JPH1068462A - 自動変速機制御装置 - Google Patents

自動変速機制御装置

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Publication number
JPH1068462A
JPH1068462A JP22698896A JP22698896A JPH1068462A JP H1068462 A JPH1068462 A JP H1068462A JP 22698896 A JP22698896 A JP 22698896A JP 22698896 A JP22698896 A JP 22698896A JP H1068462 A JPH1068462 A JP H1068462A
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JP
Japan
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line pressure
control
automatic transmission
command value
lock
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Application number
JP22698896A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Tashiro
田代  勉
Tetsuji Ozaki
哲司 小崎
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライン圧を用いて変速機及びロックアップク
ラッチを制御する構成を採用した自動変速機において、
ライン圧の変動による違和感の発生を抑制する。 【解決手段】 スリップ制御領域であり、かつ変速中で
あるときは(ステッフ゜220,230)、変速中のライン圧変化を
補正するための変速中補正量を算出する(ステッフ゜231)。
続いて、回転数偏差に基づいてフィードバック制御のデ
ューティ指令値を算出し(ステッフ゜280)、この指令値に補
正量を加算した値を最終的なデューティ指令値として出
力する(ステッフ゜290)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロックアップクラッチ
付きのトルクコンバータを備えた自動変速機の制御装置
に係り、特に、変速機及びロックアップクラッチに同じ
ライン圧を加える様に構成された自動変速機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機に備えられるトルクコンバー
タは、エンジントルク変動を吸収する機能やトルク増大
機能を有する反面、入出力軸間のスリップによるエネル
ギーロスを避けられない。このため、ロックアップクラ
ッチを備え、トルク変動が問題とならない運転領域でロ
ックアップクラッチを作動させ、スリップ量を小さくす
るかあるいはゼロにしてエネルギーロスの問題を解消す
る様にしたものがよく知られている。
【0003】こうした装置では、運転状態に応じた目標
スリップ量に実際のスリップ量を一致させる様にロック
アップクラッチ締結力をフィードバック制御する「スリ
ップ制御」が実行されている。こうした装置の一例とし
て知られる特開昭60−1461号公報記載のものは、
完全解放又は完全締結の状態からスリップ制御状態へと
移行する際の応答遅れをなくすために、スリップ制御が
実行されていない状態でのスロットル開度とエンジン回
転数に基づいて、スリップ制御開始時のPID制御積分
項の初期値を設定する様にしている。
【0004】また、特開平4−203560号公報や特
開平3−74673号公報に記載される様に、フィード
バック制御のみでは加減速時のエンジントルク変化によ
って実スリップ量が大きく変化しても、フィードバック
ゲインをあまり大きくすることなく安定したスリップ制
御を実行できる様に、エンジントルクの大きさに対応す
るフィードフォワード制御を併せて実行する様にしたも
のも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロックアッ
プクラッチの締結力は、エンジントルクが変化しなくて
もライン圧が変化することによっても変化する。このラ
イン圧は基本的にはエンジントルクに基づいて設定され
るが、エンジントルクによらず設定される場合もある。
【0006】例えば、変速中には、変速段の切換に応じ
て変速機内の油路の切換時にライン圧が低下する。ま
た、変速制御の応答を早めるために、クラッチ室に油を
速く充填して変速時間を短縮することを目的とし、一気
にライン圧を最大圧に上げ、一定時間経過後ライン圧を
急に低下させるといった急速充填制御がなされる場合も
ある。さらに、変速ショック低減のために実施される変
速機入力軸回転数のフィードバック制御によってライン
圧が変化する場合もある。
【0007】このため、ライン圧を用いて変速機及びロ
ックアップクラッチを制御する構成のシステムでは、こ
うした変速中のライン圧の変動の影響を受け、エンジン
トルクが変化していないのにロックアップクラッチの締
結力が変わってしまう場合がある。この結果、実スリッ
プ量、即ちエンジン回転数が変化して、エンジン音が変
わったり、タコメータが上下したり、あるいはトルクシ
ョックが発生したりして違和感を与えるという問題があ
る。
【0008】そこで、本発明は、ライン圧を用いて変速
機及びロックアップクラッチを制御する構成を採用した
自動変速機において、ライン圧の変動による違和感の発
生を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
なされた請求項1記載の発明は、ライン圧供給手段によ
って変速機及びロックアップクラッチの双方にライン圧
を供給し、変速制御とロックアップクラッチのスリップ
制御とを行う様にした自動変速機制御装置において、前
記スリップ制御に当たってロックアップクラッチの締結
力を制御するスリップ制御手段は、前記ライン圧の変化
に伴う前記ロックアップクラッチのスリップ量の変化を
相殺する様に、前記締結力に関する指令値に前記ライン
圧の変化を反映させる様に構成されていることを特徴と
する。
【0010】この請求項1記載の発明によれば、例え
ば、変速時の油路切換に伴うライン圧の低下や、変速初
期の急速充填制御に伴うライン圧の上昇、あるいは変速
中のライン圧フィードバック制御によるライン圧の増減
があると、これらの影響による実スリップ量の変化を相
殺する様に、締結力に関する指令値が調整される。この
結果、ライン圧の変動による実スリップ量の変動が抑制
され、エンジン音が変化したり、タコメータが上下した
り、トルクショックが発生したりすることがなく、違和
感を抑制することができる。
【0011】具体的には、請求項2に記載した様に、請
求項1記載の自動変速機制御装置において、前記スリッ
プ制御手段を、前記締結力に関する指令値に補正値を加
算又は減算することによって前記ライン圧の変化を相殺
する手段として構成することができる。
【0012】例えば、ロックアップクラッチが、ライン
圧が大きいほど高い締結力が発揮される様なシステム構
成となっているのであれば、ライン圧が増加したときは
このライン圧の増加による締結力増加を見越して、その
分だけ指令値を低下させる様にプラスの補正値を減算し
てやればよい。もちろん、マイナスの補正値を加算する
構成であってもよい。
【0013】より具体的には、請求項3に記載した様
に、この請求項2記載の自動変速機制御装置において、
前記スリップ制御手段を、前記変速制御手段による油路
の切換時のライン圧低下量に応じた所定値を前記補正値
として所定時間の間で前記指令値に加算又は減算する手
段として構成するとよい。これによって、油路切換に伴
うライン圧の低下の影響を相殺することができる。
【0014】また、請求項4に記載した様に、これら請
求項2又は3記載の自動変速機制御装置において、前記
スリップ制御手段を、前記変速制御手段によるライン圧
指令値の変化量に比例する補正値を前記締結力に関する
指令値に加算又は減算する手段として構成するとよい。
これによって、急速充填制御やライン圧フィードバック
制御の影響を相殺することができる。
【0015】また、他の具体的構成としては、請求項5
に記載した様に、前記請求項1記載の自動変速機制御装
置において、前記スリップ制御手段を、前記ライン圧の
大きさに比例したフィードフォワード値を前記締結力に
関する指令値のベースとして用いることによって、前記
ライン圧の変化を相殺する手段として構成することもで
きる。つまり、ライン圧の大きさ自体を最初からロック
アップクラッチ締結力の指令値に含ませておくのであ
る。
【0016】例えば、ライン圧が低めに変化した場合
は、このフィードフォワード値が小さくなるので、その
分だけ、指令値のフィードバックゲインが大きくなり、
逆に、ライン圧が高めに変化した場合は、フィードフォ
ワード値が高くなる分だけフィードバックゲインを小さ
くすることになる。この結果、ライン圧に応じた補正値
を加算又は減算する場合と同様、変速に伴うライン圧の
変化を相殺し、違和感のないスリップ制御を実現するこ
とができる。
【0017】この場合、請求項6に記載した様に、請求
項5記載の自動変速機制御装置において、前記スリップ
制御手段が、ライン圧を検出する手段と、該検出される
ライン圧に基づいて前記フィードフォワード値を決定す
る手段とを備えているとよい。
【0018】ライン圧は、圧力センサで直接検出しても
よいが、特に、請求項7に記載した様に、請求項6記載
の自動変速機制御装置において、前記ライン圧を検出す
る手段が、前記変速制御手段によるライン圧指令値から
前記ライン圧を検出する手段として構成されているとよ
い。
【0019】これは、ライン圧の実際の変化を検出して
からフィードフォワード値を変更する場合には多少の応
答遅れが考えられるが、ライン圧指令値の変化に応じて
フィードフォワード値を変化させれば、実際のライン圧
の変化とフィードフォワード値の変化のタイミングが近
付き、応答遅れがなくなるからである。
【0020】なお、請求項5〜7記載の装置では、ロッ
クアップクラッチのスリップ制御における指令値を、通
常のフィードバック出力とライン圧に基づくフィードフ
ォワード値の加算によって求める構成となるため、定常
走行時と変速過度時などとで指令値の演算方法を変更す
る必要がなく、制御の切り換えにともなう不連続点の発
生が確実に防止でき、また制御系を簡単に構成できると
いう利点を有する。
【0021】また、請求項4,7記載の装置では、ライ
ン圧の変化を検出するセンサなどを追加する必要がな
く、簡単な構成となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]以下図面に基づいて本発明の実施の形
態を説明する。図1は、本実施の形態におけるロックア
ップクラッチ付きトルクコンバータの構造とその油圧回
路、及びその油圧制御を行う制御装置の構成を示してい
る。
【0023】トルクコンバータ1は、ケース3と共にコ
ンバータ入力軸2に結合されたポンプ4と、コンバータ
出力軸8に結合されると共にケース3内でポンプ4に対
面する位置に配置されるタービン5と、これらポンプ4
及びタービン5の間に配置されるステータ6と、タービ
ン5及びケース3の間に設けられたロックアップクラッ
チ7とから構成される。
【0024】このトルクコンバータ1では、周知の通
り、コンバータ入力軸2が回転するとポンプ4が回転
し、このポンプ4の回転が作動油を介してタービン5に
伝達され、コンバータ出力軸8が回転し、このコンバー
タ出力軸8の回転が変速歯車機構30に入力される。ス
テータ6は、ポンプ回転数に対するタービン回転数の速
度比が所定値以下の時にトルク増大作用を行う。また、
ロックアップクラッチ7はコンバータ出力軸8に連結さ
れており、ケース3に対して締結されたとき、コンバー
タ入力軸2とコンバータ出力軸8とを直結するようにな
っている。また、締結力を調整することにより、スリッ
プ率制御を実行できるようになっている。
【0025】変速歯車機構30は、変速油圧回路31の
動作により、内蔵されている遊星歯車機構の各回転部材
の拘束関係を、ブレーキ,クラッチ等の各種摩擦係合要
素の係合状態を変更することによって調整し、前進4
段、後退1段の変速段の中から所望の変速段を選択でき
る様に構成されている。いずれのブレーキ,クラッチを
係合させるかは、変速油圧回路31に内蔵されている変
速段選択用のシフトソレノイドを切り換えることによっ
て決定される。また、係合すべきブレーキ,クラッチに
対して加えるべき油圧は、この変速油圧回路31に内蔵
されているライン圧制御用ソレノイドに対するデューテ
ィ制御によって実行される。
【0026】この変速油圧回路31は、後述する制御コ
ンピュータ20の指令に基づき動作し、前述のシフトソ
レノイドをON/OFF制御してブレーキ,クラッチに
通じる油路の切換と、ライン圧制御とを実行する。な
お、本実施の形態の構成では変速歯車機構30として多
段変速機を用いているが、変速比を連続的に変更できる
プーリ式、トロイダル式など公知のCVTをこの部分に
用いて、CVTの変速比をライン圧で制御する様にした
方式を採用してもよい。
【0027】次にトルクコンバータ1の動作を制御する
油圧回路について説明する。トルクコンバータ1には、
メインライン9の作動油がロックアップバルブ10及び
コンバータライン11を介して導入されるようになって
いる。メインライン9は、前述の変速油圧回路31に接
続されており、変速油圧回路31によって制御されるラ
イン圧が加わっている。このライン圧によって、ロック
アップクラッチ7は、常に締結方向へ付勢されている。
そして、ロックアップクラッチ7とケース3との間の空
間12に、ロックアップ開放ライン13から油圧(開放
圧)が導入されると、ロックアップクラッチ7が開放さ
れるようになっている。また、このトルクコンバータ1
には、チェック弁14を介してオイルクーラ15に作動
油を送り出すコンバータ出力ライン16が接続されてい
る。
【0028】ロックアップバルブ10は、スプール10
aと、このスプール10aを図示左方へ付勢するスプリ
ング10bとを有する。そして、ロックアップ開放ライ
ン13が接続されたポート10cの両側に、調圧ポート
10dと、ドレンポート10eとが設けられている。調
圧ポート10dには、上述のメインライン9が接続され
ている。
【0029】また、ロックアップバルブ10の図示左側
の端部には、スプール10aにパイロット圧を作用させ
る制御ライン17が接続されている。そして、この制御
ライン17から分岐されたドレンライン18に、デュー
ティソレノイドバルブ19が配設されている。
【0030】このデューティソレノイドバルブ19は、
入力信号に応じたデューティ率でON/OFFを繰り返
し、ドレンライン18を短い周期で開閉することによ
り、制御ライン17内のパイロット圧を指令されたデュ
ーティ率に対応する油圧に調整する。
【0031】ロックアップバルブ10のスプール10a
には、制御ライン17を介してスプリング10bの付勢
力と対抗する方向にパイロット圧が印加されると共に、
ロックアップ開放ライン13を介してスプリング10b
の付勢力と同方向に開放圧が作用するようになってい
る。
【0032】これらパイロット圧、開放圧及びスプリン
グ付勢力の力関係によって、スプール10aが移動し、
上記ロックアップ開放ライン13が調圧ポート10dま
たはドレンポート10eに連通されることにより、ロッ
クアップ開放圧が上記パイロット圧、即ちデューティソ
レノイドバルブ19のデューティ率に対応する値に制御
される。
【0033】次に、デューティソレノイドバルブ19の
デューティ率とロックアップクラッチ7の動作に付いて
説明する。デューティソレノイド19のデュ−ティ率を
最大値にすると、制御ライン17からのドレン量が最大
となってパイロット圧が最小となる。すると、スプール
10aが図示左方に移動して調圧ポート10dを閉じる
と共にドレンポート10eを開き、ロックアップ開放ラ
イン13内の作動油がドレンポート10eから抜けだ
し、空間12内の開放圧が最小となる。この結果、ロッ
クアップクラッチ7が完全に締結さる。
【0034】一方、デューティ率を最小値にすると、制
御ライン17からのドレン量が最小となってパイロット
圧が最大となる。すると、スプール10aが図示右方に
移動して調圧ポート10dを開くと共にドレンポート1
0eを閉じ、ロックアップ開放ライン13内の開放圧が
最大となる。この結果、ロックアップクラッチ7が完全
に開放される。
【0035】そして、最大値と最小値の中間のデューテ
ィ率では、ロックアップクラッチ7がスリップ状態とさ
れ、この状態で開放圧がデューティ率に応じて調整され
ることにより、ロックアップクラッチ7におけるスリッ
プ量が制御される。以上のような制御は、CPU,RO
M,RAM,I/O装置等からなる制御コンピュータ2
0からの指令信号によって行われる。この制御コンピュ
ータ20には車速Vを検出する車速センサ21、スロッ
トル開度θを検出するスロットルセンサ22、エンジン
回転数Ne検出するエンジン回転センサ23、タービン
回転数Ntを検出するタービン回転センサ24、車両の
アウトプットシャフトの回転数Noを検出するアウトプ
ット回転センサ25等から各種情報信号が入力されてい
る。そして、制御コンピュータ20は、横軸に車速V、
縦軸にスロットル開度θをとった図2に示すような変速
マップに基づき、変速油圧回路31の内蔵しているシフ
トソレノイドを切り換えて変速段の選択、切換を実行し
ている。
【0036】この変速段の切換について、1速から2速
のアップシフト、2速から1速のダウンシフトを例にと
って説明する。1速から2速へのアップシフトは、図2
中の1→2変速線を左から右、又は上から下へと跨ぐ様
に車速あるいはスロットル開度が変化した場合に実行さ
れ、制御コンピュータ20は1速から2速への切換を指
示する。2速から1速へのダウンシフトは、図中の2→
1変速線を右から左、又は下から上へと跨ぐ様に車速あ
るいはスロットル開度が変化した場合に実行され、制御
コンピュータ20は2速から1速への切換を指示する。
【0037】また、制御コンピュータ20は、エンジン
トルクに応じた値にライン圧を制御するための指令も行
っている。このライン圧の指令値は、例えば図3に示す
ようにスロットル開度をパラメータとしたマップに基づ
いて決定される。ただし、変速期間中には、変速歯車機
構30の摩擦係合要素を掛け換える際のむだ時間を短く
したり、ショックを防止するために、ライン圧指令値を
図3に示したマップとは異なる値に設定する制御を実行
している。
【0038】制御コンピュータ20は、さらに、前記各
センサデータを基に、内蔵するプログラムによってデュ
ーティソレノイド19へ指令すべきデューティ率を計算
し出力することによって後述する手順に従ってトルクコ
ンバータ1に内蔵するロックアップクラッチ7の締結力
制御を行う。
【0039】図4は変速の条件とともにロックアップ制
御を実施する条件を表したものである。領域より外か
ら領域に入った場合には、完全ロックアップ制御とし
てロックアップクラッチ7を完全締結するようにデュー
ティ率の最大値(例えば100%)を設定する。その後
領域またはにいる間は完全ロックアップ制御を継続
する。
【0040】また、領域より外から領域に入った場
合には、スリップ率制御としてロックアップクラッチ7
がスリップ状態になるように、後述するデューティ率の
決定方法によりデューティ率を最大値と最小値の間の適
切な値に設定する。その後領域またはにいる間はス
リップ率制御を継続する。
【0041】上記以外の条件ではロックアップクラッチ
を開放するようにデューティ率を最小値(例えば0%)
に設定する。作動の一例としてスロットル開度1/16
での発進加速について説明する。発進時にはロックアッ
プクラッチは開放している。
【0042】車速が上昇して16km/hに達すると1
速から2速への変速が行われる。この間、ロックアップ
クラッチは開放したままである。さらに車速が上昇して
20km/hに達するとロックアップクラッチ7を開放
状態からスリップ状態へ移行するスリップ制御が開始さ
れる。
【0043】車速が上昇して32km/h、45km/
hに達するとそれぞれ2速から3速、3速から4速へと
変速される。この間スリップ制御は継続される。さらに
65km/hを越えたときロックアップクラッチ7は完
全締結され完全ロックアップ制御が実行される。
【0044】次に制御コンピュータ20で実行されるロ
ックアップ制御について、図5のフローチャートに基づ
き説明する。ロックアップ制御においては、まず最初
に、ステップ210において、スリップ制御に必要なス
ロットル開度θ、車速V、エンジン回転数Ne、タービ
ン回転数Nt、アウトプット回転数No等が読み込まれ
る。次に、ステップ220へ進み、スロットル開度θと
車速Vからスリップ制御領域かどうかを判定する。
【0045】スリップ制御領域であると判定された場合
にはステップ230へ、完全ロックアップ領域であると
判定された場合は完全ロックアップ制御へ、ロックアッ
プ開放領域であると判定された場合にはロックアップ開
放制御へとそれぞれ進む。ステップ230では、変速中
かどうかを判定し、変速中の場合はステップ231へ、
変速中以外の場合はステップ600へと進む。変速中か
否かは、ライン圧が変速中の設定になっているか否かで
判定する。
【0046】続くステップ231では、変速中のライン
圧変化を補正するための変速中補正量が算出される。ス
テップ231での内容については図6を用いて後ほど詳
細に説明する。ステップ231に続くステップ240で
は、前回が変速中であったかどうかを判定する。前回変
速中でなかった場合にはステップ250へ、前回も変速
中であった場合にはステップ400へ進む。
【0047】ステップ250では、Ne/NoよりNe
No比を計算する。続くステップ260では、目標Ne
を算出する。目標Neは、現在のNoと、NeNo比と
の積により算出する。続くステップ270では、回転数
偏差を算出する。回転数偏差は実際のNeと目標Neの
差として算出する。続くステップ280では、現在の回
転数偏差の値、及び過去の値を用いて、PID演算によ
りデューティ指令値を算出する。なお、この実施例では
PID演算のコントローラを用いるが、伝達関数で構成
されるコントローラや回転数偏差に基づくマップ検索な
どの異なる演算方法であってもよいことはいうまでもな
い。
【0048】最後にステップ290へ進んで、デューテ
ィ指令値と変速中補正量の和をデューティソレノイド1
9へ出力する。その後はステップ210に戻る。前回も
変速中で今回も変速中であった場合は、ステップ240
が「YES」となり、ステップ400に進んで、イナー
シャ相中か否かを判定する。イナーシャ相中か否かは、
変速前の変速段でのギヤ比G1とアウトプット回転数N
oの積として求められる変速前タービン回転数Nt1
と、実際のタービン回転数Ntとに基づいて判定する。
具体的には、Nt<Nt1−n1よりも小さい場合には
イナーシャ相中と判定してステップ410へ進み、Nt
≧Nt1−n1の場合にはイナーシャ相中でないと判定
してステップ260へ進む。ここで、n1はノイズ等に
より誤判定するのを防止する目的で設定されており、例
えば500rpm程度に設定される。
【0049】ステップ410では、前回がイナーシャ相
中であったかどうかを判定する。そして、前回はイナー
シャ相中でなかったという場合にはステップ420へ進
み、前回もイナーシャ相中であったという場合にはステ
ップ500へ進む。ステップ420では、変速中の目標
Ne勾配を算出する。目標Ne勾配は以下の手順で算出
する。
【0050】まず、変速後のギヤ比G2とアウトプット
回転数Noの積として求められる変速後タービン回転数
Nt2を算出する。次にNt1−Nt2を変速中スリッ
プ移行目標時間tsで割った値を目標Ne勾配Nedと
する。この変速中スリップ移行目標時間tsは、イナー
シャ相にかかる時間よりも長くなるように2〜4秒程度
に設定される。
【0051】続くステップ430では、イナーシャ相開
始時の目標Neを算出する。目標Neは前回の目標Ne
から目標Ne勾配を引いた値にする。これにより、イナ
ーシャ相開始前と開始後とで目標Neの設定方法は変わ
っても値の連続性が保たれる。
【0052】なお、実際のNeから目標Ne勾配を引い
た値に設定するという方法もある。即ち、イナーシャ相
に入るとNtが低下し始め、Neもトルクコンバータの
逆特性により低下し始める。従って、イナーシャ相開始
を判定したときには、トルクコンバータの逆特性により
Neが目標Neからずれて低下していることが考えられ
る。このような場合には、目標Neの連続性よりも実際
のNeを優先して、実際のNeから目標Ne勾配を引い
た値にするのが有効である。
【0053】こうして目標Neが算出されたら、その後
ステップ270へ進む。一方、前回がイナーシャ相で、
今回もイナーシャ相であったという場合には、ステップ
500に進んで目標Ne追従制御を継続するか否かを判
定する。この判定は、Ntと目標スリップ量の和が目標
Neより大きい場合には、目標Ne追従制御終了と判定
してステップ600以下の目標スリップ量追従制御へ進
み、それ以外の場合には目標Ne追従制御を継続するた
めにステップ510へ進む。
【0054】ステップ510では目標Neを算出し、ス
テップ270へ進む。目標Neは、前回の目標Neから
目標Ne勾配を引いた値として算出する。ここで、目標
スリップ量はエンジントルクの振動等を遮断できるよう
に、50rpm程度に設定されている。
【0055】これに対して、目標スリップ量追従制御へ
移行すべきと判定された場合には、ステップ600にお
いてスリップ量を算出する。スリップ量は、Ne−Nt
として算出する。そして、ステップ610に進み、回転
数偏差として目標スリップ量とスリップ量の差を算出す
る。その後ステップ280へ進む。
【0056】次にステップ231での変速中補正量の算
出方法について図6のフローチャートにより説明する。
まず、ステップ2310にて変速中カウンタtの値を更
新する。変速中カウンタtの値は変速終了時にゼロクリ
アされ、このルーチンを通るごとに1ずつ加算される。
【0057】次に、ステップ2311にて変速中カウン
タの値に応じた処理の振り分けが行われる。具体的に
は、変速中カウンタtが1のときは、変速開始時の初期
設定のためにステップ2312へ進み、変速中カウンタ
tが1<t≦tfのときはステップ2312をパスして
ステップ2313へ進み、t>tfのときはステップ2
316へ進む。ここで、tfは、変速歯車機構30内で
の油路切換時に、油が満たされていない油路に油を充填
する間にライン圧が低下する時間であり、変速の種類や
メカの特性により予め経験的に設定される。だいたい4
0〜80msに相当する値に設定される。
【0058】t=1のとき実行されるステップ2312
では、前回のライン圧指令値、すなわち、変速開始直前
のライン圧指令値をライン圧基準値として記憶する。次
にステップ2313に進み、油路切換補正量として、所
定値D1fを設定する。この所定値D1fは、油路切換
時に油が満たされていない油路に油を充填する間のライ
ン圧低下の影響を、ロックアップ制御のためのデューテ
ィ指令値に相当する値に換算したものであり、メカの特
性や変速の種類に応じて予め経験的に設定された量であ
る。
【0059】次にステップ2314に進み、ライン圧指
令値補正量を算出する。このライン圧指令値補正量は、
ライン圧基準値から現在のライン圧指令値を減算した差
をK1倍した値に設定される。この係数K1は、ライン
圧指令値の変化の影響をロックアップ制御のデューティ
指令値に換算するための係数であり、メカの特性に応じ
て予め設定された値である。また、メカによっては、K
1のような係数のみでは換算できないことがあるので、
場合に応じて、むだ時間や伝達関数を用いるとよい。
【0060】次にステップ2315へ進み、油路切換補
正量とライン圧指令値補正量の和を変速中補正量として
算出し、図5のステップ240へ進む。また、変速中カ
ウンタがtfよりも大きい場合には、ステップ2311
からステップ2316に進み、油路切換補正量をゼロに
設定し、その後ステップ2314へ進む。
【0061】次に、本実施の形態の装置による作用効果
について、図7のタイミングチャートを用いて説明す
る。まず、スリップ制御開始と判定されると、図5のフ
ローチャートでいうとステップ600→610→280
→290と進む処理が実行され、デューティ率の初期値
を出力し、その後スリップ量を目標スリップ量まで近づ
けるために、スリップ量と目標スリップ量の偏差に基づ
いてデューティ率を変更する。このとき、目標スリップ
量は、エンジンのトルク振動を遮断し、かつ燃費を向上
するために30〜80rpm程度の値に設定されてい
る。
【0062】その後変速が開始すると、ステップ230
がYESになってステップ231以下の処理に移行す
る。これと並行して、変速油圧回路31により変速歯車
機構30内の油路切換や、変速制御の進行に伴うライン
圧指令値の変化によって、ライン圧が変化する。図にお
いて最初にライン圧が一旦低下しているのは、油路の切
換に伴うものである。即ち、それまで非係合状態にあっ
た摩擦係合要素を係合状態に変化させるために油路を切
り換えた直後は、当該油路が油圧=0の状態にあること
からライン圧が一旦低下するのである。そして、本実施
の形態では、当該油路に対して急速に作動油を充填でき
るように、変速開始初期にライン圧を最大に制御する充
填制御を実行しているので、このライン圧低下後にライ
ン圧の上昇が見られるのである。そして、この急速充填
を所定時間実施した後、ライン圧フィードバック制御が
実行されるようになっている。
【0063】本実施の形態では、この変速段切換に伴う
ライン圧の変化に対し、ステップ2312〜2316の
演算処理を実行することによって、ライン圧の変化を打
ち消す様にデューティソレノイド19への指令値を補正
している。具体的には、tfが経過するまでは、油路切
換補正量D1Fがステップ2313で算出され、これが
デューティソレノイド19に対すデューティ指令値に加
算されるので、図示の様に、tfの期間内は、大きめの
デューティ値が出力され、ライン圧の落ち込みを相殺す
る。
【0064】tf経過後は、ステップ2314にて算出
されたライン圧指令補正量がデューティ指令値に加算さ
れる。ここで、最初は、急速充填制御によってライン圧
指令値が増大されているので、この間は、デューティ指
令値は急速充填制御に伴うライン圧上昇分を相殺するよ
うに、減じた指令値として出力される。その後のフィー
ドバック制御期間においては、逆に、変速開始前のライ
ン圧指令値よりも低いライン圧指令値となっているの
で、この間は、デューティ指令値にライン圧低下分を相
殺する様に指令値が上乗せされることになる。
【0065】この結果、本実施の形態によれば、ロック
アップ制御が、変速制御に伴うライン圧の変動の影響を
受けることなく、エンジン回転数が安定した変化を行
う。なお、こうした補正を実施しないでロックアップク
ラッチ7の目標スリップ量と実スリップ量の偏差に基づ
く制御のみを行っていると、図8に示す様に、ライン圧
の変動に伴うエンジン回転数の変動を受けてデューティ
ソレノイド19へのデューティ指令が変更され、斜線部
に示すように絶えずスリップ量偏差が発生するためにス
リップ制御が安定しない。
【0066】以上説明した様に、本実施の形態によれ
ば、変速期間中のライン圧の変動を相殺する様にスリッ
プ制御のためのデューティ指令値を補正するので、安定
したスリップ制御が実現できる。 [実施の形態2]実施の形態1は、変速に伴うライン圧
の変更時に好適にスリップ制御を継続するためのもので
あるが、他の実施例としてスリップロックアップ制御全
体にライン圧の制御指令値を用いるシステムについて説
明する。メカや制御装置の構成は実施の形態1で用いて
いるものと同一であるので、その説明は省略し、制御内
容として異なる部分のみを説明する。
【0067】まず、どのような作用効果が発揮されるか
を、図9の油圧制御のタイミングチャートで説明する。
本実施の形態においては、スリップ制御指令と共に最初
に油圧保持制御を行う。
【0068】これは、所定時間THの間所定の油圧を出
力、保持する制御で、ロックアップクラッチ7を完全開
放の位置からスリップ制御ができる締結位置までストロ
ークさせるための制御である。この油圧保持制御におい
て設定する油圧値としては、ロックアップクラッチ7が
ストロークはできるがほとんど係合力を発生しないよう
な値を選ぶ。またその時間は、メカの形状によって決ま
り、制御を構成する前に予め決定することができる。
【0069】THは、上記設定油圧を印加し続けたとき
に、印加開始からエンジン回転数Neが低下し始める直
前の時刻までの時間とすればよい。あるいは、クラッチ
をストロークさせるのに使用する時間を予め定め、その
時間を満足するような油圧を予め実験によって求める方
法で設定してもよい。この場合設定時間は、トルクショ
ックの発生防止やクラッチの耐久性確保の観点から決定
できる。
【0070】なお、この油圧保持制御は、次の理由で挿
入している。クラッチがストロークする前からスリップ
量を目標値に追従させる制御を開始させても、クラッチ
がストロークし終わるまでの時間は、どんなに油圧を上
昇させてもエンジン回転数が変化しない。そのため、フ
ィードバック制御が油圧を上昇させ続け、クラッチがス
トロークを完了した時点で締結油圧が過大となり、急係
合によるトルクショツクを発生してしまうおそれがあ
る。そこで、メカの挙動が制御の目的に叶うように、ク
ラッチをストロークさせ、その間フィードバックの開始
を遅らせているのである。
【0071】次に、この油圧保持制御の終了と共に、実
際のスリップ量NS(=Ne−Nt)を目標スリップ量
NSrに追従させるフィードバック制御に移行する。こ
の制御では、同時並行して実行されているライン圧制御
指令値に比例して設定されるフィードフォワード分(図
9のハッチング部分)と、NSをNSrに追従させるた
めのフィードバック分とを足し合わせて、デューティ率
の指令値としている。なおこのフィードバック制御に
は、公知のPID制御などが利用できる。
【0072】図9では、時点Aにおいてスロットル開度
の変化等により、スリップ量の増大が認められるが、同
時にライン圧指令値にもステップ的な変化が現れ、結果
としてこのライン圧指令値に比例して求められるロック
アップ制御のデューティ率のフィードフォワード分もス
テップ的に上昇するので、スリップ量の増大が応答性よ
く抑制されている。
【0073】また、フィードフォワード分は常にライン
圧指令値に基づいて決定されているので、図8に示した
変速過渡時のように変速ショック低減のため、スロット
ル関度と無関係にライン圧制御を実施したとしても、そ
れにともなってフィードフォワード分が変更されるた
め、変速にともなって演算方法を変更する必要もなく、
図7と同様のロックアップ指令値が得られる。
【0074】以上述べたような制御を実現するためのプ
ログラムに付いて、図10のフローチャートを基に説明
する。制御コンピュータ20に電源が投入されてリセッ
ト状態から復帰すると、まず、ステップ1110におい
てロックアップ制御のモードを示すフラグ(Flag)
を0(=ロックアップ開放)に設定する。
【0075】次にステップ1120に進んで、車速V、
エンジン回転数Ne、コンバータ出力軸回転数Nt、ス
ロツトル開度θ、ライン圧制御指令値PLを読み込む。
その後ステップ1130に進んで、スリップ制御領域に
入っているか否かの判定を、図4の関係に基づいて行
う。
【0076】この判定でスリップ領域に入っていると判
断された場合には、ステップ1140に進んで、制御モ
ードフラグFlagの値が調査される。Flagの値が
0と判定されたときは、ステップ1150に進む。ここ
は、ロックアップクラッチ7が開放状態からスリップ制
御領域に初めて入った場合の処理である。本ステップで
は、まず油圧保持制御時間をカウントするタイマtの値
を0に初期化する。そして、ステップ1151で保持油
圧に相当するデューティ率の出力指令を行う。最後に、
ステップ1152で次回の制御ためにFlag=1にセ
ットして、ステップ1240に進む。
【0077】一方、ステップ1140でFlag=1と
判定されたときは、油圧保持制御の期間であって、ステ
ップ1160に進んで、まず保持油圧に相当するデュー
ティ率の出力指令を継続する。そしてステップ1161
に進み、タイマtの値をインクリメントする。その後ス
テップ1162でタイマの値が設定時間THと比較され
る。この比較でTH時間が経過したと判断された場合に
は、ステップ1163で次回の制御のために、Flag
=2にセットする。一方、まだTH時間が経過していな
い場合には、ステップ1163をパスする。なお、何れ
の場合にもその後ステップ1240に進む。
【0078】また、ステップ1140でFlag=2と
判定されたときは、ステップ1181以下に進んで、ス
リップ量フィードバック制御を実行する。即ち、図3に
示す関係または変速時などの制御指令値として、ステッ
プ1120で読み込まれたライン圧制御指令値PLに基
づいて、フィードフォワード分を算出する(ステップ1
181)。次に、実スリップ量NSと目標スリップ量N
Srとの差から、PID制御によるフィードバック分を
算出する(ステップ1182)。そして、フィードフォ
ワード分とフィードバック分との足し算によって、この
フィードバック制御によるデューティ率指令値を算出
し、出力指令する(ステップ1183,1184)。そ
の後ステップ1240に進む。
【0079】一方、ステップ130の判定で、スリップ
領域でないと判定された場合にはステップ1190に進
んで、完全締結領域に入っているか否かの判定が行われ
る。このステップ1190で完全締結領域に入っている
と判定された場合には、ステップ1200に進んでFl
ag=2とし、続いてステップ1210でロックアップ
クラッチを完全締結させるためのデューティ率を設定す
る。なおこの場合、徐々に油圧が変化するような制御を
加えてもよい。ここでも、その後ステップ1240に進
む。また、ステップ1190で完全締結領域でないと判
定された場合には、開放領域であることを意味する。こ
のとき、まずステップ1220でFlag=0とし、ス
テップ1230でロックアップクラッチを開放させるデ
ューティ率の設定を行う。なおこの場合にも、徐々に油
圧が変化するような制御を加えてもよい。ここでもその
後ステップ1240に進む。
【0080】以上のような各制御の実行後、ステップ1
240で、所定時間の経過を待って、ステップ1120
に戻る。これは、ステップ1120から1240までの
制御処理を一定の時間間隔で繰り返し実行させるための
処理で、その時間間隔は8〜32msec程度の値(本
実施の形態では16msec)に設定される。
【0081】以上述べたような制御処理を実行すること
で、実施の形態1と同様に、変速期間中のライン圧制御
の影響を相殺し、トルクショックの発生もなく、所定の
時間でトルクコンバータに併設されたロックアップクラ
ッチをスリップ制御領域に移行させることができる。 [まとめ]以上、本発明の実施の形態をいくつか説明し
てきたが、本発明はこれらに限らず、さらに種々なる態
様で実施できることはもちろんである。
【0082】例えば、実施の形態2における油圧保持制
御については、目標値を実際のエンジン回転数の変化に
所定期間追従させるなどフィードバックの目標値の設定
を工夫したり、メカの特性により係合開始時に油圧が過
大とならないようにフィードバックの制御ゲインが適切
に設定できたり、あるいはメカの形状でクラッチのスト
ロークに余り時間を必要としなかったりする場合には、
この油圧保持制御を省略してもよい。
【0083】また実施の形態2では、油圧保持制御の期
間を予め定めた所定時間の間実施するようにしたが、保
持時間をエンジン回転数Ne、コンバータ出力軸回転数
Ntを参照して、係合開始によるエンジン回転数Neの
低下を検出するまでの時間としてもよい。すなわちNt
がほぼ一定の勾配で増加しているときに、過去のNeの
値から現在のNeの値を外挿して求め、その値と現在の
実際のNeの値とを比較してその差が所定値(例えば2
0〜50rpm)となった時点として検出できる(図1
1参照)。
【0084】さらに、製品の個体差を考慮して、所定の
勾配で油圧を増加させる方法をとってもよい。つまり、
ストロークさせるのに必要な油圧を設定していても、個
体差によってより低い油圧になってしまった場合には、
その油圧ではストロークができない。このため、図11
に示した様なδNe分のエンジン回転数の落ち込みが検
知できず、油圧保持制御が終了できなくなる。それを防
ぐため、図12に示す様に、実線で示した様に、一定の
増圧勾配を採用したり、または破線で示した様に、時間
と共に増圧勾配を急にするなどの方法で締結油圧を増加
させて(換言すれば開放油圧を減少させて)、最初は低
い油圧でも時間とともに油圧が高くなってやがてクラッ
チがストロークできるようする方法としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態のシステムを示す概略構成図であ
る。
【図2】 実施の形態において使用する変速マップに相
当するグラフである。
【図3】 実施の形態において使用するライン圧指令値
決定用のマップに相当するグラフである。
【図4】 実施の形態において使用する変速マップに相
当し、特にロックアップ領域及びスリップ制御領域を記
入したグラフである。
【図5】 実施の形態1における制御処理の内容を示す
フローチャートである。
【図6】 実施の形態1における制御処理の内容の内、
変速中補正量の算出ルーチンの詳細な内容を示すフロー
チャートである。
【図7】 実施の形態1において実行される制御の内容
を示すタイミングチャートである。
【図8】 従来例による制御の内容を示すタイミングチ
ャートである。
【図9】 実施の形態2における制御処理の内容を示す
フローチャートである。
【図10】 実施の形態2において実行される制御の内
容を示すタイミングチャートである。
【図11】 変速初期の急速充填制御の手法を変えた変
形例の説明図である。
【図12】 変速初期の急速充填制御の手法を変えた変
形例の説明図である。
【符号の説明】
1・・・トルクコンバータ、2・・・コンバータ入力
軸、3・・・ケース、4・・・ポンプ、5・・・タービ
ン、6・・・ステータ、7・・・ロックアップクラッ
チ、8・・・コンバータ出力軸、9・・・メインライ
ン、10・・・ロックアップバルブ、11・・・コンバ
ータライン、12・・・空間、13・・・ロックアップ
開放ライン、14・・・チェック弁、15・・・オイル
クーラ、16・・・コンバータ出力ライン、17・・・
制御ライン17、18・・・ドレンライン、19・・・
デューティソレノイドバルブ、20・・・制御コンピュ
ータ、21・・・車速センサ、22・・・スロットルセ
ンサ、23・・・エンジン回転センサ、24・・・ター
ビン回転センサ、25・・・アウトプット回転センサ、
30・・・変速歯車機構、31・・・変速油圧回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧制御によってスリップ量を調整可能
    なロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、 該トルクコンバータの出力軸に接続され、油圧制御によ
    って変速比の設定・変更を行う変速機と、 該変速機及び前記ロックアップクラッチの両方に対し
    て、制御用のライン圧を供給するライン圧供給手段と、 車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 該運転状態検出手段の検出結果に応じた変速比となる様
    に、前記変速機におけるライン圧導入油路の切換及び/
    又は前記ライン圧自体の調整を実行する変速制御手段
    と、 前記運転状態検出手段の検出結果に応じた目標スリップ
    量となる様に、前記ロックアップクラッチの締結力に関
    する指令値を求め、該指令値に基づいて当該ロックアッ
    プクラッチの締結力を制御するスリップ制御手段とを備
    える自動変速機制御装置において、 前記スリップ制御手段は、前記ライン圧の変化に伴う前
    記ロックアップクラッチのスリップ量の変化を相殺する
    様に、前記締結力に関する指令値に前記ライン圧の変化
    を反映させる様に構成されていることを特徴とする自動
    変速機制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機制御装置にお
    いて、 前記スリップ制御手段を、前記締結力に関する指令値に
    補正値を加算又は減算することによって前記ライン圧の
    変化を相殺する手段として構成することを特徴とする自
    動変速機制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の自動変速機制御装置にお
    いて、 前記スリップ制御手段を、前記変速制御手段による油路
    の切換時のライン圧低下量に応じた所定値を前記補正値
    として所定時間の間で前記指令値に加算又は減算する手
    段として構成することを特徴とする自動変速機制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の自動変速機制御装
    置において、 前記スリップ制御手段を、前記変速制御手段によるライ
    ン圧指令値の変化量に比例する補正値を前記締結力に関
    する指令値に加算又は減算する手段として構成すること
    を特徴とする自動変速機制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の自動変速機制御装置にお
    いて、 前記スリップ制御手段を、前記ライン圧の大きさに比例
    したフィードフォワード値を前記締結力に関する指令値
    のベースとして用いることによって、前記ライン圧の変
    化を相殺する手段として構成することを特徴とする自動
    変速機制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の自動変速機制御装置にお
    いて、 前記スリップ制御手段が、ライン圧を検出する手段と、
    該検出されるライン圧に基づいて前記フィードフォワー
    ド値を決定する手段とを備えていることを特徴とする自
    動変速機制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の自動変速機制御装置にお
    いて、 前記ライン圧を検出する手段が、前記変速制御手段によ
    るライン圧指令値から前記ライン圧を検出する手段とし
    て構成されていることを特徴とする自動変速機制御装
    置。
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