JPH1061704A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JPH1061704A
JPH1061704A JP24259696A JP24259696A JPH1061704A JP H1061704 A JPH1061704 A JP H1061704A JP 24259696 A JP24259696 A JP 24259696A JP 24259696 A JP24259696 A JP 24259696A JP H1061704 A JPH1061704 A JP H1061704A
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JP
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valve
center pipe
orifice
front fork
oil chamber
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Takeshi Kanda
神田  剛
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン速度が微低速域にあるときに所望の
伸側減衰力が発生され、特に、レース仕様やレース指向
とされる自動二輪車への架装に適する。 【解決手段】 上方油室R1と下方油室R2を区画する
ピストン部3にセンターパイプ4の外周との間に油漏れ
を許容する隙間Sを有して摺接するチェックバルブ14
を有する一方で、センターパイプ4の上端ヘッド部4a
近傍に開穿されて上方油室R1とセンターパイプ4の内
周側とを連通するオリフィス4bと、内外の連通を可能
にする通孔15aを有しながらオリフィス4bを覆うよ
うにセンターパイプ4の内周側に配在されて下端部15
b外周がセンターパイプ4の内周に密接するバルブケー
ス15と、内周がバルブケース15の外周に摺接すると
共に外周がセンターパイプ4の内周に摺接してバルブケ
ース15の下端側外周にオリフィス4bに連通する容室
Rを区画する伸側バルブ17とを有してなり、伸側バル
ブ17が附勢ばね18の配在下にバルブケース15に開
穿の通孔15aを閉塞してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レース仕様ある
いはレース指向の自動二輪車に架装されるフロントフォ
ークの改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】自動二輪車に架装されるフロ
ントフォークとしては、従来から種々の提案があるが、
自動二輪車がレース仕様あるいはレース指向とされる場
合のフロントフォークにあっては、ピストン速度が微低
速域にある場合の伸側の減衰力が所望の通りに発生され
ることを強く要請される傾向にある。
【0003】たとえば、図4に示す従来例としてのフロ
ントフォークにあっては、車軸側チューブたるアウター
チューブ1の上端側内に車体側チューブたるインナーチ
ューブ2の下端側たる先端側が出没可能に挿通されてな
る。
【0004】そして、インナーチューブ2の下端部たる
先端部の内周には、ピストン部3が設けられており、こ
のピストン部3は、内周側においてアウターチューブ1
の内底部から立設されてアウターチューブ1の軸芯部に
配在されたセンターパイプ4の外周に対向し、外周側に
おいてアウターチューブ1の内周に軸受5の配在下に摺
接している。
【0005】なお、センターパイプ4の上端ヘッド部4
aの外周には、その外周がインナーチューブ2の内周に
摺接するシールリング6が介装されており、このシール
リング6でインナーチューブ2内を上端側のいわゆるリ
ザーバ側と下端側のいわゆる油室側に区画している。
【0006】また、センターパイプ4の上端と図示しな
いインナーチューブ2の内部上端との間には、懸架ばね
7が配在されていて、この懸架ばね7の附勢力によって
インナーチューブ2がアウターチューブ1内から突出さ
れる傾向に、すなわち、このフロントフォークが伸長傾
向に常時附勢されるとしている。
【0007】ところで、ピストン部3は、図中で下端側
となる先端側に図示しない下方に定着されている油孔桿
を内周側に離脱可能に侵入させるオイルロックケース8
をインナーチューブ2の先端のカシメ加工で抜け落ちを
防止された固定状態に有してなる。
【0008】また、ピストン部3は、図中で上端側とな
る基端側に上下動可能に配在されたメインのバルブ9を
有してなり、このバルブ9は、上端側に油の通過を許容
する切欠部9aを有してなると共に、センターパイプ4
の外周に油流れを許容する隙間Sを有して摺接してい
る。
【0009】そして、このバルブ9とオイルロックケー
ス8の間には、板状に形成のスペーサ10が配在される
と共に、このスペーサ10をオイルロックケース8との
間に挟むようにしてバルブストッパ11が隣設され、こ
のバルブストッパ11の内周側にリターンばね12の配
在下に上記のバルブ9を臨在させている。
【0010】なお、バルブストッパ11は、外周側の上
端がインナーチューブ2の内周に形成された段差部2a
に係止されており、前記したインナーチューブ2の先端
のカシメ加工によって固定状態に定着されている。
【0011】また、バルブストッパ11の上端とセンタ
ーパイプ4の上端ヘッド部4aの下端との間には、伸び
切りばね13が配在されていて、このフロントフォーク
の最伸長時にピストン部3が上端ヘッド部4aに衝突す
ることを阻止している。
【0012】ちなみに、オイルロックケース8は、上端
内周とセンターパイプ4の外周との間に環状オリフィス
8aを形成していて、この環状オリフィス8aを介して
のバルブ9側、すなわち、インナーチューブ2とセンタ
ーパイプ4の間にピストン部3で区画される上方油室R
1と、オイルロックケース8の内周側、すなわち、アウ
ターチューブ1とセンターパイプ4の間にピストン部3
で区画される下方油室R2との連通を許容している。
【0013】また、スペーサ10は、環状オリフィス8
aに部分的に対向しながら下降状態にあるバルブ9によ
って部分的に閉塞される切欠孔10aを有していて、環
状オリフィス8aと同様に、上方油室R1側と下方油室
R2側との連通を許容している。
【0014】そして、バルブストッパ11は、上端内周
とセンターパイプ4の外周との間に形成されバルブ9の
切欠部9aに連通する環状通路11aを有していて、バ
ルブストッパ11内と上方油室R1との連通を許容して
いる。
【0015】それゆえ、この従来例としてのフロントフ
ォークにあっては、図示する最伸長状態からピストン部
3が下降する圧縮作動時には、下方油室R2側が高圧側
となるがゆえにバルブ9がバルブストッパ11内で上昇
する。
【0016】したがって、下方油室R2からの作動油
は、図中に破線矢印で示すように、オイルロックケース
8部分における環状オリフィス8aとスペーサ10部分
における切欠孔10aとで形成されるいわゆるオリフィ
スを通過すると共に、バルブ9の切欠部9aおよびバル
ブストッパ11の上端内周で形成される環状通路11a
を通過して、上方油室R1内に流入することになる。
【0017】そして、作動油が環状オリフィス8aと切
欠孔10aとで形成されるオリフィスを通過すること
で、圧側の減衰力が発生されることになる。
【0018】一方、下降状態にあるピストン部3が下方
油室R2内を上昇することになる伸長作動時には、上方
油室R1側が高圧側となるがゆえにバルブ9がバルブス
トッパ11内で下降する。
【0019】したがって、上方油室R1からの作動油
は、図中に実線矢印で示すように、環状通路11aおよ
び切欠部9aを通過すると共に、バルブ9で部分的に閉
塞されているオリフィス、すなわち、切欠孔10aと環
状オリフィス8aとで形成されるオリフィスを通過し
て、下方油室R2内に流入することになる。
【0020】そして、作動油が切欠孔10aと環状オリ
フィス8aとで形成されてバルブ9で部分的に閉塞され
ているオリフィスを通過することで、伸側の減衰力が発
生されることになる。
【0021】また、この伸側作動時に上記オリフィスを
通過しきれない作動油は、バルブ9の内周とセンターパ
イプ4の外周との間に形成される隙間Sを介して流れる
ことになり、このとき、やはり伸側の減衰力が発生され
ることになる。
【0022】すなわち、伸側作動時には、作動油が切欠
孔10aと環状オリフィス8aとで形成されるオリフィ
スと隙間Sを通過することで、所定の伸側の減衰力が発
生されるとしている。
【0023】しかしながら、上記した伸側減衰力の発生
は、ある程度の量の作動油がバルブ9を介するようにし
て流れることを期待できるピストン速度の場合、すなわ
ち、ピストン速度が低速域以上にある場合のことであ
る。
【0024】したがって、ピストン速度が微低速域にあ
る伸側作動時には、上方油室R1からの作動油がもっぱ
ら切欠孔10aと環状オリフィス8aとで形成されるオ
リフィスを通過するが、このとき、このオリフィスに微
低速域制御のための流路抵抗の発生を期待できないこと
になる。
【0025】その結果、上記した減衰力発生構造を有す
るフロントフォークが自動二輪車に架装されるとして
も、この自動二輪車がレース仕様やレース指向に形成さ
れている場合には、ピストン速度が微低速域にあるとき
の所望の伸側減衰力の発生を期待し得なくする。
【0026】そして、レース仕様やレース指向の実車に
あっては、たとえば、急減速しながらヘヤピンカーブに
進入するときに、所望のノーズダイブ傾向の車体姿勢を
維持し難くなり、その後の加速体勢などをとり辛くする
などの不具合があることが指摘されることになってい
た。
【0027】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、ピストン
速度が微低速域にあるときに所望の伸側減衰力が発生さ
れ、特に、レース仕様やレース指向とされる自動二輪車
への架装に最適となるフロントフォークを提供すること
である。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、車軸側チューブ内に出没可
能に挿通される車体側チューブの先端部の内周に車軸側
チューブの内底部に立設され車軸側チューブの軸芯部に
配在のセンターパイプの外周に対向すると共に車軸側チ
ューブの内周に摺接するピストン部を有し、ピストン部
が車体側チューブとセンターパイプとの間に上方油室を
区画すると共に車軸側チューブとセンターパイプとの間
に下方油室を区画する一方でセンターパイプの外周に油
流れを許容する隙間を有しながら摺接して上方油室の下
方油室への連通を阻止するチェックバルブを有し、セン
ターパイプが上端ヘッド部近傍に開穿されて上方油室と
センターパイプの内周側とを連通するオリフィスを有し
てなるフロントフォークにおいて、内外の連通を可能に
する通孔を有しながら上記オリフィスを覆うようにセン
ターパイプの内周側に配在されて下端部外周がセンター
パイプの内周に密接するバルブケースと、内周がバルブ
ケースの外周に摺接すると共に外周がセンターパイプの
内周に摺接してバルブケースの下端側外周に上記オリフ
ィスに連通する容室を区画する伸側バルブとを有してな
り、伸側バルブが附勢ばねの配在下にバルブケースに開
穿の通孔を閉塞してなるとする。
【0029】そして、より具体的には、先端を伸側バル
ブに当接させる附勢ばねの基端がバルブケースの上端部
外周に定着されたばね受に係止されてなるとする。
【0030】また、好ましくは、先端を伸側バルブに当
接させる附勢ばねの基端がセンターパイプの上端ヘッド
部の内周に定着されたばね受に係止されてなる一方で、
ストッパの内周がバルブケースの上端部外周に螺合され
てなり、バルブケースのセンターパイプに対する移動で
附勢ばねの附勢力が変更されるように設定されてなると
する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態に基づ
いて、この発明を説明するが、この発明の実施の形態に
よるフロントフォークは、基本的には、前記した従来の
フロントフォークと同様に構成されている。
【0032】それゆえ、その構成が同一なる部分につい
ては、図中に同一の符号を付するのみとして、要する場
合を除いてその詳しい説明を省略し、以下には、各実施
の形態において要部となるところを中心に説明する。
【0033】まず、この発明の一つの実施の形態による
フロントフォークは、図1に示すように、ピストン部3
がセンターパイプ4の外周に摺接して上方油室R1の下
方油室R2への連通を阻止する、すなわち、このフロン
トフォークの伸側作動時に上方油室R1からの作動油が
ピストン部3を介して下方油室R2へ流出することを阻
止するチェックバルブ14を有してなる。
【0034】このチェックバルブ14は、センターパイ
プ4の外周との間に油流れを許容する隙間Sを形成して
おり、したがって、このフロントフォークの伸側作動時
に作動油が隙間Sを通過することによる伸側減衰力の発
生を可能にしている。
【0035】なお、チェックバルブ14は、このフロン
トフォークの圧側作動時に下方油室R2からの作動油が
上方油室R1に向けて通過するのを許容する切欠部9a
を有している。
【0036】一方、このフロントフォークは、センター
パイプ4の上端ヘッド部4aからその下方近傍にかけて
の内周側に伸側減衰力発生構造を有しており、以下に
は、この伸側減衰力発生構造の構成について説明する。
【0037】まず、センターパイプ4は、上端ヘッド部
4aの下方近傍に開穿されて上方油室R1とセンターパ
イプ4の内周側とを連通するオリフィス4bを有してな
り、センターパイプ4の内周側には、オリフィス4bを
覆うようにバルブケース15が配在されている。
【0038】このバルブケース15は、内外の連通を可
能にする通孔15aを有し、下端部15bの外周がセン
ターパイプ4の内周に密接するとしており、上端部15
cの外周にフランジ状に形成されたばね受16を定着さ
せている。
【0039】なお、このばね受16の外周側端は、図示
する実施の形態にあっては、センターパイプ4の上端、
すなわち、上端ヘッド部4aの上端とその上方の懸架ば
ね7の下端との間に挟持されている。
【0040】つぎに、バルブケース15とセンターパイ
プ4の間には、内周がバルブケース15の外周に摺接し
外周がセンターパイプ4の内周に摺接する伸側バルブ1
7を有している。
【0041】この伸側バルブ17は、図中で上方となる
背後に配在の附勢ばね18によって図中で下降方向とな
る前進方向に附勢されており、最前進時には、バルブケ
ース15の下端部15bの上方近傍の外周に形成された
段差部15dに係止されると共にバルブケース15に開
穿の通孔15aを閉塞する状態におかれるように設定さ
れている。
【0042】そして、伸側バルブ17が図示する最前進
状態にあるときには、バルブケース15の下端部15b
と上方の段差部15dとの間にセンターパイプ4に開穿
のオリフィス4bに連通する容室Rが形成されるとして
いる。
【0043】なお、先端を伸側バルブに当接させている
附勢ばね18の図中で上端となる基端は、ばね受16の
下端面に係止されている。
【0044】それゆえ、以上のように形成された伸側減
衰力発生構造を有するフロントフォークにあっては、イ
ンナーチューブ2がアウターチューブ1内から抜け出る
ようになる伸長作動時には、上方油室R1側が高圧側と
なるがゆえにチェックバルブ14がバルブストッパ11
内で下降する。
【0045】したがって、上方油室R1からの作動油
は、図中に実線矢印で示すように、オリフィス4bを通
過して容室R内に流入すると共に、伸側バルブ17が押
し上げられることで開口される通孔15aを介してバル
ブケース15の内周側、すなわち、リザーバ室(符示せ
ず)側に流出することになる。
【0046】そして、伸側バルブ17が附勢ばね18の
附勢力に抗して上昇されることで形成される隙間を作動
油が通過するときに、伸側減衰力が発生されることにな
り、このときの減衰力は、バルブ特性となる。
【0047】また、特に、ピストン速度が微低速域にあ
るとき、上記オリフィス4bによる流路抵抗の発生を期
待できなくても、このオリフィス4bに直列する伸側バ
ルブ17が作動することで所望の伸側減衰力の発生を期
待できる。
【0048】なお、この伸側作動時には、チェックバル
ブ14の内周とセンターパイプ4の外周との間に形成さ
れている隙間Sを介しても作動油が流れることになり、
このときにも、やはり伸側の減衰力が発生されることに
なる。
【0049】また、圧側作動時には、下方油室R2側が
高圧側となるがゆえにチェックバルブ14がバルブスト
ッパ11内で上昇し、下方油室R2からの作動油がオイ
ルロックケース8部分における環状オリフィス8aを通
過すると共に、チェックバルブ14の切欠部14aおよ
びバルブストッパ11の上端内周で形成される環状通路
11aを通過して、上方油室R1内に流入し、作動油が
環状オリフィス8aを通過することで、圧側の減衰力が
発生される。
【0050】図2に示すフロントフォークにあっては、
先端を伸側バルブ17に当接させる附勢ばね18の基端
がセンターパイプ4の上端ヘッド部4aの内周に定着さ
れたばね受16に係止されてなる一方で、ばね受16の
内周がバルブケース15の上端側の外周に螺合されてな
り、バルブケース15のセンターパイプ4に対する移動
で附勢ばね18の附勢力が変更されるように設定されて
いる。
【0051】すなわち、ばね受16の内周に形成の螺条
16aがバルブケース15の上端部15cから下方近傍
の外周にかけて形成の螺条15eに螺合される一方で、
バルブケース15の下端には、有孔連繋部材19が配在
されており、この有孔連繋部材19の軸芯部にインナー
チューブ2の軸芯部に配在されたコントロールロッド2
0が異形嵌合するとしている。
【0052】なお、ばね受16の上端ヘッド部4aの内
周側からの抜け出しは、図示する実施の形態にあって、
上端ヘッド部4aの内周に嵌装されたストッパ21によ
って阻止されている。
【0053】また、ばね受16の上端ヘッド部4aの内
周での回動は、ばね受16の外周が異形とされると共
に、たとえば、図示する実施の形態のように、この異形
に形成された外周が上端のヘッド部4aの内周に形成の
縦溝4cに嵌合する異形嵌合構造で阻止されるとしてい
る。
【0054】そして、コントロールロッド20の上端
は、図示しないが、たとえば、インナーチューブ2の上
端から突出するように設定されていて、この突出端が手
動操作あるいは適宜のアクチュエータを利用した操作で
回動されるように設定されていれば足りる。
【0055】それゆえ、以上のように形成されたこの実
施の形態によるフロントフォークにあっては、伸長作動
時には、前記した実施の形態によるフロントフォークの
場合と同様に、チェックバルブ14の内周とセンターパ
イプ4の外周との間に形成されている隙間Sにおける減
衰力の発生に加えて、伸側バルブ17の作動で所望の伸
側減衰力を発生することになる。
【0056】そして、ピストン速度が微低速域にあると
きには、その際の作動油の流量に応じる所望の伸側減衰
力が発生され、要する場合のコントロールロッド20の
回動操作で、伸側バルブ17を附勢する附勢ばね18の
附勢力を変更し得ることになり、発生される伸側減衰力
の大きさを任意に変更し得ることになる。
【0057】なお、圧側作動時には、この実施の形態に
あっても、前記した図1に示す実施の形態の場合と同様
に、作動油が環状オリフィス8aを通過することで、圧
側の減衰力が発生されることもちろんである。
【0058】前記したところ、すなわち、ピストン速度
が微低速域にあるときの伸側減衰力の発生状況を従来の
フロントフォークの場合と比較すると、図3に示すよう
になる。
【0059】すなわち、図3において、従来のフロント
フォークにおける特性をAで示すとき、これは、切欠孔
10aと環状オリフィス8aとで形成されるオリフィス
によるオリフィス特性A1と、このオリフィスに並列す
るバルブ9の内周の隙間Sによるポート特性A2との合
成からなるオリフィス特性として表出される。
【0060】これに対して、図1に示す実施の形態によ
るロントフォークにおける特性は、Bで示すところとな
り、これは、オリフィス4bによるオリフィス特性、す
なわち、A1と、オリフィス4bに並列する隙間Sによ
るポート特性A2と、オリフィス4bに直列する伸側バ
ルブ17によるバルブ特性B1との合成からなる緩いカ
ーブのオリフィス特性として表出される。
【0061】そして、図2に示す実施の形態によるロン
トフォークにあっては、ばね力が変更された伸側バルブ
17によるバルブ特性がC1となり、これがオリフィス
特性A1およびポート特性A2と合成されてCで示す特
性となる。
【0062】以上からも解るように、ピストン速度が微
低速域にあるときの伸側減衰力は、従来のフロントフォ
ークにおける特性Aに比較して、特性Bおよび特性Cで
示すように、明らかに大きくなる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、伸
側減衰力を主に制御することになるオリフィスの下流に
直列してバルブ特性の伸側バルブを配設するとしたの
で、ピストン速度が微低速域にあるときも所望の大きさ
の伸側減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0064】そして、この発明にあっては、伸側バルブ
を附勢する附勢ばねの附勢力を調整するとき、ピストン
速度が微低速域にあるときの伸側減衰力を高低自由に変
更できることになる。
【0065】また、この発明にあっては、ピストン部に
おけるわずかな設計変更をすることと、センターパイプ
の上端ヘッド部の下方近傍にオリフィスを開穿すること
を条件に、センターパイプの上端ヘッド部からその下方
近傍にかけての内周側に伸側減衰力発生構造を配設ける
ことのみで、所期の減衰力制御が可能になり、フロント
フォーク全体の長さや径寸法の変更を招来させず、した
がって、従来より提供されているフロントフォークに内
部のわずかな設計変更をするだけで、その提供が可能に
なる。
【0066】その結果、この発明によれば、いたずらな
コスト上昇化を招来せずして、ピストン速度が微低速域
にあるときに所望の伸側減衰力が発生されるフロントフ
ォークが得られることになり、特に、レース仕様やレー
ス指向とされる自動二輪車への架装に最適となる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるフロントフォー
クを一部破断して要部のみを示す部分縦断面図である。
【図2】この発明の他の実施の形態によるフロントフォ
ークを図1と同様に示す部分縦断面図である。
【図3】この発明のフロントフォークによるピストン速
度に対する伸側減衰力の発生状況を従来例としてのフロ
ントフォークの場合と比較して示す特性図である。
【図4】従来例としてのフロントフォークを図1と同様
に示す部分縦断面図である。
【符号の説明】 1 車軸側チューブたるアウタチユーブ 2 車体側チューブたるインナーチューブ 3 ピストン部 4 センターパイプ 4a 上端ヘッド部 4b オリフィス 14 チェックバルブ 15 バルブケース 15a 通孔 15b 下端部 16 ストッパ 17 伸側バルブ 18 附勢ばね R 容室 R1 上方油室 R2 下方油室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸側チューブ内に出没可能に挿通され
    る車体側チューブの先端部の内周に車軸側チューブの内
    底部に立設され車軸側チューブの軸芯部に配在のセンタ
    ーパイプの外周に対向すると共に車軸側チューブの内周
    に摺接するピストン部を有し、ピストン部が車体側チュ
    ーブとセンターパイプとの間に上方油室を区画すると共
    に車軸側チューブとセンターパイプとの間に下方油室を
    区画する一方でセンターパイプの外周に油流れを許容す
    る隙間を有しながら摺接して上方油室の下方油室への連
    通を阻止するチェックバルブを有し、センターパイプが
    上端ヘッド部近傍に開穿されて上方油室とセンターパイ
    プの内周側とを連通するオリフィスを有してなるフロン
    トフォークにおいて、内外の連通を可能にする通孔を有
    しながら上記オリフィスを覆うようにセンターパイプの
    内周側に配在されて下端部外周がセンターパイプの内周
    に密接するバルブケースと、内周がバルブケースの外周
    に摺接すると共に外周がセンターパイプの内周に摺接し
    てバルブケースの下端側外周に上記オリフィスに連通す
    る容室を区画する伸側バルブとを有してなり、伸側バル
    ブが附勢ばねの配在下にバルブケースに開穿の通孔を閉
    塞してなることを特徴とするフロントフォーク
  2. 【請求項2】 先端を伸側バルブに当接させる附勢ばね
    の基端がバルブケースの上端部外周に定着されたばね受
    に係止されてなる請求項1のフロントフォーク
  3. 【請求項3】 先端を伸側バルブに当接させる附勢ばね
    の基端がセンターパイプの上端ヘッド部の内周に定着さ
    れたばね受に係止されてなる一方で、ストッパの内周が
    バルブケースの上端部外周に螺合されてなり、バルブケ
    ースのセンターパイプに対する移動で附勢ばねの附勢力
    が変更されるように設定されてなる請求項1のフロント
    フォーク
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TWI552988B (zh) * 2011-03-03 2016-10-11 三菱瓦斯化學股份有限公司 3-羥基-2,2-二甲基丙醛水溶液之濃縮方法

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