JP3425709B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3425709B2
JP3425709B2 JP03355397A JP3355397A JP3425709B2 JP 3425709 B2 JP3425709 B2 JP 3425709B2 JP 03355397 A JP03355397 A JP 03355397A JP 3355397 A JP3355397 A JP 3355397A JP 3425709 B2 JP3425709 B2 JP 3425709B2
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機の変速制
御装置、特に、当該変速に当たって摩擦要素の作動液圧
を制御するためのアクチュエータが、指令値に対して作
動液圧特性のバラツキを持っていたり、当該特性が変化
しても、これを補正して所定の変速性能を維持できるよ
うにした変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、複数のクラッチや、ブレ
ーキ等の変速用摩擦要素を選択的に、作動液圧の上昇に
より締結させたり、作動液圧の低下により解放させるこ
とにより歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定
し、作動する摩擦要素を切り換えることにより他の変速
段への変速を行うよう構成する。なお以下では、当該変
速に際し締結状態から解放状態に切り換えるべき摩擦要
素を解放側摩擦要素、その作動液圧を解放側作動液圧と
称し、また、解放状態から締結状態に切り換えるべき摩
擦要素を締結側摩擦要素、その作動液圧を締結側作動液
圧と称する。
【0003】そして、上記摩擦要素に係わる作動液圧の
上昇、低下に際しては、コントローラからの指令値に応
動するアクチュエータでこれを行うことが考えられ、こ
の場合、図9に実線で例示する固有の動作特性を基にし
て以下の如くに作動液圧の上昇、低下制御を行うのが一
般的である。
【0004】つまり、摩擦要素の伝達トルクが同図にT
01で示すようなものであるとすると、摩擦要素の動作特
性からこれに必要な締結容量を発生させるための指令作
動液圧Pを求め、これに対応するデューティDを、図9
に実線で示すアクチュエータ動作特性から検索などによ
り求めてアクチュエータに出力する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、摩擦要素の
動作特性は左程大きなバラツキを持たないし、温度変化
による影響も受けないが、アクチュエータの指令値であ
るデューティDと作動液圧との関係を示す動作特性は、
例えば図9に1点鎖線で示すように、製品間で大きなバ
ラツキがあるし、温度変化によって変わるし、経時劣化
によっても変化する。
【0006】そして、アクチュエータ動作特性が図9に
1点鎖線で示すように異なることになった場合につき説
明すると、同じ指令デューティDに対しても、摩擦要素
の伝達可能なトルクがT02のように大きなものとなり、
摩擦要素の締結容量が過大になる。勿論、アクチュエー
タ動作特性が図9の1点鎖線とは逆の方向に異なる場合
は、摩擦要素の締結容量が過小となる。
【0007】上記のようにアクチュエータ動作特性がバ
ラツキを生じたり変化すると、トルクフェーズ中に摩擦
要素の締結容量が過大になったり、過小になったりす
る。ここでトルクフェーズ中に摩擦要素の締結容量が過
大になると、トルクフェーズ終了時、つまりイナーシャ
フェーズ開始時におけるトルクの引き込みが大きくな
り、変速ショックの点で不利になる。またトルクフェー
ズ中に摩擦要素の締結容量が逆に過小になると、トルク
フェーズ時間が長くなって引き込み感が大きく感じら
れ、運転者に違和感を与えるという問題を生ずる。
【0008】本発明は、アクチュエータの動作特性がバ
ラツキを生じたり変化しても、同じ指令値に対しては摩
擦要素の作動液圧を同じ値に制御するような補償を実現
可能にした自動変速機の変速制御装置を提案することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的のため請求項1
に記載された第1発明の変速制御装置は、複数の摩擦要
素のうち選択された摩擦要素を、コントローラからの指
令値に応動するアクチュエータによる作動液圧の低下で
解放させたり、該コントローラからの指令値に応動する
アクチュエータによる作動液圧の上昇で締結させること
により変速を行い、前記コントローラがアクチュエータ
への指令値を、アクチュエータ固有の予定の指令値・作
動液圧特性に基づき、摩擦要素の要求締結容量に対応す
る要求作動液圧に対応付けて決定するようにした自動変
速機において、前記変速中のイナーシャフェーズ開始時
における要求作動液圧と、該イナーシャフェーズ開始時
における前記アクチュエータへの指令値とが相互に対応
付けられるよう以下のごとくに上記予定の指令値・作動
液圧特性を修正する構成にしたものである。
【0010】つまり第1発明においては、上記予定の指
令値・作動液圧特性に係わる修正に際し、該予定の指令
値・作動液圧特性を、指令値および作動液圧がそれぞれ
量子化されて相互に対応付けられたマップとし、変速中
のイナーシャフェーズ開始時における作動液圧指令値P
を挟んでその前後における前記マップ上の作動液圧値P
1 ,P2 間における作動液圧指令値Pの内分比aと、該
イナーシャフェーズ開始時における摩擦要素の要求締結
容量に対応した要求作動液圧PAを挟んでその前後にお
ける前記マップ上の作動液圧値P3 ,P4 間における要
求作動液圧PA の内分比bと、イナーシャフェーズ開始
時におけるアクチュエータへの指令値Dを挟んでその前
後における前記マップ上の指令値D1 ,D2 と、前記マ
ップ上でイナーシャフェーズ開始時の要求作動液圧PA
に対応するアクチュエータへの指令値DA を挟んでその
前後におけるマップ上の指令値D3 ,D4 とを用いて、
上記予定の指令値・作動液圧特性に係わる修正を行うよ
う構成する。
【0011】また請求項2に記載された第2発明の変速
制御装置は、上記第1発明において、前記予定の指令値
・作動液圧特性に係わる修正を、パワーオン走行中にお
ける変速時に行うよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0012】更に請求項3に記載された第3発明の変速
制御装置は、第1発明または第2発明において、前記摩
擦要素の要求締結容量を、自動変速機の前段におけるト
ルクコンバータの入出力回転差から求めた変速機入力ト
ルクに基づき、該摩擦要素のトルク分担率を用いて演算
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0013】請求項4に記載された第4発明の変速制御
装置は、第1発明〜第3発明のいずれかにおいて、前記
指令値D3 ,D4 をそれぞれ、 D3 =〔1/(1−b)〕〔(1−a)・D1 +a・D2 −b・D4 〕 D4 =(1/b)〔(1−a)・D1 +a・D2 −(1−b)・D3 〕 により修正して更新することにより、前記予定の指令値
・作動液圧特性に係わる修正を行うよう構成したことを
特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】自動変速機は、複数の摩擦要素のうち選
択された摩擦要素を、コントローラからの指令値に応動
するアクチュエータによる作動液圧の低下で解放させた
り、該コントローラからの指令値に応動するアクチュエ
ータによる作動液圧の上昇で締結させることにより変速
を行う。
【0015】ここでコントローラはアクチュエータへの
指令値を、アクチュエータ固有の予定の指令値・作動液
圧特性に基づき、摩擦要素の要求締結容量に対応する要
求作動液圧に対応付けて決定する。
【0016】ところで第1発明においては、上記変速中
のイナーシャフェーズ開始時における摩擦要素の要求締
結容量に対応した要求作動液圧と、該イナーシャフェー
ズ開始時における前記アクチュエータへの指令値とが相
互に対応付けられるよう上記予定の指令値・作動液圧特
性を以下のごとくに修正する。つまり、該予定の指令値
・作動液圧特性を、指令値および作動液圧がそれぞれ量
子化されて相互に対応付けられたマップとし、変速中の
イナーシャフェーズ開始時における作動液圧指令値Pを
挟んでその前後における前記マップ上の作動液圧値P
1 ,P2 間における作動液圧指令値Pの内分比aと、該
イナーシャフェーズ開始時における摩擦要素の要求締結
容量に対応した要求作動液圧PAを挟んでその前後にお
ける前記マップ上の作動液圧値P3 ,P4 間における要
求作動液圧PA の内分比bと、イナーシャフェーズ開始
時におけるアクチュエータへの指令値Dを挟んでその前
後における前記マップ上の指令値D1 ,D2 と、前記マ
ップ上でイナーシャフェーズ開始時の要求作動液圧PA
に対応するアクチュエータへの指令値DA を挟んでその
前後におけるマップ上の指令値D3 ,D4 とを用いて、
上記予定の指令値・作動液圧特性に係わる修正を行う。
【0017】かかる指令値・作動液圧特性の修正によれ
ば、アクチュエータの動作特性がバラツキを生じたり変
化しても必ずや、イナーシャフェーズ開始時の要求作動
液圧と、同じくイナーシャフェーズ開始時におけるアク
チュエータへの指令値とが相互に対応付けられることと
なり、その結果、同じ指令値に対しては摩擦要素の作動
液圧が同じ値になるような補償を実現することができ
る。これがため、アクチュエータ動作特性がバラツキを
生じたり変化しても、トルクフェーズ中に摩擦要素の締
結容量が過大になったり、過小になったりすることがな
く、トルクフェーズ終了時における、つまりイナーシャ
フェーズ開始時におけるトルクの引き込みが大きくなっ
たり、トルクフェーズ時間が長くなるといった問題を解
消することができる。
【0018】しかも第1発明においては、上記予定の指
令値・作動液圧特性の修正に際し、前記した内分比a,
bと、前後指令値D1 ,D2 および指令値D3 ,D4
を用いて当該修正を行うことから、上記予定の指令値・
作動液圧特性が、指令値および作動液圧をそれぞれ量子
化して相互に対応付けたマップである場合においても、
上記の作用効果を確実に達成することができる。
【0019】第2発明においては、上記予定の指令値・
作動液圧特性に係わる修正を、パワーオン走行中におけ
る変速時に行うことから、前記イナーシャフェーズ開始
時における摩擦要素の要求締結容量を正確に求めること
ができて、これに対応した要求作動液圧を正確に求める
ことが可能となり、上記第1発明の作用効果を顕著なも
のにすることができる。
【0020】第3発明においては、上記摩擦要素の要求
締結容量を、自動変速機の前段におけるトルクコンバー
タの入出力回転差から求めた変速機入力トルクに基づ
き、該摩擦要素のトルク分担率を用いて演算することか
ら、摩擦要素の要求締結容量を容易に求めることができ
て、上記第1発明の作用効果を更に顕著なものにするこ
とができる。
【0021】第4発明においては、指令値D3 ,D4
それぞれ、 D3 =〔1/(1−b)〕〔(1−a)・D1 +a・D2 −b・D4 〕 D4 =(1/b)〔(1−a)・D1 +a・D2 −(1−b)・D3 〕 により修正して更新することにより、予定の指令値・作
動液圧特性を修正することから、以下の作用効果が奏し
得られる。
【0022】つまり、上記予定の指令値・作動液圧特性
が指令値および作動液圧をそれぞれ量子化して相互に対
応付けたマップである場合において、当該特性マップの
修正を数式により簡略に行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1(a)は本発明一実施の
形態になる自動変速機の変速制御装置を示し、同図
(b)は同自動変速機における摩擦要素の締結論理表で
ある。図1(a)において1はエンジン、2はトルクコ
ンバータ、3は自動変速機を示し、エンジン回転はトル
クコンバータ2を経て自動変速機の入力軸4に伝達する
ものとする。
【0024】自動変速機3は、基本的には日産自動車
(株)発行「RE4R01A型オートマチックトランス
ミッション整備要領書」(A261C07)に記載され
たと同様なものとし、同軸突き合わせ関係に配置した入
出力軸4,5上にフロントプラネタリギヤ組6およびリ
ヤプラネタリギヤ組7を載置して具える。そして、摩擦
要素としてフォワードクラッチF/C、ハイクラッチH
/C、バンドブレーキB/B、ローリバースブレーキL
R/B、ローワンウエイクラッチL/OWC、およびリ
バースクラッチR/Cを具え、これらを選択的に図1
(b)に○で示すように締結させることにより前進第1
速〜第4速と、後退の変速段を選択し得るものとする。
なお、ロークリバースブレーキLR/Bに関する(○)
は、第1速でエンジンブレーキが必要な時に締結させる
ことを示す。
【0025】また上記摩擦要素の選択的作動(締結)を
実行するために、自動変速機3のコントロールバルブ8
には、フォワードクラッチF/C用のデューティソレノ
イド9、ハイクラッチH/C用のデューティソレノイド
10、バンドブレーキB/B用のデューティソレノイド
11、ローリバースブレーキLR/B用のデューティソ
レノイド12、およびリバースクラッチR/C用のデュ
ーティソレノイド13を設け、これらにより対応する摩
擦要素の作動油圧を個々にデューティ制御することで図
1(a)の締結論理を実現すると共に、摩擦要素の作動
油圧を変速制御中において個々に過渡制御する。
【0026】ソレノイド9〜13のデューティ制御はコ
ントローラ14によりこれを行い、該コントローラに
は、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロ
ットル開度センサ16からの信号と、エンジン回転数N
e を検出するエンジン回転センサ17からの信号と、ト
ルクコンバータ2から自動変速機3への入力回転数Ni
を検出する入力回転センサ18からの信号と、変速機出
力回転数No を検出する出力回転センサ19からの信号
と、変速機作動油温Tを検出する油温センサ20からの
信号とを入力する。
【0027】コントローラ14は、上記した入力情報を
基に図2乃至図7の制御プログラムを実行し、自動変速
機3を以下のように変速制御するものとする。図2はメ
インルーチンで、先ずステップ21において、スロット
ル開度TVOおよび出力軸回転数No を読み込み、更に
出力軸回転数No から車速VSPを演算する。
【0028】次のステップ22においては、以下のよう
にして変速判断を行う。即ち、車速VSPおよびスロッ
トル開度TVOを基に、図示せざる予定の変速パターン
から、現在の運転状態に好適な変速段を求め、このよう
にして求めた好適変速段と、現在の選択変速段とが一致
していれば、当然変速を行わないこととして制御をその
まま終了する。しかして、現在の選択変速段が好適変速
段と異なれば、制御をステップ23に進めて変速指令を
発し、ここで好適変速段への変速を実現するために対応
する摩擦要素へ作動油圧を供給すべく、対応するデュー
ティソレノイド9〜13をデューティ制御する
【0029】ところで、本実施の形態においては当該変
速のうち、摩擦要素の掛け変えにより行う変速、つまり
或る摩擦要素を、対応するデューティソレノイドによる
作動液圧の低下により解放しつつ、他の摩擦要素を対応
するデューティソレノイドによる作動液圧の上昇により
締結させることで行う変速、特に、アクセルペダルの踏
み込みでエンジンから車輪側に動力伝達がなされている
パワーオン走行中におけるアップシフト変速を、一定周
期Δt=0.2秒毎の定時割り込みにより実行される図
3乃至図7の制御プログラムに沿って、図8に示すタイ
ムチャートのごとき解放側摩擦要素作動液圧Po および
締結側摩擦要素作動液圧PC の経時変化により実行する
ものとする。
【0030】図3は、図8の変速指令瞬時からt1 時間
中に行われる第1ステージに係る制御で、ステップ3
1において、当該第1ステージの開始を示すフラグf
1 を1にセットすることで、ステップ32が制御をステ
ップ33〜37に進めるようにする。ところで、これら
ステップ33〜37を含むループは、ステップ37でフ
ラグf1 が0にリセットされることから、1回のみ実行
されるものである。
【0031】ステップ33〜36のループを説明する
に、ステップ33では、タイマーtを0にリセットして
第1ステージの開始からの経過時間を計測可能にす
る。更に、第1ステージの制御時間t1 および図8に
例示した余裕時間相当の第2ステージに係る制御時間
2 を読み込むと共に、締結側摩擦要素のロスストロー
クを速やかに完遂させるためのプリチャージ指令圧Pb
を読み込む。ここで、第1ステージの制御時間t
1 は、プリチャージ指令圧Pb のもとで締結側摩擦要素
のロスストロークが完了するに要する時間とし、例えば
変速機作動油温Tごとに予め定めておく。また第2ステ
ージに係る制御時間t2 は、解放側摩擦要素の作動液
圧Po を低下させるに当たって、第1ステージ制御時間
1 のような短時間で当該低下を完了させようとする
と、解放側作動液圧Po の低下が急速に過ぎ、制御の終
了時にアンダーシュートを生ずることから、第1ステー
ジ制御時間t 1 に付加するアンダーシュート防止用の時
間として予め定めておく。
【0032】ステップ34では、エンジン回転数(トル
クコンバータ入力回転数)Ne および変速機入力軸回転
数(トルクコンバータT/Cの出力回転数)Ni と、ト
ルクコンバータT/Cの特性線図とから、トルクコンバ
ータT/Cのタービントルク(変速機入力トルク)Tt
を、以下により算出する。つまり、先ずトルクコンバー
タT/Cの速度比Ni /Ne を求め、これと、トルクコ
ンバータT/Cの特性線図とから、トルク比およびトル
ク容量係数を求め、これらトルク比およびトルク容量係
数を掛け合わせてタービントルク(変速機入力トルク)
t を算出する。
【0033】ステップ35では、上記タービントルク
(変速機入力トルク)Tt のもとで解放側摩擦要素を締
結ぎりぎりの状態にするのに必要な液圧P00(図8参
照)と、アンダーシュート防止用の液圧αとの和値Pa
を求める。
【0034】次のステップ36においては、変速指令か
ら、ステージおよびの制御時間和t1 +t2 =ta
が経過した時に丁度、解放側作動液圧Po を上記のPa
圧にするための解放側作動液圧Po の低下ランプ勾配Δ
1 を算出する。なお、次のステップ37においては、
上述したように前記のフラグf1 をリセットする。
【0035】以後は、フラグf1 のリセットによりステ
ップ32が制御をステップ38〜40に進める。ステッ
プ38では、タイマーtをインクリメントにより当該制
御プログラムの演算サイクルΔtづつ進め、第1ステー
ジの開始からの経過時間を計測する。次のステップ3
9においては、解放側作動液圧指令値Po をステップ3
6におけるΔP1 づつ低下させ、締結側作動液圧指令値
C をステップ33におけるプリチャージ指令圧Pb
する。かかる作動液圧制御は、ステップ40でタイマー
tが第1ステージ制御時間t1 の経過を示すに至ったと
判別するまで継続する。
【0036】なお、かようにΔP1 づつ低下させた解放
側作動液圧指令値Po 、およびプリチャージ指令圧Pb
に設定した締結側作動液圧指令値PC を実現するに際し
ては、対応するデューティソレノイドの予定の指令値
(デューティ)・作動液圧特性を、図9に例示したよう
に指令値(デューティ)がD1 ,D2 ,D3 ・・・の如
くに量子化され、作動液圧もP1 ,P2 ,P3 ・・・の
如くに量子化されて、D 1 とP1 とが対応付けられ、D
2 とP2 とが対応付けられ、D3 とP3 とが対応付けら
れたマップとしてメモリしておき、当該マップから、上
記の如くに定めた解放側作動液圧指令値Po および締結
側作動液圧指令値PC にそれぞれ対応するデューティを
検索および周知の線形補間により求め、これらを上記対
応するデューティソレノイドに指令することで、上記の
解放側作動液圧指令値Po および締結側作動液圧指令値
C を達成するものとする。
【0037】よって図8に示すように、変速指令から第
1ステージ制御時間t1 中、解放側作動液圧指令値Po
はΔP1 のランプ勾配で低下され、締結側作動液圧指令
値P C はプリチャージ指令圧Pb に保たれて、締結側摩
擦要素のロスストロークを理論上、第1ステージ制御時
間t1 の終了瞬時に完遂させ得る。
【0038】ステップ40で、タイマーtが第1ステー
ジ制御時間t1 の経過を示すに至ったと判別したとき、
制御はステップ42に進み、第2ステージを開始す
る。この第2ステージの制御は、図4に示すごときも
ので、ステップ51において、当該第2ステージの開
始を示すフラグf2 を1にセットすることで、ステップ
52が制御をステップ53〜55に進めるようにする。
ところで、これらステップ53〜55を含むループは、
ステップ55でフラグf2 が0にリセットされることか
ら、1回のみ実行されるものである。
【0039】ステップ53〜55のループを説明する
に、ステップ53では、タイマーtを0にリセットして
第2ステージの開始からの経過時間を計測可能にす
る。更に、第2ステージに係る制御時間t2 および締
結側摩擦要素のロスストローク終了時におけるリターン
スプリング相当圧Pd を読み込む。ここで、第2ステー
ジの制御時間t2 は、ステップ33において前記した
ごとくアンダーシュート防止用に第1ステージ制御時間
1 に付加すべき余裕時間であり、リターンスプリング
相当圧Pd は、締結側摩擦要素をロスストローク終了状
態にするのに必要な締結側作動液圧PC の値である。
【0040】ステップ54では、ステップ36において
算出した解放側作動液圧Po の低下ランプ勾配ΔP1
読み込み、ステップ55では、前記したようにフラグf
2 をリセットする。
【0041】以後は、フラグf2 のリセットによりステ
ップ52が制御をステップ56〜58に進める。ステッ
プ56では、タイマーtをインクリメントにより当該制
御プログラムの演算サイクルΔtづつ進め、第2ステー
ジの開始からの経過時間を計測する。次のステップ5
7においては、解放側作動液圧指令値Po をステップ5
4におけるΔP1 づつ低下させ、締結側作動液圧指令値
C をステップ53におけるリターンスプリング相当圧
d にする。かかる作動液圧制御は、ステップ58でタ
イマーtが第2ステージ制御時間t2 の経過を示すに至
ったと判別するまで継続する。
【0042】なお、かようにΔP1 づつ低下させた解放
側作動液圧指令値Po 、およびリターンスプリング相当
圧Pd に設定した締結側作動液圧指令値PC を実現する
に際しても前記したと同じく、前記アクチュエータ動作
特性に係わるマップから、解放側作動液圧指令値Po
よび締結側作動液圧指令値PC にそれぞれ対応するデュ
ーティを検索および周知の線形補間により求め、これら
を対応するデューティソレノイドに指令することで、解
放側作動液圧指令値Po および締結側作動液圧指令値P
C を達成するものとする。
【0043】よって図8に示すように、第1ステージ
の終了瞬時から第2ステージ制御時間t2 中、解放側作
動液圧指令値Po は第1ステージに引き続いてΔP1
のランプ勾配で低下され、第2ステージの終了瞬時に
丁度、前記したPa 圧となり、また締結側作動液圧指令
値PC はリターンスプリング相当圧Pd に保たれて、締
結側摩擦要素をロスストローク終了状態に保持する。
【0044】ステップ58で、タイマーtが第2ステー
ジ制御時間t2 の経過を示すに至ったと判別したとき、
制御はステップ59に進み、第3ステージを開始す
る。この第3ステージの制御は、図5に示すごときも
ので、ステップ61において、当該第3ステージの開
始を示すフラグf3 を1にセットすることで、ステップ
62が制御をステップ63〜64に進めるようにする。
ところで、これらステップ63〜64を含むループは、
ステップ64でフラグf3 が0にリセットされることか
ら、1回のみ実行されるものである。
【0045】ステップ63〜64のループを説明する
に、ステップ63では、タイマーtを0にリセットして
第3ステージの開始からの経過時間を計測可能にす
る。更に、第3ステージの制御時間t3 を読み込み、
この制御時間t3 は、第1ステージでのプリチャージ
による締結側作動液圧PC の実際の上昇が最も遅れた場
合でも、締結側摩擦要素が確実にロスストロークを終了
しているような瞬時を狙って予め定めておくものとす
る。
【0046】ステップ63では更に、解放側作動液圧指
令値Po を第3ステージ制御時間t 3 中に、第3ステー
ジの開始時における値Pa から前記余裕圧αだけ低下
させて前記の締結必要液圧P00にするための解放側作動
液圧のランプ勾配ΔP2 を算出し、また、ステップ53
における締結側摩擦要素のリターンスプリング相当圧P
d を読み込む。
【0047】ステップ64では、前記したようにフラグ
3 をリセットし、これにより以後は、ステップ62が
制御をステップ65〜67に進める。ステップ65で
は、タイマーtをインクリメントにより当該制御プログ
ラムの演算サイクルΔtづつ進め、第3ステージの開
始からの経過時間を計測する。次のステップ66におい
ては、解放側作動液圧指令値Po をステップ63におけ
るΔP2 づつ低下させ、締結側作動液圧指令値PC をス
テップ63におけるリターンスプリング相当圧Pd にす
る。かかる作動液圧制御は、ステップ67でタイマーt
が第3ステージ制御時間t 3 の経過を示すに至ったと判
別するまで継続する。
【0048】なお、かようにΔP2 づつ低下させた解放
側作動液圧指令値Po 、およびリターンスプリング相当
圧Pd に設定した締結側作動液圧指令値PC を実現する
に際しても前記したと同様、前記アクチュエータ動作特
性に係わるマップから、これら解放側作動液圧指令値P
o および締結側作動液圧指令値PC にそれぞれ対応する
デューティを検索および周知の線形補間により求め、こ
れらを対応するデューティソレノイドに指令すること
で、解放側作動液圧指令値Po および締結側作動液圧指
令値PC を達成するものとする。
【0049】よって図8に示すように、第2ステージ
の終了瞬時から第3ステージ制御時間t3 中、解放側作
動液圧指令値Po はPa 値からΔP2 のランプ勾配でα
だけ低下され、締結必要液圧P00となり、第3ステージ
の終了瞬時に丁度、解放側摩擦要素は締結ぎりぎりの
状態に締結力を低下される。他方で締結側作動液圧指令
値PC はリターンスプリング相当圧Pd に保たれて、締
結側摩擦要素をロスストローク終了状態に保持する。こ
れら摩擦要素の作動液圧制御により、第3ステージの
終了瞬時にトルクフェーズを開始させ得ることとなる。
【0050】ステップ67で、タイマーtが第3ステー
ジ制御時間t3 の経過を示すに至ったと判別したとき、
制御はステップ68に進み、第4ステージを開始す
る。この第4ステージの制御は、図6に示すごときも
ので、ステップ71において、当該第4ステージの開
始を示すフラグf4 を1にセットすることで、ステップ
72が制御をステップ73〜75に進めるようにする。
ところで、これらステップ73〜75を含むループは、
ステップ75でフラグf4 が0にリセットされることか
ら、1回のみ実行されるものである。
【0051】ステップ73〜75のループを説明する
に、ステップ73では、タイマーtを0にリセットして
第4ステージの開始からの経過時間(トルクフェーズ
時間)を計測可能にする。更に、第4ステージの制御
時間t4 を読み込み、この制御時間t4 は、何らかの原
因でトルクフェーズが終了し得なくなった時でも、第4
ステージの開始からt4 時間が経過したら、トルクフ
ェーズを強制的に終了させて、イナーシャフェーズを開
始させるために設定した、所謂フェールセーフ用の時間
として予め定めておくものとする。
【0052】ステップ73では更に、締結側作動液圧指
令値PC の第4ステージにおける上昇変化割合である
ランプ勾配ΔPC を読み込み、このランプ勾配ΔP
C は、後述のようにトルクフェーズ時間が好適な時間と
なるよう学習制御により適宜修正するものとする。ステ
ップ73では更に、トルクフェーズの終了、従ってイナ
ーシャフェーズの開始を判断するための設定ギヤ比g
rtrgを読み込む。この設定ギヤ比grtrgは、図8に示す
ように変速前ギヤ比から変速後ギヤ比側へ僅かにずれた
ギヤ比に定め、変速の種類ごとに予め定めておくものと
する。
【0053】ステップ74では、当該トルクフェーズ
中、解放側作動液圧指令値Po を後述の如くにして算出
するに際し用いる制御定数、つまり比例制御定数Kp
積分制御定数Ki 、および微分制御定数Kd をそれぞれ
読み込む。ここで比例制御定数Kp および微分制御定数
d は予め定めた固定値とするが、積分制御定数K
i は、後述のようにトルクフェーズ時間が好適な時間と
なるよう学習制御により適宜修正するものとする。
【0054】ステップ75では、前記したようにフラグ
4 をリセットし、これにより以後は、ステップ72が
制御をステップ76〜81に進める。ステップ76で
は、タイマーtをインクリメントにより当該制御プログ
ラムの演算サイクルΔtづつ進め、第4ステージの開
始からの経過時間、つまりトルクフェーズ時間を計測す
る。
【0055】ステップ77では、変速機の入力軸回転数
i および出力軸回転数No を読み込み、ステップ78
では、これら入力出軸回転数Ni ,No から変速比の実
効ギヤ比gr をgr =Ni /No により算出する。そし
て次のステップ79では、当該ギヤ比gr と、1回前の
r1と、2回前のgr2と、図8に示すように変速前ギヤ
比よりも若干高めに設定した目標ギヤ比g r0とから、ト
ルクフェーズ中にギヤ比gr を当該目標ギヤ比gr0に保
つのに必要な解放側作動液圧指令値Po の1演算サイク
ル当たりの操作量ΔPg (正が増大、負が低下を表す)
を、次式のPID演算により求める。 ΔPg =Kp (gr −gr1)+Ki (gr0−gr ) +Kd (gr −2gr1+gr2)・・・(1)
【0056】次のステップ80においては、解放側作動
液圧指令値Po をステップ79におけるΔPg の加算に
より当該ΔPg だけ増減させ、締結側作動液圧指令値P
C をステップ73におけるランプ勾配ΔPC で上昇させ
る。かかる作動液圧制御は、ステップ81で、ギヤ比g
r がステップ73におけるgrtrgまで低下したと判定す
る、図8のイナーシャフェーズ開始瞬時、若しくはステ
ップ82でタイマーtが、前記したようにフェールセー
フ用に設定したトルクフェーズ強制終了時間t4 の経過
を示すに至ったと判別するまで継続する。
【0057】なお、かようにΔPg だけ増減させた解放
側作動液圧指令値Po 、およびΔP C づつ上昇するよう
設定した締結側作動液圧指令値PC を実現するに際して
は、前記したアクチュエータ動作特性に係わるマップか
ら、これら解放側作動液圧指令値Po および締結側作動
液圧指令値PC にそれぞれ対応するデューティを検索お
よび周知の線形補間により求め、これらを対応するデュ
ーティソレノイドに指令することで、解放側作動液圧指
令値Po および締結側作動液圧指令値PC を達成するも
のとする。
【0058】よって図8に示すように、第3ステージ
の終了瞬時からイナーシャフェーズが開始されるまでの
トルクフェーズ中、締結側作動液圧指令値PC はΔPC
のランプ勾配で上昇し、他方で解放側作動液圧指令値P
o はP00値から、ギヤ比grを目標ギヤ比gr0に保つよ
うフィードバック制御下に低下され、これらの液圧制御
による締結側摩擦要素と解放側摩擦要素の掛け替えでト
ルクフェーズが完了し、イナーシャフェーズが開始され
る。
【0059】ステップ81でトルクフェーズの終了を判
別した場合は、ステップ83において、締結側作動液圧
のランプ勾配ΔPC および積分制御定数Ki をトルクフ
ェーズ時間が好適なものとなるよう学習制御した後、ス
テップ84でステージを開始する。また、何時までも
トルクフェーズが終了しないことで、ステップ82にお
いて、タイマーtがt4 時間を計測するに至ったと判断
する場合は、上記の学習制御が不正確になることから、
ステップ83をスキップして、ステップ84でのステー
ジを開始させる。
【0060】ステップ84でのステージは図7に示す
ように、当該ステージの開始瞬時であるイナーシャフ
ェーズ開始時において、本発明が狙いとする前記アクチ
ュエータ動作特性に係わるマップの特性変化に呼応した
修正を行うと共に、イナーシャフェーズ中における解放
側作動液圧指令値Po および締結側作動液圧指令値P C
の制御を行うものである。
【0061】先ず、前者の特性マップ修正操作を説明す
るが、それに先立って当該修正操作の原理を解説する。
図8のイナーシャフェーズ開始瞬時における締結側作動
液圧指令値PC の瞬時値が、図9のアクチュエータ動作
特性マップ上にPで示すごときものであり、従ってアク
チュエータ15への指令値(デューティ)が同じく図9
にDに示すごときものであるにもかかわらず、実際に当
該イナーシャフェーズの開始を生起させた(ギヤ比gr
をイナーシャフェーズ開始判定ギヤ比grtrgまで低下さ
せた)締結側作動液圧の実際値が図8および図9にPA
で示すごときものである場合につき説明すると、図9の
マップ上における量子化されたP,Dの前後値はそれぞ
れ、P1 ,P2およびD1 ,D2 であり、またPA の前
後値はP3 ,P4 であり、更にPA に対応したデューテ
ィDA の前後値はD3 ,D4 である。
【0062】ここで、P1 ,P2 間におけるPの内分比
(P−P1 )/(P2 −P1 )をaとし、P3 ,P4
におけるPA の内分比(PA −P3 )/(P4 −P3
をbとすると、P,D,PA ,DA はそれぞれ次式で表
される。 P=(1−a)P1 +a・P2 ・・・・(2) D=(1−a)D1 +a・D2 ・・・・(3) PA =(1−b)P3 +b・P4 ・・・(4) DA =(1−b)D3 +b・D4 ・・・(5)
【0063】上記の現象においては、イナーシャフェー
ズ開始時の指令値Dに対して実際は作動液圧がPA が出
力されていることから、この指令値Dと作動液圧PA
が対応付けられるようにアクチュエータ動作特性のマッ
プを修正すれば、次回の変速制御に当たってDとPA
関係を利用できるようになり、狙った通りの変速制御を
実現することができることが判る。
【0064】かようにDとPA の関係を利用できるよう
にするためには、PA を算出するときに用いるD3 ,D
4 を修正する必要がある。ところでDA の値がDになる
ためには、(1−a)D1 +a・D2 =(1−b)D3
+b・D4 の条件が満たされるべきであり、この式から
3 ,D4 の修正値はそれぞれ、 D3 =〔1/(1−b)〕〔(1−a)・D1 +a・D2 −b・D4 〕 ・・・(6) D4 =(1/b)〔(1−a)・D1 +a・D2 −(1−b)・D3 〕 ・・・(7) で表され、D3 ,D4 をこれらの演算により算出された
修正値に更新することとする。但し、上記2式の右辺に
おけるD4 ,D3 はそれぞれ、更新前のマップ値であ
る。
【0065】図7の特性マップ修正操作を説明するに、
先ずステップ91において、図9のアクチュエータの動
作特性マップから、イナーシャフェーズ開始瞬時におけ
る締結側摩擦要素の作動液圧指令値Pおよびデューティ
Dの前後値P1 ,P2 およびD1 ,D2 を検索する。
【0066】次いでステップ92において、当該作動液
圧指令値Pに対応するデューティDをアクチュエータ1
5に出力し、イナーシャフェーズ開始時における締結側
摩擦要素指令圧Pc をPにする制御を行う。
【0067】次のステップ93においては、P1 ,P2
間におけるPの内分比(P−P1 )/(P2 −P1 )=
aを求め、更にステップ94では、図3のステップ34
におけると同様にして求めたイナーシャフェーズ開始時
のタービントルク(変速機入力トルク)Tt と、締結側
摩擦要素のトルク分担率を1とを用い、締結側摩擦要素
の伝達トルクを求めて該要素の要求締結容量を推定し、
この要求締結容量を発生させるための締結側摩擦要素の
作動液圧PA を求める。この作動液圧PA は、図8に示
すようにギヤ比gr をイナーシャフェーズ開始判定ギヤ
比grtrgまで低下させて実際にイナーシャフェーズの開
始を生起させるための圧力で、イナーシャフェーズ開始
時おける締結側摩擦要素の実際圧を表すものである。
【0068】次のステップ95においては、図9のアク
チュエータの動作特性マップから、イナーシャフェーズ
開始瞬時における締結側摩擦要素の作動液圧実際値PA
およびこれに対応したデューティDA の前後値P3 ,P
4 およびD3 ,D4 を検索し、ステップ96では、これ
らP3 ,P4 間における作動液圧実際値PA A の内分
比(PA −P3 )/(P4 −P3 )=bを算出する。
【0069】更にステップ97において、前記(6)
式、(7)式の演算によりD3 ,D4の修正値を求め、
マップ内におけるD3 ,D4 をこれらの演算により算出
された修正値に更新する。よって、次回からの変速に際
しては図8のイナーシャフェーズ開始までの間におい
て、当該修正されたD3 ,D4 を基に締結側摩擦要素の
作動液圧要求値に対するデューティソレノイドへの指令
値(デューティ)が検索および線形補間により求められ
ることとなる。
【0070】しかして本実施の形態によれば、イナーシ
ャフェーズ開始時における締結側摩擦要素の伝達トルク
に対応した要求作動液圧PA を求め、このイナーシャフ
ェーズ開始時における要求作動液圧PA と、イナーシャ
フェーズ開始時におけるデューティソレノイドへの指令
値(デューティD)とが相互に対応付けられるようアク
チュエータの動作特性を修正することから、アクチュエ
ータの動作特性がバラツキを生じたり変化しても必ず
や、締結側摩擦要素の要求作動液圧と、アクチュエータ
への指令値とが相互に対応付けられることとなり、その
結果、アクチュエータ動作特性がバラツキを生じたり変
化しても、トルクフェーズ中に摩擦要素の締結容量が過
大になったり、過小になったりすることがなく、トルク
フェーズ終了時、つまりイナーシャフェーズ開始時にお
けるトルクの引き込みが大きくなったり、トルクフェー
ズ時間が長くなるといった問題を解消することができ
る。
【0071】しかも、アクチュエータ動作特性に係わる
修正を、パワーオン走行中におけるアップシフト変速時
に行うことから、イナーシャフェーズ開始時における締
結側摩擦要素の伝達トルク、従って要求締結容量を正確
に求めることができ、当該締結側摩擦要素の要求作動液
圧を正確に求めることが可能となり、上記アクチュエー
タ動作特性の修正を一層正確に行うことができる。
【0072】更に本実施の形態においいては、締結側摩
擦要素の伝達トルクを、自動変速機の前段におけるトル
クコンバータT/Cの入出力回転差から求めた変速機入
力トルクに基づき、該締結側摩擦要素摩擦要素のトルク
分担率を用いて演算することから、締結側摩擦要素の要
求締結容量、従って要求作動液圧を容易に求めることが
できて、上記アクチュエータ動作特性の修正を容易に行
うことができる。
【0073】最後に図7のステップ98においては、図
8のイナーシャフェーズ期間に相当するステージにお
いて要求される解放側作動液圧指令値Po および締結側
作動液圧指令値PC の周知の制御を行う。制御内容を特
には図示しなかったが、当該イナーシャフェーズの開始
と同時に、解放側作動液圧指令値Po を0にし、締結側
作動液圧指令値PC を、イナーシャフェーズ中にギヤ比
r が前記grtrgから変速後ギヤ比に向け滑らかに変化
するようフィードバック制御する。この制御は図8に示
すように、ギヤ比gr が変速後ギヤ比に達する変速終了
検出時に終了させ、当該変速終了検出時に締結側作動液
圧指令値PC を元圧まで一気に上昇させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明一実施の形態になる自動変速
機の変速制御装置を示す全体システム図、(b)は、同
自動変速機における摩擦要素の締結論理と選択変速段と
の関係を示す図面である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが実行すべ
き変速判断プログラムのメインルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図3】同変速判断で変速指令が出された場合に実行す
べき変速制御に係わる第1ステージのサブルーチンを示
すフローチャートである。
【図4】同変速制御に係わる第2ステージのサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図5】同変速制御に係わる第3ステージのサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図6】同変速制御に係わる第4ステージのサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図7】同変速制御に係わる第5ステージのサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図8】同変速制御による締結側作動液圧指令値および
解放側作動液圧指令値の経時変化を示す動作タイムチャ
ートである。
【図9】締結側作動液圧指令値と、アクチュエータへの
デューティ指令値および摩擦要素の伝達トルクとの関係
を示す線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 自動変速機 4 変速機入力軸 5 変速機出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ 9 デューティソレノイド(アクチュエータ) 10 デューティソレノイド(アクチュエータ) 11 デューティソレノイド(アクチュエータ) 12 デューティソレノイド(アクチュエータ) 13 デューティソレノイド(アクチュエータ) 14 コントローラ 16 スロットル開度センサ 17 エンジン回転センサ 18 入力回転センサ 19 出力回転センサ 20 油温センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−133457(JP,A) 特開 平5−340470(JP,A) 実開 昭62−71032(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦要素のうち選択された摩擦要
    素を、コントローラからの指令値に応動するアクチュエ
    ータによる作動液圧の低下で解放させたり、該コントロ
    ーラからの指令値に応動するアクチュエータによる作動
    液圧の上昇で締結させることにより変速を行い、 前記コントローラがアクチュエータへの指令値を、アク
    チュエータ固有の予定の指令値・作動液圧特性に基づ
    き、摩擦要素の要求締結容量に対応する要求作動液圧に
    対応付けて決定するようにした自動変速機において、前記予定の指令値・作動液圧特性を、指令値および作動
    液圧がそれぞれ量子化されて相互に対応付けられたマッ
    プとし、 前記変速中のイナーシャフェーズ開始時における作動液
    圧指令値Pを挟んでその前後における前記マップ上の作
    動液圧値P 1 ,P 2 間における作動液圧指令値Pの内分
    比aと、 イナーシャフェーズ開始時における摩擦要素の要求締
    結容量に対応した要求作動液圧 A を挟んでその前後に
    おける前記マップ上の作動液圧値P 3 ,P 4 間における
    要求作動液圧P A の内分比bと、 イナーシャフェーズ開始時におけるアクチュエータへの
    指令値Dを挟んでその前後における前記マップ上の指令
    値D 1 ,D 2 と、 前記マップ上でイナーシャフェーズ開始時の要求作動液
    圧P A に対応するアクチュエータへの指令値D A を挟ん
    でその前後におけるマップ上の指令値D 3 ,D 4 とを用
    いて、 イナーシャフェーズ開始時における要求作動液圧
    と、該イナーシャフェーズ開始時における前記アクチ
    ュエータへの指令値とが相互に対応付けられるよう前記
    予定の指令値・作動液圧特性を修正する構成にしたこと
    を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記予定の指令値・
    作動液圧特性に係わる修正を、パワーオン走行中におけ
    る変速時に行うよう構成したことを特徴とする自動変速
    機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記摩擦要
    素の要求締結容量を、自動変速機の前段におけるトルク
    コンバータの入出力回転差から求めた変速機入力トルク
    に基づき、該摩擦要素のトルク分担率を用いて演算する
    よう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記指令値D 3 ,D 4 をそれぞれ、 3 =〔1/(1−b)〕〔(1−a)・D 1 +a・D 2 −b・D 4 4 =(1/b)〔(1−a)・D 1 +a・D 2 −(1−b)・D 3 により修正して更新することにより、前記予定の指令値
    ・作動液圧特性に係わる修正を行うよう 構成したことを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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