JPH1068683A - 透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法 - Google Patents

透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法

Info

Publication number
JPH1068683A
JPH1068683A JP22661596A JP22661596A JPH1068683A JP H1068683 A JPH1068683 A JP H1068683A JP 22661596 A JP22661596 A JP 22661596A JP 22661596 A JP22661596 A JP 22661596A JP H1068683 A JPH1068683 A JP H1068683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
specimen
ion beam
sample
interface
electron microscope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22661596A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Ishikawa
伸 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP22661596A priority Critical patent/JPH1068683A/ja
Publication of JPH1068683A publication Critical patent/JPH1068683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー分散型X線回折に適した透過型電
子顕微鏡用薄膜試料の作製方法を提案する。 【解決手段】 予め所定厚さ以下に粗研磨した試料に集
束イオンビームを照射して、観察箇所周辺部を除去した
のち、集束イオンビームにより観察領域を薄膜化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型電子顕微鏡
観察に適用できる薄膜の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透過電子顕微鏡(以下透過電顕という)
を用いて材料組織を観察することは、材料評価の1手段
として、従来から行われているが、透過電顕で観察する
には、電子線が透過できるように、試料を0.1 〜0.3 μ
m程度まで薄くする必要がある。試料を薄膜化するため
に、金属材料の場合は、一般に電解研磨法が、半導体あ
るいはセラミックの場合は、適当な電解液がないためイ
オン研磨法が主に用いられている。しかし、最近では、
金属材料においても、多層構造をもつ材料の断面組織観
察などでは、層により適切な電解研磨液や電解研磨速度
が異なることから、イオン研磨法が用いられることが多
くなっている。
【0003】イオン研磨法では、数mmφのイオンビー
ムを用いることが多いが、さらに、イオンビームを収束
し、0.1 μm以下のイオンビームを用いる集束イオンビ
ーム(FIB)加工も断面観察用薄膜作製に利用される
ようになっている。例えば、特開平3−20946 号公報に
は、特定部の断面を観察するために、集束イオンビーム
を用いて、断面観察位置を残してその近傍に深い溝を掘
る透過電顕用試料の作製方法が提案されている。しかし
ながら、この方法では、観察個所を広くとることが難し
いうえ、膜厚を一定とすることも困難であるという問題
を残していた。
【0004】透過電顕も技術開発とともに高分解能で、
かつ分析等の付属設備も高度な能力を有するようになっ
てきた。このような状況において、観察試料の作製はよ
り一層重要度が増してきている。このような観察機器・
分析機器の発達に見合った試料作製方法が要望されてい
た。FIB加工を利用した異相界面、あるいは多層構造
を持つ材料の界面観察用試料の作製は、通常、次のよう
に行われている。
【0005】例えば、図3(a)に示す表面層1aと下
地1bからなる多層構造を有する材料1について、まず
機械研磨等の粗研磨により、図3(b)に示すような、
相界面に垂直に50μm程度の厚さを有する試片2に加工
する。その後、図3(c)に示すように、この試片2を
電子顕微鏡用試料保持用メッシュ3に貼り付けて、30kV
程度に加速した集束イオンビーム(FIB)を界面の法
線方向、すなわち試料表面から照射して観察領域(数十
μm)のみをイオンスパッタリングにより0.1μm程度
に薄膜化する。透過電顕観察方向5は、図3(d)に示
すように、イオンビーム4の照射方向と直角である。
【0006】このように作製された透過電顕用試料で
は、通常観察を行わない部分はFIB加工されないで粗
研磨時の厚さのまま厚肉部分として残っているため、観
察部分との膜厚差が大きくなっている。このような試料
について、エネルギー分散型X線分析(EDX分析)に
よる元素分析を行うと、薄膜部分で散乱された電子線が
厚肉部分に照射され、厚肉部分からも特性X線が発生す
る。すなわち分析領域である薄膜部分以外からの信号も
X線スペクトルに含まれるため、EDX分析におけるS
/Nの低下、定量精度の低下が問題となっている。特に
極微量元素の検出や定量する際に問題となる。
【0007】厚肉部分から発生するX線量を低減するに
は、粗研磨時の膜厚を薄くする方法があるが、粗研磨時
の加工方法と関連して、加工可能膜厚に限界がある。機
械研磨のみで全面FIB加工が可能な数十μm角の試片
とすることは困難であり、さらに、FIB加工のみで観
察可能な膜厚とするためには時間がかかりすぎるという
問題を残していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点を有利に解決し、いかなる材料にも適用でき、ED
X分析に適した薄膜試料を作製できる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、観察・分
析領域以外からの特性X線の発生を防ぐためには、観察
・分析領域の周辺の厚肉部をできるだけ除去し、観察・
分析領域を均一な膜厚とすることが有効であり、厚肉部
除去にもFIB加工を利用できることを新たに知見し、
本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、予め所定の厚さ以下
に粗研磨した試料に、集束イオンビームを照射して所定
の箇所周辺部を除去したのち、集束イオンビームを用い
て所定の箇所を薄膜化することを特徴とする透過電子顕
微鏡用薄膜試料の作製方法である。また本発明では、前
記所定の箇所を薄膜化するに際して、集束イオンビーム
を、該所定の箇所周辺部の除去に際しての照射方向と90
°回転して照射するのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の透過型電子顕微鏡用試料
の作製方法を多層構造を有する材料について模式的に示
す図1に基づき説明する。本発明では、試片は予め機械
研磨等の予備的研磨により、所定の厚み以下、好ましく
は50μm以下にしておく。
【0012】はじめに図1(a)に示す、多層構造の材
料1を界面と垂直方向に500 μm程度の厚さに切断し、
さらに透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに装着できるサ
イズである1mm×2mm程度に切り出す。つぎに、界面と
垂直方向に50μm程度の厚さまで機械研磨する。この
後、図1(b)に示すように、試片2を3mmφ厚さ50μ
m程度の半円形の電子顕微鏡用試料保持メッシュ3に、
試料表面層1aをメッシュの内側にして貼り付けるのが
好ましい。その後、試料表面層1aと反対側から界面近
傍数十μmまで機械研磨する。
【0013】ついで、図1(c)に示すように、観察を
行う数十μm以外の切取り部6(点線部)を試料断面方
向から集束したイオンビーム4を点線に沿って照射して
除去する。その後、図1(d)に示すように、試料を90
°回転して界面と法線方向からFIB加工する。この場
合、試料表面層1aを試料保持メッシュ3の内側、すな
わち、図中では下側に向ける。これにより、イオンビー
ム4は試料表面層1aと反対側から照射され、Wデボジ
ション等の加工中の表面を保護する処理は必要なくな
る。このとき、試料保持メッシュ3も試料と同時に加工
し、除去してよい。さらに、試料保持メッシュ3を分析
成分を含まない物質とすれば、試料のEDX分析になん
ら影響を及ぼさず、好都合である。
【0014】FIB加工では、加速電圧は20kV〜50kV、
イオン電流は1μA〜3μAが好ましい。イオン源はと
くに限定しないが、イオンビームを集束した際にも十分
なイオン電流密度が得られる点で、Ga等の液体金属イ
オン源が好適である。さらに、FIB加工においては、
一般に試料に垂直方向から集束したイオンビームを走査
して照射するため、集束装置および偏向装置を有して、
イオンビームを収束させるためのレンズ、絞り等によ
り、0.1 〜2μmφのビームを任意の領域で走査するよ
う制御できるのが好ましい。FIB加工ではさらに、2
次電子検出器によりイオンビーム照射により発生する2
次電子像の観察が可能であり、試料保持具は位置決め機
構を具備し、加工位置を任意に決定できるのが望まし
い。
【0015】
【実施例】Fe−Cr−Al合金上にAlの選択酸化により形成
された皮膜を有するFe−Cr−Al合金を試料とした。この
皮膜を含み、0.5mm 厚の試片を切り出し、皮膜と下地合
金との界面に垂直な断面を50μm厚まで機械研磨した。
ついで、この試片をMo製試料保持メッシュに貼り付け、
30kVに加速されてGaイオンビームによりFIB加工
し、薄膜とした。本発明例では、図1に示す方法で、ま
ず、観察・分析領域周辺をFIB加工により除去したの
ち、FIB加工のビーム照射方向を90°回転して観察・
分析部を薄膜化した。一方、比較例は図3に示すよう
に、周辺部の除去を行わず、観察部のみを薄膜化した。
なお、観察・分析領域はいずれも15μm幅程度と同じで
ある。
【0016】上記した方法で作製した試片薄膜を用い
て、皮膜部分から測定されたEDXスペクトルを図2
(b)に実施例、図2(a)に比較例を示す。図2
(a)に示す比較例では、Al,Oピークの他に下地合金
の主成分であるFe,Crの強いピークが見られる。これに
対し、図2(b)に示す本発明例では、AlとOのピーク
のみが検出されている。図2(c)に示すEDXスペク
トルの例は、同一試片を化学研磨により下地合金を除去
した後にイオンミリング法により作製したAl2O3 皮膜平
面試料をEDX分析した結果であるが、AlおよびOのピ
ークのみが検出され、FeおよびCrはほとんど検出されな
いことから、この皮膜は純粋なAl2O3 であることがわか
る。このことから、本発明による皮膜作製方法によれ
ば、周辺の厚肉部の影響が完全に除去され、観察・分析
領域のみの電子線照射情報のみが含まれることになる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、観察・分析領域周辺の
厚肉部分から発生するX線を完全に除去することがで
き、EDX分析に最適な薄膜試料を作製することが可能
になった。また、FIB加工中の表面を保護するための
処理が不要となるほか、試料最表面の観察が容易になる
という効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型電子顕微鏡観察用試料の作製方
法を示す模式図である。
【図2】Fe−Cr−Al合金表面に形成されたAl2O3 皮膜か
らのエネルギー分散型X線スペクトル図形を示す図であ
る。
【図3】従来の透過型電子顕微鏡観察用試料の作製方法
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 多層構造材料 1a 表面層 1b 下地 2 試片 3 電子顕微鏡試料保持用メッシュ 4 イオンビーム 5 透過電顕観察方向 6 切取り部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め所定の厚さ以下に粗研磨した試料
    に、集束イオンビームを照射して所定の箇所周辺部を除
    去したのち、集束イオンビームを用いて所定の箇所を薄
    膜化することを特徴とする透過電子顕微鏡用薄膜試料の
    作製方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の箇所を薄膜化するに際して、
    集束イオンビームの照射は、該所定の箇所周辺部の除去
    に際しての照射方向と90°回転して行うことを特徴とす
    る請求項1記載の透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方
    法。
JP22661596A 1996-08-28 1996-08-28 透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法 Pending JPH1068683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22661596A JPH1068683A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22661596A JPH1068683A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1068683A true JPH1068683A (ja) 1998-03-10

Family

ID=16847988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22661596A Pending JPH1068683A (ja) 1996-08-28 1996-08-28 透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1068683A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0472229A2 (en) * 1990-07-30 1992-02-26 Philips Electronics Uk Limited CW radar system
CN104819876A (zh) * 2015-04-07 2015-08-05 湖北大学 一种用于透射电镜原位加电场和应力的薄膜样品制备方法
CN114088751A (zh) * 2021-11-12 2022-02-25 西安交通大学 一种多层薄膜的透射电镜样品及其制备方法
CN114136736A (zh) * 2021-12-03 2022-03-04 长江存储科技有限责任公司 透射电镜试样及其制备方法、待测结构的失效分析方法
CN116242863A (zh) * 2023-02-14 2023-06-09 苏州创镕新材料科技有限公司 一种电解双喷透射样品的制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0472229A2 (en) * 1990-07-30 1992-02-26 Philips Electronics Uk Limited CW radar system
EP0472229A3 (en) * 1990-07-30 1993-04-07 Philips Electronics Uk Limited Cw radar system
CN104819876A (zh) * 2015-04-07 2015-08-05 湖北大学 一种用于透射电镜原位加电场和应力的薄膜样品制备方法
CN114088751A (zh) * 2021-11-12 2022-02-25 西安交通大学 一种多层薄膜的透射电镜样品及其制备方法
CN114088751B (zh) * 2021-11-12 2024-04-16 西安交通大学 一种多层薄膜的透射电镜样品及其制备方法
CN114136736A (zh) * 2021-12-03 2022-03-04 长江存储科技有限责任公司 透射电镜试样及其制备方法、待测结构的失效分析方法
CN114136736B (zh) * 2021-12-03 2024-01-16 长江存储科技有限责任公司 透射电镜试样及其制备方法、待测结构的失效分析方法
CN116242863A (zh) * 2023-02-14 2023-06-09 苏州创镕新材料科技有限公司 一种电解双喷透射样品的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3957750B2 (ja) 電子顕微鏡法のためのイオンビーム準備装置
US7002152B2 (en) Sample preparation for transmission electron microscopy
JP4699168B2 (ja) 電子顕微鏡用試料の作製方法
KR102221931B1 (ko) 시료에 따른 전자 회절 패턴 분석을 수행하는 방법
JP5101845B2 (ja) 集束イオンビーム装置ならびにそれを用いた試料断面作製方法および薄片試料作製方法
JPH07151658A (ja) 試料加工方法
JPH06231720A (ja) 集束荷電ビーム装置および加工観察方法
JP2007193977A (ja) 荷電ビーム装置及び荷電ビーム加工方法
JP2004087174A (ja) イオンビーム装置およびイオンビーム加工方法
JP2009059516A (ja) イオンビーム加工装置及び試料加工方法
JPH1068683A (ja) 透過電子顕微鏡用薄膜試料の作製方法
US7180061B2 (en) Method for electron beam-initiated coating for application of transmission electron microscopy
JPH08327514A (ja) 透過電子顕微鏡用試料の作製方法及びその装置
JPH11218473A (ja) 断面透過電子顕微鏡試料の作製方法及び作製装置
US5004927A (en) Process for forming a fine pattern having a high aspect ratio
JP4654018B2 (ja) 集束イオンビーム加工装置、試料台、及び試料観察方法
CN111474197A (zh) 透射电子显微镜样品制备所产生的污染的控制方法
JPH08304243A (ja) 断面薄膜試料及びその作製方法及び断面薄膜試料用ホルダ
JP4170048B2 (ja) イオンビーム装置およびイオンビーム加工方法
JP3260356B2 (ja) 集束イオンビーム加工方法
JP2987417B2 (ja) 透過型電子顕微鏡用の薄膜試料のその場作製および観察方法並びにその装置
JP4219084B2 (ja) 顕微鏡用薄片試料の作製方法
JP3106846U (ja) 荷電粒子線装置用試料ホールダ
JP3266718B2 (ja) 複合荷電粒子ビーム装置
US11227742B1 (en) Electron microscopic specimen, and methods for preparing and performing microscopic examination of the same