JP2003182408A5 - - Google Patents

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特にアップシフト時における開放側クラッチまたはブレーキの滑り制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車等の変速機として、自動変速機が広く利用されている。この自動変速機では、エンジン等の原動機の駆動軸を入力としてトルクコンバータのタービンを回転させ、タービン軸に連結された遊星歯車装置により所定の変速比に変速して出力軸に伝達する。そして、この遊星歯車装置の運動を規定するためにタービン軸と出力軸の間には、複数のクラッチまたはブレーキの摩擦係合装置が設けられており、これらの摩擦係合装置のうち、どの摩擦係合装置を係合するかで変速比を切り換えている。通常は、入力軸回転速度及びアクセル踏み込み量に応じて、係合させる摩擦係合装置を切り換え、変速比を切り換えている。
【0003】
ここで、変速動作の際には、係合状態にある開放側係合装置を開放し、選択された開放状態にある係合側係合装置を係合させる。これらの係合装置の締結力は油圧で制御され、開放側係合装置に供給する油圧を徐々に減少させ、かつ係合側係合装置に供給する油圧を徐々に増加させることによって変速動作を行う。その際に、開放側係合装置に供給する油圧の減少タイミングに比べて係合側係合装置に供給する油圧の増加タイミングが遅いと、入力トルクが開放側係合装置及び係合側係合装置のトルク伝達容量より大きくなり、タービン回転速度が吹き上がってしまう。一方、開放側係合装置に供給する油圧の減少タイミングに比べて係合側係合装置に供給する油圧の増加タイミングが早いと、開放側係合装置及び係合側係合装置の伝達トルクが入力トルクより大きくなり、タービン回転速度が落ち込むことになる。これによって、変速ショックが発生する。
【0004】
そこで、この変速ショックを抑制するために、イナーシャ相制御開始の前に開放側係合装置を所定量だけ滑らせておく技術が提案されている。開放側係合装置を所定量だけ滑らせておくことにより、係合側係合装置に供給する油圧の増加タイミングが早い場合でも、開放側係合装置の滑りで吸収させて変速ショックの抑制を図っている。
【0005】
特開2000−97324号公報には、アップシフト時における開放側係合装置の滑り制御を、開放側係合装置及び係合側係合装置に供給する油圧を制御することで行う自動変速機の制御装置が開示されている。この従来の自動変速機の制御装置においては、開放側及び係合側どちらか一方の係合装置、例えば係合側係合装置に供給する油圧を所定のパターンに従って増加させていく。その場合に、開放側係合装置に所定の滑り量が発生するための目標タービン回転速度を設定し、目標タービン回転速度と変速モデルに基づいて開放側係合装置に供給する油圧を制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の自動変速機の制御装置においては、開放側係合装置の滑り制御を油圧で行っているため、例えばタービントルクの変動や開放側係合装置の動摩擦係数の変化等の外乱が発生した場合の目標値に対する滑り量の応答性及び精度が悪く、変速ショックの十分な改善効果が得られなかったり、変速動作に必要な時間が長くなってしまうという課題があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、変速動作時の開放側係合装置の滑り制御の応答性及び精度を改善し、変速ショックの改善及び変速動作時間の短縮を実現する自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1の本発明に係る自動変速機の制御装置は、原動機の駆動トルクが伝達される入力軸と、負荷に駆動トルクを伝達する出力軸と、入力軸と出力軸との間に設けられた複数の摩擦係合装置と、を有し、この複数の摩擦係合装置の中から係合状態にある開放側係合装置を開放させかつ開放状態にある係合側係合装置を係合させることで、変速動作を行う自動変速機を制御する装置であって、変速動作時に前記原動機の駆動トルクを制御して前記開放側係合装置の滑り量を制御する滑り制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
このように、変速動作時に原動機の駆動トルクを制御して開放側係合装置の滑り量を制御するので、変速動作時の開放側係合装置の滑り制御の応答性及び精度を改善し、変速ショックの改善及び変速動作時間の短縮を実現できる。
【0010】
第2の本発明に係る自動変速機の制御装置は、第1の本発明に記載の装置であって、前記摩擦係合装置の締結力を制御するアクチュエータを有し、前記滑り制御手段は、前記原動機の駆動トルク及び前記開放側係合装置の締結力を制御して前記開放側係合装置の滑り量を制御することを特徴とする。
【0011】
このように、変速動作時に原動機の駆動トルク及び開放側係合装置の締結力を制御して開放側係合装置の滑り量を制御するので、変速動作時の開放側係合装置の滑り制御の応答性及び精度をさらに改善し、変速ショックのさらなる改善及び変速動作時間のさらなる短縮を実現できる。
【0012】
第3の本発明に係る自動変速機の制御装置は、第1または第2の本発明に記載の装置であって、前記原動機は、エンジンまたは電動機であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態の自動変速機の制御装置を含む車両用動力伝達装置の構成を示す図であり、原動機としてのエンジン10の出力軸16に連結されるトルクコンバータ12、自動変速機14、自動変速機14の変速段を制御する油圧制御装置18、油圧制御装置18の油圧を制御する電子制御装置20を備えている。エンジン10から出力される駆動トルクは、トルクコンバータ12、自動変速機14及び図示しない差動歯車装置を経て図示しない駆動輪へ伝達される。ただし、図1においては、自動変速機14の入力軸30より下側については図示を省略している。
【0015】
トルクコンバータ12は、エンジン10の出力軸16に連結されたポンプ翼車28と、自動変速機14の入力軸30に連結され流体を介してポンプ翼車28から駆動トルクが伝達されるタービン翼車32と、ワンウェイクラッチ34を介して位置固定のハウジング36に固定された固定翼車38と、ポンプ翼車28とタービン翼車32とを図示しないダンパを介して締結するロックアップクラッチ40を備えている。
【0016】
自動変速機14は、前進4速及び後進1速のギヤ段が達成される多段変速機であり、入力軸30と、1組のラビニヨ式遊星歯車装置44と、ラビニヨ式遊星歯車装置44のリングギヤ46とともに回転するリングギヤ48と、図示しない差動歯車装置に駆動トルクを伝達する出力軸50とを備えている。
【0017】
ラビニヨ式遊星歯車装置44は、1組のシングルピニオン遊星歯車装置52と1組のダブルピニオン遊星歯車装置54とが、キャリヤ56とリングギヤ46とを共用した構成となっている。シングルピニオン遊星歯車装置52は、サンギヤ58とキャリヤ56に取り付けられたプラネタリギヤ60とリングギヤ46とで構成されている。ダブルピニオン遊星歯車装置54は、サンギヤ62と相互に一体的に結合されかつキャリヤ56に回転可能な状態で取り付けられた第1ピニオンギヤ64及び第2ピニオンギヤ66とで構成されている。
【0018】
シングルピニオン遊星歯車装置52及びダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要素の一部は、3つの摩擦係合装置としてのクラッチC1、C2、C3によって互いに選択的に連結されるようになっている。さらに、シングルピニオン遊星歯車装置52及びダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要素の一部は、3つの摩擦係合装置としてのブレーキB1、B2、B3によってハウジング36に選択的に連結され、2つのワンウェイクラッチF1、F2によって1回転方向のみハウジング36に連結される。
【0019】
摩擦係合装置としてのクラッチC1、C2、C3及びブレーキB1、B2、B3は、油圧制御装置18によって係合/開放の係合状態がそれぞれ制御されることにより、図2に示すように変速比(=入力軸30の回転速度/出力軸50の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段及び後進1速のギヤ段が達成される。図2において、1ST、2ND、3RD、4THはそれぞれ前進側の第1速ギヤ段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、第4速ギヤ段を示しており、変速比は第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうにしたがって順次小さくなる。また図2において、P、R、N、D、2、Lはシフトレバー84の手動操作により択一的に選択されるレンジを示している。
【0020】
図2において、○印は係合または作動状態を示し、×印は開放または非作動状態を示している。例えばDレンジにおける第3速ギヤ段から第4速ギヤ段へとアップシフトする変速動作は、係合状態にある開放側係合装置としてのクラッチC1の開放動作と開放状態にある係合側係合装置としてのブレーキB1の係合動作とが同時に実行されることで行われる(以下、このように係合状態にある開放側係合装置を開放し開放状態にある係合側係合装置を係合させる変速動作をクラッチツゥクラッチ変速と呼ぶことにする)。
【0021】
油圧制御装置18は、自動変速機14のギヤ段の制御に使用される2つの電磁開閉弁SV1、SV2、後述のスロットル開度センサ76で検出されたスロットル開度TAに応じたライン油圧Plを発生させるためのリニアソレノイド弁SLT、ロックアップクラッチ40の係合状態を制御するための油圧を発生するリニアソレノイド弁SLU及び油圧制御装置18中の作動油の油温TOILを検出する油温センサ88等を備えている。
【0022】
電子制御装置20には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ76、エンジン10の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ78、入力軸30の回転速度Ntを検出する入力軸回転速度センサ80、出力軸50の回転速度Ncを検出する出力軸回転速度センサ82、シフトレバー84の操作位置すなわちP、R、N、D、2、Lレンジのいずれかを検出する操作位置センサ86、油圧制御装置18中の作動油の油温TOILを検出する油温センサ88からの信号が入力される。電子制御装置20は、上記入力信号を処理し、その処理結果に基づいて、例えば電磁開閉弁SV1、SV2、リニアソレノイド弁SLT、SLUの制御等を実行する。さらに電子制御装置20は、変速動作時に開放側係合装置の滑り制御を行うために後述する構成の滑り制御手段116を備えている。
【0023】
次に油圧制御装置18の構成について図3を用いて説明する。元圧発生装置90はリニアソレノイド弁SLTを備えており、エンジン10によって回転駆動される油圧ポンプ92から供給される作動油の圧力をエンジン負荷に応じた値に調圧したライン油圧Plを、各摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3の元圧としてシフト弁装置94等へ出力する。マニュアル弁96は、シフトレバー84に対して機械的に連結されたもので、シフトレバー84の走行レンジに応じてライン油圧Plを切り換えることにより、選択された走行レンジに対応した油圧をシフト弁装置94へ出力する。また、電磁開閉弁SV1、SV2は、ギヤ段を選択するために電子制御装置20からの指令によって作動し、信号圧をシフト弁装置94へ出力する。
【0024】
シフト弁装置94は、マニュアル弁96からの走行レンジに対応した油圧と電磁開閉弁SV1、SV2からの油圧信号とに基づいて変速時に切り換え作動させられる1−2シフト弁、2−3シフト弁、3−4シフト弁等を図示しないが備えており、図2に示す作動にしたがって、各摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3へ係合油圧を選択的に供給する。摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2への油路には、それらの供給油圧すなわち締結力の上昇を緩和するためのアキュムレータAC1、AC2、AC3、AB1、AB2がそれぞれ接続されている。アキュムレータAC1、AC2、AC3、AB1、AB2のそれぞれには、電子制御装置20からの指令によって制御されるライン油圧Plがアキュムレータの背圧としてそれぞれ供給されており、このライン油圧Plを調節することで後述する変速過渡期間内における各摩擦係合装置の供給油圧を調節する変速過渡制御が行われる。
【0025】
本実施形態においては、シフトアップのクラッチツゥクラッチ変速時に、開放側係合装置の滑り制御を行う。そしてその場合に、エンジントルクを制御することによって、開放側係合装置の滑り制御を行う。
【0026】
次に、変速動作時に開放側係合装置の滑り制御を行うための電子制御装置20内の滑り制御手段116の構成について図4のブロック図を用いて説明する。ここでは一例としてクラッチC1を開放しながらブレーキB1を係合させることで第3速ギヤ段から第4速ギヤ段にシフトアップする際のクラッチC1の滑り制御の場合について説明する。
【0027】
変速経過時間カウントブロック100は、内部にカウンタを有し、変速指令が出されてからの変速経過時間をある所定時間おきごとにカウントする。変速動作が終了したらカウンタはリセットされる。
【0028】
入力軸回転速度目標値演算ブロック102においては、変速経過時間、エンジン10の回転速度Ne、自動変速機14の入力軸30の回転速度Nt及び出力軸50の回転速度Nc等を表す信号が入力され、入力軸30の回転速度の目標値Nrを演算し出力する。ここで、実際に制御したい目標値は開放側係合装置としてのクラッチC1の滑り速度であるが、クラッチC1の滑り速度、出力軸50の回転速度Nc及びラビニヨ式遊星歯車装置44を構成する各歯車の歯数から入力軸30の回転速度Ntが求まるため、ここではクラッチC1の滑り速度の目標値から入力軸30の回転速度の目標値Nrを設定している。
【0029】
クラッチ締結力制御量予測ブロック104においては、エンジン10の回転速度Ne、自動変速機14の入力軸30の回転速度Nt、出力軸50の回転速度Nc及び入力軸30の回転速度の目標値Nr等を表す信号が入力される。そして、開放側係合装置としてのクラッチC1及び係合側係合装置としてのブレーキB1の伝達トルクの目標値を演算し、ブレーキB1及びクラッチC1の伝達トルクを目標値通りに制御するためのクラッチ締結力制御量予測値を出力する。ブレーキB1及びクラッチC1の伝達トルクを制御するためには、ブレーキB1及びクラッチC1に供給する油圧を制御する。ここで、摩擦係合装置の伝達トルクTと摩擦係合装置に供給されている油圧Pとの間には以下の関係がある。
【数1】
T=(S×P−F)×μ×r×z (1)
【0030】
ただし、Sはピストン受圧面積、Fはリターンスプリングセット荷重、μは動摩擦係数、rはフェーシング有効半径、zはフェーシング動作面数である。
【0031】
図3に示す油圧制御装置18では、ブレーキB1及びクラッチC1に供給する油圧を制御するためには、アキュムレータAB1、AC1の背圧として供給されるライン油圧Plを制御する。したがって、クラッチ締結力制御量予測ブロック104から出力されるクラッチ締結力制御量予測値はライン油圧Plを制御するための指令値となる。
【0032】
エンジントルク制御量予測ブロック106においては、エンジン10の回転速度Ne、自動変速機14の入力軸30の回転速度Nt、出力軸50の回転速度Nc及び入力軸30の回転速度の目標値Nr等を表す信号が入力される。そして、エンジントルクの目標値を演算し、エンジントルクを目標値通りに制御するためのエンジントルク制御量予測値を出力する。エンジントルクを制御するためには、例えば点火時期調整(トルクダウンのみ)、可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング調整、電制スロットルによるスロットル開度調整及び燃料噴射量調整等の制御を行う。したがって、エンジントルク制御量予測値はこれらの制御を行うための指令値となる。
【0033】
ここで、入力軸30の回転速度をNt、エンジン10のトルクをTe、ブレーキB1の伝達トルクをTb及びクラッチC1の伝達トルクをTcとすると、以下の式が成立する。
【数2】
dNt/dt=A×t(e)×Te+B×Tb+C×Tc (2)
【0034】
ただし、t(e)はトルクコンバータ12のトルク比であり、速度比e(=Nt/Ne)によって定まる値である。また、A、B、Cは、入力軸30のイナーシャ、ラビニヨ式遊星歯車装置44を構成する各歯車の歯数等から定まる定数である。式(2)は、入力軸30の回転速度の時間変化dNt/dt(回転加速度)がエンジン10のトルクTe、トルク比t(e)、ブレーキB1の伝達トルクTb及びクラッチC1の伝達トルクTcによって定まることを示す式なので、例えば入力軸30の回転速度をNtと入力軸30の回転速度の目標値Nrとの偏差から入力軸30の回転加速度の目標値を設定し、入力軸30の回転加速度の目標値と式(2)からエンジン10のトルク、ブレーキB1の伝達トルク及びクラッチC1の伝達トルクのそれぞれの目標値を設定することができる。また、これらの目標値は式(2)を満たしてさえいれば任意に設定してよい。
【0035】
クラッチ滑り量補正値演算ブロック108においては、エンジン10の回転速度Ne、自動変速機14の入力軸30の回転速度Nt及び入力軸30の回転速度の目標値Nr、油圧制御装置18中の作動油の油温TOIL等を表す信号が入力される。ここでは、自動変速機14の入力軸30の回転速度の目標値Nrと入力軸30の回転速度Ntとの偏差を演算し、その偏差量に基づいてブレーキB1及びクラッチC1の伝達トルクの制御すなわちライン油圧Plの制御を補正するためのクラッチ締結力制御量補正値及びエンジントルクの制御を補正するためのエンジントルク制御量補正値を演算して出力する。各制御量補正値は、例えばNrとNtとの偏差量を比例補償することで得られる。そして、各制御量補正値の補償ゲインについては任意に設定してよい。
【0036】
ブレーキB1及びクラッチC1についてのクラッチ締結力制御量予測値とクラッチ締結力制御量補正値とが加算器110で加算されてから油圧制御装置18に入力される。油圧制御装置18ではこの加算されたクラッチ締結力制御量に基づいてブレーキB1及びクラッチC1の伝達トルクすなわちライン油圧Plが制御される。また、エンジントルク制御量予測値とエンジントルク制御量補正値とが加算器112で加算されてからエンジン10に入力される。エンジン10ではこの加算されたエンジントルク制御量に基づいてエンジントルクが制御される。
【0037】
制御量予測ブロック補正ブロック114においては、クラッチ締結力制御量補正値及びエンジントルク制御量補正値が入力される。そして、クラッチ締結力制御量補正値及びエンジントルク制御量補正値のそれぞれが最小になるように、クラッチ締結力制御量予測ブロック104内のクラッチ締結力制御量予測値を演算するための制御マップ及びエンジントルク制御量予測ブロック106内のエンジントルク制御量予測値を演算するための制御マップをそれぞれ修正する。
【0038】
次に本実施形態における動作を図5を用いて説明する。ここではクラッチC1を開放しながらブレーキB1を係合させることで第3速ギヤ段から第4速ギヤ段にシフトアップする場合について説明する。図5は変速動作時の入力軸30の回転速度Nt、出力軸50の回転速度Nc、ブレーキB1の供給油圧、クラッチC1の供給油圧及びエンジントルクの時間変化を示す図である。ただし、出力軸50の回転速度Ncはここでは一定であるとみなしている。さらに図5では出力軸50の回転速度Ncは説明の便宜上、第4速ギヤ段の変速比で補正した値を用いており、第4速ギヤ段に変速終了後は入力軸30の回転速度Ntと出力軸50の回転速度Ncが一致するように図示している。
【0039】
変速動作指令が出されると(図5の時刻t0)、電磁開閉弁SV2を開にすることでシフト弁装置94から各摩擦係合装置への油路を切り換えてクラッチC1に供給していた油圧を低下させ、ブレーキB1に供給する油圧を増加させる。ただし、その際にクラッチC1に滑りが発生し入力軸30の回転速度Ntが吹き上がるように、アキュムレータAB1、AC1の背圧として供給するライン油圧Plを調節する。クラッチC1に供給していた油圧が低下してクラッチC1の伝達トルク容量が入力軸30のトルクTtより小さくなると、クラッチC1は滑り始め、入力軸30の回転速度Ntが吹き上がってクラッチC1の滑り前における回転速度と比較して増加する。
【0040】
そして、クラッチC1が滑り始めた時点すなわち入力軸30の回転速度Ntが吹き上がった時点(図5の時刻t1)からクラッチC1の滑り制御を開始する。クラッチC1の滑り制御を行う際に、クラッチC1に所定の滑り速度を発生させるための入力軸30の回転速度の目標値Nrが設定される。そして、入力軸30の回転速度Ntが目標値Nrに一致するようにブレーキB1及びクラッチC1への供給油圧とエンジントルクを制御する。ここでブレーキB1及びクラッチC1への供給油圧は、アキュムレータAB1、AC1の背圧として供給しているライン油圧Plを制御することで行われる。入力軸30の回転速度Ntが目標値Nrより大きい場合は、エンジントルクを減少させるかライン油圧Plを増加させる方向に制御を行う。一方、入力軸30の回転速度Ntが目標値Nrより小さい場合は、エンジントルクを増加させるかライン油圧Plを減少させる方向に制御を行う。図5では制御の一例としてエンジントルクを変速動作開始時の値より減少させて制御している場合について示している。
【0041】
このようにクラッチC1の滑り制御を行いながらクラッチC1への供給油圧を減少させかつブレーキB1への供給油圧を増加させていくと、やがて入力軸30が第4速ギヤ段方向へと引き込まれる。すなわち出力軸50の回転速度Ncに第3速ギヤ段の変速比を乗じた値よりも入力軸30の回転速度Ntが小さくなる。その時点(図5の時刻t2)で本実施形態におけるエンジントルクを用いたクラッチC1の滑り制御を終了し、クラッチC1への供給油圧は最低油圧になるように制御される。そして、ブレーキB1への供給油圧を調節して徐々に増加させていくとともに入力軸30が第4速ギヤ段方向へと引き込まれていく。やがて出力軸50の回転速度Ncに第4速ギヤ段の変速比を乗じた値に入力軸30の回転速度Ntが一致すれば(図5の時刻t3)、入力軸30の第4速ギヤ段方向への引き込みが終了し、ブレーキB1への供給油圧を所定値まで増加させて変速動作を終了する(図5の時刻t4)。
【0042】
本実施形態においては、クラッチツゥクラッチ変速において開放側係合装置の滑り制御すなわち入力軸30の回転速度Ntの制御を行う際に、開放側係合装置及び係合側係合装置への供給油圧だけでなくエンジントルクをも制御している。エンジントルクによる入力軸30の回転速度Ntの制御は、開放側係合装置及び係合側係合装置への供給油圧による入力軸30の回転速度Ntの制御より応答性が優れているので、開放側係合装置の動摩擦係数の変化等の外乱が発生した場合でも、エンジントルクを制御することによって入力軸30の回転速度Ntを目標値Nrにすばやく追従させることができる。したがって、変速動作時の開放側係合装置の滑り制御の応答性及び精度を改善し、変速ショックの改善及び変速動作時間の短縮を実現することができる。
【0043】
本実施形態においては、原動機がエンジンである場合について説明したが、原動機が電動機であっても本発明を適用可能である。ただし、原動機が電動機の場合は、エンジントルクの代わりに電動機電流を制御することによって開放側係合装置の滑り速度を制御する。そして、電動機電流による制御についてもエンジントルクによる制御と同様に油圧による制御より応答性が優れている。また、自動変速機の構成も図1に示す構成に限るものではなく、クラッチツゥクラッチ変速を行う自動変速機であるならば本発明を適用可能である。さらに、油圧回路の構成も図3に示す構成に限るものではなく、摩擦係合装置に供給する油圧を調節できる油圧回路であるならば本発明を適用可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変速動作時に原動機の駆動トルクを制御して開放側係合装置の滑り量を制御するので、変速動作時の開放側係合装置の滑り制御の応答性及び精度を改善し、変速ショックの改善及び変速動作時間の短縮を実現できる。
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