JPH1053599A - 胃腸運動刺激活性を示す環状モチリン−様ポリペプチド - Google Patents

胃腸運動刺激活性を示す環状モチリン−様ポリペプチド

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JPH1053599A
JPH1053599A JP9126736A JP12673697A JPH1053599A JP H1053599 A JPH1053599 A JP H1053599A JP 9126736 A JP9126736 A JP 9126736A JP 12673697 A JP12673697 A JP 12673697A JP H1053599 A JPH1053599 A JP H1053599A
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lys
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有効な胃腸運動刺激活性を有し、かつ増強
された代謝安定性を有する、胃腸運動活性の低下した基
礎レベルの治療に有効である薬剤を提供すること。 【解決手段】 光学活性異性体を含む式(I)で表され
るような胃腸運動刺激活性を有する環状ポリペプチド、
及び薬学的に許容されるその酸付加塩。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有効な胃腸運動刺
激活性及び増強された代謝安定性を有する新規な環状ポ
リペプチドに関する。これらのペプチドは、糖尿病の胃
麻痺、麻痺性の腸閉塞及び手術後の腸閉塞のような胃腸
運動活性の基礎レベルが低下することを特徴とする症状
の治療に有効である。本発明はまたこれらの新規な環状
ポリペプチドを使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モチリンは、空腹時のヒト及び他の様々
な他の種において十二指腸粘膜から定期的に放出される
直鎖状ポリペプチドホルモンである。ヒトモチリンは最
近カルシノイド癌細胞から単離及び精製されたばかりで
ある[De Clercq et al., Regulatory Peptides 55, 79-
84(1995)] 。ヒトモチリンにかなりの配列相同性を有す
る他の型のペプチドもブタ、イヌ、ネコ及びウサギの胃
腸組織からも単離された。ヒトモチリンはアミノ酸残基
からなり、式:
【0003】
【化3】
【0004】で表される。その生理学的な役割は完全に
決定されていないが、モチリンが胃の運動性を増大さ
せ、かつ中間消化性遊走筋電性複合物(interdigestive
migrating myoelectric complex)の発生を調節する役割
を果していることは明らかである。インビトロにおい
て、モチリンは単離されたヒト及びウサギの十二指腸断
片の収縮を誘導する。最近の研究は、モチリンがプラズ
マ膜における別の受容体へ結合してカルシウムの流入増
加を導くことにより平滑筋細胞を収縮するように刺激す
ることを示唆している。これに関連して、モチリン及び
幾つかのモチリン誘導体は、ヒト及びウサギの腔組織に
おける結合部位に放射線標識化されたモチリンと競合す
る。インビボにおいて、健康な被験者(ヒト)に投与し
た場合には、モチリンは腸内の通過時間を加速し、かつ
胃を空にする作用を増強する。さらに、モチリンの投与
により、糖尿病の胃麻痺を伴う患者において固体及び液
体を空にするように刺激されることが報告されている[P
eeters et al., Gastroenterology 102, 97-101 (199
2)] 。さらにモチリンは、胃腸管の腫瘍による麻痺性腸
閉塞を伴う患者の治療に使用された[Meyer et al., Me
d.Klin. 86, 515-517 (1991)]。
【0005】モチリンのN−末端アミノ酸配列及びモチ
リンの真ん中部分の特定の残基は、インビトロにおける
収縮活性に必須である[Macielag et al., Peptides 13,
565-569(1992); Peeters et al., Peptides 13, 1103-
1107(1992); Poitras et al., Biochem. Biophys. Res.
Commun. 183, 36-40(1992)]。しかし、モチリンの短鎖
の類似体は、静脈内投与を行った場合にはほとんど又は
全く活性がなく、これは恐らくプラズマ及び組織におけ
る迅速な代謝的分解が原因である[Raymond etal., Regu
l. Pept. 50, 121-126(1994)]。より短いC末端を有
し、位置12に3〜5の塩基性アミノ酸が結合し、位置
1〜11に様々なアミノ酸置換基を有するモチリン様ポ
リペプチドは、モチリンの活性と同等もしくはそれ以下
であることが報告されている。代謝安定性がより増強さ
れたモチリン様ポリペプチドは報告されていない [日本
国特許番号2-311,495]。最近多数の一連のモチリンの一
部置換(point-substituted) 類似体及びフラグメントに
ついて、インビトロにおけるウサギの十二指腸平滑筋条
片への収縮効果のアッセイが行われた[Miller et al.,
Peptides, 16, 11-18(1995)]。これらのペプチドの効力
はモチリンのそれと同等かそれ以下であった。
【0006】モチリンの大きな問題点は、ヒトにおいて
4.5 分という比較的短い半減期(t1/ 2)である[Christofi
des et al., Gastroenterology 76, 903-907 (1979)]。
この短い半減期のため、治療効果を得るために継続的注
入によりこのホルモンを投与する必要がある。モチリン
のような直鎖状のペプチドは非常に柔軟な分子であり、
生物学的な媒体中で複数のコンフォメーションで存在す
る。その結果、配列における各ペプチド結合は周囲の環
境に対して露出しており、代謝プロテアーゼにより分解
を受けやすい。現在までのところ、ほとんどのモチリン
の合成類似体は直鎖形状(configuration)である。一連
の環状モチリンフラグメントはインビトロにおいて収縮
活性が完全に失われていることが報告された[Miller et
al., Peptides, 16, 11-18(1995)]。これらのペプチド
は、モチリン(1−12)アミドのアミノ末端内に計画
的に導入されたシステイン残基間にジスルフィド結合を
形成することにより得られた。従って、有効な胃腸運動
刺激活性を有し、かつ増強された代謝安定性を有するモ
チリン様ポリペプチドは胃腸運動活性の低下した基礎レ
ベルの治療に有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は有効な
胃腸運動刺激活性を有し、かつ増強された代謝安定性を
有する、胃腸運動活性の低下した基礎レベルの治療に有
効である薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明は、光学活性異性
体を含む式(1)で表されるような胃腸運動刺激活性を有
する環状ポリペプチド、及び薬学的に許容されるその酸
付加塩に関する。
【0008】
【化4】
【0009】式中、基A及び基Dは連結して環状構造を
形成し、R1 は低級アルキルを表し、R2 は水素又は低
級アルキルを表し、R3 は水素又は低級アルキルを表
し、R4 はフェニル又は置換フェニル(ハロゲン、ヒド
ロキシ及び低級アルコキシからなる群から選択される一
つ又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニ
ル基)を表し、R5 は−OH又は−NH2 を表し、Aは
L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、L−リジン、
L−オルニチン及びL−2,4 −ジアミノ酪酸からなる群
から選択され、BはL−アラニン又はL−グルタミンで
あり、CはL−アルギニン又はD−アルギニンであり、
DはL−リジン、L−オルニチン、L−2,4 −ジアミノ
酪酸、L−グルタミン酸及びL−アスパラギン酸からな
る群から選択され、Eは基D及び基R5 間の直接結合で
あるか、又はL−リジン或いはD−リジンであり、mは
0又は1であり、記号*は不斉炭素原子を表し、D又は
L配置であってもよい(ただし、(a) AがL−グルタミ
ン酸又はL−アスパラギン酸である場合には、DはL−
リジン、L−オルニチン又はL−2,4 −ジアミノ酪酸で
あり、及び (b)AがL−リジン、L−オルニチン又はL
−2,4 −ジアミノ酪酸である場合には、DはL−グルタ
ミン酸又はL−アスパラギン酸である。)。本発明は、
また、新規な環状ポリペプチドの使用方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の新規な環状ポリペプチド
は、モチリン受容体に高い親和性で結合し、胃腸組織に
おけるモチリンの蠕動効果をミミック(模倣)する。新
規なポリペプチドはまた、適当な組織のホモジネート中
で生物分解に対して上昇した安定性を示すため、インビ
ボにおけるより効果的な前運動性薬(prokinetic agent
s)である。モチリン様ポリペプチドは13位のメチオニ
ンの代わりにロイシン残基を有しているため、より化学
的に安定であり、10位と14位のアミノ酸残基の側鎖
の間にラクタム橋かけ構造を有して、18〜21原子か
らなる環を形成しているため、より効力があり、かつ代
謝安定性に優れている。さらに、1位にアルキル化フェ
ニルアラニン残基を有しており、生物分解に対する安定
性が向上している。本発明のポリペプチドは、従って、
糖尿病の胃麻痺、麻痺性の腸閉塞及び手術後の腸閉塞の
ような胃腸運動の基礎レベルが低下することを特徴とす
る症状の治療に有効である。
【0011】分子内共有結合の形成による本発明のペプ
チドの環化は、タンパク分解酵素による作用からアミノ
酸残基を遮蔽することにより代謝安定性を増加する。さ
らに、環状ペプチドは、剛直で明確な形状で存在し、相
当する直鎖類似体と比較して、より強い結合力を示す。
モチリンのような多くのブレイングット(brain-gut)ペ
プチドはCNS及び末梢の両方において受容体サブタイ
プと作用することにより幾つかの生理学的プロセスを調
節する。ペプチドの環化により目的の受容体に対してよ
り強い結合を与え、それによりインビボにおける望まし
くない副作用を制限してもよい。本発明におけるペプチ
ドのコンフォメーションの運動性を制限するストラテジ
ーは、リジン又はオルニチンの塩基性側鎖とグルタミン
酸又はアスパラギン酸の酸性側鎖との共有結合を行って
ラクタム橋かけ構造を形成することを含む。従来技術に
おいて使用された疎水性のシステイン橋かけに対して、
ラクタムのアミド結合は明らかに二極性を有し、かつ受
容体タンパク質の官能基と水素結合を形成することがで
きる。
【0012】“環状ペプチド”又は“ラクタム”という
用語は、酸性アミノ酸(例えば、Asp 又はGlu)の側鎖カ
ルボキシル基と、塩基性アミノ酸(例えば、Lys 又はOr
n)の側鎖アミノ基とをアミド結合の形成により結合させ
たペプチドを意味する(ラクタム)。
【0013】
【化5】
【0014】という用語は、ペプチド鎖の10番目のア
ミノ酸“A”が、14番目のアミノ酸“D”に結合して
環状(ラクタム)構造を形成していることを意味する。
用語“シクロ10,14 ”は、上記で定義したように10位
と14位で環化したペプチドを意味する。用語“pMO
T”は、ブタ又はヒトモチリンを意味する。ブタモチリ
ンは下記のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
【0015】
【化6】
【0016】用語“pMOT(1−14)”は、全配列
のうち最初の14のアミノ酸を有するブタモチリンのフ
ラグメントを意味する。一般に、用語“pMOT”の後
の括弧内の番号は、完全な長さのpMOTポリペプチド
のフラグメントを示す。本明細書で使用される下記の省
略形を以下のように定義する。 Phe フェニルアラニン Tyr チロシン Leu ロイシン Ile イソロシン Val バリン Ala アラニン Gly グリシン Glu グルタミン酸 Asp アスパラギン酸 Lys リジン Orn オルニチン Dab 2,4-ジアミノ酪酸 Arg アルギニン Gln グルタミン Asn アスパラギン Thr トレオニン Pro プロリン Me メチオニン Alloc アリルオキシカルボニル Boc t-ブチルオキシカルボニル 2-Br-Z 2-ブロモベンジルオキシカルボニル
【0017】Bzl ベンジル Cbz カルボベンジルオキシ 2-Cl-Z 2-クロロベンジルオキシカルボニル Dhbt 3,4-ジヒドロ-4- オキソベンゾトリアジン-3
- イル Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニル Mbh 4,4'- ジメトキシベンズヒドリル Mtr 4-メトキシ-2,3,6- トリメチルベンゼンスル
ホニル Pfp ペンタフルオロフェニル Trt トリチル BOP ベンゾトリアゾリルオキシ- トリスジメチル
アミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート BOP-Cl ビス(2- オキソ-3- オキサゾリジニル) ホス
フィニッククロリド DCC N,N'- ジシクロヘキシルカルボジイミド DIC N,N'- ジイソプロピルカルボジイミド DIEA ジイソプロピルエチルアミン DPPA ジフェニルホスホリルアジド EDAC N-エチル-N'-ジエチルアミノプロピルカルボ
ジイミド HATU 2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1- イル)-
1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフ
ェート HBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1- イル)-1,1,3,
3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート HEPES N-[2- ヒドロキシエチル] ペピラジン-N'-[2
- エタンスルホン酸] HMPA ヒドロキシメチルフェノキシアセトキシ HOAt 7-アザ-1- ヒドロキシベンゾトリアゾール HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール MBHA 4-メチルベンズヒドリルアミノ PAM ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチ
ル PyBOP ベンゾトリアゾリルオキシ- トリピロリジノ
ホスホニウム= ヘキサフルオロホスフェート PeBrOP ブロモ- トリピロリジノホスホニウム= ヘキ
サフルオロホスフェート DCM ジクロロメタン DMF N,N-ジメチルホルムアミド NMM N-メチルモルホリン MMP N-メチルピロリジノン TCA トリクロロ酢酸 TEA トリエチルアミン TFA トリフルオロ酢酸 TFMSA トリフルオロメタンスルホン酸
【0018】本発明は有効な胃腸運動刺激活性を有する
新規な環状ポリペプチド及び哺乳類、好ましくはヒトに
おける胃腸運動活性の基礎レベルの低下という症状を治
療する方法に関する。上記治療方法は、哺乳類に、光学
活性異性体を含む式(1)で表されるポリペプチド、及
び薬学的に許容されるその酸付加塩の症状を治療するた
めに薬学的に有効な量を投与することを含む。
【0019】
【化7】
【0020】式(1)において、mは0又は1であり、
記号*は不斉炭素原子を表し、D又はL配置であっても
よく、各低級アルキル基は、1〜4炭素原子を含む。た
だし、(a) AがL−グルタミン酸又はL−アスパラギン
酸である場合には、DはL−リジン、L−オルニチン又
はL−2,4 −ジアミノ酪酸であり、及び (b)AがL−リ
ジン又はL−オルニチン又はL−2,4 −ジアミノ酪酸で
ある場合には、DはL−グルタミン酸又はL−アスパラ
ギン酸である。基Aから基E及びR1 からR5は以下の
ように定義される。式(1)で示される本発明の新規な
化合物は、14又は15アミノ酸の長さを有していても
よい環状ポリペプチドである。新規なポリペプチドのア
ミノ酸成分の立体化学は本発明の必須の性質である。個
々のアミノ酸の絶対配置は、特に述べない限りLであ
り、ただし、1位(アミノ末端アミノ酸、(R1
m (R2 )(R3)N−* CH(CH 24 )CO−)は
L又はDでもよく、12位(基C)はL又はD−アルギ
ニンでもよく、及び15位(存在する場合には、基E)
はL−リジン又はD−リジンでもよい。
【0021】1位、アミノ末端アミノ酸 (R1 m (R2 )(R3)N−* CH(CH2 4 )C
O− 1位の、ポリペプチドのアミノ末端のアミノ酸(R1
m (R2 )(R3)N− * CH(CH2 4 )CO−は、
L又はD配置であってもよい。R1 は低級アルキル、R
2 及びR3 は水素又は低級アルキルである。“低級アル
キル”という用語は、直鎖及び分岐鎖の1〜4の炭素原
子を有する炭化水素基を意味する。R1、R2 及びR3
に適する低級アルキル基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル及びsec-ブ
チルが挙げられ、メチルが好ましい。
【0022】mは0または1であり、0が好ましい。m
が0である場合には、アミノ残基はR2 及びR3 は水素
である一級アミンでもよいく。アミノ残基は一、二又は
三の二級アミン、三級アミン又は四級アンモニウム塩
(mは1)であってもよく、それぞれ、1〜4の炭素原
子を有する低級アルキル基、好ましくはメチル又はエチ
ルで置換されている。アミノ残基はまた、一つのプロパ
ルギル基で置換されて、N−プロパルギル、N−メチル
−N−プロパルギル、N,N−ジメチル−N−プロパル
ギル置換アミノ残基又は3以下のアリル基で置換されて
いてもよい。好ましくは、アミノ末端アミノ酸はN−置
換されており、好ましい置換基は1〜3のメチル基であ
る。
【0023】R4 はフェニルまたは置換フェニル( フェ
ニル基は一つまたは複数の、ハロゲン、ヒドロキシ、お
よび低級アルコキシからなる群から選択される置換基で
あってもよい) である。好ましい置換または無置換アリ
ール基はフェニル、p-フルオロフェニル、p-クロロフェ
ニル、p-ブロモフェニル、p-ヨードフェニル、p-ヒドロ
キシフェニル、およびp-メトキシフェニルが挙げられ
る。高い胃腸蠕動活性を有する化合物として、好ましい
アミノ末端アミノ酸はL−フェニルアラニンおよびD−
フェニルアラニンである。好ましい(R1 m (R2
(R3)N−* CH(CH2 4 )CO−基は、CH3
HCH(CH2 6 5 )CO−、(CH 3)2 N−CH
(CH2 6 5 )CO−および(CH3)3 + CH
(CH2 65 )CO−からなる群から選択されても
よい。
【0024】10位、基A ポリペプチドの10位の基Aは、塩基性アミノ酸であっ
ても酸性アミノ酸であってもよい。基Aがアミノ基側鎖
を有する塩基性アミノ酸である場合には、基Dの酸性ア
ミノ酸のカルボキシル基側鎖とアミド結合を形成するこ
とにより結合することができ、ラクタムを形成する。ま
たは、ポリペプチドの10位の基Aカルボキシル基塩側
鎖を有する産生アミノ酸である場合には、基Dの塩基性
アミノ酸のアミノ基側鎖とアミド結合を形成することに
より結合することができ、ラクタムを形成する。塩基性
アミノ酸は、例えば、L−リジン、L−オルニチン及び
L−2,4 −ジアミノ酪酸からなる群から選択されてもよ
い。酸性アミノ酸の例としては、L−グルタミン酸及び
L−アスパラギン酸からなる群から選択されてもよい。
好ましい基Aのアミノ酸はL−グルタミン酸及びL−ア
スパラギン酸である。AがL−グルタミン酸又はL−ア
スパラギン酸である場合には、基DはL−リジン、L−
オルニチン又はL−2,4 −ジアミノ酪酸である。AがL
−リジン、L−オルニチン又はL−2,4 −ジアミノ酪酸
である場合には、DはL−グルタミン酸又はL−アスパ
ラギン酸である。
【0025】11位、基B ポリペプチドの11位の基BはL−アラニン又はL−グ
ルタミンであるアミノ酸である。化合物が高いモチリン
受容体アゴニスト活性を有するためには、基Bのアミノ
酸はL−アラニンであることが好ましい。 12位、基C ポリペプチドの12位の基CはL−アルギニン又はD−
アルギニンであるアミノ酸である。好ましい基Cアミノ
酸はL−アルギニンである。 13位、Leu モチリン様ポリペプチドがより高い化学安定性を有する
には、13位のメチオニンの代わりにロイシン残基を有
する。
【0026】14位、基D ポリペプチドの14位の基Dは、塩基性アミノ酸であっ
ても酸性アミノ酸であってもよい。基Dがアミノ基側鎖
を有する塩基性アミノ酸である場合には、基Aの酸性ア
ミノ酸のカルボキシル基側鎖とアミド結合を形成するこ
とにより結合することができ、ラクタムを形成する。又
はポリペプチドの14位の基Dがカルボキシル基側鎖を
有する酸性アミノ酸である場合には、基Aの塩基性アミ
ノ酸のアミノ基側鎖とアミド結合を形成することにより
結合することができ、ラクタムを形成する。塩基性アミ
ノ酸は、例えば、L−リジン、L−オルニチン及びL−
2,4 −ジアミノ酪酸からなる群から選択されてもよい。
酸性アミノ酸の例としては、L−グルタミン酸及びL−
アスパラギン酸からなる群から選択されてもよい。好ま
しい基Dのアミノ酸はL−リジン及びL−オルニチンで
あり、L−リジンが好ましい。
【0027】基E ポリペプチドの基Eは、基D及び基R5 との間の直接結
合であるか、又はL−リジン或いはD−リジンである。
好ましい基Eアミノ酸はL−リジンである。 基R5 ポリペプチドの基R5 は、−OH又は−NH2 である。
好ましいR5 は−NH 2 である。“ハロゲン”という用
語は4種類のハロゲン原子を含み、塩素が好ましい。好
ましい態様において、本発明の化合物は以下の式及びこ
れらの薬学的に許容される付加塩からなる群から選択さ
れる。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】各ケースにおいてアミノ酸は特に述べない
限りL−配置を表す。より好ましい態様において本発明
の化合物は以下の式及びこれらの薬学的に許容される付
加塩からなる群から選択される。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】最も好ましい態様において、本発明の化合
物は以下の式及びこれらの薬学的に許容される付加塩か
らなる群から選択される。
【0034】
【化12】
【0035】本発明の化合物は、この分野において公知
の様々な方法(例えば固相ペプチド合成又は伝統的な液
相合成)により製造することができる。好ましくは、ペ
プチドはメリフィールド(J. Am. Chem. Soc. 85, 2149
-2154 (1963))による固相法にて合成される。合成はペ
プチドをレジン支持体(典型的にはポリスチレンベー
ス、ポリハイプベース、ポリスチレン−ポリエチレング
リコールグラフト共重合体、又はポリアクリルアミド/
キーゼルゲル組成レジン)上に構築することにより行わ
れる。伸長するペプチド鎖は、固体支持体に、ヒドロキ
シメチルフェノキシアセトキシ(HMPA)、ヒドロキ
シメチルフェニルアセトアミドメチル(PAM)、又は
4−メチルベンズヒドリルアミノ(MBHA)のような
適する分子連結鎖により固体支持体につながれる。ペプ
チド鎖は次にフッ化水素、トリフルオロ酢酸(TF
A)、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)等
を使用した酸分解により連結鎖から開裂され、レジン支
持体から除去される。
【0036】本発明の胃腸運動刺激ポリペプチドを固相
法又は液相法のどちらの合成法で合成するとしても、直
鎖ペプチド前駆体を構築するための基本的な合成アプロ
ーチ法は、適切に保護したアミノ酸又はペプチドフラグ
メントのカルボキシル基部分を他の適切に保護したアミ
ノ酸又はペプチドフラグメントのアミノ基と反応させる
ことによりアミノ酸サブユニットを結合し、新しいアミ
ド結合を形成する工程を含む。結合反応を効果的に行う
ために、カルボキシル基部分を活性化しなければならな
い。活性化は、DCC、DIC、EDAC、BOP、H
BTU、PyBOP、PyBrOP、又はHATUのよ
うな通常の結合反応に使用する試薬を使用して行われ
る。PyBrOPの場合を除いて、HOBt又はHOA
tの等量を活性化したアミノ酸成分のラセミ化を防ぐた
めに加えてもよい。相当するアミノ酸のカルボキシレー
ト塩の活性化に必要な場合には、NMM、DIEA又は
TEAのような塩基を使用してもよい。
【0037】又は、本発明のペプチドをアミノ酸成分の
活性エステルの反応により合成することもできる。その
ような活性エステルとしては、例えば、ペンタクロロフ
ェニルエステル、Pfpエステル、p−ニトロフェニル
エステル、Dhbtエステル等が挙げられる。本発明の
ペプチドの合成において、アミノ酸成分の他の反応性官
能基を適する保護基で保護しておかなければならない。
一般に、α−アミノ保護基の種類によってどのタイプの
側鎖保護基を使用しなければならないかが決定される。
例えば、α−アミノ基がそのBoc誘導体で保護されて
いる場合には、側鎖の保護は、通常ベンジルアルコール
のエステル、エーテル、ウレタン、又はカーボネート誘
導体を用いて行われる。シクロヘキサノールのエステル
及びエーテル誘導体もまた用いることができる。反対
に、α−アミノ基がFmoc誘導体で保護されている場
合には、側鎖官能基は一般にt−ブタノールのエステ
ル、エーテル、又はウレタン誘導体で保護される。又
は、Boc又はFmocのどちらかを使用するアプロー
チの場合には、側鎖官能基をアリルアルコールのエステ
ル又はウレタン誘導体で保護してもよい。当然、特に本
発明のペプチドを液相法により合成する場合には、他の
保護基の組み合わせを使用してもよい。
【0038】α−アミノ保護基であるFmocの除去は
塩基(典型的にはピペラジン又はジエチルアミン)によ
り容易に行うことができる。側鎖保護基は、適当なカル
ボニウムイオン捕集剤の存在下、TFA処理により行う
ことができ、同時にこの処理はまた、ペプチドのC末端
とレジン連結鎖との間の結合を開裂する。Boc 保護基
は通常希TFA処理により除去される。しかし、TFA
開裂後、α−アミノ基はTFA塩として存在する。伸長
したペプチド鎖のα−アミノ基を次のアミノ酸誘導体に
対して活性にするためには、レジン結合ペプチドをTE
A又はDIEAのような塩基で中和する。適当な捕集剤
を含む、フッ化水素酸又はTFMSAのような強酸を次
に使用し、アミノ酸側鎖の脱保護及びペプチドのレジン
支持体からの開裂を行う。Fmoc又はBocのどちら
の方法においても、アリルオキシカルボニル又はアリル
エステル官能基の選択的脱保護は、モルホリン、ジメド
ン、又はトリ−n−ブチルチンハイドライドのような適
当な求核剤存在下、Pd0処理により簡単に行うことが
できる[Loffet and Zhang, Int. J. Peptide Protein R
es. 42, 346-351 (1993)] 。
【0039】固体支持体における側鎖と側鎖の環化は、
環化する残基側鎖の保護基を選択的に除去することがで
きる直行法を使用することが必要である。Asp及びG
lu側鎖の9−フルオレニルメチル(OFm)保護基及
びLys、Orn及びDab側鎖の9−フルオレニルメ
トキシカルボニル(Fmoc)をこの目的で使用するこ
とができる。これらの場合、Boc保護ペプチド−レジ
ンの側鎖保護基(OFm及びFmoc)はDMF中ピペ
リジンにより選択的に除去される。または、アリル及び
アリルオキシカルボニル(Alloc)保護基は、As
p/Glu及びLys/Orn/Dabの側鎖にそれぞ
れ使用することができる。これらの場合、Boc−また
はFmoc−保護ペプチド−レジンの側鎖保護基(アリ
ル及びAlloc)は、トリ−n−ブチルチンヒドリド
またはジメドンのような適当な求核剤存在下にPd0
より選択的に除去される。
【0040】環化は、DCC、DCC/HOBt、BO
P、PyBOP、BOP−ClまたはDPPAを含む様
々な活性化剤を使用して固体支持体上で行うことができ
る。環化は、環化される残基が伸長するペプチド鎖内に
取り込まれさえすれば、合成のどの工程で行われてもよ
い。本発明のペプチドの場合、環化は、完全長の直線状
前駆ペプチドを合成したのち、選択的に行われる。次
に、脱保護及び固体支持体からのペプチドの切断は、上
記に述べた酸分解条件下に行われる。
【0041】本発明は、アミノ末端部分(R1 )m(R
2 )(R3 )N−を有するペプチドの合成法を提供す
る。m=1であり、及びR2 及びR3 が低級アルキルで
ある場合、上記方法は、任意に適当な結合鎖をを介して
不溶支持体に結合した、適当に保護したペプチドのN−
末端アミノ基(NR2 3 −(AA)n−)と、式R1
Hal(式中、R1 は上記に述べたように定義され、H
alはハロゲン原子を意味する)で表される化合物との
反応工程を含む。反応は、炭酸ナトリウムまたは炭酸カ
リウムのような適当な酸結合剤の存在下、DMFまたは
NMPのような適する溶媒中で行われる。上記方法は、
より詳細に、Benoiton-Chen, Proced. 14th Europ. Pep
t. Symp., (1976), P.149 に記載されており、この内容
を全てここに引用する。アルキルハライドにより酸結合
剤存在下に行われる、そのようなN−末端アミノ基のア
ルキル化は、環状ペプチド主鎖形成の前または後に行わ
れてもよい。本発明のペプチドの場合には、アルキル化
は側鎖と側鎖の環化の後に選択的に行われる。
【0042】本発明の化合物は、遊離塩基の形態で有効
ではあるが、安定性、結晶化の容易性、溶解性の上昇等
の目的において、薬学的に許容される酸付加塩の形態に
形成し、投与してもよい。これらの酸付加塩は、塩酸、
硫酸、スルホン酸、酒石酸、フマル酸、臭化水素酸、グ
リコール酸、くえん酸、マレイン酸、リン酸、琥珀酸、
酢酸、硝酸、安息香酸、アスコルビン酸、p−トルエン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸等のような適する
無機酸または有機酸から従来の方法により形成される。
好ましくは、酸付加塩は塩酸、酢酸、または琥珀酸から
調製される。本発明の化合物は薬学的組成物を与える薬
学的に許容される担体と混合することができる。遊離塩
基の本発明の化合物に適する担体としては、プロピレン
グリコール−アルコール−水、等張水、注射用無菌水
(USP)、emulPhorTM−アルコール−水、クレマホ
ール−EL TMまたは他の当業者に公知の適する担体
が挙げられる。
【0043】本発明の化合物の酸付加塩に適する担体と
しては、等張水、注射用無菌水(USP)をそれぞれ単
独で使用するか、他のエタノール、プロピレングリコー
ルのような溶剤または他の当業者に公知の従来の溶剤と
の組み合わせが挙げられる。好ましい担体は、本発明の
化合物の等張水溶液である。本発明の化合物は、哺乳類
(例えば、動物またはヒト)に対し、目的の胃腸運動刺
激活性を与えるのに十分な量において投与することがで
きる。化合物の活性及び目的の治療効果の程度は異なる
ため、使用する化合物の投与量レベルもまた異なる。実
際の投与量はまた、患者の体重及び個々の患者の過敏性
などの一般的に認められる因子により決定される。従っ
て、各患者(ヒト)への単位投与量は体重1kgあたり
約0.1μgというような低量から変化させることがで
き、臨床医は目的の効果に合わせてもよい。好ましい最
低投与量は1μg/kg(体重)である。
【0044】本発明の化合物は、既に述べた担体中の無
菌溶液または懸濁液という剤形で、認められる非経口経
路により投与することができる。これらの調製剤は少な
くとも約0.1重量%の本発明を含有しなければならない
が、量は、約0.1〜50重量%の間で変化してもよい。
本発明の化合物は静脈注射で投与されることが好まし
く、使用される投与量は、体重70kgあたり、一般に
約0.1μg〜約500mgの範囲内であり、好ましくは
約1μg〜約50mgの間である。この投与量を一日1
〜4回投与してもよい。無菌溶液または懸濁液は次の補
助剤を含んでいてもよい:無菌希釈剤(例えば、注射用
水、食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グ
リセリン、プロピレングリコールまたは他の合成用溶
剤);抗細菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメ
チルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸ま
たは亜硫酸水素ナトリウム);キレート化剤(例えば、
エチレンジアミン四酢酸(EDTA);バッファー(例
えば、酢酸、くえん酸またはリン酸バッファー);及び
等張化剤(例えば、食塩またはデキストロース)。非経
口調製剤は、アンプル、使い捨てシリンジまたはガラス
製或いはプラスチック製の複数投与バイアル内に包含さ
れていてもよい。この明細書において、様々な文献が引
用されれいる。これらの文献の内容は、より完全に本発
明を述べるために全てここに引用される。以下、実施例
等を記載して本発明を具体的に記載するが、実施例は本
発明の例示のためであって、本発明の組成物及び化合物
の製造を限定するためのものではない。
【0045】
【実施例】
実施例1 シクロ10,14 〔Asp10,Leu13,Lys14〕モチリ
ン−(1−14)−ペプチドアミド(ブタ)ビストリフ
ルオロ酢酸塩 1gのMBHAレジン(1%架橋ジビニルベンゼン−ス
チレン:200−400メッシュサイズ;置換:0.27
meq/g)上に、ミリゲンモデル9600ペプチド合
成機を使用して固相合成法によりポリペプチドの合成を
行った。全ての残渣をt−Bocアミノ酸及びDICを
合成試薬に用いて結合した。側鎖保護基は以下のものを
用いた:Arg(Tos)、Asp(OFm)、Glu
(OBzl)、Lys(Fmoc)、Thr(Bz
l)、Tyr(2−Br−Z)。Glnの結合は、脱水
素化を抑制するため1.2等量のHOBtを使用した。ア
ミノ酸残基Phe1 、Val2 、Pro3 、Ile4
Phe5 及びLys14は二重に結合した(double coupl
ed)(それぞれ2時間)。残りのアミノ酸残基は単独で結
合した(single coupled)(それぞれ2時間)。それぞ
れの結合において6.67モル過剰のアミノ酸を使用し
た。Boc−Phe1 の結合後、Asp10及びLys14
の側鎖OFm及びFmoc保護基は、レジンを20%ピ
ペリジン/DMF溶液50mlを2分間作用させること
により、それぞれ除去を行った。レジンをDMFで洗浄
した(3×25ml)。さらに50mlの20%ピペリ
ジン/DMF溶液を加え、レジンを15分間混合した。
再び、レジンをDMFで洗浄した(3×25ml)。レ
ジン結合ペプチドのピペリジニウム塩を、20%トリエ
チルアミン/DMF溶液で15分間処理を行い、トリエ
チルアンモニウム塩に変換した。レジンをDMFで洗浄
した(3×25ml)。ニンヒドリン試験は、遊離アミ
ンを検出した。
【0046】Lys14のアミノ基とAsp10のカルボキ
シル基の側鎖と側鎖の環化は、レジンを20mlのNM
Pに懸濁し、720mg(6等量)のBOP及び250
ml(6等量)のトリエチルアミンを添加することによ
り行われた。混合物を10時間攪拌した。試薬を除去
し、レジンをDMFで洗浄した(3×25ml)。レジ
ン−結合ペプチドを再び720mg(6等量)のBOP
及び250ml(6等量)のトリエチルアミン(2×1
0時間)で処理を行った。レジンをDMF(3×25m
l)及びDCM(3×25ml)で洗浄した。ニンヒド
リン試験は、遊離アミンを検出しなかった。レジンを真
空下、一晩乾燥した。ペプチドをレジンから液体HF:
アニソール(10:1)を用いて、−10℃〜0℃にて
1時間処理を行って切断した。HFの真空除去後、ペプ
チドを15%酢酸水溶液中に抽出し、凍結乾燥を行い、
400mg(87%)の薄黄色の粉体を得た。
【0047】得られた粗ペプチドの精製を、三本のC−
18カラム(250×20mm、15μ、Vydac)を連続
使用して分取HPLC(Waters Delta-Prep 3000) によ
り行った。溶媒系は、0.1 %TFA:アセトニトリルを
30分グラジエント(20〜60%アセトニトリル)を
使用し、20ml/分の流速で230nmのUV検出に
より行った。各フラクションの純度を分析HPLCによ
り評価した(0.1%TFAをバッファーとして使用し、
30分で0〜100%のアセトニトリルグラジエント溶
媒系を使用、UV検出:214nm、保持時間=16.3
分)。純粋なフラクションを混合し、凍結乾燥を行っ
て、86mg(16%)の目的のペプチドを、羊毛状の
(flocculent) 白色粉体として得た。 AAA:Asn/Asp 0.88 (1) 、Thr 0.88 (1)
、Gln/Glu 2.02(2) 、Pro 1.01 (1) 、Gl
y 1.01 (1) 、Val 0.90 (1) 、Ile 0.93(1) 、
Leu 1.00 (1) 、Tyr 0.97 (1) 、Phe 1.94
(2) 、Lys 0.89(1) 、Arg 1.01 (1) 。FAB−
MS:(M+H)+ 計算値:1693.91 実測値:1694.60
【0048】実施例2 シクロ10,14 〔N−メチル−Phe1 ,Glu10,Al
11,Leu13,Lys14〕モチリン−(1−14)−
ペプチドアミド(ブタ)ビストリフルオロ酢酸塩 1gのMBHAレジン(1%架橋ジビニルベンゼン−ス
チレン:200−400メッシュサイズ;置換:0.27
meq/g)上に、ミリゲンモデル9600ペプチド合
成機を使用して固相合成法によりポリペプチドの合成を
行った。全ての残渣をt−Bocアミノ酸及びDICを
合成試薬に用いて結合した。側鎖保護基は以下のものを
用いた:Arg(Tos)、Glu10(OFm)、Gl
9 (OBzl)、Lys(Fmoc)、Thr(Bz
l)、Tyr(2−Br−Z)。Glnの結合は、脱水
素化を抑制するため1.2等量のHOBtを使用した。ア
ミノ酸残基N−Me−Phe1 、Val2 、Pro3
Ile4 、Phe5 及びLys14は二重に結合した(do
uble coupled)(それぞれ2時間)。残りのアミノ酸残基
は単独で結合した(single coupled)(それぞれ2時
間)。それぞれの結合において6.67モル過剰のアミノ
酸を使用した。Boc−N−Me−Pheを4等量のB
OP、4等量のDIEA、及び4等量のHOBtを用い
て結合を行った。
【0049】Boc−N−Me−Phe1 の結合後、G
lu10及びLys14の側鎖OFm及びFmoc保護基
は、レジンを20%ピペリジン/DMF溶液50mlを
用いて2分間処理することにより、それぞれ除去を行っ
た。レジンをDMFで洗浄した(3×25ml)。さら
に50mlの20%ピペリジン/DMF溶液を加え、レ
ジンを15分間混合し、再び、レジンをDMFで洗浄し
た(3×25ml)。レジン結合ペプチドのピペリジニ
ウム塩を、20%トリエチルアミン/DMF溶液で15
分間処理を行い、トリエチルアンモニウム塩に変換し
た。レジンをDMFで洗浄した(3×25ml)。ニン
ヒドリン試験は、遊離アミンを検出した。Lys14のア
ミノ基とGlu10のカルボキシル基の側鎖と側鎖の環化
は、レジンを20mlのNMPに懸濁し、720mg
(6等量)のBOP及び250ml(6等量)のトリエ
チルアミンを添加することにより行われた。混合物を1
0時間攪拌した。試薬を除去し、レジンをDMFで洗浄
した(3×25ml)。レジン−結合ペプチドを再び7
20mg(6等量)のBOP及び250ml(6等量)
のトリエチルアミン(2×10時間)で処理を行った。
レジンをDMF(3×25ml)及びDCM(3×25
ml)で洗浄した。ニンヒドリン試験は、遊離アミンを
検出しなかった。レジンを真空下、一晩乾燥した。ペプ
チドをレジンから液体HF:アニソール(10:1)を
用いて、−10℃〜0℃にて1時間処理を行って切断し
た。HFの真空除去後、ペプチドを15%酢酸水溶液中
に抽出し、凍結乾燥を行い、200mg(45%)の薄
黄色の粉体を得た。
【0050】得られた粗ペプチドの精製を、三本のC−
18カラム(250×20mm、15μ、Vydac)を連続
使用して分取HPLC(Waters Delta-Prep 3000) によ
り行った。溶媒系は、0.1 %TFA:アセトニトリルを
30分グラジエント(20〜60%アセトニトリル)を
使用し、20ml/分の流速で230nmのUV検出に
より行った。各フラクションの純度を分析HPLCによ
り評価した(0.1%TFAをバッファーとして使用し、
30分で0〜100%のアセトニトリルグラジエント溶
媒系を使用、UV検出:214nm、保持時間=18.2
分)。純粋なフラクションを混合し、凍結乾燥を行っ
て、40mg(10%)の目的のペプチドを、羊毛状の
(flocculent) 白色粉体として得た。 AAA:Thr 1.00 (1) 、Gln/Glu 1.10 (1)
、Pro 1.10 (1) 、Gly 1.10 (1) 、Ala 1.10
(1) 、Val 0.87 (1) 、Ile 1.00 (1) 、Leu
2.20 (2) 、Tyr 1.10 (1) 、Phe 1.10 (1) 、L
ys 2.20 (2) 。FAB−MS:(M+H)+ 計算値:1
621.0 実測値:1621.0
【0051】実施例3 シクロ10,14 〔N,N,N−トリメチル−Phe1 ,G
lu10,Ala11,Leu13,Lys14〕モチリン−
(1−14)−ペプチドアミド(ブタ)ビストリフルオ
ロ酢酸塩 1gのMBHAレジン(1%架橋ジビニルベンゼン−ス
チレン:200−400メッシュサイズ;置換:0.27
meq/g)上に、ミリゲンモデル9600ペプチド合
成機を使用して固相合成法によりポリペプチドの合成を
行った。全ての残渣をt−Bocアミノ酸及びDICを
合成試薬に用いて結合した。側鎖保護基は以下のものを
用いた:Arg(Tos)、Glu10(OFm)、Gl
9 (OBzl)、Lys(Fmoc)、Thr(Bz
l)、Tyr(2−Br−Z)。Glnの結合は、脱水
素化を抑制するため1.2等量のHOBtを使用した。ア
ミノ酸残基Phe1 、Val2 、Pro3 、Ile4
Phe5 及びLys14は二重に結合した(double coupl
ed)(それぞれ2時間)。残りのアミノ酸残基は単独で結
合した(single coupled)(それぞれ2時間)。それぞ
れの結合において6.67モル過剰のアミノ酸を使用し
た。
【0052】Boc−Phe1 の結合後、Glu10及び
Lys14の側鎖OFm及びFmoc保護基は、レジンを
20%ピペリジン/DMF溶液50mlを用いて2分間
処理することにより、それぞれ除去を行った。レジンを
DMFで洗浄した(3×25ml)。さらに50mlの
20%ピペリジン/DMF溶液を加え、レジンを15分
間混合し、再び、レジンをDMFで洗浄した(3×25
ml)。レジン結合ペプチドのピペリジニウム塩を、2
0%トリエチルアミン/DMF溶液で15分間処理を行
い、トリエチルアンモニウム塩に変換した。レジンをD
MFで洗浄した(3×25ml)。ニンヒドリン試験
は、遊離アミンを検出した。Lys14のアミノ基とGl
10のカルボキシル基の側鎖と側鎖の環化は、レジンを
20mlのNMPに懸濁し、720mg(6等量)のB
OP及び250ml(6等量)のトリエチルアミンを添
加することにより行われた。混合物を10時間攪拌し
た。試薬を除去し、レジンをDMFで洗浄した(3×2
5ml)。レジン−結合ペプチドを再び720mg(6
等量)のBOP及び250ml(6等量)のトリエチル
アミン(2×10時間)で処理を行った。レジンをDM
F(3×25ml)及びDCM(3×25ml)で洗浄
した。ニンヒドリン試験は、遊離アミンを検出しなかっ
た。Phe1 のt−BOC基を50mlの50%TFA
/DCM溶液(アニソール(5%)を捕集剤として含
む)を用いてレジンを処理することにより除去した(1
×2分及び1×15分)。
【0053】レジンをDCM(2×50ml)、20%
DIEA/DCM(2×50ml)、20%DIEA/
DMF(1×50ml)、及び最後にDMF(3×50
ml)で洗浄した。レジンを20mlのDMFに懸濁し
た。この懸濁液に、5mlのヨウ化メチル及び0.5gの
炭酸ナトリウムを加え、混合物を20時間攪拌した。レ
ジンを濾過し、DMF(5×50ml)及びDCM(5
×50ml)で洗浄し、一晩真空乾燥を行った。レジン
を真空下、一晩乾燥した。ペプチドをレジンから液体H
F:アニソール(10:1)を用いて、−10℃〜0℃
にて1時間処理を行って切断した。ペプチドを15%酢
酸水溶液中に抽出し、凍結乾燥を行い、400mg(8
7%)の薄黄色の粉体を得た。得られた粗ペプチドの精
製を、三本のC−18カラム(250×20mm、15
μ、Vydac)を連続使用して分取HPLC(Waters Delta
-Prep 3000) により行った。溶媒系は、0.1 %TFA:
アセトニトリルを30分グラジエント(20〜60%ア
セトニトリル)を使用し、20ml/分の流速で230
nmのUV検出により行った。各フラクションの純度を
分析HPLCにより評価した(0.1%TFAをバッファ
ーAとして使用し、30分で0〜100%のアセトニト
リルグラジエント溶媒系を使用、UV検出:214n
m、保持時間=17.6分)。純粋なフラクションを混合
し、凍結乾燥を行って、56mg(12%)の目的のペ
プチドを、羊毛状の(flocculent) 白色粉体として得
た。 AAA:Thr 0.96 (1) 、Gln/Glu 2.10 (2)
、Pro 1.03 (1) 、Gly 1.08 (1) 、Val 0.11
(1) 、Ile 1.00 (1) 、Leu 2.15 (2) 、Tyr
1.03 (1) 、Phe 1.06 (1) 、Lys 2.06 (2) 。F
AB−MS:(M+H)+ 計算値:1706.0 実測値:1705.
8
【0054】実施例4 2%ブタ腎臓ホモジネート中におけるインビトロ安定性
試験 ほとんどの小さい直線状ポリペプチドと同様に、モチリ
ンは腎臓の刷子縁(brush border) によって代謝される
と考えられる。従って、腎臓ホモジネートは本発明のペ
プチドの比インビボ生物安定性を評価するモデルシステ
ムとして選択された。研究に使用した全てのペプチドは
ブタ腎臓内で25℃でインキュベートを行った(Pel Free
ze, Inc., Rogers, Arkansas)(2%w/v;最終体積=
4ml;バッファー=HEPES pH7.0)。初期基
質濃度及び初期標品(Fmoc−Gly)濃度は、両方
共0.5mg/mlであった。適するインキュベーション
時間及びサンプリング間隔を決定するために、各ペプチ
ドにつき、それぞれ2回実験を行った。第1回めの実験
は、ペプチドの安定性をみるためにラフに行った。全て
のサンプリングは2回行った。試料体積は180μlで
あった。
【0055】試料の洗浄を、20μlの100%TCA
(最終体積=200μl;最終TCA濃度=10%)を
用いて行った。試料の平衡を確実にするために5〜10
秒間混合し、沈殿したタンパクを遠心分離を行った。自
動注入装置、5μ Vydac C-18 分析カラム及び214n
mにセットしたWaters 481 UV 検出器を有するWatersHP
LC システムを使用して分析を行った。注入体積は80
μl であった。初期溶媒条件は、Milli−Q水中の
20%アセトニトリル/80%(0.1%)TFA溶液で
あり、35分グラジエントを行い、1ml/分の速度で
63%アセトニトリル/37%(0.1%)TFAとなる
ように行った。ポリペプチド基質及び代謝ピークの、内
標準に対する比率をとり、二つの試料の比率の平均を取
った。ペプチド基質の平均比率をパーセントで表し、時
間に対してプロットした。第一次速度をデータ処理に用
いた。基質の消失する割合をEnzfitter program(Biosof
t)を用いて計算した。比半減期を次の関係式から決定し
た。 t1/2 = 0.693/k
【0056】実施例5 モチリン受容体結合親和性の評価 本発明のペプチドのモチリン受容体結合親和性を、Borm
ans, Peeters and Vantrappen, Regul. Pept., 15, 143
-153 (1986) に記載の一般的方法を用いて評価した。ウ
サギの平滑筋膜腔(rabbit antral smooth muscle memb
rane) に結合した[125I−Tyr7,Nle13] モチリン
(ブタ)を置換するペプチドの能力を、10-11 〜10
-4Mの濃度で二回(各回二度行った)試験することによ
り評価した。ラベルの50%を置換する濃度(IC50
は、ラベルされたモチリン及び非ラベルされたモチリン
が結合する単一クラスのモチリン受容体が同等の親和性
を有し、非協同性であるという仮定を行って、置換を表
す式にデータを挿入することにより得た。挿入は、SA
S−ソフトウェアの反復最小二乗法を用いて行った(SA
S Institute, Inc., Cary, NC, USA) 。一連の比較実験
から、モチリン自身の脱離(dissociation) 定数は、0.
75nM(pKd=9.12)であると計算され、この値
は全ての計算に使用された。50%のラベル置換を起こ
す濃度は、その負対数を用いて表される(pIC50)。
【0057】実施例6 ウサギ十二指腸平滑筋条片組織浴アッセイ ウサギの十二指腸断片の収縮性応答を、Depoortere et
al., J. Gastrointestinal Motility, 1, 150-159 (198
9)の方法に従って、組織浴中で等張的に測定した。実験
のプロトコールは、1時間の平衡時間;10-4Mのアセ
チルコリンのチャレンジ、その後の洗浄期間;(最後
に)10-7Mのモチリンを添加した化合物の累積投与量
−応答曲線;及び最後に10-4Mのアセチルコリン、か
らなる。もし、10-4Mのアセチルコリンに対する最終
応答が最初の応答より5%より大きく異なった場合に
は、その結果は破棄した。化合物は、10-11 〜10-4
Mの間の濃度で試験を行った。モチリンに対する最大の
応答の50%に相当する点(E max ) を、データ点を
式:E=Emax (1+EC50/〔L〕)に挿入して決定
した。弱い活性の化合物に対しては、10-7Mモチリン
に対する90%の応答をE max として使用した。50%
の応答を与える投与量は負対数(pEC50)を用いて表
される。
【0058】実施例7 イヌ胃腸管における収縮活性 雌雄両方の雑種犬を、ペントバルビタールナトリウム塩
65mg/kgを静脈投与を行い麻酔を行った。腹部の
正中線の切開を行った。十二指腸断片を置き、断片への
末端動脈を確認し、適当な大きさの最も至近の動脈の脂
肪及び筋膜を拭って清浄にした。適する直径の針に角度
をつけ、チップを清浄にした動脈内に挿入した。針を動
脈内に血管の痙攣が収まるまで約30秒間保持し、次
に、カテーテルを動脈内に挿入し、000 絹縫合糸で縫合
した。細いポリエチレンカテーテル(10−15cm)
を、一方の端部に挿入されている針と共に、もう一方の
端部の位置で切断した。針の端を、三つ口ストップコッ
クに固定し、カテーテルを10mMのグルコースを含有
するヘパリン化したクレブスリンゲル重曹液で満たし
た。大量のクレブス液(空気を含まない)を動脈カテー
テル内に注入し、断片内のブランチング(blanching) の
分配を記録した。もし、面積が過度に広い場合には、そ
の部分への循環が保持される限り、動脈の側副枝は結紮
されていた。循環筋肉収縮がベックマンR611ディノグラ
フ(Beckman R611 dynograph)で記録できるように曲げ
た、バス(Bass) 型のストレインゲージを漿膜に縫合し
た。銀ワイヤー電極をストレインゲージの両方のサイド
上の漿膜下に挿入し、刺激単体ユニットを通じてグラス
S88 電気刺激装置に接続した。電場刺激を、40V、0.
5 ms及び5ppsという条件で行い、ペン記録計の振
幅を収縮応答が得られるようにセットした。
【0059】全ての注入するペプチドはクレブス液に溶
解し、連続希釈を行って、どの濃度においても注入され
る最大体積が1mlとなるように調製した。ストックの
クレブス液を除く全ての溶液を、実験の日中氷上に保持
し、その日の終わりには廃棄した。投与量−応答曲線を
得るために、約1mlのヘパリン化したクレブス液を最
初にサイトに注入してフラッシュ(flush)コントロール
を得た。ペプチドアゴニスト(1mlのクレブス液でフ
ラッシュした体積1mlのもの)を、最大の振幅が得ら
れるまで指数的に増加させて注入した。注入サイトは次
に0.1%BSAを含むクレブス液でフラッシュし、動脈
内に残る全てのペプチドを置換した。モチリン受容体に
作用するペプチドに対しては、これらはタキフィラキシ
ーを誘導するので最大投与量を越えて注入しないように
注意が必要であった。従って、応答が明らかになるため
に、0.3 または0.5 log単位の増加が使用された。投
与量−応答を決定するために使用されたサイトは、1/
2〜1時間毎であった。各サイトにおける電場刺激に対
する更正応答振幅を測定し、該サイトに対し100%と
した。各投与量におけるアゴニストに対する応答振幅を
測定し、更正応答の%として計算し、濃度に対してプロ
ットした。応答のED50は、50%の更正応答を得るの
に必要なアゴニストの量を表している。このことは、応
答及び活性の効力並びに投与量が明確に区別できるもの
ではないことを反映している。
【0060】
【表1】 表1 結合及び収縮実験におけるモチリン受容体アゴニストの活性 化合物 pIC50 pEC50 [Leu13]pMOT(1-22) 9.18 8.13 [Leu13]pMOT(1-14) 8.36 7.55 シクロ 10,14[Glu10,Leu13,Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 8.69 7.33 シクロ 10,14[Asp10,Leu13,Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 8.82 7.77 シクロ 10,14[Lys10,Leu13,Asp14]pMOT(1-14)アミト゛ 8.83 7.37 シクロ 10,14[Glu10,Leu13,Orn14]pMOT(1-14)アミト゛ 8.59 7.63 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.96 7.69 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 D-Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 9.18 7.89 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Ala11,Leu13,Lys14 Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 9.20 7.96 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 D-Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.91 7.89 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Lys13 Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.76 7.81 シクロ 10,14[N-Me-D-Phe1,Glu10,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 8.26 6.87 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 8.61 7.38 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Ala11,D-Arg12, Leu13,Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.99 7.68
【0061】
【表2】 表1(続き) 結合及び収縮実験におけるモチリン受容体アゴニストの活性 化合物 pIC50 pEC50 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 8.65 6.98 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 9.24 7.95 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.75 7.72 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.54 7.72 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Ala11,D-Arg12,Leu13 Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.81 7.34 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Ala11,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 8.87 7.76 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 9.04 8.73 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 7.94 7.89 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12, Leu13,Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 7.90 7.02
【0062】
【表3】 表2 2%ブタ腎臓ホモジネート中のモチリン受容体アゴニストの半減期 化合物 T1/2 (分) [Leu13]pMOT(1-22) 30.2 [Leu13]pMOT(1-14) 7.5 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Ala11,Leu13,Lys14 Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 21 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 D-Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 437 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Leu13 Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 16 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ >200 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Ala11,D-Arg12, Leu13,Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 39 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 103 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 31 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14, Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 413 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 85
【0063】
【表4】 表2(続き) 2%ブタ腎臓ホモジネート中のモチリン受容体アゴニストの半減期 化合物 T1/2 (分) シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Ala11,D-Arg12,Leu13 Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 49 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Ala11,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 267 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 35
【0064】
【表5】 表3 イヌ胃腸管内におけるモチリン受容体アゴニストの活性 化合物 ED50 * [Leu13]pMOT(1-22) 0.04 [Leu13]pMOT(1-14) 1.54 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.04 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14 D-Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.04 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Ala11,Leu13 Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.002 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14, D-Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.42 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12, Leu13,Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 1.00 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 0.36 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Ala11,D-Arg12,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.03 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13,Lys14] pMOT(1-14)アミト゛ 0.15 シクロ 10,14[Me-N-Phe1,Asp10,Ala11,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 0.01 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Asp10,Ala11,Leu13 Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.30
【0065】
【表6】 表3(続き) イヌ胃腸管内におけるモチリン受容体アゴニストの活性 化合物 ED50 * シクロ 10,14[Me3N + Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.40 シクロ 10,14[Me3N+ Phe1,Glu10,Ala11,Leu13, Lys14,Lys15]pMOT(1-15)アミト゛ 0.34 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Glu10,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 0.04 シクロ 10,14[N-Me-Phe1,Asp10,Ala11,D-Arg12,Leu13, Lys14]pMOT(1-14)アミト゛ 3.00 * ED50はナノモルで表されている。
【0066】多数の本発明の実施例が記載されている
が、本発明の観点から逸脱せずに本発明を使用する他の
実施態様を与えるように基本的な部分を変更することが
可能であることは明らかである。そのような全ての変更
及び改変は、実施例により示された特別な実施態様より
も特許請求の範囲に記載される本発明の観点の中に含ま
れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク ジェイ メイシーラグ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08876ブランチバーグ セニカ トレイル 8 (72)発明者 ユン キム ディーテルバック アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08812ダネリン リンカーン ストリート 612 (72)発明者 ジェームズ フローランス アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07834デンヴィル シダー レイク ウェ スト 100

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性異性体を含む、以下の式(1) で
    表される胃腸運動刺激活性を示す環状ポリペプチドまた
    はその薬学的に許容される酸付加塩。 【化1】 式中、基A及び基Dは結合して環状構造を形成し、R1
    は低級アルキルを表し、R2 は水素または低級アルキル
    を表し、R3 は水素または低級アルキルを表し、R4
    フェニルまたは置換フェニルを表し(フェニル基はハロ
    ゲン、ヒドロキシ及び低級アルコキシからなる群から選
    択される一つまたはそれ以上の置換基で置換されていて
    もよい)、R5 はOHまたはNH2 を表し、Aは、L−
    グルタミン酸、L−アスパラギン酸、L−リジン、L−
    オルニチン、及びL−2,4 −ジアミノ酪酸からなる群か
    ら選択され、BはL−アラニン又はL−グルタミンであ
    り、CはL−アルギニン又はD−アルギニンであり、D
    はL−リジン、L−オルニチン、L−2,4 −ジアミノ酪
    酸、L−グルタミン酸及びL−アスパラギン酸からなる
    群から選択され、Eは基D及び基R5 間の直接結合であ
    るか、又はL−リジン或いはD−リジンであり、mは0
    又は1であり、記号*は不斉炭素原子を表し、D又はL
    配置であってもよい。(ただし、(a) AがL−グルタミ
    ン酸又はL−アスパラギン酸である場合には、DはL−
    リジン、L−オルニチン又はL−2,4 −ジアミノ酪酸で
    あり、または (b)AがL−リジン、L−オルニチン又は
    L−2,4 −ジアミノ酪酸である場合には、DはL−グル
    タミン酸又はL−アスパラギン酸である。)
  2. 【請求項2】 光学活性異性体を含む、以下の式 (1)で
    表される環状ポリペプチドまたはその薬学的に許容され
    る酸付加塩を、哺乳類に治療上有効な量を投与すること
    を含む、哺乳類の胃腸運動刺激の基礎レベルが低下した
    症状を治療する方法。 【化2】 式中、基A及び基Dは結合して環状構造を形成し、R1
    は低級アルキルを表し、R2 は水素または低級アルキル
    を表し、R3 は水素または低級アルキルを表し、R4
    フェニルまたは置換フェニルを表し(フェニル基はハロ
    ゲン、ヒドロキシ及び低級アルコキシからなる群から選
    択される一つまたはそれ以上の置換基で置換されていて
    もよい)、R5 はOHまたはNH2 を表し、Aは、L−
    グルタミン酸、L−アスパラギン酸、L−リジン、L−
    オルニチン、及びL−2,4 −ジアミノ酪酸からなる群か
    ら選択され、BはL−アラニン又はL−グルタミンであ
    り、CはL−アルギニン又はD−アルギニンであり、D
    はL−リジン、L−オルニチン、L−2,4 −ジアミノ酪
    酸、L−グルタミン酸及びL−アスパラギン酸からなる
    群から選択され、Eは基D及び基R5 間の直接結合であ
    るか、又はL−リジン或いはD−リジンであり、mは0
    又は1であり、記号*は不斉炭素原子を表し、D又はL
    配置であってもよい。(ただし、(a) AがL−グルタミ
    ン酸又はL−アスパラギン酸である場合には、DはL−
    リジン、L−オルニチン又はL−2,4 −ジアミノ酪酸で
    あり、または (b)AがL−リジン、L−オルニチン又は
    L−2,4 −ジアミノ酪酸である場合には、DはL−グル
    タミン酸又はL−アスパラギン酸である。)
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