を示す。立ち上がり応答速度は16μsであり、
実施例1のフィンを付けてノズルプレート10とダイヤ
フラム5が接触しない場合、及び実施例2のフィンが無
くてノズルプレート10とダイヤフラム5が接触する場
合と比較してもあまり影響を受けていない。立ち下がり
応答速度は36μsであり、実施例1及び実施例2の場
合と比較すると特に速くなっている。このときの周波数
応答は19kHzに向上する。
【0060】このように立ち下がり応答が速くなったの
は、座屈構造体1及びヒータ3に発生した熱が、第2フ
ィン13、ギャップ部のインク17、第1フィン12、
基板7を通ってインク室外へ放出される第1の経路と、
ダイヤフラム5からノズルプレート10へ流れる第2の
経路の両方を有効に流れるためである。また、第1フィ
ンと第2フィンの間隔Gは、座屈構造体1が変形し始め
てから最大変位に到達するまで変わらないので放熱の効
果は大きい。したがって、圧力発生部材の冷却速度が速
くなり、この結果、応答特性が良くなり高速印字が可能
となる。
は、座屈構造体1及びヒータ3に発生した熱が、第2フ
ィン13、ギャップ部のインク17、第1フィン12、
基板7を通ってインク室外へ放出される第1の経路と、
ダイヤフラム5からノズルプレート10へ流れる第2の
経路の両方を有効に流れるためである。また、第1フィ
ンと第2フィンの間隔Gは、座屈構造体1が変形し始め
てから最大変位に到達するまで変わらないので放熱の効
果は大きい。したがって、圧力発生部材の冷却速度が速
くなり、この結果、応答特性が良くなり高速印字が可能
となる。
【0061】座屈構造体の材料はニッケルに限定される
ものではなく、ヤング率及び線膨張係数が大きく、成膜
が容易なものであればよい。また座屈構造体の大きさ、
座屈構造体1の本数、ダイヤフラムの直径E、ヒータの
厚さなどは実施例1に記載の数値に限定されるものでは
なく、集積度を損なわず、必要なエネルギーが出せる大
きさでプロセスが可能なものであればよい。
ものではなく、ヤング率及び線膨張係数が大きく、成膜
が容易なものであればよい。また座屈構造体の大きさ、
座屈構造体1の本数、ダイヤフラムの直径E、ヒータの
厚さなどは実施例1に記載の数値に限定されるものでは
なく、集積度を損なわず、必要なエネルギーが出せる大
きさでプロセスが可能なものであればよい。
【0062】第1絶縁膜、第2絶縁膜、第3絶縁膜には
二酸化シリコン膜を使用したが、この代わりにアルミナ
を使用すると二酸化シリコン膜より熱伝導率が高いの
で、座屈構造体3の冷却速度が速くなり周波数特性が向
上する。この絶縁性部材の膜厚は絶縁性の確保のために
は厚いほうがよいが、熱の伝導のためには薄いほうがよ
く、膜厚は0.1〜1μm程度が望ましい。
二酸化シリコン膜を使用したが、この代わりにアルミナ
を使用すると二酸化シリコン膜より熱伝導率が高いの
で、座屈構造体3の冷却速度が速くなり周波数特性が向
上する。この絶縁性部材の膜厚は絶縁性の確保のために
は厚いほうがよいが、熱の伝導のためには薄いほうがよ
く、膜厚は0.1〜1μm程度が望ましい。
【0063】座屈構造体3は、ノズルプレート側に曲が
るように座屈構造体3は基板側に線膨張係数の小さい厚
さ0.01μmのタンタル、ノズルプレート側に線膨張
係数の大きい厚さ6μmのニッケルの2層構造になって
いる。同様に座屈構造体3がノズルプレート側に曲がる
ように、基板からの放熱効果により基板側はノズルプレ
ート側より温度が低くなっている。
るように座屈構造体3は基板側に線膨張係数の小さい厚
さ0.01μmのタンタル、ノズルプレート側に線膨張
係数の大きい厚さ6μmのニッケルの2層構造になって
いる。同様に座屈構造体3がノズルプレート側に曲がる
ように、基板からの放熱効果により基板側はノズルプレ
ート側より温度が低くなっている。
【0064】・製造方法 次に、本発明のインクジェットヘッドに係る圧力発生部
材の製造方法について、図15を用いて工程順に説明す
る。なお、用いる物質、膜厚等はこれに限定されるもの
ではない。
材の製造方法について、図15を用いて工程順に説明す
る。なお、用いる物質、膜厚等はこれに限定されるもの
ではない。
【0065】まず図15(a)に示すように、面方位
(100)のシリコン基板100の表裏両面に、熱酸化
膜110を所定の厚さ(例えば1μm)に形成する。
(100)のシリコン基板100の表裏両面に、熱酸化
膜110を所定の厚さ(例えば1μm)に形成する。
【0066】次に、裏面にフォトレジストを塗布し(図
示しない)、形成すべきインク循環口の形状に対応した
パターニングを行い、CHF3にて熱酸化膜110のエ
ッチングを行う。続いてこのシリコン基板を水酸化カリ
ウム溶液に浸すとエッチング速度の遅い(111)面が
残り、レジストを剥離すると図15(b)のごとくイン
ク循環口18が一部作成される。
示しない)、形成すべきインク循環口の形状に対応した
パターニングを行い、CHF3にて熱酸化膜110のエ
ッチングを行う。続いてこのシリコン基板を水酸化カリ
ウム溶液に浸すとエッチング速度の遅い(111)面が
残り、レジストを剥離すると図15(b)のごとくイン
ク循環口18が一部作成される。
【0067】表面に0.01μmの厚さのタンタル及び
0.01μmの厚さのニッケルをスパッター法で成膜し
(図示せず)、この上にフォトレジスト120を塗布
し、形成すべき第1フィンの形状に対応したパターニン
グを行ってレジストを剥離し、図15(c)を得る。タ
ンタルは、熱酸化膜110とニッケルの密着力を上げる
ために成膜する。
0.01μmの厚さのニッケルをスパッター法で成膜し
(図示せず)、この上にフォトレジスト120を塗布
し、形成すべき第1フィンの形状に対応したパターニン
グを行ってレジストを剥離し、図15(c)を得る。タ
ンタルは、熱酸化膜110とニッケルの密着力を上げる
ために成膜する。
【0068】前記ニッケル膜を電極にして電解メッキ法
により所定の厚さ(例えば10μm)のニッケルメッキ
を行い、その後前記フォトレジスト120を剥離して図
15(d)のごとく第1フィン130を形成する。電解
メッキには、例えばスルファミン酸ニッケル浴によるニ
ッケルメッキを用いることができる。
により所定の厚さ(例えば10μm)のニッケルメッキ
を行い、その後前記フォトレジスト120を剥離して図
15(d)のごとく第1フィン130を形成する。電解
メッキには、例えばスルファミン酸ニッケル浴によるニ
ッケルメッキを用いることができる。
【0069】図15(e)に示すように、第1フィン1
30表面に第1犠牲層となる厚さ0.1μmのアルミニ
ウム140をスパッタ法、あるいは真空蒸着法で成膜す
る。この時、各第1フィン130の底、あるいは側面全
体にアルミニウム140が成膜されるように基板を傾け
ながら成膜する。続いてこの上にフォトレジスト150
を塗布し、形成すべき第2フィンの形状に対応したパタ
ーニングを行う。
30表面に第1犠牲層となる厚さ0.1μmのアルミニ
ウム140をスパッタ法、あるいは真空蒸着法で成膜す
る。この時、各第1フィン130の底、あるいは側面全
体にアルミニウム140が成膜されるように基板を傾け
ながら成膜する。続いてこの上にフォトレジスト150
を塗布し、形成すべき第2フィンの形状に対応したパタ
ーニングを行う。
【0070】前記アルミニウム140を電極にして、図
15(f)に示すごとく電解メッキ法を用いて前記第1
フィンの溝が埋まるまでニッケルメッキを行う。これで
第2フィン160が形成される。電解メッキには例えば
スルファミン酸ニッケル浴によるニッケルメッキを用い
ることができる。
15(f)に示すごとく電解メッキ法を用いて前記第1
フィンの溝が埋まるまでニッケルメッキを行う。これで
第2フィン160が形成される。電解メッキには例えば
スルファミン酸ニッケル浴によるニッケルメッキを用い
ることができる。
【0071】前記フォトレジスト150を剥離して、図
15(g)のごとく表面に厚さ0.5μmの酸化シリコ
ン170をスパッター法で成膜し、第1絶縁膜を形成す
る。
15(g)のごとく表面に厚さ0.5μmの酸化シリコ
ン170をスパッター法で成膜し、第1絶縁膜を形成す
る。
【0072】表面に厚さ0.01μmのタンタル及び厚
さ0.1μmのニッケルをスパッタ法で成膜し、この上
にフォトレジストを塗布し、形成すべきヒータ180の
形状に対応したパターニングを行いレジストを剥離する
(図示せず)。タンタルは、酸化シリコン170とニッ
ケルの密着力を上げるために成膜する。この上に厚さ
0.3μmの酸化シリコン190をスパッタ法で成膜
し、第2絶縁膜を形成して図15(h)を得る。
さ0.1μmのニッケルをスパッタ法で成膜し、この上
にフォトレジストを塗布し、形成すべきヒータ180の
形状に対応したパターニングを行いレジストを剥離する
(図示せず)。タンタルは、酸化シリコン170とニッ
ケルの密着力を上げるために成膜する。この上に厚さ
0.3μmの酸化シリコン190をスパッタ法で成膜
し、第2絶縁膜を形成して図15(h)を得る。
【0073】表面に厚さ0.01μmのタンタル及び厚
さ0.1μmのニッケルをスパッター法で成膜し、この
上にフォトレジストを塗布し、形成すべき座屈構造体の
形状に対応したパターニングを行う(図示せず)。次に
図15(i)のごとく、前記ニッケル膜を電極にして電
解メッキ法により所定の厚さ(例えば5μm)のニッケ
ルメッキ200を行う。電解メッキには、例えばスルフ
ァミン酸ニッケル浴によるニッケルメッキを用いること
ができる。
さ0.1μmのニッケルをスパッター法で成膜し、この
上にフォトレジストを塗布し、形成すべき座屈構造体の
形状に対応したパターニングを行う(図示せず)。次に
図15(i)のごとく、前記ニッケル膜を電極にして電
解メッキ法により所定の厚さ(例えば5μm)のニッケ
ルメッキ200を行う。電解メッキには、例えばスルフ
ァミン酸ニッケル浴によるニッケルメッキを用いること
ができる。
【0074】前記フォトレジストを剥離し、表面に第2
犠牲層となる厚さ0.5μmのアルミニウム210をス
パッター法で成膜し、この上にフォトレジストを塗布し
て(図示せず)、形成すべき座屈構造体とダイヤフラム
との間隙に対応したパターニングを行い、レジストを剥
離して図15(j)を得る。この第2犠牲層の厚さでダ
イヤフラムと座屈構造体との間隔が決まる。
犠牲層となる厚さ0.5μmのアルミニウム210をス
パッター法で成膜し、この上にフォトレジストを塗布し
て(図示せず)、形成すべき座屈構造体とダイヤフラム
との間隙に対応したパターニングを行い、レジストを剥
離して図15(j)を得る。この第2犠牲層の厚さでダ
イヤフラムと座屈構造体との間隔が決まる。
【0075】厚さ0.01μmのタンタル及び厚さ0.
1μmのニッケルをスパッター法で成膜し(図示しな
い)、これを電極にして図15(k)のごとく、電解メ
ッキ法により所定の厚さ(例えば4μm)のニッケルメ
ッキ220を行う。電解メッキには、例えばスルファミ
ン酸ニッケル浴によるニッケルメッキを用いることがで
きる。タンタルは、ニッケル200とニッケル220の
密着力を上げるために成膜する。
1μmのニッケルをスパッター法で成膜し(図示しな
い)、これを電極にして図15(k)のごとく、電解メ
ッキ法により所定の厚さ(例えば4μm)のニッケルメ
ッキ220を行う。電解メッキには、例えばスルファミ
ン酸ニッケル浴によるニッケルメッキを用いることがで
きる。タンタルは、ニッケル200とニッケル220の
密着力を上げるために成膜する。
【0076】前記の状態のシリコン基板100を水酸化
カリウム溶液に浸すと、エッチング速度の遅い(11
1)面が残り、図15(l)に示すインク循環口18が
完成する。
カリウム溶液に浸すと、エッチング速度の遅い(11
1)面が残り、図15(l)に示すインク循環口18が
完成する。
【0077】さらにこの状態のシリコン基板100をフ
ッ酸溶液に浸すと、シリコン基板100に覆われていな
い部分の熱酸化膜110がエッチングされ図15(m)
の状態になる。
ッ酸溶液に浸すと、シリコン基板100に覆われていな
い部分の熱酸化膜110がエッチングされ図15(m)
の状態になる。
【0078】この状態のシリコン基板100を水酸化カ
リウム溶液に浸すと、図15(n)のごとく第1犠牲層
のアルミニウム140がエッチングされ、座屈構造体が
基板から分離される。また同時に、第2犠牲層のアルミ
ニウム210もエッチングされ、ダイヤフラムが座屈構
造体から分離される。次に表面にフォトレジストを塗布
し、形成すべきダイヤフラムの形状に対応したパターニ
ングを行い(図示しない)、フォトレジストを剥離して
圧力発生器が完成する。
リウム溶液に浸すと、図15(n)のごとく第1犠牲層
のアルミニウム140がエッチングされ、座屈構造体が
基板から分離される。また同時に、第2犠牲層のアルミ
ニウム210もエッチングされ、ダイヤフラムが座屈構
造体から分離される。次に表面にフォトレジストを塗布
し、形成すべきダイヤフラムの形状に対応したパターニ
ングを行い(図示しない)、フォトレジストを剥離して
圧力発生器が完成する。
【0079】最後に、図1、図3、図5に示すようなノ
ズルプレート10、圧力室及びインク供給口16を形成
したスペーサー8、圧力発生器、筺体9を接合してイン
クジェットヘッドが完成する。
ズルプレート10、圧力室及びインク供給口16を形成
したスペーサー8、圧力発生器、筺体9を接合してイン
クジェットヘッドが完成する。
【0080】
【発明の効果】請求項1に記載のインクジェットヘッド
では、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却
期間に入ると、座屈体及びヒータ層の熱は上記フィンと
基板を通してを通してインク室外へ放出される。従っ
て、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。この結果、応
答特性が良くなり、高速印字が可能となる。
では、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却
期間に入ると、座屈体及びヒータ層の熱は上記フィンと
基板を通してを通してインク室外へ放出される。従っ
て、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。この結果、応
答特性が良くなり、高速印字が可能となる。
【0081】請求項2に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈構造体及びヒータに発生した熱はダイ
ヤフラムからインクを介する事なく直接ノズルプレート
へ素早く流れるため冷却速度が速くなる。さらに座屈構
造体の変形が基板側へ回復する直前は、座屈構造体上の
第1絶縁膜と基板上の第3絶縁膜との間の狭いギャップ
部を通って基板へ素早く流れるため冷却速度が速くな
り、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。この結果、応
答特性が良くなり、高速印字が可能となる。
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈構造体及びヒータに発生した熱はダイ
ヤフラムからインクを介する事なく直接ノズルプレート
へ素早く流れるため冷却速度が速くなる。さらに座屈構
造体の変形が基板側へ回復する直前は、座屈構造体上の
第1絶縁膜と基板上の第3絶縁膜との間の狭いギャップ
部を通って基板へ素早く流れるため冷却速度が速くな
り、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。この結果、応
答特性が良くなり、高速印字が可能となる。
【0082】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈構造体及びヒータ層の熱はフィンと基
板を通してインク室外へ放出される。また、一部はダイ
ヤフラムからインクを介する事なく直接ノズルプレート
へ素早く流れるため、さらに冷却速度が速くなる。特
に、座屈構造体側のフィンと基板側のフィンは、座屈構
造体が最大変形から戻り始めてから待機状態に完全に戻
るまで常に対向し、狭い間隔を維持したままなので放熱
の効果は大きい。座屈構造体側のフィンと基板側のフィ
ンが接触した場合は、さらに放熱速度が速くなる。従っ
て、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。この結果、応
答特性が良くなり、高速印字が可能となる。
は、座屈構造体が最大変位に達し加熱を終了して冷却期
間に入ると、座屈構造体及びヒータ層の熱はフィンと基
板を通してインク室外へ放出される。また、一部はダイ
ヤフラムからインクを介する事なく直接ノズルプレート
へ素早く流れるため、さらに冷却速度が速くなる。特
に、座屈構造体側のフィンと基板側のフィンは、座屈構
造体が最大変形から戻り始めてから待機状態に完全に戻
るまで常に対向し、狭い間隔を維持したままなので放熱
の効果は大きい。座屈構造体側のフィンと基板側のフィ
ンが接触した場合は、さらに放熱速度が速くなる。従っ
て、圧力発生部材の冷却速度が速くなる。この結果、応
答特性が良くなり、高速印字が可能となる。
【0083】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、フィンを通る熱の経路が増えるのでさらに放熱速度
が大きくなり応答特性が良くなるので、高速印字が可能
となる。また、座屈構造体側のフィンと基板側のフィン
は接触するか一定の間隔を維持したままなのでフィンが
離れることはなく、インクジェットヘッドの信頼性と耐
久性が向上できる。
は、フィンを通る熱の経路が増えるのでさらに放熱速度
が大きくなり応答特性が良くなるので、高速印字が可能
となる。また、座屈構造体側のフィンと基板側のフィン
は接触するか一定の間隔を維持したままなのでフィンが
離れることはなく、インクジェットヘッドの信頼性と耐
久性が向上できる。
【0084】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、加熱、冷却を繰り返しによって座屈構造体側のフィ
ンが上下に移動する際、基板側のフィンの隙間をスムー
ズに移動できるので、インクジェットヘッドの信頼性と
耐久性が向上する。
は、加熱、冷却を繰り返しによって座屈構造体側のフィ
ンが上下に移動する際、基板側のフィンの隙間をスムー
ズに移動できるので、インクジェットヘッドの信頼性と
耐久性が向上する。
【0085】請求項6に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体上のダイヤフラムによって座屈構造体の
裏側へのインクの回り込みがなく、インクの吐出速度を
大きくできるので、ヘッドとプリント用紙とのギャップ
の設計が容易になるとともに、印刷品位を向上すること
ができる。
は、座屈構造体上のダイヤフラムによって座屈構造体の
裏側へのインクの回り込みがなく、インクの吐出速度を
大きくできるので、ヘッドとプリント用紙とのギャップ
の設計が容易になるとともに、印刷品位を向上すること
ができる。
【0086】請求項7に記載のインクジェットヘッドで
は、ダイヤフラム自体が座屈する構造とし座屈構造体を
必要としないため、ヘッドの製造プロセスが容易にな
り、低コスト化を可能とする。
は、ダイヤフラム自体が座屈する構造とし座屈構造体を
必要としないため、ヘッドの製造プロセスが容易にな
り、低コスト化を可能とする。
【0087】請求項8に記載のインクジェットヘッドで
は、加熱終了後の冷却期間において、圧力発生部材、特
に座屈体及びヒータ層の熱をダイヤフラムとノズルプレ
ートを通してインク室外へ速やかに放出できる。したが
って、圧力発生部材の冷却速度が速くなるので応答特性
が良くなり、高速印字が可能となる。
は、加熱終了後の冷却期間において、圧力発生部材、特
に座屈体及びヒータ層の熱をダイヤフラムとノズルプレ
ートを通してインク室外へ速やかに放出できる。したが
って、圧力発生部材の冷却速度が速くなるので応答特性
が良くなり、高速印字が可能となる。
【0088】請求項9に記載のインクジェットヘッドの
製造方法によれば、本発明のインクジェットヘッドに係
る圧力発生部材を半導体プロセスによって製造できるの
で、インクジェットヘッドを小型に作製することができ
る。また、基板上の第1フィンと座屈体構造上の第2フ
ィンとの間の間隙と、圧力発生部材内の座屈構造体とダ
イヤフラムとの間の間隙とを、第1犠牲層と第2犠牲層
を連続的にエッチングして除去することにより一括して
形成できる。したがって、作製工程を簡単にすることが
でき、しかも上記2つの間隙を、第1犠牲層及び第2犠
牲層のそれぞれの厚さに応じて形成しているので、各間
隙の距離を精度よく設定できる。
製造方法によれば、本発明のインクジェットヘッドに係
る圧力発生部材を半導体プロセスによって製造できるの
で、インクジェットヘッドを小型に作製することができ
る。また、基板上の第1フィンと座屈体構造上の第2フ
ィンとの間の間隙と、圧力発生部材内の座屈構造体とダ
イヤフラムとの間の間隙とを、第1犠牲層と第2犠牲層
を連続的にエッチングして除去することにより一括して
形成できる。したがって、作製工程を簡単にすることが
でき、しかも上記2つの間隙を、第1犠牲層及び第2犠
牲層のそれぞれの厚さに応じて形成しているので、各間
隙の距離を精度よく設定できる。
【図1】本発明のインクジェットヘッドの構造を表す図
である。
である。
【図2】図1の一部を拡大した図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドの駆動した状態を
表す図である。
表す図である。
【図4】図3の一部を拡大した図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの分解斜視図で
ある。
ある。
【図6】図5の座屈構造体1をさらに分解して表す図で
ある。
ある。
【図7】本発明のインクジェットヘッドの別の実施例を
表す図である。
表す図である。
【図8】図7の一部を拡大した図である。
【図9】図7の実施例においてフィンが片側のみ対向す
る対向する場合を表す図である。
る対向する場合を表す図である。
【図10】図9の一部を拡大した図である。
【図11】座屈構造体の駆動波形、及び時間と上昇温度
との関係を表す図である。
との関係を表す図である。
【図12】インクジェットヘッドの応答速度、及びフィ
ンのギャップと応答速度との関係を表す図である。
ンのギャップと応答速度との関係を表す図である。
【図13】本発明のインクジェットヘッドのさらに別の
実施例を表す図である。
実施例を表す図である。
【図14】図13の一部を拡大した図である。
【図15】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を
説明する図である。
説明する図である。
【図16】従来のインクジェットヘッドの構造を表す図
である。
である。
【図17】従来のインクジェットヘッドの構造を表す図
である。
である。
【図18】従来のインクジェットヘッドの構造を表す図
である。
である。
【図19】従来のインクジェットヘッドの構造を表す図
である。
である。
1 座屈構造体 2 第1絶縁膜 3 ヒータ層 4 第2絶縁層 5 ダイヤフラム 6 第3絶縁層 7 基板 10 ノズルプレート 11 ノズル 12 第1フィン 13 第2フィン 16 インク供給口 17 インク
フロントページの続き (72)発明者 石井 頼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 阿部 新吾 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 木村 正治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 堀中 大 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 恩田 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 基板上に、インクを吐出させるための圧
力を発生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定
の間隔を隔て、インクを吐出させるノズルを有するノズ
ルプレートと、を備えたインクジェットヘッドにおい
て、 前記圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座
屈構造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層
からなり、前記座屈構造体の基板側と前記基板の座屈構
造体側には、それぞれ交互に組み合わさる複数のフィン
が形成され、該フィンは、少なくとも片側が常に狭い間
隔で対向していることを特徴とするインクジェットヘッ
ド。 - 【請求項2】 基板上に、インクを吐出させるための圧
力を発生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定
の間隔を隔て、インクを吐出させるノズルを有するノズ
ルプレートと、を備えたインクジェットヘッドにおい
て、 前記圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座
屈構造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層
からなり、前記圧力発生手段と前記ノズルプレートとの
間には、前記圧力発生手段が座屈変形を生じた際にノズ
ルプレートと接触するような所定の間隔を有することを
特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項3】 基板上に、インクを吐出させるための圧
力を発生させる圧力発生手段と、該圧力発生手段と所定
の間隔を隔て、インクを吐出させるノズルを有するノズ
ルプレートと、を備えたインクジェットヘッドにおい
て、 前記圧力発生手段は、熱膨張により座屈変形を生じる座
屈構造体と、該座屈構造体に沿って設けられたヒータ層
からなり、前記座屈構造体の基板側と前記基板の座屈構
造体側には、それぞれ交互に組み合わさる複数のフィン
が形成され、該フィンは、少なくとも片側が常に狭い間
隔で対向し、前記圧力発生手段と前記ノズルプレートと
の間には、前記圧力発生手段が座屈変形を生じた際にノ
ズルプレートと接触するような所定の間隔を有すること
を特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載のインク
ジェットヘッドにおいて、前記座屈構造体側のフィンと
前記基板側のフィンとは、互いに等間隔で噛み合ってい
ることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項5】 請求項1または請求項3に記載のインク
ジェットヘッドにおいて、前記フィンは、コーナーに丸
みを持たせたことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項3に記載のインクジ
ェットヘッドにおいて、座屈構造体上に一部が座屈構造
体と連結されたダイヤフラムを有することを特徴とする
インクジェットヘッド。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項3に記載のインクジ
ェットヘッドにおいて、圧力発生部材が座屈特性を有す
るダイヤフラムと、ダイヤフラムに沿って設けられたヒ
ータ層により形成されることを特徴とするインクジェッ
トヘッド。 - 【請求項8】 請求項2または請求項3に記載のインク
ジェットヘッドにおいて、前記ノズルプレートを形成す
る材質は、熱伝導率が50J(msK)-1以上であるこ
とを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項9】 基板上に複数の第2のフィンを形成する
工程と、該第2のフィンの表面に第1犠牲層を形成する
工程と、該第1犠牲層上に第1のフィンを形成する工程
と、該第1のフィン上にメッキ法により座屈構造体とな
る第1金属層を形成する工程と、該第1金属層の上に第
2犠牲層を形成する工程と、該第2犠牲層上にメッキ法
によりダイヤフラムとなる金属層を形成する工程と、前
記第1犠牲層と前記第2犠牲層をエッチングするための
窓を前記基板に空ける工程と、該窓からエッチングを行
い前記第1犠牲層と前記第2犠牲層を一括してエッチン
グし、前記第1のフィンと前記第2のフィン、及び前記
座屈構造体と前記ダイヤフラムを分離する工程と、前記
第2金属層をパターンニング加工して、所定の形状を持
つダイヤフラムを形成する工程と、を有することを特徴
とするインクジェットヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11852995A JPH08309980A (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
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JP11852995A JPH08309980A (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
Publications (1)
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JPH08309980A true JPH08309980A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14738862
Family Applications (1)
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JP11852995A Pending JPH08309980A (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
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JP (1) | JPH08309980A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003086768A1 (en) * | 2002-04-12 | 2003-10-23 | Silverbrook Research Pty Ltd | Thermoelastic inkjet actuator with head conductive pathways |
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-
1995
- 1995-05-17 JP JP11852995A patent/JPH08309980A/ja active Pending
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