JP2009138756A - 減衰バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の減衰力制御を可能にしながら油圧緩衝器における重量の軽減化に寄与する。
【解決手段】 バルブハウジングが開口端寄りに開穿されてバルブハウジング外からの作動油のバルブハウジング内への流入を許容する上流路B1と、内底寄りに開穿されてバルブハウジング内からの作動油のバルブハウジング外への流出を許容する下流路B2とを有し、高速用アジャスタ11がバルブハウジング内を上流側と下流側とに画成するバルブシート部材16と、このバルブシート部材16に下流側から着座するリーフバルブ13と、このリーフバルブ13を背後側から附勢する附勢バネ14とを有し、附勢バネ14の基端がリーフバルブ13に担持されながら高速用アジャスタ11の回動操作時に高速用アジャスタ11の移動に同期して移動する一方で、附勢バネ14の先端がバルブハウジング側に係止されて移動が阻止されてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、減衰バルブに関し、特に、二輪車の前輪側に架装されるフロントフォークや二輪車の後輪側に架装されるリアクッションなどの油圧緩衝器への具現化に向く減衰バルブの改良に関する。
二輪車の前輪側に架装されるフロントフォークや二輪車の後輪側に架装されるリアクッションなどの油圧緩衝器への具現化に向く減衰バルブとしては、これまでに種々の提案がある。
その中で、特許文献1に開示の提案にあっては、油圧緩衝器たる、たとえば、フロントフォークがボトム部を形成しながらアクスルブラケットを形成するボトム部材に形成のハウジング部に圧側減衰バルブを有する。
この圧側減衰バルブは、外観的には、アクスルブラケットに横向きに、すなわち、フロントフォークのボトム部にあって軸線方向が前後方向になるように配設される。
そして、この圧側減衰バルブは、機能的には、バルブハウジングとなる上記のハウジング部に出没可能に装着される高速用アジャスタを有し、この高速用アジャスタが外部からの回動操作で進退してリーフバルブを背後側から附勢する附勢バネのバネ力を変更し、リーフバルブにおけるクラッキング圧を変更する。
それゆえ、この特許文献1に開示の提案にあっては、所望の減衰力制御を可能にするのはもちろんのこと、圧側減衰バルブをフロントフォーク内に配設せずしてアクスルブラケット部分に配設させるから、フロントフォーク内の構成を簡素化できると共に、圧側減衰バルブに対する操作性で有利になり、また、たとえば、リーフバルブの交換などのメンテナンス性で有利になる。
ちなみに、この構成の簡素化、有利な操作性およびメンテナンス性については、圧側減衰バルブが二輪車における後輪側に架装される油圧緩衝器たるリアクッションに具現化されるとしても、同様である。
特開2007‐255476号公報(要約、明細書中の段落0014、同0020、図1、図2参照)
しかしながら、上記した提案にあって、所望の減衰力制御を可能にしながら油圧緩衝器の構成を簡素化し、圧側減衰バルブに対する操作性を有利にし、また、メンテナンス性を有利にする点で、基本的に問題がある訳ではないが、油圧緩衝器における重量の軽減化を意図する上で、些か不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記の提案にあって、圧側減衰バルブを構成する高速用アジャスタは、その進退によってリーフバルブを附勢する附勢バネの長さを変更し、リーフバルブにおけるクラッキング圧を変更する。
そのため、上記の提案では、高速アジャスタに介装された附勢バネの基端をリーフバルブに対向させる、すなわち、バネ受の介在下に担持させる一方で、附勢バネの先端を高速用アジャスタ側に移動可能に係止させ、この状態下に附勢バネの先端位置を高速用アジャスタの回動による進退に同期して移動させ附勢バネの長さを変更する。
それゆえ、高速アジャスタは、附勢バネを介装させて基端を担持するのはもちろんだが、先端をも係止することになり、したがって、附勢バネを介装させるのに充分な軸長さ、すなわち、附勢バネの長さより大きい長さを有するように形成される。
このことは、この高速用アジャスタを装着させるバルブハウジングたるハウジング部を横方向に、すなわち、油圧緩衝器におけるボトム部を径方向に大きく突出させて嵩張らせ、したがって、このボトム部を有する油圧緩衝器における重量の軽減化を阻害する。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、所望の減衰力制御を可能にするのはもちろんのこと、油圧緩衝器における重量の軽減化に寄与して、その油圧緩衝器の汎用性の向上を期待するのに最適となる減衰バルブを提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明による減衰バルブの構成を、基本的には、バルブハウジングに出没可能に装着される高速用アジャスタが外部からの回動操作で進退してリーフバルブを背後側から附勢する附勢バネのバネ力を変更しリーフバルブにおけるクラッキング圧を変更してなる減衰バルブにおいて、バルブハウジングが開口端寄りに開穿されてバルブハウジング外からの作動油のバルブハウジング内への流入を許容する上流路と、内底寄りに開穿されてバルブハウジング内からの作動油のバルブハウジング外への流出を許容する下流路とを有し、高速用アジャスタがバルブハウジング内を上記の上流路に連通する上流側と上記の下流路に連通する下流側とに画成するバルブシート部材と、このバルブシート部材に下流側から着座するリーフバルブと、このリーフバルブを背後側から附勢する附勢バネとを有し、附勢バネの基端がリーフバルブに担持されながら高速用アジャスタの回動操作時に高速用アジャスタの移動に同期して移動する一方で、附勢バネの先端がバルブハウジング側に係止されて移動が阻止されてなるとする。
それゆえ、この発明にあっては、バルブハウジングが開口端寄りに開穿されてバルブハウジング外からの作動油のバルブハウジング内への流入を許容する上流路と、内底寄りに開穿されてバルブハウジング内からの作動油のバルブハウジング外への流出を許容する下流路とを有してなるから、バルブハウジング外からの上流路を介しての作動油をバルブハウジング内の減衰バルブに誘導し、この減衰バルブを通過したバルブハウジング内の作動油の下流路を介してのバルブハウジング外への誘導が容易になる。
そして、この発明にあっては、高速用アジャスタがバルブハウジング内を上記の上流路に連通する上流側と上記の下流路に連通する下流側とに画成するバルブシート部材と、このバルブシート部材に下流側から着座するリーフバルブと、このリーフバルブを背後側から附勢する上記の附勢バネとを有し、附勢バネのリーフバルブに対向する基端が高速用アジャスタ側に担持されながら高速用アジャスタの回動操作時に高速用アジャスタの移動に同期して移動する一方で、附勢バネの先端がバルブハウジングの内底寄り側に係止されて移動が阻止されるから、附勢バネの基端を高速用アジャスタ側に係止させても、附勢バネの先端を高速用アジャスタ側に係止させる必要がなく、高速用アジャスタにおける軸方向長さを短くでき、油圧緩衝器に具現化するとき、油圧緩衝器における径方向の寸法を小さくできる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による減衰バルブVは、図示する実施形態では、二輪車の前輪側に架装されて二輪車の前輪を懸架しながらその前輪に入力される路面振動を吸収する油圧緩衝器たるフロントフォークに具現化され、図1に示すように、フロントフォークにおける前輪用のアクスルブラケットを形成するボトム部材Bに配設される。
フロントフォークは、車輪側チューブT1の軸芯部に立設のシリンダ体1内に車体側チューブT2の軸芯部に垂設のロッド体2における下端側を出没可能に挿通させ、シリンダ体1の上端開口を軸芯部にロッド体2を貫通させる軸受3で封止して、シリンダ体1の上方をリザーバRにしている。
そして、このフロントフォークにあっては、リザーバRに収装されて下端が上記の軸受3に担持されると共に上端がロッド体2の上端部に係止されるコイルスプリングからなる懸架バネSを有し、この懸架バネSの附勢力で車体側チューブT2内から車輪側チューブT1が突出する方向に、すなわち、シリンダ体1内からロッド体2が突出する伸側方向に附勢されている。
さらに、このフロントフォークにおいて、車輪側チューブT1の下端開口とシリンダ体1の下端開口とが上記のボトム部材Bで閉塞されているが、この発明にあっては、このボトム部材Bがアクスルブラケットを形成しながらバルブハウジングたるハウジング部Hを形成し、このハウジング部H内に減衰バルブVを収装している。
ちなみに、図示するフロントフォークにあって、ロッド体2が車体側部材とされるのに対して、シリンダ体1が車輪側部材とされ、また、車輪側チューブT1が外筒とされている。
ところで、このフロントフォークにあっては、上記のボトム部材Bに減衰バルブVを有することから、車輪側チューブT1とシリンダ体1との間を流路Lにし、この流路Lがハウジング部H内を介してシリンダ体1内に通じる設定にしている。
このことから、この発明にあって、ハウジング部Hは、開口端寄りに開穿されて上記の流路Lをハウジング部H内に連通させる上流路B1と、内底寄りに開穿されてハウジング部Hをシリンダ体1内に連通させる下流路B2とを有してなる。
一方、この発明にあって、減衰バルブVは、シリンダ体1内をロッド体2が上昇するフロントフォークの伸長作動時に、シリンダ体1内から上記の流路Lに流出される作動油をこの流路Lからシリンダ体1内に流入させ、所定の伸側減衰力を発生する。
そして、このフロントフォークにあって、前記したように、シリンダ体1の上方が上記した流路Lと遮断されるリザーバRとされ、このリザーバRは、ロッド体2の外周に出現する油面Oを境にする気室Aを有している。
また、このフロントフォークにあって、ロッド体2は、パイプ体からなり、それゆえ、一つには、ロッド体2における重量の軽減化に有利であり、二つには、このフロントフォークにおいて、ロッド体2の内側に通路2aを設ける構成の具現化に有利になり、ちなみに、この通路2aは、ロッド体2に開穿の通孔2bを介して上記のリザーバRに連通する。
そして、このフロントフォークにあって、シリンダ体1内に臨在のロッド体2における下端部には、ピストン部とされており、このピストン部がシリンダ体2内に上方油室たる伸側油室R1と、下方油室たる圧側油室R2とを画成している。
上記のピストン部は、図示するところでは、有底筒状に形成されてロッド体2の下端部に螺着されるナット21でピストン22が定着されてなり、ナット21は、軸芯部に開口21aを有して、ロッド体2内の通路2aとシリンダ体1内の後述する圧側油室R2とを連通している。
そして、ピストン22が外周をシリンダ体1の内周に摺接させてシリンダ体1内に上記の伸側油室R1と圧側油室R2とを画成し、圧側油室R2の伸側油室R1への連通はこれを許容するが、反対となる伸側油室R1の圧側油室R2への連通を阻止する伸側チェック弁23を有している。
そして、このフロントフォークにあって、シリンダ体1における上端部の近傍部には、フロントフォークが最伸長状態になるときにピストン22で閉塞されない位置にシリンダ体1の内外を連通させる通孔1bを有している。
また、このフロントフォークにあって、シリンダ体1の上端開口を封止する軸受3は、原理的には、外周を車輪側チューブT1の内周に摺接させるが、図示するところでは、軸受3の外周にはチェックリング31が介装され、このチェックリング31の外周が車輪側チューブT1の内周に摺接している。
このチェックリング31は、図2に示すように、断面を矩形にして軸受3の外周部に形成の環状溝3aに遊嵌され、下端側部に切り欠き通路31aを有し、図中での上昇時に、圧側チェック弁として機能して、前記した流路Lの同じく前記したリザーバRへの連通を阻止し、図示する下降時に、リザーバRの流路Lへの連通を許容する。
したがって、このチェックリング31を有するフロントフォークにあっては、このフロントフォークの組立時における注油作業を、すなわち、流路Lへの作動油の注入作業を容易にし得ると共に、収縮作動時に流路Lあるいは伸側油室R1が負圧化することをリザーバRからの作動油の流入で回避できる。
それゆえ、このフロントフォークにあって、図示しない最収縮状態からロッド体2がシリンダ体1内から抜け出るように伸長作動に反転すると、ピストン22が伸側チェック弁23を有するから、ピストン22の上方となる伸側油室R1の作動油が通孔1a、流路Lおよび減衰バルブVを介してシリンダ体1内の圧側油室R2に流出し、減衰バルブVが所定の伸側減衰力を発生する。
そして、この伸長作動時に圧側油室R2で不足する退出ロッド体積分に相当する量の作動油がリザーバRからロッド体2の通孔2bおよび通路2aを介して圧側油室R2に補充される。
ちなみに、このフロントフォークが図示する最伸長状態から反転して収縮作動するときには、シリンダ体1内をロッド体2が下降するから、このシリンダ体1内において余剰となる侵入ロッド体積分に相当する量の作動油がロッド体2の通路2aおよび通孔2bを介してリザーバRに流出し、作動油が通孔2bを通過するときの流速が速いときに圧側減衰力が発生される。
なお、前記したリザーバRにおける油面Oの位置は、フロントフォークの最伸長時にも上記したオリフィスとして機能する通孔2bを気室Aに露出させない高さ位置とされる。
また、通孔2bのロッド体2における開穿位置についてだが、このフロントフォークが最収縮状態になるときにも、下方の軸受3に干渉せずして閉塞されない位置とされる。
以上のように形成されたフロントフォークにあって、減衰バルブVは、図3に示すように、アッセンブリ化されたいわゆる本体部がボトム部材Bに形成のハウジング部Hに対して外部からの人為的な操作でフロントフォークを分解することなく着脱できる設定とされている。
そのため、この減衰バルブVにあっては、図4に示すように、ハウジング部Hに螺着されるリングナット10を有し、リングナット10を回動操作してハウジング部Hから分離することで、いわゆる本体部をハウジング部Hから抜き取れる(図3参照)。
そして、この減衰バルブVは、ハウジング部Hに上記したリングナット10を介して出没可能に螺着される高速用アジャスタ11と、この高速用アジャスタ11の軸芯部に出没可能に螺装される低速用アジャスタ12とを有してなる。
高速用アジャスタ11は、シリンダ体1内からのロッド体2の退出速度が高速領域にあるときにバルブ機構の作動を制御するもので、外部からの回動操作でリーフバルブ13を背後側から附勢する附勢バネ14のバネ力を変更してリーフバルブ13におけるクラッキング圧を変更する。
低速用アジャスタ12は、シリンダ体1内からのロッド体2の退出速度が低速領域にあるときに絞り機構の作動を制御するもので、外部からの回動操作で上記のリーフバルブ13を迂回するバイパス路を構成すべく高速用アジャスタ11に形成の流路11aに対してニードル弁体12aを出没させてニードル弁体12aと流路11aとの間に形成される環状絞りを広狭する。
その一方で、高速用アジャスタ11は、外部からの回動操作を可能にする基端操作部111と、この基端操作部111に連設されてハウジング部H内を上流側と下流側とに画成するバルブシート部材16をチェック弁14aの配在下に係止させる段差部112aを有する中間部112と、この中間部112に連設される先端ロッド部113とを有してなる。
上記のチェック弁14aは、バルブシート部材16に着座して後述のポート16aを開放可能に閉塞する態様に配設されるが、所定のチェック弁機能を発揮する限りには、これに代えて、図示しないが、バルブシート部材16とシリンダ体1との間、すなわち、たとえば、上流路B1中、あるいは、流路L中に配設されても良い。
そして、先端ロッド部113は、外周に上記のバルブシート部材16と、このバルブシート部材16に着座する上記のリーフバルブ13と、このリーフバルブ13を背後側から附勢する上記の附勢バネ14とを介装している。
バルブシート部材16は、環状に形成されて、中間部112の外側に上流側端を開口させるポート16aを有し、このポート16aの下流側端が環状に形成のリーフバルブ13で開放可能に閉塞されている。
リーフバルブ13は、径の異なる複数枚が積層されてなり、内周端固定で外周端自由の態勢でバルブシート部材16に着座され、外周端が撓むときに作動油の通過が許容し、減衰力を発生する。
附勢バネ14は、基端をリーフバルブ13に対向させ、すなわち、図示するところでは、バネ受14bの配在下にリーフバルブ13の背面に担持させ、先端をバルブハウジング側に、すなわち、図示するところでは、バネ受15を介してバルブハウジングの内底側に係止させている。
バネ受15は、有底筒状に形成され、リングナット10がハウジング部Hに螺着されるとき、あらかじめハウジング部H内に導入されて定着され、その後に、リングナット10がハウジング部Hから撤去されるときにはハウジング部H内に残留される。
そして、このバネ受15は、図示するところでは、筒状部15aとリング状に形成された底部15bの二部品からなる分割形態に形成され、いわゆる部品製作を容易にしている。
それゆえ、このバネ受15は、その機能するところを勘案すると、図示する分割態様に形成されることに代えて、図示しないが、筒部15aと底部15bとが一体とされた言わば有底筒状に形成されても良い。
そして、附勢バネ14の先端は、バルブハウジング側とされるバネ受15における底部15bに係止され、したがって、前記した従来例における附勢バネが両端とも高速アジャスタ側に係止されることに比較して、高速アジャスタ11の軸方向長さを小さくし得る。
その結果、この発明の減衰バルブVにあっては、高速用アジャスタ11における軸方向長さを短くできるから、これを油圧緩衝器におけるボトム部に具現化するとき、ボトム部における径方向の寸法を小さくでき、したがって、油圧緩衝器におけるボトム部を径方向に大きく突出させて嵩張らすことがなく、油圧緩衝器における重量の軽減化を阻害しない。
以上のように形成されたこの発明の減衰バルブVにあって、高速用アジャスタ11における基端操作部111を回動すると、リングナット10に対して出没し、バルブ機構を構成するリーフバルブ13を附勢する附勢バネ14を伸縮させて、リーフバルブ13におけるクッラキング圧を調整する。
そして、図示するところから、高速用アジャスタ11を回動してリングナット10から抜き出すと、附勢バネ14がその先端を残すようにして伸長し、リーフバルブ13におけるクラッキング圧が下がる。
一方、低速用アジャスタ12は、上記のリーフバルブ13を迂回するバイパス路を構成すべく高速用アジャスタ11における先端ロッド部113の軸芯部に形成の流路11aに対して出没するニードル弁体12aを有し、高速用アジャスタ11に対する出没時にニードル弁体12aと流路11aとの間に形成されてこの発明における絞り機構を構成する環状絞り(符示せず)を広狭調整する。
なお、図示するところでは、この低速用アジャスタ12は、ディテント機構Dの配在下に高速用アジャスタ11の軸芯部に介装されている。
それゆえ、この減衰バルブVを有するフロントフォークにあっては、ロッド体2がシリンダ体1内を上昇する際の速度に依存して、所望の伸側減衰力を発生する。
すなわち、シリンダ体1内からのロッド体2の退出速度が高速領域に比較すれば低速となる速度領域にあるときには、上記した絞り機構を構成する環状絞りによって所望の伸側減衰力が低速用アジャスタ12で調整される。
そして、シリンダ体1内からのロッド体2の退出速度が低速領域に比較すれば高速となる速度領域になるときには、主にバルブ機構を構成するリーフバルブ13によって所望の伸側減衰力が高速用アジャスタ11で調整される。
以上からすると、フロントフォークにあって、アクスルブラケットを形成するボトム部材に減衰バルブを配設する提案については、前記した特許文献1にも開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているところは、圧側減衰バルブがアクスルブラケットを形成するボトム部材に配設される提案であって、この発明のように、伸側減衰バルブとして機能する減衰バルブがアクスルブラケットを形成するボトム部材に配設されるとする提案ではない。
すなわち、従来から提案されている多くのフロントフォークにあっては、伸側の減衰力は、フロントフォークが内蔵するダンパにおけるシリンダ体内ピストン部に配設の伸側減衰バルブで発生されるとしている。
このとき、シリンダ体内ピストン部で発生される伸側の減衰力を高低調整可能にするには、たとえば、伸側減衰バルブを迂回するバイパス路を設けると共に、このバイパス路中に流量制御バルブを配置し、この流量制御バルブを進退などさせてバイパス路における流量の多少を調整し、伸側減衰バルブで発生される減衰力を高低調整する。
それに対して、この発明では、基本的には、フロントフォークにダンパを内蔵させないし、したがって、ダンパを構成するシリンダ体内のピストン部に減衰バルブを配設させないから、フロントフォーク本体における構成を簡素化し得るし、図示するところでは、所望の減衰力の広域に亙る制御をなし得る。
また、従来のフロントフォークにおいて、シリンダ体内ピストン部に配設の減衰バルブにおける設定を変更する場合には、フロントフォークの分解を要するが、この発明にあっては、フロントフォークの分解を要すことなく、減衰バルブV部分での設定変更が可能になる。
そして、図示するところから明らかなように、この発明による減衰バルブVにあっては、減衰バルブVの軸線方向がフロントフォークの軸線方向に対して斜めとされ、しかも、いわゆる本体部の後端が斜め上方に向けられている。
それゆえ、前記した特許文献1に開示の提案のように、減衰バルがフロントフォークにおける軸線方向を横切るように前後方向とされる場合に比較して、減衰バルブVに対する操作性が向上される。
その結果、この発明による減衰バルブVを具現化するフロントフォークにあっては、その構成を簡素化しながら所望の減衰力の発生およびその広域に亙る制御を可能にすると共に、二輪車の前輪側における重量の軽減化を可能にするから、全体コストのいたずらな高騰化を阻止して、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
前記したところでは、減衰バルブVは、図示する状態から高速用アジャスタ11がリングナット10内から抜き出されるとき、附勢バネ14を伸長させてリーフバルブ13におけるクラッキング圧を下げる設定とされているが、要は、高速用アジャスタ11を回動するとき、リーフバルブ13のクラッキング圧が変更されれば良く、したがって、図示しないが、高速用アジャスタ11をリングナット10内に押し込むときクラッキング圧が上がり、あるいは、定位置での回動でクラッキング圧が変更されても良い。
そして、前記したところでは、減衰バルブVが油圧緩衝器たるフロントフォークにおけるアクスルブラケットを形成するボトム部材Bに配設されるとしたが、この発明が意図するところからすれば、この減衰バルブVが油圧緩衝器たるリアクッションに配設されるとしても良い。
この発明による減衰バルブをボトム部材に配設したフロントフォークを一部破断して示す部分縦断面図である。 フロントフォークを部分的に示す拡大半截縦断面図である。 フロントフォークから減衰バルブが抜き出された状態を示す部分半截縦断面図である。 減衰バルブを拡大して示す縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ体
2 ロッド体
10 リングナット
11 高速用アジャスタ
11a 絞り機構を構成する流路
12 低速用アジャスタ
12a 絞り機構を構成するニードル弁体
13 バルブ機構を構成するリーフバルブ
14 附勢バネ
14a チェック弁
15 バネ受
15b 底部
16 バルブシート部材
111 基端操作部
112 中間部
112a 段差部
113 先端ロッド部
B ボトム部材
B1 上流路
B2 下流路
H バルブハウジングを構成するハウジング部
L 流路
T1 車輪側チューブ
T2 車体側チューブ
V 減衰バルブ

Claims (5)

  1. バルブハウジングに出没可能に装着される高速用アジャスタが外部からの回動操作で進退してリーフバルブを背後側から附勢する附勢バネのバネ力を変更しリーフバルブにおけるクラッキング圧を変更してなる減衰バルブにおいて、バルブハウジングが開口端寄りに開穿されてバルブハウジング外からの作動油のバルブハウジング内への流入を許容する上流路と、内底寄りに開穿されてバルブハウジング内からの作動油のバルブハウジング外への流出を許容する下流路とを有し、高速用アジャスタがバルブハウジング内を上記の上流路に連通する上流側と上記の下流路に連通する下流側とに画成するバルブシート部材と、このバルブシート部材に下流側から着座するリーフバルブと、このリーフバルブを背後側から附勢する附勢バネとを有し、附勢バネの基端がリーフバルブに担持されながら高速用アジャスタの回動操作時に高速用アジャスタの移動に同期して移動する一方で、附勢バネの先端がバルブハウジング側に係止されて移動が阻止されてなることを特徴とする減衰バルブ。
  2. バルブハウジングに螺着されるリングナットに高速用アジャスタが出没可能に螺着される一方で、バルブハウジングに対するリングナットの螺着でバルブハウジング内に定着されるバネ受が有底筒状に形成されながら環状に形成の底部に附勢バネの先端を係止させてなる請求項1に記載の減衰バルブ。
  3. 高速用アジャスタがリーフバルブを迂回するバイパス路を有すると共に軸芯部に低速用アジャスタを出没可能に装着させ、この低速用アジャスタが外部からの回動操作で進退して上記のバイパス路における作動油の通過流量を変更してなる請求項1に記載の減衰バルブ。
  4. バルブハウジングが油圧緩衝器を構成するボトム部材に形成のハウジング部とされる一方で、油圧緩衝器が車体側部材たるロッド体における下端側を車輪側部材たるシリンダ体内に出没可能に挿通させると共に、ロッド体における下端ピストン部がシリンダ体内に摺動可能に収装されながらシリンダ体内に伸側油室を画成し、この伸側油室がシリンダ体とシリンダ体の外側に配設の外筒との間に画成される流路に連通し、この流路がバルブハウジングに開穿の上流路に連通し、シリンダ体内をロッド体が上昇するときに伸側油室からの作動油の流路および上流路を介してのバルブハウジング内への流入を許容すると共にバルブハウジング内に流入された作動油のこのバルブハウジングに開穿の下流路を介してのシリンダ体内への流出を許容してなる請求項1に記載の減衰バルブ。
  5. バルブシート部材とシリンダ体との間にチェック弁が配設され、このチェック弁によって伸側油室からの作動油のバルブハウジング内の上流側への流入が許容されるがその逆流が阻止されてなる請求項4に記載の減衰バルブ。
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