JPH09183128A - 樹脂部品の製造方法および液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

樹脂部品の製造方法および液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH09183128A
JPH09183128A JP7353176A JP35317695A JPH09183128A JP H09183128 A JPH09183128 A JP H09183128A JP 7353176 A JP7353176 A JP 7353176A JP 35317695 A JP35317695 A JP 35317695A JP H09183128 A JPH09183128 A JP H09183128A
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resin
die
electroforming
recording head
excimer laser
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Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細構造を有する樹脂部品を安価に製造す
る。 【解決手段】 樹脂製の粗成形品にエキシマレーザによ
る溝加工を施して原型4を作製し、これを用いた電鋳に
よって金属型5を得る。該金属型を中心駒として上駒や
下駒等を当接し、樹脂を注入して液体噴射記録ヘッドの
樹脂天板等の樹脂部品を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種マイクロマシ
ン、各種光学機械の光学部品、液体噴射記録ヘッド(イ
ンクジェット記録ヘッド)等に用いる樹脂部品の製造方
法および液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、各種マイクロマシン、各種光学機
械の光学部品、液体噴射記録ヘッド(インクジェット記
録ヘッド)等の微細な構造を必要とする樹脂部品の作製
には、機械加工によって型を作製し、これに樹脂を射出
成形する方法が主に採用されている。しかしながら、よ
り複雑な立体構造を有しかつ高い加工精度を要求される
部品については、満足すべき結果を得ることができない
のが現状である。
【0003】近年では、特に液体噴射記録ヘッド等の微
細な立体構造を有する樹脂部品を作製する方法として、
光造形法やLIGAプロセス等が検討されている。光造
形法は、光重合するモノマー溶液に対してレーザ光を照
射しこれをXY方向に走査して樹脂を重合させながら、
Z軸ステージを徐徐に下降させることによって3次元の
立体物を作製する方法である。またLIGAプロセス
は、X線感光型樹脂の厚膜を成膜し、シンクロトロン放
射光を用いてマスクを介してパターン露光し、これを現
像して得られた樹脂型を用いた電鋳によって金属型を作
製し、該金属型を用いて樹脂成形を行なう方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、光造形法やLIGAプロセス等を用い
ても充分な加工精度を有する微細構造を安価に作製する
ことができないという未解決の課題がある。すなわち、
光造形法においては、光重合によって発生したラジカル
がモノマー溶液中に拡散したり、レーザ光の散乱等のた
めに充分な加工精度を得ることができず、LIGAプロ
セスは、シンクロトロン放射光を発生する装置が極めて
高価であり、これが樹脂部品の製造コストを高騰させ
る。
【0005】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、加工精度の高い微
細な立体構造を安価に作製できる樹脂部品の製造方法お
よび液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の樹脂部品の製造方法は、樹脂製の粗成形品
をエキシマレーザによって微細加工することで精密な原
型を作製し、これを用いた電鋳によって金属型を得る工
程と、得られた金属型を用いて樹脂部品を成形する工程
を有することを特徴とする。
【0007】粗成形品が、電鋳のメッキベースとなる導
電性基板と一体であるとよい。
【0008】原型にメッキベースとなる金属薄膜を被着
させるとよい。
【0009】
【作用】エキシマレーザによる微細加工は、光源装置や
マスク等が安価であり、しかも、極めて高い加工精度を
得ることができるうえに、加工中に粗成形品が熱変形を
起こすおそれもない。従って、精密な原型を安価に作製
できる。このような原型を用いた電鋳によって金属型を
作製し、該金属型を用いて液体噴射記録ヘッドの樹脂天
板等の樹脂部品を成形する。
【0010】エキシマレーザによって加工しやすい樹脂
を材料を用いて粗成形品を作製し、樹脂部品の材料に
は、例えば液体噴射記録ヘッドとして対インク性や耐久
性に優れた樹脂を採用することができる。
【0011】粗成形品が、電鋳のメッキベースとなる導
電性基板と一体であれば、導電性基板を電鋳のメッキベ
ースとして利用することによって電鋳の効率を向上さ
せ、より高精度の金属型を安価に作製することができ
る。
【0012】このように、精密な金属型を安価に作製
し、これを用いて樹脂成形を行なうものであるため、加
工精度の高い微細な立体構造を有する樹脂部品を安価に
製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0014】図1ないし図3は、一実施例によって図4
に示す樹脂部品である液体噴射記録ヘッドの樹脂天板
(液流路形成層)10を作製する工程を示すもので、ま
ず、図1の(a)に示すように、ステンレス等の型1を
作製し、これに、後述する電鋳工程においてメッキベー
スとなる銅製基板等の導電性基板である電鋳基板2をか
ぶせて空所1aに樹脂を充填し、同図の(b)に示すよ
うに、樹脂製の粗成形品3を成形する。この工程は公知
の射出成形法等によって行なわれるもので、粗成形品3
は、液体噴射記録ヘッドの液流路を微細加工するための
薄肉部分3aと液室となる厚肉部分3bを有する。
【0015】粗成形品3の薄肉部分3aにエキシマレー
ザによる微細加工を行なって図2の(a)に示すよう
に、液体噴射記録ヘッドの液流路の形状を有する溝3c
をパターニングし、精密な原型4を作製し、該原型4の
表面に電鋳によって金属膜を被着させ、これを原型4か
ら剥して同図の(b)に示す金属型5を作製する。
【0016】なお、原型4の材料としては、エキシマレ
ーザに対して高い吸収性を有する樹脂(有機高分子化合
物)であれば何れでもよいが、アプレーションによって
発生するカーボン残渣の少ないものの方が望ましい。
【0017】芳香環を有する高分子化合物であるポリサ
ルフォン、ノラボック、ポリカーボネート、エポキシ等
の樹脂はエキシマレーザの吸収率が極めて高いがカーボ
ン残渣の発生が極めて多量であるから、このような樹脂
を使用した場合には、カーボン残渣の除去工程が必要と
なる。カーボン残渣は溶剤によって洗浄したり、また酸
素プラズマ処理等によって除去することは可能である
が、樹脂にダメージを与えないで完全に除去することは
難しい。
【0018】他方、α位にメチル基を有するビニル系高
分子化合物を使用した場合にはカーボン残渣の発生は極
めて少なくなり、また、ポリメチルメタクリレートを使
用した場合にはほとんど皆無となる。α位にメチル基を
有する高分子化合物は、エキシマレーザの電離放射光に
対して、高分子を形成する主鎖が開烈する解重合反応を
行なうため、分子鎖が切断してモノマーとして飛散除去
される。従って、樹脂の炭化によって発生するカーボン
残渣の量が少なくなるものと考えられる。このように、
α位にメチル基を有する高分子化合物としては、ポリイ
ソプロペニルケトン、ポリα−メチルスチレン、メチル
アクリル酸エステルの重合体としてポリメチルメタクリ
レート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタ
クリレート、ポリブチルメタクリレート等を挙げること
ができる。
【0019】またこれら解重合型の樹脂の中でもポリメ
チルメタクリレートは特にカーボン残渣の発生が少なく
最も好適である。加えて、ポリメチルメタクリレート
は、エキシマレーザに対して吸収率の比較的高いカルボ
ニル基を有しており、エキシマレーザによる微細加工を
行なう樹脂としては最適である。
【0020】ところがこのようにカーボンの残渣の発生
の少ない樹脂、特にポリメチルメタクリレート等は、耐
インク性が充分ではない。他方、耐インク性の高いポリ
サルフォンやポリエーテルサルフォン等の樹脂はカーボ
ン残渣が多量に発生する。そこで、カーボン発生の少な
い樹脂を用いて精密な原型4を作製し、その上に電鋳に
よって形成した金属型5を用いて耐インク性の高い樹脂
からなる樹脂天板10(図4参照)を成形する。
【0021】粗成形品3にエキシマレーザによる溝加工
を施すパターニングの工程は、穴開きマスクを介した縮
小投影露光法が一般的であるが、後述するように、エキ
シマレーザを矩形ビームに整形し、粗成形品3を設置す
るステージをコンピュータ制御によって移動させれば、
個別にマスクを作製することなく様々な立体形状の微細
加工を行なうことができる。
【0022】このようにして作製した原型4の表面に電
鋳基板2とともにメッキベースとなる金属薄膜を成膜す
る。原型4が比較的薄い場合は電鋳基板2のみでも電鋳
に要する時間は短くてすむが、厚膜の原型に対してはエ
キシマレーザによる溝加工後に真空成膜法等によってメ
ッキベースとなる金属薄膜を設けた方がよい。メッキベ
ースとなる金属薄膜の成膜は銀鏡反応によって銀被膜を
形成する方法、導電性ペイントを塗布する方法、あるい
はスパッタリング等の真空成膜法のいずれでもよい。ま
た成膜する金属は、金、パラジウム、アルミ等が一般的
であるがこれ以外の金属を使用しても構わない。さら
に、電鋳する金属は、銅、ニッケル、鉄、ニッケル−コ
バルト合金等何れでもよい。また、電鋳膜すなわち金属
型5の強度を高めるためにシリコンカーバイド、ボロン
あるいはタングステン等の複合電鋳を行なっても構わな
い。
【0023】電鋳後に原型4を金属型5から除去するに
は、前述のように原型4をそのまま剥離することが最も
簡便であるが、微細な形状にダメージを与えないために
溶剤によって溶出させたり、YAGレーザやエキシマレ
ーザを一括照射して樹脂を熱分解させたり、ベーク炉で
樹脂を熱分解してもよい。また、これらの方法を複合し
て用いても構わない。さらに、金属型5の耐摩耗性を高
めるためにクロム等の金属を表面に付着させることも有
効である。
【0024】このような工程によって作製された金属型
5を、図3に示すように、樹脂天板10の液流路と液室
を有する主要部10a(図4参照)を形成するための中
心駒とし、その上、下両面と一端面に樹脂天板10のイ
ンク注入口10b等を形成する上駒6および下駒7と樹
脂天板10と一体であるオリフィスプレート10cを形
成する端面駒8をそれぞれ当接して、前述のように耐イ
ンク性の高い樹脂、例えば、ポリサルフォン等を注入
し、樹脂天板10を成形する。成形方法は射出成形法、
トランスファーモールド法、あるいはポッティング等い
ずれでもよい。
【0025】成形後の樹脂天板10のオリフィスプレー
ト10cにエキシマレーザによる穴加工を施して各液流
路に連通するオリフィス10dを形成したうえで、樹脂
天板10を図示しないヒーターボードに接合し、必要な
配管と電気接続を行なうことで液体噴射記録ヘッドが完
成する。
【0026】次に具体例を説明する。
【0027】(第1具体例)ステンレスを機械加工して
型を作製し、これに離型剤を塗布して、メチルメタクリ
レートモノマーと重合開始剤としてN−N′−アゾビス
イソブチロニトリルをモノマーに対して0.1mol添
加した溶液を注ぎ込み、銅製の電鋳基板を当てがって、
80℃に温度を保ちつつ1時間反応させた。重合反応が
開始すると反応熱によって昇温するため、急激に冷却し
て気泡の発生を防止した。このようにして得られた粗成
形品にエキシマレーザによる溝加工を施して樹脂天板の
形状を有する原型を作製した。この溝加工は、流路壁の
幅10μm、高さ50μm、長さ300μmであり、一
般的な金属加工によって行なうには微細で、極めて難し
い寸法領域である。
【0028】エキシマレーザはルモニクス社Index
200を使用し、パワー600W、パルスレート100
Hzで1/4縮小投影露光光学系を使用し、マスクはニ
ッケルの穴開き電鋳マスクを使用した。
【0029】続いて、電鋳時間を短縮するために、真空
成膜法によって原型の樹脂表面にメッキベースとなる金
の薄膜を形成した。次いで金属型の母材となるニッケル
を電鋳によって付着させ、その表面に強度アップを目的
としてクロム被膜を積層した。ニッケル電鋳の電鋳浴と
しては、ワット浴を使用し、電流密度10A/dm2
温度60℃、Ph5.5で10時間を要してニッケル5
00μmを付着させた。次いで、電鋳した金属型を電鋳
基板から剥して、外形をダイサーにて切断して整えたう
えでアセトンで洗浄した。さらに金属表面にクロム被膜
を形成するためにサージェント浴(高濃度浴)に浸漬
し、電流密度40A/dm2 、温度50℃で30分間メ
ッキを行なった。
【0030】このようにして作製された金属型を中心駒
として上駒、下駒と端面駒を当接し、樹脂を注入して樹
脂天板の成形を行なった。成形は樹脂としてアモコ社製
ポリサルフォン、成形機としては住友重工業社製SG−
25Tを使用し、型温160℃、型絞め圧力1tで行な
った。
【0031】(第2具体例)粗成形品の材料となる樹脂
としてα位にメチル基を有するビニル系高分子化合物で
あるポリα−メチルスチレンを使用した。またエキシマ
レーザによる溝加工は、図5に示すように、エキシマレ
ーザを矩形ビームに整形して加工する自動加工装置を試
作して行なった。
【0032】粗成形品の成形は住友重工業社製SG−2
5Tを用いて、型温150℃、型絞め圧力1tで行なっ
た。図5の自動加工装置において、粗成形品は分解能
0.5μmのX,Y,Zステージ101に真空吸着さ
れ、これを動かすことによって所望の形状を加工する。
エキシマレーザは2枚のL型ニッケル板102aからな
るアパーチャ102によって所望の大きさの矩形ビーム
に整形され、投影レンズ103を経て粗成形品に照射さ
れる。前記ステージ101および各L型ニッケル板10
2aの位置関係はそれぞれコンピュータ104によって
制御され、加工形状のデーターに従って移動される。複
雑な形状の加工においても、それぞれ個別のマスクを作
製してマスクと被加工物の位置合わせを繰り返えす必要
がないため、スループットを大幅に向上できる。
【0033】このようにして加工された原型の表面に真
空蒸着によってニッケルを0.2μmの膜厚に成膜し、
第1具体例と同様に電鋳を行ない、得られた金属型を用
いてポリサルフォンの樹脂天板を成形した。
【0034】(第3具体例)粗成形品の材料となる樹脂
としてポリサルフォンを用いてポリサルフォンの粗成形
品を作製し、エキシマレーザによる溝加工を行なって微
細構造を形成した。ポリサルフォンの溝加工において
は、前述のように加工部周辺にカーボンの付着があるた
め、加工後にジクロロメタンとシクロヘキサンの1:3
混合液を用いて超音波を付与しながらカーボンの除去を
行なった。次いで第2具体例と同様の方法でメッキベー
スの作製、電鋳、樹脂成形を行なうことによって樹脂天
板を作製した。
【0035】本実施例によれば、樹脂製の粗成形品をエ
キシマレーザによって微細加工することで精密な原型を
作製し、電鋳によって前記原型に金属層を被着させて金
属型を作製し、該金属型を用いて樹脂天板を成形するも
のであるため、エキシマレーザによる微細加工の加工精
度が充分で加工中に熱変形のために加工精度が低下する
おそれもないうえに、シンクロトロン放射光等を用いた
X線リソグラフィによって原型を作製するLIGAプロ
セスのように高価な光源装置やマスク等を必要とせず、
従って、原型の製作費が低くてすむ。このように安価で
加工精度の高い原型を用いることで、極めて形状精度の
高い樹脂天板を安価にすることができる。
【0036】加えて、一般的にエキシマレーザは樹脂に
対する吸収率が高く、また、エキシマレーザが樹脂内に
過度に浸透することもないために深さ方向の加工精度が
高く、従って溝加工の深さを正確に制御できるという利
点を有し、この点は、特に液流路の深さ等に高い寸法精
度を要求される液体噴射記録ヘッドの樹脂天板を製作す
る際には極めて大きな長所となり、液体噴射記録ヘッド
の高精細化と高性能化および低価格化に大きく貢献でき
る。
【0037】本発明は、特に液体噴射記録方式の中で熱
エネルギを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行なう、
いわゆるインクジェット記録方式の液体噴射記録ヘッ
ド、液体噴射記録装置において、優れた効果をもたらす
ものである。
【0038】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0039】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0040】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0041】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0042】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインタイプのヘッドは、上述した明
細書に開示されているような記録ヘッドを複数組み合わ
せることによってフルライン構成にしたものや、一体的
に形成された一個のフルライン記録ヘッドであってもよ
い。
【0043】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0044】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体或はこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組
み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行な
う予備吐出モード手段を付加することも安定した記録を
行なうために有効である。
【0045】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0046】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0047】さらに加えて、本発明のインクジェット記
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0048】以上説明した本発明の実施例においては、
インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で
固化するインクであって、室温で軟化もしくは液体とな
るもの、或いは、インクジェットにおいて一般的に行な
われている温度調整の温度範囲である30℃以上70℃
以下の温度範囲で軟化もしくは液体となるものでもよ
い。すなわち、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーに
よる昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化の
エネルギーとして使用せしめることで防止するか、また
は、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化してインク
液状として吐出するものや記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによ
って初めて液化する性質のインク使用も本発明には適用
可能である。このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0049】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0050】加工精度の高い微細な立体構造を有する樹
脂部品を安価に製造することができる。このような樹脂
部品を液体噴射記録ヘッドの樹脂天板等に用いること
で、液体噴射記録ヘッドの高精細化と低価格化に大きく
貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例によって液体噴射記録ヘッドの樹脂天
板を製作する工程の前半を説明する図である。
【図2】前記工程の後半を説明する図である。
【図3】前記工程の最終段階を説明する図である。
【図4】前記工程によって製作された樹脂天板を示す斜
視図である。
【図5】エキシマレーザによる自動加工装置を説明する
図である。
【符号の説明】
1 型 2 電鋳基板 3 粗成形品 4 原型 5 金属型

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の粗成形品をエキシマレーザによ
    って微細加工することで精密な原型を作製し、これを用
    いた電鋳によって金属型を得る工程と、得られた金属型
    を用いて樹脂部品を成形する工程を有する樹脂部品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 粗成形品が、電鋳のメッキベースとなる
    導電性基板と一体であることを特徴とする請求項1記載
    の樹脂部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 原型にメッキベースとなる金属薄膜を被
    着させることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂
    部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 粗成形品が、α位にメチル基を有するビ
    ニル系高分子化合物によって作られていることを特徴と
    する請求項1ないし3いずれか1項記載の樹脂部品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 粗成形品が、ポリメチルメタクリレート
    によって作られていることを特徴とする請求項1ないし
    3いずれか1項記載の樹脂部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3いずれか1項記載の樹
    脂部品の製造方法によって液流路形成層を作製する工程
    を有する液体噴射記録ヘッドの製造方法。
JP7353176A 1995-12-28 1995-12-28 樹脂部品の製造方法および液体噴射記録ヘッドの製造方法 Pending JPH09183128A (ja)

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