【発明の詳細な説明】
改良された環状CRF拮抗剤
本発明は、一般的には、ペプチド及びそのペプチドを用いて哺乳動物を薬剤治
療する方法に関する。更に詳細には、本発明は、CRFヘンテトラコンタペプチド
の環状拮抗剤及びCRF様ペプチドの大ファミリーの一員、その環状CRF拮抗剤を含
む医薬組成物、その環状CRF拮抗剤を用いて哺乳動物を治療する方法並びにその
ペプチドを用いて新規な薬剤をスクリーニングする方法に関する。
発明の背景
視床下部が腺下垂体の副腎皮質細胞の分泌機能の調節に重要な役割を果たすと
いう概念は、実験及び臨床所見から支持されてきた。40年以上前に、視床下部
に存在する因子が、試験管内でインキュベートされたか又は有機培養内で維持さ
れた場合の下垂体によりACTHの分泌速度を高めることが証明された。しかしなが
ら、1981年にヒツジCRF(oCRF)が確認されるまで生理的コルチコトロピン放出因
子(CRF)は確認されなかった。米国特許第4,415,558号に開示されるように、oCRF
は41残基アミド化ペプチドであることがわかった。oCRFは、哺乳動物において末
梢に注入された場合に血圧を低下させ、ACTH及びβ−エンドルフィンの分泌を促
進させる。
後に、ラットCRF(rCRF)が単離、精製及び確認され、米国特許第4,489,163号に
記載された相同アミド化ヘンテトラコンタペプチドであることがわかった。そこ
で、ヒトCRFのアミノ酸配列がrCRFと同じであることが決定された。rCRFとhCRF
は、同じ意味に用いられ、呼称r/hCRFはそのペプチドホルモンに関してよく用い
られている。それらのペプチドホルモンは、哺乳動物と魚類のCRF、ウロテンシ
ン及びソーバジンを含む未変性CRF様ペプチドの大ファミリーの一部及び類縁体
をなすと考えられ、Valeら,“Characterization of the Hypothalamic Peptide
:Corticotropin Releasing Factor”,自然活性及び生物活性に関する内藤国際
シンポジウムの議事録,日本,東京,1985年11月5-7日及びLederisら,“Neuroh
ormones from Fish Tails,II:Actions of Urotensin I in Mammals
and Fishes”,Recent Progress in Hormone Research,Vol.41,Academic Pre
ss,Inc.(1985)に論じられている。
はじめはその視床下部下垂体−副腎(HPA)軸における役割に基づいて単離及び
確認されたが、CRFはパラ分泌調節物質又は神経伝達物質として作用することが
できる、中枢神経系及び副腎、胎盤及び睾丸のような神経外組織全体に広く分布
されていることがわかった。更に、不安、うつ病、アルコール依存症及び神経性
食欲不振症のような情動障害並びに生殖及び免疫応答をモジュレートすることと
CRFとの関係は、CRF発現の変化が重要な生理学的及び病理生理学的結果になるこ
とを示している。例えば、HPA軸を含む調節ループにおける摂動は永続的に高レ
ベルの循環グルココルチコイドをしばしば生じ、そのような患者は中心性肥満、
筋力低下及び生殖能力低下を含むクッシング症候群の肉体的性質を呈する。
視床下部−下垂体−副腎の活性化を仲介することでの役割のほかに、CRFはス
トレス応答中に生じるものがある自律神経と行動の変化をモジュレートすること
がわかった。それらの行動の変化の多くは、デキサメタゾン治療によって再現さ
れずかつ下垂体切除に感受性がないという点でHPA活性化から独立して起こるこ
とがわかった。更に、CRFをCNSへ直接注入すると種々のストレス要因に対する自
律神経と行動の応答がよく似ている。CRF又はCRF拮抗剤の末梢投与がそれらの変
化に影響しないものがあることから、CRFは食欲減退、覚醒及び学習能力の亢進
を含む機能に対して直接脳に作用すると考えられる。しかしながら、末梢に投与
されたCRF拮抗剤は、ACTH分泌のストレス仲介亢進を減じ、脳室に送達された場
合には自律神経活性及び行動のストレス誘発変化を軽減する。
CRFの広範囲の解剖学的分布及び多数の生物学的作用の結果として、その調節
ペプチドは多数の生物学的過程の調節に関係があると思われる。CRFは、また、
炎症応答の調節にも関係があった。ある動物モデルにおいてCRFは前炎症の役割
を果たすことが認められたが、ほかのものでは血管透過性の損傷誘導亢進を低下
させることにより炎症を抑えることがわかる。
αヘリックス形成ポテンシャルの高いCRF類縁体は、1984年のはじめごろに開
発された。それは、一般的にはAHC(αヘリックスCRF)と呼ばれる41残基アミド化
ペプチドであり、米国特許第4,594,329号に記載されており、いまではCRF様
ペプチドの全ファミリーの一員であると考えられている。米国特許第5,278,146
号に示されるようなα−アミノ酸のD-異性体を含む他のCRF類縁体も開発された
。合成r/hCRF及びAHCは、全てACTH及びβ−エンドルフィン様活性(β−END-Li
)を試験管内及び生体内で促進し、末梢に注入された場合に血圧をかなり低下さ
せる。それらの3種類のペプチド並びにソーバジン及びウロテンシンの拮抗剤は
、1986年8月12日に発行された米国第4,605,642号に開示されている。生物作用
能を示す環状CRF拮抗剤も以前に開発され、米国特許第5,245,009号(1993年9月
14日)に開示されている。上記の発見以来、CRF拮抗剤改良のための探索が続け
られている。
発明の要約
そこで、既知のCRF拮抗剤に比べて生物活性が長時間持続しかつ増大したCRF拮
抗剤ペプチドが発見され、その多くは実質的にCRFアゴニスト活性が残らない。
更に、中性水溶液、例えば、生理的pHにおける溶解度が高く、レセプター親和
性が高い。
CRF様ペプチドのファミリーの一員のいずれもが既知のCRFレセプターを著しく
活性化させずにそれに強く結合してレセプターでのCRFの作用を遮断する極めて
生物作用能のあるCRF拮抗剤をつくるために修飾されることが示される。その修
飾としては、未変性及び他の分子をN末端で短くして長さが30〜33残基にするこ
と、例えば、r/hCRF(12-41)及び環化結合、好ましくはラクタムを組込みC末端
残基から8番目と11番目の残基の位置にある残基の側鎖を結合すること、例えば
、(シクロ30-33)[Glu30,Lys33]r/hCRF(12-41)が含まれる。後者の環化修飾は、
匹敵する線状ペプチドの生物作用能を予想外にかなり大幅に向上させ、これは一
般的にC末端残基から9番目の残基として、即ち、CRFの32位に存在するものに
無関係に言えることであるのでかかる残基については幅がある。しかしながら、
D-異性体α−アミノ酸がその位置によく許容されることがわかり、その残基とし
てD-異性体、好ましくは塩基性及び/又は芳香族アミノ酸のD-異性体の任意の組
込み、例えば、(シクロ30-33)[Glu30,D-His32,Lys33]-r/hCRF(12-41)がその類
縁体の生物作用能を更に改善させることがよくある。CRF様ペプチドのファミリ
ーは、CRFレセプターに結合しかつヒツジCRF、単離及び確認された最初
の哺乳動物CRFと少なくとも約45%アミノ酸構造相同であるペプチドを包含する
と考えられる。CRF様ファミリーとしては、次の既知のペプチド:ヒツジCRF、ラ
ット/ヒトCRF、ブタCRF、ウシCRF、魚類CRF、αヘリックスCRF(AHC)、コイウロ
テンシン、サッカーウロテンシン、シタビラメウロテンシン、カレイウロテンシ
ン及びソーバジンが挙げられるがこれらに限定されない。
かかるCRF拮抗剤ペプチドは、次の一般式:
(AはCRF様ファミリーの使用ペプチドの対応する部分の18〜21アミノ酸残基の配
列であり、Xaacは環化結合で結合される側鎖を有するアミノ酸残基である)で同
定される。Xaaは、α−アミノ酸、好ましくはCys以外の天然α−アミノ酸残基と
することができ、更に好ましくは、CRF様ファミリーのその使用ペプチドの配列
のその位置を通常占めるAlaのようなものであるがD-異性体、例えば、D-Alaとす
ることもできる。D-XaaはD-異性体α−アミノ酸が好ましく、芳香族及び/又は
塩基性であるがCys以外のα−アミノ酸のD-異性体、又はL-異性体であってもよ
い、例えば、Asn又はD-Asn。Bは、CRF様ファミリーのその使用ペプチドのC末端
部分の最後の8アミノ酸残基の配列である。従って、かかるペプチドは、CRF様
ファミリーペプチドのC末端30残基配列の修飾転換物であり、N末端で1、2又
は3残基だけ伸長されることがわかる。この10年間にわたって開発されたことの
結果としてCRF拮抗剤の分野で現在周知であるような置換もその修飾環状ペプチ
ドにおいて行われ、例えば、Met又はLeuのNleによる置換が好ましく行われるが
、それらの残基は相互に等価物であると考えられる。好ましくは、D-Phe或いはD
-Leuは、Phe或いはLeuが天然ペプチドに存在する拮抗剤ペプチドのN末端に又は
その近傍に存在しなければならない。
上に示されたように、それらのペプチドは、哺乳動物CRFの30〜33位である残
基間に環化結合を有し、20〜23位の残基間に第2のそのような結合があってもよ
い。それらの結合のいずれか一方又は双方は2つのCys残基間のジスルフィド結
合とすることができるが、各々が側鎖のカルボキシル基とアミノ基間のアミド結
合(又はラクタム架橋)であることが好ましい。最も好ましくは、30位の残基の
側鎖カルボキシル基、好ましくはGluと33位の残基の側鎖アミノ基、好ましくはL
ys又はOrn間のラクタム架橋がある。また、CRF様ファミリーの天然に存在す
る残基、即ち、His,Gly,Leu,Gln及びAlaはCRFの32位に相当するその位置に存
在することができるが、ここにはα−アミノ酸が許容される。しかしながら、そ
のラクタム架橋によって結合された残基間の領域内の32位に塩基性及び/又は芳
香族D-異性体残基又は等価物があることが好ましい、例えば、D-His、D-Arg、D-
Tyr、imBzlD-His、D-Nal、D-Pal、D-Dpr(Nic)、D-Dpr(イソプロピル)、D-Aph、D
-Amp、D-Har、D-Agl(Nic)、D-Lys(イソプロピル)、D-Orn、D-Dbu、D-Dpr、D-Hly
、D-Hly(Nic)、D-Orn(Nic)、D-Orn(イソプロピル)、D-(アルキル)Arg、D-(ジア
ルキル)Arg、D-Lys(Nic)、D-(ジアルキル)Har又は匹敵するD-異性体。しかしな
がら、D-Ala、D-Glu、D-Asn、Aib、Asn、Pal、Nal、Phe及びTyrのような他の種
々の残基も存在させることができる。第2環化結合の選択が組込まれる場合、20
位のGluと23位のLys間のラクタム架橋が最も好ましい。D-異性体は、22位に含ま
れてもよい。
これらのペプチドは、また、12位にD-Phe、D-Tyr又はD-Leu又は等価D-異性体
、例えばD-Cpa、D-2Nal又はD-3Palの好ましい任意の置換があり、例えば、21及
び38位に天然に存在するMetを置換したノルロイシンがある。ペプチドを標識す
ることが所望される場合にはD-Tyr12が好ましく、D-Tyrが125Iで標識される場合
には一般的には更に安定な構造等価物であると考えられるのでHis32又はD-His32
をAsn,D-Asn又はD-Alaに、Lys36をArgに置換することが好ましい。
他の任意の置換も、以前に教示されたように分子全体に行われ、後に記載される
特定のペプチドの機能上の等価物であると考えられる。例えば、27位のLeu残基
はα炭素原子上のメチル基、即ち、CMLで置換され、CML27が好ましい。CRF分子
全体、例えば14位、15位、19位及び37位の他のLeu残基はCMLで置換されてもよく
、CML17を存在させることもできる。単独及び前述の置換と組合わせたかかる置
換は、共に生物作用能を増強し及び/又は作用の持続期間を延ばすと考えられる
が、個々の効果は30〜33側鎖架橋或いはかかる架橋と32位の適切なD-異性体との
組合わせよりはるかに小さいと思われる。
前に示されたように、これらの改良されたCRF拮抗剤は、未変性CRF様ペプチド
又はその類縁体のN末端を短くしかつ所望の置換を組込むことによりつくられる
。好ましくは、未変性分子のN末端から始まる8〜11残基の配列が削除される。
例えば、哺乳動物CRFが短縮される場合、得られた分子はそれに応じてCRF(9-41)
、CRF(10-41)、CRF(11-41)又はCRF(12-41)と呼ばれ、CRF(11-41)及びCRF(12-41)
類縁体が好ましい。
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容しうる液体又は固体担体に分散されるか
かるCRF拮抗剤又はその非毒性付加塩が含まれる。かかる製剤は、生理的pHにお
ける溶解度が高いことから便利である。本発明によれば、かかるペプチド又はそ
の薬学的に許容しうる付加塩の哺乳動物、特にヒトへの投与は、プロオピオメラ
ノコルチン(POMC)遺伝子のACTH、β−エンドルフィン、β−リポトロピン、コル
チコステロン及び他の産物の分泌の調節及び/又は気分、行動及び胃腸作用及び
自律神経系活性に働きかけるために行われる。例えば、それらのCRF拮抗剤は、
高ACTHレベルを低下させてストレス誘発うつ病及び不安のようなストレス関連病
を治療するために、静脈内に注射される場合に血圧を上げるために、胃腸管への
血流を減じるために、即ち、特に腹部の腸症候群及び胃腸病に罹っている患者を
治療するために、及び炎症疾患;免疫抑制;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症;
アルツハイマー病;神経性食欲不振症;出血性ストレス;薬剤及びアルコール離
脱症状群;薬物依存、及び不妊症を治療するために投与される。
本ペプチドは、また、CRFレセプターに対する親和性が高いことからCRFレセプ
ターに結合及び/又はそれを活性化する更に強力な分子を薬剤スクリーニングす
る有効な方法の基準となる。
好適実施態様の詳細な説明
ペプチドを定義するために用いられる命名法は、Schroder & Lubke,“The Pe
ptides”,Academic Press(1965)に明記されており、慣用的表記によればアミノ
基は左に、カルボキシル基は右にある。標準の3文字略号は、α−アミノ酸残基
を確認するために用いられ、アミノ酸残基は異性体形をとり、特にことわらない
かぎりアミノ酸のL形である。例えば、Ser=L-セリン、Orn=L-オルニチン、Nle=
L-ノルロイシン、Nva=L-ノルバリン、Agl=アミノグリシン、Abu=L-2-アミノ酪酸
、Dbu=L-2,4-ジアミノ酪酸、Dpr=L-2,3-ジアミノプロピオン酸、Hly=L-ホモリシ
ン及びHar=L-ホモアルギニン。更に、次の略号が用いられる。
CML=CαCH3-L-ロイシン;Aib=-10CaCH3-L-アラニン又は2-アミノイソ酪酸;
Nal=L-β-(1-又は2-ナフチル)アラニン;Pal=L-β-(2-,3-又は4-ピリジル)アラニ
ン;Cpa=L−(2-、3-、又は4-クロロ)フェニルアラニン;Aph=L-(2-、3-、又は4-
アミノ)フェニルアラニン;Amp=(2-、3-、又は4-アミノメチル)フェニルアラ
ニン;imBzlHis=イミダゾールベンジルヒスチジン;及びNic=3-カルボキシピリジ
ン(又はニコチン酸)。
一般的には、本CRF拮抗剤は12位(ペプチドが伸長されなければN末端である
)にD-異性体が含まれ、好ましくは32位にD-異性体が含まれ、次のアミノ酸配列
を有するか又はその非毒性等価塩である。
(YはH又は炭素原子12個まで、好ましくは炭素原子1〜7個を有するアシル化剤
、例えばAc、For、Acr又はBzであり;R13はHis、Tyr又はGluであり;R14はCML又は
Leuであり;R15はLeu又はCMLであり;R17isGlu、CML、Asn又はLysであり;R18iはVa
l、Nle又はMetであり;R19はLeu、CML、Ile、Ala又はAibであり;R20はGlu、D-Glu
、Cys又はHisであり;R22はAla、D-Ala、Aib、Thr、D-Thr、Glu又はD-Gluであり;
R23はArg、Cys、Orn又はLysであり;R24はAla又はAlbであり;R25はGlu又はAspで
あり;R26はGln、Asn又はLysであり;R27はLeu又はCMLであり;R28はAla又はAlbで
あり;R29はGln、Aib又はGluであり;R30はGlu又はCysであり;R31はAla又はAibで
あり;R32はHis、D-His、又はCys以外のα−アミノ酸のD-又はL-異性体であり;R3 3
はLys、Orn又はCysであり;R34はAsn又はAibであり;R36はLys、Orn、Arg、Har又
はLeuであり;R37はCML、Leu又はTyrであり;R39はGlu、Aib又はAspであり;R40はI
le、Aib、Thr、Asn、Glu、Ala、Val、Leu、Nle、Phe、Nva、Gly又はGlnであり;R41
はAla、Ile、Gly、Val、Leu、Nle、Phe、Nva又はGlnであり;Thrのような単一
アミノ酸、Leu-Thrのようなジペプチド、Asp-Leu-ThrのようなトリペプチドはN
末端に含まれてもよく;D-Phe12はD-Leu、D-Tyr、D-Cpa、D-Nal又はD-Palのよう
な他のD-アミノ酸、又はPhe又はTyrで置換することができる;但し、R30がGluで
ある場合、R33はLys又はOrnであり、R30
がCysである場合、R33はCysであり;第2環化結合はR20とR23間に存在することが
できる。)N末端のかかる任意のアシル化の代わりとして、スルホンアミドが形
成されるか、又は糖質又は脂質が作用の持続期間及び溶解度をモデュレートする
ために付加される。前に示されたように、32位における残基の選定に幅があり、
R32に適切な追加の残基の例としてはAsn、Har、Arg、Nal、imBzlHis、Tyr、Ala
、Leu、Val、Ser、Thr、Cpa、Pal、Lys、Phe及びGlnのD-及びL-異性体、並びにA
ib、Gly、D-Dpr(Nic)、D-Dpr(イソプロピル)、D-Aph、D-Amp、D-Lys(Nic)、D-Ag
l(Nic)、D-Hys(イソプロピル)、D-Orn、D-Dbu、D-Dpr、D-Hly、D-Hly(Nic)、D-O
rn(Nic)、D-Orn(イソプロピル)、D-(アルキル)Arg、D-(ジアルキル)Arg又はD-(
ジアルキル)Harが挙げられる。第2環化結合が存在する場合には、両結合がCys-
Cysであることは好ましくない。
好ましいCRF拮抗剤の他の群は、次のアミノ酸配列(その非毒性塩を含む)を
有する。
(YはAc又は水素であり;R12はD-Phe又はD-Tyrであり;R13はHis、Tyr又はGluであ
り;R14はLeu又はCMLであり;R15はLeu又はCMLであり;R17はGlu又はCMLであり;R18
はVal、Nle又はMetであり;R19はLeu又はCMLであり;R20はHis、Cys又はGluであり
;R22はAla、D-Ala、Aib、Thr、Asp又はGluであり;R23はArg、Cys、Orn又はLysで
あり;R24はAla又はAibであり;R25はAsp又はGluであり;R26はGln、Asn又はLysで
あり;R27はLeu又はCMLであり;R28はAla又はAibであり;R29はGln、Aib又はGluで
あり;R30はGlu又はCysであり;R31はAla又はAibであり;R32はHis、D-His、Aib、D
-Arg、D-2Nal、D-3Pal、imBzlD-His、Gly、Tyr、D-Tyr、Leu、D-Leu、Ala又はD-
Alaであり;R33はLys、Orn又はCysであり;R34はAsn又はAibであり;R36はLys、Orn
、Arg、Har又はLeuであり;R37はCML、Leu又はTyrであり;R39はGlu、Alb又はAsp
であり;R40はIle、Aib、Thr、Glu、Asn又はGlnであり;R41はAla、Ile、Val又はP
heであり;Thr、Leu-Thr又はAsp-Leu-ThrはN末端に含まれてもよい;但し、
R30がGluである場合、R33はLys又はOrnであり、R30がCysである場合、R33はCys
であり;第2環化結合はR20とR23間に存在させることができる。)好ましいCRF拮
抗剤の別の群は、次のアミノ酸配列(その非毒性塩を含む)を有する。
(YはAc又はHであり;R12はD-Phe又はD-Tyrであり;R18はVal又はNleであり;R19は
CML、Leu、Ile、Ala又はAibであり;R20はGlu、D-Glu、Cys又はHisであり;R21はN
le又はMetであり;R22はAla、D-Ala、Aib又はThrであり;R23はArg、Cys、Orn又は
Lysであり;R24はAla又はAibであり;R25はAsp又はGluであり;R27はLeu又はCMLで
あり;R28はAla又はAibであり;R30はGlu又はCysであり;R31はAla又はAibであり;R32
はD-His、imBzlD-His、D-Arg、D-2Nal、又は他の塩基性及び/及び芳香族α−
アミノ酸のD-異性体であり;R33はLys、Orn又はCysであり;R34はAlb又はAsnであ
り;R39はGlu又はAspであり;R41はAla又はIleであり;Thr、Leu-Thr又はAsp-Leu-T
hrはN末端に含まれてもよい;但し、第2環化結合はR20とR23間に存在すること
ができる。)ペプチドがr/hCRFに極めて似ていることが所望される場合、次の選
定の全部又は大部分が組込まれる。R18はValであり、R22はAlaであり、R23はArg
であり、R24はAlaであり、R25はGluであり、R28はAlaであり、R39はGluであり、
R41はIleである。
更に好ましい拮抗剤の群は、r/hCRF及びoCRFの配列によるものであり、この10
年にわたって行われた合成のために、ヒツジCRFに対応する位置の残基のいずれ
もが生物作用能を著しく変えずにr/hCRFのアミノ酸配列に置換されることが同様
に示された。その群は、次のアミノ酸配列(その非毒性塩を含む)を有する。
(YはAc、H、Ac-Thr又はH-Thrであり;R18はVal又はNleであり;R20はGlu、D-Glu
、Cys又はHisであり;R22はAla、D-Ala又はThrであり;R23はArg、Cys、Orn又はLy
sであり;R25はAsp又
はGluであり;R29はGln又はGluであり;R30はGlu又はCysであり;R32はHis、D-His
、D-Arg、imBzlD-His、D-Nal、D-Glu、D-Ala、D-Pal、D-Dpr(Nic)、D-Dpr(イソ
プロピル)、D-Aph、D-Amp、D-Har、D-Agl(Nic)、D-Lys(イソプロピル)、D-Orn、
D-Dbu、D-Dpr、D-Hly、D-Hly(Nic)、D-Lys(Nic)、D-Orn(Nic)、D-Orn(イソプ
ロピル)、D-(アルキル)Arg、D-(ジアルキル)Arg又はD-(ジアルキル)Harであり;R33
はLys、Cys又はOrnであり;R34はAsn又はAibであり;R36はLys又はLeuであり;R3 9
はGlu又はAspであり;R40はIle又はGluであり;R41はIle又はAlaであり;Leu又はA
sp-LeuはN末端でThrに結合されてもよい;但し,R30がCysである場合、R33はCys
であり;R30がGluである場合にはR33はOrn又はLysであり;N末端のD-PheをD-Tyr
又はD-Leu又はPheに置換することができ、第2環化結合はR20とR23間に存在する
ことができる。)
特に好ましいCRF拮抗剤の群は、次のアミノ酸配列(その非毒性塩を含む)を
有する。
(YはAc、H、Ac-Thr又はH-Thrであり;R12はD-Phe又はD-Tyrであり;R23はArg又は
Lysであり;R30はCys又はGluであり;R33はCys、Lys又はOrnであり;Leu又はAsp-Le
uはN末端に含まれてもよく、His32はD-His、imBzlD-His、D-Arg、D-Tyr、D-Nal
、D-Pal、D-Asn、D-Lys、D-Dpr(Nic)、D-Dpr(イソプロピル)、D-Aph、D-Amp、D-
Har、D-Phe、D-Cpa、D-Agl(Nic)、D-Lys(イソプロピル)、D-Orn、D-Dbu、D-Dpr
、D-Hly、D-Hly(Nic)、D-Orn(Nic)、D-Orn(イソプロピル)、D-(低級アルキル)Ar
g、D-Lys(Nic)、D-(低級アルキル)Amp、D-(低級ジアルキル)Arg又はD-(低級アル
キル)Harで置換されてもよく、好ましくは置換される;但し、R30がCysである場
合、R33はCysであり、R30がGluである場合、R33はLys又はOrnであり;第2環化結
合はGlu20とR23間に存在することができる。)高ACTHレベルを低下させかつ血圧
を上げるという観点から特に生物作用能があるとみなされるその群の個々の類縁
体は、次のものである。
D-Tyr12が存在する場合、ペプチドは125Iを用いて便利に放射能標識される
。
他の特に好ましいCRF拮抗剤の群は、次のアミノ酸配列(その非毒性塩を含む
)を有する。
(YはAc、H、Ac-Thr又はH-Thrであり;R12はD-Phe又はD-Tyrであり;R14、R15、R1 9
、R27及びR37は独立してLeu又はCMLであり;R17はGlu又はCMLであり;R23はArg又
はLysであり;R30はGlu又はCysであり;R32はD-His、imBzID-His、D-Arg、D-Asn、
D-Tyr、D-Pal、D-Nal又は他の塩基性及び/又は芳香族D-異性体α−アミノ酸で
あり;R33はLys、Orn又はCysであり;Leu又はAsp-LeuはN末端でThrに結合されて
もよく、R14、R15、R17、R19、R27及びR37の少なくとも1つはCMLである;但し
、R30がCysである場合、R33はCysであり、R30がGluである場合、R33はLys又はOr
nである。)
高ACTHレベルを低下させかつ血圧を上げるという観点から特に生物作用能
があるとみなされるその群の個々の類縁体は、次のものである。
本ペプチドは、固相法のみ、部分的固相法、フラグメント縮合又は古典的溶液
添加のような適切な方法によって合成される。
種々のアミノ酸部分の不安定な側鎖基を化学反応がその位置で起こらないよう
に最後に除去されるまで防止する適切な保護基で保護することはペプチドの化学
合成に共通している。通常、アミノ酸又はフラグメント上のα−アミノ酸を、そ
の物質がカルボキシル基で反応する間保護し、引き続き、そのα−アミノ保護基
を選択的に除去して次の反応をその位置で行わせることも共通している。従って
、合成の工程として、ペプチド鎖内の所望の配列に位置したアミノ酸残基の各々
を含み、種々のそれらの残基が側鎖保護基を有する中間体化合物が生成されるこ
とは共通している。
例えば、1つの好ましい群からのペプチド類縁体の化学合成は、はじめに次の
アミノ酸配列の中間体の形成が含まれる。
X1は水素又はα−アミノ酸保護基である。X1によって企図されるα−アミノ保
護基は、ポリペプチドの段階的合成の技術において有用であることが既知である
ものである。X1によって包含されるα−アミノ保護基の種類は、(1)N末端に
のみ用いられることが好ましいアシル型保護基、例えば、ホルミル(For)、アク
リリル(Acr)、ベンゾイル(Bz)及びアセチル(Ac);(2)芳香族ウレタン型保護基
、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Z)及び置換Z、例えば、p-クロロベンンジ
ルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオ
キシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル;(3)脂肪族ウレタン保
護基、例えば、t-ブチルオキシカルボニル(BOC)、ジイソプロピルメトキシカル
ボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、アリルオキシカ
ルボニル;(4)シクロアルキルウレタン型保護基、例えば、フルオレニルメチル
オキシカルボニル(Fmoc)、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキ
シカルボニル、及びシクロヘキシルオキシカルボニル;及び(5)チオウレタン型保
護基、例えば、フェニルチオカルボニルである。BOC及びFmocが2つの好ましい
α−アミノ保護基である。
X2は、Thr及びSerのヒドロキシル基の保護基であり、アセチル(Ac)、ベンゾイ
ル(Bz)、tert-ブチル、トリフェニルメチル(トリチル)、テトラヒドロピラニ
ル、ベンジルエーテル(Bzl)及び2,6-ジクロロベンジル(DCB)からなる種類から選
ばれることが好ましい。最も好ましい保護基はBzlである。X2は水素であること
ができ、ヒドロキシル基上に保護基がないことを意味する。
X3はArg又はHarのグアニジノ基の保護基であり、ニトロ、p-トルエンスルホニ
ル(Tos)、Z、アダマンチルオキシカルボニル及びBOCからなる種類から選ばれる
ことが好ましく、又は水素である。Tosが最も好ましい。
X4は水素又はAsn又はGlnのアミド基に対する保護基、好ましくはキサンチル(
Xan)である。Asn又はGlnは、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に
側鎖保護なしで結合されることがよくある。
X5は水素又はAsp又はGluのβ−又はγ−カルボキシル基に対するエステル形成
保護基であり、シクロヘキシル(OChx)、ベンジル(OBzl)、2,6-ジクロロベンジル
、メチル、エチル及びt-ブチル(Ot-Bu)のエステルより選ばれることが好ましい
。BOC方策に対してOChxが好ましい。
X6は水素又はLys又はOrnの側鎖アミノ置換基の保護基である。適切な側鎖アミ
ノ保護基の具体例は、Z、2-クロロベンジルオキシカルボニル(2Cl-Z)、Tos、t-
アミルオキシカルボニル(Aoc)、BOC及び上に示された芳香族又は脂肪族ウレタン
型保護基である。BOC方策に対して2Cl-Zが好ましい。
Hisが存在する場合、X7は水素又はTos又は2,4-ジニトロフェニル(DNP)のよう
なイミダゾール窒素の保護基であり、Tyrが存在する場合、X7は水素又はDCBのよ
うなヒドロキシル基の保護基である。Metが存在する場合、イオウは場合によっ
ては酸素で保護される。
X8はCysのスルフヒドリル基の保護基、好ましくはp-メトシキベンジル(MeOBzl)
、p-メトキシベンジル、アセトアミドメチル、トリチル又はBzl;又は保護基X6を
同時に除去せずに除去可能なアミノ側鎖の適切な保護基、例えば、Fmocのような
塩基不安定基;又は保護基X5を同時に除去せずに除去可能なカルボキシル側鎖の
適切な不安定保護基、例えばOFm(フルオレニルメチルエステル)のような塩基不
安定基である。また、環状形がCys-Cys結合に等価であると考えられるカルバ又
はジカルバから生じるといった場合には、30位と33位の残基間、又は20位と23位
の残基間の直接結合とすることができる。
側鎖アミノ保護基の選定は、合成中のα−アミノ基の脱保護で除去されないも
のでなければならない以外は重要ではない。従って、α−アミノ保護基と側鎖ア
ミノ保護基は同じであるはずはない。
X9はNH2、エステルのような保護基又は固体樹脂支持体、好ましくは次のアミ
ノ酸配列によって示されるもの:-NH-ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂支持体及び
-NH-パラメチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂支持体に結合する固相合成に用
いられる固定結合である。BHA又はMBHA樹脂からの切断は、CRF類縁体アミドを直
接与える。かかる樹脂のメチル誘導体を用いることによりメチル置換アミドがつ
くられ、等価物であると考えられる。
中間体のアミノ酸配列において、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7及びX8の少なく
とも1種は保護基であり、X9は樹脂支持体も含まれる。各R基に対して選ばれる
個々のアミノ酸は、上で示され当該技術において一般に既知であるように結合さ
れる保護基があるかを決定する。ペプチドの合成に用いられるべき個々の側鎖を
選定するにあたり、次のルールを伴う。(a)保護基は合成の各工程でα−アミ
ノ保護基を除去するために選定される試薬及び反応条件下に安定でなければなら
ない、(b)保護基は保護特性を保持しなければならず、カップリング条件下に分
離してはならない、(c)側鎖保護基はペプチド鎖を変えない反応条件下に所望の
アミノ酸配列を含む合成の完了時に除去可能でなければならない。
N末端が修飾される場合、Yで表された炭素原子12個以下を有するアシル基が
存在することが好ましく、アセチル(Ac)、ホルミル(For)、アクリリル(Acr)及び
ベンゾイル(Bz)が好ましいアシル基である。しかしながら、Yは適切な糖質又は
脂質とすることもでき、一般的には等価物であると考えられる。
従って、1態様においては、下記の工程を含む化合物の製造方法が提供される
。(a)上で定義された少なくとも1種の保護基を有するペプチド中間体(X1、X2
、X3、X4、X5、X6、X7及びX8は各々水素又は保護基であり、X9は保護基又は樹
脂支持体又はNH2に対する固定結合である)を形成する工程、(b)特に既に形成
されなかった場合には環化結合を形成する工程、(c)前記ペプチド中間体から
保護基又は固定結合を分離する工程、(d)この時に環化結合を任意に形成する
工程、及び(e)場合によっては、得られたペプチドをその非毒性付加塩に変換す
る工程。
ペプチドは、Merrifield,J .Am.Chem.Soc.,85,p2149(1964)に記載され
るような固相合成を用いて調製されることが好ましい。即ち、CRF拮抗剤ペプチ
ドは、端的な方法で調製され、生物活性が簡便に試験される。これにより、用時
調製及びCRF拮抗剤ペプチドの評価が容易になる。固相合成は、Rivierらの1981
年1月21日に発行された米国特許第4,244,946号に一般的に示されるようにペプ
チドのC末端から保護α−アミノ酸を適切な樹脂にカップリングすることにより
始められる。ヒトCRFに基づく拮抗剤のかかる出発材料は、α−アミノ保護Ileを
MBHA樹脂に結合することにより調製される。
BOCで保護されたIleは、塩化メチレン及び/又はジメチルホルムアミド(DMF
)及び/又はN-メチルピロリドン(NMP)を用いてBHA樹脂に結合される。BOC-Ile
を樹脂支持体に結合した後に、塩化メチレン中トリフルオロ酢酸(TFA)、TFAのみ
又はジオキサン中HCIを用いるようにα−アミノ保護基が除去される。好ましく
は、塩化メチレン中50容量% TFAが0〜5重量%の1,2エタンジチオー
ルと共に用いられる。脱保護は、約0℃〜室温で行われる。個々のα−アミノ保
護基を除去するための他の標準切断試薬及び条件は、Schroder & Lubke,“The
Peptides”,Vol.1,72-75(Academic Press 1965)及び周知のバラニー−メリフ
ィールドテキストに記載されるように用いられる。
Ileのα−アミノ保護基を除去した後、残りのα−アミノ酸と側鎖保護アミノ
酸が上で定義された中間体化合物を得るために所望の順序で段階的に結合される
。合成において各アミノ酸を別個に付加する代わりとして、固相反応器に添加す
る前に相互に結合されるものもある。適切なカップリング試薬の選定は、当該技
術の範囲内である。N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及びN,N’-ジ
イソプロピルカルボジイミド(DICI)がカップリング試薬として特に適切である。
ペプチドの固相合成に有用な活性化試薬又はカップリング試薬は、ペプチド技
術において周知である。適切な活性化試薬の例は、N,N’-ジイソプロピルカルボ
ジイミド及びN-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドのよう
なカルボジイミドである。ペプチドカップリングにおける他の活性化試薬及びそ
の使用は、前記Schroder & Lubke,Chap.III及びKapoor,J .Phar.Sci.,59,p
p 1-27(1970)に記載されている。P-ニトロフェニルエステル(ONp)もカップリン
グのAsn又はGlnのカルボキシル端を活性化するために用いられる。例えば、BOC-
Asn(ONp)はDMFと塩化メチレンの50%混合液中1当量のHOBtを用いて一晩結合さ
れる。
各保護アミノ酸又はアミノ酸配列は約3倍過剰量で固相反応器に導入され、カ
ップリングはジメチルホルムアミド(DMF):CH2Cl2(1:1)の媒体又はCH2Cl2単独中
室温で行われる。また、カップリングは、NMP又はトルエン:DMSO(70:30)の混合
液中約70℃までの高温で行われる。カップリングが手で行われる場合には、合成
の各段階におけるカップリングの成功はE.Kaiserら,Anal .Biochem.34,595(
1970)に記載されるようにニンヒドリン反応でモニターされる。不完全なカップ
リングが生じる場合には、次のアミノ酸のカップリングの前のα−アミノ保護基
を除去する前にカップリング手順が繰り返される。カップリング反応は、Rivier
ら,Biopolymers, 17,pp.1927-1938,(1978)に報告されるようなプログラムを
用いてベックマン990自動シンセサイザーでのように自動的に行われる。
所望のアミノ酸配列が完了した後に、下記のように樹脂に結合されつつ環化結
合を形成することが所望されない限り中間体ペプチドが樹脂支持体から除去され
る。除去は、液体フッ化水素(HF)のような試薬で処理することにより行われ、ペ
プチドを樹脂から切断するだけでなくなお存在する場合には(最終ペプチドに存
在するように企図されるアシル基でないかぎり)残存する側鎖保護基X2、X3、X4
、X5、X6及びX7及びα−アミノ保護基X1を全て切断してペプチドを得る。切断に
フッ化水素を用いる場合、アニソール又はクレゾール及び硫化メチルエチルが捕
捉剤として反応容器に含まれる。Metが配列内にある場合、BOC保護基はトリフル
オロ酢酸(TFA)/エタンジチオールで切断された後にペプチドを樹脂から切断して
S-アルキル化を除去する。
CRFペプチド類縁体の環化工程が30位と33位の残基間に所望される結合の種
類によることは当然のことである(及び二環式分子が形成される場合には20位と
23位のものに対しても同様である)。L-Cysが30位と33位の双方に含まれる場合
、たいていは樹脂から切断し保護基の全てをペプチドから除去した後に環化工程
を行うほうが便利である。ペプチドの環状形は、好ましくはRivierら,Biopolym ers,
Vol.17,1927-38,(1978)に記載されるようにフェリシアン化物を用いて
酸化するか又は空気酸化することにより、又は他の既知の方法により得られる。
アミド環化結合(ラクタム架橋)を行うために、米国特許第5,064,939号及び
米国特許第5,043,322号に開示されるように部分的保護ペプチドが樹脂に結合さ
れたまま環化が行われる。かかる手順は、ペプチド中間体にAsp、Glu及び/又は
Lysのような他の残基が側鎖保護を保持しつつ2つの所望の側鎖間にアミド環化
結合を効果的に生成する。
30位残基の側鎖カルボキシル基と33位残基の側鎖アミノ基間のアミド結合又は
等価結合であると考えられるその逆でのアミド結合を介して環化する場合、米国
特許第5,043,322号に示されるようにMBHA又はBHA樹脂上の保護ペプチドを合成す
ると共にペプチドがなお樹脂に結合されたまま個々のカルボン酸側鎖のベンジル
エステルをヒドラジドに誘導化してから選択的に脱保護したアミノ側鎖と反応さ
せることが好ましい。好ましくは、アミド結合架橋に含まれるべき残基のカル
ボキシル側鎖の塩基不安定保護基、例えば、OFmを用い、含まれるべき他の残基
上のアミノ側鎖の保護基としてFmocを用いることにより環化が達成される。1位
残基上のα−アミノ保護基はアシル化されていてもいなくても及び他の側鎖保護
基は、全て2つの塩基不安定基がピペリジン等を用いて除去されつつ適切に保た
れる。その選択的除去の後、環化を達成する反応は、アミド結合のかなり完全な
生成を行うBOPで処理することにより行われる。2ラクタム架橋が分子に組込ま
れる場合には、30-33架橋が合成中の箇所で行われた後に23位残基を付加するこ
とが好ましく、米国特許第5,064,939号に教示されるような合成プロトコールも
用いられる。環化後、ペプチドは完全に脱保護され、HFのような試薬を用いて樹
脂から切断される。任意により、まずBOC保護基がTFAを用いてN末端から除去さ
れる。
また、かかるアミド架橋によるペプチドの環化も米国特許第4,115,554号(1978
年9月19日);同第4,133,805号(1979年1月9日);同第4,140,767号(1979年2月20
日);同第4,161,521号(1979年7月17日);同第4,191,754号(1980年3月4日);同第
4,238,481号(1980年12月9日);同第4,244,947号(1981年1月13日);及び同第4,26
1,885号(1981年4月14日)の教示を用いて行われる。
候補的ペプチドが何のCRF活性を示すかを求めるために単層培養内のラット下
垂体前葉細胞を用いて端的分析が行われる。用いられる手順はEndocrinology,9
1,562(1972)に一般的に示されるものである。該分析は、候補的ペプチドがCRF
アゴニストとしての活性を示しかかる細胞上のCRFレセプターを活性化すること
によりACTH分泌を促進するかがわかり、この方法では固有のCRF活性が高用量の
使用により測定される。候補物が攻撃用量と共に投与される場合に強力なCRF拮
抗剤特性を示すかを求めるためにも実質的に同じ分析が用いられる。
候補的CRF拮抗剤ペプチドは、また、Perrin,M.ら,Endocrinology,118,117
1-1179(1986)に記載されるように既知のCRFレセプターを用いる結合分析におい
て容易に評価される。CRFレセプター及び結合分析の詳細は、本明細書において
後述される。通常、結合分析は、ヒトCRF-RAに親和性の高い(シクロ30-33)[I1 25
-D-Tyr12,Glu30,Lys33,Nle21,38]-r/hCRF(12-41)又はD-His32を有する
その類縁体のような放射性リガンドを用いてヒトCRF-RAと行われる。例えば、最
初に命名された化合物のhCRF-RAlに対する結合のKDは2.0ナノモル(1.4-2.9)であ
り、匹敵するD-Phe12類縁体と実質的に同じである。かかる代表的な結合分析に
ついて使用するCRF-RAレセプターはChenら,P.N.A.S.,90,8967-8971(1993年1
0月)に記載されている。それらの環状ペプチドのいくつか、特に32位のD-アミ
ノ酸残基を有するものはCRF-RAのようなCRFレセプターに対してそのような高い
結合親和性を示すことから、スクリーニング分析において使用するのに特に有効
である。かかる分析は、標識環状CRF類縁体、好ましくは高親和性を有するその
ような標識環状CRF拮抗剤を用いてペプチド又は他の形の潜在的CRF様リガンをス
クリーンするために有利に用いられる。
下記の実施例Iは、固相法によるCRF拮抗剤の好ましい合成法を示すものであ
る。
実施例I
次のアミノ酸配列:を有する(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,Lys33]-r/hCRF(12-41)の
合成は、約0.43〜0.46ミリ当量/g樹脂の置換範囲を有するMBHA塩酸塩樹脂によ
り段階的方法で行われる。合成は、適切なプログラムを用いて好ましくは次のと
おりベックマン990Bペプチド自動シンセサイザーで行われる。
BOC−Ileのカップリングにより、樹脂1gあたり約0.35ミリモルの置換が得
られる。用いられる溶媒を、全て好ましくは不活性ガス、例えば、ヘリウム又は
窒素をスパージすることにより注意して脱ガスする。
脱保護及び中和した後、ペプチド鎖が樹脂上に段階的に蓄積される。通常、樹
脂1gあたり塩化メチレン中1〜2ミリモルのBOC保護アミノ酸+塩化メチレン
中1当量の2モルDCCを2時間用いる。BOC-Arg(Tos)が結合される場合、50%DMF
と塩化メチレンの混合液を用いる。BzlをSerのヒドロキシル側鎖保護基として用
いる。BOC-Asn(Xan)又はBOC-Gln(Xan)は、DMFと塩化メチレンの50%混合液中1当
量のDCC及び2当量のHOBtの存在下に結合される。ラクタム架橋の一部であるか
によって2Cl-Z又はFmocをLys側鎖の保護基として用いる。Argのグアジニノ基及
びHisのイミダゾールを保護するためにTosを用い、Gluの側鎖カルボキシル基を
環化反応に部分的に用いるかによってOChx又はOFmで保護する。合成の終わりに
、次の組成物が得られる。
残基30と33の次の環化(ラクタム化)は上で言及した方法及び次に詳細に記載
される方法で行われる。ジクロロメタン(DCM)(2×)及びジメチルホルムアミド(D
MF)(2×)で洗浄した後、Glu30及びLys33のOFmc/Fmoc基を各々DMF中20%ピペリジ
ン(1×1分及び2×10分)で除去し、引き続きDMF(2×)、CH2Cl2中Et3N(1×)、メ
タノール(MeOH)(2×)及びDCM(2×)で洗浄する。ジメチルホルムアミド(DMF)中過
剰量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下に3倍過剰量のベンゾトリア
ゾール-1-yl-オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホス
フェート(BOP)と室温で反応させることによりペプチド−樹脂を環化する。洗浄
後、環化を4時間2回以上、次に場合によっては12時間1回繰り返す。反応は
カイザーニンヒドリンテスト(E.Kaiserら,“Color test for detection of fre
e terminal amino groups in the solid-phase synthesis of peptides(ペプチ
ド固相合成における遊離末端アミノ基検出の呈色試験)”,Anal Biochem(1970
)34:595-98)で続けられ、通常、24時間以内に完了する。
Nα-BOC保護基を除去した後、完全に保護されたペプチド−樹脂を乾燥する。
約2gをアニソール(0.6ml)の存在下に無水HF(20ml)で切断する。粗ペプ
チドを沈殿し、無水ジエチルエーテル(450mlずつ3回)で洗浄し、ろ過し、
CH3CN/H20(60:40)中380ml(r回)の0.1% TFAで樹脂から抽出し、凍結乾燥
して粗生成物を得る。
凍結乾燥した粗ペプチドを、ウォーターズアソシエイト(マサチューセッツ州
ミルフォード)プレプLC 3000システム、ウォーターズアソシエイト600Eシステ
ムコントローラ、島津SPD-6A UV分光光度可変波長検出器(検出は230nmとし
た)、ウォーターズ1000プレパックモジュール、及びフィッシャー(マサチュー
セッツ州レキシントン)レコードオールシリーズ5000ストリップチャートレコー
ダー(チャート速度0.25cm/分)から構成される装置による分取用逆層HPLC(RHP
LC)で精製する。最後のペプチド精製は、TEAP pH2.25、及び0.1% TFA及び/又
はTEAP pH6.5及び0.1% TFAのバッファーを用いて2又は3工程で行われる。
粗ペプチドを、まずウォーターズポリエチレンスリーブ及びフリット及びバイ
ダックC18シリカゲル(The Separations Group,カルフォルニア州ヘスペリア;細
孔サイズ300Å,粒径15〜20μm)を用いて実験室で充填された分取用逆層HPLC
カートリッジ(5×30cm)に充填された400mlのバッファーB:トリエチルアンモ
ニウムホスフェート(TEAP)(pH2.25)(1:4v/v)に溶解する。そのペプチドをバッフ
ァーB:バッファーA中60%CH3CNを用いて30〜60%Bの勾配で溶離する。バッファー
A(トリエチルアンモニウムホスフェート(TEAP),pH2.25)及びB(A中CH3CN)を流速
95ml/分で90分間ポンプで送る。合計50〜100mlを含む画分を均一条件
(61% B、保持時間約2.84分)下にスクリーンし、化合物を含む画分を同定しプー
ルする。
第2工程では、プールした画分を160mlのH2Oで希釈し、バッファーAとして
:0.1%TFA/H2O及びBとして:CH3CN/H2O(60:40)中0.1%TFAを用いて勾配40〜70%で
90分(保持時間約67分)溶離する。合計30〜50mlを含む画分をスクリー
ンし、化合物を含む画分をプールし、凍結乾燥して最終生成物ペプチドを得る。
この方法で合成及び精製したペプチドのナトリウムD線における比旋光度をパ
ーキンエルマーモデル241旋光計で
[α]D 22=-62.4°±1.0(c=1,1%酢酸中)
(H2O及びTFAに対する補正なし)として測定する。その純度は約98%である。
純度を、更に、質量分析法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動(CZE)で確認する。
ペプチドのアミノ酸分析[110℃24時間4Nメタンスルホン酸加水分解後]は2
個のシリーズ10LCポンプ、ISS-100試料インゼクター、RTC1カラムオーブン、カ
ラトススペクトロフロー980蛍光検出器、及びLCI-100インテグレーターを含むパ
ーキンエルマーLCシステム(コネチカット州ノルウォーク)で行われる。ピアス
AA511イオン交換カラムを60℃に維持し、52℃でo-フタルアルデヒドによる
カラム後誘導化を行う。内部標準γ−アミノ酪酸を含む試料を注入し、注入5分
後に0〜100% Bの勾配に25分間、次に100% Bに15分間かける。流速は、0.5ml/
分であり、A及びBバッファーは、各々ピアスピコバッファー(pH2.20)及びベック
マンミクロカラムクエン酸ナトリウムバッファー(pH4.95)である。この分析によ
り、予想アミノ酸比が得られる。
合成を環化工程を含めずに繰り返して匹敵する線状ペプチドを生成する。
生成ペプチドの試験管内生物作用能は、次のとおり測定される。雄のスプラグ
−ダウレイラットのラット下垂体前葉をコラーゲナーゼで分離し、2%胎児ウシ
血清(FBS)を含有する培地で平板培養(48ウェルプレート中0.16×106細胞/ウェ
ル)する。平板培養の3日後に、細胞を0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有す
る新たな培地で3回洗浄し、1時間インキュベートする。1時間プレインキュベ
ートした後、細胞を1回以上洗浄し、1nMoCRFの存在下に試験ペプチドを加える
。3時間のインキュベーションの終わりに培地を集め、ACTHレベルをラジオイム
ノアッセイ(Diagnostic Products Corporation)で求める。上記の合成の環状ペ
プチド生成物の生物作用能は、本“標準”ペプチド、即ち、[D-Phe12,Nle21,38
]r/hCRF(12-41)より約33倍大きい(12-82,信頼範囲)。匹敵する線状ペプチド
を合成し、生物作用能が標準より10%小さいことがわかる(0.01-0.16)。こ
れは、試験管内効力の約300倍の差になる。
ペプチドを投与するとACTH及びβ−エンドルフィン様免疫活性(β-END-LI)の
分泌を抑制し、阻害持続期間が特に長い。これらのCRF拮抗剤を試験するために
用いられる生体内分析は、副腎摘出(ADX)ラットを用いる。成体雄のスプラグー
ダウレイラット(230-250g)の副腎をハロタン麻酔のもとでロンバーアプローチ(
lombar approach)により摘出する。食事を飲料水中0.9%NaCl及びオレンジで補
足する。実験の2日前に、C.Rivierら,Endocrinology,110,272-278(1982)に
記載されるようにラットに頸静脈カニューレを取り付ける。実験の朝に、ヘパリ
ン添加した食塩水を満たしたラインに接続し、ラットを個々にバケツに入れ、2
時間放置する。実験用に、まず0.3mlの血液試料を採取し、試験溶液を注入(0.2-
0.5ml容量で)し、次に、血液試料を約15、45、90及び120分に得る。そ
れらの血液試料を遠心分離し、分離した血漿をACTH値を分析するまで凍結する(-
20℃)。血漿ACTHレベルをC.Rivierら,J.Neuroscience,14,1985(1994)に記
載されるように測定する。
1mg/kg体重のレベルの生体内試験の結果として、15分のタイムで血清中のA
CTHレベルを低下させるのに環状CRF拮抗剤は標準CRF拮抗剤より効果的である。
注入後45分では、環状化合物は15分レベルより更にACTHレベルを下げ、標準
CRF拮抗剤の作用は自然に消滅し、レベルは対照ラットと実質的に同じである。
90分では、ACTHレベルは環状化合物で処理したラットについてはほぼその低レ
ベルで保たれ、対照ラット及び標準CRF拮抗剤で処理したものよりかなり低い。
注入後120分では、ACTHレベルはほとんど正常に戻る。0.3mg/kg体重のレベル
で試験した場合、結果は15及び45分とほとんど同じである。しかしながら、
90分では、標準CRF拮抗剤で処理したラットよりなお改善されるが、1mg/kg体
重のレベルで注入された場合に示されるほど有意ではない。
更に一連の試験を行い、ラットに標準CRF拮抗剤を3mg/kgのレベルで注射し、
2組の他のラットに環状CRF拮抗剤を0.1mg/kg及び0.03mg/kgのレベルで注射する
。結果は、15及び45分の前の2つの試験とほとんど同じであり、0.03mg/kg
注入でさえ標準CRF拮抗剤の3mg/kg注入より改善が顕著である。90分では、3
mg/kgの標準を注入したラットよりなおぎりぎりの改善がある。しかしながら、
90分経過時にほぼ試験の開始時のレベルに戻る。試験から、標準CRF拮抗剤の
量の1/100のレベルで用いられた場合でさえ、環状化合物はなお45分の時間
にわたってかなり良好であることがわかる。全体的に、これらのデータから、環
状ペプチドが従来報告されたほぼ最良である実験標準より生体内に末梢投与され
た後に10倍を超える効力があることがわかる。0.1mg/kgレベルの試験では本ペ
プチドは120分後になおかなり活性である。
実施例IA
三重のバッチを用い合成をD-Pheで終わる代わりにN末端を伸長して実施例I
の合成を繰り返す。追加の3残基、即ち、Thr,Leu及びAspを連続して加える。
各々を添加した後に、最初の樹脂量の1/3を除去する。切断後、次の3種のペ
ブチドが生成する。
各ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように測定する。結果
は次の通りである。
CRF(11-41)類縁体[α]D 22=-47.6° ± 1.0;
CRF(10-41)類縁体[α]D 22=-38.5° ± 1.0;及び
CRF(9-41)類縁体[α]D 22=-35.3 ± 1.0;
3種の結果は10%酢酸中c=1の場合であり、H2O及びTFAについての補正はない
。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動により確認された各ペプチドの純度は
、少なくとも約95%である。各ペプチドの生物作用能を前述のように試験管内
で測定し、実験用標準ペプチド、即ち、[D-Phe12,Nle21,38]r/hCRF(12-41)と比
較する。結果を下記に示す。
r/hCRF(11-41)類縁体= 標準の40.3倍(27.78-72.16);
r/hCRF(10-41)類縁体= 標準の31.6倍(13.53-65.20);及び
r/hCRF(9-41)類縁体= 標準の33.8倍(12.52-77.05)。
実施例IB
実施例I及びIAを繰り返し、各々酢酸無水物を用いてN末端をアセチル化して
次の4種のペプチドを生成する。
質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された各ペプチドの純度は、少
なくとも約95%である。上記ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前
述のように測定する。結果は次の通りである。
CRF(11-41)類縁体[α]D 20=-30.8° ± 1.0;
CRF(10-41)類縁体[α]D 20=-29.9° ± 1.0;及び
CRF(9-41)類縁体[α]D 20=-31.1 ± 1.0;
結果は全て10%酢酸中c=1の場合であり、H2O及びTFAについての補正はない。
各ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌を抑制し、CRF(11-41)類縁体
は標準の約64倍の試験管内生物作用能を示す(32.8-128.6)。CRF(10-41)類縁体
は約34倍の生物作用能を示す(12.5-77)。
実施例IC
実施例Iの合成を繰り返し、D-PheをD-Tyrに置き換えて次のペプチドを生成す
る。
ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように[α]D 22=-61.4°
±1.0(10%酢酸中c=0.5、H2O及びTFAについての補正なし)として測定する。MS
及びCZEで確認された純度は約98%である。前述のように求めたペプチドの生
物作用能は実験用標準、即ち、[D-Phe12,Nle21,38]rCRF(12-41)の約5.6倍(3.4-
9.4)である。環状ペプチドの一部は125Iで容易に標識される。
実施例II
残基33がLysの代わりにOrnである以外は上記実施例Iに記載されるように次の
アミノ酸配列:
を有する(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,Orn33]-r/hCRF(12-41)の
合成を行う。本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌が抑制される。
実施例II A
実施例IIの合成を繰り返し、D-PheをD-Tyrに置き換えてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Tyr12,Nle21,38,Glu30,Orn33]-r/hC
RF(12-41)を生成する。
本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌を抑制する。次に、本ペプ
チドの一部を125Iでヨウ化して競合薬剤スクリーニング分析に使用するリガンド
を得る。
実施例II B
実施例Iの一般合成を用いてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Tyr12,Nle21,38,Glu30,Asn32,Lys3 3
,Arg36]-r/hCRF(12
-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように[α]D 22=-47.3
°±1.0(10%酢酸中c=1、H20及びTFAについての補正なし)として測定する。質
量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98%である。本ペ
プチドは、標準ペプチド、[D-Phe12,Nle21,38]rCRF(12-41)より生物作用能が
あり、容易に125Iで標識され、薬剤スクリーニング分析に有用である。
実施例II C
実施例Iに示される一般合成を用いてアミノ酸配列:を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Tyr12,Glu13,Lys17,33,Nle21,38,G
lu30,Asn32,Arg36]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように[α]D 22=-47.0
°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)として測定する。質
量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98%である。本ペ
プチドは、標準ペプチド、[D-Phe12,Nle21,38]rCRF(12-41)より生物作用能が
大きい。本ペプチドは、容易に125Iで標識され、薬剤スクリーニング分析に有用
である。
実施例II D
実施例Iの一般合成を用いてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Tyr12,Nle21,38,Glu30,Asn32,Lys3 3
]-r/hCRF(12-41)を生成する。本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分
泌が抑制される。本ペプチドは容易に125Iで標識され、薬剤スクリーニング分析
に有用である。実施例III
アミノ酸配列:
を有するペプチド(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Cys30,33]r/hCRF(12-41
)を合成する。
前述の合成プロトコールを用いてHFで切断される完全に保護されたペプチド−
樹脂を生成する。沈殿しジエチルエーテル(480mlずつで3回)で洗浄した後
、そのペプチドを水(200ml)と5.0%Ac0H(100ml)で抽出する。得られ
た溶液を4.0リットルの脱ガスした水に注入し、NH4OHでpH6.8〜7.0に調整する。
混合液が濁るにつれて、CH3CN(300ml)を加えて沈殿を避ける。次に、混合
液を大気中4℃で攪拌し、48時間後に環化が完了する(エルマン試験)。AcOh
でpH5.0に調整し、得られた溶液をバイオレックス70カラム(120ml)に充填
する。カラムを0.5%AcOH(200ml)で洗浄し、ペプチドを50%AcOHで溶離
する。画分を集め、ニンヒドリン陽性物質を希釈し、凍結乾燥する(80mg)。
精製は、3工程で行われる。まず、本ペプチドをバッファーA(TEAP pH2.25,3
00ml)に溶解し、バッファーBとしてA中60%CH3CNを用いて勾配30〜60%Bで60分溶
離する。画分を均一条件(53%B)下にスクリーンし、化合物を含む画分をプールす
る。第2工程では、プールした画分をH20で希釈し、バッファーA:TEAP(pH6.0)及
びB:A中60%CH3CNを用いて勾配30〜55%で60分溶離する。画分を再び均一条件(53%
B)下にスクリーンし、プールした画分をH2Oで希釈し、バッファーA:0.1%TFA/H2O
及びB:CH3CN/H3O(60:40)中0.1%TFAを用いて勾配30〜60%Bで20分溶離する。生成
物を含む画分をプールし、凍結乾燥して生成ペプチドを得る。
本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌が抑制される。
実施例IV
実施例Iの合成を繰り返し、His32をD-Hisに置き換えてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:
(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D-His32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を
生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 22=-47.0°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準ペプチド、[D-P
he12,Nle21,38]rCRF(12-41)の約80.3倍(41.58-173.2)である。以後これをペプ
チドIVと呼び、生体内試験により本ペプチドが120分間活性のままであること
がわかる。
実施例IVA
実施例Iの合成を繰り返し、D-PheをD-Tyrに置き換えHis32をD-Hisに置き換え
てアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:
(シクロ30-33)[D-Tyr12,Nle21,38,Glu30,D-His32,Lys33]−r/hCRF(12-41)を
生成する。
実施例Iに記載された試験管内試験により、本ペプチドがACTH及びβ-END-LI
の分泌を抑制することがわかる。
次に、本ペプチドの一部を125Iでヨウ化して競合薬剤スクリーニング分析に有
用なリガンドを得る。CRFレセプターに対する結合親和性が高いことがわかる。
実施例IVB
N末端をアセチル化する以外は実施例IVの合成を繰り返してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[Ac-D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D-His32
,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-30.1°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。本ペプチドの生物作用能をペプチドIVと平行される分析で前述のよう
に求め、ペプチドIVの生物作用能の約1.24倍(0.41-3.34)を示す。
生体内試験により、ペプチドIVよりACTHの抑制が大きいことがわかる。
実施例IVC
Thrを付加することによりN末端を延長する以外は実施例IVの合成を繰り返
してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D-His32,Ly
s33]-r/hCRF(11-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-39.1℃±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98%
である。本ペプチドは、標準、即ち、[D-Phe12,Nle21,38]rCRF(12-41)より生物
作用能が大きい。
実施例IVD
Thrを付加してN末端を延長してからそれをアセチル化する以外は実施例IV
の合成を繰り返してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[Ac-Thr11,D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D
-His32,Lys33]-r/hCRF(11-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-23.0°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正
なし)として測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純
度は約98%である。本ペプチドの生物作用能はペプチドIVの約3.08倍(1.06-7.
84)である。0.1mg/kgレベルの生体内試験により、60、90及び120分にお
いてペプチドIVよりかなり有効であることがわかる。
実施例V
アミノ酸配列:
を有する(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D-His32,Orn33]-r/hCRF
(12-41)の合成を、残基33がLysの代わりにOrnである以外は実施例Iに記載され
るように行う。本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌が抑制される
。
実施例V A
実施例Iの合成を繰り返し、His32をD-Argに置き換えてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D-Arg32,Ly
s33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-53.7°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準ペプチド、[D-P
he12,Nle21, 38]rCRF(12-41)の約60倍である。実施例V B
His32をD-2Nalに置き換え、実施例Iの合成を繰り返してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:
(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21-38,Glu30,D-2Nal32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を
生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-40.9°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準ペプチド、[D-P
he12,Nle21,38]rCRF(12-41)の約18倍である。
実施例V C
実施例Iの合成を繰り返し、His32をimBzlD-Hisに、Leu15をCαMeLeuに置き換
えてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,CML15,Nle21,38,Glu30,imBz
lD-His32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-34.2°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準ペプチド、[D-P
he12,Nle21,38]rCRF(12-41)の約23.5倍(14.4-39.3)である。実施例V D
His32をD-Gluに置き換え、実施例Iの合成を繰り返してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Glu30,D-Glu32,Ly
s33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-48.6°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正
なし)として測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純
度は約98%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準ペプ
チド、[D-Phe12,Nle21,38]rCRF(12-41)の約10である。
実施例VI
アミノ酸配列:
有する(ビシクロ20-23,30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Lys23,33,Glu30]-r/hCRF(
12-41)の合成を、残基30と33のラクタム架橋が完了した後に残基23をペプチド−
樹脂に付加する以外は実施例Iに一般的に記載されるように行う。
示された手順及び条件を用いて旋光度を測定し、[α]D 20=-42.0°±1.0(10%
酢酸中c=0.5、H2O及びTFAについての補正なし)であることがわかる。
実施例Iに記載された試験管内試験により、実験用標準の約8.3倍(3.65-18.32
)の効力が示される。本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌が抑制さ
れる。実施例VI A
アミノ酸配列:
を有する(ビシクロ20-23,30-33)[D-Phe12,Nle21,38,D-Ala22,Lys23,33,Glu30
,D-His32]-r/hCRF(12-41)の合成を、His32をD-Hisに置き換え、Ala22をD-Ala
に置き換える以外は上記実施例VIに一般的に記載されるように行う。
本ペプチドを投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌が抑制される。実施例VII
アミノ酸配列:
を有するペプチド(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Cys30,33,D-His32]r/h
CRF(12-41)を合成する。
実施例IIIに記載されたプロトコールを用いて完全に保護されたペプチド−樹
脂を生成し、これをHFで切断し、環化し、精製し、凍結乾燥して生成ペプチドを
得る。
合成を繰り返してペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,Cys30,33,D-
2Nal32]r/hCRF(12-41)を得る。
本ペプチド拮抗剤の各々を投与するとACTH及びβ-END-LIの分泌が抑制される
。
実施例VII A
下記式:を有するペプチド(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle18,21,Glu30,D-His32,Lys33
]-コイウロテンシンI(12-41)を合成する。
実施例Iに示された一般手順の試験により、本環状化合物がACTH及びβ-END-L
Iの分泌を抑制することがわかる。
実施例VII B
下記式:
を有するペプチド(シクロ29-32)[D-Leu11,Nle17,Glu29,D-His31,Lys32]-ソ
ーバジン(11-40)を合成する。
実施例Iに示された一般手順の試験により、本環状化合物がACTH及びβ-END-L
Iの分泌を抑制することがわかる。実施例VII C
下記式:
を有する(シクロ30-33)[D-Phe12,Glu30,D-His32,Lys33]-αヘリックスCRF(12
-41)を合成する。
実施例Iに示された一般手順の試験により、本環状化合物がACTH及びβ-END-L
Iの分泌を抑制することがわかる。
実施例VIII
実施例IVの合成を繰り返し、Leu15をCαMeLeuを置き換えてアミノ酸配列:を有する次のペブチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,CML15,Nle21,38,Glu30,D-
His32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 22=-39.4°±1.0(10%酢酸中c=0.5、H2O及びTFAについての補正なし)と
して測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約9
8%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準の約20.3倍(1
1.5-37.0)である。
実施例VIII A
実施例IVの合成を繰り返し、LeuHをCaMeLeuに置き換えてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,CML14,Nle21,38,Glu30,D-Hi
s32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 22=-31.6°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正
なし)として測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純
度は約98%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準、[D
-Phe12,Nle21,38]rCRF(12-41)の約15倍である。
実施例VIII B
実施例IVの合成を繰り返し、Leu19をCαMeLeuに置き換えてアミノ酸配列:を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,CML19,Nle21,38,Glu30,D-
His32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 2=-35.3°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)として
測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98%
である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準ペプチド、[D-Phe12
,Nle21,38]rCRF(12-41)の約4.5倍である。
実施例VIII C
実施例IVの合成を繰り返し、Leu27をCαMeLeuに置き換えてアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,CML27,Glu30,D-
His32,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 22=-39.1°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準の約53.6倍であ
る(26.4-112.3)。生体内試験により、60及び90分のペプチドIVより著しく有
効であることがわかる。実施例VIII D
実施例IVの合成を繰り返し、Leu37をCαMeLeuに置き換えてアミノ酸配列:を有する次のペプチド:(シクロ0-33)[D-Phe12,Nle21, 38,Glu30,D-His32,
Lys33,CML37]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 22=-31.8°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。前述のように求めた本ペプチドの生物作用能は、標準の約16倍であ
る。
実施例IX
実施例IVの合成を繰り返し、Leu27をCαMeLeuに置き換えN末端をアセチル化
してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:
(シクロ30-33)[Ac-D-Phe12,Nle21,38,CML27,Glu30,D-His32,Lys33]-r/hCR
F(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-33.7°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。本ペプチドは、標準によって示されたものより生物作用能が大きい。
実施例IX A
実施例IVを繰り返し、Leu27をCαMeLeuに置き換えThrを付加してN末端を延長
してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[D-Phe12,Nle21,38,CML27,Glu30,D-Hi
s32,Lys33]-r/hCRF(11-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-41.0°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。本ペプチドは、標準より生物作用能が大きい。
実施例IX B
実施例IVを繰り返し、Leu27をCαMeLeuに置き換え、Thrを付加してN末端を延
長し、それをアセチル化してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[Ac-Thr11,D-Phe12,Nle21,38,CML27,G
lu30,D-His32,Lys33]-r/hCRF(11-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-23.7°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。本ペプチドの生物作用能は、実施例IVに比べてペプチドIVの約1.4倍
であり、生体内では60、90及び120分のACTH低下にかなり良好である。
実施例IX C
実施例Iの合成を繰り返し、Leu27をCαMeLeuに置き換えN末端をアセチル化
してアミノ酸配列:
を有する次のペプチド:(シクロ30-33)[Ac-D-Phe12,Nle21,38,CML27,Glu30
,Lys33]-r/hCRF(12-41)を生成する。
本ペプチドのナトリウムD線における比旋光度を前述のように
[α]D 20=-43.8°±1.0(10%酢酸中c=1、H2O及びTFAについての補正なし)とし
て測定する。質量分光法(MS)及び毛管ゾーン電気泳動で確認された純度は約98
%である。本ペプチドは、標準より生物作用能が大きい。
実施例X
実施例Iに一般的に示された手順を用いて、次のCRF拮抗剤も調製される。 これらのペプチドは、種々の刺激に対する応答においてACTH及びβ-END-LIの
分泌を抑制するのに生物作用能がある。
実施例XI
実施例Iに一般的に示された手順を用いて、次のCRF拮抗剤も調製される。
これらのペプチドは、種々の刺激に対する応答においてACTH及びβ-END-LIの
分泌を抑制するのに生物作用能がある。
実施例XII
実施例Iに一般的に示された手順を用いて、次のCRF拮抗剤も調製される。 これらのペプチドは、種々の刺激に対する応答においてACTH及びβ-END-LIの
分泌を抑制するのに生物作用能がある。
好ましくは、環状CRF拮抗剤は、本質的にはCRFレセプターを活性化しない。例
えば、実施例IのペプチドIは、最大用量で投与された場合に約3%以下の固有
CRF活性を有するにすぎない。一般的には、ペプチドの固有活性が未変性化合
物の約20%以下である場合にCRFレセプターをほとんど活性化しないと考えら
れる。好ましい拮抗剤の固有活性は約15%以下である。しかしながら、固有活
性は簡単には拮抗剤としてのその効力と釣り合うべき1要因である。
CRFは、下垂体−副腎皮質軸を深く刺激し、CRF拮抗剤は、ACTH及び内因性グル
ココルチコイド産生の高いタイプの患者においてその軸の機能を抑制するのに有
効である。例えば、CRF拮抗剤は、下垂体クッシング病又はCRF感受性腫瘍をもつ
患者において下垂体−副腎機能を調節するのに有効である。本発明によって提供
された改良CRF拮抗剤の好ましい一員は、CRFレセプターを著しく活性化せずにそ
のレセプターに対して高親和性で結合する。即ち、ヒツジCRFの15%未満の固
有活性又は闘争性を示す。
ほとんどの他の調節ペプチドは、内分泌系、中枢神経系及び胃腸管に影響を及
ぼすことがわかった。ACTH及びβ-END-LI分泌は、ストレスに対する哺乳動物の
応答の“必須条件”であることから、CRFが身体のストレス応答の多くの伝達因
子として脳に著しく影響を及ぼすことは驚くべきことではなかった。従って、脳
に送達されたCRF拮抗剤は、気分、学習及び行動、例えば、薬物依存並びに薬物
及びアルコール離脱を変えるのにも用途があるにちがいない。更に、脳における
CRF拮抗剤は、高血圧症、神経性食欲不振症、出血性ストレス、不妊症、性欲減
退、インポテンス及び高血糖症のタイプを含む内因性CRFが与えるストレス誘発
症状を改善するにちがいない。末梢に投与されたCRF拮抗剤がACTH、β−END、β
−リポトロピン、他のプロオピオメラノコルチン遺伝子産物及びコルチコステロ
ンのレベルを低下させることから、拮抗剤の投与はこれらの物質の全ての脳に対
する影響を低下させて記憶、気分、痛みの識別等、更に詳細には警戒心、抑うつ
及び/又は不安に影響を及ぼすと共に免疫系、胃腸管及び副腎皮質成長及び機能
をモデュレートするために用いられる。また、HIV感染及びアルツハイマー病を
治療するために用いられる。
CRF関連ペプチドは、全て腸間膜血管床を拡張することがわかった。CRF拮抗剤は
、また、哺乳動物、特にヒトの胃腸管への血流を減じるために有効であるにちが
いない。また、CRFは胃酸産生に影響することから、CRF拮抗剤は腸症候群及び炎
症性疾患を含む胃腸機能をモデュレートするのに有効であるにちがいない。
CRF拮抗剤又はその非毒性付加塩と薬学的に許容しうる担体とを混合した医薬
組成物は、ヒトを含む哺乳動物に静脈内に、皮下に、筋肉内に、経皮的に、例え
ば、経鼻的に、脳室内的に又は経口的に投与される。本ペプチドは、少なくとも
約90%の純度、好ましくは少なくとも約98%の純度でなければならない。し
かしながら、低い純度も有効であり、ヒト以外の哺乳動物に十分に用いられる。
その純度は、企図されたペプチドが全て同様のペプチド及びペプチド断片が存在
するものを一定の重量%構成することを意味する。ヒトへの投与は、内因性グル
ココルチコイド産生を抑制するために又は上記の使用可能性に対して医師により
用いられる。投与は、錠剤、菓子錠剤、散剤、シロップ剤、注射用液剤等の種々
の剤形にすることができる。必要量は、治療される個々の症状、症状の程度及び
所望される治療の期間によって異なり、一日に多数回投薬される。中枢神経系内
の内因性CRFのストレス関連作用を遮断するためには、CRF拮抗剤を脳室又は髄液
に送達することが必要である。また、血液−脳関門を移行することができる拮抗
剤を修飾する手段が見出されなければならない。非経口投与については、落花生
油、水性プロピレングリコール、又は滅菌水溶液の液剤が用いられる。適切に緩
衝化したかかる水溶液が静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内投与に特に適切である
。滅菌水性媒体が容易に入手できる。
かかるペプチドは、しばしば酸付加塩又は金属錯体、例えば、亜鉛、鉄、カル
シウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム等との薬学的に許容しうる非毒
性塩として投与される(本用途のためには付加塩と考えられる)。具体的なかか
る酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ケイ皮酸塩、硫酸塩、
スルファミン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、タンニン酸塩、シュウ酸塩、フマ
ル酸塩、グルコン酸塩、アルギン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、安
息香酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩等であり、慣
用的な方法で調製される。有効成分が錠剤として投与される場合には、その錠剤
はトラガント、コーンスターチ又はゼラチンのような結合剤又は賦形剤;アルギ
ン酸のような崩壊剤;及びステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤を含むこと
ができる。液体としての投与が所望される場合には、甘味剤及び/又は香味剤が
用いられ、等張食塩水、リン酸塩緩衝溶液等の静脈内投与が行われる。
本ペプチドは、医師の指導によって一回又は複数回で投与されなければならず
、医薬組成物は、通常は、作用の持続を延ばすことができる薬学的に許容しうる
担体を含む。有効用量は、一般的には、医師にたいてい既知である、企図された
投与経路及び患者の年齢及び体重のような他の要因、及び治療される病気に基づ
く。通常、用量は、宿主動物の体重1kgあたり本ペプチド約0.01〜約10mgであ
る。炎症性疾患の治療については、通常、約0.1〜約100mg/kgが用いられ、胃
腸病並びに神経性食欲不振症、出血性ストレス、薬物及びアルコール離脱症候群
の治療及び不妊症の治療については、約0.1〜約50mg/kgが用いられる。一日量
は、1回又は3回までに分けて投与される。
前に述べたように、CRFレセプターはいまではクローン化されており、上記Che
nらの論文、Perrin,M.ら,P.N.A.S,92,2969-2973(March 1995)、及びLove
nberg,T.ら,P.N.A.S.,92,836-840(January 1995)に開示されている。結合
親和性は、リガンドとレセプター間の相互作用の強度を表すために用いられる用
語である。CRFレセプターに対する結合親和性を示すために、本発明のペプチド
は、当該技術において周知の結合分析実験において125I-放射能標識oCRF又は[D-
Tyr12,Nle21,38]-r/hCRF(12-41)のような既知の親和性を有するトレーサーリガ
ンドを用いて容易に評価される。かかる分析の結果から、各リガンドがCRFレセ
プターに結合する親和性が示され、Ki,既知の標準に相対する阻害結合親和性定
数として表される。Ki(阻害結合親和性定数)は、“標準”又は“トレーサー”
放射性リガンドを用いて求められるので、レセプター又は結合タンパク質からト
レーサーの置換を測定し、そのトレーサーに対して最も適切に表される。しかし
ながら、それらの分析が比較的低濃度のレセプター等による特定の条件下に注意
深く行われるかぎり、Kiの計算値は解離定数KDとほとんど同じである。解離定数
KDは、レセプターの結合部位の1/2(50%)を占めるのに要するリガンドの
濃度等を表す。単一のトレーサーのみが標識、例えば、125Iで標識されるのに必
要とすることからKiを試験することは特に効率がよい。CRFレセプターに対して
高結合親和性を有するあるリガンドは、有効な結合部位の少なくとも50%を結
合するのにほとんどリガンドの存在を必要としないのでそのリガンドとレセプタ
ーに対するKD値は小さな数である。一方、個々のCRFレセプター
に対して低結合親和性を有するあるリガンドは、部位の50%を結合するリガン
ドの比較的高レベルの存在を必要とするのでそのリガンドとレセプターに対する
KD値は大きな数である。
個々のレセプタータンパク質に関して、KDが約10nM以下のCRF類縁体ペプチ
ドは、約10nMより大きくないリガンド(即ち、CRF類縁体ペプチド)の濃度カ
ルセプタータンパク質の活性結合部位の少なくとも50%を占めるのに必要とす
ることを意味する。かかる数値は、125Iで標識された標準及び約0.8nMを超えな
いレセプター(約10〜20ピコモルレセプター/mg膜タンパク質)を用いて得
られた結果からかなり求められる。本発明によって提供された好ましいペプチド
は、レセプター結合部位の少なくとも50%を占める(又は結合する)ために約
10ナノモル以下のリガンド濃度が必要とされるような結合親和性(KD)を有し、
それらは親和性が高いとみなされる。それらのCRF類縁体ペプチドの結合親和性
は、約2nM以下のものがある。通常、本用途のためには約5ナノモル以下の解離
定数が強力な親和性を示すとみなされ、約2ナノモル以下のKDは極めて強力な親
和性を示す。例えば、実施例ICの環状ペプチドは極めて強力な親和性でCRF-RAを
結合し、KD=約2.0ナノモルを有する。また、CRF類縁体ペプチドはCRF-RA及びCRF
-RBレセプターの2つのファミリーの1つに親和性がかなり高いものがあるので
生物学的作用が選択的であることが特に有利であると考えられる。
CRFレセプターを用いるこれらの結合分析は、実施するのに端的であり、かか
るペプチドが有効なCRF拮抗剤であるらしいかを求めるために最初に同定又は合
成されたペプチドで容易に行われる。かかる結合分析は、当業者に周知のような
種々の方法で行われる。かかる分析の詳細な例は、Perrin,M.ら,Endocrinolo
gyの論文に示されている。実施例IC又はIV Aのペプチドを用いる競合的結合分析
は、候補が有効な拮抗剤であるかを求めるにあたって第1工程として候補的ペプ
チドが種々のCRFレセプター、例えば、CRF-RA、CRF-RBL及びCRF-RBSSの各々に対
して親和性が高いかを評価するために特に企図される。かかる分析において、適
切な環状CRF拮抗剤は、放射性同位元素、例えば125I、又は酵素又は他の適切な
標識のような容易に検出される物質で適切に標識される。
競合的結合分析の使用は、新規な薬剤の候補をスクリーニングするために、例
えば、新規なCRF様ペプチド又はCRFレセプターに対して結合親和性の大きい又は
選択的な他の化合物を同定するために特に有効とみなされ、従って、候補は薬剤
として潜在的に有効である。分析では、標識ペプチドを置換する候補的拮抗剤の
能力が求められる。前述のかかるスクリーニング分析は、潜在的CRFアゴニスト
をスクリーンするために放射能標識環状CRF拮抗剤、例えば、(シクロ30-33)[I125
-D-Tyr12,Nle21,38,Glu30,D-His32,Lys33]r/hCRF(12-41)と用いられる。
高親和性を有する標識CRF拮抗剤を用いる分析は、CRFの強力な拮抗剤をスクリー
ンするために用いられる。また、酵素又は他の適切な標識で標識される。
本明細書に用いられる温度は全て℃であり、比率は全て容量である。低級アル
キルは、C1〜C6を意味する。
本発明を本発明者に現在わかった最良の方法を構成する好適実施態様について
記載してきたが、当業者に明らかな種々の変更及び修正が下記の請求の範囲に示
される発明の範囲から逸脱することなく行われる。例えば、薬学的に許容しうる
塩及び他の匹敵する製剤は、詳細に挙げられていないが請求された本物質の等価
物であることは明らかである。更に、詳細な説明の最初の一般式に示されたCRF
ペプチド鎖の他の位置での置換及び修飾も、拮抗剤の効力を減じることなく行わ
れる。この分野での開発により、分子内の13-15位、17-19位、24-29位、34位、3
6位、37位及び39〜41位の指定された種々の残基を有するペプチドがCRF活性を示
すことがわかった。結果として、配列内の他の箇所での置換(記載された30-33
ラクタム結合を有する環状ペプチドのような)の結果として生物作用能が改善さ
れた特定のアミノ酸配列を有するr/hCRF拮抗剤は、多くの指定された置換が分子
内の他の位置に組込まれるとしてもその改善された生物作用能を保持することが
当該技術において十分に容認される。N末端のD-Pheの代わりにL-Phe又はTyr又
は前述のものと一般的に類似した他の適切なD-異性体、例えば、D-Cpaも存在さ
せることができ、等価であると考えられる。r/hCRF(12-41)のN末端は、Thr又は
Ser、Leu-Thr又はSer-Leu、又はAsp-Leu-Thr又は他の適切な単一残基又はジ又は
トリペプチドで伸長されるか及び/又は炭素原子12個以下、好ましくは7個以
下を有するアシル基、例えば、アセチルでアシル化され、かかる変更は等価なCR
F拮抗剤を生成すると考えられる。Ala31をD-Ala31に置き換える
ことができ、未変性配列より良好に生物作用能を保持するので31位の等価物とみ
なされる。C末端の単純アミドの代わりに、低級アルキル置換アミド、即ち、炭
素原子1〜4個、例えば、メチルアミド又はエチルアミドが組込まれる。ジスル
フィド環化結合の代わりとして、カルバ又はジカルバ結合が用いられ(米国特許
第4,115,554号参照)、等価結合とみなされる。等価ラクタム結合も側鎖Lys30と
Glu33を結合することによりつくられる。しかしながら、上記に示された結合が
好ましい。30-33ラクタム環化結合をつくるために反応されるアミノ基又は30-33
位の残基の1つのα−アミノ基はメチル基を加えるようにアルキル化される。か
かる変更は等価な環状ペプチドを生じると考えられる。同様に、Amp、Aph、Lys
、Hly、Orn、Dbu、Dpr、Arg、Har又はAglのD-又はL-異性体が32位に存在する場
合、ラクタム結合をつくる側鎖アミノ基は、低級アルキル基(C1〜C5)、例えば
、メチル、エチル、イソプロピル又はイソブチルでアルキル化されてもよい。こ
のような上記のペプチドは、全て本発明の範囲内であるとみなされる。125Iで標
識するために、例えば、N末端に、D-Tyrが含まれる場合、His32又はD-His32又
はLys36の代わりにAsn32又はD-Asn32又はD-Ala32又はArg36に置き換えることが
好ましく、これらは等価物と考えられる。
本発明の種々の特徴は下記の請求の範囲で強調される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B
Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES
,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,
KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN