JPH08326824A - 位置依存型油圧緩衝器 - Google Patents

位置依存型油圧緩衝器

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Publication number
JPH08326824A
JPH08326824A JP15388895A JP15388895A JPH08326824A JP H08326824 A JPH08326824 A JP H08326824A JP 15388895 A JP15388895 A JP 15388895A JP 15388895 A JP15388895 A JP 15388895A JP H08326824 A JPH08326824 A JP H08326824A
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JP
Japan
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spool
spring
compression
piston
oil chamber
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Application number
JP15388895A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
Norihisa Shibuya
紀久 渋谷
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置依存型にして設定通りの減衰力発生を期
待でき、伸側及び圧側の各減衰力をハード,ソフトを設
定するについての自由度を持たせ、トラック等の車両へ
の架装、さらには、シートダンパとしての利用に適する
ようにする。 【構成】 シリンダ1内にピストン3で区画の伸側油室
Uと圧側油室Lとの連通を可能にするバイパス路が伸側
及び圧側それぞれ独立に形成されてなると共に、スプー
ル4が伸側及び圧側の各バイパス路の一端を開口させる
ピストンナット2の外周に上下方向に摺動可能に介装さ
れてなり、第1のスプリング5がスプール4を下降傾向
に附勢するに対して第2のスプリング6が圧側油室Lに
配在されてスプール4を上昇傾向に附勢し得るように設
定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、その伸縮位置に依存
して発生減衰力が変わるように構成される位置依存型油
圧緩衝器の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】例えば、積載荷重の変化で車
高が変化することが多いトラック等の車両に架装される
油圧緩衝器にあっては、該油圧緩衝器で発生される減衰
力が上記の車高変化に応じて変わるように構成されるこ
とが好ましい。
【0003】そのため、例えば、特開昭56−3933
0号公報で開示の位置依存型の油圧緩衝器が提案されて
いるが、この油圧緩衝器では、その構成上から、所謂異
常作動が発現されて、設定通りの減衰力が発生されなく
なる可能性がある。
【0004】即ち、この従来提案としての油圧緩衝器に
あっては、これに作用する負荷が所定負荷以下、即ち、
1G以下のときには、ピストンの上方の伸側油室に配在
のスプリングの附勢力でピストンの言わば伸側油室側に
配在のスプールが下降状態におかれ、このとき、スプー
ルによってピストンに配在のメインの減衰バルブを迂回
する所謂バイパス路が開放傾向とされて、図5中に実線
で示すように、伸側及び圧側の各減衰力が低減衰力発生
(ソフト)の状態に維持されるとしている。
【0005】また、上記負荷が1G以上のときには、上
記スプールが上方のスプリングの附勢力には影響されな
いが下方のスプリングの附勢力で所謂復帰するように上
昇状態におかれ、このとき、スプールによって上記バイ
パス路が閉鎖傾向とされて、図5中に破線で示すよう
に、伸側及び圧側の各減衰力が高減衰力発生(ハード)
の状態に維持されるとしている。
【0006】それ故、例えば、積載荷重の変化で車高が
大きく変化することが多い大型トラック等の車両にあっ
ては、積載荷重が大きくなるときに、特に、圧側の減衰
力を大きくするようにして、油圧緩衝器における所謂底
付きを未然に阻止し得ることになる。
【0007】尚、該油圧緩衝器にあっては、上記の大型
トラック等の車両における積載荷重がなくなったような
場合には、特に、伸側の減衰力を小さくして、油圧緩衝
器に起因するゴツゴツ感をなくし、乗り心地を改善し得
ることになる。
【0008】しかしながら、上記の従来の油圧緩衝器に
あっては、ピストンの伸側油室側に配在されるスプール
を伸側油室側に向けて上昇状態に維持する下方のスプリ
ングがピストンの下方の圧側油室側に配在される構成と
されているので、スプールが上方のスプリングからの附
勢力の影響を受けずして上昇状態に維持されるべきとき
に、伸側油室と圧側油室との間における所謂油圧差でス
プールが強制的に下降されることになる可能性がある。
【0009】その結果、上記した従来提案の油圧緩衝器
にあっては、スプールが上昇状態に維持されて、圧側の
減衰力がハードな状態に維持されていなければならない
ときに、スプールが下降状態になって減衰力がソフトな
状態に切り換えられる可能性があり、従って、位置依存
型にして発生減衰力を変えるとしても、設定通りの減衰
力発生を期待できなくする可能性がある。
【0010】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、位置依存
型にして発生減衰力を変えるように構成する場合に、設
定通りの減衰力発生を期待できるのは勿論のこと、加え
て、伸側及び圧側の各減衰力をハード,ソフトを設定す
るについてその自由度を持たせることを可能にして、ト
ラック等の車両への架装に最適となり、さらには、シー
トダンパとしての利用にも適する位置依存型油圧緩衝器
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、車両における車輪側に連結
されるシリンダと、車両における車体側に連結されシリ
ンダ内に出没されるピストンロッドと、ピストンロッド
に連設されながらシリンダ内に摺動可能に収装されて伸
側減衰バルブ及び圧側減衰バルブの配在下にシリンダ内
に伸側油室及び圧側油室を区画するピストンと、ピスト
ンに配在の伸側減衰バルブ及び圧側減衰バルブを迂回す
るバイパス路と、バイパス路を開閉するスプールと、ス
プールを上下のいずれか一方向から常時附勢する第1の
スプリングと、所定負荷以下時あるいは所定負荷以上時
のいずれか一方時に他方向から附勢して第1のスプリン
グの附勢力に抗してスプールを摺動させる第2のスプリ
ングと、を有してなる位置依存型油圧緩衝器において、
バイパス路が伸側及び圧側それぞれ独立に形成されてな
ると共に、スプールが伸側及び圧側の各バイパス路の一
端を開口させるピストンナットの外周に上下方向に摺動
可能に介装されてなり、第1のスプリングがスプールを
下降傾向に附勢するに対して第2のスプリングが圧側油
室に配在されてスプールを上昇傾向に附勢し得るように
設定されてなるとする。
【0012】
【作用】それ故、該位置依存型油圧緩衝器にあっては、
スプールがシリンダ内にピストンで区画される圧側油室
に臨在されるピストンナットの外周に介装されるから、
該スプールは、伸側油室と圧側油室との間における所謂
油圧差の影響を受けることがなく、該油圧差による異常
な移動、即ち、異常作動しない。
【0013】また、該位置依存型油圧緩衝器にあって
は、これに作用する負荷が所定負荷以下、即ち、1G以
下のときには、シリンダ内におけるピストンの摺動位置
が相対的に上昇位置とされることになり、スプールが第
2のスプリングの附勢力の影響を受けずして、第1のス
プリングからの附勢力で下降状態に維持される。
【0014】そして、上記負荷が1G以上のときには、
上記シリンダ内におけるピストンの摺動位置が相対的に
下降位置とされることになり、上記スプールが第1のス
プリングの附勢力に打ち勝つ第2のスプリングの附勢力
で上昇状態に維持される。
【0015】スプールが下降状態にあるときあるいは上
昇状態にあるときのいずれであっても、該スプールが伸
側のバイパス路あるいは圧側のバイパス路のそれぞれの
一端を開放するか閉塞するかの設定如何で、伸側の減衰
力あるいは圧側の減衰力を高減衰力発生(ハード)の状
態あるいは低減衰力発生(ソフト)の状態のいずれにも
自由に設定できる。
【0016】そして、第2のスプリングは、シリンダ内
の圧側油室に配在されるから、該位置依存型油圧緩衝器
における最圧縮時近くにおけるピストンの底付きを緩衝
するバネとしても機能する。
【0017】
【実施例】以下、図示した一実施例に基づいて、この発
明を説明するが、図1に示す位置依存型油圧緩衝器は、
凡そこの種の油圧緩衝器がそうであるように、シリンダ
1と、ピストンロッド2と、ピストン3と、を有してな
り、さらに、この実施例にあっては、スプール4と、第
1のスプリング5と、第2のスプリング6と、を有して
なる。
【0018】シリンダ1は、該位置依存型油圧緩衝器が
車両に架装される際に、図示しないが、その下端側が車
両における車輪側に連結されるもので、該位置依存型油
圧緩衝器が複筒型に設定される場合(本実施例の場合)
あるいは単筒型に設定される場合の所謂シリンダを構成
する。
【0019】ピストンロッド2は、該位置依存型油圧緩
衝器が車両に架装される際に、図示しないが、常時シリ
ンダ1の外部に突出されているその上端側が車両におけ
る車体側に連結されるもので、図示するように、その下
端側たる先端側がシリンダ1内に出没可能に挿通されて
いる。
【0020】ピストン3は、ピストンロッド2の先端部
に連設されながらシリンダ1内に摺動可能に収装されて
シリンダ1内に伸側油室Uと圧側油室Lを区画すると共
に、該伸側油室Uと圧側油室Lとを伸側減衰バルブ3a
及び圧側減衰バルブ3bの配在下に連通可能にしてい
る。
【0021】因に、ピストン3は、この実施例にあっ
て、ピストンロッド2の先端インロー部2aに介装され
ているもので、一端がピストンロッド2の先端基部2b
側に係止されると共に他端がピストンロッド2の先端螺
条部2cに螺着されるピストンナット7側に係止されて
いて、所定位置に固定的状態に定着されている。
【0022】また、ピストンナット7は、この実施例に
あって、後述するバイパス路の形成を考慮して圧側油室
Lと区画される内空部7aを有するように所謂袋ナット
状に形成されている。
【0023】それ故、該位置依存型油圧緩衝器は、後述
するスプール4及びこれに関係するバイパス路を有する
構成を度外視すると、ピストンロッド2がシリンダ1内
に没入して圧側油室Lが高圧側になる圧縮作動時には、
該圧側油室Lからの作動油が圧側減衰バルブ3bを介し
て伸側油室Uに流入することになり、このとき、圧側減
衰バルブ3bによって所定の大きさの圧側の減衰力が発
生される。
【0024】また、ピストンロッド2がシリンダ1内か
ら突出して伸側油室Uが高圧側になる伸長作動時には、
該伸側油室Uからの作動油が伸側減衰バルブ3aを介し
て圧側油室Lに流出することになり、このとき、伸側減
衰バルブ3aによって所定の大きさの伸側の減衰力が発
生される。
【0025】ところで、この発明に係る位置依存型油圧
緩衝器は、ピストン3に配在の伸側減衰バルブ3a及び
圧側減衰バルブ3bを迂回するバイパス路をスプール4
で開閉するときに、各側の減衰力がそれぞれ変更される
ように設定されている。
【0026】即ち、スプール4は、袋ナット状に形成さ
れているピストンナット7の外周に上下方向に摺動可能
に介装されてなると共に、その上下動時に該ピストンナ
ット7に開穿されたバイパス路の一端たる開口を開閉す
るとしている。
【0027】そして、この実施例にあって、バイパス路
は、伸側減衰バルブ3aを迂回する伸側のバイパス路
と、圧側減衰バルブ3bを迂回する圧側のバイパス路
と、がそれぞれ独立に形成されてなるとし、各側のバイ
パス路が独立に形成されることによって、伸側及び圧側
の各減衰力を独立に変更し得ることになる。
【0028】このバイパス路について少し説明すると、
先ず、ピストンロッド2の先端基部2bから先端にかけ
ての軸芯部に適宜径の縦孔からなる油路Rが形成されて
なると共に、該油路Rの軸芯部に上下端で開口する仕切
管8が配在されてなり、該仕切管8の外周と油路Rの内
周との間を外側油路R1に設定し、仕切管8の内部を内
側油路R2に設定している。
【0029】そして、上記油路Rの上端は、ピストンロ
ッド2の先端基部2bに径方向に開穿された横孔2dに
連通しており、該横孔2dは、その端部をシリンダ1内
の伸側油室Uに開口させている。
【0030】また、上記仕切管8の上端部は、膨径部8
aとされてその外周が油路Rの内周に密接されており、
外側油路R1の上記横孔2dとの連通を遮断している。
【0031】さらに、上記膨径部8aの下方となる外側
油路R1の上端は、ピストンロッド2の先端インロー部
2aに径方向に開穿された連通孔2eに連通し、該横孔
2eは、その端部をシリンダ1内の伸側油室Uに開口さ
せるようにしている。
【0032】尚、上記横孔2dは、伸側油室Uに直接開
口しているが、上記連通孔2eは、伸側油室U側からの
チェックバルブ9で開閉可能に閉塞されている。
【0033】一方、上記仕切管8の下端は、ピストンナ
ット7の内空部7aに臨在されて開口されているが、該
内空部7aは、仕切管8の下端外周に連設されてその外
周がピストンナット7の内周に密接される仕切板10に
よって、図中で上半側となる前記外側油路R1側と、図
中で下半側となる前記内側油路R2側と、に区画されて
いる。
【0034】そして、上半側の外側油路R1側の内空部
7aは、ピストンナット7の上半側に径方向に開穿され
た連通孔7bに連通しており、該連通孔7bは、その端
部をシリンダ1内の圧側油室Lに開口させるようにして
いる。
【0035】また、下半側となる内側油路R2側の内空
部7aは、チェックバルブ11の配在下に、ピストンナ
ット7の下半側に径方向に開穿された連通孔7cに連通
しており、該連通孔7cは、上記連通孔7bと同様に、
その端部をシリンダ1内の圧側油室Lに開口させるよう
にしている。
【0036】それ故、この実施例にあっては、前記外側
油路R1が下流端にチェックバルブ9を有する圧側のバ
イパス路に設定され、前記内側油路R2が下流端にチェ
ックバルブ11を有する伸側のバイパス路に設定される
ことになる。
【0037】そして、この圧側及び伸側の各バイパス路
は、ピストンナット7の外周に介装されたスプール4の
上下方向の摺動で選択的に開閉されることになる。
【0038】該スプール4は、適宜長さの筒状に形成さ
れた本体部たる摺動部4aと、該摺動部4aの下端外周
に水平に突設された鍔部4bと、を有するように形成さ
れてなり、摺動部4aの内周がピストンナット7の外周
に摺接されるとし、鍔部4bが後述する第1のスプリン
グ5の下端及び第2のスプリング6の上端を当接させる
バネ受に設定されるとしている。
【0039】また、該スプール4は、摺動部4aの上半
側にその内外周側を連通する連通孔4cを有すると共
に、摺動部4aの下端部にその内外周側を連通する連通
孔4dを有するとしている。
【0040】そして、該スプール4は、その下端がピス
トンナット7の下端側の外周に形成された係止部7dに
着座するときに、その下降が阻止されるように設定され
ており、このとき、該スプール4に開穿の下方の連通孔
4dが前記ピストンナット7に開穿の下方の連通孔7c
に照合される状態になるように設定されている。
【0041】さらに、該スプール4にあって、連通孔4
c及び連通孔4dは、その間の間隔が前記ピストンナッ
ト7に開穿の連通孔7bと連通孔7cとの間の間隔より
小さい寸法になるように設定されている。
【0042】それ故、図1に示すように、スプール4が
下降状態に維持されるとき、下方の連通孔7cが連通孔
4dに照合されるに対して、上方の連通孔7bが連通孔
4cに照合されなくなり、また、図2に示すように、ス
プール4が上昇状態に維持されるとき、上方の連通孔7
bが連通孔4cに照合されるに対して、下方の連通孔7
cが連通孔4dに照合されないことになり、スプール4
の摺動による前記した伸側及び圧側の各バイパス路の開
閉が可能になる。
【0043】そして、スプール4に開穿される上方の連
通孔4c及び下方の連通孔4dにおける作動油の流量制
御、例えば、各連通孔4c,4dをオリフィスに設定し
て該オリフィスにおける開度の広狭を選択することで、
該各連通孔4c,4dを、即ち、各側のバイパス路を通
過する油量を調整し得ることになり、ソフトの状態にお
けるさらなる調整が可能になる。
【0044】以上のように形成されたスプール4を下降
状態に維持するのが第1のスプリング5であって、該第
1のスプリング5は、スプール4の上方に配在されると
しており、その下端が前記スプール4の鍔部4bに係止
されるに対して、その上端が前記伸側減衰バルブ3aの
背面側に配在のバルブストッパ3cに係止されるとし
て、スプール4を常時下降傾向に附勢している。
【0045】因に、該第1のスプリング5がスプール4
を下降状態に維持する場合は、該位置依存型油圧緩衝器
に作用する負荷が所定負荷、即ち1G以下になる場合で
あって、このとき、シリンダ1内からピストンロッド2
が突出する傾向になり、従って、シリンダ1内における
ピストン3の摺動位置が相対的に上昇位置とされ、下方
の第2のスプリング6の附勢力の影響を受けない状態に
なる。
【0046】上記スプール4を第1のスプリング5の附
勢力に抗して上昇状態に維持するのが第2のスプリング
6であって、該第2のスプリング6は、スプール4の下
方に配在されるとしており、その上端が上記鍔部4bに
係止されるに対して、その下端がシリンダ1の下端側に
係止されるとしている。
【0047】因に、該第2のスプリング6が第1のスプ
リング5の附勢力に抗してスプール4を上昇状態に維持
する場合は、該位置依存型油圧緩衝器に作用する負荷が
1G以上になる場合であって、このとき、シリンダ1内
にピストンロッド2が大きく没入される傾向になり、従
って、シリンダ1内におけるピストン3の摺動位置が相
対的に下降位置され、第2のスプリング6の附勢力がス
プール4に影響することになる。
【0048】また、該第2のスプリング6は、この実施
例にあって、シリンダ1内の圧側油室Lに配在されてい
るから、該位置依存型油圧緩衝器の最圧縮時近くには、
これがピストン3の底付きを緩衝するバネとしても機能
することになる。
【0049】尚、図示例では、シリンダ1の下端内部に
はベースバルブ部12が配在されていて、該ベースバル
ブ部12を構成するバルブシート部材12aに上記第2
のスプリング6の下端が係止されるとしているが、これ
に代えて、図示しないが、第2のスプリング6の下端が
シリンダ1の下端側に固定的に配在される適宜の所謂ス
トッパ部材に係止されるとしても良い。
【0050】以上のように形成されたこの実施例に係る
位置依存型油圧緩衝器は、車両への架装時には、図示し
ないが、懸架スプリングの配在でシリンダ1とピストン
ロッド2とが互いに伸び方向に付勢されている。
【0051】この状態から、該位置依存型油圧緩衝器に
作用する負荷が1G以下であるときには、図1に示すよ
うに、シリンダ1内におけるピストン3の摺動位置が相
対的に上昇位置とされ、スプール4の下方に配在されて
いる第2のスプリング6が該スプール4には接触しない
状態におかれ、従って、スプール4は、第1のスプリン
グ5の附勢力でピストンナット7の外周で下降状態にお
かれることになる。
【0052】その結果、該スプール4は、ピストンナッ
ト7に開穿されている上方の連通孔7bを閉塞する一方
で、同じくピストンナット7に開穿されている下方の連
通孔7cを開放することになり、上方の連通孔7bに連
通する圧側のバイパス路が閉塞されるに対して、下方の
連通孔7cに連通する伸側のバイパス路が開放されるこ
とになる。
【0053】従って、この状態のときに、ピストン3が
シリンダ1内を摺動すると、その伸長作動時における伸
側の減衰力がソフトの状態になるに対して、その圧縮作
動時における圧側の減衰力がハードの状態になる。
【0054】また、上記負荷が1G以上になると、図2
に示すように、シリンダ1内におけるピストン3の摺動
位置が相対的に下降位置とされ、スプール4の下方に配
在されている第2のスプリング6が該スプール4に接触
し、従って、スプール4は、第1のスプリング5の附勢
力に抗する第2のスプリング6の附勢力でピストンナッ
ト7の外周で上昇状態におかれる。
【0055】その結果、スプール4は、上記と逆に、上
方の連通孔7bを開放する一方で、下方の連通孔7cを
閉塞し、圧側のバイパス路を開放するに対して、伸側の
バイパス路を閉塞することになり、従って、この状態の
ときに、ピストン3がシリンダ1内を摺動すると、その
圧縮作動時における圧側の減衰力がソフトの状態になる
に対して、その伸長作動時における伸側の減衰力がハー
ドの状態になる。
【0056】図3は、スプール4の摺動による伸側及び
圧側の各バイパス路の開閉が、前記した実施例における
場合と逆になる場合の実施例を示すものである。
【0057】尚、この実施例にあって、特に、ピストン
ナット7以外の構成は、前記した実施例の場合と同様で
あるので、必要な場合を除いて、その構成の同一なる部
分については、図中に同一の符号を付するのみとし、そ
の詳しい説明を省略する。
【0058】即ち、この実施例にあって、ピストンナッ
ト7に開穿される上方の連通孔7bと下方の連通孔7c
との間の間隔は、スプール4に開穿の上方の連通孔4c
と下方の連通孔4dとの間の間隔より小さい寸法になる
ように設定されている。
【0059】そして、この実施例にあっては、図示する
ように、スプール4が下降状態に維持されるとき、上方
の連通孔7bが連通孔4cに照合されるに対して、下方
の連通孔7cが連通孔4dに照合されず、図示しない
が、スプール4が上昇状態に維持されて、下方の連通孔
7cが連通孔4dに照合されるときに、上方の連通孔7
bが連通孔4cに照合されなくなるように設定されてい
る。
【0060】それ故、この実施例にあっては、スプール
4を前記した実施例と同一に形成する一方で、ピストン
ナット7への各連通孔7b,7cの開穿位置を変更する
ことによって、スプール4の摺動による伸側及び圧側の
各バイパス路の開閉を前記した実施例の場合と反対に発
現させることが可能になる。
【0061】尚、この実施例の場合も、その基本的な作
動は、前記した実施例の場合と同様であること勿論であ
る。
【0062】以上のように、この発明にあっては、スプ
ール4が下降状態(図1及び図3の状態)にあるとき、
あるいは、スプール4が上昇状態(図2の状態)にある
ときのいずれであっても、該スプール4が伸側のバイパ
ス路あるいは圧側のバイパス路を開放するか閉塞するか
の設定如何で、伸側のあるいは圧側の各減衰力をハード
の状態あるいはソフトの状態のいずれにも自由に設定で
きることになる。
【0063】その結果、該位置依存型油圧緩衝器に作用
する負荷が所定負荷以下、即ち、1G以下時には、図4
中に実線で示すように、伸側の減衰力をソフトの状態に
設定するに対して圧側の減衰力をハードの状態に設定
し、あるいは、上記負荷が1G以上時には、図4中に破
線で示すように、伸側の減衰力をハードの状態に設定す
るに対して圧側の減衰力をソフトの状態に設定すること
が可能になる。
【0064】そして、この図4に示す減衰特性を実現で
きるようにすることは、周知されているように、この種
の油圧緩衝器の運動系におけるエネルギーの早い減少を
可能にする、即ち、制振効果を大きくする場合の特性に
一致させることを可能にすることになる。
【0065】前記したところは、この発明に係る位置依
存型油圧緩衝器が積載荷重の変化で車高変化するトラッ
ク等の車両にサスペンション用として架装される場合を
例にして説明したが、この発明の構成からすれば、第1
のスプリング5及び第2のスプリング6の附勢力を適宜
に設定することを含めてその他の構成を設計変更するこ
とで、車高変化が大きい大型トラックあるいは車高変化
が小さい小型トラックのいずれであっても、該位置依存
型油圧緩衝器の利用が可能になる。
【0066】また、上記した第1のスプリング5及び第
2のスプリング6の附勢力を適宜に設定することを含め
てその他の構成を設計変更することで、該位置依存型油
圧緩衝器を上記トラック等の上下動する車両のシート用
のダンパとして利用することも可能になる。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、伸
側及び圧側の各バイパス路を開閉するスプールがシリン
ダ内にピストンで区画される圧側油室に臨在されるピス
トンナットの外周に介装されてなるとするから、該スプ
ールが伸側油室と圧側油室との間における所謂油圧差の
影響を受けることがなく、従って、該油圧差によるスプ
ールの異常な移動、即ち、異常作動が発現されず、伸側
及び圧側の各減衰力が設定通りに発生されることにな
る。
【0068】また、該位置依存型油圧緩衝器にあって
は、これに作用する負荷が所定負荷以下時にあるいは所
定負荷以上時、即ち、スプールが下降状態にあるときあ
るいは上昇状態にあるときのいずれであっても、該スプ
ールが伸側のバイパス路あるいは圧側のバイパス路のそ
れぞれの一端を開放するか閉塞するかの設定如何で、伸
側の減衰力あるいは圧側の減衰力をハードの状態あるい
はソフトの状態のいずれにも自由に設定できることにな
る。
【0069】そして、該位置依存型油圧緩衝器にあって
は、第2のスプリングがシリンダ内の圧側油室に配在さ
れるから、これを該位置依存型油圧緩衝器における最圧
縮時近くにおけるピストンの底付きを緩衝するバネとし
ても機能することになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る位置依存型油圧緩衝
器の部分縦断面図である。
【図2】図1におけるスプールが上昇された状態を示す
部分拡縦断面図である。
【図3】スプールによるバイパス路の開閉状態の他の実
施例を示す部分拡大縦断面図である。
【図4】この発明に係る位置依存型油圧緩衝器における
発生減衰力の特性図である。
【図5】従来の位置依存型油圧緩衝器における発生減衰
力の特性図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストンロッド 3 ピストン 3a 伸側減衰バルブ 3b 圧側減衰バルブ 4 スプール 5 第1のスプリング 6 第2のスプリング 7 ピストンナット L 圧側油室 R1 圧側バイパス路を構成する外側油路 R2 伸側バイパス路を構成する内側油路 U 伸側油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両における車輪側に連結されるシリン
    ダと、車両における車体側に連結されシリンダ内に出没
    されるピストンロッドと、ピストンロッドに連設されな
    がらシリンダ内に摺動可能に収装されて伸側減衰バルブ
    及び圧側減衰バルブの配在下にシリンダ内に伸側油室及
    び圧側油室を区画するピストンと、ピストンに配在の伸
    側減衰バルブ及び圧側減衰バルブを迂回するバイパス路
    と、バイパス路を開閉するスプールと、スプールを上下
    のいずれか一方向から常時附勢する第1のスプリング
    と、所定負荷以下時あるいは所定負荷以上時のいずれか
    一方時に他方向から附勢して第1のスプリングの附勢力
    に抗してスプールを摺動させる第2のスプリングと、を
    有してなる位置依存型油圧緩衝器において、バイパス路
    が伸側及び圧側それぞれ独立に形成されてなると共に、
    スプールが伸側及び圧側の各バイパス路の一端を開口さ
    せるピストンナットの外周に上下方向に摺動可能に介装
    されてなり、第1のスプリングがスプールを下降傾向に
    附勢するに対して第2のスプリングが圧側油室に配在さ
    れてスプールを上昇傾向に附勢し得るように設定されて
    なることを特徴とする位置依存型油圧緩衝器
JP15388895A 1995-05-29 1995-05-29 位置依存型油圧緩衝器 Pending JPH08326824A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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