JPH1070101A - 半導体装置の製造方法ならびに製造装置、洗浄方法ならびに洗浄装置、加工装置、流体混合用配管、および、洗浄用液体供給部材 - Google Patents

半導体装置の製造方法ならびに製造装置、洗浄方法ならびに洗浄装置、加工装置、流体混合用配管、および、洗浄用液体供給部材

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JPH1070101A
JPH1070101A JP22501996A JP22501996A JPH1070101A JP H1070101 A JPH1070101 A JP H1070101A JP 22501996 A JP22501996 A JP 22501996A JP 22501996 A JP22501996 A JP 22501996A JP H1070101 A JPH1070101 A JP H1070101A
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cleaning
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liquid
processing
pipe
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JP22501996A
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Takao Sato
孝雄 佐藤
Akio Saito
昭男 斉藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体により試料を処理する場合に、速く、か
つ、効率良く、試料を枚葉処理する。 【解決手段】主配管22bの、ノズル21の直前に、ヒ
ータ15を備える配合配管22を設け、この配合配管2
2において、処理液10を溜めることなく、その成分お
よび温度の調整を行う。これにより、試料Wごとに迅速
に処理条件を変更することができるとともに、試料Wの
処理中に処理条件を変更することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
に係り、特に、半導体ウエハを枚葉ごとに洗浄する洗浄
方法および洗浄装置と、該洗浄方法を用いた半導体装置
の製造方法および製造装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体、液晶ディスプレイ等の薄膜デバ
イスは、近年になって構造の微細化が進んでいる。これ
に伴って、これらの薄膜デバイスの製造において、製造
技術の高性能化、および、製造工程の高清浄性への要請
がますます高まっている。また、基板の大型化に伴い、
製造装置の体積も増大する傾向にあり、この装置体積の
増大化の抑止の要請も高い。
【0003】これらの要請に対する解の1つとして、処
理の枚葉化がある。枚葉処理とは、試料を1枚ずつ扱う
処理である。今日では、半導体製造工程の半数以上の装
置が枚葉方式に移行しており、湿式洗浄やエッチング等
の液体処理についても、枚葉方式の導入が最近増加して
いる。
【0004】枚葉方式の液体処理装置としては、例えば
特開平4-287922号公報に記載された装置がある。この装
置は、水平に保持して回転させた試料に、成分、濃度、
および温度を一定に保った洗浄液を、スプレ状にして供
給するものである。また、特開昭62-8040号公報、特開
平4-278529号公報、及び特開平4-357835号公報等では、
洗浄液の濃度および温度を管理する装置が提案されてい
る。これらの装置は、該洗浄液の濃度、および温度をモ
ニタし、モニタ結果をもとに洗浄液の濃度あるいは温度
を一定に保つように制御するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】枚葉処理には、高性能
処理が可能であり、処理装置の体積が小さくてすむとい
った長所があるものの、数〜数十枚を同時に行うバッチ
式方式の処理に比べ、処理効率(単位時間当たりの処理
枚数)に劣るという問題がある。
【0006】例えば、20枚を一括して20分で行うバ
ッチ処理があった時、これと同じ処理速度で20枚数を
枚葉処理すると、単純計算では400分かかることにな
る。実際には、試料を回転させる、常に新しい液を供給
する等による補助効果により、枚葉処理の方がバッチ処
理よりも処理時間が短く、通常ほぼ半分の時間で処理で
きるが、それでも、上述の例では、枚葉処理に200分
かかることになる。従って、枚葉処理とバッチ処理との
単位時間当たりの処理枚数には約10倍の開きがあるこ
とになる。
【0007】半導体の製造工程では、ウエハの洗浄処
理、酸化またはCVD(化学蒸着)等による成膜処理、
および、フォトリソグラフィなどによるパターニング処
理等の回路形成工程が、所定回数繰り返される。これら
の処理のうち、特に洗浄処理は、各工程毎に行われ、そ
の処理回数は製造工程全体で40〜50回にのぼる。従
って、特に洗浄処理について、その処理速度の高速化お
よび高効率化が望まれている。
【0008】そこで、本発明は、処理速度が速く、処理
効率の高い枚葉洗浄処理の方法および装置と、該洗浄方
法を用いた半導体装置の製造方法および製造装置とを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、試料ごとに、該試料の表面に洗浄液を
供給することにより、該試料を洗浄する洗浄処理の洗浄
方法であって、一試料の洗浄中に、洗浄条件を変化させ
る洗浄方法が提供される。この本発明の第1の洗浄方法
によれば、洗浄条件を、洗浄処理の進行に伴って変化す
る表面状態に対して、常に最適にすることができるた
め、高効率で速やかに洗浄処理を行うことができる。な
お、洗浄条件は、属性とその属性値とを含み、属性に
は、例えば、洗浄液の成分、濃度、温度ならびに噴射
圧、および、試料の回転速度などがある。
【0010】洗浄条件を変化させる洗浄方法としては、
例えば、試料ごとに、(1)界面活性剤を添加した洗浄
液により、上記試料表面の濡れ性を高める第1のステッ
プと、(2)第1のステップより高温(または洗浄成分
が高濃度)の洗浄液により、試料の最表面を除去する第
2のステップと、(3)第2のステップより低温(また
は洗浄成分が低濃度)の洗浄液を、回転させた試料の表
面に噴射することにより、試料表面の凹凸を抑制する第
3のステップと、を行う洗浄方法が挙げられる。第1お
よび/または第2のステップにおいて試料を回転させる
場合は、第3のステップにおける回転を、第1および/
または第2のステップにおける回転よりも高速にするこ
とが望ましい。
【0011】さらに、本発明では、洗浄液槽に保持され
た洗浄液を、該洗浄液槽に接続された主配管と、該主配
管に接続された液体供給部材とを介して被洗浄試料に噴
射することにより、該被洗浄試料を洗浄する洗浄方法で
あって、主配管中で、洗浄液の成分、濃度、温度を調整
する洗浄方法が提供される。この本発明の第2の洗浄方
法によれば、洗浄液溜まりに溜った洗浄液ではなく、配
管中の、体積の少ない洗浄液を調整するため、調整が迅
速に行われる。従って、洗浄液の成分、濃度、および、
温度を、試料ごとに変更したり、洗浄中に変更したりす
ることができるため、洗浄条件を常に最適条件に保つこ
とができる。従って、高効率で速やかに洗浄処理を行う
ことができる。
【0012】また、本発明では、試料ごとに、該試料の
来歴情報および次工程情報の少なくとも一方の情報を記
憶手段にあらかじめ保持し、被洗浄試料の表面汚染度
と、記憶手段に保持された情報とに応じて洗浄条件を決
定し、決定した洗浄条件で、被洗浄試料を洗浄する洗浄
方法が提供される。この本発明の第3の洗浄方法によれ
ば、試料ごとに洗浄条件を決定し、該洗浄条件により洗
浄するため、洗浄条件を常に最適条件に保つことができ
る。従って、高効率で速やかに洗浄処理を行うことがで
きる。
【0013】さらに、本発明では、上述の洗浄処理によ
り試料を洗浄する工程を含む半導体装置の製造方法と、
上述の洗浄処理を行う洗浄装置と、該洗浄装置を含む半
導体装置の製造装置と、上述の洗浄装置を含む加工装置
とが提供される。
【0014】また、本発明では、上記第2の洗浄方法に
供するため、液体混合用配管と、洗浄用液体供給部材と
が提供される。本発明の液体混合用配管は、流体を流入
させるための流入孔を有する管と、該管の内部に設けら
れた、流体を流すと渦を発生させる渦発生部材とを備え
る。本発明の洗浄用液体供給部材は、流体を被洗浄物に
供給するための洗浄用液体供給部材であって、流体を供
給する開口部に、流体を流すと渦を発生させる渦発生部
材を備える。この液体供給部材は、液体を被洗浄物に噴
射して洗浄する場合にはノズルとするが、微小な体積の
液体を保持する洗浄槽内で被洗浄物を洗浄液に浸漬する
場合には、流体を噴出しなくてもよいので、ノズルでな
くてもよい。
【0015】なお、本発明の洗浄方法は、洗浄に限ら
ず、無電解めっきなど、液体により試料を処理する場合
にも適用できる。このような、試料に液体を噴射した
り、液体に試料を浸漬したりする場合にも、迅速に液体
の成分、濃度および温度などの処理条件を変更すること
により、処理条件を常に最適に保てば、処理の効率を高
めることができるため、好ましい。
【0016】そこで、本発明では、試料ごとに、該試料
の表面に処理液を供給することにより、該試料を処理す
る液体処理方法であって、一試料の処理中に、処理条件
を変化させる処理方法が提供される。また、本発明で
は、処理液槽から液体供給部材への主配管中で、処理液
の成分、濃度、温度を調整する処理方法が提供される。
さらに、本発明では、試料ごとに、該試料の来歴情報お
よび次工程情報の少なくとも一方の情報を記憶手段にあ
らかじめ保持し、被処理試料の表面状態と、記憶手段に
保持された情報とに応じて処理条件を決定し、決定した
処理条件で、被処理試料を処理する処理方法が提供され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】上記第2の洗浄方法を用いる洗浄
装置の第1の態様として、本発明では、処理液を保持す
る洗浄液槽と、洗浄液を被洗浄試料に供給するための液
体供給部材と、洗浄液槽および液体供給部材を連通させ
る主配管と、洗浄液を洗浄液槽から液体供給部材へ主配
管内で流すためのポンプとを備え、主配管が、その少な
くとも一部に、管内の洗浄液を加熱するための加熱機
構、および、管内の洗浄液を冷却するためえの冷却機構
の少なくともいずれかを有する温度調整機構を備える洗
浄装置が提供される。
【0018】また、上記第2の洗浄方法を用いる洗浄装
置の第1の態様として、本発明では、処理液を保持する
洗浄液槽と、上記洗浄液を上記被洗浄試料に供給するた
めの液体供給部材と、洗浄液槽および液体供給部材を連
通させる主配管と、洗浄液を、洗浄液槽から液体供給部
材へ主配管内で流すためのポンプと、洗浄液を調製する
ための原液を供給する一以上の原液供給配管とを備え、
主配管が、その少なくとも一部に、供給配管の少なくと
も一本が連通可能に接続された、主配管を流れる洗浄液
と、原液供給配管から供給される原液とを混合するため
の調合配管を有する洗浄装置が提供される。ここで、調
合配管は、温度調整機構を備えることが望ましい。
【0019】いずれの態様においても、温度調整機構を
備える場合には、主配管内の洗浄液の温度を測定する温
度センサと、この温度センサにより測定された値、およ
び、あらかじめ定められた洗浄条件を基に、上記温度調
整機構を制御する制御装置とを、さらに備えることが望
ましい。洗浄液の温度を正確に制御できるからである。
【0020】上記第3の洗浄方法を用いた洗浄装置とし
て、本発明では、試料ごとに、該試料の来歴情報および
次工程情報の少なくとも一方の情報を保持する来歴管理
部と、洗浄処理の属性およびその属性値からなる洗浄条
件を決定する洗浄条件決定部を有する洗浄制御部と、洗
浄条件決定部の決定した洗浄条件で被洗浄試料に洗浄処
理を行う洗浄部とを備える洗浄装置が提供される。洗浄
条件決定部は、被洗浄試料の表面汚染度の入力を受け付
ける手段と、入力を受け付けた表面汚染度、および、来
歴管理部の保持する情報に応じて洗浄条件を決定する手
段とを備える。
【0021】ここで、属性には、例えば、洗浄部におい
て洗浄に用いられる洗浄液の成分、濃度、温度ならびに
噴射圧、および、試料の回転速度などがある。洗浄条件
が、一以上の属性と、該属性の、経時的に変化する複数
の属性値とを含むようにしてもよい。このようにすれ
ば、洗浄条件を試料洗浄中に経時的に変化させることが
できるため、好ましい。
【0022】また、洗浄条件決定部に、入力を受け付け
た表面汚染度が、あらかじめ定められた基準値以上であ
れば、警報を発する手段を設ければ、異常発生時、これ
を操作者に対して迅速に通知することができるので、操
作者は発生した異常に速やかに対処することができ、被
害を最小限に止めることができるため好ましい。
【0023】なお、この第3の洗浄方法を用いたウエハ
の洗浄装置を有する半導体装置の製造装置では、洗浄装
置が、試料の識別子を認識し、上記洗浄制御部へ通知す
る試料識別部と、試料の表面汚染度を計測し、上記洗浄
制御部へ通知する試料評価部とを、さらに備えることが
望ましい。このような構成にすれば、上記第3の洗浄方
法を連続して自動的に実施することができるからであ
る。
【0024】試料の汚染度の計測は、例えば、試料表面
にレーザ光を照射し、表面の異物により生じる散乱光を
計測することにより、行うことができる。
【0025】また、試料の識別には、例えば、試料搬送
用のキャリアボックスに付されたロット番号および溝番
号の組み合わせを用いることができる。この場合、半導
体装置の製造装置は、ロット番号の入力を受け付ける手
段を備えることが望ましく、試料識別部は、試料を保持
するキャリアボックスの溝番号を識別する手段を備える
ことが望ましい。なお、ロット番号は、キャリアボック
スに添付されたコントロールカードから光学的に読み取
るようにしてもよい。また、刻印するなどして、試料に
直接、識別符号を付し、これを試料識別部が光学的に読
み取るようにしてもよい。
【0026】本発明により提供される加工装置として
は、例えば、本発明の洗浄装置と、試料を加工する加工
機構と、試料を搬送する搬送機構と、試料の識別子を認
識し、上記洗浄制御部へ通知する試料識別部と、試料の
表面汚染度を計測し、上記洗浄制御部へ通知する試料評
価部とを備える加工装置が挙げられる。ここで、搬送機
構は、洗浄装置から加工機構へ試料を搬送するものであ
っても、逆に、加工機構から洗浄装置へ試料を搬送する
ものであってもよい。加工機構としては、例えば、成膜
装置、イオン打ち込み装置、ドライエッチング装置、ま
たは、加熱装置などが用いられる。これらの加工機構に
よる加工工程では、被加工試料に清浄な表面が要求され
る。本発明の洗浄装置によれば、短時間に清浄な表面を
得ることができる。従って、本発明の加工装置によれ
ば、短時間に、歩留まりよく加工を行うことができる。
【0027】また、上述のように、本発明の洗浄方法
は、洗浄以外の、液体により処理にも応用可能である。
そこで、本発明では、試料を液体により処理する液体処
理部を備える加工装置において、液体処理部は、処理液
を保持する処理液槽と、処理液を上記試料に供給するた
めの液体供給部材と、処理液槽および液体供給部材を連
通させる主配管と、処理液を処理液槽から液体供給部材
へ主配管内で流すためのポンプと、処理液を調製するた
めの原液を供給する一以上の原液供給配管とを備え、主
配管は、その少なくとも一部に、供給配管の少なくとも
一本が連通可能に接続された、主配管を流れる処理液
と、上記原液供給配管から供給される原液とを混合する
ための調合配管を有する加工装置が提供される。
【0028】本発明では、洗浄液の濃度および温度等の
洗浄液条件を短時間かつ容易に変更することができるた
め、つぎの(1)〜(4)のように、処理効率が高く、
処理速度が速い。
【0029】(1)洗浄装置は、一般に高価であり、か
つ、占有面積が大きい。従って、設置台数に制約があ
り、一台の洗浄装置によって、工程の異なる複数種類の
試料を洗浄するのが普通である。工程が異なる試料は、
表面の汚染度および表面に露出する膜の種類が異なるた
め、各々最適な洗浄条件が異なるが、従来の洗浄装置で
は、洗浄条件を適宜変更することができないため、すべ
ての被洗浄物において洗浄可能な条件を用いることか
ら、その洗浄条件は、各々の被洗浄物に対し必ずしも最
適条件ではない。しかし、本発明によれば、個々の被洗
浄物に対してそれぞれの最適条件により洗浄を行うこと
ができるため、処理時間を短縮し、処理効率を高めるこ
とができる。
【0030】(2)一般に、同一ロット内の被洗浄物で
も汚染度にばらつきがある。従来の洗浄装置では、洗浄
条件を変更することが困難であるため、全ての被洗浄物
を規定の清浄度にするためには、処理条件(特に処理時
間)を、最も汚染度の高い被洗浄物にあわせる必要があ
る。しかし、本発明によれば、被洗浄物ごとに洗浄条件
を変更することができるため、汚染度の低い被洗浄物に
対して必要以上の時間を費やすことなく、短時間で、効
率よく、すべての被洗浄物を所定の清浄度にすることが
できる。
【0031】(3)被洗浄物表面に自然酸化膜が形成さ
れるなどして、本来の洗浄対象面と被洗浄物最表面とが
異なっている場合、最表面に対する処理条件と本来の対
象面に対する処理条件とが異なることになる。処理条件
を変更することのできない従来の装置では、両方の面を
洗浄できる洗浄条件により洗浄を行うことになるが、通
常、これは、最適条件ではない。しかし、本発明によれ
ば、洗浄途中で洗浄条件を変更することができるため、
最適条件により最表面(自然酸化膜など)を除去した
後、洗浄条件を変更して、露出した洗浄対象面を、該面
の最適条件で洗浄することができる。
【0032】(4)処理温度が常温より高い値に設定さ
れている場合、洗浄液の供給開始から被洗浄物が洗浄液
と同じ温度になるまでの間の洗浄能力は、所定温度にお
ける場合よりも通常低い。本発明によれば、はじめに設
定温度より高温の洗浄液を一時的に供給することで、被
洗浄物の表面温度を速やかに設定温度に昇温することが
でき、洗浄のごく初期から、所定の温度(すなわち所定
の洗浄能力)で洗浄することができる。
【0033】(5)一度使用した洗浄液を回収して再利
用する場合、回収した洗浄液の濃度および温度は、通
常、供給時より低下しているため、使用済洗浄液をその
まま洗浄液槽に戻すと、洗浄液全体の濃度および温度が
低下してしまう。従来の装置の中には、この対策として
洗浄液槽内の洗浄液の濃度および温度を調整する機能を
備えるものもあるが、洗浄液層に保持された多量の洗浄
液の濃度および温度を調整するには時間がかかることか
ら、被洗浄物に供給される洗浄液を短時間に所定の濃度
および温度にするのは困難であった。しかし、本発明で
は、洗浄液の温度および濃度を、被洗浄物に供給する直
前に調整するため、このような洗浄液を循環させるシス
テムにおいても、常に所定の温度および濃度の洗浄液が
被洗浄物に供給される。従って、本発明によれば、常に
所定の条件で洗浄することができる。
【0034】このように、本発明によれば、処理を高効
率化、高速化できるので、液体による処理時間を短縮す
ることができる。従って、本発明によれば、洗浄液の消
費量の低減、装置ランニングコスト低減等、処理の経済
性を向上させることができる。
【0035】また、半導体装置の製造工程には、湿式洗
浄の適用により歩留まりの向上が見込まれるにも拘ら
ず、所要時間が長いことにより湿式洗浄の適用が見送ら
れていた工程がある。しかし、本発明によれば、洗浄に
用する処理時間が短縮されるため、このような工程に対
しても湿式洗浄が適用可能になり、歩留まりが向上す
る。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を用いて説明
する。なお、ここでは、半導体装置の製造において、レ
ジストをアッシング除去した後、CVD酸化膜を形成す
る前に行われる洗浄工程に本発明の洗浄方法を適用した
場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限られな
い。例えば、スパッタ装置による成膜またはエッチング
の前処理や、プラズマ装置による成膜またはエッチング
の前処理、熱処理炉による酸化または窒化などの前処
理、または、ドライエッチングあるいはアッシング等の
加工処理の後処理として行われる洗浄工程など、半導体
装置の製造工程における種々の洗浄工程に適用すること
ができる。ドライエッチング装置やアッシング装置に本
発明の洗浄装置を組み合わせれば、スループットの高い
高性能処理が可能となる。
【0037】以下の実施例では、洗浄処理を例にとって
説明する。なお、ここで洗浄処理とは、液体を試料に供
給することにより試料表面の物質を除去する処理であ
り、ウエットエッチング処理などを含む。また、本発明
の洗浄装置は、洗浄処理のみならず、無電解めっきによ
る成膜処理など、液体を試料に供給することにより行わ
れる種々の表面処理処理に用いることができる。
【0038】なお、加工処理時に試料表面に付着する汚
染物は、時間の経過と共に取れにくくなることが多いた
め、加工処理の後処理として本発明の洗浄方法を適用す
ることは、高清浄加工をコスト的時間的に高効率に実施
することができ、好ましい。
【0039】<実施例1> A.半導体製造装置 本実施例で用いられる製造装置は、図1に示すように、
各種の処理・加工を行うための機構100と、洗浄処理
を行う加工機構100ごとに設けられた洗浄制御部11
0と、来歴管理部120とを備える。
【0040】洗浄制御部110は、主記憶装置111
と、中央演算処理装置(CPU)112と、外部記憶装
置113と、入出力装置(I/O)114とを備える情
報処理装置(本実施例ではパーソナルコンピュータ)で
ある。また、来歴管理部120は、主記憶装置121
と、中央演算処理装置(CPU)122と、外部記憶装
置123と、入出力装置(I/O)114とを備える情
報処理装置(本実施例では汎用コンピュータ)である。
【0041】入出力装置114,124は、それぞれ、
入力手段としてキーボードおよびマウスを備え、出力手
段として画像表示装置と音声出力装置とを備える。な
お、入力手段として、タッチパネルなど、他の手段を備
えてもよい。また、本実施例では画像表示装置としてC
RT(陰極線管)装置を用いるが、液晶表示装置など、
他の表示手段を用いてもよい。
【0042】また、本実施例では、外部記憶装置11
3,123として、それぞれ、光ディスク装置を用いる
が、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、フロッピーデ
ィスク装置、ROM(Read Only Memory)装置など、他
の記憶手段を用いてもよい。
【0043】加工機構100と洗浄制御部110との
間、および、洗浄制御部110と来歴管理部120との
間は、それぞれ信号回線により接続されている。なお、
この信号回線は、本実施例では有線回線であるが、無線
回線であっても構わない。
【0044】本実施例で用いられる製造装置は、ウエハ
の処理・加工のための種々の機構100を備えるが、本
実施例では、上述のようにレジストをアッシング除去し
た後、CVD酸化膜を形成する前に行われる洗浄工程を
例に説明しているので、ここでは、洗浄処理を含む処理
を行う加工機構100のうち、CVD酸化膜形成に係る
機構(以下、CVD機構と呼ぶ)101を例にとって説
明する。
【0045】(1)加工機構100 本実施例における、洗浄処理を含む処理を行う加工機構
100は、図2に示すように、キャリア設置台41と、
試料評価部42と、洗浄部43と、試料加工部45と、
試料搬送を行う搬送部44とを備える。CVD機構10
1では、試料加工部45が、化学蒸着により酸化膜を堆
積させる機構となっている。
【0046】この加工機構100は、キャリア設置台4
1上に被加工試料Wが入ったキャリアボックスが載置さ
れた状態で起動される。なお、キャリアボックスには、
保持する試料Wのロット番号が記載されているコントロ
ールカードが添付されている。CVD機構101の起動
に際して、洗浄制御部110は、入出力装置114を介
して、ロット番号の入力を受け付ける。そこで、本実施
例では、操作者が、あらかじめ、キャリア設置代41に
載置されるキャリアボックスに添付されているコントロ
ールカードに記載されているロット番号を入出力装置1
14に入力するが、洗浄制御部110に、コントロール
カードの自動読み取り装置を設け、この自動読み取り装
置によりロット番号を読み取るようにしてもよい。
【0047】キャリア設置台41は、試料Wのロード/
アンロード部である。本実施例では、1つのキャリア設
置台41がロード/アンロード部として機能するが、本
発明の製造装置はこれに限定されるものではなく、例え
ばロード部とアンロード部とがそれぞれ独立していても
良い。
【0048】搬送部44は、試料Wを吸引して保持しな
がら移動させるためのアーム44aと、試料Wが入れら
れていたキャリア溝の番号を読み取る試料番号読み取り
部(試料識別部)44b(図4に図示)とを備える。搬
送部44は、CVD機構101が起動されると、アーム
44aによりキャリアボックス内の試料Wを取り出し、
試料番号読み取り部44bにより試料Wが入れられてい
たキャリア溝の番号を読み取って該溝番号を洗浄制御部
110に通知するとともに、アーム44aにより試料W
を試料評価部42内へ搬送する。また、搬送部44は、
アーム44aにより、試料評価部42からの指示に応じ
て試料Wを試料評価部42から洗浄部43へ搬送し、洗
浄部43の指示に応じて試料Wを洗浄部43から加工部
45へ搬送し、加工部45の指示に応じて試料Wを加工
部45からキャリアボックスへ搬送する。
【0049】なお、本実施例では、試料Wは、その試料
Wの納められているキャリアボックスに取り付けられた
コントロールカードに記載されているロット番号と、そ
の試料Wが置かれているキャリア溝の番号とにより、個
別に認識される。本実施例では、試料番号としてキャリ
ア溝の番号を用いたが、試料Wの表面もしくは裏面に符
号(英数字あるいは記号など)を刻印しておき、これを
直接読み取って試料の識別に用いてもよい。
【0050】試料評価部42はレーザ散乱方式の異物検
査装置を備える。試料評価部42は、この異物検査装置
により試料Wの表面汚染度を測定し、その結果を洗浄制
御部110に通知して、搬送部44へ洗浄部43への試
料Wの搬送を指示する。
【0051】洗浄部43は、洗浄制御部110の指示に
応じて、試料Wが搬送されて来るまでに、洗浄液を決定
された条件(洗浄条件)にし、試料の到着とともに洗浄
を開始し、洗浄制御部110により定められた時間だけ
試料の洗浄を行う。洗浄が終了すると、洗浄部43は、
試料を乾燥させた後、搬送部44へ加工部45への搬送
を指示する。
【0052】洗浄条件は、洗浄処理の属性(本実施例で
は洗浄液の濃度および温度)と、その値とからなる。な
お、本実施例では、洗浄中に洗浄条件を変更しないが、
洗浄制御部110の決定する洗浄条件に、洗浄中の洗浄
条件を変更に関する情報も含めるようにし、これに応じ
て洗浄部43が、試料の洗浄中に適宜洗浄条件を変更す
るようにしてもよい。
【0053】加工部45は、試料の加工(成膜、エッチ
ングなど)を行う手段であり、CVD機構101の試料
加工部45は、CVD(化学蒸着)装置を備える。CV
D機構101の加工部45は、このCVD装置により、
試料表面に対して酸化膜の成膜処理を行い、成膜終了
後、試料Wをキャリアボックスのキャリア溝に戻すよう
搬送部44へ指示する。
【0054】(2)洗浄制御部110 洗浄制御部110の機能構成を図3に示す。洗浄制御部
110は、洗浄条件決定部301と、洗浄条件テーブル
302と、基準値テーブル304とを備える。
【0055】洗浄条件テーブル302は、試料の来歴お
よび次工程ごとに、洗浄条件(洗浄液の成分、濃度、温
度および流量(噴射圧)、洗浄時間などを示す情報であ
り、乾燥条件などを含んでもよい)を示す情報があらか
じめ保持されているテーブルであり、基準値テーブル3
04は、工程ごとに、試料の洗浄前後の表面汚染度の基
準値をあらかじめ保持するテーブルである。
【0056】なお、汚染状況および試料の来歴・次工程
の情報とから望まれる洗浄力と、該洗浄力の条件依存性
データとを、事前に実験により求めておき、この実験結
果から、洗浄条件テーブル302に保持するデータをあ
らかじめ定めておくことが望ましい。
【0057】洗浄条件決定部301は、洗浄条件テーブ
ル302を参照し、試料の来歴情報、次工程情報、およ
び表面汚染度情報から、洗浄条件を決定して、洗浄部4
3に通知する手段である。
【0058】なお、洗浄液ごとに、洗浄液の条件依存性
データ(洗浄液の成分、濃度、温度および流量(噴射
圧)、洗浄時間などに応じた洗浄力を示す情報)をあら
かじめ保持する記憶領域である洗浄条件記憶部を、さら
に設け、洗浄条件決定部301が、洗浄条件テーブル3
02に加えて、上述の洗浄条件記憶部をも参照し、あら
かじめ定められ洗浄条件テーブル302に保持された洗
浄条件を、洗浄条件記憶部に保持された条件依存性デー
タを基に修正し、洗浄条件として洗浄部43に通知する
ようにしてよい。
【0059】なお、本実施例では、洗浄条件決定部30
1は、主記憶装置111に保持されたインストラクショ
ンをCPU112が実行することにより実現されるが、
本発明はこれに限られず、専用回路など、他の手段によ
り洗浄条件決定部301が実現されてもよい。また、洗
浄条件テーブル302および基準値テーブル304は、
主記憶装置111に、あらかじめ設けられた記憶領域で
あり、洗浄条件決定部301が外部記憶装置113に保
持されたデータをこれらの領域302,304に格納す
ることにより、所定のデータをあらかじめ保持する。
【0060】(3)来歴管理部120 来歴管理部120の機能構成を図4に示す。来歴管理部
120は、来歴情報記憶部401と、工程情報記憶部4
02と、対処方法記憶部403と、来歴処理部404
と、警報処理部405とを備える。
【0061】来歴情報記憶部401は、試料ごとに、そ
のロット番号および試料番号と、処理済みの工程ごと
の、該工程の処理条件、処理時刻、および洗浄処理後の
汚染度とを保持するための記憶領域である。工程情報記
憶部402は、試料ごとに、そのロット番号および試料
番号と、工程内容およびその順番を示す情報とを、あら
かじめ保持する記憶領域である。対処方法記憶部403
は、工程に応じて、異常発生時の対処方法を示す情報を
あらかじめ保持する記憶領域である。
【0062】本実施例では、これらの記憶領域401〜
403は、主記憶装置121に、あらかじめ設けられた
記憶領域である。なお、工程情報記憶部402は、外部
記憶装置123にあらかじめ保持されたデータを、シス
テム起動時に来歴処理部404が読み込み、該記憶部4
02に格納することにより、所定のデータをあらかじめ
保持する。また、対処方法記憶部403は、外部記憶装
置123にあらかじめ保持されたデータを、システム起
動時に警報処理部405が読み込み、該記憶部403に
格納することにより、所定のデータをあらかじめ保持す
る。
【0063】来歴処理部404は、問い合わせに応じ
て、来歴情報記憶部401および工程情報記憶部402
を参照し、試料の来歴および次工程の情報を洗浄制御部
110に通知し、また、試料の処理条件の通知を受け
て、それを来歴情報記憶部401に格納する手段であ
る。警報処理部405は、洗浄制御部110からの異常
発生通知を受けて、入出力装置124を介して異常警報
を出力するとともに、対処方法記憶部403を参照し
て、異常内容ごとにあらかじめ定められた対処処理を実
行する手段である。
【0064】なお、本実施例では、来歴処理部404お
よび警報処理部405は、主記憶装置121に保持され
たインストラクションをCPU122が実行することに
より実現されるが、本発明はこれに限られず、専用回路
など、他の手段によりこれらの処理部404,405が
実現されてもよい。
【0065】B.洗浄・加工処理の流れ つぎに、本実施例における洗浄・加工処理の流れを、図
5を用いて説明する。
【0066】(1)加工機構100における処理 まず、試料Wの加工機構100における流れについて述
べる。試料Wを保持するキャリアボックスがキャリア設
置台41に載置されると、まず、試料Wの試料番号が搬
送部44の試料番号読み取り部44bにより読み取ら
れ、洗浄制御部110に通知される。つぎに、試料Wは
搬送部44により試料評価部42に搬送され、試料評価
部42は、試料Wの表面汚染度を測定して、洗浄制御部
110に通知する。つぎに、試料Wは搬送部44により
洗浄部43に搬送され、洗浄制御部110から通知され
た洗浄条件により洗浄された後、乾燥され、搬送部44
により試料評価部42に搬送される。試料評価部42
は、洗浄処理後の試料Wの表面汚染度を測定して、洗浄
制御部110に通知する。つぎに、試料Wは搬送部44
により試料加工部45に搬送される。試料加工部45
は、試料Wを加工(CVD機構101では、CVDによ
る成膜)される。
【0067】なお、洗浄後の汚染度をつぎの試料の洗浄
条件の決定に用いる必要がなければ、洗浄後に試料Wを
試料評価部42へ搬送する工程は省略してもよい。この
場合、来歴情報に洗浄後の汚染度を含める必要はなく、
また、後述する洗浄制御部110におけるステップ50
5の処理も省略される。
【0068】(2)洗浄制御部110における処理 つぎに、洗浄制御部110における処理の流れを説明す
る。本実施例では、上述のように、試料Wのロット番号
は、あらかじめ洗浄制御部110に入力されている。試
料番号読み取り部44bから試料番号の通知を受けた洗
浄制御部110の洗浄条件決定部301は、ロット番号
および試料番号を来歴管理部120に通知して該試料の
来歴情報を問い合わせ(ステップ501)、処理対象試
料の来歴情報、次工程情報と、直前に処理した試料の洗
浄条件および洗浄後汚染度との通知を受ける(ステップ
502)。
【0069】つぎに、洗浄制御部110の洗浄条件決定
部301は、試料評価部42から試料Wの表面汚染度情
報の通知を受け付け、基準値テーブル304から読み出
した基準値よりも、通知された汚染度が高ければ、異常
が発生したことを入出力装置114の表示画面に表示す
るとともに来歴管理部120の警報処理部405に通知
する(ステップ503)。
【0070】つぎに、洗浄条件決定部301は、ステッ
プ502において来歴管理部120から通知された試料
来歴情報および次工程情報と、ステップ503において
試料評価部42から通知された表面汚染度情報とを基
に、洗浄条件テーブル302を参照して洗浄条件を決定
し、洗浄部43と、来歴管理部120の来歴処理部40
4とに、それぞれ通知する(ステップ504)。
【0071】最後に、洗浄条件決定部301は、試料評
価部42から洗浄後の試料Wの表面汚染度情報の通知を
受け付け、該情報を来歴管理部120に通知し、さら
に、基準値テーブル304から読み出した基準値より
も、通知された汚染度が高ければ、異常が発生したこと
を入出力装置114の表示画面に表示するとともに来歴
管理部120の警報処理部405に通知する(ステップ
505)。
【0072】(3)来歴管理部120における処理 来歴管理部120の来歴処理部404は、システム起動
時に入力されたロット番号と、洗浄制御部の洗浄条件決
定部301から通知された試料番号とをもとに、来歴情
報記憶部401および工程情報記憶部402を検索し、
処理対象の試料Wの来歴情報および次工程情報を読み出
して、問い合わせ元の洗浄条件決定部301に通知する
(ステップ511)。
【0073】また、来歴管理部120の来歴処理部40
4は、洗浄条件決定部301から洗浄を示す情報(ステ
ップ504)または洗浄後の汚染度(ステップ505)
の通知を受けると、その条件情報または汚染度を、来歴
情報記憶部401に格納する(ステップ513)。
【0074】来歴管理部120の警報処理部405は、
洗浄条件決定部301からの異常発生の通知を受ける
と、異常の警報を入出力装置124を介して出力し(本
実施例では、表示画面に異常発生を示すメッセージを表
示するとともに、音声出力装置により警報音を発す
る)、さらに、対処方法記憶部403を参照して、工程
に応じた対処方法を示す情報を読み出し、該情報を基
に、対処処理を実行する(ステップ512)。
【0075】C.洗浄部 つぎに、洗浄部43の構成および動作について、図6を
用いて説明する。
【0076】(1)洗浄部の構成 洗浄部43は、処理槽11、処理液槽12、温度センサ
13、濃度センサ14、調合配管用ヒータ15、処理液
槽用ヒータ16、及び、これらを接続する配管系と、洗
浄条件を制御する洗浄部制御装置20と、電源(図示せ
ず)とを備える。処理槽11は、内部に被洗浄物Wを保
持するための試料把持器(図示せず)を備える。
【0077】配管系は、処理液槽12に保持された処理
液(洗浄液)10を、処理槽11において被洗浄物Wに
噴射(噴霧を含む)し、処理槽11に溜った処理液10
を再び処理液槽12に回収するための機構であり、処理
液供給ノズル21、主配管22b、給液配管23、フィ
ルタ24、送液ポンプ25、リターン配管26、原液A
供給配管27、原液B供給配管28、超純水供給配管2
9、排液配管30、三方バルブ32、及び回収配管33
を備える。
【0078】主配管22bは、処理槽11と処理液槽1
2とを、送液ポンプ25、フィルタ24、濃度センサ1
4、温度センサ13、処理液供給ノズル21を介して結
ぶ配管であり、温度センサ13と処理液供給ノズル21
との間に処理液配合配管22を有する。処理液調合配管
22は、主配管22bの一部であり、原液Aと原液Bと
を調合できるよう、原液A供給配管27及び原液B供給
配管28が接続されている。さらに、この処理液調合配
管22は、内部を流れる流体の温度調節ができるよう管
壁内にヒータ15が敷設されている。処理液調合配管2
2と処理液供給ノズル21との間の主配管22bには、
開閉バルブ22aが設けられている。また、この開閉バ
ルブ22aと処理液調合配管22との間の主配管22b
と、処理槽11とを接続するリターン配管26が設けら
れている。このリターン配管26は、その途中に開閉ノ
ズル26aを有する。
【0079】温度センサ13および濃度センサ14は、
送液ポンプ25と処理液調合配管22との間の主配管2
2b内の処理液の温度および濃度を一定時間ごとに測定
し、制御装置20に通知する。
【0080】原液A供給配管27は、原液Aタンク(図
示せず)と処理液調合配管22とを接続する配管で、そ
の途中に開閉バルブ27aを有する。原液B供給配管2
8は、原液Bタンク(図示せず)と処理液調合配管22
とを接続する配管で、その途中に開閉バルブ28aを有
する。超純水供給配管29は、超純水供給源(図示せ
ず)と処理液調合配管22とを接続する配管で、その途
中に開閉バルブ29aを有する。
【0081】排液配管30は、廃液タンク(図示せず)
と処理槽11とを、三方バルブ32を介して接続する。
回収配管33は、三方バルブ32と処理液槽12とを接
続する。使用済み処理液は、排液配管30を介し廃液タ
ンク(図示せず)へ排出されるか、または、回収配管3
3を介し処理液槽12に回収される。排出あるいは回収
の切り換えは三方バルブ32により行われる。三方バル
ブ32の制御は、制御装置20により行われる。
【0082】制御装置20は、主記憶装置と中央演算処
理装置と入出力装置と外部記憶装置とを備える情報処理
装置(本実施例ではパーソナルコンピュータ)である。
本実施例では、制御装置20と洗浄制御部110とを別
個の情報処理装置により実現したが、一台の情報処理装
置によりこれらの両方を実現するようにしてもよい。
【0083】制御装置20は、温度センサ13、濃度セ
ンサ14、調合配管用ヒータ15、処理液槽用ヒータ1
6、開閉バルブ22a,26a〜29a、送液ポンプ2
5、および三方バルブ32に信号線により接続されてお
り、さらに、洗浄制御部110に信号線により接続され
ている。制御装置20は、調合配管用ヒータ15、処理
液槽用ヒータ16、開閉バルブ22a,26a〜29
a、送液ポンプ25、および三方バルブ32の動作を制
御する。従って、本実施例では、制御装置20が調合配
管の濃度制御部および温度調整部として機能する。
【0084】なお、図6では、図を見やすくするため制
御装置20と各部とを繋ぐ信号線の図示は省略した。ま
た、制御装置20、温度センサ13、濃度センサ14、
調合配管用ヒータ15、処理液槽用ヒータ16、開閉バ
ルブ22a,26a〜29a、送液ポンプ25、および
三方バルブ32は、それぞれ電源(図示せず)に接続さ
れているが、図6ではこの電源の図示も省略した。
【0085】さらに、図6では、基本構成以外の部分、
例えば、試料把持器、試料の搬送・受渡しを行う治具、
処理槽のふた、原液タンク、超純水の供給源、及び、液
面計を含む安全装置等の図示は省略した。
【0086】なお、本実施例では、原液A供給配管2
7、原液B供給配管28、及び超純水配管29を、それ
ぞれ処理液調合配管22に接続したが、これに限るもの
ではなく、例えば、原液A供給配管27、原液B供給配
管28、及び超純水配管29のうちの2本以上を接続し
た配管を、処理液調合配管22に接続してもよく、ま
た、原液A供給配管27、原液B供給配管28、及び超
純水配管29のうちの1本以上を、処理液調合配管22
の上流の本配管22bに接続してもよい。
【0087】本実施例では、温度センサと濃度センサと
を、調合配管22の上流の1か所に設けたが、他の部
分、例えば処理槽11内に設けてもよい。処理槽11内
にセンサを設け、該センサから得られた温度および/ま
たは濃度を用いて、フィードバックおよび/またはフィ
ードフォワード制御すれば、制御性が高まる。また、2
か所以上にセンサを設けてもよい。センサの設置数は、
液の濃度あるいは温度の安定度合に応じて定めることが
望ましい。
【0088】また、本実施例では、処理液配合配管22
と処理液槽12との両方にヒータ15,16を設けた
が、処理液配合配管用ヒータ15の加熱能力が十分であ
れば、処理液槽用ヒータ16は設けなくてもよい。
【0089】本実施例では、一度使用した処理液を処理
液槽12に回収し再利用した。このように、使用済みの
処理液を回収、再利用すれば、原液の使用量を抑えるこ
とができるため望ましいが、本発明はこれに限るもので
はなく、一度使用した処理液はそのまま廃棄してもよ
い。このようにする場合の洗浄部23の構成例を、図8
に示す。
【0090】図8に示した構成例は、リターン配管26
が処理液配合配管22の下流ではなく上流に接続されて
いる点と、配合配管22とバルブ22aとの間(図6に
示した例ではリターン配管26が接続されていた位置)
に迂回排液配管31が接続されている点と、超純水供給
配管29が、配合配管22ではなく処理液槽12に接続
されている点とが、上述の図6に示した例とは異なって
いる。なお、迂回排液配管31は、洗浄液を、配合配管
22から廃液タンク(図示せず)に導くための配管であ
り、途中にバルブ31aを有する。
【0091】(2)制御装置における処理の流れ 本実施例の洗浄部制御装置20は、温度センサ13によ
り検出される処理液温度と、濃度センサ14により検出
される処理液の濃度とを基に、洗浄制御部110から通
知される洗浄条件に応じて、洗浄液の温度および濃度を
一定にコントロールする。なお、制御装置20がポンプ
25を制御して、洗浄液の流量(すなわち、ノズル21
からの洗浄液10の噴射圧)を、洗浄条件に応じてコン
トロールするようにしてもよい。
【0092】本実施例の洗浄部制御装置20における処
理の流れを、図7に示す。なお、本実施例では、図7に
示す処理を実現するためのプログラムがあらかじめ外部
記憶装置に保持されており、このプログラムが制御装置
20の主記憶装置に読み込まれ、中央演算処理装置によ
り実行されることにより、図7に示す処理が実現される
が、本発明はこれに限られず、これらの処理を専用回路
などのハードウエアにより実現してもよい。
【0093】制御装置20は、まず、原液供給バルブ2
7a〜29aおよびリターン配管26を開放する(ステ
ップ701)。これにより、原液Aタンク(図示せ
ず)、原液Bタンク(図示せず)、および超純水供給源
(図示せず)から、超純水、処理液原液Aおよび処理液
原液Bが、調合配管22及びリターン配管26を経由し
て処理液槽12に供給される。
【0094】さらに、制御装置20は、調合配管用ヒー
タ15および処理液槽用ヒータ16への通電を開始し
(ステップ702)、処理液槽12に所定の液量の処理
液が溜ったら原液供給用バルブ27a〜29aを閉じ、
ポンプ25を始動させる(ステップ703)。つぎに、
制御装置20は、洗浄制御部110からの洗浄条件の通
知を受け付けて(ステップ704)、温度センサ13お
よび濃度センサ14を始動させる(ステップ705)。
【0095】これにより、センサ13,14からは主配
管22b内の処理液の温度および濃度が通知されるの
で、制御装置20は、温度センサ13から通知された温
度に応じて、調合配管用ヒータ15および処理液槽用ヒ
ータ16を調節する(ステップ706)。具体的には、
ステップ704において受け付けた洗浄条件により定め
られた温度(以下、基準温度と呼ぶ)よりも温度13セ
ンサから通知された温度(以下、実測温度と呼ぶ)が高
ければ、処理液槽用ヒータ16の温度を下げ、基準温度
よりも実測温度が低ければ、調合配管用ヒータ15の温
度を上げる。ヒータ15,16の温度調節は、ヒータの
電圧及び通電時間を調節することにより行われる。な
お、本実施例では、処理液の温度を50±0.5℃に保
持した。
【0096】さらに、制御装置20は、濃度センサ14
から通知された濃度に応じて、原液供給用バルブ27a
〜29aの開放時間を調節する(ステップ707)。具
体的には、ステップ704において受け付けた洗浄条件
により定められた濃度(以下、基準濃度と呼ぶ)よりも
濃度センサ14から通知された濃度(以下、実測濃度と
呼ぶ)が低い原液については、該原液の供給用バルブ2
7aまたは28aを一定時間開放し、また、基準濃度よ
りも実測濃度が高ければ、超純水供給用バルブ19aを
一定時間開放する。なお、本実施例では、原液Aとして
アンモニア水溶液を、原液Bとして過酸化水素水を用
い、アンモニア濃度0.60重量%±0.05重量%、
過酸化水素濃度0.60重量%±0.05重量%に保持
した。
【0097】なお、図7では省略したが、制御装置20
は、処理液の水位が所定の範囲から外れた場合には、三
方バルブ32処理液を排液したり、または、原液供給用
バルブ27a〜29aを操作して処理液を増やしたりす
ることにより、水位を所定の範囲に保つ。
【0098】制御装置20は、処理液の温度および濃度
がステップ704において受け付けた条件に適合するま
で上述のステップ706および707の処理を繰り返し
た後(ステップ708)、搬送部44から洗浄開始が指
示されているか否か検査する(ステップ708)。
【0099】搬送部44は、試料Wを処理槽11内にロ
ードし、試料把持器(図示せず)に設置して、洗浄開始
を洗浄部23の制御装置20に指示する。これを受ける
と、制御装置20は、ステップ708において処理をス
テップ710に進め、リターン配管26のバルブ26a
を閉じ、主配管22bのバルブ22aを開いて、処理を
ステップ706に戻す。これにより、処理液槽12の中
の濃度及び温度が調整済みの処理液10が、フィルタ2
4、給液配管23、調合配管22、ノズル21を通して
試料Wに供給される。
【0100】ステップ709において、洗浄開始が指示
されてはいない場合、制御装置20は、ステップ704
において受け付けた洗浄条件により定められる洗浄時間
が経過したか否か検査する(ステップ711)。
【0101】所定の洗浄時間がすでに経過していれば、
制御装置20は、主配管22bのバルブ22aを閉じ、
リターン配管26のバルブ26aを開放して(ステップ
712)、洗浄の終了を搬送部44へ通知して(ステッ
プ713)、処理をステップ706へ戻す。この通知を
受けて、搬送部44は、試料Wを処理層11の試料把持
器からはずし、試料加工部45に搬送する。
【0102】ステップ711において所定の洗浄時間が
経過したわけではなければ、制御装置20は、入出力装
置(図示せず)を介して終了指示が入力されたか否か検
査する(ステップ714)。制御装置20は、終了指示
が入力されていなければ処理をステップ706へ戻し、
終了指示が入力されていれば、温度センサ13および濃
度センサ14を停止させ(ステップ715)、調合配管
用ヒータ15および処理液槽用ヒータ16への通電を停
止し(ステップ716)、送液ポンプ25を停止させる
(ステップ717)。
【0103】また、本実施例では、処理液として、アン
モニアと過酸化水素水と超純水とを供給して洗浄液を調
製したが、本発明はこれに限るものではなく、他の液
体、例えば塩酸と過酸化水素水と超純水とからなる洗浄
液、あるいは他の処理液、界面活性剤、エッチング液、
現像液、リンス液等、さらには液体に限定せず、気体、
ゾル状物質、ゲル状物質で試料Wを処理する場合にも適
用可能である。処理液の濃度および温度等の制御値につ
いても、上述の値に限定するものではない。
【0104】D.処理液調合配管 つぎに、処理液調合配管22について説明する。
【0105】(1)格子型 本実施例では、図9(a)に示す、柱状の渦発生部材5
2を備える処理液調合配管22を用いた。なお、図9
(a)は、調合配管22の部分断面図である。この配管2
2は、円筒形の管50と、管50内部に、流体の流れる
方向51に対し垂直方向に設けられた円柱状の渦発生部
材52とを備える。管50には、この配管22内に流入
させる流体の流入孔53が設けられている。
【0106】流入孔53から流入した流体は、管50内
の流体と合流し、渦発生部材52の後方部分で発生する
渦のため撹拌される。この撹拌により、流体どうしの混
合が迅速に行われる。なお、渦発生部材52の寸法、形
状、及び流体の流速等を適切に設定すれば、図9(b)に
示すように、カルマン渦54を発生させることができ
る。カルマン渦54は、安定かつ強力であるため、流体
の撹拌効果が高くなるので好ましい。そこで、渦発生部
材52の寸法、形状、数、設置位置などは、混合する流
体の粘度、流速等を基に、カルマン渦54が発生するよ
うに定めることが望ましい。このようにすれば、流体ど
うしの混合をより迅速に行うことができるからである。
【0107】なお、本実施例では、円柱形の渦発生部材
52を用いたが、渦発生部材52の形状はこれに限られ
ず、例えば、図9(c)に示すように、高さ方向に垂直
な断面が扇型の柱状部材52aを用いてもよい。また、
本実施例では、渦発生部材52を流体の流動方向に垂直
に設置したが、例えば斜めに設置するなど、垂直以外の
方向に設置してもよい。
【0108】図9では、渦発生部材52が3個で、流入
孔53が1個の場合を図示したが、渦発生部材52およ
び流入孔53の数はこれに限られず、上述のように、混
合する流体の性質および流速等に応じて、カルマン渦5
4が発生するように定めることが望ましい。
【0109】本実施例では、渦発生部材52の内部にヒ
ータ(図示せず)を設けた。このため、本実施例の調合
配管22は、流体の昇温効果が高い。
【0110】また、本実施例では、流入孔53を管50
の壁に直接穿孔したが、流入孔53の位置はこれに限定
されるものではなく、例えば、図10(a)に示すよう
に、渦発生部材52に設けてもよい。図10(a)に示し
た配合配管は、渦発生部材52のうちの1本52bが円
柱形ではなく、内部に空洞53bを有する円筒形になっ
ており、管50には、この渦発生部材52b内部の空洞
53bに達する貫通孔53aが設けられている。また、
渦発生部材52bには、内部の空洞53bに達する流出
孔53cが設けられている。これにより、管50の貫通
孔53aから流入した流体を、渦発生部材52bの空洞
53bおよび流出孔53cを通って、管50内に流入さ
せることができる。なお、流体の混合効率を良くするた
めには、渦発生部材52bの流出孔53cは、図10
(a)に示すように、管50内の流体の流動方向に対し
て下流に設けることが望ましい。なお、この内部に空洞
53bを有する渦発生部材52bについても、上述の場
合と同様、その形状は円筒形に限られず、高さ方向に垂
直な断面の形状が扇型の柱状のものなど、他の形状にし
てもよい。
【0111】(2)突起型 上述のように本実施例では、柱状の渦発生部材52を備
える処理液調合配管22を用いが、図10(b)に示す
ように、柱状の渦発生部材52の代わりに、管50の内
壁に多数の突起55を設けてもよい。この場合も、流入
孔53から流入した流体は、管50内の流体と合流し、
突起55の後方部分で発生する渦のため撹拌されるの
で、流体どうしの混合が迅速に行われる。渦発生部材と
して突起55を備える場合も、上述の柱状渦発生部材5
2の場合と同様、カルマン渦が発生するように、突起の
大きさ、位置、数、形状などを決定することが望まし
い。
【0112】また、突起55の中にヒータを設けること
により、流体の昇温効果を高めることができる。ヒータ
は、管50と、突起55内の両方に設けてもよい。
【0113】なお、図10(b)に示した例では、突起
55は先端が丸くなった略円錐形でああるが、突起の形
状はこれに限定されない。突起55の位置、数、配列等
も図10(b)に示すもの限定されるものではない。ま
た、流入孔53についても、管50に直接穿孔したもの
に限られず、柱状の渦発生部材52を用いる場合と同
様、突起55から流体が流出するように設けてもよい。
【0114】(3)リング型 柱状の渦発生部材52の代わりに、図10(c)に示す
ように、管50の内部に、管50の内壁に倣うようにリ
ング状部材56を設けた配合配管22を用いてもよい。
この場合、リング状部材56の内部の円筒形の空洞を流
体の流れ51が通り、リング状部材56の外周部分が管
50の内壁に接するようにする。
【0115】この場合も、流入孔53から流入した流体
は、管50内の流体と合流し、リング状部材56の後で
発生する渦のため撹拌されるので、流体どうしの混合が
迅速に行われる。渦発生部材としてリング状部材56を
備える場合も、上述の柱状渦発生部材52の場合と同
様、カルマン渦が発生するように、突起の大きさ、位
置、数、形状などを決定することが望ましい。また、図
10(c)に示した例では、リング状部材56の底面を
含む平面が、流体の流れる方向51に対して垂直になっ
ているが、流体の流れる方向51に対するリング状部材
56の角度はこれに限られず、カルマン渦が発生するよ
うに定めることが望ましい。
【0116】なお、リング状部材56を用いる代わり
に、管50の内壁に溝を形成してもよい。この場合も、
流体の流れる方向51に対する溝の角度や、溝の形状、
数、配置などは、カルマン渦が発生するように決定する
ことが望ましい。
【0117】E.ノズル つぎに、ノズル21について説明する。
【0118】(1)広範囲型 本実施例で用いたノズル21の外観斜視図を図11
(a)に示し、図11(a)におけるA−A’間の断面
図を図11(b)に示す。ノズル21は、主配管22b
に接続される側、すなわち流体の流入する側には円形の
開口部21aを備え、流体を噴射する側には矩形の開口
部21bを備える。ノズル21は、流入側開口部21a
近傍では円筒形をしており、中央部分から、断面が徐々
に矩形に変化するとともに上下方向は狭まり左右方向が
広がっている。このような形状にすることにより、流体
の噴射される範囲を効果的に広げることができる。
【0119】また、噴射側開口部21b近傍に、渦を発
生させるための柱状部材21cを備える。柱状部材1c
を備えることで、本実施例のノズル21では、流出する
流体に渦が発生するので、広範囲の面積を効果的に洗浄
することができる。
【0120】(2)集中型 噴射する範囲を狭くする場合には、例えば、図12
(a)に示すノズル61を用いる。図11に示したノズ
ル21では、ノズル先端が左右方向に広がっているのに
対し、図12(a)に示したノズル61では、噴射側開
口部21b近傍(全長の1/4程度)では幅が一定の四
角筒形になっている。従って、ノズル61は、図11に
示したノズル21に比べて、流体の噴射される範囲が狭
い。
【0121】噴射する範囲をさらに狭くする場合には、
例えば、図12(b)に示すノズル62を用いる。図1
2(b)に示したノズル62では、左右の幅が、中央部
で一旦広がった後、再度狭まっている。従って、ノズル
62は、図12(a)に示したノズル61に比べて、流
体の噴射される範囲がさらに狭い。
【0122】これらのノズル61,62は、流体の噴射
される範囲が狭い以外は、図11に示したノズル21と
同様に効果的に試料Wを洗浄することができる。なお、
ノズル61,62は、左右の幅の変化が一定でない以外
は、ノズル21と同様の形状を有する。すなわち、流入
側の円筒形の形状が徐々に変化して、噴射側開口部21
bは矩形になっている。
【0123】F.洗浄結果 本実施例では、1枚当たり約5000〜約200000
個のレジストアッシング異物が付着した5枚の試料につ
いて、上述した製造装置を用いてそれぞれ洗浄・成膜処
理を行った。処理液濃度は、上述のように、アンモニア
濃度0.60重量%±0.05重量%、過酸化水素濃度
0.60重量%±0.05重量%とした。また、処理液
の温度および処理時間については、試料の洗浄前汚染度
と、前の試料の洗浄結果とに応じて決定した。なお、最
初の試料については50℃±0.5℃の処理液で30秒
間処理した。結果を表1に示す。なお、表1には、比較
例として、従来技術による、処理液の濃度および温度を
すべての試料に対して一定に保った場合の洗浄結果につ
いても、本実施例の結果に合わせて示した。ただし、表
1に示した異物数は、粒径0.2μm以上の異物の数で
ある。
【0124】
【表1】
【0125】比較例においては、すべての試料について
処理時間が90秒間と一定であるので、5枚の試料の処
理に450秒間を要した。一方、本実施例では、汚染度
の低い試料については短時間(最短30秒間)で処理
し、汚染度の高い試料については長時間(最長70秒
間)で処理したため、結果として、5枚の試料の処理時
間は、180秒と、比較例に比べてはるかに短い時間で
処理することができた。
【0126】また、比較例においては、すべての試料に
ついて処理液温度を70℃としたので、汚染度の低い試
料(異物数5000個以下)については、異物数が30
個以下になったが、洗浄後に異物が80個以上残ってし
まう試料もあり、試料間で洗浄後の汚染度にばらつきが
あった。一方、本実施例では、すべての試料について、
洗浄後の残留異物数が27〜44個と、ばらつきなく、
高清浄度に洗浄することができた。
【0127】なお、異物検査の所要時間は、センサの感
度にもよるが、本実施例では、1枚当たり約30秒であ
った。しかし、2枚目以降の試料の測定は前の試料の洗
浄処理時に並行して行うことができるため、この異物検
査に要する時間の総処理時間伸長に及ぼす影響は小さか
った。
【0128】本実施例によれば、被処理試料の表面をあ
らかじめ評価し、異物付着数を測定した後、この結果に
基づいた条件での処理を行うことができるため、それぞ
れの試料に適した高精度な処理を、コスト的時間的に高
効率に実施することができる。また、本実施例によれ
ば、前の処理の結果に応じてつぎの処理における条件を
設定することができるので、効率よく、最適条件での処
理を実現することができる。
【0129】さらに、洗浄後の試料に対して、試料加工
部45により、酸化膜を堆積させたところ、膜厚が均一
で欠損部のない良好な酸化膜を得ることができた。
【0130】<実施例2>実施例1では、洗浄前に決定
された洗浄条件に応じて、1枚の試料の洗浄中は、洗浄
環境(洗浄液の濃度および温度)を一定に保持した。し
かし、実施例1の洗浄装置は、本配管22bの、ノズル
21のすぐ上流に設けられている調合配管22により、
処理液の試料への噴射の直前に、洗浄液を溜めることな
く、その成分、濃度、及び温度を調整する。従って、実
施例1の洗浄装置によれば、洗浄中に洗浄条件を変更す
ることができる。
【0131】洗浄中の試料は、処理の経過に伴ってその
表面状態を変化させる。従って、一定の洗浄条件により
洗浄するよりも、試料の表面状態の変化に応じて処理条
件を変化させ、常にその時の表面状態に最適な条件で洗
浄することが望ましいと考えられる。そこで、本実施例
では、洗浄中に洗浄環境を変化させる。このようにすれ
ば、処理の進行に伴い変化する試料表面状態に、洗浄環
境を適宜適合させ、常に最適の条件で洗浄を行うことが
できる。
【0132】本実施例における洗浄方法および半導体装
置の製造装置は、実施例1とほぼ同様である。そこで、
ここでは実施例1との相違点についてのみ説明する。
【0133】実施例1の洗浄部43では、アンモニア水
を供給する原液A供給配管27と、過酸化水素水を供給
する原液B供給配管28と、超純水供給配管29との3
本が、調合配管22に接続されているが、本実施例の洗
浄部43では、これらの配管27〜29に加えて、さら
に界面活性剤水溶液を供給する原液供給配管(図示せ
ず)が調合配管22に接続されている。
【0134】さらに、本実施例では、洗浄部43の試料
把持部が回転機構を備え、洗浄装置20に指示された回
転数で、把持した試料を回転させることができる。本実
施例では、この回転数も、洗浄条件に含めて扱った。
【0135】また、本実施例の製造装置は、洗浄制御部
110のステップ504において決定される洗浄条件
が、属性(温度および濃度)ごとに一つの値を有するの
ではなく、経時的に変化する複数の値を有している点
と、これに伴い、洗浄部23の制御装置20のステップ
706,707において判断基準とされる属性値が経時
的に変化する点、および、ステップ513において来歴
情報記憶部401に格納され、ステップ511において
読み出される来歴情報に含まれる洗浄条件が、経時的に
変化する複数の値を有する属性を含んでいる点とが、実
施例1と異なっている。
【0136】本実施例では、前工程としてレジストのア
ッシング除去処理が行われた試料であって、次工程がC
VD加工である試料に対する洗浄条件として、つぎの表
2に示す洗浄条件が、洗浄制御部110の洗浄条件テー
ブル302にあらかじめ保持されている。
【0137】
【表2】
【0138】なお、本実施例では、実施例1と同様に洗
浄条件を一定にして試料を処理し、処理中の試料表面の
経時変化を測定して、その結果を参考に、この表2に示
す洗浄条件を決定した。洗浄条件の決定に用いた処理結
果を、実施例1として図13に破線により模式的に示
す。なお、図13は、洗浄処理によるエッチング量の変
化を経時的に示したグラフである。
【0139】実施例1では、洗浄中に洗浄条件を変化さ
せないので、エッチングが開始されると、一定の割合で
エッチング量が増加する。従って、実施例1では、汚染
度の高い最表面も、その下の汚染度の低い面も、同様の
高い速度でエッチングされるため、従来技術による場合
と同様、試料の表面あれが見られる。この実施例1の洗
浄処理による表面あれは、次のCVD工程において許容
される範囲内ではあるが、より少ないことが望ましい。
なお、処理開始から15秒間はエッチングが開始されて
いないが、これは、最表面の汚染層が除去されるまでは
エッチングされないためである。
【0140】この結果をもとに、処理開始段階で試料表
面の濡れ性を高める処理を行い、処理の初期に汚染度の
高い表面に対する高速処理を行うことで、速やかに、汚
染層および高汚染度最表面を除去した後、ゆるやかな処
理条件で、残留する異物を除去しながら試料表面の凹凸
の成長を抑制することが望ましいことがわかった。この
結果を踏まえて、本実施例における洗浄条件を、つぎの
ように決定した。
【0141】本実施例での洗浄条件は、表2に示すよう
に3つのステップからなっている。
【0142】ステップ1(20秒間)は、試料表面の濡
れ性を向上させることが主目的である。このステップ1
では、界面活性剤を添加して処理液の界面活性力を高め
る。また、次のステップ2の開始時に処理液温度が所定
の設定値(90℃)になるように、ヒータへの通電を開
始する。なお、本実施例では、処理液槽用ヒータ16に
より、処理液の温度は50℃になっている。
【0143】ステップ2(20秒間)は、試料の最表面
(汚染度が高い)を高速に除去することが主目的であ
る。このステップ2では、処理速度を高めるため、処理
液温度を高くする。なお、高温での処理は、試料の表面
をあらすなど、試料表面に対する悪影響があるため、処
理時間は短くし、過酸化水素濃度を低くする。この表面
あれは、試料が本来的に持っている微小な結晶欠陥もし
くは微小な表面凹凸の成長により起こるもので、その大
きさはエッチング量に応じて指数関数的に増大する(但
しその指数は小さい)。このため、処理速度を速くして
も、処理時間を短くすることで表面あれを少なく抑える
ことができる。
【0144】ステップ3(80秒間)は、処理液を低
温、低濃度にし、処理速度を抑える。これにより、試料
表面に対する悪影響を抑えることができる。なお、ステ
ップ3では試料の回転数を多くする。試料を高速回転さ
せることで、試料に向けて噴射された処理液と、回転す
る試料表面との間に速度差が生じ、これが処理液の剪断
応力となって、試料表面の凹凸の成長が抑制される。
【0145】本実施例における処理結果を、図13に実
線として模式的に示す。本実施例においても、実施例1
と同様に短い処理時間で試料表面を所定の清浄度にする
ことができた。さらに、本実施例により得られた洗浄後
の試料の表面を観察したところ、実施例1に比べて表面
あれが極めて少なかった。このことから、本実施例のよ
うに洗浄条件を洗浄中に変化させることにより、表面あ
れを抑制しつつ、所望の清浄度を達成することができる
ことがわかる。
【0146】さらに、洗浄後の試料に対して、試料加工
部45により、酸化膜を堆積させたところ、実施例1と
同様、膜厚が均一で欠損部のない良好な酸化膜を得るこ
とができた。
【0147】なお、洗浄条件のステップ数、処理時間、
処理液の成分ならびに濃度、および、試料回転数などの
具体的データは、本実施例の値に限定されるものではな
く、試料の表面状態及びその物性、異物の物性及びその
発生量、事前の評価実験の結果、および装置の使用環境
ならびに用役等に応じ、適宜適するものを採用すること
が望ましい。
【0148】<実施例3>実施例1および2で説明した
半導体製造装置のうち、洗浄に係る機構のみを取りだし
て、独立の洗浄装置としてもよい。このように、洗浄に
係る機構を独立の洗浄装置とすれば、現有の加工装置に
接続するだけで、本発明の洗浄方法を実現することがで
きる。つぎに、この独立の洗浄装置の実施例を説明す
る。
【0149】本実施例の洗浄装置130は、図14に示
すように、洗浄機構140と、洗浄制御部110と、来
歴管理部120とを備える。洗浄制御部110と来歴管
理部120との構成は、実施例1と同様である。洗浄機
構140の構成を図15に示す。洗浄機構140は、実
施例1の加工機構100と同様に、キャリア設置台41
と、試料評価部42と、洗浄部43と、搬送部44とを
備える。ただし、本実施例の洗浄機構140は、実施例
1における試料加工部45の代わりに、第2のキャリア
設置台41aを備える。キャリア設置台41、試料評価
部42、洗浄部43、および搬送部44の構成は、実施
例1と同様である。また、各部の処理手順も実施例1と
同様であるが、実施例1では、洗浄部43による洗浄
後、試料が試料加工部45に搬送されたのに対して、本
実施例では、第2のキャリア設置台41aに搬送され
る。
【0150】本実施例の洗浄装置140を用いて試料を
洗浄したところ、実施例1と同様の効果が得られた。ま
た、本実施例において洗浄した試料の表面に、既存のC
VD装置により酸化膜を成膜したところ、膜厚が均一で
欠損のない良好な酸化膜を得ることができた。
【0151】なお、本実施例では、洗浄が終了した試料
を直接キャリアに戻したが、これに限定されるものでは
なく、再び異物検査を実施し処理状況を確認し、異物数
が所定数より多かった場合には、再度洗浄処理を繰り返
すようにしてもよい。また、本実施例では、実施例1と
同様、洗浄条件を試料ごとに一定としたが、実施例2と
同様に洗浄条件を経時変化させてもよい。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、速く、効率良く、試料
を枚葉処理することができる。さらに、洗浄に要する処
理時間を短縮できるため、処理液の消費量を低減させ、
装置のランニングコストを低減させ、さらに、適用可能
な液体処理工程の範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における半導体製造装置の構成を示
すハードウエア構成図である。
【図2】 実施例1における加工機構の構成を示すハー
ドウエア構成図である。
【図3】 実施例1における洗浄制御部の機能構成を示
す構成図である。
【図4】 実施例1における来歴管理部の機能構成を示
す構成図である。
【図5】 実施例1における洗浄処理の流れを示す説明
図である。
【図6】 実施例1における洗浄部の構成を示す構成図
である。
【図7】 実施例1の洗浄部制御装置における処理の流
れを示す流れ図である。
【図8】 使用済み洗浄液を回収しない場合の、洗浄部
の構成を示す説明図である。
【図9】 図9(a)は、処理液調合配管の例の断面斜
視図である。図9(b)および図9(c)は、処理液調
合配管の例の断面図である。
【図10】 処理液調合配管の例の断面斜視図である。
【図11】 図11(a)は広範囲用ノズルの斜視図で
ある。図11(b)は広範囲用ノズルの断面図である。
【図12】 狭範囲用ノズルの断面図である。
【図13】 実施例1および2の洗浄処理におけるエッ
チング量の変化を示すグラフである。
【図14】 実施例3における洗浄装置の構成を示すハ
ードウエア構成図である。
【図15】 実施例3における洗浄機構の構成を示すハ
ードウエア構成図である。
【符号の説明】
W…試料(被洗浄物)、10…処理液(洗浄液)、11
…処理槽、12…処理液槽、13…温度センサ、14…
濃度センサ、15…処理液調合配管用ヒータ、16…処
理液槽用ヒータ、20…洗浄部制御装置、21…処理液
供給ノズル、21a…流入側開口部、21b…噴射側開
口部、21c…柱状渦発生部材、22…処理液調合配
管、22b…主配管、24…フィルタ、25…送液ポン
プ、26…リターン配管、27…原液A供給配管、28
…原液B供給配管、29…超純水供給配管、30…排液
配管、31…迂回排液配管、22a,26a,27a,
28a,29a,31a…バルブ、32…三方バルブ、
33…回収配管、41,41a…キャリア設置台、42
…試料評価部、43…洗浄部、44…アーム、45…試
料加工部、50…管、51…流体の流れの方向、52…
柱状渦発生部材、52b…円筒状渦発生部材、53,5
3a…流体の流入孔、53b…円筒状渦発生部材内部の
空洞、53c…円筒状渦発生部材の流出孔、54…カル
マン渦、55…突起状渦発生部材、56…リング状渦発
生部材、61…処理液供給ノズル、100…加工機構、
101…CVD機構、110…洗浄制御部、120…来
歴管理部、111,121…主記憶装置、112,12
2…中央演算処理装置(CPU)、113,123…外
部記憶装置、114,124…入出力装置、130…洗
浄装置、140…洗浄機構、301…洗浄条件決定部、
302…洗浄条件テーブル、304…基準値テーブル、
401…来歴情報記憶部、402…工程情報記憶部、4
03…対処方法記憶部、404…来歴処理部、405…
警報処理部。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料ごとに、該試料の来歴情報および次工
    程情報の少なくとも一方の情報を記憶手段にあらかじめ
    保持し、 被洗浄試料の表面汚染度と、上記記憶手段に保持された
    情報とに応じて洗浄条件を決定し、 上記決定した洗浄条件で、上記被洗浄試料を洗浄するこ
    とを特徴とする洗浄方法。
  2. 【請求項2】試料ごとに、該試料の来歴情報および次工
    程情報の少なくとも一方の情報を保持する来歴管理部
    と、 洗浄処理の属性およびその属性値からなる洗浄条件を決
    定する洗浄条件決定部を有する洗浄制御部と、 上記洗浄条件決定部の決定した洗浄条件で被洗浄試料に
    洗浄処理を行う洗浄部とを備え、 上記洗浄条件決定部は、 上記被洗浄試料の表面汚染度の入力を受け付ける手段
    と、 上記入力を受け付けた表面汚染度と、上記来歴管理部の
    保持する情報とに応じて上記洗浄条件を決定する手段と
    を備えることを特徴とする洗浄装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 上記属性は、 上記洗浄部において洗浄に用いられる洗浄液の成分、濃
    度、温度ならびに噴射圧、および、試料の回転速度のう
    ちの少なくともいずれかであることを特徴とする洗浄装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2において、 上記洗浄条件は、 一以上の上記属性と、該属性の、経時的に変化する複数
    の上記属性値とを含むことを特徴とする洗浄装置。
  5. 【請求項5】請求項2において、 上記洗浄条件決定部は、 上記入力を受け付けた表面汚染度が、あらかじめ定めら
    れた基準値以上であれば、警報を発する手段を備えるこ
    とを特徴とする洗浄装置。
  6. 【請求項6】請求項2において、 上記洗浄部は、 処理液を保持する洗浄液槽と、 上記洗浄液を上記被洗浄試料に供給するための液体供給
    部材と、 上記洗浄液槽と上記液体供給部材とを連通させる主配管
    と、 上記洗浄液を、上記洗浄液槽から上記液体供給部材へ上
    記主配管内で流すためのポンプと、 上記洗浄液を調製するための原液を供給する一以上の原
    液供給配管と、 上記原液供給配管から供給される原液の量を制御する濃
    度制御部とを備え、 上記主配管は、その少なくとも一部に、 上記供給配管の少なくとも一本が連通可能に接続され
    た、 上記主配管を流れる洗浄液と、上記原液供給配管から供
    給される原液とを混合するための調合配管を有し、 上記濃度制御部は、 上記洗浄条件により定められる濃度になるように、上記
    原液の供給量を制御する手段を有することを特徴とする
    洗浄装置。
  7. 【請求項7】請求項2において、 上記洗浄部は、 処理液を保持する洗浄液槽と、 上記洗浄液を上記被洗浄試料に供給するための液体供給
    部材と、 上記洗浄液槽と上記液体供給部材とを連通させる主配管
    と、 上記洗浄液を、上記洗浄液槽から上記液体供給部材へ上
    記主配管内で流すためのポンプとを備え、 上記主配管は、その少なくとも一部に、 管内の洗浄液を加熱するための加熱機構、および、管内
    の洗浄液を冷却するためえの冷却機構の少なくともいず
    れかを有する温度調整機構を備え、 上記洗浄部は、 上記洗浄条件により定められる温度になるように、上記
    温度調整機構を制御する手段を有することを特徴とする
    洗浄装置。
  8. 【請求項8】洗浄液槽に保持された洗浄液を、該洗浄液
    槽に接続された主配管と、該主配管に接続された液体供
    給部材とを介して被洗浄試料に噴射することにより、該
    被洗浄試料を洗浄する洗浄方法において、 上記主配管中で、上記洗浄液に、該洗浄液の原液を混合
    することにより、該洗浄液の濃度を調整することを特徴
    とする洗浄方法。
  9. 【請求項9】被洗浄試料を洗浄する洗浄装置において、 処理液を保持する洗浄液槽と、 上記洗浄液を上記被洗浄試料に供給するための液体供給
    部材と、 上記洗浄液槽と上記液体供給部材とを連通させる主配管
    と、 上記洗浄液を、上記洗浄液槽から上記液体供給部材へ上
    記主配管内で流すためのポンプと、 上記洗浄液を調製するための原液を供給する一以上の原
    液供給配管とを備え、 上記主配管は、その少なくとも一部に、 上記供給配管の少なくとも一本が連通可能に接続され
    た、 上記主配管を流れる洗浄液と、上記原液供給配管から供
    給される原液とを混合するための調合配管を有すること
    を特徴とする洗浄装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、 上記調合配管は、 管内に設けられた、管内を流れる洗浄液に渦を発生させ
    る渦発生部材を備えることを特徴とする洗浄装置。
  11. 【請求項11】請求項9において、 上記調合配管は、 管内の洗浄液を加熱するための加熱機構、および、管内
    の洗浄液を冷却するためえの冷却機構の少なくともいず
    れかを有する温度調整機構を備えることを特徴とする洗
    浄装置。
  12. 【請求項12】請求項9において、 上記液体供給部材は、 流体を噴射するための噴射側開口部に、流体を流すと渦
    を発生させる渦発生部材を備えるノズルであることを特
    徴とする洗浄装置。
  13. 【請求項13】洗浄液槽に保持された洗浄液を、該洗浄
    液槽に接続された主配管と、該主配管に接続された液体
    供給部材とを介して被洗浄試料に噴射することにより、
    該被洗浄試料を洗浄する洗浄方法において、 上記主配管に設けられた、冷却機構および加熱機構の少
    なくとも一方を有する温度調整機構により、上記洗浄液
    の温度を調整することを特徴とする洗浄方法。
  14. 【請求項14】被洗浄試料を洗浄する洗浄装置におい
    て、 処理液を保持する洗浄液槽と、 上記洗浄液を上記被洗浄試料に供給するための液体供給
    部材と、 上記洗浄液槽と上記液体供給部材とを連通させる主配管
    と、 上記洗浄液を、上記洗浄液槽から上記液体供給部材へ上
    記主配管内で流すためのポンプとを備え、 上記主配管は、その少なくとも一部に、 管内の洗浄液を加熱するための加熱機構、および、管内
    の洗浄液を冷却するためえの冷却機構の少なくともいず
    れかを備えることを特徴とする洗浄装置。
  15. 【請求項15】請求項9、11または14において、 上記主配管内の洗浄液の温度を測定する温度センサと、 上記温度センサにより測定された値、および、あらかじ
    め定められた洗浄条件を基に、上記温度調整機構を制御
    する制御装置とを、さらに備えることを特徴とする洗浄
    装置。
  16. 【請求項16】試料ごとに、該試料の表面に洗浄液を噴
    射することにより、該試料を洗浄する洗浄処理の洗浄方
    法において、 一試料の洗浄中に、洗浄条件を変化させることを特徴と
    する洗浄方法。
  17. 【請求項17】請求項16において、 上記洗浄条件は、 上記洗浄液の成分、濃度、温度ならびに噴射圧、およ
    び、試料の回転速度のうちの少なくともいずれかの条件
    であることを特徴とする洗浄方法。
  18. 【請求項18】請求項17において、 上記洗浄条件は、洗浄液の成分、洗浄液の温度、およ
    び、試料の回転速度を含み、 試料ごとに、 界面活性剤を含む洗浄液により、上記試料表面の濡れ性
    を高める第1のステップと、 上記第1のステップより高温または高濃度の洗浄液によ
    り、試料の最表面を除去する第2のステップと、 上記第2のステップより低温または低濃度の洗浄液を、
    回転させた試料の表面に噴射することにより、試料表面
    の凹凸の成長を抑制する第3のステップとを備えること
    を特徴とする洗浄方法。
  19. 【請求項19】ウエハの洗浄工程を有する半導体装置の
    製造方法において、 上記洗浄工程は、 請求項1、8、13または16記載の洗浄方法により行
    われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】ウエハの洗浄装置を有する半導体装置の
    製造装置において、 上記洗浄装置は、 請求項2記載の洗浄装置であることを特徴とする半導体
    装置の製造装置。
  21. 【請求項21】請求項20において、 上記洗浄装置は、 試料の識別子を認識し、上記洗浄制御部へ通知する試料
    識別部と、 試料の表面汚染度を計測し、上記洗浄制御部へ通知する
    試料評価部とを、さらに備えることを特徴とする半導体
    装置の製造装置。
  22. 【請求項22】請求項21において、 上記試料識別部は、 試料を保持するキャリアボックスの溝番号を識別する手
    段を備え、 上記試料は、上記キャリアボックスに付されたロット番
    号と、上記溝番号とにより識別されることを特徴とする
    半導体装置の製造装置。
  23. 【請求項23】ウエハの洗浄装置を有する半導体装置の
    製造装置において、 上記洗浄装置は、 請求項9または14記載の洗浄装置であることを特徴と
    する半導体装置の製造装置。
  24. 【請求項24】試料を洗浄する洗浄装置と、 上記試料を加工する加工機構と、 上記試料を搬送する搬送機構と、 試料の識別子を認識し、上記洗浄制御部へ通知する試料
    識別部と、 試料の表面汚染度を計測し、上記洗浄制御部へ通知する
    試料評価部とを備え、 上記洗浄装置は、 試料ごとに、該試料の来歴情報および次工程情報の少な
    くとも一方の情報を保持する来歴管理部と、 洗浄条件を決定する洗浄条件決定部を有する洗浄制御部
    と、 上記洗浄条件決定部の決定した洗浄条件で被洗浄試料に
    洗浄処理を行う洗浄部とを備え、 上記洗浄条件決定部は、 上記試料識別部から通知された試料の識別子を基に、上
    記来歴管理部の保持する該試料の情報を読み出す手段
    と、 上記試料評価部から通知された表面汚染度、および、上
    記来歴管理部から読み出した情報に応じて上記洗浄条件
    を決定する手段とを有することを特徴とする加工装置。
  25. 【請求項25】請求項24において、 上記加工機構は、成膜装置、イオン打ち込み装置、ドラ
    イエッチング装置、および、加熱装置のいずれかである
    ことを特徴とする加工装置。
  26. 【請求項26】試料を液体により処理する液体処理部を
    備える加工装置において、 上記液体処理部は、 処理液を保持する処理液槽と、 上記処理液を上記試料に供給するための液体供給部材
    と、 上記処理液槽と上記液体供給部材とを連通させる主配管
    と、 上記処理液を、上記処理液槽から上記液体供給部材へ上
    記主配管内で流すためのポンプと、 上記処理液を調製するための原液を供給する一以上の原
    液供給配管とを備え、 上記主配管は、その少なくとも一部に、 上記供給配管の少なくとも一本が連通可能に接続され
    た、 上記主配管を流れる処理液と、上記原液供給配管から供
    給される原液とを混合するための調合配管を有すること
    を特徴とする加工装置。
  27. 【請求項27】流体を流入させるための流入孔を有する
    管と、 上記管の内部に設けられた、流体を流すと渦を発生させ
    る渦発生部材とを備えることを特徴とする流体混合用配
    管。
  28. 【請求項28】流体を被洗浄物に噴射するための洗浄用
    液体供給部材において、 流体を噴射するための噴射側開口部に、流体を流すと渦
    を発生させる渦発生部材を備えるノズルであることを特
    徴とする洗浄用液体供給部材。
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