JP3712289B2 - ばね定数の切換構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ばね定数の切換構造に関し、特に、車両に搭載の油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数の切換構造の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
周知のように、例えば、車両に搭載の油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数は、車両における乗り心地や操縦性を改善する上からは、車両が走行する路面の状況や車両の走行姿勢に応じて、例えば、大小に切り換えられるのが好ましい。
【0003】
そこで、この要請に応じるべく、従来から種々の提案があるが、例えば、特開昭60−94810号公報には、油圧緩衝器に介装される懸架ばねの間に上下動可能にプレートを配在させて上下に直列された二本のコイルスプリングからなると共に、プレートの上下動の可不可が選択されることで、二本のコイルスプリングの一方あるいは両方の伸縮が選択的に可能とされて、懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換える構成が提案されている。
【0004】
即ち、該提案にあっては、上記懸架ばねに加えて、上記プレートに連設されて油圧緩衝器の伸縮に伴う変位を検出する検知手段と、該検知手段からの入力信号を演算処理等して所定の信号を出力するコントローラと、該コントローラからの出力信号でプレートを介して上記二本のコイルスプリングの一方あるいは両方の伸縮を選択的に可能にする調整機構と、を有する構成が開示されている。
【0005】
それ故、該提案にあっては、検知手段及びコントローラを介してであるが、車両における車高の状況に応じる調整機構の作動によって、懸架ばねを構成する二本のコイルスプリングの一方あるいは両方の伸縮が選択的に可能とされることになり、言わば、自動的に懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換えることが可能になる。
【0006】
しかしながら、該提案にあっては、その構成において、プレートを有する懸架ばねに加えて、検知手段,コントローラ及び調整機構の装備が必須になり、全体として所謂大掛りとなり、例えば、車両に搭載される油圧緩衝器に併設される場合に、油圧緩衝器の車両への搭載性を悪化し易くなると共に、所謂コストの低廉化を困難にし、その汎用性の向上を期待できなくする不具合が指摘される。
【0007】
また、該提案にあっては、調整機構が開閉弁付きの油圧シリンダ機構とされるが、開閉弁の切換作動は瞬時に実現されるから、油圧シリンダにおける油圧変動が瞬時に発現され、この影響が懸架ばねにおける切り換えられたばね定数に反映されることになり、従って、例えば、車両における乗り心地や操縦性を改善する際のフィーリングが悪化され易くなる不具合が指摘される。
【0008】
そして、上記開閉弁の切換作動による影響を排除するには、該開閉弁を細かく切換作動等するための更なる制御が必要になり、その結果、全体として一層大掛りになり、例えば、上記した車両への搭載性を一層悪化させ易くすると共に、コストの低廉化を一層期待できなくする不具合を招くことになる。
【0009】
この発明は、前記した事情を鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、全体としてコンパクト化による省スペースを可能にすると共にコストの低廉化を可能にし、例えば、油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数を切り換えることによって車両における乗り心地や操縦性を改善する際に、車両への搭載性を悪化させないのは勿論のこと、ばね定数の切り換えが振幅にに応じて自動的に行われるとし、さらに、その際にフィーリングの悪化を招来させないようにするのに最適となるばね定数の切換構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明の構成は、 上端が車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端が車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段とを有し、当該ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内にピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンを介して区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダ部材内又はシリンダ部材外部に設けられて一端を上記ピストンを迂回しながら上記伸側油室に開口させると共に他端を同じく上記ピストンを迂回しながら上記圧側油室に開口させた流路とを有してなるばね定数の切換構造において、シリンダ部材が上端を車体側懸架ばね要素の下端に連結させると共に下端を車軸側懸架ばね要素の上端に連結させる一方で、両端がシリンダ部材内から突出する両ロッド型に設定されたロッド部材の上端あるいは下端のいずれか一端が車体側部材あるいは車軸側部材のいずれかに連結されてなることを特徴とする。
【0012】
同じく、請求項2の発明の構成は、 上端が車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端が車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段とを有し、当該ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内にピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンを介して区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダ部材内又はシリンダ部材外部に設けられて一端を上記ピストンを迂回しながら上記伸側油室に開口させると共に他端を同じく上記ピストンを迂回しながら上記圧側油室に開口させた流路とを有してなるばね定数の切換構造において、車体側懸架ばね要素の上端が油圧緩衝器を構成するロッド体に連設の上方ばね受に係止されると共に、車軸側懸架ばね要素の下端が油圧緩衝器を構成するシリンダ体に連設の下方ばね受に担持され、ピストンをロッド体あるいはシリンダ体の外周に固設し、シリンダ部材がピストンの外周とロッド体又はシリンダ体の外周に保持されながら車体側懸架ばね要素の下端を担持しかつ車軸側懸架ばね要素の上端を係止してなり、ロッド体あるいはシリンダ体がばね定数切換手段における両ロッド型のロッド部材に代替えされてなることを特徴とする。
【0013】
同じく、請求項3の発明の構成は、上端が車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端が車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段とを有し、当該ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内にピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンを介して区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダ部材内又はシリンダ部材外部に設けられて一端を上記ピストンを迂回しながら上記伸側油室に開口させると共に他端を同じく上記ピストンを迂回しながら上記圧側油室に開口させた流路とを有してなるばね定数の切換構造において、ロッド部材が両端をシリンダ部材内から突出させる両ロッド型に設定される一方で、シリンダ部材を車体側懸架ばね要素内に配在させ、当該シリンダ部材の上端を車体側部材に連結させると共に、ロッド部材の下端を当該ロッド部材に連設されたばね受けを介して車体側懸架ばね要素の下端と車軸側懸架ばね要素の上端とに連結させてなることを特徴とする。
この場合、 ロッド部材の下端と車軸側部材との間に車軸側懸架ばね要素と並列する油圧緩衝器が配在されても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1乃至図6の各実施の形態に係るばね定数の切換構造は、基本的には図1、図2、図3のモデルに示すように、上端が車体側部材 B に連結される車体側懸架ばね要素1と、下端が車軸側部材 A に連結される車軸側懸架ばね要素2と、車体側懸架ばね要素1と車軸側懸架ばね要素2との間に配在されるばね定数切換手段3とを有し、当該ばね定数切換手段3がシリンダ部材31と、該シリンダ部材31内にピストン33を介して摺動可能に挿通されるロッド部材32と、シリンダ部材31内にピストン33を介して区画された伸側油室 R1 及び圧側油室 R2 と、シリンダ部材31内又はシリンダ部材31外部に設けられて一端を上記ピストン33を迂回しながら上記伸側油室 R1 に開口させると共に他端を同じく上記ピストン33を迂回しながら上記圧側油室 R2 に開口させた流路 L とを有してなるものである。
そして、図1、図2の実施の形態では、 シリンダ部材31が上端を車体側懸架ばね要素1の下端に連結させると共に下端を車軸側懸架ばね要素2の上端に連結させる一方で、両端がシリンダ部材31内から突出する両ロッド型に設定されたロッド部材32の上端あるいは下端のいずれか一端が車体側部材 B あるいは車軸側部材 A のいずれかに連結されている。
同じく図4、図5の実施の形態では、 車体側懸架ばね要素1の上端が油圧緩衝器 SA を構成するロッド体5に連設の上方ばね受51に係止されると共に、車軸側懸架ばね要素2の下端が油圧緩衝器 SA を構成するシリンダ体4に連設の下方ばね受41に担持され、ピストン33をロッド体5あるいはシリンダ体31の外周に固設し、シリンダ部材31がピストン33の外周とロッド体5又はシリンダ体4の外周に保持されながら車体側懸架ばね要素1の下端を担持しかつ車軸側懸架ばね要素2の上端を係止してなり、ロッド体5あるいはシリンダ体4がばね定数切換手段3における両ロッド型のロッド部材に代替えされてなるものである。
同じく、図2、図6の実施の形態では、ロッド部材32が両端をシリンダ部材31内から突出させる両ロッド型に設定される一方で、シリンダ部材31を車体側懸架ばね要素1内に配在させ、当該シリンダ部材31の上端を車体側部材 B に連結させると共に、ロッド部材32の下端を当該ロッド部材32に連設されたばね受け32 a 、34を介して車体側懸架羽要素1の下端と車軸側懸架ばね要素2の上端とに連結させている。
以下更に詳しく説明する。
【0015】
車体側懸架ばね要素1は、上端が車体側部材Bに連結され、車軸側懸架ばね要素2は、下端が車軸側部材Aに連結され、ばね定数切換手段3は、上端が車体側懸架ばね要素1の下端に連結され下端が車軸側懸架ばね要素2の上端に連結されるとしている。
【0016】
そして、車体側懸架ばね要素1及び車軸側懸架ばね要素2は、図示しないが、例えば、車両に搭載の油圧緩衝器に併設される懸架ばねを構成するもので、具体的には、それぞれがコイルスプリングからなりばね定数切換手段3を間に配在させて上下に直列された所謂分割型の態様に具現化される。
【0017】
ばね定数切換手段3は、シリンダ部材31と、該シリンダ部材31内に摺動可能に挿通されるロッド部材32と、一端がシリンダ部材31内に区画の伸側油室R1に開口し他端がシリンダ部材31内に区画の圧側油室R2に開口する流路Lと、を有してなる。
【0018】
少し説明すると、シリンダ部材31は、図示する実施の形態では、上端が車体側懸架ばね要素1の下端に連結され、下端が車軸側懸架ばね要素2の上端に連結され、内部に摺動可能に収装されたピストン33によって、該シリンダ部材31内に伸側油室R1と圧側油室R2とを区画させている。
【0019】
ロッド部材32は、図示する実施の形態では、両端をシリンダ部材31内から突出させる両ロッド型に設定されており、上端が車体側部材Bに連結され、下端側がシリンダ部材31内にピストン33を介して摺動可能に挿通されている。
【0020】
該ロッド部材32は、図1に示す実施の形態に代えて、図示しないが、下端が車軸側部材Aに連結され、上端側がシリンダ部材31内にピストン33を介して摺動可能に挿通されるとしても良い。
【0021】
また、該ロッド部材32は、上記シリンダ部材31と共にであるが、図2に示すように、シリンダ部材31が上端を車体側部材Aに連結する一方で、ロッド部材32が下端に連設のばね受部32aに車体側懸架ばね要素1の下端と車軸側懸架ばね要素2の上端とを連結するとしても良い。
【0022】
因に、図2に示す実施の形態にあっては、ロッド部材32の下端、即ち、ばね受部32aと車軸側部材Aとの間に車軸側懸架ばね要素2と並列する油圧緩衝器SAが配在されてなるが、該油圧緩衝器SAを配在することの意味については、後述する。
【0023】
尚、ロッド部材32は、上記した実施の形態では、両ロッド型に設定されているが、これに代えて、図示しないが、片ロッド型に設定されるとしても良く、この場合には、所謂リザーバを設けるべく、伸側油室R1にアキュムレータを接続し、あるいは、シリンダ部材31内で上方となる油室に油面を境にするガス室を設けるとする。
【0024】
流路Lは、図1に示すように、シリンダ部材31内にピストン33を迂回して設けられ、あるいは、図3に示すように、シリンダ部材31の外部にピストン33を迂回して配在されるように設けられて、一端がシリンダ部材31内にピストン33によって区画される伸側油室R1に開口すると共に、他端がシリンダ部材31内にピストン33によって区画される圧側油室R2に開口するように設定されている。
【0025】
このとき、該流路Lの両端の開口間距離は、シリンダ部材31内でのピストン33の摺動時に当該ピストン33で閉じられまでの摺動範囲を不感帯として設定するように、即ち、ピストン33がシリンダ部材31内で小さいストロークで摺動する際には両方の開口がピストン33によって閉塞されないように設定される。
【0026】
そして、ピストン33がシリンダ部材31内で上記不感帯を超えるように大きいストロークで摺動する際には両方の開口がピストン33によって閉塞されるように設定される。
【0027】
それ故、上記のように構成されたばね定数の切換構造によれば、例えば、図1に示す実施の形態を例にして説明すると、車軸側部材Aに入力された振動が車軸側懸架ばね要素2,ばね定数切換手段3及び車体側懸架ばね要素1の経路で車体側部材Bに伝播されることになるが、このときの振動がシリンダ部材31内におけるピストン33の摺動ストロークを大小異ならしめることで、その伝播状況が異なることになる。
【0028】
即ち、シリンダ部材31内におけるピストン33の摺動ストロークが小さい場合には、流路Lの両端の開口が開放されていて該流路Lにおける作動油の通過を許容するから、伸側油室R1及び圧側油室R2の広狭が可能になり、シリンダ部材31に対するロッド部材32の出没が可能とされて、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされることになる。
【0029】
従って、ロッド部材32に対するシリンダ部材31の摺動が可能とされて、該シリンダ部材31に連結されている車体側懸架ばね要素1の伸縮が可能とされることになり、その結果、車体側懸架ばね要素1及び車軸側懸架ばね要素2がそれぞれ伸縮されることになり、車体側懸架ばね要素1及び車軸側懸架ばね要素2からなる懸架ばねのばね定数が小さいものとされることになる。
【0030】
一方、シリンダ部材31内におけるピストン33の摺動ストロークが大きくなる場合には、流路Lの両端の開口が閉鎖されて該流路Lにおける作動油の通過を阻止するから、伸側油室R1及び圧側油室R2の広狭が不能になり、シリンダ部材31に対するロッド部材32の出没が不能とされて、ばね定数切換手段3の伸縮が不能になる。
【0031】
そして、このとき、ばね定数切換手段3の伸縮不能化、即ち、ブロック化によって、車軸側懸架ばね要素2のみの伸縮が可能とされることになり、その結果、懸架ばねのばね定数が大きいものとされることになる。
【0032】
従って、上記のばね定数の切換構造によれば、例えば、車両が平坦な舗装路面を走行するような場合に、シリンダ部材31内におけるピストン33の摺動ストロークが小さくなり、流路Lにおける作動油の流通が可能とされてばね定数切換手段3の伸縮が可能とされ、このとき、懸架ばねのばね定数が小さくなり、車両における乗り心地が改善されることになる。
【0033】
また、例えば、車両が急発進するような場合に、シリンダ部材31内におけるピストン33の摺動ストロークが大きくなり、流路Lにおける作動油の流通が阻止されてばね定数切換手段3の伸縮が不能とされ、このとき、懸架ばねのばね定数が大きくなり、車両においてスクウォーズ現象が招来されなくなり、車両における操縦性が改善されることになる。
【0034】
そして、上記のばね定数の切換構造によれば、ばね定数の大小の切換のタイミングを流路Lの両端の開口間距離の設定如何で、任意の路面を走行する車両の状況に応じて懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換えることが可能になる。
【0035】
また、例えば、流路Lの両端の開口面積がピストンの移動の際にリニアに変更されるように設定される場合には、該流路Lにおける作動油の通過の可不可、即ち、ばね定数切換手段3の伸縮の可不可が言わば突然に発現されるのを予め阻止できるから、ばね定数を大小に切り換える際にショックが招来されなくなり、従って、車両における乗り心地や操縦性を改善する際のフィーリングの悪化を招来させないことが可能になる。
【0036】
図4及び図5は、上記したばね定数の切換構造を油圧緩衝器SAに合体させる態様に具現化した場合の実施の形態を示すものであって、図4に示す実施の形態では、ばね定数切換手段3が油圧緩衝器SAを構成するシリンダ体4部分に具現化され、図5に示す実施の形態では、ばね定数切換手段3が油圧緩衝器SAを構成するロッド体5部分に具現化されるとしたものである。
【0037】
即ち、図4に示す実施の形態にあっては、コイルスプリングからなる車体側懸架ばね要素1の上端がロッド体5の上端に連設の上方ばね受51に係止されると共に、同じくコイルスプリングからなる車軸側懸架ばね要素2の下端がシリンダ体4の下端側に連設の下方ばね受41に担持される一方で、ばね定数切換手段3を構成するシリンダ部材31がシリンダ体4の外周に摺動可能に保持されてなるとする。
【0038】
そして、該シリンダ部材31が上端に車体側懸架ばね要素1の下端を担持し、かつ、下端に車軸側懸架ばね要素2の上端を係止するとして、シリンダ体4が両ロッド型のロッド部材32に代替えされてなるとしている。
【0039】
また、この場合に、シリンダ部材31内に伸側油室R1及び圧側油室R2を区画するピストン33がシリンダ体4の外周に固設されてなるとし、伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する流路Lがシリンダ部材31に配在されてなるとしている。
【0040】
それ故、この実施の形態にあっては、ばね定数切換手段3が油圧緩衝器SAに一体に設けられてなるとするから、所謂コンパクト化が可能になり、省スペースによって、車両への搭載性を向上させることになる。
【0041】
一方、図5に示す実施の形態にあっては、コイルスプリングからなる車体側懸架ばね要素1の上端がロッド体5の上端に連設の上方ばね受51に係止されると共に、同じくコイルスプリングからなる車軸側懸架ばね要素2の下端がシリンダ体4の下端側に連設の下方ばね受41に担持される一方で、ばね定数切換手段3を構成するシリンダ部材31がロッド体5の外周に摺動可能に保持されてなるとする。
【0042】
そして、該シリンダ部材31が外周に形成されたばね受部31aで車体側懸架ばね要素1の下端を担持すると共に車軸側懸架ばね要素2の上端を係止して、ロッド体5が両ロッド型のロッド部材32に代替えされてなるとしている。
【0043】
また、この場合に、シリンダ部材31内に伸側油室R1及び圧側油室R2を区画するピストン33がロッド体5の外周に固設されてなるとし、伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する流路Lがシリンダ部材31に配在されてなるとしている。
【0044】
それ故、この実施の形態にあっては、ばね定数切換手段3が油圧緩衝器SAに一体に設けられて所謂コンパクト化が可能になるのは勿論であるが、ばね定数切換手段3の配設位置が油圧緩衝器SAにおけるロッド体5部分とされるので、上記した図4に示す実施の形態の場合に比較して、より一層の省スペース化が可能になり、車両への搭載性が一層向上されることになる。
【0045】
図6は、ばね定数切換手段3が油圧緩衝器SAに合体された場合の具体的な実施の形態を示すもので、原理的には、前記した図2に示す実施の形態に係るものを具体的にしたものである。
【0046】
即ち、該実施の形態にあって、コイルスプリングからなる車体側懸架ばね要素1の上端は、ロッド体5の上方に配在の上方ばね受51に係止され、同じくコイルスプリングからなる車軸側懸架ばね要素2の下端は、シリンダ体4の下端側に連設の下方ばね受41に担持されている。
【0047】
また、ばね定数切換手段3を構成するシリンダ部材31は、上端が車体側部材A(図示せず)に連結されることになる上方ばね受51に連設され、ばね定数切換手段3を構成するロッド部材32(符示せず)は、油圧緩衝器SAを構成するロッド体5に代替えされている。
【0048】
そして、車体側懸架ばね要素1の下端と車軸側懸架ばね要素2の上端は、ロッド部材32の下端に相当することになるロッド体5の任意位置に連設されたばね受34に支承されている。
【0049】
尚、ばね受34は、前記した図2に示す実施の形態におけるばね受部32aに相当し、シリンダ部材31内にはロッド体5の外周に固設されたピストン33によって伸側油室R1と圧側油室R2が区画されている。
【0050】
そして、該伸側油室R1と圧側油室R2は、シリンダ部材31に開穿された流路Lで相互に連通されている。
【0051】
それ故、この実施の形態にあっては、ばね定数切換手段3が油圧緩衝器SAににおけるロッド体5部分とされて前記したコンパクト化や省スペース化が可能になるのは勿論のこと、ばね定数を大小切り換える際に、油圧緩衝器SAにおける発生減衰力が高低変更されることになる。
【0052】
即ち、ばね定数切換手段3において、シリンダ部材31内でのピストン33の摺動ストロークが小さい場合には、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされ、ピストン33の摺動ストロークが大きい場合には、ばね定数切換手段3の伸縮が不可能とされるが、いずれの場合にも、ロッド部材32に代替えされるロッド体5がシリンダ体4に対して出没される、即ち、油圧緩衝器SAが伸縮されることになる。
【0053】
ただ、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされる場合と、不可能とされる場合とでは、油圧緩衝器SAにおいて、ロッド体5のシリンダ体4に対する出没のストロークが前者より後者の方が大きくなる。
【0054】
その結果、油圧緩衝器SAにあっては、ばね定数切換手段3の伸縮が不可能とされる場合は、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされる場合に比較して、発生減衰力が高められる態様になる。
【0055】
従って、上記の実施の形態によれば、例えば、車両が平坦な舗装路面を走行するような場合に、懸架ばねのばね定数が小さくなるのは勿論のこと、油圧緩衝器SAで発生される減衰力が低くいままにおかれ、車両における乗り心地の改善を効果的に実現し得ることになる。
【0056】
また、例えば、車両への積載荷重が大きくなり車高が下降傾向になる場合に、懸架ばねのばね定数が大きくなるのは勿論のこと、油圧緩衝器SAで発生される減衰力が高くなり、車両の車高が必要以上に下降することを防止し得て、車両における操縦性を保障し得ることになる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明にあっては、ばね定数の切換構造が上方の車体側懸架ばね要素と下方の車軸側懸架ばね要素との間に振動に依存して伸縮の可不可を可能にするばね定数切換手段を有してなるとするから、その他の構成を要せずしてばね定数の大小の切り換えを実現し得ることになり、従って、全体としてコンパクト化による省スペースを可能にすると共にコストの低廉化を可能にすることになる。
【0058】
このとき、ばね定数切換手段は、シリンダ部材内でのピストンの摺動ストロークの大小によって伸縮の可不可を可能にするように構成されるから、例えば、不感帯の大きさの設定如何で、ばね定数の大小の自動的な切り換えのタイミングを任意に設定できることになる。
【0059】
また、ばね定数切換手段の伸縮の可不可を決定する流路の開閉がリニアに変更されるように設定される場合には、該ばね定数切換手段の伸縮の可不可を言わば突然的に発現させないようにできるから、ばね定数を大小に切り換える際にショックが招来されなくなり、従って、車両における乗り心地や操縦性を改善する際のフィーリングの悪化を招来させないことが可能になる。
【0060】
さらに、ばね定数切換手段を構成するロッド部材が油圧緩衝器を構成するロッド体に代替えされて、ばね定数切換構造が油圧緩衝器と合体される場合には、懸架ばねのばね定数が小さいときに低い減衰力の発生状態に維持して、車両における乗り心地の改善を効果的に実現し得ると共に、懸架ばねのばね定数が大きくなるときに、高い減衰力の発生状態に維持して、車両の車高が必要以上に下降することを防止する等で、車両における操縦性の保障を効果的に実現し得ることになる。
【0061】
その結果、この発明によれば、全体としてコンパクト化による省スペースを可能にすると共にコストの低廉化を可能にし、例えば、油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数を切り換えることによって車両における乗り心地や操縦性を改善する際に、車両への搭載性を悪化させないのは勿論のこと、その際の切り換えのタイミングが自動設定であり、また、切り換えも突然にならずフィーリングの悪化を招来させない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るばね定数の切換構造の一実施の形態を原理的に示す概略図である。
【図2】他の実施の形態を図1と同様に示す概略図である。
【図3】他の実施の形態を図1と同様に示す概略図である。
【図4】ばね定数の切換構造を油圧緩衝器に合体させた態様の一実施の形態を示す部分断面正面図である。
【図5】ばね定数の切換構造を油圧緩衝器に合体させた態様の他の実施の形態を図4と同様に示す部分断面正面図である。
【図6】ばね定数の切換構造を油圧緩衝器に合体させた状態の具体的な実施の形態を示す部分断面正面図である。
【符号の説明】
1 車体側懸架ばね要素
2 車軸側懸架ばね要素
3 ばね定数切換手段
4 シリンダ体
5 ロッド体
31 シリンダ部材
32 ロッド部材
33 ピストン
A 車軸側部材
B 車体側部材
L 流路
SA 油圧緩衝器
R1 伸側油室
R2 圧側油室
Claims (4)
- 上端が車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端が車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段とを有し、当該ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内にピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンを介して区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダ部材内又はシリンダ部材外部に設けられて一端を上記ピストンを迂回しながら上記伸側油室に開口させると共に他端を同じく上記ピストンを迂回しながら上記圧側油室に開口させた流路とを有してなるばね定数の切換構造において、シリンダ部材が上端を車体側懸架ばね要素の下端に連結させると共に下端を車軸側懸架ばね要素の上端に連結させる一方で、両端がシリンダ部材内から突出する両ロッド型に設定されたロッド部材の上端あるいは下端のいずれか一端が車体側部材あるいは車軸側部材のいずれかに連結されてなるばね定数の切換構造
- 上端が車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端が車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段とを有し、当該ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内にピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンを介して区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダ部材内又はシリンダ部材外部に設けられて一端を上記ピストンを迂回しながら上記伸側油室に開口させると共に他端を同じく上記ピストンを迂回しながら上記圧側油室に開口させた流路とを有してなるばね定数の切換構造において、車体側懸架ばね要素の上端が油圧緩衝器を構成するロッド体に連設の上方ばね受に係止されると共に、車軸側懸架ばね要素の下端が油圧緩衝器を構成するシリンダ体に連設の下方ばね受に担持され、ピストンをロッド体あるいはシリンダ体の外周に固設し、シリンダ部材がピストンの外周とロッド体又はシリンダ体の外周に保持されながら車体側懸架ばね要素の下端を担持しかつ車軸側懸架ばね要素の上端を係止してなり、ロッド体あるいはシリンダ体がばね定数切換手段における両ロッド型のロッド部材に代替えされてなるばね定数の切換構造
- 上端が車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端が車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段とを有し、当該ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内にピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンを介して区画された伸側油室及び圧側油室と、シリンダ部材内又はシリンダ部材外部に設けられて一端を上記ピストンを迂回しながら上記伸側油室に開口させると共に他端を同じく上記ピストンを迂回しながら上記圧側油室に開口させた流路とを有してなるばね定数の切換構造において、 ロッド部材が両端をシリンダ部材内から突出させる両ロッド型に設定される一方で、シリンダ部材を車体側懸架ばね要素内に配在させ、当該シリンダ部材の上端を車体側部材に連結させると共に、ロッド部材の下端を当該ロッド部材に連設されたばね受けを介して車体側懸架ばね要素の下端と車軸側懸架ばね要素の上端とに連結させてなるばね定数の切換構造
- ロッド部材の下端と車軸側部材との間に車軸側懸架ばね要素と並列する油圧緩衝器が配在されてなる請求項3のばね定数の切換構造
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