JP2987417B2 - 透過型電子顕微鏡用の薄膜試料のその場作製および観察方法並びにその装置 - Google Patents

透過型電子顕微鏡用の薄膜試料のその場作製および観察方法並びにその装置

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JP2987417B2
JP2987417B2 JP5067341A JP6734193A JP2987417B2 JP 2987417 B2 JP2987417 B2 JP 2987417B2 JP 5067341 A JP5067341 A JP 5067341A JP 6734193 A JP6734193 A JP 6734193A JP 2987417 B2 JP2987417 B2 JP 2987417B2
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一夫 古屋
鉄哉 斎藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、透過型電子顕微鏡用
の薄膜試料の作製および観察方法並びにその装置に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、これまで
経験に頼って行っていた試料の特定局所領域の薄膜化
を、該顕微鏡内で試料を観察しながらその場で高精度に
同時進行として実施可能にしたもので、難加工材料の透
過型子顕微鏡試料の作製を容易とすることのできる新
しい方法とそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】透過型電子顕微鏡用の薄膜試
料はこれまで電解研磨やイオン研磨などによって作製さ
れてきたが、これらの方法では試料研磨中は試料の観察
が出来ず、従って、試料の出来具合は経験に頼らざるを
得ず、また、研磨が終了して作製された薄膜試料を観察
のため電子顕微鏡内に挿入載置するまでに、該薄膜試料
は溶液や大気に必ず触れるため、表面の清浄な薄膜試料
を電子顕微鏡内に挿入設置することは大変困難であっ
た。
【0003】一方、集束イオンビーム(Focused
Ion Beam:FIB)は、マスクレス注入やリ
ングラフィへの応用が図られている。そしてこのFIB
の応用に際しては、ビームスポット内での研磨速度の差
やスパッタ粒子の再デポジッションにより、研磨周辺領
域には複雑なミクロ組織変化が起こるため、これらのミ
クロ組織変化を観察することが望まれていた。
【0004】しかしながら、上記の通り、試料を観察の
ために電子顕微鏡内に挿入設置する場合、薄膜試料の表
面は汚れるために観察は実際上困難であった。この発明
は、以上の通りの従来技術の問題点を一気に解決するた
めになされたものであり、作製された薄膜試料が溶液や
大気に触れて汚染される心配をなくし、透過型電子顕微
鏡観察においてサブミクロンオーダーの高精度の薄膜試
料を効率よくFIBで研磨して作製すると共にこれを観
察することのできる、新しい方法とその装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、透過型電子顕微鏡で観察中の試料に
対し電子線を照射するとともに、電子線の照射方向に対
して斜め角度でポールピース状の磁界型電子レンズの上
部より集束イオンビームを照射して試料上の同一場所に
集束照射し、該試料の特定の局所領域を研磨すると同時
に観察することを特徴とする透過型電子顕微鏡用の薄膜
試料のその場作製および観察方法を提供する。
【0006】そしてまた、この発明は、薄膜試料を電子
顕微鏡内で微細研磨するように集束イオンビーム照射装
置を透過型電子顕微鏡のポールピース状の磁界型電子レ
ンズに対して斜め上方に取付け、電子線と集束イオンビ
ームをこの電子レンズを介して試料上の同一場所に照射
し、薄膜試料を研磨すると同時に観察することを特徴と
する透過型電子顕微鏡用の薄膜試料のその場作製および
観察装置をも提供する。
【0007】
【作用】この発明は透過型電子顕微鏡の中で電子顕微鏡
用試料を観察しながら研磨するという、観察と研磨を同
時進行として可能にするとの斬新な発想で具体化される
ものであり、これまで類をみないほどの微小領域を研磨
することを可能とし、高精度の薄膜試料の作製およびそ
れと同時の観察並びに、透過型顕微鏡内に載置された薄
膜試料を汚染されることなく清浄に保つことを可能とし
ている。
【0008】そのための装置として、この発明では、透
過型電子顕微鏡用の試料に電子顕微鏡内で研磨加工する
ことができるように集束イオンビーム照射装置を透過型
電子顕微鏡に設け、サブミクロンオーダー領域の精密な
研磨が可能になるように、たとえばビーム径は約0.1
5μmまで絞る手段を設け、実際に電子顕微鏡で観察し
ながら研磨できるように電子線と集束イオンビーム(F
IB)を試料上の同一場所に来るように調整する手段を
設けた装置を用いる。この装置では、集束イオンビーム
照射装置を透過型電子顕微鏡のポールピース状の磁界型
電子レンズの斜め上方に取付けている。透過型電子顕微
鏡の走査系および2次電子検出器を集束イオンビーム照
射装置の試料の微細研磨加工手段に兼用することとした
装置をその一つの態様としてもいる。
【0009】この発明の方法並びについては、次のこと
が特筆される。すなわち、透過型電子顕微鏡観察を行っ
ている間、試料は電子線と平行方向の強い磁場中に置か
れている。(これは対物レンズの磁場であり、観察中は
取り除くことはできない。)またイオンは正の電荷を持
つため、磁場中ではローレンツ力を受け、直進すること
はできない。この力は直角方向に横切るとき最大とな
る。従って電子顕微鏡の電子線軸と直角方向(すなわち
電子顕微鏡に対して水平方向)からイオン導入し、試料
位置で集束することは技術的に不可能である。(もちろ
ん電子顕微鏡観察を行わずに、すなわち対物レンズをオ
フにした状態では可能である)。この発明ではこの制約
を克服し、イオンビームを斜め上方の対物レンズの上か
ら導入し、磁場に沿って試料位置に到達させるようにし
たことで、透過型電子顕微鏡観察とイオンビームによる
研磨を同時並行的に行えるようにしたものである。同時
並行的とは「まさに研磨している様子をその場(ライ
ブ)観察できること」を意味し、「ちょっと研磨しては
観察を行うことの繰り返し」を意味しない。この点がこ
の発明の本質的な特徴である。
【0010】
【実施例】図1は、この発明の装置の一例を示したもの
である。この図1において、200kVの走査透過型電
子顕微鏡(JEM−200CX)の試料室の前面斜め上
方に25kVのFIBカラム(1)を取付け、走査透過
型電子顕微鏡の対物ポールピース(2)の斜め上方から
試料位置にたとえばGaビームを導入できる構造とす
る。走査透過型電子顕微鏡の分解能を低下させないよう
に配慮して、FIBカラム(1)の取付け角度は水平面
から55度斜め上方とした。この結果、FIBの作動距
離は97.5mmとなった。FIBによる描面は走査透
過型電子顕微鏡の走査系・二次電子検出器を兼用する構
成とする。
【0011】ついで、上記図1の構成とした走査透過型
顕微鏡の試料室にイオン研磨して予め作製したSiの単
結晶薄膜を設置し、Siの単結晶薄膜に電子線を照射し
てリアルタイムで同時進行で観察しながら観察下にある
Siの単結晶薄膜に前方斜め上方のFIBカラム(1)
から26keVのGa−FIBを照射し、該FIBのビ
ーム径(最小0.15μm)を調節することで研磨領域
を自由に設定し、スキャン速度を調節することで研磨速
度を自由に調節して、試料面を高精度に微細に研磨して
観察可能な領域を増やすことに成功した。この場合、F
IBの作動距離からビーム径は約0.15μmであり、
25keVでの動作では、対物ポールピース(2)中で
磁場の影響はほとんど無かった。
【0012】図2は、実際にSi(100)をGa−F
IBで研磨した透過型電子顕微鏡用の薄膜試料の全体の
電子顕微鏡像を示したものである。図2(a)はare
a・scanをして観察に適した薄い領域を作りだした
ところであり、図2(b)はline・scanをして
観察領域のごく一部(幅0.15μm程度)だけを研磨
したものである。
【0013】
【発明の効果】これまでの電子顕微鏡用試料作製方法で
は、試料を電子顕微鏡の中に挿入するまでに必ず大気中
あるいは溶液中にさらす瞬間があるため、清浄な表面を
得ることはほぼ不可能であった。しかしながら、この発
明は走査透過型電子顕微鏡に試料を導入してから研磨を
行うので表面が汚染されていた試料でも観察する直前に
削り取ってしまうことができる。また、研磨の精度とし
て、従来では作製された薄膜試料の状態は実際に電子顕
微鏡で観察してみなければわからず、それで失敗すれば
終わりであったが、この発明では、試料を電子顕微鏡内
に設置して電子顕微鏡で実際に観察しながら研磨するの
で、たとえ電子顕微鏡外で作るのに失敗した試料でも製
作者自身の希望する試料の局所場所あるいは形状にサブ
ミクロンのオーダーで研磨することが可能となる。
【0014】以上の長所を持つ本装置は微小領域研磨装
置として広く普及することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】FIBカラムを取り付けた200kV走査透過
型電子顕微鏡の試料室の概要を示す構成図である。斜め
上方55度に集束イオンビームカラムを取付、試料まで
の距離を97.5mmとした。
【図2】Ga−FIBでSi(100)の微小領域を研
磨した透過型電子顕微鏡用の薄膜試料の全体顕微鏡像図
である。a)はarea scan、b)はlines
canしたものである。Si薄膜表面は均一に研磨され
ており、Line走査モードでの微細加工線幅は最小で
0.15μm程度である。
【符号の説明】
1 FIBカラム 2 対物ポールピース
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−185352(JP,A) 特開 昭52−99495(JP,A) 特開 平1−159949(JP,A) 特開 平4−76437(JP,A) 実開 昭58−110956(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過型電子顕微鏡で観察中の試料に対し
    電子線を照射するとともに、電子線の昭射方向に対して
    斜め角度でポールピース状の磁界型電子レンズの上部よ
    り集束イオンビームを照射して試料上の同一場所に集束
    照射し、該試料の特定の局所領域を研磨すると同時に観
    察することを特徴とする透過型電子顕微鏡用の薄膜試料
    のその場作製および観察方法。
  2. 【請求項2】 薄膜試料を電子顕微鏡内で微細研磨する
    ように集束イオンビーム照射装置を透過型電子顕微鏡の
    ポールピース状の磁界型電子レンズに対して斜め上方に
    取付け、電子線と集束イオンビームをこの電子レンズを
    介して試料上の同一場所に照射し、薄膜試料を研磨する
    と同時に観察することを特徴とする透過型電子顕微鏡用
    の薄膜試料のその場作製および観察装置。
  3. 【請求項3】 透過型電子顕微鏡の走査系および2次電
    子検出器を集束イオンビーム照射装置の試料の微細研磨
    加工手段に兼用することを特徴とする請求項2の透過型
    電子顕微鏡用の薄膜試料のその場作製および観察装置。
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