JPH1051892A - ヘッドホン用ドライバー - Google Patents

ヘッドホン用ドライバー

Info

Publication number
JPH1051892A
JPH1051892A JP21795096A JP21795096A JPH1051892A JP H1051892 A JPH1051892 A JP H1051892A JP 21795096 A JP21795096 A JP 21795096A JP 21795096 A JP21795096 A JP 21795096A JP H1051892 A JPH1051892 A JP H1051892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
harmonic distortion
diaphragm body
biocellulose
carbon fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21795096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3756259B2 (ja
Inventor
Hideo Koreeda
秀夫 是枝
Kiyotaka Miyashita
清孝 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Foster Electric Co Ltd
Original Assignee
Foster Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Foster Electric Co Ltd filed Critical Foster Electric Co Ltd
Priority to JP21795096A priority Critical patent/JP3756259B2/ja
Publication of JPH1051892A publication Critical patent/JPH1051892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3756259B2 publication Critical patent/JP3756259B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板にポリエステル等の高分子フィルムを
多用しているが、これらの材料ではドーム部に必要な剛
性と、エッジ部に必要なコンプライアンスを与えること
は困難であった。 【解決手段】 10は振動板胴体部1とエッジ部2の2
ピースからなる振動板、13は上下にコイルを有するボ
イスコイル、14はフレーム,ヨーク、15abは上下
部ポールピース、6はマグネットである。この磁気回路
にはデュアル磁気ギャップが設けられている。振動板胴
体部1には、バイオセルロースにカーボン繊維を混抄
し、この混抄を重量比15〜50%とした材料を使用し
て必要な剛性を与え、エッジ部2には振動板胴体部1と
は異なる材料を使用して必要なコンプライアンスを与え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘッドホン用ドライ
バーに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘッドホンは、頭部にヘッドバンドを装
着しなければならない等の煩わしさがある反面、スピー
カに比べて部屋の影響を受けない、或いは他人への迷惑
が比較的少ない等のメリットもあり、音楽をじっくり鑑
賞するには良い条件がそろっている。特に部屋の影響を
受けずにすむということは、セッティングや、チューニ
ングという煩わしさ、また多くの場合、開発した意図が
なかなか正確に再現されないという問題から開放される
という点では、音響機器として設計意図をユーザーに直
に伝え易く、また、ユーザーもそれをストレートに感受
し、また判断できるというメリットがある。
【0003】図11は、従来例におけるヘッドホン用ド
ライバーの断面図である。図において、21は振動板、
3はボイスコイル、4はフレーム,ヨーク、5はポール
ピース、6はマグネットである。
【0004】この従来のヘッドホン用ドライバーの振動
板21にはポリエステル等の高分子フィルムを多用して
いる。これは振動板21のドーム部はある程度の硬さ、
剛性が必要であるのに対し、フィルムは熱可塑性で比較
的容易に成形することができ、かつ成形による形状剛性
が得られるからである。また、フィルムを薄くすればコ
ンプライアンスを大きくとれる(f0 を下げる)ので、
低音再生を広げることができる。薄くしたい材料として
はポリエステル系のフィルムが比較的適している。紙,
金属は薄くて柔らかいと言う点では向いていない。紙は
余り薄くできず、アルミは厚さを薄くしても必要なコン
プライアンスが得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、素材として見
ると殆どの高分子フィルムは比重が1以上であることか
ら、材料としてのヤング率があまり高くなく、PPTA
等の比較的ヤング率の高い素材でも、伝播速度(E/
ρ)1/2 は4000m/s以下であり、曲げ剛性の平方
根(E/ρ3 1/2 の値は木材パルプよりも低く、充分
な高域再生及び高忠実度再生は期待できない。但し、記
号Eはヤング率、ρは密度である。共振周波数fは上記
の曲げ剛性の平方根(E/ρ3 1/2 と質量mとの積に
比例する。すなわち、次の式(1)で表すことができ
る。 f∝m(E/ρ3 1/2 ・・・・・・・(1)
【0006】そこで、ヤング率の高い金属またはセラミ
ック等をドーム部に使用したり、高分子フィルムの表面
に蒸着したりという方法も考えられるが、これらの材料
は単体で使用すると内部損失( tanδ)が低いため、材
料固有の音色を持っており、また、蒸着した場合も音色
は変化するが、実際の伝播速度は基材が支配的であるた
め、f特上もfhは殆ど変化しない場合が多い。
【0007】さらに最近は生物或いはこれらから生成さ
れるセルロース等を使用し、振動板を形成し、比重が低
くかつヤング率が高く、適度な内部損失もある材料が使
われているが、振動板としてのコンプライアンスを得る
ためにはヤング率が高いので振動板を極端に薄くするこ
とになり、その結果振動板としての剛性が低下してしま
うという問題がある。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ドーム部に該当する振動板胴体部に求められ
る性能を極めてバランス良く達成し、しかもエッジ部を
振動板胴体部とは別の材料を用いて適切なコンプライア
ンスを得ることがてきる振動板を有するヘッドホン用ド
ライバーを提供することを目的とする。また、充分な低
域のエネルギーを持ち、全帯域に渡って極めて低歪みの
ヘッドホン用ドライバーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動板の振動
板胴体部に求められる物性のヤング率,密度,内部損
失,曲げ剛性等をバランス良く達成し、また、エッジ部
を別に設けることにより振動板を極端に薄くすることな
く、高コンプライアンスの材料を使用することができ
る。すなわち、離解したバイオセルロースにカーボン繊
維を加えることにより、密度を下げ、かつヤング率を上
げることができ、バイオセルロース単体の場合よりもさ
らに高伝播速度,高曲げ剛性が得られる。また、バイオ
セルロースに混抄するカーボン繊維の混抄率を上げると
ヤング率はさらに高くなるが、内部損失も低下するの
で、カーボン繊維の混抄を重量比50%以下とすること
により、振動板胴体部に求められる性能を極めてバラン
ス良く達成している。更に、デュアル磁気ギャップとの
併用により、駆動力の増加、磁束密度分布の上下対称、
上下コイルの逆巻き方向によりコイルをプッシュプル動
作させることができ、一段の性能向上が図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のヘッドホン用ドライバー
は、振動板を振動板胴体部とエッジ部との2ピース構造
とし、振動板胴体部の材料は、バイオセルロースを基材
とし、引張弾性率40,000Kgf/mm2 以上のカ
ーボン繊維を強化材として重量比15〜50%混抄した
ものであることに特徴を有している。
【0011】また、本発明のヘッドホン用ドライバー
は、リング状マグネットの上下両面にリング状ポールピ
ースを各々配置し、これらのポールピースとリング状ヨ
ークからデュアル磁気ギャップを形成するように磁気回
路を構成したことに特徴を有している。
【0012】更に、本発明のヘッドホン用ドライバー
は、振動板を振動板胴体部とエッジ部との2ピース構造
とし、バイオセルロースを基材とし、引張弾性率40,
000Kgf/mm2 以上のカーボン繊維を強化材とし
て重量比15〜50%混抄した材料を使用した振動板胴
体部と、デュアル磁気ギャップを形成する磁気回路を用
いたことに特徴を有している。
【0013】
【実施例】本願発明においては、離解したバイオセルロ
ースにカーボン繊維を混抄することで、バイオセルロー
ス単体に比べて、伝播速度(E/ρ)1/2 或いは、曲げ
剛性の平方根(E/ρ3 1/2 をさらに高めている。し
かし、カーボン繊維混抄率を高めていくとヤング率が高
くなると同時に内部損失が低くなってしまうため、カー
ボン繊維の比率の最適範囲を求めて採用している。
【0014】低音域の拡大においては、エッジ部のコン
プライアンスを上げる必要がある。一体型の振動板で
は、振動板の厚さを薄くすることで対応している。しか
し、離解したバイオセルロースはヤング率が高いため、
厚さ40ミクロンでも必要なコンプライアンスを得るこ
とができない。更に薄くすると振動板としての材料の持
つ長所が失われる。一体型の振動板は、剛性とコンプラ
イアンス等相反する物性が要求されるが、一般的にはポ
リエステルフィルム等を使用して妥協点を見出してい
る。
【0015】また、エッジ部を別に設けることにより振
動板胴体部を極端に薄くしなくても高コンプライアンス
を得ることができるので材料の持つ性能を充分に引き出
すことができる。フリーエッジタイプでは、振動板胴体
部は剛性のある材料、エッジ部は他の材料で柔らかく、
例えば薄いウレタンのエラストマーフィルムを使うこと
で、この問題を解決することができる。
【0016】離解したバイオセルロースにカーボン繊維
を混抄することで、密度を下げ、曲げ剛性を上げてい
る。音質は曲げ剛性と伝播速度の両方で効いており、音
のスピード感は伝播速度の高い材料が必要であり、歪み
に対しては密度を下げ、曲げ剛性を上げなければならな
い。内部損失、伝播速度、曲げ剛性等の物性の好適なバ
ランスをとり、音質等の劣化のないように配慮してい
る。
【0017】振動板胴体部は、基本的にはバイオセルロ
ースが主材になっている。カーボン繊維の混抄がない場
合には高域が不足し、カーボン繊維の混抄が多すぎると
高域にピークが出るので、物性からくる音響特性との関
係で範囲を定めた。
【0018】しかし、ヘッドホン用ドライバーの振動板
では、カーボン繊維の割合が50%以上になると、カー
ボン繊維どうしが絡み合い、結合が増え、均一に分散し
なくなる。絡み合いが出るために、抄紙のムラ、カーボ
ン繊維のムラができ、厚い所と薄い所ができる。結局、
極限まで薄くすると、ピンホールが生じる。カーボン繊
維の比率が高い場合には、軽量化ができなくなる。
【0019】そこでカーボン繊維を所定量入れることに
よって、諸物性値を最適値にしている。物性値には、密
度,音速,ヤング率等がある。基本的には密度が1以
下,内部損失が0.03程度で音速或いは曲げ剛性を上
げている。
【0020】曲げ剛性は、厚い程強くなり、軸対象モー
ドの振動には非常に効果が大きい。これは振動板胴体部
を深くしても効果は少なく、厚くしても余り重量が増え
ない低密度の材料が必要となる。軸対象モードの分割共
振は、特に奇数次の高調波歪み、3次,5次に関係し、
高調波歪が多いと音楽を聞く上で非常な阻害となる。従
って、それを取り除かないと、高音質の振動板が得られ
ない。
【0021】曲げ剛性だけであれば、紙でも厚くすれば
高くなる。しかし、紙を厚くした振動板胴体部は曲げ剛
性は高くなるが、重くなって、感度が下がってしまう。
ヘッドホンでは磁気回路を大きくしないで、感度を上げ
たいので、振動系には軽くて剛性のある材料が必要とな
る。例えばカーボンクロスは比較的軽量で剛性は高い
が、坪量当たりの軽量化に限界がある。そこでバイオセ
ルロースに高弾性のカーボン繊維を補って軽量化と曲げ
剛性の向上を図っている。
【0022】図9は、バイオセルロースに対するカーボ
ン繊維混抄率と曲げ剛性の平方根との関係を示す図であ
る。バイオセルロースにカーボン繊維を混抄する混抄率
が0%であると曲げ剛性の平方根は3.1に、混抄率1
0%で5に、混抄率20%で8.3となる。共振周波数
はこの数値に比例する。例えば、カーボン繊維の混抄比
率を0%から20%に増やすと、共振周波数は約3倍
(8.3/3.1)になる。分割共振のモードの周波数
が上がると高調波歪みがそれだけ高域に移動し、かつ歪
み量が低減する。
【0023】また、従来例におけるポリエステルフィル
ムの曲げ剛性の平方根は1.5である。バイオセルロー
スの曲げ剛性の平方根は3でポリエステルフィルムの2
倍、バイオセルロースにカーボン繊維を15%混抄する
と曲げ剛性の平方根は6.5で約4倍となる。
【0024】図10は、バイオセルロースに対するカー
ボン繊維混抄率と内部損失との関係を示す図である。内
部損失は0.005位変化すると明らかに耳で音質上の
評価上の差が分かる。そういう意味ではカーボン繊維混
抄率の20%と40%の差も大きい。
【0025】内部損失は、カーボン繊維混抄率が40〜
50%で一番低くなる。カーボン繊維単体の内部損失は
非常に低く0.0001でアルミの0.002よりも更
に低い。また、バイオセルロースが持っている内部損失
自体がかなり大きな値(0.037)であり、バイオセ
ルロースをマトリック材として中にカットした3mm位
のカーボン繊維を分散させて作った複合材料であれば、
ポリエステルフィルムが持っている0.02よりは大き
い。従って、内部損失が従来の材料よりも大きい値とな
り、かつ、大きな曲げ剛性が得られる。元のカーボン繊
維の性質からみると2桁位大きな内部損失に維持でき
る。これは基本的にはバイオセルロースの持っている効
果が寄与している。
【0026】それにカーボン繊維混抄率50%以上にな
ると、内部損失が増大し、結着性がなくなり、カーボン
繊維どうしのこすれによるガサガサ音が多く不快な音に
なってくる。カーボン繊維混抄率0%のものに比べて音
質は冷たい感じである。また、抄紙の均一性も悪くな
る。そこで、曲げ剛性との兼ね合いから20%から30
%近辺の混抄率を選ぶと共振周波数が、4倍以上となり
かなりの効果がある。
【0027】〔第1実施例〕以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例
におけるヘッドホン用ドライバーの断面図である。図に
おいて、1は振動板胴体部、2はエッジ部、3はボイス
コイル、4はフレーム,ヨーク、5はポールピース、6
はマグネット、10は振動板胴体部1とエッジ部2から
なる振動板である。なお、ヘッドホン用ドライバーの口
径はφ50mmとした。
【0028】振動板胴体部1の材料は、バイオセルロー
ス対するカーボン繊維混抄率を20%に特定し、軽く薄
くできる範囲としている。
【0029】エッジ部2の材料のヤング率を450MP
a以下とし、ウレタンエラストマーシート(ブリジスト
ン URS−B2)を成形したものを使用した。
【0030】図2は、本発明の第1実施例と従来例にお
ける周波数特性と第2高調波歪みの比較を示す図であ
り、無響室における測定結果である。図において、実線
A1は第1実施例における周波数特性、破線Bは図11
で示した従来例における周波数特性である。従来例にお
ける振動板21にはポリエステルフィルムを使用した。
実線A12 は第1実施例における第2高調波歪み、破線
2 は従来例における第2高調波歪みである。実線A1
2 から、200Hz以上の周波数において第2高調波歪
みに改善結果が現れていることが分かる。無響室におけ
る測定のために200Hz以下の周波数においては実線
A12 の方が破線B2 よりもレベルが高くなっている。
【0031】図3は、本発明の第1実施例と従来例にお
ける周波数特性と第3高調波歪みの比較を示す図であ
り、無響室における測定結果である。図において、実線
A1は第1実施例における周波数特性、破線Bは図11
で示した従来例における周波数特性である。従来例にお
ける振動板21にはポリエステルフィルムを使用した。
実線A13 は第1実施例における第3高調波歪み、破線
3 は従来例における第3高調波歪みである。実線A1
3 から、200Hz以上の周波数において第3高調波歪
みに改善結果が現れていることが分かる。
【0032】〔第2実施例〕図4は本発明の第2実施例
におけるヘッドホン用ドライバーの断面図である。な
お、図1と同一符号を付したものはそれぞれ同一の要素
を示しており、説明を省略する。図において、13はボ
イスコイル、14はフレーム,ヨーク、15aは上部ポ
ールピース、15bは下部ポールピースである。この第
2実施例では、振動板胴体部1とエッジ部2からなる振
動板10は実施例1におけるものと同一で、磁気回路が
異なっている。なお、ヘッドホン用ドライバーの口径は
φ50mmとした。
【0033】デュアル磁気ギャップを形成する磁気回路
に、エネルギー積が極めて高いネオジューム磁石を使用
することによって、利用効率が良く,比較的薄く小型に
することができた。なお、デュアル磁気ギャップは実施
例における内磁型だけでなく、外磁型で形成しても同様
の作用効果がある。
【0034】1.上下の磁気回路が完全対称型にできる
ことから、磁束密度分布が上下対称である。 2.それぞれのギャップに対してコイルの巻き方向を逆
向きにすることによりコイルをプッシュプル動作させる
ことができる、という利点がある。
【0035】図5は、本発明の第2実施例と従来例にお
ける周波数特性と第2高調波歪みの比較を示す図であ
り、無響室における測定結果である。図において、実線
A2は第2実施例における周波数特性、破線Bは図11
で示した従来例における周波数特性である。従来例にお
ける振動板21にはポリエステルフィルムを使用した。
実線A22 は第2実施例における第2高調波歪み、実線
2 は従来例における第2高調波歪みである。実線A2
2 から、200Hz以上の周波数において第2高調波歪
みに改善結果が現れていることが分かる。無響室におけ
る測定のために200Hz以下の周波数においては実線
A22 の方が破線B2 よりもレベルが高くなっている。
【0036】図6は、本発明の第2実施例と従来例にお
ける周波数特性と第3高調波歪みの比較を示す図であ
り、無響室における測定結果である。図において、実線
A2は第2実施例における周波数特性、破線Bは図11
で示した従来例における周波数特性である。従来例にお
ける振動板21にはポリエステルフィルムを使用した。
実線A23 は第2実施例における第3高調波歪み、実線
3 は従来例における第3高調波歪みである。実線A2
3 から、200Hz以上の周波数において第3高調波歪
みに改善結果が現れていることが分かる。
【0037】図7は、本発明の第1実施例と第2実施例
における第2高調波歪みの比較を示す図であり、無響室
における測定結果である。図において、実線Aは実施例
における周波数特性、破線A12 は第1実施例における
第2高調波歪み、実線A22は第2実施例における第2
高調波歪みである。図から明らかなように第2実施例に
おけるデュアル磁気ギャップを形成する磁気回路の効果
が顕著に現れている。
【0038】図8は、本発明の第1実施例と第2実施例
における第3高調波歪みの比較を示す図であり、無響室
における測定結果である。図において、実線Aは実施例
における周波数特性、破線A13 は第1実施例における
第3高調波歪み、実線A23は第2実施例における第3
高調波歪みである。図から明らかなように第2実施例に
おけるデュアル磁気ギャップを形成する磁気回路の効果
が顕著に現れている。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヘッドホ
ン用ドライバーは、振動板を振動板胴体部とエッジ部と
の2ピース構造とし、振動板胴体部の材料は、バイオセ
ルロースを基材とし、引張弾性率40,000Kgf/
mm2 以上のカーボン繊維を強化材として重量比15〜
50%混抄したものであるから、また、本発明のヘッド
ホン用ドライバーは、リング状マグネットの上下両面に
リング状ポールピースを各々配置し、これらのポールピ
ースとリング状ヨークからデュアル磁気ギャップを形成
するように磁気回路を構成したので、更に、本発明のヘ
ッドホン用ドライバーは、振動板を振動板胴体部とエッ
ジ部との2ピース構造とし、バイオセルロースを基材と
し、引張弾性率40,000Kgf/mm2 以上のカー
ボン繊維を強化材として重量比15〜50%混抄した材
料を使用した振動板胴体部と、デュアル磁気ギャップを
形成する磁気回路を用いたので、振動板胴体部に求めら
れる性能を極めてバランス良く達成し、また、エッジ部
を高コンプライアンスにすることができ、充分な低域の
エネルギーを持ち、全帯域に渡って極めて低歪みとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるヘッドホン用ドラ
イバーの断面図である。
【図2】本発明の第1実施例と従来例における周波数特
性と第2高調波歪みの比較を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例と従来例における周波数特
性と第3高調波歪みの比較を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例におけるヘッドホン用ドラ
イバーの断面図である。
【図5】本発明の第2実施例と従来例における周波数特
性と第2高調波歪みの比較を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例と従来例における周波数特
性と第3高調波歪みの比較を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例と第2実施例における第2
高調波歪みの比較を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例と第2実施例における第3
高調波歪みの比較を示す図である。
【図9】バイオセルロースに対するカーボン繊維混抄率
と曲げ剛性の平方根との関係を示す図である。
【図10】バイオセルロースに対するカーボン繊維混抄
率と内部損失との関係を示す図である。
【図11】従来例におけるヘッドホン用ドライバーの断
面図である。
【符号の説明】
1 振動板胴体部 2 エッジ部 3 ボイスコイル 4 フレーム,ヨーク 5 ポールピース 6 マグネット 10 振動板 13 ボイスコイル 14 フレーム,ヨーク 15a 上部ポールピース 15b 下部ポールピース 21 振動板 A 実施例における周波数特性 A1 第1実施例における周波数特性 A12 第1実施例における第2高調波歪み特性 A13 第1実施例における第3高調波歪み特性 A2 第2実施例における周波数特性 A22 第2実施例における第2高調波歪み特性 A23 第2実施例における第3高調波歪み特性 B 従来例における周波数特性 B2 実施例における第2高調波歪み特性 B3 従来例における第3高調波歪み特性

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板を振動板胴体部とエッジ部との2
    ピース構造とし、 振動板胴体部の材料は、バイオセルロースを基材とし、
    引張弾性率40,000Kgf/mm2 以上のカーボン
    繊維を強化材として重量比15〜50%混抄したもので
    あることを特徴とするヘッドホン用ドライバー。
  2. 【請求項2】 リング状マグネットの上下両面にリング
    状ポールピースを各々配置し、 これらのポールピースとリング状ヨークからデュアル磁
    気ギャップを形成するように磁気回路を構成したことを
    特徴とするヘッドホン用ドライバー。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の2ピース構造にした振動
    板と請求項2記載のデュアル磁気ギャップを形成する磁
    気回路を用いたことを特徴とするヘッドホン用ドライバ
    ー。
JP21795096A 1996-07-30 1996-07-30 ヘッドホン用ドライバー Expired - Lifetime JP3756259B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21795096A JP3756259B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 ヘッドホン用ドライバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21795096A JP3756259B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 ヘッドホン用ドライバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1051892A true JPH1051892A (ja) 1998-02-20
JP3756259B2 JP3756259B2 (ja) 2006-03-15

Family

ID=16712260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21795096A Expired - Lifetime JP3756259B2 (ja) 1996-07-30 1996-07-30 ヘッドホン用ドライバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3756259B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333321A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Pioneer Electronic Corp スピーカー装置用マグネシウムエッジの製造方法、及びスピーカー装置
JP2006513664A (ja) * 2003-01-25 2006-04-20 アイエスティー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング イノヴェイションズ サービス チーム スピーカ
JP2006166070A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピーカ
WO2007058133A1 (ja) * 2005-11-15 2007-05-24 Pioneer Corporation スピーカ、および磁気回路
WO2013099790A1 (ja) 2011-12-26 2013-07-04 株式会社ディーアンドエムホールディングス ヘッドホン及びヘッドホンドライバー
CN112080024A (zh) * 2020-08-24 2020-12-15 深圳市信维通信股份有限公司 复合振膜及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102472158B1 (ko) * 2021-03-10 2022-11-29 에스텍 주식회사 진동자

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006513664A (ja) * 2003-01-25 2006-04-20 アイエスティー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング イノヴェイションズ サービス チーム スピーカ
JP2005333321A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Pioneer Electronic Corp スピーカー装置用マグネシウムエッジの製造方法、及びスピーカー装置
JP2006166070A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピーカ
WO2007058133A1 (ja) * 2005-11-15 2007-05-24 Pioneer Corporation スピーカ、および磁気回路
JP4913748B2 (ja) * 2005-11-15 2012-04-11 パイオニア株式会社 スピーカ、および磁気回路
US8620017B2 (en) 2005-11-15 2013-12-31 Pioneer Corporation Speaker and magnetic circuit
WO2013099790A1 (ja) 2011-12-26 2013-07-04 株式会社ディーアンドエムホールディングス ヘッドホン及びヘッドホンドライバー
JP2013153416A (ja) * 2011-12-26 2013-08-08 D & M Holdings Inc ヘッドホン及びヘッドホンドライバー
EP2804398B1 (en) * 2011-12-26 2018-07-04 D&M Holdings Inc. Headphones and headphone driver
CN112080024A (zh) * 2020-08-24 2020-12-15 深圳市信维通信股份有限公司 复合振膜及其制备方法
WO2022042410A1 (zh) * 2020-08-24 2022-03-03 深圳市信维通信股份有限公司 复合振膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3756259B2 (ja) 2006-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060215870A1 (en) Low profile speaker and system
EP0963136A2 (en) Speaker
JP2008167150A (ja) スピーカ
WO2020059638A1 (ja) スピーカ用振動板
US3154173A (en) Loudspeaker cone suspension
JPH1051892A (ja) ヘッドホン用ドライバー
JP2004260736A (ja) スピーカ装置
JPH08102993A (ja) 逆ドーム型スピーカ
JP3992876B2 (ja) スピーカ
JP2002218585A (ja) スピーカ
JPH03175800A (ja) 圧電型スピーカ
JP6597986B1 (ja) 低音域で熱損失を変えず駆動電力を大きくでき、かつ再生特性を改善するスピーカーシステム
EP2804398B1 (en) Headphones and headphone driver
JPS5928796A (ja) スピ−カ
JPS5994995A (ja) 動電形スピ−カ
JP3478927B2 (ja) スピーカ
TWM578918U (zh) Speaker diaphragm material and its structure
JP2002281587A (ja) スピーカ
JPH08140175A (ja) ダブルコーンスピーカ
KR200196826Y1 (ko) 콘 스피커 구조
KR100675507B1 (ko) 분리형 다이어프램을 갖는 마이크로 스피커
JP2004356833A (ja) スピーカ
JPH0937385A (ja) コーン型スピーカ
JP2003299176A (ja) スピーカ装置
WO2024045281A1 (zh) 扬声器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051110

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051221

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100106

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110106

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120106

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term