JPH1055907A - ボンド型永久磁石の製造用原料粉末と製造方法 - Google Patents

ボンド型永久磁石の製造用原料粉末と製造方法

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JPH1055907A
JPH1055907A JP8210165A JP21016596A JPH1055907A JP H1055907 A JPH1055907 A JP H1055907A JP 8210165 A JP8210165 A JP 8210165A JP 21016596 A JP21016596 A JP 21016596A JP H1055907 A JPH1055907 A JP H1055907A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐酸化性、耐食性に優れ、かつ磁気
特性、機械的強度にも優れたボンド磁石を圧縮成形によ
り製造する。 【解決手段】 希土類・鉄系磁石合金の粉末を、ビスマ
レイミドトリアジン樹脂 0.1〜5重量%からなる内層
と、熱硬化性エポキシ樹脂 0.5〜10重量%からなる外層
の2層で被覆した原料粉末を、両樹脂の軟化温度以上で
硬化開始温度未満の温間で磁場中にて圧縮成形し、加熱
して樹脂を硬化させる。硬化中にビスマレイミドトリア
ジン樹脂は一旦揮発し、磁粉に再付着するので、圧縮成
形で生じた新生破面も樹脂で被覆される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐酸化
性、耐食性に優れ、かつ磁気特性、機械的強度にも優れ
たボンド型永久磁石の製造方法と、この製造方法に用い
る樹脂で被覆された磁石粉末からなる原料粉末とに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ボンド型永久磁石 (以下、ボンド磁石と
いう) は、ハードフェライトや希土類系合金などの磁石
粉末(以下、磁粉という)を、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂、または
ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレン
スルフィド樹脂などの熱可塑性樹脂からなるバインダー
で結合した磁石である。
【0003】粉末冶金の手法で磁粉を焼結した焼結型永
久磁石に比べ、ボンド磁石は磁性を発現しない樹脂分を
含むため磁気特性は多少劣るが、焼結による収縮がない
ので高い寸法精度で種々の形状の磁石を樹脂の成形と同
様の手法で簡単に製造できるという特徴がある。そのた
め、ボンド磁石は一般家庭の各種電気製品から大形コン
ピューターの周辺端末機器に至るまで広く応用されてお
り、特にスピンドルモーター、ステッピングモーター等
の小型モーターに近年多く用いられている。
【0004】ボンド磁石の成形法としては、射出成形、
押出成形、圧縮成形 (プレス成形)などが可能である。
射出成形と押出成形では、磁粉と樹脂との混合物が成形
温度で流動しなければならないため、一般にバインダー
として熱可塑性樹脂を用い、樹脂の配合割合を比較的多
くする必要がある。
【0005】一方、圧縮成形では流動性は必要ないた
め、バインダーとして熱硬化性樹脂が一般に使用され
る。圧縮成形によるボンド磁石の一般的な製造において
は、まず磁粉と熱硬化性樹脂 (必要に応じて硬化剤など
の添加剤を含有する) とを混合して、樹脂で被覆された
磁粉からなる圧縮成形用の原料粉末(一般にコンパウン
ドと呼ばれる)を得る。この原料粉末を金型に充填して
プレス機で圧縮成形して所望の形状に賦形し、成形体を
加熱して被覆樹脂を硬化させると、ボンド磁石が得られ
る。
【0006】圧縮成形は、押出成形や射出成形に比べる
と、工程が多少複雑でコストが高いという欠点はある
が、成形時に流動する必要がないため、樹脂の割合を少
なくする(磁粉の充填率が上げる)ことが可能であり、
磁気特性がより優れたボンド磁石を得ることができる。
【0007】しかし、近年のコンピューター、通信機器
をはじめとする電気・電子製品の小型化、高性能化の進
展はめざましく、それに対応して、ボンド磁石のさらな
る磁気特性の向上が望まれている。そのため、用いる
原料磁粉の磁気特性を向上させる、磁石中の磁粉の磁
気的配向度を増大させる、磁石中の磁粉の体積充填率
を大きくする、磁石中の磁粉の酸化劣化、熱劣化を抑
えるといった対策が採られてきた。
【0008】の磁気特性の向上手段として、希土類・
コバルト系 (=R−Co系、Rは希土類金属) や希土類・
鉄系 (=R−Fe−B系) を含む希土類系合金からなる磁
粉について、どの方向に磁化しても同じ磁気特性が発現
する従来の等方性磁粉とは異なり、特定の方向 (磁化容
易方向) に対して高い磁気特性を示す磁気異方性の磁粉
(以下では異方性磁粉という)が開発されている。
【0009】この磁気異方性の磁粉から磁石を製造する
場合、磁石の内部において各異方性磁粉の磁化容易方向
が同一方向に揃っている (配向している) ことが磁気特
性の向上を得る条件となる。この磁石中の異方性磁粉の
配向度を増大させることが上記に示した対策である。
この配向は、成形時に磁場を印加し、各磁粉をその磁化
容易軸が磁場方向を向くように回転させることにより行
われる。従って、成形時に個々の磁粉を回転し易くする
(すなわち、粉末表面の摩擦抵抗を低くする)ような工
夫が必要である。例えば、樹脂が溶融するように温間で
圧縮成形を行う方法、潤滑剤を樹脂中に含有させる方法
が知られている。
【0010】一方、の単位体積中の磁粉の充填率を多
くするには、樹脂割合を減らすか、または、圧縮成形で
作製する成形体の空隙を少なくすることが必要となる。
しかし、ボンド磁石の成形性や機械的強度を考慮する
と、樹脂量の低減には限界があるため、必要最低限の樹
脂割合のもとで成形体の空隙を減少させ、磁粉の充填率
を向上させる成形条件が検討されてきた。
【0011】希土類・鉄系合金の磁粉は、酸素と結合し
やすい希土類元素と鉄が主体となるため、空気中におい
て酸化され易い。製造工程における磁粉の酸化が原因で
磁石が所定の磁気特性を発揮しえないことが多く、磁気
特性が安定化せず、また特に高温環境下で使用した場合
に磁気特性の劣化が顕著であった。この磁粉の酸化劣
化、熱劣化を抑制することが上記のの対策である。
【0012】ボンド磁石では、磁粉をバインダーの樹脂
で被覆することにより、磁粉の酸化劣化や熱劣化を抑え
てきた。また、焼結型の磁石と同様に、最終的に磁石を
メッキおよび/または塗装により被覆して磁粉の酸化劣
化や熱劣化を防止することも行われている。
【0013】この点に関して、特開昭63−24607 号公報
には、バインダーが従来のエポキシ樹脂では、磁粉に対
するぬれ性やガスシールド性が十分でなく、希土類系合
金の磁粉の酸化を十分には防止できないことが指摘され
ている。そのため、この公報に記載のボンド磁石では、
バインダーとして熱硬化型ポリイミド樹脂を使用する。
この樹脂は希土類系合金の磁粉に対するぬれ性、ガスシ
ールド性、および機械的強度に優れているので、樹脂量
を5重量%以下に低減でき、耐熱性および耐酸化性に優
れ、かつ磁気特性にも優れたボンド磁石が得られると説
明されている。実施例では、ポリイミド樹脂としてビス
マレイミドトリアジン樹脂を使用している。
【0014】しかし、本発明者らが追試したところ、バ
インダーに上記ポリイミド樹脂 (ビスマレイミドトリア
ジン樹脂) を使用しても、エポキシ樹脂を使用した場合
に比べて、機械的強度、耐熱性、耐酸化性、耐食性はほ
とんど向上せず、さらに得られたボンド磁石には欠けや
割れが見られ、製品歩留りが大幅に悪化することが判明
した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の問題点を解消して、耐熱性、耐酸化性、
耐食性に優れ、かつ磁気特性、機械的強度にも優れたボ
ンド磁石を圧縮成形により製造するための方法と、この
製造方法に使用する原料粉末とを提供することである。
【0016】本発明者らは、希土類・鉄系磁石合金の磁
粉からなるボンド磁石では、磁粉が製造過程、特に圧縮
成形において割れや歪みなどの損傷を受けることが原因
で、高温での磁粉の熱劣化が促進され、この損傷による
磁気特性の劣化も顕著であることを究明した。
【0017】この磁粉の損傷による影響は従来ほとんど
考慮されてこなかった。しかし、希土類・鉄系合金の磁
粉は強度が比較的低く、磁石製造過程、特に圧縮成形で
損傷を受け易いので、成形前に磁粉表面を樹脂で被覆し
ても、成形後には活性な新生破面が生じ、高温に曝され
るとその部位から熱劣化、酸化劣化を生じて磁気特性が
劣化することがわかった。
【0018】また、圧縮成形した圧粉体の内部には空隙
が多く存在する。磁石表面をメッキや塗装により被覆し
ても、磁石に内包された空気中の水、酸素により磁粉の
熱劣化、酸化劣化が引き起こされる。この内包空気は、
磁粉の損傷により生じた新生破面にも悪影響を及ぼす。
従って、内包空気による劣化を防止するため空隙率を可
及的に小さくすることが望まれる。空隙率の低減は、単
位体積当たりの磁粉の充填率を高くする点でも磁気特性
の向上に寄与する。
【0019】よって、本発明の具体的な課題は、希土類
・鉄系合金の磁粉からなるボンド磁石の製造過程、特に
圧縮成形において磁粉が損傷しても、磁気特性の劣化や
高温での磁粉の熱劣化を防止することができ、かつ空隙
率を低下させる手段を講じることにより上記目的を達成
することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、バインダ
ーとして使用する熱硬化性樹脂を工夫することにより上
記課題を解決すべく検討を重ねた。
【0021】特開昭63−24607 号公報の実施例で使用し
ているビスマレイミドトリアジン樹脂は、無水マレイン
酸と芳香族ジアミンとの反応物であるビスマレイミド
に、トリアジン骨格を持つオリゴマーとそのモノマーか
らなるトリアジン成分を配合した、熱硬化性ポリイミド
樹脂の一種である。
【0022】本発明者らは、この樹脂が軟化して融解し
た後、硬化前にトリアジン成分が揮発することに着目
し、この揮発性成分を含む樹脂をバインダーに使用する
と、圧縮成形時に活性な新生破面が生成しても、成形体
を硬化させるための加熱時に、硬化に先立ってこの揮発
性成分が揮発して磁粉に再付着することにより新生破面
が被覆され、かつこの再付着時に磁粉内の空隙が充填さ
れて、上記目的が達成されるのではないかと考えた。し
かし、揮発した成分は、磁粉の新生破面に再付着する以
外に、加熱炉の内壁などにも付着し、磁石内部の空隙が
かえって多くなることが判明した。
【0023】しかも、ビスマレイミドトリアジン樹脂を
バインダーとするボンド磁石は、磁場中で圧縮成形する
際の磁粉の配向性が低く、磁気特性が不十分である上、
耐熱性、耐酸化性、耐食性、機械的強度もほとんど向上
せず、さらに製品には割れや欠けが発生し易い。その理
由は、この樹脂の磁粉に対する接着性が低く、溶融樹脂
による磁粉間の潤滑効果が低いためではないかと考えら
れる。
【0024】圧縮成形中に磁粉が流動しやすいほど、磁
粉相互間の摩擦が低減し、磁粉の充填率と配向性が向上
し、磁粉の損傷が抑制され、ボンド磁石の磁気特性が向
上する。また、活性な新生破面が少なく、耐熱性、耐酸
化性、耐食性も向上する。しかし、ビスマレイミドトリ
アジン樹脂では溶融しても磁粉間の潤滑(摩擦低減)効
果が小さく、接着性の低さも加わって上記の結果になっ
たものと思われる。
【0025】ビスマレイミドトリアジン樹脂を、これよ
り潤滑性が高いエポキシ樹脂との混合樹脂にして磁粉を
被覆しても、結果はほとんど変わらず、ボンド磁石の機
械的強度はかえって低下することが判明した。その原因
は、温間成形時にビスマレイミドトリアジン樹脂の硬化
反応が開始し、溶融粘度が上がって潤滑性が低下するた
めであると考えられる。
【0026】これに対し、磁粉を内層がビスマレイミド
トリアジン樹脂、外層がエポキシ樹脂となるように2層
被覆すると、ビスマレイミドトリアジン樹脂のみ、また
は両樹脂を混合して1層被覆した場合の前述した難点が
解消され、硬化前の揮発性のトリアジン成分による磁粉
新生破面の被覆による保護効果によって耐熱性、耐酸化
性、耐食性が改善され、かつ磁気特性、機械的強度、磁
粉の接着性も良好なボンド磁石が得られることを見出し
た。その理由は完全には解明されていないが、次のよう
に考えられる。
【0027】即ち、被覆を上記の2層構造とすると、外
層の不揮発性のエポキシ樹脂が、内層のビスマレイミド
トリアジン樹脂から硬化前に揮発したトリアジン成分の
逃散を阻止するため、揮発したトリアジン成分が加熱炉
の内壁などに付着するのが防止される結果、硬化前に新
生破面の被覆や空隙の充填に有効利用される。また、潤
滑性のよいエポキシ樹脂が、外層としてビスマレイミド
トリアジン樹脂とは別個に存在することにより、温間成
形中の粘度増大による潤滑性の低下が阻止され、磁粉の
損傷が抑制される。また、磁気異方性の磁粉では配向性
も向上する。さらに、内層のビスマレイミドトリアジン
樹脂は磁粉との接着性がエポキシ樹脂より低いが、内層
樹脂と磁粉との接着性は若干低くても、外層に接着性の
高いエポキシ樹脂が存在することで磁粉間の接着性が確
保され、ボンド磁石の割れや欠けも防止される。
【0028】ここに、本発明により、希土類・鉄系磁石
合金の粉末を、熱硬化性樹脂(a) と揮発性成分を含有す
る熱硬化性樹脂(b) とで、樹脂(a) が外層、樹脂(b) が
内層となるように2層被覆した粉末であって、熱硬化性
樹脂(b) 中の揮発性成分が該樹脂の硬化開始温度よりも
低温で揮発するものであることを特徴とする、圧縮成形
によりボンド型永久磁石を製造するための原料粉末が提
供される。
【0029】好適態様にあっては、熱硬化性樹脂(b) は
トリアジン樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂で
あり、熱硬化性樹脂(a) はエポキシ樹脂である。2層被
覆の被覆量は、被覆後の粉末重量に対する重量%で、熱
硬化性樹脂(a) が 0.5〜10.0%、揮発性樹脂(b) が 0.1
〜5.0 %であり、かつ樹脂(a) の被覆量が樹脂(b) の被
覆量より多いことが好ましい。この両樹脂とも室温で固
体のものを用いる方が2層構造を確実に形成できる。
【0030】本発明によればまた、上記の2層被覆され
た原料粉末を、磁場中で圧縮成形した後、加熱して2種
類の熱硬化性樹脂(a) および(b) を硬化させることを特
徴とする、ボンド型永久磁石の製造方法も提供される。
成形中の磁粉の流動性を向上させるため、圧縮成形を両
樹脂の軟化温度以上、かつ樹脂(a) の硬化開始温度未満
で、樹脂(b) の揮発温度未満、の温間で行うことが好ま
しい。
【0031】
【発明の実施の形態】
[磁粉]本発明で使用する磁粉は、永久磁石用の希土類・
鉄系合金、即ち、 (ただしRはYを含む希土類元素の1
種以上) と、Fe (Feの一部はCoで置換されていてもよ
い) と、Bとを基本組成とする希土類・鉄系合金からな
る粉末である。合金組成は特に制限されないが、通常
は、重量%でRが25〜33%、Feが64〜74%、Bが0.8 〜
1.3 %である。Feの半量までCoで置換してもよい。Rは
1種もしくは2種以上でよく、Ndおよび/またはPrを単
独または他の希土類元素との混合物として使用すること
が好ましい。上記以外に、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、
C、Nb、Ge、Ga、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ta、Hf、
P、Sなどの1種もしくは2種以上の元素を少量添加し
てもよい。
【0032】本発明で使用する磁粉は磁気異方性と磁気
等方性のいずれの粉末でもよい。磁気異方性は、例えば
磁粉を 700〜900 ℃で水素化処理し、その後、減圧下で
脱水素化処理を行うことにより付与できる。また、別の
手法として、熱間後方押出加工により磁気異方性を発現
させた磁粉 (例えば、ゼネラルモーターズ社製のMQ-3粉
末) も本発明に使用できる。
【0033】一般に磁気異方性の磁粉の方が磁気等方性
の磁粉より歪みが大きく損傷し易いので、本発明による
効果がより顕著に得られるが、希土類・鉄系磁石合金そ
れ自体が酸化し易く、強度も非常に高いわけではないの
で、磁気等方性の磁粉の場合にも、耐熱性、耐酸化性、
耐食性、磁気特性、機械的強度の向上という本発明によ
る効果は十分に得られる。
【0034】磁粉は平均粒径が20μm以上であることが
望ましい。平均粒径が20μmより小さいと、保磁力、磁
石の減磁曲線の角型性等の磁気特性の劣化が見られ、さ
らに、比表面積が大きくなりすぎるため、耐熱性、耐酸
化性、耐食性にとっても不利となる。好ましい磁粉の平
均粒径は20〜300 μmである。
【0035】[磁粉の樹脂被覆による原料粉末の調製]本
発明では、上記希土類・鉄系合金の磁粉に、異なる2種
類の熱硬化性樹脂を用いて2層構造の被覆を施す。一方
の熱硬化性樹脂は揮発性成分を含む。以下、この揮発性
成分を含む熱硬化性樹脂を、単に揮発性樹脂といい、他
方の熱硬化性樹脂を単に熱硬化性樹脂という。揮発性樹
脂と熱硬化性樹脂のいずれも、室温で固体のものが好ま
しく、またそれぞれ1種もしくは2種以上を使用でき
る。
【0036】2層被覆の内層を構成する揮発性樹脂は、
その硬化開始温度よりも低温で揮発する成分を含むもの
であれば、その種類は特に制限されない。磁粉の表面や
熱硬化性樹脂の極性基との親和性が良い極性基を分子内
に持つ化学構造であることが好ましい。このような揮発
性樹脂の例は、トリアジン樹脂およびビスマレイミドト
リアジン樹脂である。中でもビスマレイミドトリアジン
樹脂が好ましい。
【0037】トリアジン樹脂は、下記構造式(1) で示さ
れるビスフェノールAのシアン酸エステルを環化重合さ
せることにより得られる、下記構造式(2) で示されるト
リアジン骨格の反復単位を持つオリゴマー(トリアジン
オリゴマーと呼ばれる)を主成分とする樹脂である。得
られたオリゴマーがトリアジン骨格を持つため、構造式
(1) で示されるモノマー (ビスフェノールAのシアン酸
エステル) もトリアジンモノマーと呼ばれている。
【0038】
【化1】
【0039】トリアジンモノマーの環化重合の生成物
は、上記のトリアジンオリゴマーの他に、未反応のトリ
アジンモノマーも含んでいる。従って、トリアジン樹脂
は、上記のトリアジンモノマーとトリアジンオリゴマー
との混合物である。このモノマーとオリゴマーはいずれ
も揮発性である。即ち、トリアジン樹脂はそれ自体揮発
性の樹脂である。
【0040】ビスマレイミドトリアジン樹脂は熱硬化性
ポリイミドの1種であって、無水マレイン酸と芳香族ジ
アミンとの反応生成物であるビスマレイミドに、共重合
成分として上記のトリアジン樹脂を配合した樹脂であ
る。従って、揮発性成分 (トリアジン樹脂) を含有して
いる。通常は、ビスマレイミドよりトリアジン樹脂の方
が多量に配合される。
【0041】ビスマレイミドの形成に用いる芳香族ジア
ミンは、アニリンとホルマリンとから得られるメチレン
ジアニリンが一般的である (この場合のビスマレイミド
の構造式を次の(3) 式に示す) が、m−アミノ安息香酸
とヒドラジンとの反応により得られるm−アミノ安息香
酸ヒドラジド等の他のジアミンも使用される。芳香族ジ
アミンがメチレンジアニリンであるビスマレイミドトリ
アジン樹脂は、三菱瓦斯化学社よりBTレジンなる商品
名で市販されている。
【0042】
【化2】
【0043】ビスマレイミドトリアジン樹脂とトリアジ
ン樹脂はいずれも、昇温するとまず軟化・溶融するが、
約150 ℃でトリアジンモノマーおよびトリアジンオリゴ
マーが揮発し、さらに昇温させると約170 ℃以上の温度
で硬化反応が起こる。従って、樹脂の硬化開始温度より
低温で揮発性成分が揮発する。後述するように、原料粉
末を圧縮成形した後、得られた成形体を硬化開始温度よ
り高温に加熱して被覆樹脂を硬化させる。この加熱過程
で、硬化開始前に、磁粉表面の揮発性樹脂被覆から揮発
性成分が揮発し、一部は近くにある活性な新生破面や空
隙に付着し、その間に昇温が進んで硬化開始温度に達す
ると、付着した揮発性成分は再揮発せずにその場所で硬
化樹脂になる。こうして圧縮成形中に生じた新生破面や
磁粉間の空隙にも樹脂が付着して、それらが樹脂で被覆
ないし充填される。
【0044】2層被覆の外層を構成する熱硬化性樹脂も
その種類は特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂などが使用で
きる。好ましい熱硬化性樹脂は、従来と同様にエポキシ
樹脂である。エポキシ樹脂としては、室温で固体のビス
フェノールA型樹脂が好ましいが、ノボラック型等の他
のエポキシ樹脂も使用できる。熱硬化性樹脂は、必要に
応じて、硬化剤、硬化促進剤と一緒に使用する。
【0045】前述したように、揮発性樹脂と熱硬化性樹
脂はいずれも室温で固体のものが好ましく、さらに好ま
しくは軟化温度が40〜120 ℃のものである。揮発性樹脂
と熱硬化性樹脂の軟化温度はいずれが高くなってもよ
い。
【0046】磁粉を被覆する揮発性樹脂と熱硬化性樹脂
が両方とも室温で固体であると、樹脂被覆した原料粉末
は流動性に富む粉体として取り扱える。その結果、金型
への粉末の充填性がよくなり、均質な成形体が得られ、
成形体中の局部的な密度の変動が小さく、かつ製品磁石
のロット間の密度バラツキも小さく、また、圧縮成形体
の密度が増大し、磁粉充填率が向上する。また、成形体
の機械的強度が高いため、搬送等の取り扱い時の成形体
の端部や角部の欠けが生じにくく、寸法精度と製品歩留
まりが向上する。
【0047】しかし、両樹脂の軟化温度が40℃未満で
は、室温で液体の樹脂と同様に、樹脂被覆した原料粉末
が互いに凝集または融着して金型への給粉性が低下する
ことがある。また、気温が高い場合に樹脂が軟化し、原
料粉末の貯蔵安定性が低下する傾向がある。両樹脂の軟
化温度が120 ℃より高くなると、圧縮成形時に金型内に
投入した原料粉末を両樹脂が軟化するまで加熱するのに
時間がかかり、金型の温度調整と磁気回路の設計が難し
くなる上、磁粉の熱劣化、酸化劣化が生じやすくなる。
両樹脂の軟化温度がともに50〜100 ℃の範囲であるのが
特に好ましい。
【0048】本発明では、内層が揮発性樹脂、外層が熱
硬化性樹脂とする。それにより、隣接する磁粉間の熱硬
化性樹脂による接着性が良くなり、磁石の機械的強度が
向上する。また、温間プレス時に成形体から溶融した揮
発性樹脂がしみ出たり、樹脂硬化時に揮発性樹脂が磁石
の外部へ飛散する現象を、外層の熱硬化性樹脂により防
止することができる。さらに、この効果により、揮発性
樹脂が少量でも磁粉の新生破面を再被覆できるので、目
的とする磁粉の熱劣化、酸化劣化の防止を実現できる。
【0049】磁粉に2層構造の被覆を形成するには、例
えば次のようにすればよい。まず内層となる揮発性樹脂
を適当な有機溶媒に溶解して低粘度の樹脂液を調製し、
この樹脂液を磁粉と混合した後、溶剤を揮発させて、内
層の樹脂層を磁粉の表面に形成する。この内層樹脂層の
上に、外層となる熱硬化性樹脂を同様にして溶液化して
被覆し、外層の樹脂層を形成する。外層樹脂の樹脂液
は、内層樹脂を溶解しにくい溶媒を用いて調製する。内
層と外層のいずれも、被覆に用いる樹脂液は溶液に限定
されるものではなく、エマルジョン、懸濁液等の形態で
あってもよい。
【0050】磁粉の被覆に使用する樹脂液には、所望に
よりシラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤、潤滑剤などの添加剤を少量配合することもでき
る。また、磁粉を予めシラン系もしくはチタネート系カ
ップリング剤または潤滑剤などで表面処理しておくこと
もできる。
【0051】被覆方法は上記の方法に制限されるもので
はなく、上記と同等の均一な樹脂被覆が可能な方法であ
れば、他の方法を採用することもできる。例えば、揮発
性樹脂と熱硬化性樹脂の一方または両方が、加熱すると
溶融粘度が小さい融液を形成する場合には、融液を磁粉
と混練する溶融混練法により被覆を行ってもよい。ただ
し、この方法で外層を形成できるのは、外層樹脂の軟化
温度が内層樹脂より低い場合に限られ、内層樹脂の軟化
温度より低温で溶融混練法による外層の被覆を行う。
【0052】各樹脂の被覆量は、被覆後の粉末重量に対
する重量%で、内層の揮発性樹脂が0.1〜5.0 %、好ま
しくは 0.1〜3%、より好ましくは 0.5〜2.0 %であ
り、外層の熱硬化性樹脂は 0.5〜10%、好ましくは 1.0
〜5.0 %、より好ましくは 1.5〜4.0 %である。外層樹
脂の被覆量の方が内層樹脂の被覆量より多くすることが
好ましい。両樹脂 (即ち、内層と外層) の合計被覆量は
好ましくは 1.0〜10.0%、より好ましくは 2.0〜5.0 %
の範囲内である。
【0053】揮発性樹脂の被覆量が0.1 %未満では、新
生破面の被覆が不十分となり、ボンド磁石の耐熱性が向
上しない。揮発性樹脂の被覆量が5.0 %を越えると、成
形されたボンド磁石の機械的強度が低下する。一方、熱
硬化性樹脂の被覆量が0.5 %未満では、磁粉間の結合が
不十分となり、成形性が悪く、かつ圧粉体およびボンド
磁石の機械的強度が著しく低下する。熱硬化性樹脂の配
合量が10%を越えると、磁粉の充填率が小さくなり、所
定の高磁気特性を発揮できなくなる。
【0054】[磁場中の圧縮成形]磁粉を揮発性樹脂と熱
硬化性樹脂の2層で被覆した原料粉末を圧縮成形する。
各磁粉が予め2種類の樹脂で均一に被覆されているた
め、圧縮成形により均質な成形体を得ることができる。
磁粉が磁気異方性である場合には、圧縮成形を磁場中で
行う。それにより、圧縮成形中に個々の磁粉の磁化容易
方向を磁場の方向に揃え、磁粉が配向した磁気異方性の
成形体を得る。一般に磁気異方性のボンド磁石では、磁
粉の配向度が高いほど磁気特性が向上する。
【0055】圧縮成形は室温で行ってもよいが、揮発性
樹脂と熱硬化性樹脂の両樹脂の軟化温度以上で、かつ両
樹脂の硬化温度よりも低温である温間で行う方が好まし
い。それにより、軟化した両樹脂の潤滑効果のために、
磁粉相互間および磁粉と樹脂間の摩擦が低減し、次の
(1) 〜(3) に述べるように、磁粉の充填率と配向度が増
大し、磁粉の損傷が抑制され、磁気特性、機械的強度、
耐熱性、耐酸化性、耐食性に優れたボンド磁石が得られ
る。
【0056】(1) 摩擦低減により、空隙が減少し、磁粉
の充填率が向上した高密度の成形体、したがってボンド
磁石が得られる。そのため、磁気特性、機械的強度、耐
熱性、耐酸化性、耐食性が向上する。
【0057】(2) 磁粉が磁気異方性である場合には、摩
擦低減により、磁場中で圧縮成形する際に各磁粉の回転
が容易になるので、磁粉の磁化容易方向が磁場方向に揃
いやすくなり、磁粉の配向度が向上して、磁気特性が向
上する。
【0058】(3) 本発明で用いる希土類・鉄系合金の磁
粉、特に磁気異方性の磁粉は、一般に熱処理を受けてい
ることから粉末の強度が低下している。そのため被覆時
の磁粉と樹脂との混合のトルクや、圧縮成形時の圧縮圧
力により破砕・歪みを受けて損傷し易く、この磁粉の損
傷がボンド磁石の磁気特性の低下の大きな原因であるこ
とを本発明者らは究明した。
【0059】樹脂が軟化する温間で圧縮成形することに
より摩擦を低減させると、圧縮成形時の磁粉の損傷が抑
制され、それによる磁気特性の低減や、機械的強度、耐
熱性、耐酸化性、耐食性などの各種特性の劣化を避ける
ことができる。この効果は磁気異方性の磁粉で特に顕著
であるが、磁気等方性の磁粉である程度得られる。
【0060】圧縮成形は、常法に従って、原料粉末をプ
レス金型に充填し、好ましくは所定の温間プレス温度に
加温し、次いで磁場の印加下に上下の押さえ治具 (パン
チ)により加圧・圧縮することにより実施できる。
【0061】金型内の原料粉末の加熱手段に特に制限は
ないが、金型を加熱して伝熱により行うことが簡便であ
る。金型の加熱手段としては、例えば抵抗加熱、油等の
熱媒による加熱、高周波加熱などが利用できる。加熱時
間を短縮するため、金型を予熱しておいてもよい。ま
た、金型内の原料粉末に通電し、その抵抗加熱により磁
性粉末を直接加熱する方法を採用できる。さらに、プレ
ス成形機の上下のパンチの一方に超音波振動を加えるこ
とにより、摩擦熱で原料粉末を直接加熱する方法も可能
である。
【0062】磁場の印加方法は、圧縮方向と平行な磁場
(縦磁場ともいう) 、これと垂直な磁場 (横磁場ともい
う) 、半径方向の極配向磁場、のいずれでもよい。磁界
強度は特に制限されないが、通常は4〜20 kOeの範囲内
である。プレス圧力は、2〜10 ton/cm2の範囲内が適当
である。
【0063】[樹脂の熱硬化]圧縮成形後、脱型した成形
体を加熱設備 (例、加熱炉) に移してさらに加熱し、揮
発性樹脂と熱硬化性樹脂の両者を熱硬化させると、ボン
ド磁石が得られる。この加熱条件は、揮発性樹脂と熱硬
化性樹脂が完全に硬化するように、樹脂種や硬化剤、硬
化促進剤の種類に応じて選択する。加熱雰囲気は、磁粉
の酸化を防ぐために、真空あるいは不活性ガスなどの無
酸素雰囲気とすることが好ましい。得られたボンド磁石
は、必要により、常法により塗装やメッキなどの表面処
理を施してもよい。
【0064】この加熱により、磁粉を被覆している2種
類の樹脂はいずれも一旦軟化して溶融し、流動するた
め、空隙がある程度は樹脂で充填される。さらに昇温す
ると、揮発性樹脂からはその硬化が起こる前に揮発性成
分が揮発し、揮発した成分が磁粉に再付着する際に圧縮
成形時の磁粉の粉砕で生じた新生破面にも付着するた
め、新生破面が被覆され、新生破面による熱劣化や酸化
劣化が防止され、ボンド磁石の耐熱性、耐酸化性、耐食
性が向上する。また、この際にも空隙の充填も起こるの
で、空隙率は一層低下する。
【0065】そのため、本発明の方法で製造されるボン
ド磁石は、空隙率が8.0 体積%以下、好ましくは5.0 体
積%以下、特に好ましくは3.0 体積%以下である。空隙
率の低下により、高い残留磁化(Br)が得られ、機械的強
度が向上する。さらに、空隙中の酸素や空隙を通路とし
てボンド磁石に侵入する酸素、水に起因する磁粉の熱劣
化、酸素劣化も抑制される。
【0066】なお、本発明において、空隙率は次式によ
り算出される値である。 [(理論密度−実測密度) /理論密度] ×100(%) ここで、理論密度とは空隙が全くない磁性粉末と被覆樹
脂だけから成る磁石の密度の計算値である。
【0067】
【実施例】本発明の効果を実施例により実証する。実施
例および比較例中、%および部は特に指定のない限り、
重量%および重量部である。
【0068】[磁粉]Nd:28%、Co:10%、Ga:1%、
B:1%、Zr:0.1 %、残部:Feの組成を持つNd−Fe−
B系合金を、 700〜900 ℃の水素ガス中に保持して、Nd
の水素化物、Fe2B、Feに分解する。次にこの温度領域で
水素圧を下げ、Ndの水素化物から水素を解離させ、微細
なNd2Fe14B結晶体からなる磁粉を作製した。得られた磁
粉を、分級して、粒度分布が38〜300 μm (平均粒径12
5 μm) の磁気異方性のNd−Fe−B系合金の磁粉を調製
した。別に溶融合金の急冷凝固により磁気等方性のNd−
Fe−B系合金粉末を調製した。合金組成および粒度分布
は上記と同じであった。
【0069】[揮発性樹脂]揮発性樹脂 (溶融混練用) 三菱瓦斯化学社よりBTレジンBT2100として市販されて
いる、室温で固体のビスマレイミドトリアジン樹脂 (軟
化温度80℃) をそのまま使用した。この揮発性樹脂のト
リアジン含有率 (ビスマレイミドを含む樹脂全量に対す
るトリアジンモノマーおよびオリゴマーの合計量) は90
%、軟化温度は約80℃、揮発成分の揮発温度は約150
℃、硬化開始温度は約170 ℃である。
【0070】揮発性樹脂 (溶液混練用) 三菱瓦斯化学社よりBTレジンBT2060Bとして市販され
ている、室温で固体のビスマレイミドトリアジン樹脂70
%をメチルエチルケトン30%に溶解して使用した。この
揮発性樹脂の軟化温度は約80℃、揮発成分の揮発温度、
および硬化開始温度は上記と同じである。
【0071】[熱硬化性樹脂]熱硬化性樹脂 (溶融混練用) 室温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂 (軟化温
度60℃) 100 部と変性アミン系硬化剤25部を60℃で溶融
混練して用いた。このエポキシ樹脂の軟化温度は60℃、
硬化開始温度は120 ℃である。
【0072】熱硬化性樹脂 (溶液混練用) 室温で固体のクレゾールノボラック系エポキシ樹脂 (軟
化温度60℃) 30%とフェノール樹脂系硬化剤7%をメチ
ルエチルケトン63%に溶解し、25℃での粘度が5cps の
低粘度液状のエポキシ樹脂溶液を得た。このエポキシ樹
脂の軟化温度と硬化開始温度は上記とほぼ同じであ
る。
【0073】[被覆方法]溶融混練法 (揮発性樹脂および/または熱硬化性樹脂
) 磁粉を所定割合の樹脂と混合し、80℃ (樹脂が揮発性樹
脂の場合) または60℃ (樹脂が熱硬化性樹脂の場
合) に加熱して、樹脂の溶融状態で混練した。2層被覆
の場合は、最初に80℃で揮発性樹脂と溶融混練した
後、60℃まで冷却し、さらに熱硬化性樹脂と溶融混練
した。
【0074】溶融混合法 (揮発性樹脂および/または
熱硬化性樹脂) 磁粉を所定割合の樹脂を含む樹脂溶液と混合し、室温で
溶媒を蒸発させた後、乳鉢で粉砕した。本実施例では、
揮発性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれも同じ溶媒を用いて
樹脂溶液を調製したため、2層被覆の場合には内層の形
成のみに溶液混練法を採用した。内層の揮発性樹脂を溶
解しにくい溶媒を用いて外層の熱硬化性樹脂の溶液を調
製すれば、外層も溶液混練法により形成することができ
る。
【0075】比較例では、揮発性樹脂または熱硬化性樹
脂で1層被覆するか、或いは揮発性樹脂と熱硬化性樹脂
とを混合して1層被覆した。いずれの場合も、被覆作業
の終了後、最後に乳鉢で粉末を解砕して、被覆作業中に
固着した粉末をほぐした。
【0076】[ボンド磁石の作製方法]圧縮成形/熱硬化 上記のように樹脂被覆した磁粉 (原料粉末) を、金型に
充填した後、磁粉が磁気異方性である場合には10 kOeの
横磁場の印加下に、磁粉が磁気等方性である場合には磁
場を印加せずに、圧力6ton/cm2 で80℃で温間圧縮成形
した。
【0077】脱型後、得られた成形体を真空中またはAr
ガス中で175 ℃に120 分間加熱して被覆樹脂を硬化さ
せ、ボンド磁石のサンプルを得た。磁石サンプルの形状
は、長さ100 mm、幅10mm、厚さ5mmの短冊形状と、10mm
立方の立方形状、の2種類とした。
【0078】[試験方法]ボンド磁石の磁気特性、曲げ強
度、耐熱性、耐湿性、外観検査、寸法・形状と密度・磁
粉充填率について次の要領で評価した。また、圧縮成形
時の金型への給粉性と成形体の微粉発生量を下記のよう
に判定した。
【0079】(1) 磁気特性 10mm立方のボンド磁石サンプルを用い、これを40 kOeで
着磁後、BHトレーサーにより残留磁化(Br)、保磁力(iH
c) 、減磁曲線の角型性(Hk)ならびに最大エネルギー積
[(BH)max] を測定した。減磁曲線の角型性(Hk)は、磁化
が残留磁化(Br)の90%になる時の磁界(H) の大きさを意
味し、磁粉の損傷が大きいほどHkが低下することが判明
しているので、磁粉の損傷度の指標となる。なお、磁粉
の配向度は次式により算出した。
【0080】
【数1】
【0081】式中、Br(//) は圧縮成形時のプレス方向
と平行方向のBrであり、Br(⊥) は圧縮成形時のプレ
ス方向と垂直方向のBrである。
【0082】(2) 曲げ強度 100 mm×10mm×5mmのボンド磁石サンプルを用いて、JI
S K7203 の硬質プラスチックスの曲げ試験方法に準じて
行った。支点間距離は75mm、試験速度は2mm/分で行
い、結果より曲げ破壊強度を算出した。
【0083】(3) 耐熱性 10mm立方のボンド磁石サンプルを120 ℃の大気雰囲気に
1000時間放置し、1000時間後の試験片の磁気特性を測定
し、減磁曲線の角型性Hkの低下率で耐熱性を評価した。
【0084】(4) 耐湿性 10mm立方のボンド磁石サンプルを80℃に予熱した後、80
℃、90℃の雰囲気内に24時間置いた。そして、24時間後
の試験片表面の錆発生状況を目視により観察し錆発生数
を計数して、次の基準で評価した。 ○:錆発生なし、×:錆発生数3〜5個/cm2
【0085】(5) 微粉発生量 圧縮成形した10mm立方の成形体から、樹脂部分をメチル
エチルケトンで溶解除去し、残った磁粉をふるいにより
粒度別に分級し、<38μmの微粉の発生量を測定した。
この微粉発生量により磁粉の損傷度を評価した。つま
り、成形前の磁粉には含まれていない<38μmの微粉の
発生量が多いほど、磁粉の損傷が大きいと判断できる。
【0086】(6) 外観検査 長さ100 mm、幅10mm、厚さ5mmの短冊形状と10mm立方の
立方形状のボンド磁石サンプルに欠けや割れなどがない
かを外観検査した。いずれの磁石にも割れや欠けが認め
られない場合を○、いずれかに認められた場合を×と評
価した。
【0087】(7) 寸法・形状測定 長さ100 mm、幅10mm、厚さ5mmの短冊形状と10mm立方の
立方形状のボンド磁石サンプルの寸法・形状と重量を測
定し、実成形密度 (見掛け密度) を算出した。寸法・形
状精度は、寸法精度が±50μm以内で、かつ形状に歪み
がない場合を○、寸法精度が±50μm超か、または形状
に歪みが存在する磁石があった場合には×と評価した。
また、この密度と磁粉の重量分率 (樹脂被覆の合計量を
100 %から差し引いた値) から磁粉充填率を次式により
算出した。
【0088】
【数2】
【0089】(8) 金型への給粉性 圧縮成形体の重量のバラツキ (重量偏差) で評価した。
この重量偏差が±0.5g以内の場合を○、±0.5 g超の
場合を×と評価した。
【0090】これらの試験結果を表2にまとめて示す。
実施例および比較例では、上記の磁気異方性または磁気
等方性のNd−Fe−B系磁粉に下記の被覆を施した。被覆
量は表1に示す通りである。
【0091】実施例1〜4 磁気異方性の磁粉に内層のビスマレイミドトリアジン樹
脂と外層のエポキシ樹脂をいずれも溶融混練法により順
に2層被覆した。
【0092】実施例5〜8 磁気異方性の磁粉に内層のビスマレイミドトリアジン樹
脂を溶液混練法で、外層のエポキシ樹脂を溶融混練法で
順に2層被覆した。
【0093】比較例1 磁気異方性の磁粉に溶融混練法でエポキシ樹脂を1層被
覆した。比較例2 磁気異方性の磁粉に溶液混練法でエポキシ樹脂を1層被
覆した。
【0094】比較例3 磁気異方性の磁粉に溶融混練法でビスマレイミドトリア
ジン樹脂を1層被覆した。比較例4〜6 磁気異方性の磁粉にビスマレイミドトリアジン樹脂とエ
ポキシ樹脂との混合物を溶融混練法で1層被覆した。
【0095】比較例7 磁気異方性の磁粉に溶液混練法でビスマレイミドトリア
ジン樹脂を1層被覆した。比較例8〜10 磁気異方性の磁粉にビスマレイミドトリアジン樹脂とエ
ポキシ樹脂との混合物を溶液混練法で1層被覆した。
【0096】実施例9〜11 磁気等方性の磁粉に内層のビスマレイミドトリアジン樹
脂と外層のエポキシ樹脂をいずれも溶融混練法により順
に2層被覆した。
【0097】比較例11 磁気等方性の磁粉に溶融混練法でエポキシ樹脂を1層被
覆した。比較例12 磁気等方性の磁粉に溶液混練法でエポキシ樹脂を1層被
覆した。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】表1と表2から明らかな通り、本発明に従
って希土類・鉄系合金からなる磁粉を揮発性樹脂と熱硬
化性樹脂の2層で被覆した原料粉末を用いて、磁場中で
温間プレス成形すると、2層の樹脂の合計被覆量が最高
でも5%程度と少量であるにもかかわらず、耐熱性、耐
酸化性、耐食性が改善されたボンド磁石が得られる。ま
た、このボンド磁石は、磁粉の充填率が大きく、空隙率
が小さく、かつ磁粉の配向度も大きく、磁粉の損傷が抑
えられているので、磁気特性と機械的強度も大きく向上
した。なお、以上の効果は、磁粉が磁気異方性である場
合だけでなく、磁気等方性の磁粉の場合にも得られた。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、希土類・鉄系合金磁粉
に対して、硬化反応の開始前に揮発する揮発性成分を含
む熱硬化性樹脂からなる内層と、接着性に優れた通常の
熱硬化性樹脂からなる外層という2層構造の被覆を施し
た原料粉末を、好ましくは温間で圧縮成形した後、加熱
して上記2種類の樹脂を硬化させてボンド磁石を製造す
ることにより、下記の効果を得ることができる。
【0102】(1) 圧縮成形時に生じた磁粉の活性な新生
破面を、樹脂硬化時に揮発性樹脂が被覆することによ
り、磁粉の熱劣化、酸化劣化を防止できるため、ボンド
磁石の耐熱性、耐酸化性、耐食性が向上する。
【0103】さらに、原料磁粉の表面が揮発性樹脂と熱
硬化性樹脂で均一に被覆されているので、成形および加
熱硬化中の磁粉の酸化が防止され、磁粉の酸化による磁
気特性の低下を抑制できる。得られたボンド型永久磁石
においても、磁粉の表面が樹脂で均一に被覆されている
ことから、使用時に高温高湿の環境下に曝された場合
も、磁粉の酸化防止作用が持続し、耐熱性および耐食性
が良好となる。
【0104】(2) 圧縮成形時に磁粉相互間および磁粉と
樹脂間の摩擦が低減されるため、得られたボンド磁石の
密度が増大すると共に、圧縮成形時に磁粉に対して割
れ、歪みなどの損傷が生じにくくなる。その結果、磁粉
間の空隙が少なく、磁粉の充填率が高いボンド磁石が得
られる。また、磁気異方性の磁粉では、摩擦低減により
磁場中での圧縮成形時の磁粉が回転が容易となって、磁
粉配向度が向上する。以上の結果、磁気特性が向上す
る。
【0105】(3) 少量の樹脂被覆量で原料磁粉が完全に
樹脂で結合され、しかも磁粉間の空隙が少なく、高密度
で充填されるため、ボンド磁石の機械的強度が向上し、
割れ、カケも生じにくく、寸法精度と製品歩留まりが向
上する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類・鉄系磁石合金の粉末を、熱硬化
    性樹脂(a) と揮発性成分を含有する熱硬化性樹脂(b) と
    で、樹脂(a) が外層、樹脂(b) が内層となるように2層
    被覆した粉末であって、熱硬化性樹脂(b) 中の揮発性成
    分が該樹脂の硬化開始温度よりも低温で揮発するもので
    あることを特徴とする、圧縮成形によりボンド型永久磁
    石を製造するための原料粉末。
  2. 【請求項2】 2層被覆の被覆量が、被覆後の粉末重量
    に対する重量%で、熱硬化性樹脂(a) は 0.5〜10.0%、
    揮発性樹脂(b) は 0.1〜5.0 %であり、かつ樹脂(a) の
    被覆量が樹脂(b) の被覆量より多いことをさらに特徴と
    する、請求項1に記載の原料粉末。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂(b) が、室温で固体のトリ
    アジン樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂である
    ことをさらに特徴とする請求項1または2に記載の原料
    粉末。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂(a) が室温で固体のエポキ
    シ樹脂であることをさらに特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の原料粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の原料粉末を圧縮成形した後、加熱して2種類の熱硬化
    性樹脂(a) および(b) を硬化させることを特徴とする、
    ボンド型永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 圧縮成形を、(a) および(b) の両樹脂の
    軟化温度以上、かつ樹脂(a) の硬化開始温度未満で、樹
    脂(b) の揮発温度未満、の温間で行うことをさらに特徴
    とする、請求項5に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20150042219A (ko) * 2012-08-01 2015-04-20 쿨테크 어플리케이션즈 에스.에이.에스. 철, 규소 및 란타나이드를 포함하는 합금을 포함하지 않는 자기열량 재료를 포함한 일체형 부품, 및 상기 부품을 포함하는 열 제너레이터

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