JP4140871B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機に係り、特に自動変速機を構成するクラッチまたはブレーキ等の摩擦係合要素の係合制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用の自動変速機は、トルクコンバータと機械式の変速機構で構成されている。トルクコンバータは、クランクシャフトのトルク、すなわち駆動機関であるエンジンの出力トルクを変速機の入力軸に出力する。一方、変速機構は、この入力軸のトルクをさらに変速して、変速機の出力軸に出力する。変速機構における変速は、サンギア、リングギア、ピニオンギア等で構成された動力伝達機構の特性を切り替えることにより達成される。この動力伝達特性の切り替え、すなわち変速は、ギアに連結されたクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素(以下、単に「係合要素」という)を係合または解放することにより行われる。その際、シフトクオリティの観点から、タービン回転数を予め設定されている目標回転数に一致させ、或いはタービン回転数の変化率を目標変化率に一致させながら、タービン回転数を滑らかに変化させるようなフィードバック制御が一般に行われている。
【0003】
従来のフィードバック制御方法として、例えば、特開平9−269051号公報には、ファジー制御の手法を用いてフィードバック油圧を計算する方法が開示されている。複数のグレード値をファジー合成してフィードバック油圧を計算することにより、算出油圧の推定値を求める。そして、この推定値と算出油圧との偏差を求め、この偏差に基づいて算出油圧を補正する。このようなフィードバック制御を行うことにより、その後のフィードバック制御において、タービン回転数またはタービン回転数変化率を速やかに目標回転数または目標変化率に収束させることができる。
【0004】
しかしながら、上記の従来技術のようにファジー制御の手法で算出された補正値は数学的または物理的に保証された値ではなく、実験や経験をベースとして設定された値である。そのため、すべての条件において最適な(すなわち数学的、物理的に算出された値と一致するような)補正値が設定されているとは限らず、条件によっては本来適用すべき値との誤差が大きい補正値が適用されることも考えられる。適切でない補正値が適用されると、係合要素で適切でないトルクが発生するため、シフトクオリティの悪化を招くことになる。また、従来の技術では、それぞれの条件における補正値の設定に要する労力が大きいといった問題や、フィードバック制御の際に補正値の算出に要する演算量が増大してしまうといった問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、フィードバック制御を行う変速時に用いられる補正値を一層正確に算出することにより、良好なシフトクオリティを安定して得ることができる新規な自動変速機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明は、駆動機関からの駆動力を受ける回転軸及び車輪に駆動力を伝達する回転軸間の動力伝達特性を設定する複数の係合要素と、上記の回転軸の回転数を検出する検出手段と、係合要素の解放及び係合を制御する制御値を算出する制御値算出手段と、自動変速機の機構から数学的に導出され、回転軸の回転数と制御値との関係を規定した変速モデルを用いることにより、制御値の推定値を算出する推定手段と、制御値及び推定値に基づいて補正値を算出する補正値算出手段とを有し、制御値算出手段は、補正値算出手段からフィードバックされた補正値に基づいて制御値を算出する自動変速機を提供する。
【0007】
ここで、変速モデルは、変速の種類ごとに異なる変速モデルが用意されていて、推定手段は、実行しようとする変速に対応した変速モデルを用いることにより推定値を算出することが好ましい。
【0008】
また、変速モデルは、回転軸に関する粘性、回転軸に関する慣性、またはタービントルクの少なくとも一つが考慮された変速モデルであることが好ましい。
【0009】
一方、制御値算出手段は、自動変速機の機構から導出され、回転軸の回転数と制御値との関係を規定した第2の変速モデルを用いることにより、制御値を算出してもよい。
【0010】
さらに、上記の構成に、変速制御の終了時における補正値を学習値として記憶する学習手段をさらに設けてもよい。この場合、制御値算出手段は、学習値に基づいて制御値を算出する。この学習手段は、変速の種類ごとに学習値を記憶することが好ましい。この場合、制御値算出手段は、ある種類の変速の実行時において、学習手段に記憶された複数の学習値の内、この実行しようとする変速に対応する学習値に基づいて制御値を算出することが望ましい。
【0011】
なお、以上の構成に加えて、係合要素ごとに対応づけて設けられた複数のリニアソレノイドバルブをさらに設けてもよい。この場合、各リニアソレノイドバルブは、制御値に応じた油圧を係合要素に与える。これにより、係合要素は油圧に応じたトルクを発生する。
【0012】
【作用】
このような構成において、フィードバックの対象となる補正値は、変速モデルを用いて算出される。この変速モデルは、自動変速機の機構の関係、例えば、運動方程式、トルクや回転数の関係式から導出されるため、物理的または数学的な根拠を有している。従って、これを用いて算出された補正値は、すべての条件において(回転数やトルクの高低に関わりなく)比較的正確な値となるから、条件に拘わらず安定した制御値を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、一例としての自動変速機(AT)における主要部の概略的構造を示した図である。エンジンのクランクシャフト9からの駆動力は、トルクコンバータ10を介して、この変速機のタービンシャフト11に伝達される。変速機の入力軸であるタービンシャフト11は、リアプラネタリ2のサンギアに連結されている。一方、変速機の出力軸であるリダクションドライブシャフト12は、フロントプラネタリ1のリングギア及びリアプラネタリ2のプラネタリキャリアに連結されている。2つのプラネタリギア1,2における各メンバ(サンギア、プラネタリキャリア、リングギア)は、図示したように、3つの多板クラッチ(リバースクラッチ3、ハイクラッチ5、ロークラッチ6)、2つの多板ブレーキ(2&4ブレーキ4、ロー&リバースブレーキ7)、ローワンウェイクラッチ8に連結されている。これらの係合要素(クラッチ、ブレーキ)は、変速段に応じて選択的に係合または解放される。これにより、この変速機は前進4段、後進1段の変速を行うことができる。
【0014】
図2は、上記の自動変速機における変速位置と係合要素の係合状態との関係を示した表である。この表において、○印は、該当する係合要素が係合していることを表し、ブランクは解放していることを表している。また、◎印は、該当する駆動時のみ係合していることを表している。この変速機では、1速−2速間変速を除き、クラッチ・ツウ・クラッチ(Clutch to Clutch)変速が行われる。クラッチ・ツウ・クラッチ変速とは、前段係合要素を解放すると同時に、後段係合要素を係合していく変速である。一方、ローワンウェイクラッチ8が作用する1速−2速間の変速では、2&4ブレーキ4の係合制御だけで変速が達成される。
【0015】
図3は、自動変速機の制御機構を全体的に示した図である。この制御機構は、主として、エンジン21、変速機構22、油圧制御機構23、電子制御ユニット(ECU)24で構成されている。エンジン21により発生したトルクは、トルクコンバータ10、タービンシャフト11、及び変速機構22を介してリダクションドライブシャフト12に伝達される。このシャフト12のトルクは、ドライブピニオンシャフト15を介して、デファレンシャルギア16に伝達され、前輪を駆動する。
【0016】
スロットル開度センサS1は、エンジン21のスロットル開度θを検出するためのセンサである。エンジン回転数センサS2は、クランクシャフト9の回転数、すなわちエンジン回転数ωEを検出するセンサである。また、タービン回転数センサS3は、タービンシャフト11の回転数ω1を検出するセンサである。アウトプット回転数センサS4は、リダクションドライブシャフト12(本実施例における出力軸)の回転数ω5を検出するセンサである。これらの回転数を検出するセンサは、例えば電磁ピックアップを用いてもよい。
【0017】
油圧制御機構23中のオイルポンプ36は、オイルパン37から吸入した制御油を吐出する。レギュレータバルブ38により所定の油圧に調整された制御油は、5つのリニアソレノイドバルブ31,32,33,34,35に供給される。ここで、リニアソレノイドバルブは係合要素ごとに設けられている。それぞれのリニアソレノイドバルブは、油圧制御回路51からの電流値に応じて、それに対応した係合要素を直接的かつリニア(電流値に応じて連続した制御量を生じる)に係合制御する。係合要素ごとにソレノイドバルブを設け、各係合要素の係合制御を、対応したバルブにより直接的に行う方式は、一般にダイレクトATと呼ばれている。
【0018】
ECU24は、CPU41、ROM42、RAM43、入力回路44、及び出力回路45で構成されている。4つのセンサS1、S2、S3、S4から出力された信号は、入力回路44に入力される。CPU41はこれらのセンサからの情報に応じて様々な演算を行う。リニアソレノイドバルブ31から34を制御するためのトルク指示値は、出力回路45を介して油圧制御回路51に出力される。油圧制御回路51は、トルク指示値(またはトルクと線形的な関係にある油圧指示値)と制御電流値との関係を規定したテーブル等を参照して、トルク指示値から各リニアソレノイドバルブを動作させる電流値を求め、それをしかるべきリニアソレノイドバルブに供給する。
【0019】
図4は、リニアソレノイドバルブの断面図である。制御電流に応じて電磁石により発生された磁界が、スプール弁を移動させ、これにより供給ポートと出力ポートが連通される。リニアソレノイドバルブを用いたダイレクトAT方式では、制御電流に応じてリニアに油圧を調整できる。制御電流は、制御値(トルク指示値または油圧指示値)に応じて決定される。リニアソレノイドバルブの弁は制御電流値に応じた量だけ開き、それに応じた制御油圧が係合要素に供給される。その結果、理想的には、トルク指示値に相当する大きさのトルクが係合要素において発生する。しかしながら、実際に発生するトルクは、後述する外乱要素の影響による係合要素の摩擦特性の相違等により、程度の差はあるもののトルク指示値と異なる値になる。
【0020】
このようなリニアソレノイドバルブを用いることにより、デユーティソレノイドバルブを用いた場合に必要とされるアキュムレータを使用する必要がない。従って、リニアソレノイドバルブを用いたダイレクトAT方式は、インターロックや突き上げ感を生じさせないような精度の高い油圧制御を、リニアソレノイドバルブへ供給する電流制御により行うことができる。本実施例では、このリニアソレノイドバルブとして、電流が0の時に最大コントロール圧を供給するノーマリー・ハイ(Normally-High)のバルブを用いている。図5は、変速段及び各リニアソレノイドバルブの開閉状態の関係を示した表である。
【0021】
なお、ダイレクトAT方式に代えて、デューティソレノイドバルブと切り換え弁とを組み合わせたコンベンショナルな油圧回路を用いることも可能である。但し、油圧の正確な制御が必要な本実施例では、ダイレクトATを利用するのが好ましいであろう。
【0022】
(変速の種類ごとの変速モデルの算出)
本実施例における自動変速機の特徴の一つは、自動変速機を構成する各メンバに関する運動方程式、プラネタリギアにおけるトルクの関係式、及びその回転数の関係式から導出された自動変速機の変速モデルに基づいて、制御対象となっている係合要素の油圧を補正するようなフィードバック制御を行う点にある。そこで、本セクションでは、このようなフィードバック制御を説明するための前提として、図1に示した自動変速機の機構を例として、変速モデルを変速の種類ごとに導出する。
【0023】
図6は、図1に示した自動変速機のスケルトン図である。同図中の記号のうち、Iは慣性モーメント、Tはトルク、Dは粘性係数、そしてωは回転軸の回転数を示している。また、添字は変速機のメンバを示している。ここで、添字Hはハイクラッチ5、添字Rはリバースクラッチ3、添字Dは2&4ブレーキ4、添字Lはロークラッチ6、添字Bはロー&リバースブレーキ7、そしてWはローワンウェイクラッチ8をそれぞれ意味している。図6に示した自動変速機中の各メンバの運動方程式を求めると、以下のような粘性項(Dωで表される項)や慣性項(ωの微分値を含む項)を含む関係式が得られる。ここで、タービンシャフトの慣性モーメントI1は、エンジン21やトルクコンバータ10の慣性モーメントも考慮した値である。
【数1】
Figure 0004140871
【0024】
また、プラネタリギア(フロントプラネタリ1及びリアプラネタリ2)のトルクに関する関係式は以下のようになる。ここで、添字1はフロントプラネタリ側を意味し、添字2はリアプラネタリ側を意味している。また、添字Sはサンギア、添字Cはプラネタリキャリア、そして添字Rはリングギアを示している。
【数2】
Figure 0004140871
【0025】
さらに、プラネタリギア1,2の回転数(回転速度)に関する関係式は以下のようになる。
【数3】
Figure 0004140871
【0026】
上記の関係式より、変速の種類ごとにパワーオン時における変速モデルを導出する。まず、プラネタリギア1,2のトルク及び回転数の関係式より、タービン回転数ω1、タービントルクTT、及び係合要素におけるトルクTの関係を求める。この関係を導出するにあたっては、Dレンジでの変速を考えると共に、変速中のリダクションドライブシャフトの回転数変化は微小であるものと見なして説明する。
【数4】
Figure 0004140871
【0027】
まず、1−2変速(アップシフト及びダウンシフトの双方を含む)のイナーシャ相制御において、変速モデルは、TH=0、TW=0、ω2=ω4とすると以下のようになる。
【数5】
Figure 0004140871
【0028】
次に、2−3変速(アップシフト及びダウンシフトの双方を含む)のイナーシャ相制御において、変速モデルは、TW=0、ω2=ω4とすると以下のようになる。
【数6】
Figure 0004140871
【0029】
また、3−4変速(アップシフト及びダウンシフトの双方を含む)のイナーシャ相制御において、変速モデルは、TW=0、ω1=ω2とすると以下のようになる。
【数7】
Figure 0004140871
【0030】
(変速モデルに基づいたトルク推定値の算出)
各変速ごとに導出された変速モデル(数式5から数式7)を変形して、係合要素のトルクについて求める。
【0031】
まず、1−2変速(アップシフト及びダウンシフトの双方を含む)のイナーシャ相制御において、制御対象である2&4ブレーキ4で実際に作用しているトルクは、数式5を変形することにより下記の数式8のように表現される。なお、1−2変速は、ワンウェイクラッチ・ツウ・クラッチ(oneway clutch to clutch)変速であるため、2&4ブレーキ4の係合制御のみで1−2変速が達成される。
【数8】
Figure 0004140871
【0032】
ある時点において2&4ブレーキ4で実際に生じているトルクは、その時点におけるタービン回転数ω1、タービントルクTT、及びアウトプット回転数ω5がわかれば、数式8を用いて推定することができる。そのために、まず、図3に示したタービン回転数センサS3でタービン回転数ω1をモニタリングすると共に、アウトプット回転数センサS4でアウトプット回転数ω5をモニタリングし、さらに、タービントルクTTをしかるべき手法で特定する。そして、これらのパラメータを数式8に代入することにより、2&4ブレーキ4で実際に作用しているトルクをトルク推定値TDMとして算出することができる。
【0033】
次に、2速から3速への変速(パワーオン及びパワーオフの双方を含む)時のイナーシャ相制御において、解放側である2&4ブレーキ4のトルクは、イナーシャ相制御の期間中、0に設定されている。一方、制御対象である係合側のハイクラッチ5で実際に発生しているトルクは、数式6を変形することにより数式9のように表現される。3つのパラメータω1,ω5,TTを求め、これらを数式9に代入することにより、この種類の変速時においてハイクラッチ5で作用しているトルクを、トルク推定値THMとして算出することができる。
【数9】
Figure 0004140871
【0034】
逆に、3速から2速への変速(パワーオン)時のイナーシャ相制御において、係合側である2&4ブレーキ4のトルクは、イナーシャ相制御の経過時間に伴い、一次関数的に変化するように設定される。この場合、解放側であるハイクラッチ5のトルク推定値THMは、数式10より算出することができる。
【数10】
Figure 0004140871
【0035】
同様に、3速から4速への変速(パワーオン及びパワーオフの双方を含む)時のイナーシャ相制御において、解放側であるロークラッチ6のトルクは、イナーシャ相制御の期間中、0に設定されている。この場合、制御対象となる係合側の2&4ブレーキ4のトルク推定値TDMは、数式7を変形することで得られる数式11より算出することができる。
【数11】
Figure 0004140871
【0036】
逆に、4速から3速への変速(パワーオン)時のイナーシャ相制御において、係合側であるロークラッチ6のトルクは、イナーシャ相制御の経過時間に伴い、一次関数的に変化するように設定される。この場合、解放側である2&4ブレーキ4のトルク推定値TDMは、数式12より算出することができる。
【数12】
Figure 0004140871
【0037】
以上の説明から、当業者であればパワーオフでのダウンシフト時における変速モデルについても容易に導出することできるであろうから、この状態における変速モデルの導出については説明を省略する。
【0038】
このようにして導出された数式8から数式12の変速モデルは、自動変速機の各メンバの運動方程式等に基づき導出されたものであり、タービン回転数ω1及びアウトプット回転数ω5に関する粘性項(Va・ω1の項及びWa・ω5の項)、さらにはタービン回転数ω1に関する慣性項(ω1の微分値にHaを乗じた項)を含んでいる。従って、タービン回転数ω1やアウトプット回転数ω5等がわかれば、自動変速機の機構において現在作用しているトルクを比較的正確に推定することができる。特に、これらの変速モデルは、粘性項を含んでいるため、変速実行時における回転軸の回転数帯(回転数の高低)に関わりなく、トルク推定値を比較的正確に算出することができる。なお、本実施例では、タービン回転数ω1及びアウトプット回転数ω5は回転数センサS3,S4を用いて直接測定した値を用いる必要があるが、タービントルクTTについては他のパラメータに基づいて推定した値を用いてもよい。
【0039】
(フィードバック制御を用いた係合要素の油圧制御)
本セクションで述べるフィードバック制御に関する演算は、図3のECU24において実行される。図7は、フィードバック制御を用いた係合要素の油圧制御を実行するための機能的なブロック図である。本実施例における油圧制御の特徴は、上述した自動変速機の変速モデルを用いて算出されたトルク推定値と、トルク指示値とに基づいて、トルク補正値を求め、これを制御対象となっている係合要素の油圧制御にフィードバックしている点にある。なお、図7は、1速から2速へのシフトアップ時におけるイナーシャ相制御を一例に説明したものであるが、他の種類の変速についても、用いられる変速モデル(数式8から数式12のいずれか)が異なる以外は基本的に同様である。
【0040】
トルク算出部71は、変速制御開始から経過した時間ごとに、この変速における係合側である2&4ブレーキ4に関する制御値であるトルク指示値TDを算出する。良好なシフトクオリティを得るためには、変速の開始から終了に渡って、タービン回転数ω1を滑らかに変化させることが重要なので、制御対象である2&4ブレーキ4に関するトルク指示値TDは、このような観点から適切に設定する必要がある。図3に示した油圧制御回路51は、入力されたトルク指示値TD'に基づいて、そのトルク指示値TD'に相当するトルクが2&4ブレーキ4で生じるような制御電流を決定し、その電流をリニアソレノイドバルブ32に供給する。制御電流の決定する手法として、例えば、トルク指示値(または油圧指示値)と制御電流との関係を規定したテーブルを用いる方法がある。このテーブルに記述されている制御電流は、その制御電流をリニアソレノイドバルブに供給することでトルク指示値相当のトルクが係合要素において作用するように、実験に基づき予め決定された値である。リニアソレノイドバルブ32は制御電流に応じた油圧PDを発生する。そして、この油圧PDに応じてブレーキピストンが移動し、2&4ブレーキ4中のプレッシャプレートを押圧するため、2&4ブレーキ4はトルクを発生する。
【0041】
トルク算出部71において算出されるトルク指示値TDは、テーブル等を用いて算出する手法もあるが、本実施例では、自動変速機の変速モデルを用いて算出している。トルク指示値TDは、実際のタービン回転数ω1が予め設定された目標タービン回転数ωrに追従して変化するように設定される。変速モデル及び目標タービン回転数ωrを用いてトルク指示値TDを算出する方法については、本願出願人の先願である特願平10−287223号に詳細が記載されているので参照されたい。一例として、1速から2速へのシフトアップ時のイナーシャ相制御におけるトルク指示値TDの算出方法について、簡単に説明する。なお、図6に示した自動変速機において、1−2変速はワンウェイクラッチ・ツウ・クラッチ(oneway clutch to clutch)を用いた変速であるから、2&4ブレーキ4の係合制御のみで変速が達成される。
【0042】
トルク指示値TDを算出するために用いられる変速モデル(後述するトルク推定値TDMを算出するために用いられる変速モデルとは区別されたい)は、数式13で表現される。この式は、数式5のタービン回転数ω1を目標タービン回転数ωrに置き換え、タービン回転数ω1と目標タービン回転数ωrとの偏差に関するフィードバック項(第5項)及び後述するトルク補正値Ts'に関するフィードバック項(第6項)を加えたものである。
【数13】
Figure 0004140871
【0043】
上式の第1項、第3項、及び第5項で出現している目標タービン回転数ωrは、変速開始時における変速比(変速前の変速比)から、この変速により最終的に到達すべき変速比(変速後の変速比)に向かって滑らかに変化するように予め変速パターンが設定されており、このパターン及び変速時のアウトプット回転数ω5に基づいて経過時間ごとに設定される。
【0044】
図11は、トルク指示値TDの算出を説明するためのブロック図である。自動変速機におけるタービン回転数ω1は、図3に示したタービン回転数センサS3により検出される。また、アウトプット回転数ω5(リダクションドライブシャフト12の回転数)は、アウトプット回転数センサS4により検出される。検出されたアウトプット回転数ω5にF/FゲインWaを乗じることにより、第1の値を求める。また、アウトプット回転数ω5及び目標変速比(変速パターン)に基づいて、目標タービン回転数ωrを算出する。この目標タービン回転数ωrを微分した値に、F/FゲインHaを乗じることにより、第2の値を求めると共に、目標タービン回転数ωrにF/FゲインVaを乗じることにより第3の値を求める。また、目標タービン回転数ωrとタービン回転数ω1との偏差にF/BゲインFaを乗じることにより第4の値を求める。このF/BゲインFaは、例えば10rad/sの基準回転数偏差を設定し、解放側のトルクにこの偏差の影響をどの程度反映させるかを考慮して適切な値を設定しておく。
【0045】
一方、タービントルクTTは、エンジントルクの推定値TE及びトルク比の推定値に基づいて算出された推定値を用いる。図9は、タービントルクTTの算出方法を説明するための図である。まず、エンジントルクTEを算出するために、スロットル開度センサS1からスロットル開度θを検出すると共に、エンジン回転数センサS2からエンジン回転数ωEを求める。エンジントルクTEは、パラメータ及びタービントルクTT(推定値)間の対応関係を記述したエンジントルクテーブルを参照し、これらのパラメータに対応する値を用いる。一方、トルク比を算出するために、タービン回転数センサS3から検出されたタービン回転数ω1及びエンジン回転数ωEから、速度比(ω1/ωE)を算出する。そして、この速度比及びトルク比(推定値)間の対応関係を記述したテーブルを参照し、このパラメータに対応する値をトルク比として用いる。テーブルにより推定されたトルク比とエンジントルクTEに基づいて、タービントルクTTを推定する。なお、このようなタービントルクTTの算出は一例であって、この他にも様々な方法でタービントルクTTを算出することができる。例えば、エンジンパラメータとして、スロットル開度θの代わりに、エンジンの吸入管圧力や吸入空気量といった他のパラメータに基づいて、タービントルクTTを推定してもよい。また、トルクセンサの類を用いて、タービントルクTTを直接測定することも可能である。決定されたタービントルクTTにF/FゲインMaを乗じることにより、第5の値を求める。以上の5つの値を加算することにより、トルク指示値TDの基本値(以下、ベーストルク指示値Tdという)を求める。
【0046】
このベーストルク指示値Tdに、加重平均フィルタ74の出力であるトルク補正値Ts'がフィードバック制御により加算され、トルク指示値TDが算出される。図7に示したように、トルク算出部71の出力であるトルク指示値TDに、学習部75から出力された学習値Taがさらに加算されて、ある時刻における最終的なトルク指示値TD'が決定され、これが油圧制御回路51へと入力される。その結果、トルク指示値TD’に応じて2&4ブレーキ4でトルクが発生し、タービン回転数ω1及びアウトプット回転数ω5が変化する。なお、トルク補正値Ts'及び学習値Taについては後述する。
【0047】
変速モデル部73は、トルク推定値TDMを算出するための変速モデルを用いて、トルク指示値TDの推定値TDMを算出する。この変速モデルは、現在実行されている変速の種類に対応したもの(数式8から数式11のいずれか)が用いられ、1−2変速では数式8の変速モデルが用いられる。図8は、推定トルク算出を説明するための図である。推定トルクTDMは、タービン回転数センサS3から検出されたタービン回転数ω1、アウトプット回転数センサS4から検出されたアウトプット回転数ω5、及びタービントルクTTにより算出される。検出されたタービン回転数ω1にゲインVaを乗じることにより、数式8における第3項(粘性項)を求めると共に、このタービン回転数ω1の微分値にゲインHaを乗じることで第1項(慣性項)を求める。また、検出されたアウトプット回転数ω5に、ゲインWaを乗じることにより、第4項(粘性項)を求める。さらに、タービントルクTTにゲインMaを乗じることで第2項を求める。ここで、タービントルクTTは、トルク算出部71におけるタービントルクTTの算出方法と同様の手法で算出することができる。以上の4つの値を加算することにより、トルク推定値TDMを求める。このトルク推定値TDMは、センサS3,S4により直接検出されたタービン回転数ω1及びアウトプット回転数ω5を用いて決定される値である。
【0048】
時刻CTにおいてトルク算出部71で算出されたトルク指示値TD(CT)と、変速モデル部73で算出された同時刻のトルク推定値TDM(CT)との偏差Ts(CT)を算出する。変速モデル部73において用いられている変速モデルが、自動変速機の機構を正確に再現していることを前提とした場合、トルク指示値TD通りのトルクが係合要素で発生しているならば、偏差Tsは理論上は0になるはずである。しかしながら、実際にはある程度の偏差Tsが発生する。このような偏差Tsが発生する理由は、実際の自動変速機72において、外乱要素に基づいた測定不能な外乱トルクTzが存在しているからである。この外乱トルクTzの影響により、トルク指示値TDにより発生すべき理論上のトルク値と、実際に発生したトルク値との間に誤差が生じる。外乱トルクTzを生じさせる外乱要素としては、例えば、係合要素ごとの摩擦特性の相違がある。係合要素を構成するドライブプレート及びドリブンプレート間の摩擦係数が、すべての係合要素において完全に一致していることはあり得ず、実際には係合要素ごとに微妙に相違している。この相違の程度が大きくなるに連れて、外乱要素による影響が大きくなるため、実際に発生するトルクは、トルク指示値TDに対して無視できないような誤差を有する値になってしまう。また、摩擦特性の経年変化も外乱要素として挙げることができる。係合要素の使用時間の経過とともに摩擦面の摩耗が進むと、同一油圧が供給された状態で係合要素が発生するトルクは経時的に変化する。一方、外乱要素はリニアソレノイドバルブ側でも存在し、その典型として油圧特性のばらつきが挙げられる。同一の制御電流が供給されても、バルブごとの開度は完全に同一ではなく、個体間にばらつきがあり、かつ、それは経年変化するため、発生する油圧も微妙に相違する。そこで、このような外乱要素によって生じるトルクを外乱トルクTzと見なし、その値はトルク指示値と実際に発生したトルクとの誤差分に相当する量とする。外乱トルクTzの影響により生じる発生トルクの誤差が無視できない程に大きくなってくると、意図したようなトルクを適切に発生させることができなくなるため、シフトクオリティの悪化を招く。
【0049】
センサS3,S4により検出されるタービン回転数ω1及びアウトプット回転数ω5は、トルク指示値TD'によって変化するのは当然であるが、それ以外にも上述したような外乱トルクTzの影響を受けている。従って、本実施例のように、自動変速機の特性を再現した正確な変速モデルを用意しておき、タービン回転数ω1、アウトプット回転数ω5、及びタービントルクTTを入力して、トルク推定値TDMを求めることが有効となる。このようにして算出されたトルク推定値TDMは自動変速機72で実際に作用しているトルクとして捉えられるため、この値TDMとトルク指示値TDとの偏差Tsを求めることで、外乱トルクTzの影響の程度を把握することが可能となる。すなわちこの偏差Tsが大きい程、外乱トルクTzが大きいと判断することができる。そこで、外乱トルクTzの影響に相当する偏差Tsをトルク設定部71にフィードバックすれば、外乱トルクTzの影響を相殺するようなトルク指示値TDを算出することができる。
【0050】
但し、本実施例では、偏差Tsを直接トルク設定部71にフィードバックするのではなく、偏差Tsをフィルタ74を介して平均化することにより得られた補正値Ts'をフィードバックしている。このような平均化処理を施す理由は、一時的に偏差Tsが大きく変化した場合であっても、安定した値をフィードバックすることで、系の安定性を確保するためである。平均化の手法としては、例えば、加重平均等の手法を用いることができる。加重平均を用いる場合、フィードバックされる補正値Ts'(CT)は、偏差Ts(CT)に適当な重み係数a(0<a<1)を乗じた値と、直前時刻における補正値Ts'(CT-1)に重み係数(1−a)を乗じた値を加算することにより算出される。補正値Ts'をトルク算出部71にフィードバックすることにより、次の時刻(CT+1)における新たなトルク指示値TD(CT+1)が算出される。
【0051】
さらに、図7の制御システムは学習部75を有している。学習部75は、算出された学習値Taを記憶するデータ領域を有しており、変速の種類ごとの学習値Taが記憶される。学習部75は、イグニッションキーをオフにしてシステムに対する電源供給を停止した状態でも記憶データが消失しないような装置であることが望ましく、例えばEEPROM等の不揮発性の半導体メモリを用いることができる。学習値Taは、変速制御の終了時点(例えばイナーシャ相制御終了時やトルク相制御終了時)における補正値Ts'であり、同種類の変速が実行されるたびにその内容が読み出され、かつ更新される。ある変速制御が実行された場合、その変速に対応した学習値Taが読み出されて、この学習値Taがトルク算出部71の出力であるトルク指示値TDの出力に加算される。変速制御期間の各時刻iごとトルク指示値TD(i)に学習値Taが加算される。これにより、トルク指示値TDが補正されて、油圧制御回路51は、この補正されたトルク指示値TD'に基づいてソレノイドバルブ32の制御電流を決定する。
【0052】
学習値の更新するための手法として、例えば以下の手法のいずれかを適用することができる。
(1) 制御終了時における補正値Ts'を単純に従前の学習値Taに加える。
(2) 制御終了時における補正値Ts'に適当な係数を掛けることにより値Ts''を求め、その値Ts''を従前の学習値Taに加える。
(3) 制御終了時における補正値Ts'に、図10に示したような不感帯処理を行うことにより値Ts''を求め、その値Ts''を従前の学習値Taに加える。
(4) 制御における各時刻で算出された補正値Ts'の平均化処理(単純平均、加重平均等)を行うことにより値Ts''を求め、その値Ts''を従前の学習値Taに加える。
【0053】
図12は、同一種類の変速を繰り返し実行した場合における補正値Ts'及び学習値Taの推移を示したタイミングチャートである。ある種類の変速において、外乱トルクTzとして例えば+1.0(一定値)が生じていると仮定し、学習値Taが0に設定されている場合を考える。このような静的な外乱トルクを考えた場合、その変速を繰り返すことにより、学習値Taを−1に収束させることができれば、外乱トルクTzを打ち消すことができる。なお、外乱トルクTzが存在しない理想的な状態において、2&4ブレーキ4のトルク指示値TDは、同図のタイミングチャートにおける時間軸と平行な一点鎖線で示したように一定値となる。
【0054】
まず、n回目の変速の変速制御の開始直後では、学習値Taが0であるから、外乱トルクTzが何ら補償されていない状態である。従って、外乱トルクTzの影響が大きく、トルク設定部71からの出力であるトルク指示値TDとトルク推定値TDMとの偏差Tsは大きい。その結果、偏差Tsの加重平均値である補正値Ts'の変化量も大きい。変速制御開始からの時間が経過するにつれて、補正値Ts'は図示したように徐々に減少(Ts'<0)していくため、この変化に従ってトルク指示値TDも徐々に減少していく。そして、この変速制御の終了時点における補正値Ts'(last1)が例えば-0.5であったとすると、この補正値Ts'(last1)が従前の学習値Ta(=0)に加算され、-0.5が新たな学習値Taとして記憶される(上述した学習値の更新手法(1)を用いた場合)。
【0055】
その後、同一種類のn+1回目の変速が再度実行された場合、読み出された学習値Ta(-0.5)がトルク算出部71からの出力であるトルク指示値TD'に常に(すなわち変速制御におけるすべての経過時間において)加算される。その結果、この変速制御の開始時におけるトルク指示値TDは、-0.5からスタートすることになる。この変速制御において、補正値Ts'は、学習値Taによる外乱トルク分の補償では足りない量に応じて、0から徐々に減少していく。それに伴い、トルク指示値TD'も0から徐々に減少していくため、学習値Taが加算されたトルク指示値TDは-0.5から減少していくことになる。そしてn+1回目の変速制御の終了時点における補正値Ts'(last2)が例えば-0.25であったとすると、この補正値Ts'(last2)が従前の学習値Ta(-0.5)に加算され、-0.75が新たな学習値Taとして学習部75中に記憶される。
【0056】
さらに、同一種類のn+2回目の変速が再び実行された場合、その制御期間中、学習値Ta(-0.75)がトルク算出部71からのトルク指示値TD'に常に加算される。その結果、トルク指示値TD'は0からスタートするが、トルク指示値TDは-0.75からスタートする。この変速制御において、補正値Ts'は、学習値Taによる外乱トルク分の補償では足りない分だけ、0から徐々に減少していく。それに伴い、トルク指示値TDも-0.75から徐々に減少していく。この変速制御の終了時点における補正値Ts'(last3)が例えば-0.125であったとすると、この補正値Ts'(last3)が従前の学習値Ta(-0.75)に加算され、-0.875が新たな学習値Taとして記憶される。
【0057】
以後、同種の変速制御が実行されるたびに、学習部75中に記憶されている学習値Taをトルク指示値Ts'に加算すると共に、制御の最後の補正値Ts'に基づいて学習値Taを更新していく。その結果、学習値Taは、外乱トルクTz(+1.0)を打ち消す量(-1.0)に収束していく。学習値Taが、外乱トルクTzを打ち消す程度が大きくなるに従い、タービン回転数ω1の理想的な変化に近づくようになる。
【0058】
このように本実施例では、トルク算出部71において算出されたトルク指示値と変速モデル部73において算出されたトルク推定値とに基づいて、補正量を求め、この補正量に基づきトルク指示値を補正している。補正量は自動変速機72における外乱トルクに相当しているため、補正されたトルク指示値を用いて、係合要素の油圧制御を行えば、トルク指示値に相当したトルクを制御対象となっている係合要素で発生させることができる。その結果、従来のフィードバック制御よりもシフトクオリティを向上させることができる。特に、本実施例で用いられるトルク推定値を算出するために用いられる変速モデルは自動変速機の機構から導出され、自動変速機に関するパラメータ間の関係を正確に反映している。また、外乱トルクの影響を直接受けるパラメータ、すなわち、タービン回転数及びアウトプット回転数を用いてトルク推定値を算出している。従って、外乱トルクの影響を効果的に一層低減することが可能となる。
【0059】
また、本実施例のような変速モデルを用いることで、新たなセンサ等の装置を設けることなく、従来から自動変速機に装着されているセンサだけでトルク推定値を算出できるため、安価に本システムを実施することができる。さらに、比較的少ない演算量で正確なフィードバック制御を行うことができるというメリットもある。
【0060】
さらに、従前の変速において算出された補正量はリセットされることなく学習値として記憶されており、かつそれ以降の変速でこの学習値を用いているので、安定して良好なシフトクオリティを得ることができる。さらに、学習値は変速の種類ごとに記憶され、かつ更新されるため、変速の種類ごとにシフトクオリティにばらつきが生じてしまうようなことを防ぐことができる。
【0061】
(2−3変速における変速モデルの適用例)
上述した変速モデルを用いたフィードバック制御の実際の適用例を、2速から3速へのアップシフトを例に説明する。この変速には、変速開始時制御、トルク相制御、イナーシャ相制御、及び変速終了時制御といった4つの制御モードがある。2−3変速における各制御モードは、フラグF23、フラグF23T、及びフラグF23Iにより切り換えられる。フラグF23は2−3変速制御の実行を示すフラグであり、2−3変速許可状態では1にセットされる。図13は、各制御モードとフラグF23T、F23Iとの関係を示した表である。
【0062】
図14は、アップシフトにおけるタイミングチャートである。同図において、2−3変速指令が出されると、フラグF23が0から1に変化する。その後、変速開始時制御(1)、トルク相制御(2)、イナーシャ相制御(3)、変速終了時制御(4)を経て、2−3変速が終了すると、フラグF23は1から0へ変わる。図15は、2−3変速のアップシフトにおける制御手順の一部を示したフローチャートである。図16は、図15のフローチャートに続き、トルク相制御の制御手順を示したフローチャートである。図17は、図15または図16のフローチャートに続き、イナーシャ相制御の制御手順を示したフローチャートである。また、図18は、図17のフローチャートに続き、変速終了時制御の制御手順を示したフローチャートである。
【0063】
まず、2−3変速指令が出されるまでフラグF23は0のままであり、フラグF23T及びフラグF23Iも初期的には0に設定されている。従って、ステップ101での判断によりリターンへと進む。このフローチャートは繰り返し実行されているため、結局、2−3変速指令が出されるまでステップ102以降は実行されない。2−3変速指令が出されると、フラグF23は1に変わりアップシフトが開始される。この際、フラグF23T及びフラグF23Iは両方とも0(すなわち図9の変速開始時制御(1)の状態)なので、ステップ102、ステップ103、及びステップ104を経て、ステップ105へと進む。
【0064】
ステップ105において、エンジンの吹上がりの程度、すなわち、解放側の係合要素(2&4ブレーキ4)の滑りの程度が判定される。滑りが生じた場合、タービン回転数ω1が、滑り判定回転数ωth((アウトプット回転数ω5)*(2速変速比i2)+(滑り基準量Δω))よりも大きくなる。変速の開始当初は滑りは生じていないため、ω1=i2・ω5である。この場合、ステップ106に進み、解放側の制御油圧を低下させる。この油圧は、実質的に線形的に低下する適当な一次関数q23とタービントルクTTとの積より算出される。
【0065】
上述したステップ101からステップ106の手順を繰り返し、解放側の油圧を徐々に線形的に低下させていくと、やがて解放側の係合要素に滑りが生じる。この滑りにより、タービン回転数ω1が滑り判定回転数ωthより高くなる。この場合、ステップ107へと進み、フラグF23Tが0から1へと変更され、クロックCTに0がセットされる(ステップ108)。これにより、制御モードは変速開始時制御(1)からトルク相制御(2)へと変わる。
【0066】
図16のステップ109において、タービン回転数ω1の引き込みの有無が判定される。トルク相制御(2)の開始当初は、タービン回転数ω1はアウトプット回転数ω5に2速変速比i2を乗じた値より大きく、滑り状態にあるためタービン回転数ω1の引き込み生じていない。従って、ステップ110へと進み、トルク相制御が実行される。
【0067】
トルク相制御(ステップ110)では、解放側の係合要素に生じた滑りを維持するように、係合側の油圧を上昇させると共に、解放側の油圧を低下させる。これを繰り返し実行することにより、タービン回転数ω1が目標タービン回転数ωrに追従した状態で、係合側の油圧及び解放側の油圧の双方が変化していく。このような解放側及び係合側の油圧制御が進むと、やがて2速方向への引き込みが生じる。その結果、アウトプット回転数ω5に2速変速比i2を乗じた値より、タービン回転数ω1の方が小さくなる。この場合、ステップ109からステップ117に進む。そして、フラグF23Tを1から0に変え、カウンタ値CTをリセットし(ステップ118)、フラグF23Iを0から1に変えた後(ステップ119)、図17のステップ120へ進む。
【0068】
フラグF23Tが0で、フラグF23Iが1なので、イナーシャ相制御(3)が実行される。イナーシャ相制御の開始時において、アウトプット回転数ω5に3速変速比i3を乗じた値よりもタービン回転数ω1は大きい。従って、ステップ120からステップ131へ進み、イナーシャ相制御が実行される。
【0069】
まず、イナーシャ相制御の開始に伴い、カウンタ値CTに1が加算された後、解放側のトルクTDが0になるように設定されると共に(ステップ132)、解放側の油圧PDが0になるように設定される(ステップ133)。次に、係合側の油圧PHを算出するために、ステップ134からステップ138までの手順が実行される。
【0070】
ステップ134において、現在のカウンタ値CTに基づき、目標パターンf2を参照して、カウンタ値CTに対応するパターン値R23(CT)が特定される(一例として下表参照)。
【表1】
Figure 0004140871
【0071】
表1に記述された目標回転数の変化パターンを例に説明すると、カウンタ値CT=1に対応したパターン値R23(1)として、1.99が得られる。例えば、2速変速比i2=2.00、3速変速後の変速比i3=1.50、アウトプット回転数ω5が2000rpm(一定値)であるとすると、CT=1における目標タービン回転数ωrは3980rpmになる(ステップ135)。
【0072】
この目標タービン回転数ωrにタービン回転数ω1が追従するように、係合側のトルク指示値THが算出される(ステップ136)。係合側のトルク指示値THは、下式の変速モデルに基づき算出される。ここで、この変速モデルの数式中に従前の補正値Ts'(CT-1)が加算されている点に留意されたい。なお、補正値Ts'は初期的には0に設定されているため、ステップ131以降の手順の最初の実行時においては、補正値Ts'(0)は0である。
【数14】
Figure 0004140871
【0073】
目標タービン回転数ωr、タービントルクTT(推定値)、タービン回転数ω1(タービン回転数センサS3の実測値)、及びアウトプット回転数ω5(アウトプット回転数センサS4の実測値)を入力パラメータとして、これらを変速モデルに代入することにより、その時点のトルク指示値THを求める。そして、このトルク指示値THに学習値Taを加算することにより、トルク指示値TH'を求める(ステップ137)。
【0074】
求められたトルク指示値TH'から係合側の油圧指示値PHを求める(ステップ138)。一般に、係合要素の油圧Pは、トルクTと一次関数の関係にあり、P=k・|T|+s(但し、k、sは定数、|T|はトルクの絶対値)により求められる。そこで、係合要素ごとに固有のパラメータ(ハイクラッチ5の場合はkH、sH)を設定しておけば、トルク指示値TH'から油圧指示値PHを求めることができる。このようにして求められた油圧PHを指示値として、変換テーブル等を参照してリニアソレノイドバルブの制御電流を求める。
【0075】
ステップ139からステップ141までの一連の手順はフィードバック制御に関するものである。まず、ステップ139において、変速モデル部73は、数式9に基づき、推定トルクTHMを算出する。そして、算出された推定トルクTHMとトルクTHとの偏差Tsが算出され(ステップ139)、それを加重平均することにより補正値Ts'(CT)が算出される(ステップ140)。その後、リターンへと進む。
【0076】
ステップ131からステップ141までの手順は、ステップ120により、タービン回転数ω1が3速の変速比に同期したものと判断されるまで、繰り返し実行される。イナーシャ相制御の開始からの経過に伴って(カウンタ値CTがインクリメントされるに従い)、目標タービン回転数ωrは、表1に示すように、滑らかに(不連続な変化を生じることなく)減少していく。その結果、タービン回転数ω1も目標タービン回転数ωrに追従するため、経時的に滑らかに変化していく。また、図12で既に説明したような理由により、外乱トルクTzを打ち消すような値に補正値Ts'(<0)が徐々に近づいていく。
【0077】
イナーシャ相制御が進み、やがてタービン回転数ω1が3速の変速比に同期すると(ステップ120)、ステップ121へと進み、学習値Taが更新される。これは、3速同期直前の時点における補正値Ts'(last)を用いて、上述した学習値の更新手法に基づいて行われる。そして、ステップ122において、フラグF23T及びフラグF23Iが共に1にセットされ、カウンタ値CTがリセットされた後(ステップ123)、図18のステップ124に進む。
【0078】
フラグF23T及びフラグF23Iが共に0であるから、変速終了時制御(4)が実行される。まず、ステップ124において、係合側の油圧を上昇させ、この油圧が最大値になったか否かが判断される(ステップ125)。油圧が最大値に到達していない場合には、リターンに進み、このフローチャートの次の実行を待つ。次の実行において、フラグF23T及びフラグF23Iは共に1なので、ステップ104から、ステップ124に進む。そして、係合側の油圧が最大値になるまで、この手順が繰り返される。そして、この油圧が最大値になると、ステップ125からステップ126へと進む。その結果、フラグF23T及びフラグF23Iを1から0に変えると共に、フラグF23も1から0に変え(ステップ127)、リターンに進む。フラグF23が0になったので、以上の手順を持って、2−3変速は終了する。
【0079】
なお、本実施例は、図3のような構造を有する自動変速機に関して、その変速モデルを導出して説明している。しかしながら、図3の自動変速機は一例であって、本発明はそれ以外の構造を有する様々な自動変速機に適用することが可能であることは当然である。
【0080】
また、本実施例は、主としてイナーシャ相制御に適用した場合について説明したが、トルク相制御を含めて油圧制御を行うような制御に広く適用することも当然可能であり、本発明はその趣旨の範囲内において、係合要素の様々な油圧制御に利用することができる。
【0081】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、検出されたタービン回転数及びアウトプット回転数を自動変速機の変速モデルに代入することにより、係合要素の制御値を推定している。そして、算出された制御値及び制御値の推定値とに基づいて補正量を算出している。この補正量は、自動変速機における外乱トルク、すなわち係合要素やソレノイドバルブの特性のばらつきや経年変化により生じる発生トルクの誤差分を相殺するように作用するものである。従って、この補正値をフィードバックして制御値を算出すれば、外乱トルクの影響を相殺するような制御値を算出することができる。従って、外乱トルクの影響によりシフトクオリティが悪化することを有効に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の自動変速機における主要部の概略的構造を示した図
【図2】図1の自動変速機における変速位置と係合要素の係合状態との関係を示した表
【図3】自動変速機の制御機構を全体的に示した図
【図4】リニアソレノイドバルブの断面図
【図5】変速段及び各リニアソレノイドバルブの開閉状態の関係を示した表
【図6】図1に示した自動変速機のスケルトン図
【図7】フィードバック制御を用いた係合要素の油圧制御を実行するための機能的なブロック図
【図8】変速モデルを用いたトルク推定値の算出を説明するための図
【図9】タービントルクTTの算出を説明するための図
【図10】補正値に関する不感帯処理を説明するための図
【図11】トルク指示値の算出を説明するための図
【図12】同一種類の変速を繰り返し実行した場合における補正値及び学習値の推移を示したタイミングチャート
【図13】各制御モードとフラグとの関係を示した表
【図14】2速−3速のアップシフトのイナーシャ相制御におけるタイミングチャート
【図15】2−3変速のアップシフトにおける制御手順の一部を示したフローチャート
【図16】図15のフローチャートに続き、トルク相制御の制御手順を示したフローチャート
【図17】図15または図16のフローチャートに続き、イナーシャ相制御の制御手順を示したフローチャート
【図18】図17のフローチャートに続き、変速終了時制御の制御手順を示したフローチャート
【符号の説明】
1 フロントプラネタリ、 2 リアプラネタリ、
3 リバースクラッチ、 4 2&4ブレーキ、
5 ハイクラッチ、 6 ロークラッチ、
7 ロー&リバースブレーキ、 8 ローワンウェイクラッチ、
9 クランクシャフト、 10 トルクコンバータ、
11 タービンシャフト、 12 リダクションドライブシャフト、
15 ドライブピニオンシャフト、16 デファレンシャルギア
21 エンジン、 22 変速機構、
23 油圧制御機構、 24 ECU、
31,32,33,34,35 リニアソレノイドバルブ、
36 オイルポンプ、 37 オイルパン、
38 レギュレータバルブ、 41 CPU、
42 ROM、 43 RAM、
44 入力回路、 45 出力回路、
51 油圧制御回路、 71 トルク設定部、
72 自動変速機、 73 変速モデル部、
74 加重平均フィルタ、 75 学習部、
S1 スロットル開度センサ、 S2 エンジン回転数センサ、
S3 タービン回転数センサ、 S4 アウトプット回転数センサ

Claims (10)

  1. 駆動機関からの駆動力を受ける回転軸及び車輪に駆動力を伝達する回転軸間の動力伝達特性を設定する複数の係合要素と、
    前記回転軸の回転数を検出する検出手段と、
    前記係合要素の解放及び係合を制御するトルク指示値を、自動変速機の機構から導出され、前記回転軸の回転数と前記トルク指示値との関係を規定した第1の変速モデルを用いることにより算出する制御値算出手段と、
    前記自動変速機の機構から導出され、前記回転軸の回転数とトルク推定値との関係を規定し、かつ、前記第1の変速モデルとは別の第2の変速モデルを用いることにより、前記係合要素において現在作用していると推定される前記トルク推定値を算出する推定手段と、
    前記トルク指示値及び前記トルク推定値に基づいて、前記トルク指示値を前記トルク推定値に近づけるためのトルク補正値を算出する補正値算出手段とを有し、
    前記制御値算出手段は、前記補正値算出手段からフィードバックされた前記トルク補正値に基づいて補正されたトルク指示値を算出することを特徴とする自動変速機。
  2. 前記推定手段は、実行しようとする変速に対応し、変速の種類ごとに異なる前記第2の変速モデルを用いることにより前記トルク推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載された自動変速機。
  3. 前記第2の変速モデルは、前記回転軸に関する粘性が考慮された変速モデルであることを特徴とする請求項1または2に記載された自動変速機。
  4. 前記第2の変速モデルは、前記回転軸に関する慣性が考慮された変速モデルであることを特徴とする請求項3に記載された自動変速機。
  5. 前記第2の変速モデルは、タービントルクが考慮された変速モデルであることを特徴とする請求項4に記載された自動変速機。
  6. 前記第1の変速モデルは、変速前の変速比から、変速後の変速比に向かって滑らかに変化するように予め変速パターンが設定されたタービン回転数の項を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された自動変速機。
  7. 変速制御の終了時における前記トルク補正値を学習値として記憶する学習手段をさらに有し、
    前記制御値算出手段は、前記学習値に基づいて前記トルク指示値を算出することを特徴とする請求項1に記載された自動変速機。
  8. 前記学習手段は、変速の種類ごとに前記学習値を記憶することを特徴とする請求項7に記載された自動変速機。
  9. 前記制御値算出手段は、ある種類の変速の実行時において、前記学習手段に記憶された当該変速に対応する学習値に基づいて前記トルク指示値を算出することを特徴とする請求項8に記載された自動変速機。
  10. 前記係合要素ごとに対応づけて設けられた複数のリニアソレノイドバルブをさらに有し、
    前記リニアソレノイドバルブのそれぞれは、前記トルク指示値に応じた油圧を前記係合要素に供給することを特徴とする請求項1,2,6,または7に記載された自動変速機。
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