JP3992876B2 - スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大入力の音響信号を再生するのに好適であって、エッジに特徴を有したスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭で用いられるステレオやパーソナルコンピュータのために、小型で場所をとらない音響再生装置が提供されている。この様な音響再生装置に使用されるスピーカは小口径のものが多い。
【0003】
図9(a)は、従来の小口径のスピーカの構造例を示す断面図である。図9(b)は図9(a)のスピーカのエッジ9の近傍を示す拡大断面図である。図9(a)において、環状のフレーム1の下端部には、センターポール2、磁石3、トッププレート4を含む環状磁気回路が形成されている。
【0004】
センターポール2の上側外周とトッププレート4の内周間に形成される環状の空隙5には、高密度の磁束が生じており、この空隙5においてボイスコイルボビン6が上下に振動自在に保持されている。ボイスコイルボビン6の下側外周には、ボイスコイル10が巻回されている。ボイスコイル10に音声信号に対応する駆動電流が印加されると、該ボイスコイル10に電磁力が発生し、空隙5の磁界においてボイスコイルボビン6がピストン振動する。
【0005】
ボイスコイルボビン6の上端には振動板8が固着され、ボイスコイルボビン6の上端近傍にはダンパー(サスペンションともいう)7が接続されている。振動板8はエッジ9を介してフレーム1に取り付けられ、ダンパー7はフレーム1に直接取り付けられている。エッジ9及びダンパー7によって振動板8が振動自在に保持されている。
【0006】
この様に構成されたスピーカにおいて、ボイスコイル10に音声信号に比例する駆動電流が印加されると、ボイスコイル10の電磁力と空隙5の磁束の相互作用によって、ボイスコイル10に駆動力が発生して、ボイスコイル10が振動し、これに伴ってダンパー7とエッジ9によって保持された振動板8が上下に振動し、このスピーカより音声が出力される。
【0007】
スピーカのエッジ9としては、図9(a)及び(b)に示すものが最も一般的に用いられている。このエッジ9は、その断面形状が半円を描くロール形状であってロールエッジと称され、振動板8の外周に該振動板8と同心円状に形成されている。エッジ9の材料には、樹脂を含浸した布、発泡ウレタンシート、ゴムシート等が適用されている。このロール形状のエッジ9と波形形状のダンパー7によって、スピーカの振動板8の支持系が構成され、振動板8の大きな振動振幅が確保されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9(a)に示す従来の小型スピーカでは、振動板8の口径が小さいので、大きな音圧を得難い。つまり、所定の音圧を得るためには、振動板8の振動振幅を振動板面積に反比例して大きくしなければならず、かつ、音声信号の周波数の二乗に反比例して振動振幅を大きくしなければならない。
【0009】
振動板の最大振幅は、エッジ9のロールの大きさに比例する。ロールの大きさは、小口径のスピーカと大口径のスピーカ間で大差が無い。このため、小口径のスピーカでは、十分に大きな振幅を確保することが困難となり、特に低周波数帯域の再生音が悪くなるという問題があった。
【0010】
図10は、ロール形状のエッジ9の変位状態を示す概略断面図である。図10において、破線は、ボイスコイル10に駆動電流が印加されておらず、振動板8が中立点にあるときのエッジ9の状態を示している。また、実線は、ボイスコイル10に低周波数の大きな駆動電流が印加され、振動板8がZ軸に沿って+方向に変位したときのエッジ9の状態を示している。図10から明らかな様に、ボイスコイル10に低周波数の大きな駆動電流が印加されたときには、エッジ9が直線状に引き延ばされて、延びきっている。
【0011】
図11は、ボイスコイル10にドラムのアタック音に対応する駆動電流を印加して、振動板8をZ軸に沿って±10mmまでの振幅で振動させたときのエッジ9の変位をレーザードップラー変位計で測定し、エッジ9の変位の1周期分を示している。図11から明らかな様に、振動板8が中立点にあるときにはエッジ9がロール形状であるが、振動板8の振幅が±10mmになると、エッジ9が直線状に変化し、エッジ9が突っ張っている。
【0012】
この様にボイスコイル10に低周波数の大きな駆動電流が印加され、エッジ9が延びきって突っ張ると、エッジ9から異常音(突っ張り音)が発生し、再生された音声の品質を著しく悪化させた。この異常音は、薄いシート状のゴム、布、紙などを撓ました状態から急激に突っ張ったときに発生する音と全く同様である。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ボイスコイルに印加される駆動電流に対する振動板の変位の直線性を大きく劣化させることなく、振動板の大振幅時のエッジの突っ張りに起因する異常音(突っ張り音)が発生しないスピーカを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、本発明のスピーカは、振動板と、該振動板を囲むフレームと、該振動板の外周に接合されると共に、該フレームの内周に接合され、該フレームの内側に該振動板を支持するエッジとを備え、前記エッジは、表層が密であり、内部が多孔質の発泡体から構成され、かつ、前記振動板と前記フレーム間の略中央近傍で薄くされ、前記振動板及び前記フレームに近づくに従って厚くされている。
【0016】
1実施形態では、前記エッジの断面形状がロール形状である。つまり、最も一般的な断面がロール形状のエッジに、本発明を適用することができる。
【0017】
本発明では、前記エッジは、表層が密であり、内部が多孔質の発泡体からなる。この場合、エッジは、その表層が密で硬く、その内部が粗で軽いサンドイッチ構造になるため、軽い重量でありながら、エッジを厚くすることができ、振動板の支持体としての適度な剛性と粘弾性が得られる。かつ、表層から内部まで均質な発泡体と比べると、紫外線や湿度の影響を受けず高温高湿下でも剛性が変動し難く、スピーカの低音特性が安定して維持されるものである。
【0018】
また、本発明のスピーカは、振動板と、該振動板を囲むフレームと、該振動板の外周に接合されると共に、該フレームの内周に接合され、該フレームの内側に該振動板を支持するエッジとを備え、前記エッジは、表層が密であり、内部が多孔質の発泡体から構成され、かつ、前記エッジの剛性率は、前記振動板と前記フレーム間の略中央近傍で小さく、前記振動板及び前記フレームに近づくに従って大きくされている。
【0026】
この様な構成においても、エッジの中央近傍で剛性が低く、内外周近傍で剛性が高くなるので、振動板の振動振幅が一定範囲内であれば、ボイスコイルに印加される駆動電流に対する振動板の変位の直線性が保たれ、また振動板の大振幅時にエッジに大きな引っ張り応力が加わったときにエッジが急激に延びきって突っ張ることがなく、異常音が発生しない。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明のスピーカの第1実施形態を示す断面図である。また、図1(b)は、図1(a)のスピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。
【0028】
図1(a),(b)において、環状のフレーム1の下端部には、センターポール2、磁石3、トッププレート4を含む環状磁気回路が形成されている。
【0029】
センターポール2の上側外周とトッププレート4の内周間に形成される環状の空隙5に、ボイスコイルボビン6が上下に振動自在に保持されている。ボイスコイルボビン6の下側外周には、ボイスコイル10が巻回されている。ボイスコイルボビン6の上端には振動板8が固着され、ボイスコイルボビン6の上端近傍にはダンパー(サスペンションともいう)7が接続されている。
【0030】
エッジ11は、振動板8の外周に接合されると共に、フレーム1の内周に接合され、フレーム1の内側に振動板8を支持する。ダンパー7はフレーム1に直接取り付けられている。エッジ11及びダンパー7によって振動板8が振動自在に保持されている。
【0031】
エッジ11は、ゴム材料を成形してなり、その断面が凸型のロール形状になっている。エッジ11の厚さは、その頂部14で最も薄く、頂部14からその内周部12及び外周部13に近づくに従って徐々に厚くなる。外周部13はフレーム1に接着され、内周部12は振動板8に固着されている。
【0032】
尚、ここではエッジ11のロール形状が半円を描いているが、他の円弧や円弧と直線を組み合わせた長円、楕円等を描いても、また凸型の円弧と凹型の円弧とを組み合わせても良く、更に複数の半円或いは円弧を組み合わせた波形、台形、平坦な形状等でも構わない。
【0033】
この様な構成において、ボイスコイル10に音声信号に比例する駆動電流が印加されると、ボイスコイル10の電磁力と空隙5の磁束の相互作用によって、ボイスコイル10に駆動力が発生して、ボイスコイル10が振動し、これに伴って振動板8が上下に振動し、このスピーカより音声が出力される。
【0034】
図2は、エッジ11の変位状態を示す概略断面図である。図2において、ボイスコイルボビン6の振動方向をZ軸とし、スピーカの前方(音声の出力方向)を+、後方を−としている。破線は、ボイスコイル10に駆動電流が印加されておらず、振動板8が中立点にあるときのエッジ11の状態を示している。また、実線は、ボイスコイル10に低周波数の大きな駆動電流が印加され、振動板8がZ軸に沿って+方向に変位したときのエッジ11の状態を示している。
【0035】
エッジ11の内周部12は、振動板8に接着されているため振動板8と一体となって振動する。もう一方の外周部13は、フレーム1に固着されているため変位しない。エッジ11の頂部14は、その厚みが薄いために、剛性が小さく、直線的に伸びている。
【0036】
エッジ11の内外周部12,13は厚くて剛性が高いため、図9の均一厚さの従来のエッジと比べると、振動板8の荷重(変位量に対応する)に対する内外周部12,13の延びが少なく、エッジ11が図9の従来のエッジの様に延びきることはない。過大な駆動電流がボイスコイル10に印加され、過大な荷重が振動板8に作用したときには、エッジ11の内外周部12,13が緩やかに延び、振動板8に対して緩やかな制動がかかる。
【0037】
図3は、エッジ11の内周部12に加わる力(N)に対する該内周部の変位量を示す。図3において、破線(1)は、断面がロール形状であってかつ均一な厚さ0.5mmのゴム製の従来のエッジについて測定された特性曲線であり、一点鎖線(2)は、断面がロール形状であってかつ均一な厚さ1.0mmのゴム製の従来のエッジについて測定された特性曲線であり、実線(3)は、頂部14が厚さ0.5mmであって、内周部12及び外周部13に近づくに従って徐々に厚く、内周部12及び外周部13が厚さ1.0mmとなる本実施形態のゴム製のエッジ11について測定された特性曲線である。
【0038】
均一な厚さ0.5mmの従来のエッジの場合、破線(1)の特性曲線から明らかな様に、力(荷重)10(N)を境に、変位量が急激に変化し、力10(N)以上では、変位量がほぼ一定となり、エッジが突っ張った状態となる。また、均一な厚さ1.0mmの従来のエッジの場合、一点鎖線(2)の特性曲線から明らかな様に、およそ力20(N)以上で変位量がほぼ一定になる。これらの特性曲線の傾きはエッジのスチフネスを表している。破線(1)の特性曲線は傾きが大きく、よってエッジのスチフネスが小さく、振動板の支持系としては適度な値である。これに対して、一点鎖線(2)の特性曲線は傾きが小さく、エッジのスチフネスが大きくて、振動板の支持系としては硬過ぎ、低周波数の音声信号の再生を妨げる。
【0039】
一方、頂部14が厚さ0.5mmであって、内周部12及び外周部13が厚さ1.0mmである本実施形態のゴム製のエッジ11の場合は、実線(3)の特性曲線から明らかな様に、エッジ11の内周部12に加わる力(N)が小さいときには薄くされた頂部14が変形するため、力(N)に対応して変位量が直線的に変化する。また、力(N)が増加するにつれて、厚くされた内周部12及び外周部13近傍部分が徐々に変形するため、力(N)に対する変位量の変化が徐々に緩慢になる。すなわち、力(N)が小さいときには、実線(3)の特性曲線が破線(1)の特性曲線にほぼ一致する。また、力(N)が8(N)〜15(N)の範囲では、実線(3)の特性曲線が破線(1)及び一点鎖線(2)の各特性曲線の中間を示し、力(N)が大きくなる程、力(N)に対する変位量の変化が緩やかになる。
【0040】
従って、力(N)が大きくなると、エッジ11の内周部12の変位が緩やかとなり、エッジ11が急激に突っ張ることはない。また、スチフネスをみると、力(N)が比較的小さいときには、薄くされた頂部14が主に変形するので、スチフネスが小さくて適度な値となり、力(N)が大きくなったときには、厚くされた内周部12及び外周部13近傍部分が主に変形するので、スチフネスが大きくなり、振動板8の支持系としては過大入力に対して硬く、振動板8が動き難くなる。
【0041】
図4は、本実施形態のスピーカのボイスコイル10にドラムのアタック音に対応する駆動電流を印加して、振動板8をZ軸に沿って±10mmまでの振幅で振動させたときのエッジ11の変位をレーザードップラー変位計で測定し、エッジ11の変位の1周期分を示している。図4から明らかな様に、振動板8が±10mmの振幅で振動しても、エッジ11が突っ張らず、エッジ11の形状にゆとりがある。このため、エッジ11が伸び切ることはなく、エッジ11が突っ張ることで起きる異常音は発生しない。
【0042】
以上の様に本実施形態のスピーカのエッジ11は、中央部が薄くなり、内外周部近傍で厚くなるという偏った厚さを持つので、柔らかく変形し易い均一な薄いエッジと、硬くて突っ張り難い均一な厚いエッジの両方の利点を有する。
【0043】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態のスピーカにおけるエッジを示す拡大断面図である。本実施形態のエッジ21は、第1実施形態のエッジ11とは材質が異なるものの、第1実施形態のエッジ11と全く同様の形状を有し、かつ図1に示すスピーカに適用される。
【0044】
本実施形態のエッジ21は、材料として多孔質発泡ゴムを適用したものであり、金型成形によって形成される。
【0045】
このエッジ21が成形される金型内の中空部は、エッジ21の外形と同様の形状を有しており、その断面がロール形状であって、エッジ21の頂部24に対応する箇所が最も薄く、内周部12及び外周部13に対応するそれぞれの箇所で厚くなっている。この中空部内でゴム材料を発泡成形することによってエッジ21を形成する。この発泡成形に際しては、表層が密で内部にいくにつれて発泡倍率が高くなる様にゴム材料の発泡倍率を設定する。
【0046】
この結果、エッジ21は、表層が密で硬く、内部が粗で軽いサンドイッチ構造になり、同重量のゴムシートと比較すると、エッジ21を厚くすることができ、剛性を高くすることができる。さらに、発泡倍率を変えているので、エッジ21の重量、剛性の調節を容易に行うことができ、適度な剛性と粘弾性を設定することができる。これによって、第1実施形態と同様に、振動板8の振動振幅が一定の範囲内では柔らかく変形し易いという利点と、振動振幅が大きくなっても突っ張り難く、異常音(突っ張り音)が発生しないという利点を合わせ持つことができる。また、均一な発泡倍率の発泡ウレタンからなるエッジと比べると、エッジ21の表層が密で硬いため、エッジ21の方が耐候性及び耐湿性に優れ、高温高湿度下でも剛性が変動し難く、スピーカの低音再生特性が安定して維持される。
【0047】
(第3実施形態)
図6(a)は、本発明のスピーカの第3実施形態を示す断面図である。また、図6(b)は、図6(a)のスピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。尚、図6(a),(b)において図1と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付している。
【0048】
本実施形態では、エッジ41は、3個の連続するロール部42,43,44を有する。このエッジ41においては、中央部分で薄く、内周部46及び外周部45に近づくに従って徐々に厚くなっている。外周部45はフレーム1に接着され、内周部46は振動板8に接着されている。
【0049】
本実施形態のエッジ41も、第1及び第2実施形態と同様に、振動板8の振動振幅が一定の範囲内では柔らかく変形し易いという利点と、振動振幅が大きくなっても突っ張り難く、異常音(突っ張り音)が発生しないという利点を合わせ持つ。
【0050】
尚、本実施形態では、エッジ41の厚さを徐々に変化させているが、この代わりに、中央のロール部43だけを薄くし、両外側の各ロール部42,44を厚くしても良い。また、連続するロール部の数が4つ以上であっても構わない。
【0051】
(第4実施形態)
図7(a)は、本発明のスピーカの第4実施形態を示す断面図である。また、図7(b)は、図7(a)のスピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。尚、図7(a),(b)において図1と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付している。
【0052】
本実施形態のエッジ51は、3個の連続する内周側のロール部52、中央のロール部53、及び最外周のロール部54からなる。内外周のロール部52,54の半径は、中央のロール53の半径に比べて小さい。ロール部の半径が小さくなると、振動板8を支持するためのスチフネスが大きくなるため、エッジ51の内周部に作用した力(N)に対する該ロール部の変位量が小さくなる。これは、エッジの厚さを増加したことに相当する。従って、本実施形態のエッジ51においては、中央のロール部53が柔らかくて変形し易く、内外周のロール部52,54が硬くて突っ張り難く、第1乃至第3実施形態と同様に、振動板8の振動振幅が一定の範囲内では柔らかく変形し易いという利点と、振動振幅が大きくなっても突っ張り難く、異常音(突っ張り音)が発生しないという利点を実現することができる。
【0053】
尚、本実施形態のエッジ51の厚さを変化することによって、エッジ51の制動効果と復元力特性の直線性の調整を行うことができる。
【0054】
また、第3実施形態と同様に、エッジ51の中央を薄くし、内周部及び外周部に近づくに従ってエッジ51を徐々に厚くしても良く、これによって制動効果をより一層増大させることができる。
【0055】
尚、本発明は、上記各実施形態に限定されるものなく、多様に変形することができる。図8は、エッジの断面形状の各種変形例を示している。図8(a)のエッジ81は全体に平坦であり、図8(b)のエッジ82は山型であり、図8(c)のエッジ83は連続する凹凸型の2つのロール部83a,83bを有し、図8(d)のエッジ85は台形状であり、図8(e)のエッジ86は連続する2つの波形部86a,86bを有し、図8(f)のエッジ87は連続する3つの波形部87a,87b,87cを有し、図8(g)のエッジ88は中央の凹部88aと内外周の小さな半径の各ロール部88b,88cを有し、図8(h)のエッジ89は中央の凹部89aと内外周の各ロール部89b,89cを有し、図8(i)のエッジ90は中央の凹部90aと内外周の各波形部90b,90cを有する。各エッジ81〜90のいずれも、中央部が薄く、内外周に近づくに従って厚くなっており、振動板の振動振幅が一定の範囲内では柔らかく変形し易いという利点と、振動振幅が大きくなっても突っ張り難く、異常音が発生しないという利点を合わせ持つ。
【0056】
上記各実施形態及び各変形例のエッジを考察すると、いずれのエッジにおいても、エッジの中央の剛性率が小さく、エッジの内外周に近づくに従って剛性率が大きくなっている。従って、この様に剛性率が配分されたエッジは、本発明の範囲に入る。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、エッジの中央近傍で剛性が低く、その内外周近傍で剛性が高くなっている。エッジの中央近傍で剛性が低いため、振動板の振動振幅が一定範囲内であれば、エッジ中央近傍が容易に変形し、ボイスコイルに印加される駆動電流に対する振動板の変位の直線性が保たれる。また、振動板の大振幅時にエッジに大きな引っ張り応力が加わったときには、高い剛性のエッジの内外周の部分によって引っ張り応力が分散されるので、エッジが急激に延びきって突っ張ることがなく、この急激な突っ張りに起因する異常音(突っ張り音)が発生せずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のスピーカの第1実施形態を示す断面図であり、(b)は該スピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。
【図2】第1実施形態のスピーカのエッジの変位状態を示す概略断面図である。
【図3】第1実施形態のスピーカのエッジの内周部に加わる力(N)に対する該内周部の変位量を示すグラフである。
【図4】第1実施形態のスピーカのエッジの変位の1周期分を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態のスピーカにおけるエッジを示す拡大断面図である。
【図6】(a)は本発明のスピーカの第3実施形態を示す断面図であり、(b)は該スピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。
【図7】(a)は本発明のスピーカの第4実施形態を示す断面図であり、(b)は該スピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。
【図8】本発明のスピーカのエッジの各種変形例を示す断面図である。
【図9】(a)は従来の小口径のスピーカの構造例を示す断面図であり、(b)は該スピーカのエッジ近傍を示す拡大断面図である。
【図10】図9の従来のスピーカのエッジの変位状態を示す概略断面図である。
【図11】図9の従来のスピーカのエッジの変位の1周期分を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フレーム
2 センターポール
3 磁石
4 トッププレート
5 空隙
6 ボイスコイルボビン
7 ダンパー
8 振動板
10 ボイスコイル
11 エッジ
Claims (3)
- 振動板と、該振動板を囲むフレームと、該振動板の外周に接合されると共に、該フレームの内周に接合され、該フレームの内側に該振動板を支持するエッジとを備え、
前記エッジは、表層が密であり、内部が多孔質の発泡体から構成され、かつ、前記振動板と前記フレーム間の略中央近傍で薄くされ、前記振動板及び前記フレームに近づくに従って厚くされたスピーカ。 - 前記エッジの断面形状がロール形状である請求項1に記載のスピーカ。
- 振動板と、該振動板を囲むフレームと、該振動板の外周に接合されると共に、該フレームの内周に接合され、該フレームの内側に該振動板を支持するエッジとを備え、
前記エッジは、表層が密であり、内部が多孔質の発泡体から構成され、かつ、前記エッジの剛性率は、前記振動板と前記フレーム間の略中央近傍で小さく、前記振動板及び前記フレームに近づくに従って大きくされたスピーカ。
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