JPH1059343A - プラスチック多層容器及びその製造法 - Google Patents

プラスチック多層容器及びその製造法

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JPH1059343A
JPH1059343A JP21283696A JP21283696A JPH1059343A JP H1059343 A JPH1059343 A JP H1059343A JP 21283696 A JP21283696 A JP 21283696A JP 21283696 A JP21283696 A JP 21283696A JP H1059343 A JPH1059343 A JP H1059343A
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卓郎 伊藤
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    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/22Boxes or like containers with side walls of substantial depth for enclosing contents
    • B65D1/26Thin-walled containers, e.g. formed by deep-drawing operations
    • B65D1/28Thin-walled containers, e.g. formed by deep-drawing operations formed of laminated material

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いガラス転移点を有する環状オレフィン系
共重合体を中間層及び低密度ポリエチレン層を内外層と
しながらドローダウンが防止され、容器壁厚の均一性、
外観特性、保香性、保水性、内容物の押出特性等に優れ
たプラスチック多層容器及びその製造法を提供するにあ
る。 【解決手段】 環状オレフィン系共重合体を中間層、他
のオレフィン系樹脂を内外層とした多層共押出成形容器
において、環状オレフィン系共重合体が60℃以上のガ
ラス転移点(Tg)を有する共重合体であり、内外層を
構成する他のオレフィン系樹脂がメルトインデックス
(ASTM D1238、190℃)が2g/10分以
下で且つ剪断速度の対数値をゼロに外挿したときの溶融
粘度(220℃)の対数値が4.7以上である低密度ポ
リエチレンであることを特徴とするプラスチック多層容
器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック多層容器
及びその製造法に関するもので、より詳細には環状オレ
フィン系共重合体を中間層及び低密度ポリエチレン層を
内外層とし、容器壁厚の均一性、外観特性、保香性、保
水性、押出特性等に優れたプラスチック多層容器及びそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製の圧潰性押出容器は、練
り歯磨き、化粧料、トイレタリー製品、各種薬品、糊乃
至接着剤、高粘性調味料乃至食品等の種々の内容物を収
容する包装容器として広く使用されている。
【0003】この圧潰性容器においては、内容物を絞り
出すための柔軟性が要求されるため、低密度ポリエチレ
ンやエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合
体が使用されている。
【0004】容器壁を通しての酸素の透過を防止するた
めに、酸素バリアー性樹脂を使用することも古くから知
られており、例えば、低密度ポリエチレンの内外層及び
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレンビニ
ルアルコール共重合体)の中間層から成る多層押出チュ
ーブ容器も既に知られている(例えば、特公昭57−3
3223号公報)。
【0005】また、環状オレフィン系共重合体が耐水分
透過性に優れていることを利用して、多層容器を製造す
ることも既に知られている。例えば、特開平4−276
253号公報には、壁面が材質の異なる2層を含む多層
から成る容器であって、そのうちの少なくとも1層が熱
可塑性ノルボルネン系ポリマーから成ることを特徴とす
る医療用または食品包装用容器が記載されている。
【0006】特開平7−52340号公報には、少なく
とも2種以上の樹脂層が積層された構造の多層プラスチ
ック容器において、外層が環状オレフィンとエチレンを
共重合させた非結晶性樹脂であり、内層がポリオレフィ
ン樹脂であることを特徴とする多層プラスチック容器が
記載されている。
【0007】特開平7−266517号公報には、ポリ
オレフィン系樹脂層の間に環状オレフィン成分5〜60
モル%を含有するポリオレフィン樹脂層を介在させたこ
とを特徴とする、少なくとも3層の樹脂構成から成る耐
衝撃性に優れた防湿性多層押出構造物が記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】押出容器等の圧潰性容
器においては、円滑な内容物の押出を可能にし且つ使用
後の空気のサックバック(容器内への空気の吸い込み)
を防止するためには、容器壁を構成するプラスチック材
料の曲げ剛性が可及的に低く、柔軟性のある材料である
ことが要求される。このため、圧潰性容器の器壁構成材
料としては、実際に低密度ポリエチレン(LDPE)が
広く使用されている。
【0009】一方、環状オレフィン系共重合体の芳香成
分や水分等に対するバリアー性は、環状オレフィン系共
重合体のガラス転移点(Tg)に依存しており、ガラス
転移点が高い環状オレフィン系共重合体の方がバリアー
性に優れている。
【0010】このように、ガラス転移点の高い環状オレ
フィン系共重合体と低密度ポリエチレンとを共押出によ
り多層容器に成形しようとすると、成形上問題を生じる
ことが分かった。即ち、ガラス転移点の高い環状オレフ
ィン系共重合体は高温での押出を必要とするが、この押
出温度の上昇に伴って、低密度ポリエチレンがドローダ
ウンを生じ、これにより、押出物の偏肉を発生し、器壁
の厚みが不均一となり、容器の外観特性も低下するとい
う問題を生じるのである。
【0011】従って、本発明の目的は、高いガラス転移
点を有する環状オレフィン系共重合体を中間層及び低密
度ポリエチレン層を内外層としながらドローダウンが防
止され、容器壁厚の均一性、外観特性、保香性、保水
性、内容物の押出特性等に優れたプラスチック多層容器
及びその製造法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、環状オ
レフィン系共重合体を中間層、他のオレフィン系樹脂を
内外層とした多層共押出成形容器において、環状オレフ
ィン系共重合体が60℃以上のガラス転移点(Tg)を
有する共重合体であり、内外層を構成する他のオレフィ
ン系樹脂がメルトインデックス(ASTM D123
8、190℃)が2g/10分以下、特に0.8g/1
0分以下で且つ剪断速度の対数値をゼロに外挿したとき
の溶融粘度(220℃)の対数値が4.7以上、特に
5.0以上である低密度ポリエチレンであることを特徴
とするプラスチック多層容器が提供される。
【0013】本発明によればまた、ガラス転移点が60
℃以上の環状オレフィン系共重合体及びメルトインデッ
クス(ASTM D1238、190℃)が2g/10
分以下、特に0.9g/10分以下で且つ剪断速度の対
数値をゼロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の対
数値が4.7以上、特に4.920以上である低密度ポ
リエチレンをそれぞれ対応する押出機で溶融し、環状オ
レフィン系共重合体を中間層及び低密度ポリエチレンを
内外層としてダイヘッド内で合流させ、この積層体を共
押出した後、ブロー成形することを特徴とするプラスチ
ック多層容器の製造法が提供される。
【0014】本発明において、ガラス転移点(Tg)が
60℃以上の環状オレフィン系共重合体を使用するの
は、芳香成分や水分に対するバリアー性が上記範囲未満
のものに比して格段に優れていることによる。例えば、
Tgが5℃の環状オレフィン系共重合体では、Tg点6
0℃の物に比べ芳香成分の指標としてのL−メントール
の透過度が10倍に達し、また水蒸気の透過度も5倍に
も達する。これが上記Tg範囲の環状オレフィン系共重
合体を使用する理由である。
【0015】本発明において、容器の内外層として、種
々のオレフィン系樹脂の内でも、低密度ポリエチレン
(LDPE)を使用するのは、曲げ弾性係数が2.0乃
至6.0MPaと、内容物の円滑な押出特性と、空気の
サックバック防止性とを有することによる。
【0016】本発明では、上記低密度ポリエチレンとし
て、メルトインデックス(MI)が2g/10分以下で
且つ剪断速度の対数値をゼロに外挿したときの溶融粘度
(220℃)の対数値(以下、LMVとも呼ぶ)が4.
7以上、特に4.920以上であるものを選択し、中間
層としての環状オレフィン系共重合体と組み合わせる。
これにより、共押出時における低密度ポリエチレンのド
ローダウンを防止して、偏肉を解消し、肉厚を均一に
し、外観特性を向上させることができる。
【0017】図1を参照されたい。図1には、後述する
例についてのドローダウン防止結果を、例の番号と共
に、メルトインデックスを横軸、及び剪断速度の対数値
をゼロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の対数値
(LMVとも呼ぶことがある)を縦軸としてプロットし
ている。LMVが本発明の範囲よりも低い低密度ポリエ
チレン内外層を環状オレフィン系共重合体中間層と共押
出した場合には、何れもドローダウンを生じるのに対し
て、この外挿溶融粘度の対数値が本発明の範囲内にある
低密度ポリエチレンを用いる場合には、ドローダウンが
効果的に防止できることが明らかである。
【0018】ガラス転移点(Tg)が60℃以上の環状
オレフィン系共重合体は、既に指摘したとおり、水蒸気
や香り成分のバリアー性には優れたものであるが、ゲル
成分の発生・混入を避けるためには、高温での押出成形
を行わなければならなく、この環状オレフィン系共重合
体の押出に適した押出温度は、通常用いられている低密
度ポリエチレンの押出温度よりもかなり高いものとなら
ざるをえない。低密度ポリエチレンの押出温度が高くな
ると、押出物における低密度ポリエチレン内外層のメル
トテンションが低下し、これがドローダウンの原因とな
る。
【0019】本発明においては、高押出温度でのメルト
テンションの低下を防止するため、低密度ポリエチレン
として、MIが上記範囲にあるものを選択使用するもの
である。また、本発明において、剪断速度の対数値をゼ
ロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の対数値を問
題としているのは、低密度ポリエチレンも通常の高分子
と同様に非ニュートン性流動、即ち、剪断速度が大きく
なるほど溶融粘度が小さくなる流動性を示すが、多層共
押出でドローダウンが問題となるのは、溶融物がダイス
オリフィスを離れた剪断速度の極めて小さい状態である
こと及びこの状態での溶融粘度を高くすることが、メル
トテンションの低下を抑制するに有効であることによ
る。
【0020】低密度ポリエチレンについて、剪断速度の
対数値をゼロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の
対数値(LMV)の求め方を説明する図2にお・いて、
横軸は剪断速度の対数値log(γ)であり、縦軸は溶
融粘度の対数値log(η)であり、この対数−対数プ
ロットでは、実測値は直線(回帰)上にほ・ぼ載ってお
り、剪断速度の対数値がゼロのときの外挿値をこの直線
とlog(γ)=0の直線との交点として求めうること
が明らかである。尚、図2の対数−対数プロットでは、
剪断速度ゼロでの外挿値は求めることができないので、
対数値がゼロとなる点での外挿値を求めている。また、
溶融粘度の測定温度として220℃の値を採用している
のも、環状オレフィン系共重合体の押出温度に近い温度
を採用しているためである。
【0021】以上詳述したように、本発明によれば、環
状オレフィン系共重合体中間層と組み合わせる低密度ポ
リエチレンとして、MI及びLMVが特定の範囲にある
ものを選択することにより、偏肉がなく、肉厚の均一性
に優れ、外観特性や容器の諸特性に優れた多層容器を得
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の多層容器の一例を示す図
3において、この多層容器は、チューブ状容器1と蓋2
とから成っており、チューブ状容器1は、パリソンの中
空成形により一体に成形されたネジ付き押出口3、これ
に連なる円錐状肩部4、及び細い筒状の胴部5を有して
いる。この筒状胴部5は、切断された端縁部6を有し、
この端縁部から内容物を充填した後、胴部の対向する内
面同士を融着して、密封底部を形成する。
【0023】本発明の多層容器の他の例を示す図4にお
いて、この多層容器は、ボトル状容器10と蓋2とから
成っており、このボトル状容器10は、パリソンの中空
成形により一体に成形されたネジ付き口部3、これに連
なる円錐状肩部4、筒状の胴部5及びパリソンのピンチ
オフにより形成された密閉底部7を有している。この容
器では、口部3から内容物を充填し、充填後蓋2を締結
して密封を行う。
【0024】胴部5の断面構造の一例を拡大して示す図
5において、この器壁は、低密度ポリエチレンから成る
内層11と、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃
至低結晶性共重合体を含有する中間層12と、低密度ポ
リエチレンから成る外層13とから形成されている。中
間層12と内外層11、13との間には、樹脂接着剤層
14、15が設けられている。
【0025】胴部5の断面構造の他の例を拡大して示す
図6において、この器壁は、低密度ポリエチレンを含有
する内外層11、13と、オレフィンと環状オレフィン
との非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)を含有する
中間層(第一中間層)12とを備えていることは図6と
同様であるが、上記各層の他に、ガスバリアー性熱可塑
性樹脂を含有する第二の中間層16が接着剤層17、1
7を介して設けられている。図6に示す具体例では、C
OC含有の第一中間層12が器壁の内面側に、ガスバリ
アー性樹脂含有の第二中間層16が器壁外面側に設けら
れているが、逆にCOC含有の第一中間層12が器壁の
外面側に、ガスバリアー性樹脂含有の第二中間層16が
器壁内面側に設けられていてもよいことが了解されるべ
きである。ガスバリアー性樹脂がCOC或いはオレフィ
ン樹脂に熱接着性を有する場合には、接着剤層17を省
略できることはいうまでもない。
【0026】胴部5の断面構造の他の例を拡大して示す
図7において、この器壁は、層の種類は図6の場合と同
様であるが、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃
至低結晶性共重合体(COC)を含有する中間層(第一
中間層)12が、ガスバリアー性熱可塑性樹脂を含有す
る第二の中間層16の両側に設けられている。この構成
は、レトルト殺菌等において、器壁のガスバリアー性を
高く維持する、つまり水分によるガスバリアー性の低下
を抑制するのに特に好適なものである。
【0027】[環状オレフィン系共重合体]オレフィン
と環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(C
OC)が誘導されるオレフィンとしては、エチレンが好
適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペン
テン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィ
ンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用され
る。
【0028】環状オレフィンとしては、基本的には、エ
チレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化
水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−
エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次
のものが挙げられるが、勿論これに限定されるものでは
ない。
【0029】ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
誘導体;例えば下記式(1)
【化1】 式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
或いはアルキリデン基であり、nは1〜4の数である
(以下同様である)、で表されるビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン誘導体。特に、 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン 1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
【0030】トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−
デセン誘導体;例えば、下記式(2)
【化2】 で表されるトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン誘導体。特に、 トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン 2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン 5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン。
【0031】トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−
ウンデセン誘導体;例えば、下記式(3)
【化3】 で表されるトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウ
ンデセン誘導体。特に、 トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン 10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−
ウンデセン。
【0032】テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン誘導体、例えば、下記式(4)
【化4】 で表されるテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン誘導体。特に、 テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ド
デセン 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン 5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17. 10]−3−ドデセン 8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ
[4.4.0.12. 5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ
[4.4.0.12. 5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン。
【0033】ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .0
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体;例えば、下
記式(5)
【化5】 で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13
−4−ペンタデセン 1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン 1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン 14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.1
3.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン。
【0034】ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体、例えば下記
式(6)
【化6】 で表されるペンタシクロ[7.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13
−3−ペンタデセン メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ペンタデセン。
【0035】ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .0
2.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体、
例えば下記式(7)
【化7】 で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導
体。特に、 ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13
−4,10−ペンタデカジエン。
【0036】ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体、例えば下記
式(8)
【化8】 で表されるペンタシクロ[8.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13
−3−ヘキサデセン 11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン 11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン 10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.1
2.5 .19.12.08. 13]−3−ヘキサデセン。
【0037】ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .0
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、例えば、下
記式(9)
【化9】 で表されるペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14
−4−ヘキサデセン 1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン 1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン 15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.1
3.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン。
【0038】ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、
例えば下記式(10)
【化10】 で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。
特に、 ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13
2.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09. 14]−4−ヘプタデセン 12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09. 14]−4−ヘプタデセン 12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシ
クロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7
9.14]−4−ヘプタデセン。
【0039】ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .1
4.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン
誘導体、例えば、下記式(11)
【化11】 で表されるヘプタシクロ[8.7.0.12.9
4.7 .111.17 .03.8 .0 12.16 ]−5−エイコセ
ン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7
11.17 .03.8 .012.16]−5−エイコセン。
【0040】ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .02.7 .011.16]−4−エイコセ
ン誘導体、例えば、下記式(12)
【化12】 で表されるヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセ
ン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .1
12.15 .02.7 .011.1 6 ]−4−エイコセン ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .0 2.7 .011.16 ]−4−エイコセ
ン。
【0041】ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコ
セン誘導体、例えば、下記式(13)
【化13】 で表されるヘプタシクロ[8.8.0.12.9
4.7 .111.18 .03.8 .0 12.17 ]−5−ヘンエイ
コセン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7
11.18 .03.8 .012.17]−5−ヘンエイコセン。
【0042】ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17]−5−ヘンエイ
コセン誘導体、例えば下記式(14)
【化14】 で表されるヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .1
13.16 .03.8 .012.1 7 ]−5−ヘンエイコセン 15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン。
【0043】オクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン誘導体、例えば、下記式(15)
【化15】 で表されるオクタシクロ[8.8.0.12.9
4.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5
−ドコセン誘導体。特に、 オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7
11.18 .113.16 .03.8.012.17 ]−5−ドコセ
ン 15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .113 .16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン 15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .013 .16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン。
【0044】ノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10 .03.8.012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン誘導体、例えば下記式(1
6)
【化16】 で表されるノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10.03.8 .012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン誘導体。特に、 ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .1
15.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−
ペンタコセン トリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン。
【0045】ノナシクロ[10.10.1.15.8 .1
14.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .0
15.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体、例えば、下記式
(17)
【化17】 で表されるノナシクロ[10.10.1.15.8 .1
14.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .0
15.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、 ノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .1
16.19 .02.11 .04 .9 .013.22 .015.20 ]−6
−ヘキサコセン。
【0046】環状オレフィンの他の例として、次のもの
を挙げることもできる。 5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン 5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン 5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフ
ルオレン 1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘ
キサヒドロアントラセン 8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17. 10 ]−3−ドデセン 8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(αナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン (シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシク
ロペンタジエンをさらに付加した化合物 11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.1
3.6 .02.7 .09.13 ]−4−ペンタデセン 11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.1
3.6 .02.7 .09.14 ]−4−ヘキサデセン 11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6
10.13 .02.7 .09.14 ]−4−ヘプタデセン 14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.1
2.9 .14.7 .111.1 7 .03.8 .012.16 −5−エイ
コセン]
【0047】この共重合体(COC)は、50乃至22
モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィンと残
余のエチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に1
50乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよ
い。
【0048】この共重合体の分子量は、特に制限はない
が、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至5dl
/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結
晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、
特に5%以下である。
【0049】上記共重合体(COC)は、オレフィンと
環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒
或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させる
ことにより得られる。
【0050】好適な共重合体(COC)は、三井石油化
学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。
【0051】[低密度ポリエチレン]本発明で内外層と
して用いる低密度ポリエチレンは、メルトインデックス
(ASTM D1238、190℃)が2g/10分以
下、特に0.91g/10分以下で且つ剪断速度の対数
値をゼロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の対数
値が4.70以上、特に4.920以上のものである。
【0052】この低密度ポリエチレンの密度は、一般的
にいって、0.910乃至0.940g/cm3 、特に
0.914乃至0.925g/cm3 の範囲にあるのが
よい。
【0053】本発明に用いる低密度ポリエチレンは、日
本コニカ株式会社からNUC等の商品名で容易に入手す
ることができる。
【0054】上記低密度ポリエチレンには、それ自体公
知の配合剤、例えば顔料、充填剤、酸化防止剤、滑剤、
安定剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って
配合しうる。
【0055】[接着剤層]低密度ポリエチレンの内外層
と、環状オレフィン系共重合体の中間層との接着強度は
低いので、これらの層間接着強度を向上させる目的で、
接着剤樹脂層を内外層と中間層との間に設ける。この接
着剤としては、エチレンとα−オレフィンとの共重合体
が適している。α−オレフィンとしては、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−
1、4−メチルペンテン−1等の炭素数4乃至8のもの
が好適に使用される。この共重合体は、α−オレフィン
に由来する分岐鎖を構造中に有しており、一般に線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)及び、線状超低密度ポ
リエチレン(VLDPE)として知られている。また、
上記エチレン・α−オレフィン共重合体を無水マレイン
酸等でグラフとした酸変成エチレン・α−オレフィン共
重合体を接着剤として使用することもできる。
【0056】[酸素バリアー性樹脂層]本発明の容器に
おいては、内容物の保存性及び保香性を一層向上させる
ために、酸素バリアー性層を設けることができる。酸素
バリアー性樹脂としては、酸素透過係数(PO2 )が
5.5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec・cmHg(37℃、0%
RH)以下、特に4.5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec・cm
Hg以下の熱可塑性樹脂の単独のもの、或いは樹脂のブレ
ンド物を酸素バリヤー性樹脂として用いることが望まし
い。このような樹脂の最も好適な例としては、エチレン
−ビニルアルコール共重合体、特にビニルアルコール単
位の含有量が40乃至85モル%、特に50乃至80モ
ル%のものを挙げることができる。酸素バリヤー性樹脂
の他の例としては、ナイロン樹脂、特にナイロン6、ナ
イロン8、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,
6、ナイロン6,10、ナイロン10,6、ナイロン6
/6,6共重合体、部分芳香族ポリアミド等を挙げるこ
とができる。
【0057】[層構成]本発明の容器では、全体の厚み
が100乃至1000μ、特に200乃至900μの範
囲にあり且つ環状オレフィン系共重合体中間層が全体の
厚みの5乃至30%、特に10乃至25%の範囲にある
のが、容器の諸特性の点で好ましい。低密度ポリエチレ
ンから成る内層と、外層とは、互いに等しい厚さで設け
ることもできるが、内容物の保香性の点では、環状オレ
フィン系共重合体から成る中間層を内面側に偏らせて設
けるのがよく、この場合、外層/内層の厚みの比が、5
0乃至99、特に60乃至95の範囲にあるのがよい。
環状オレフィン系共重合体層は、保香性の点で、少なく
とも30μm以上の厚みを有することが好ましい。ま
た、接着剤層は、3乃至40μmの厚みを有するのが好
ましい。更に、酸素バリアー性樹脂中間層は、一般に5
乃至200μmで存在することができる。
【0058】[製造方法]本発明のプラスチック多層容
器は、環状オレフィン系共重合体及びメルトインデック
ス(ASTM D1238、190℃)が2g/10分
以下で且つ剪断速度の対数値をゼロに外挿したときの溶
融粘度(220℃)の対数値が4.70以上である低密
度ポリエチレンをそれぞれ対応する押出機で溶融し、環
状オレフィン系共重合体を中間層及び低密度ポリエチレ
ンを内外層としてダイヘッド内で合流させ、この積層体
を共押出した後、ブロー成形することにより、製造され
る。
【0059】ダイヘッドとしては、多層多重ダイスが使
用されるが、ダイヘッドの温度は、用いる環状オレフィ
ン系共重合体の種類によっても相違するが、一般に22
0乃至250℃の温度が、環状オレフィン系共重合体の
ゲル化を防止しながら、ドローダウン傾向を抑制する上
で適当である。
【0060】共押出に際して、ダイ内において、環状オ
レフィン系共重合体中間層の溶融物を、接着剤樹脂の溶
融物で予めサンドイッチして積層溶融物とし、この積層
溶融物を低密度ポリエチレンの内層或いは外層の溶融物
と重ね合わせ、この合流物をダイスのオリフィスから押
し出すことができる。この際、ダイ内の合流部の長さを
比較的短くし、ダイヘッドの温度を比較的低い温度に維
持することも、環状オレフィン系共重合体のゲル化を防
止しながら、ドローダウン傾向を抑制する上で有効であ
る。
【0061】環状のダイオリフィスを通して押出される
溶融状態の多層パリソンを、割型内でのブロー成形し、
底部をピンチオフして、有底のボトルとする。また、ま
た、小径のボトルに成形すると共に、このボトルの底部
を切断し、内容物充填及び開放端のヒートシールを行っ
て、チューブ容器とすることもできる。また、多層構成
のパイプを押しだし、切断して容器胴部とし、口部は射
出成形、圧縮成型等で別途製造し、溶融接着等で接合し
てチューブ容器とすることもできる。
【0062】
【実施例】以下に実施例、参考例、及び比較例を上げて
本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は次の実施
例のみに限定されるものではない。尚、実施例における
測定及び評価は次の方法で行った。
【0063】(1)溶融粘度特性試験:東洋精機株式会
社製キャピログラフを用いL/D=10、d=1mm、
温度220℃条件下、最内外層に用いたMIの異なる低
密度ポリエチレンの溶融粘度(ポアズ)を測定した。
【0064】(2)剪断速度の対数値をゼロに外挿した
ときの溶融粘度の対数値(LMV):上記溶融粘度測定
において、同一試料について、剪断速度(r、se
-1)を変化させて、溶融粘度(η、ポアズ)を測定
し、これらの値を両対数グラフにプ・ロットし、log
(γ)とlog(η)との回帰直線を求め、この回帰直
線と・log(γ)=0との交点におけるlog(η)
の値をLMVとした。
【0065】(3)メルトインデックス:ASTM D
1238法による値である。
【0066】(4)ドロ−ダウン性:チューブ容器の実
際の成形に際してのドローダウン性を、次の基準で評価
した。 ◎:ドローダウンの発生がなく、チューブの成形に問題
がない。 ○:ドローダウンが発生するが、成形時の引き取り速度
を低速に調整することにより、成形可能となる。 ×:ドローダウンの発生が著しく、成形できない。
【0067】(5)保香性試験:成形したチューブにL
−メントール標準検液(2500ppm)を50mlず
つ注入し、ヒートシール後、チューブ4本を一組として
セプタム付き容積1350mlの密封容器型ガラス製フ
ラスコ容器に入れ37℃に保存した。保存開始後、7日
目にガスタイトシリンジを用いチューブの外で且つガラ
ス容器内の気相からガスを採取しGC(ガスクロマトグ
ラフ)分析を行った。尚、GC分析値はガラス容器内容
積内部のL−メントール量に換算した。
【0068】[実施例1] (試料)低密度ポリエチレンとして、MI(ASTMD
1238法)値が0.8であり且つLMVが5.008
の樹脂を用いた。バリヤー層として、環状オレフィン含
有率22mol%:Mw=13万の環状ポリオレフィン
系共重合体を用いた。他に、最内外層と上記環状ポリオ
レフィン系共重合体樹脂中間層を接着させる為に、LL
DPE系樹脂を用いた。 (成形)4本のスクリュー押し出し機を有する多層押し
出し機を用い、外層側に低密度ポリエチレン樹脂、接着
剤層にLLDPE、中間層の環状ポリオレフィン系共重
合体(環状オレフィン成分;22mol%:Mw=13
万)、接着剤層にLLDPE、最内層として低密度ポリ
エチレン樹脂からなる4種5層の多層チューブをダイレ
クトブロー成形した。ダイヘッド部の成形温度を220
℃とした。胴部における各樹脂層の厚みは、外層270
μm、接着層12μm、中間層120μm、接着層12
μm、内層186μmであった。 (評価)得られた結果を表1に示す。
【0069】[実施例2]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が0.15であ
り、且つLMVが5.258である樹脂を用いた他は実
施例1と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を
表1に示す。
【0070】[実施例3]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が0.24であり
且つLMVが5.206である樹脂を用いた他は実施例
1と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を表1
に示す。
【0071】[実施例4]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が0.3であり且
つLMVが5.224である樹脂を用いた他は実施例1
と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を表1に
示す。
【0072】[実施例5]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が1.3であり且
つLMVが4.921である樹脂を用いた他は実施例1
と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を表1に
示す。
【0073】[実施例6]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が2.0であり且
つLMVが4.703である樹脂を用いた他は実施例1
と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を表1に
示す。
【0074】[実施例7]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が1.1であり且
つLMVが4.750である樹脂を用いた他は実施例1
と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を表1に
示す。
【0075】[実施例8]バリヤー層として環状オレフ
ィン組成率22mol%:Mw=10万の環状ポリオレ
フィン系共重合体を用いた他は実施例1と同様にして、
チューブ容器を製造した。結果を表1に示す。
【0076】[比較例1]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が1.3であり且
つLMVが4.921である樹脂を用いと共に、成形温
度を200℃にした以外は実施例1と同様にして、チュ
ーブ容器を製造した。結果を表1に示す。
【0077】[比較例2]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が2.4である樹
脂を用いた以外は実施例1と同様にして、チューブ容器
を製造した。結果を表1に示す。
【0078】[比較例3]低密度ポリエチレン樹脂とし
て、MI(ASTMD1238法)値が3.2であり且
つLMVが4.325である樹脂を用いた以外は実施例
1と同様にして、チューブ容器を製造した。結果を表1
に示す。
【0079】以上の結果から、次のことが明らかであ
る。中間層に用いる環状ポリオレフィン系共重合体(環
状オレフィン成分;22mol%:Mw=13万)や、
環状ポリオレフィン系共重合体(環状オレフィン成分;
22mol%:Mw=10万)の樹脂を安定に押し出し
成形するためには、220℃以上の成形温度が必要であ
り、成形温度が上記温度を下回ると、中間層中にゲルが
生成する(比較例1)。
【0080】また、メルトインデックスが2g/10分
以下、特に0.8g/10分以下で、LMVが4.7以
上、特に4.920以上の低密度ポリエチレンを環状オ
レフィン系共重合体と組み合わせることにより、ドロー
ダウンの発生なしに円滑なチューブ成形が可能となる
(実施例1乃至8)のに対して、これらの値が上記範囲
を外れる比較例2及び比較例3においては、成形時パリ
ソンの溶融張力の減少によるドローダウンにより、円滑
なチューブ成形を行うことができなかった。
【0081】[実施例9] (試料)低密度ポリエチレンとして、MI(ASTMD
1238法)値が0.15であり且つLMVが5.25
8である樹脂を用いた。バリヤー層として、環状オレフ
ィン組成率22mol%:Mw=13万の環状ポリオレ
フィン系共重合体を用いた。他に、最内外層と上記環状
ポリオレフィン系共重合体樹脂を接着させる為に、LL
DPE系樹脂を用いた。 (成形)4本のスクリュー押し出し機を有する多層押し
出し機を用い、外層側に低密度ポリエチレン樹脂、接着
剤層にLLDPE、中間層の環状ポリオレフィン系共重
合体(環状オレフィン成分;22mol%:Mw=13
万)、接着剤層にLLDPE、最内層として低密度ポリ
エチレン樹脂からなる4種5層の多層チューブを成形し
た。成形温度を220℃以上とした。 (保香性評価)この容器について、前述した方法で、保
香性を評価した。L−メントールの透過量は、1.18
μgであった。
【0082】[比較例4]バリヤー層として環状ポリオ
レフィン系共重合体を有さず、外層側に低密度ポリエチ
レン樹脂、接着剤層にLLDPE、最内層として低密度
ポリエチレン樹脂からなる2種3層の多層構造とする以
外は、実施例8と同様にして多層チューブ容器を製造し
た。この容器について、保香性を評価した。L−メント
ールの透過量は、13.85μgであった。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、メルトインデックス
(ASTM D1238、190℃)が2g/10分以
下、特に0.8g/10分以下で且つ剪断速度の対数値
をゼロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の対数値
が4.7以上、特に4.920以上である低密度ポリエ
チレンを選択し、これを内外層として、高いガラス転移
点を有する環状オレフィン系共重合体の中間層と組み合
わせることにより、ドローダウンが防止され、容器壁厚
の均一性、外観特性、保香性、保水性、内容物の押出特
性等に優れたプラスチック多層容器を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】各例についてのドローダウン防止結果を、例の
番号と共に、メルトインデックス(MI)を横軸、及び
剪断速度の対数値をゼロに外挿したときの溶融粘度(2
20℃)の対数値(LMV)を縦軸としてプロットした
グラフである。
【図2】低密度ポリエチレンについて、剪断速度の対数
値をゼロに外挿したときの溶融粘度(220℃)の対数
値(LMV)の求め方を説明する図である。
【図3】本発明の多層容器の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の多層容器の他の例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の多層容器の断面構造の一例を示す拡大
断面図である。
【図6】本発明の多層容器の断面構造の他の例を示す拡
大断面図である。
【図7】本発明の多層容器の断面構造の更に他の例を示
す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 チューブ状容器 2 蓋 3 ネジ付き押出口 4 円錐状肩部 5 胴部 6 端縁部 7 密閉底部 10 ボトル状容器 11 内層 12 中間層 13 外層 14,15 樹脂接着剤層 16 中間層 17,17 接着剤層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状オレフィン系共重合体を中間層、他
    のオレフィン系樹脂を内外層とした多層共押出成形容器
    において、環状オレフィン系共重合体が60℃以上のガ
    ラス転移点(Tg)を有する共重合体であり、内外層を
    構成する他のオレフィン系樹脂がメルトインデックス
    (ASTM D1238、190℃)が2g/10分以
    下で且つ剪断速度の対数値をゼロに外挿したときの溶融
    粘度(220℃)の対数値が4.7以上である低密度ポ
    リエチレンであることを特徴とするプラスチック多層容
    器。
  2. 【請求項2】 全体の厚みが100乃至1000μの範
    囲にあり且つ環状オレフィン系共重合体中間層が全体の
    厚みの1乃至30%の範囲にある請求項1記載のプラス
    チック多層容器。
  3. 【請求項3】 外層/内層の厚みの比が50乃至99の
    範囲にある請求項1記載のプラスチック多層容器。
  4. 【請求項4】 環状オレフィン系共重合体が10乃至5
    0モル%の環状オレフィン単位を含有する共重合体であ
    る請求項1記載のプラスチック多層容器。
  5. 【請求項5】 環状オレフィン系共重合体及びメルトイ
    ンデックス(ASTM D1238、190℃)が2g
    /10分以下で且つ剪断速度の対数値をゼロに外挿した
    ときの溶融粘度(220℃)の対数値が4.7以上であ
    る低密度ポリエチレンをそれぞれ対応する押出機で溶融
    し、環状オレフィン系共重合体を中間層及び低密度ポリ
    エチレンを内外層としてダイヘッド内で合流させ、この
    積層体を共押出した後、ブロー成形することを特徴とす
    るプラスチック多層容器の製造法。
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