WO2011001498A1 - スピーカ用ダンパ、スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
高コンプライアンスと低コンプライアンスの両立が可能なスピーカ用ダンパを得る。内周部と外周部を有し環状に形成されると共に当該環状の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状に形成された第1及び第2のダンパ(11,12)を備え、第2のダンパ(12)の内周部が第1のダンパ(11)の内周部と外周部の間で第1のダンパ(11)に連結され、第1のダンパ(11)及び第2ダンパ(12)の各外周部を互いに連結することで、第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)との間に環状の空間(S)が形成され、第1のダンパ(11)には、少なくとも第2のダンパ(12)の内周部の連結箇所から第1のダンパ(11)の内周部にかけて周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部(11c)が形成されている。
Description
本発明は、スピーカ用ダンパ、スピーカ装置に関するものである。
スピーカ用ダンパは、環状の部材であって、その内周側にボイスコイルが連結され、その外周側がフレームなどの静止部に連結されて、この静止部にボイスコイルを支持するものである。このスピーカ用ダンパは、ボイスコイルを磁気回路の磁気空間(磁気ギャップ)内に支持して、駆動時にはボイスコイルがその軸方向に振動自在であり、非駆動時にはボイスコイルを磁気空間内の所定位置に保持することが求められる。更に、このスピーカ用ダンパは、ボイスコイルの振動を一軸方向に規制して横揺れ(ローリング)を抑止することが求められ、そのために有効な構造として、ボイスコイルを二重に支持するダブルダンパが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
スピーカ用ダンパは、環状の部材の周方向と交差する方向に弾性伸縮可能な構造を有しており、本来、ボイスコイルの振動に対してスピーカ用ダンパの弾性復元力が逆方向に作用するので、振幅量に応じて大きな負荷がかかり、振幅が抑制されることになる。前述したダブルダンパー構造はボイスコイルの横揺れ抑止効果は高いが振幅時に加わる負荷に関しては1つのダンパの場合に比べて倍増することになり、ボイスコイルの駆動効率が低くなる問題がある。
ボイスコイルの駆動効率を高くするには、スピーカ用ダンパの弾性復元力を低く(柔らかく)すればよい(高コンプライアンス)が、これによると、スピーカ用ダンパと静止部との連結部分の剛性が低下することになるので、スピーカ用ダンパ自体の支持力が低下することになり、ボイスコイルの振動を一軸方向に規制する機能が低下する。また、過剰な振幅に対しての振動抑制力が十分に得られなくなるので、ボイスコイルが過剰な振幅で振動すると、スピーカ用ダンパとボイスコイルの連結部となるダンパの内周部に過大なストレスが作用して、ダンパの剥がれや破れなどの不良が発生する虞がある。ボイスコイルの振動を一軸方向に規制でき、ボイスコイルの過剰な振動を抑制するためには、ダンパの剛性はある程度高くする(低コンプライアンス)必要がある。
一方、スピーカ用ダンパは、ボイスコイルの振幅に伴うダンパの変位が単調増加しないので、リニアリティの高い再生を行い難い問題がある。スピーカ用ダンパの剛性をある程度大きくすると、ボイスコイルが比較的小さい振幅で振動する際にも、ダンパのコンプライアンスが比較的小さいので、リニアリティは低下する。ボイスコイルが比較的小さい振幅で振動する際のリニアリティを高くするには、ダンパのコンプライアンスを比較的大きくする必要があるが、ボイスコイルが比較的大きい振幅で振動する時を考えると、前述したようにダンパの剛性をある程度高くしてコンプライアンスを小さくせざるを得ない。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、高コンプライアンスと低コンプライアンスを両立できるスピーカ用ダンパを得ること、ボイスコイルの振動を一軸方向に規制しながらボイスコイルの駆動効率を向上させること、スピーカ用ダンパの支持力を確保しながら過剰な振動に対しての振動抑制力を得ること、実用振幅領域ではリニアリティの高い再生を可能にしながら大振幅時のダンパの剥がれや破れを抑止すること、などが本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]静止部にボイスコイルを振動自在に支持するスピーカ用ダンパであって、内周部と外周部を有し環状に形成されると共に該環状の部材の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状に形成された第1及び第2のダンパを備え、前記第2のダンパの内周部が前記第1のダンパの内周部と外周部の間で当該第1のダンパに連結され、前記第1のダンパ及び前記第2ダンパの各外周部を互いに連結することで、前記第1のダンパと前記第2のダンパとの間に環状の空間が形成され、前記第1のダンパには、少なくとも前記第2のダンパの内周部の連結箇所から当該第1のダンパの内周部にかけて前記周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部が形成されていることを特徴とするスピーカ用ダンパ。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。本発明の実施形態の説明において、上下は、スピーカ装置の音響放射方向とその逆方向を指している。本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパ(10)は、静止部にボイスコイルを振動自在に支持するスピーカ用ダンパであって、内周部(11a,12a)と外周部(11b,12b)を有し環状に形成されると共に環状の部材の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状に形成された第1及び第2のダンパ(11,12)を備え、第2のダンパ(12)の内周部(12a)が第1のダンパ(11)の内周部(11a)と外周部(11b)の間で第1のダンパ(11)に連結され、第1のダンパ(11)及び第2ダンパ(12)の各外周部(11b,12b)が互いに連結することで、第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)との間に環状の空間(S)が形成され、第1のダンパ(11)には、少なくとも第2のダンパ(12)の内周部(12a)の連結箇所から第1のダンパ(11)の内周部(11a)にかけて周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部(11c)が形成されている。
ここでいう静止部は、ボイスコイルによる振動を支持する部位の総称であって、ボイスコイルやボイスコイルによって振動する振動体は静止部に対して相対的に振動する。ここでの静止部は、それ自体が完全に静止していることを意図するわけではなく、それ全体がボイスコイルの振動の影響を受けて、或いは他の力を受けて、振動又は移動するものであってもよい。
ボイスコイルは音声信号(音声電流)が流れるコイル状の導線であり、スピーカ用ダンパ(10)はこのボイスコイルを直接又は他の部材(ボイスコイル支持部など)を介して静止部に支持している。本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパ(10)は、第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)を備えているが、ダンパは2つのみに限らず、3つ以上のダンパを備えていても良い。少なくとも第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)は環状であって、その内側に内周部(11a,12a)がその外側に外周部(11b,12b)が形成されている。また、第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)は環状の部材の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状に形成されている。ここでいう伸縮とは、ダンパの内周部から外周部までの距離が大きく又は小さくなることをいい、ダンパが変形する場合も含む。また、伸縮可能な形状とは、いわゆるコルゲージョン形状などが含まれる。ボイスコイルの振動によって第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)が伸縮することでボイスコイルの振動が許容される。
第2のダンパ(12)はその内周部(12a)が第1のダンパ(11)の内周部(11a)と外周部(11b)の間の部分に連結している。また、第1のダンパ(11)の外周部(11b)と第2のダンパ(12)の外周部(12b)は互いに連結されている。この際、第1のダンパ(11)と第2のダンパ(12)の間には環状の空間(S)が形成されており、両者は全体が密着した状態にはなっておらず、それぞれが独立に伸縮できる構造になっている。これによって、第1のダンパ(11)が主に働く場合に第2のダンパ12の影響をできるかぎり少なくしている。
そして、第1のダンパ(11)には、少なくとも第2のダンパ(12)の内周部(12a)の連結箇所から第1のダンパ(11)の内周部(11a)にかけて周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部(11c)が形成されている。すなわち、第1のダンパ(11)は第2のダンパ(12)が影響しない内側の部分では複数の湾曲部(11c)が形成されたコンプライアンスの大きい構造を得ることが可能になっている。
以下、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパの一部形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパの部分断面図(中心軸Oの一方側のみを示す部分断面図)である。同図(A),(B),(C)に示す例は、スピーカ用ダンパ10(10A,10B,10C)が第1のダンパ11(11A,11B,11C)と第2のダンパ12(12A,12B,12C)を備えている。第1のダンパ11と第2のダンパ12は環状の部材である。第1のダンパ11はその内周部11aがボイスコイル側にて支持され、その外周部11bが静止部側にて支持される。第2のダンパ12は、その内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間の部分に連結され、その外周部12bが第1のダンパ11の外周部11bに直接又は他の部材(接着剤等)で連結されている。また、第1のダンパ11と第2のダンパ12の間には環状の空間Sが形成されており、第1のダンパ11と第2のダンパ12は連結されている部分以外は個別に伸縮できるようになっている。更に、第1のダンパ11には少なくとも第2のダンパ12の内周部12aの連結箇所から第1のダンパ11の内周部11aにかけて複数の湾曲部11cが形成されている。この湾曲部11cは第1のダンパ11の周方向と交差する方向に伸縮自在な構造になっている。
図1(A),(B),(C)の各例は、同図(A)の例では、第2のダンパ12Aが複数の湾曲部12c(12c1,12c2)を有しており、同図(B),(C)の例では、第2のダンパ12B,12Cが1つの湾曲部12cを有している。また、同図(A)の例では、第2のダンパ12Aの内周部12aは第1のダンパ11Aの凹部で連結されており、同図(B)の例では、第2のダンパ12Bの内周部12aは第1のダンパ11Bの凸部で連結されている。同図(C)の例では、第2のダンパ12Cの内周部12aは第1のダンパ11Cの平坦部で連結されている。
なお、前述の説明で湾曲部とは、断面が円弧状又は波形になっている部分を指し、複数の湾曲部が有るというのは、断面の湾曲頂部が複数有ることを指している。また、この湾曲部は、環状の部材の周方向に沿っては略同形状に形成されており、周方向に垂直な断面では何処でも略同等の湾曲形状又は波形形状になっている。
また、湾曲頂部を有する湾曲部の他の例として、例えば、2つの直線部と、当該2つの直線部が交差して形成される湾曲頂部とで構成されるV字型の形状が挙げられる。さらに、図示の例は湾曲部の中心位置近傍に湾曲頂部は設けられているが、当該中心位置に対して湾曲頂部が内周側又は外周側にずれた位置に設けられる形状が挙げられる。さらに、湾曲部が全体として山なりの形状であれば良く、例えば図1(C)に示される第1のダンパ1Cの平坦部のような、湾曲頂部が平坦に形成された形状が挙げられる。
スピーカ用ダンパ10は、第2のダンパ12の内周部と第1のダンパ11との連結箇所を境界として、内周側の第1のダンパ11と外周側の第2のダンパ12を備えるが、内周側の第1のダンパ11を柔らかく動きやすい形態(高コンプライアンス)にし、外側の第2のダンパ12を第1のダンパ11に対して高い剛性を有する形態(低コンプライアンス)にすることで、以下に示す1つの有効な機能が得られる。
この形態では、実用振幅域(例えば、一般的な音量で音楽を再生しているような使い方で、ボイスコイルの振幅が比較的小さい範囲)では内周側の柔らかい第1のダンパ11が主に動くことになり、第2のダンパ12は第1のダンパ11の外周側での支持を補助する機能を有する。この場合、実用振幅範囲ではボイスコイルの振動に伴う第1のダンパ11の変位が単調増加するので、リニアリティの高い再生が可能になる。
また、スピーカに大きな音声電流が入力された場合など、ボイスコイルの振動が実用振幅域を超えて大振幅域に入ると、内周側の第1のダンパ11が突っ張り始める(伸びきり始める)ので、外周側の第2のダンパ12が徐々に動き始める。この大振幅域ではリニアリティは低下するが、低コンプライアンスの第2のダンパ12が機能して過剰振動に対しての制動がボイスコイルに働き、第1のダンパ11及び第2のダンパ12の外周部11b,12bと静止部との連結箇所の損傷(剥がれや破れなど)を抑止することができる。また、音質面でも聴感上の突っ張り感を和らげることができる(ソフトディストーション)。
このように、スピーカ用ダンパ10は、内周側を第1のダンパ11によって柔らかくして、外周側を第2のダンパ12によって補強することができ、これによって、実用振幅域でボイスコイルを高リニアリティで駆動効率よく振動させることができると共に、最大入力時の大振幅に対しては低コンプライアンスの第2のダンパ12の機能で、第1のダンパに作用する張力を低減する、言い換えれば、第1のダンパの加速度が比較的大きくなることを低減することができる。すなわち、スピーカ用ダンパ10は、リニアリティ向上のための高コンプライアンスと高耐入力の両立が可能になる。従来のダンパはリニアリティ向上のために高コンプライアンスにすると大振幅時の耐強度が低下し、高い耐入力が得られない。
また、スピーカ用ダンパ10の1つの特徴としては、第1のダンパ11の補強として第1のダンパ11の外周側のみに第2のダンパ12を連結していることにある。外周側に連結される低コンプライアンスの第2のダンパ12は、音声電流が大きくなってボイスコイルの振幅が大きくなると、内周側の高コンプライアンスの第1のダンパ11が伸びきってから徐々に伸び始めることになり、スピーカ用ダンパ10とボイスコイル(或いはボイスコイル支持部)との連結部或いはスピーカ用ダンパ10と静止部との連結部での急激な加速度変化による衝撃を和らげることができる。したがって、前述した連結部にかかる機械的な疲労を抑えることができる。
また、スピーカ用ダンパ10は、第2のダンパ12の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間で第1のダンパ11に連結され、第1のダンパ11及び第2ダンパ12の各外周部11b,12bが互いに連結することで、第1のダンパ11と第2のダンパ12との間に環状の空間Sが形成されている。これによって、環状の空間Sによってスピーカ用ダンパ10の捩れ剛性を高め、ボイスコイルの振動を1軸方向に規制する機能を高めることができ、ボイスコイルの横揺れ(ローリング)などを抑制することができる。したがって、高コンプライアンスの第1のダンパ11による駆動効率の向上とボイスコイルの振動を一軸方向に規制することを両立させることができる。
また、環状の空間Sは外部に対して気密な空間であっても、気密でない空間であっても構わない。環状の空間Sが外部に対し気密でない空間を形成するには、例えば、第1のダンパ11及び第2のダンパ12を、通気性を有する部材で構成する、或いは第1のダンパ11又は第2のダンパの一部に通気孔を形成すること等によって、環状の空間Sと外部とを連通させることができる。
第1のダンパ11の形態は、少なくとも第2のダンパ12の内周部12aの連結箇所から第1のダンパ11の内周部11aにかけて周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部11cを有する形態にすることで、高コンプライアンスを実現しやすい形態になる。第1のダンパ11は、内周側11aから外周側11bにかけて1つの部材で連続的に形成することで、製造が容易になり、構造が簡単で低コスト化が可能になる。第1のダンパ11は従来の高コンプライアンスダンパの形態をそのまま採用することができる。
一方、第2のダンパ12は、環状の部材の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状であるダンパ機能を有することが1つの要件となる。したがって、伸縮不能であると共に剛性の補強材を高コンプライアンスダンパの外周側に連結したものとは構成及び機能が異なる。第2のダンパ12は環状の部材の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状であるダンパ機能を有することで、ボイスコイルの振動の大きさによって徐々にダンパ機能が作用することになり、大振幅時の制動が徐々に作用して前述したソフトディストーションを得ることができる。
第2のダンパ12は、図1(A)に示すように、環状の部材の周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部12c(12c1,12c2)が形成される態様でも良いし、図1(B),(C)に示すように、1つの湾曲部12cが形成される態様でも良い。この場合、第2のダンパ12の断面形状は、その内周部12a及び外周部12bより頂部が突出している凸形状に形成されており、図1(A)の例では、第2のダンパ12Aの断面形状は前述した頂部を複数備えている。前述したように第2のダンパ12は低コンプライアンスにすることで1つの利点が得られる。また、図1(A)に示すような、複数の湾曲部12c(12c1,12c2)を形成する場合には、図1(B),(C) に示されるような1つの湾曲部12cを形成する場合と比べて、第2のダンパ12が変形できる長さ(有効長)が比較的大きくなる。そのため、ボイスコイルが比較的大きい振幅で振動した際、第1のダンパに作用する張力は低減されると共に、第2のダンパに作用する張力も低減される。なお、第2のダンパ12が有する複数の湾曲部12c(12c1,12c2)は、外周部側の湾曲部12c2の湾曲径が内周部側の湾曲部12c1の湾曲径より大きくなるように形成することで、有効長を比較的大きくすることができる。
また、第2のダンパ12が有する、外周部側の湾曲部12c2の湾曲径が内周部側の湾曲部12c1の湾曲径より大きくなるように形成することで、より外周側のコンプライアンスを大きくすることができ、適宜、外周側におけるコンプライアンスと内周側のコンプライアンスの大小関係を調整することができる。
また、第2のダンパ12と環状空間Sを形成する第1のダンパ11の外周側の部分は第2のダンパ12との連結で高コンプライアンスを必要としない部分になる。したがって、第1のダンパ11においても、1つの湾曲部11cを変更して、外周部側の湾曲部の湾曲径が内周部側の湾曲部の湾曲径より大きい、複数の湾曲部11cを形成することで、より外周側のコンプライアンスを高くすることが可能である。
第2のダンパ12の内周部12aは、第1のダンパ11の表面形状に沿う形状に形成されている。これによって、湾曲部11cを有する第1のダンパ11の中間部分(一部分)に第2のダンパ12の内周部12aを密着して連結することができる。また、第1のダンパの中間部分と第2のダンパ12の内周部12aとを密着して連結することで、連結部における第1のダンパ11と第2のダンパ12とが互いに連動して、ボイスコイルの振動に対し追随することができる。さらに、第1のダンパの中間部分と第2のダンパ12の内周部12aとを略同じ形状にすることで、連結部全体に応力を均一に作用させることができ、剥がれ等の発生を抑止することができる。図1(A),(B)の例では、第2のダンパ12A,12Bの内周部12aを湾曲状に形成して、これを第1のダンパ11の湾曲部11c上に連結している。図1(C)の例では、第2のダンパ12Cの内周部12aを平坦状にして、これを第1のダンパ11の平坦部上に連結している。
図2は、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパ10(10A,10D,10E)の変形例を示した説明図(部分断面図)である(前述の実施形態と共通する部分は同一符号を付して一部説明を省略する)。同図(A)に示した例は図1(A)に示した例と同様の形態例である。同図(D)に示した例は、同図(A)の例に比べて、第2のダンパ12(12D)の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11a側の位置にある。同図(E)に示した例は、同図(D)に示した例に比べて、第2のダンパ12(12E)の内周部12aが更に第1のダンパ11の内周部11a側の位置にある。同図(D)に示した例は、第2のダンパ12の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間の中央付近に連結されている。同図(E)に示した例は、第2のダンパ12の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間の中央位置より内周部11a側に連結されている。また、同図(A)に示した例は、第2のダンパ11の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間の中央位置より外周部11b側に連結されている。
図2に示す各例のように、第2のダンパ12の内周部12aが第1のダンパ11と連結される位置を変更することで、スピーカ用ダンパ10の性能(スティフネス曲線)を調整することが可能になる。第2のダンパ12の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間の中央位置より外周部11b側に連結されていることで、第1のダンパ11の特性を大きく引き出すことができる。そのため、実用振幅時におけるリニアリティが比較的高くなり、ボイスコイルの振幅範囲を大きくすることができる。また、第1のダンパ11のコンプライアンスを高くすることで、さらに、実用振幅時におけるリニアリティが比較的高くなり、ボイスコイルの振幅範囲を大きくすることができる。第2のダンパ12の内周部12aが第1のダンパ11の内周部11aと外周部11bの間の中央位置より内周部11a側に連結されていることで、ボイスコイルの振動があまり大きくなくても第2のダンパ12が引き伸ばされることになるので、ボイスコイルの振幅が大きくなる途中段階で徐々に第2のダンパ12の低コンプライアンスをダンパ10全体に効かせることができる。
図3は、図2(A),(D),(E)の各例のスティフネス曲線(変位-力曲線)を示している(実線が上振幅、破線が下振幅、力はスピーカ用ダンパ10を伸縮させる力でその絶対値、変位はボイスコイルの振動方向におけるスピーカ用ダンパ10の内周部11aの変位の絶対値)。第2のダンパ12の内周部12aと第1のダンパ11との連結位置を内周側(ボイスコイル側)に寄せるにつれて(図2(A),(D),(E)の順に)、図示の曲線が急峻になる。例えば、低コンプライアンスの領域を例えば20N以上と考えると、その低コンプライアンスの領域に至る振幅(変位)は、図2(E),(D),(A)の順に長くなる。すなわち、第2のダンパ12の内周部12aと第1のダンパ11との連結位置を内周寄り又は外周寄りに調整することで、低コンプライアンスの領域に入る振幅を容易に設定することが可能になる。前述の連結位置を内周側(ボイスコイル側)にずらすと低コンプライアンスの領域に入る振幅を小さくでき、この連結位置を外周側(静止部側)にずらすと低コンプライアンスに入る振幅を大きくできる。低コンプライアンスの領域に入る振幅を小さくすることで、急激な応力変化をより緩和でき、スピーカ用ダンパ10の外周部と静止部(フレームなど)との接着部分に作用するストレスをより軽減することができる。
また、前述した連結位置に合わせて、第1のダンパ11と第2のダンパ12の硬さを調整することで、小入力時(ボイスコイルの振幅が小さい時)と大入力時(ボイスコイルの振幅が大きい時)のスティフネス曲線の変曲点を任意に設定することが可能になる。第1のダンパ11のコンプライアンスを高く(柔らかさを大きく)すれば、小入力時のリニアリティを高めることができ、前述した連結位置をより外側にして第1のダンパ11の有効長さを長く取れば、このコンプライアンスが大きい(柔らかく動く)駆動領域を広げることができる。
図2(A),(D),(E)の各例は、第2のダンパ12にそれぞれ複数の湾曲部12cを設けており、各例では、第2のダンパ12の内周部12aと第1のダンパ11との連結位置が内周側に寄るにしたがって湾曲部12cの数を増やしている。図2(A)に示す例では、湾曲部12c(12c1,12c2)は2個、同図(D)に示す例では、湾曲部12c(12c1,12c2,12c3)は3個、同図(E)に示す例では、湾曲部12c(12c1,12c2,12c3,12c4)は4個設けている。第2のダンパ12の湾曲部12cの数は、第2のダンパ12の幅が大きくなった場合にその伸縮性を確保する上で幅に応じて設けることが有効であり、第2のダンパ12の有効長を適宜調整することができる。
図4は、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパ10(10A,10F,10G)の他の変形例を示した説明図(部分断面図)である(前述の実施形態と共通する部分は同一符号を付して一部説明を省略する)。同図(A)に示した例は図1,2(A)に示した例と同様の形態例である。同図(F)に示した例は、同図(A)の例に比べて、第2のダンパ12(12F)の内周部12aが第2のダンパ12(12F)の外周部12bに対して第2のダンパ12(12F)の湾曲突出側とは逆側に位置する。同図(G)に示した例は、同図(A)に示した例に比べて、第2のダンパ12(12G)の内周部12aが第2のダンパ12(12G)の外周部12bに対して第2のダンパ12(12G)の湾曲突出側に位置する。
図4に示す各例のように、第2のダンパ12の内周部12aの上下位置を変更することで、スピーカ用ダンパ10の性能(スティフネスの上下振動対称性)を調整することが可能になる。ここで、スティフネスの上下振動対称性とは、ボイスコイルが上に振動する時におけるスティフネス曲線と、ボイスコイルが下に振動する時におけるスティフネス曲線との対称性をいう。
第2のダンパ12が第1のダンパ11の上側に連結されて第2のダンパ12が上側に突出することを前提として、第2のダンパ12の内周部12aの位置を上にすると(第2のダンパ12の湾曲突出側にすると)、スティフネスの上下振動対称性が良くなる。第2のダンパ12の内周部12aの位置を下にすると(第2のダンパ12の湾曲突出側と逆側にすると)スティフネスの上下振動非対称性(ボイスコイルが上に振動する時におけるスティフネス曲線と、ボイスコイルが下に振動する時におけるスティフネス曲線との非対称性)が大きくなる。
スピーカ用ダンパ10は、通常上下の動作に非対称性を有するが、異形状の2枚のダンパ(第1のダンパ11と第2のダンパ12)を貼り合わせる構造を採用することで、第1のダンパ11単品の特性上、第1のダンパ11が伸張し過ぎる方向にて制動力を作用させるべく、第2のダンパ12の構造を調整すれば、スティフネスの上下振動非対称性を改善することができる。例えば、図4(G)に示すように、第1のダンパ11に連結される第2のダンパ12の内周部12aの位置を、第1のダンパ11の湾曲部11cの頂部より上に(音響放射側に)することで、スティフネスの上下振動対称性が高い、ボイスコイルの振動を得ることができる。
逆に、スティフネスの上下振動非対称性を利用することで、ボイスコイルの下側振動を抑え、ボイスコイルの下振幅による、磁気回路が有するヨーク等に対する底当たりを抑止することができる。図4(A),(F)に示す例のように、第1のダンパ11に連結される第2のダンパ12の内周部12aの位置を、第1のダンパ11の湾曲部11cと同程度の高さにするか或いは湾曲部11cの頂部より下にすることで、下振幅を抑えることができる。これは、機構上、下振幅を大きく確保できない場合等に適する。
図5は、図4(A),(F),(G)の各例のスティフネス曲線(変位-力曲線)を示している(実線が上振幅、破線が下振幅、力はスピーカ用ダンパ10を伸縮させる力でその絶対値、変位はボイスコイルの振動方向におけるスピーカ用ダンパ10の内周部11aの変位の絶対値)。前述したように、図4(G)に示す例では実線と破線の曲線が近似しており、スティフネスの対称性が得られている。これに対して、図4(A),(F)に示す例では、実線と破線の曲線が離れており、スティフネスの上下振動非対称性が得られている。特に図4(F)の例では、実線(上振動)に対して破線(下振動)が大きく離れており、ボイスコイルの下側の振幅を小さく抑えることができる。
スピーカ用ダンパ10の材質について説明する。スピーカ用ダンパ10は、第2のダンパ12が第1のダンパ11を支えている構造を有するため、ボイスコイルが比較的小さい振幅にて振動する時(実用振幅領域内)の振動系の等価質量に対しては、実質的に第1のダンパ11の質量が大きく影響する。第1のダンパ11を、高いコンプライアンスを備えるダンパにするためには、例えば繊維で構成される不織布や織物等を有する生地を含む繊維系部材など、内部に空隙が形成されて、比較的密度が小さい部材で第1のダンパ11を形成することが好ましい。なお、繊維系部材(生地)として使用する不織布として、例えばニードルパンチによる打ち込み本数が比較的多く面密度が比較的大きいもの、或いは外径が比較的小さい繊維で構成されたもの等を、好適に用いることができる。また、繊維系部材(生地)としての織物については、外径が比較的小さい繊維で構成されたものを好適に用いることができる。このような第1のダンパを用いることで、コンプライアンスが比較的大きい、柔軟なダンパを得ることができる。
第1のダンパ11と第2のダンパ12を共に繊維状部材で形成する場合に、第2のダンパ12を形成する繊維を第1のダンパ11を形成する繊維より太径にすることで、第1のダンパ11と第2のダンパ12のコンプライアンスの違いを得ることができ、第2のダンパ12のコンプライアンスを第1のコンプライアンスより小さくすることができる。また、第1のダンパ11と第2のダンパ12を共に繊維状部材で形成する場合に、第2のダンパ12を形成する繊維の面密度を第1のダンパ11を形成する繊維の面密度より高くすることで、第1のダンパ11と第2のダンパ12のコンプライアンスの違いを得ることができ、例えば、第2のダンパ12のコンプライアンスを第1のコンプライアンスより小さくすることができる。
また、第2のダンパ12の剛性を高めるためには、第2のダンパ12を形成する繊維自体を太い糸で構成された生地を使用するなどして剛性を高くすると共に、更に複数の繊維を接着用樹脂で拘束して、第2のダンパの復元力と剛性を高める。
この場合、第2のダンパ12の質量は付与される接着用樹脂によって比較的大きくなるが、実用振幅域でのスピーカの振動系等価質量にはさほど影響しないため、感度低下(音声電流に対する出力音圧の比率が低下すること)などの弊害は小さい。また、接着用樹脂で繊維を拘束することで、第2のダンパ12に復元力及び破断強度が備わるとともに、接着用樹脂の剛性も第2のダンパ12に付加されて、当該第2のダンパ12の剛性が比較的大きくなる。また、接着用樹脂が持つ弾性力により、第2のダンパ12の復元力を比較的大きくすることもできる。接着用樹脂の種類を選択することで所望の弾性や剛性を第2のダンパ12に付与することができる。具体的には、フェノール系樹脂などの熱硬化性樹脂などを生地に含浸し、含浸比重を調整することで、第2のダンパ12に付与する弾性や剛性を調整できる。また、繊維間で生じるズレや接着用樹脂の内部損失により第2のダンパ12の内部損失を調整すること、加熱された押圧部材で生地を押圧することで接着用樹脂を硬化させると同時に第2のダンパ12の剛性を大きくすること等、ダンパ12の物性を調整することができる。
図6は、スピーカ用ダンパ10の他の形成例を示した説明図である(前述の実施形態と共通する部分は同一符号を付して一部説明を省略する)。ここに示した例では、第2のダンパ12の表面近傍には、樹脂層13が連続的に形成されている。そして、図6(A)に示す例では樹脂層13(13A)は第2のダンパ12上にのみ形成されており、図6(B)に示す例では、樹脂層13(13B)は第2のダンパ12から第1のダンパ11にかけて連続的に形成されている。また、この例では、樹脂層13(13B)は第2のダンパ12と第1のダンパ11との連結部(第2のダンパ12の内周部12a)を覆っている。また、その連結部が湾曲状に形成されている。
第2のダンパ12の表面近傍に樹脂層13を連続的に形成することで、樹脂層13の物理的な性質によって、第2のダンパ12に所望の弾性(ヤング率)と内部損失を付与することができる。また、選択される樹脂層13の材料によっては選択される第2のダンパ12の生地材料よりも高い剛性を第2のダンパ12に付与することもできる。第2のダンパ12上にのみ樹脂層13を形成する場合には、ボイスコイルの大振幅(大入力)時で第2のダンパ12が伸縮する際の振動特性(例えば前述のスティフネス特性)を改善することが可能になる。また、第2のダンパ12から第1のダンパ11にかけて連続的に樹脂層13を形成する場合には、ボイスコイルの振幅が小振幅(小入力)から大振幅(大入力)に移行する、振幅の移行範囲においても、スピーカ用ダンパ10全体の振動特性を改善することが可能になる。特に、第1のダンパ11と第2のダンパ12との連結部を樹脂層13で覆うことで連結部の連結強度を高めることができる。
また、第2のダンパ12を形成する繊維を接着用樹脂で拘束した場合に、この第2のダンパ12の表面近傍に別の樹脂層13を形成することができる。この場合は、主に接着用樹脂が弾性(ヤング率)の調整を担い、表面近傍に形成される樹脂層13は内部損失の調整を担うものを選択することが好ましい。この際、樹脂層13を構成する樹脂材料の内部損失が前述した接着用樹脂の内部損失に対して大きいものを選択する。樹脂層13に内部損失の高いものを採用することで、スピーカ用ダンパ10における不要な振動を抑止でき、ボイスコイルに生じるローリング現象等を抑止できる。また、ボイスコイルの振動がスピーカ用ダンパ10を介して後述するフレームや振動板に伝播し、不要な振動による異音や高調波歪みが生じることを抑止することができる。
図7は、スピーカ用ダンパ10の他の形成例を示した説明図である(前述の実施形態と共通する部分は同一符号を付して一部説明を省略する)。ここに示した例では、第2のダンパ12の内周部12aと第1のダンパ11との連結部を補強した例である。第2のダンパ12の内周部12aと第1のダンパ11の表面とは、接着剤14によって接合することができる。この接着剤14に補強或いは制動機能を持たせることができる。同図(A)の例では、第1のダンパ11の湾曲部の凹部に第2のダンパ12の内周部12aを臨ませ、凹部内を接着剤14で埋めることで連結部を補強している。同図(B)の例では、同様に、第1のダンパ11の湾曲部の凹部に第2のダンパ12の内周部12aを臨ませて凹部内を接着剤14で埋めるが、さらに接着剤14が第2のダンパ12の内周部12aを覆うようにしている。同図(C)の例では、第2のダンパ12の内周部12aの先端と後端で内周部12aと第1のダンパ11の上面との間に接着剤14を介在させている。
図7(D)の例は、第1のダンパ11と第2のダンパ12が連結する連結部の近傍において、第1のダンパ11が段部11dを有している。また、段部11dは剛性を備える点で、平坦な平面形状を有することが好ましい。段部11dを設けることで、連結部近傍におけるスピーカ用ダンパ10の一部分に曲げ剛性を付加させる、言い換えれば変形を抑止することができる。そのため、ボイスコイルが振動して、連結部が変形等により第1のダンパ11と第2のダンパ12との連結が外れることなどを抑止することができ、連結部の接合強度を長期間にわたり維持することができる。また、第2のダンパ12の内周部12aは、音響放射方向に向かって折り返された形状(折り返し部12a1)を有する。第1のダンパ11の段部11dと第2のダンパ12の折り返し部12a1によって両者の位置決めがなされ、また、折り返し部12a1が補強リブとして機能するので連結部の補強にもなる。
また、ボイスコイル30に外部からの音声信号を入力する図示しない錦糸線をダンパ10と振動板3で囲まれる空間内で引き回す場合がある。この時、例えば図7(d)に示されるダンパ10のように、第2のダンパ12の外周側の湾曲部の高さが内周側の湾曲部の高さより低くすることで、錦糸線とダンパ10又は振動板3との間に比較的大きい間隔を設けることができる。そのため、錦糸線と、ダンパ10又は振動板3とが接触することを抑止できる。
また、前述の第2のダンパは複数の湾曲部を備えている一方で、大きい湾曲径である単一の湾曲部を備え、当該単一の湾曲部は、小さい湾曲径である複数の湾曲部を備えていると、言い換えることができる。特に大きい湾曲径の湾曲部の仮想上の湾曲頂部は、例えば図1(A)では、小さい湾曲径の湾曲部の湾曲頂部に対して上方の位置に設けられている。このような湾曲部を第2のダンパ12が備えることで、コンプライアンスを比較的小さくできると共に、有効長を比較的長くすることができる。なお、図1(B)、図1(C)、図2(D)、図2(E)、図4(F)、図4(G)、図6、図7に記載される第2のダンパに関しても同様である。
また、前述の第2のダンパに限定されることなく、大きい湾曲径の湾曲部を複数有する第2のダンパを用いても構わなく、必要に応じて適宜変更することが可能である。
図8は、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパを備えたスピーカ装置を示す説明図(断面図)である。スピーカ装置1は、前述したスピーカ用ダンパ10と、磁気回路20を含む静止部と、ボイスコイル30を含み前述した静止部に支持される振動体とを備える。図示の例では、静止部は、磁気回路20に加えて、この磁気回路を支持するフレーム2を備えている。また、振動体は、前述したボイスコイル30と、ボイスコイル30を支持するボイスコイル支持部(ボイスコイルボビン)31と、内周部がボイスコイル支持部31(又はボイスコイル30)に支持される振動板3と、振動板3の外周部を静止部であるフレーム2に支持するエッジ4とを備えている。図示の例では、振動板3はコーン状であり、中央の開口部にボイスコイル支持部31の外表面が接続されて、開口部を覆うように防塵キャップ5が取り付けられている。
磁気回路20は、図示の例では、磁石21とヨーク22とプレート23とを備えており、ヨーク22の内面とプレート23の外面との間にボイスコイル30が配置される磁気間隙20Gが形成されており、この磁気間隙20Gが、ボイスコイル30の導線と交差する磁力線で構成される磁気空間を形成している。図示の例は、いわゆる内磁型の磁気回路20を示しているが、磁気回路20の形態は特に限定されず、外磁型や内磁型及び外磁型を併用した両磁型などであってもよい。
スピーカ用ダンパ10は、前述したように、第1のダンパ11と第2のダンパ12とを備えており、その内周部がボイスコイル支持部31(又はボイスコイル30)に連結され、その外周部が静止部であるフレーム2に支持されている。より具体的には、スピーカ用ダンパ10の第1のダンパ11の内周部11aがボイスコイル支持部31の外表面に接合され、第1のダンパ11の外周部11bと第2のダンパ12の外周部12bの連結部がフレーム2に接合されている。
このようなスピーカ装置1は、ボイスコイル30に音声信号が入力されると、ボイスコイル30がその中心軸Oに沿って振動し、スピーカ用ダンパ10に支持されるボイスコイル支持部31を振動させる。これによって振動板3及びエッジ4が振動し、音響放射方向SDに向けて音が放射される。
スピーカ装置1は、前述したように、スピーカ用ダンパ10の第1のダンパ11を高いコンプライアンスにして、第2のダンパ12を低いコンプライアンスにすることで、実用振幅域内でボイスコイルの振動がなされる小入力時(小さい音声電流が入力される時)には、第1のダンパ11の高コンプライアンスで動作し、実用振幅域を超える大振動となる大入力時(大きい音声電流が入力される時)には、第2のダンパ12と第1のダンパ11のコンプライアンスが合成された低いコンプライアンスで動作する。
したがって、実用振幅域では第1のダンパ11が主に作用することでリニアリティの高い再生が可能になり、実用振幅域を超える大振幅時には第2のダンパ12が徐々に機能して大振幅に対して適切な制動を与えるので、高耐入力を実現できる。また、ボイスコイル30の横揺れなどに対しては、第2のダンパ12と第1のダンパ11の一部とで形成される環状空間Sによってスピーカ用ダンパ10の捩れ剛性が高められるので、ボイスコイル30の振動を一軸方向に適正規制することができる。これによって、同じ程度の耐入力スピーカと比較するとリニアリティの向上で音質改善が可能になり、同じ程度の高コンプライアンススピーカに対しては大振幅時の破損や横揺れを抑止して信頼性を向上させることができる。
また、スピーカ用ダンパ10は、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部31に接合されている第1のダンパ11の外周部11bと第2のダンパ12の外周部12bの両方がフレーム2に接合されているので、第1のダンパ11と第2のダンパ12の一方の接合面で剥がれが生じてもスピーカ用ダンパ10によるボイスコイル30の支持力は確保でき、スピーカ装置1の破損には至らない。
図8に示すスピーカ装置1は、スピーカ用ダンパ10の内周部近傍に形成される複数の湾曲部のうち、ボイスコイル30側の湾曲部11c1の突出高さが、静止部側の湾曲部の突出高さに対して高く形成されている。また、ボイスコイル30側の湾曲部11c1の有効長が、湾曲部11c1近傍における静止部側の湾曲部の有効長に対して大きく形成されている。これによって、ボイスコイル30が振動した際、スピーカ用ダンパ10とボイスコイル30との連結部に比較的大きな応力が作用することを抑止しつつ、ボイスコイル30の振動に対してスピーカ用ダンパ10の伸縮を追従させることができる。また、ボイスコイル30側の湾曲部11c1の突出高さを比較的大きくすることで、これがボイスコイル30とスピーカ用ダンパ10とを接着する接着剤の液溜部となり、両者の連結部の接合力を高めることができる。
図9~図12は、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパを備えたスピーカ装置の変形例を示す説明図(断面図)である(前述の実施形態と共通する部分は同一符号を付して一部説明を省略する)。
図9に示した例は、スピーカ装置1におけるスピーカ用ダンパ10が、第1のダンパ11の上方に第2のダンパ12が配置され、第1のダンパ11の下方には第3のダンパ15が配置されており、第3のダンパ15の外周部15bが第1のダンパ11の外周部11aと連結し、第3のダンパ15の内周部15aが第1のダンパ11の内周部11aの外側にて、第1のダンパ11と連結している。具体的には、第1のダンパ11の湾曲頂部に対して、第2のダンパ12の仮想上の湾曲頂部は外周側に設けられており、第3のダンパの仮想上の湾曲頂部は内周側に設けられている。また、第1のダンパ11と、第2のダンパ12及び第3のダンパ15との間にて、環状の空間Sが形成されている。
このようにスピーカ用ダンパ10は、複数のダンパ部材によって形成することができる。この例のように第3のダンパ15を追加することで、大振幅時のスピーカ用ダンパ10の挙動を調整するバリエーションを増やすことができる。また、ボイスコイル30の上下振動の対称性或いは非対称性の要求に応じて適宜調整することができる。図示の例では、第1のダンパ11、第2のダンパ12及び第3のダンパ15が互いに異なる断面形状を有している。それぞれの断面形状はボイスコイル30の上下振動の対称性或いは非対称性の要求などに応じて適宜決定される。なお、第1のダンパの湾曲頂部、第2のダンパの仮想上の湾曲頂部、第3のダンパの湾曲頂部は互いに異なる位置に設けても構わないし、互いに近接する位置或いは略同じ位置に設けても構わない。
図10に示した例は、スピーカ用ダンパ10において、第1のダンパ12上に制動材16を塗布又はラミネートして、スピーカ用ダンパ10の共振を抑制した例である。制動材16は、内部損失の高い物質であり、ダンプ剤、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、発泡性の樹脂やSBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、ゴム材など、前述の樹脂で構成される樹脂フィルム、発泡構造を有する樹脂部材を用いることができる。
図11に示した例は、スピーカ装置1がスピーカ用ダンパ10を複数備える。ここでは、ボイスコイル30の振動方向に沿って第1のスピーカ用ダンパ10Xと第2のスピーカ用ダンパ10Yを並列に並べている。第1のスピーカ用ダンパ10Xと第2のスピーカ用ダンパ10Yはそれぞれ、第1のダンパ11X,11Yと第2のダンパ12X,12Yを備えている。また、スピーカ用ダンパ10X,10Yは、ボイスコイル30の振動方向に垂直な平面に対して互いに略対称となるように配置されている。すなわち、図示の例では、上側のスピーカ用ダンパ10Xは第2のダンパ12Xが上側に連結されており、下側のスピーカ用ダンパ10Yは第2のダンパ12Yが下側に連結されている。
このようにスピーカ用ダンパ10を複数配備すると、ボイスコイル30の保持力を高めることができ、横揺れの抑止(振動方向規制の強化)、大振幅時の制動性能の強化、製造工程でスピーカ用ダンパ10に加わる力を複数に分散させ、所定の位置にスピーカ用ダンパ10を配置することができる。スピーカ用ダンパ10X,10Yのフレーム側への取り付けは、図示の例は、他の部材としてのスペーサ部材17を用いて、予めスペーサ部材17に取り付けたスピーカ用ダンパ10X,10Yを一度にフレーム側に取り付けるようにしている。
図12に示した例は、スピーカ用ダンパ10において、第2のダンパ12と対向する第1のダンパ11の一部が、第2のダンパ12の断面形状と略対称となる断面形状を有している。また、第2のダンパ12には、湾曲径が大きい第1の湾曲部と、湾曲径が小さい第2の湾曲部とが隣接して配置されており、第1の湾曲部は湾曲径が小さい第3の湾曲部を複数備えている。また、第1の湾曲部の仮想上の湾曲頂部は、第2の湾曲部の湾曲頂部に対して異なる高さ、即ち音響放射側に設けられており、さらに第3の湾曲部の頂部は第2の湾曲部の湾曲頂部よりも音響放射側に設けられている。
図12に示した例を除く先に示した実施形態では、第2のダンパ12と対向する第1のダンパ11の一部は、第2のダンパ12の断面形状と異なる断面形状を有している。第2のダンパ12の断面形状或いは第2のダンパ12と対向する第1のダンパ11の一部の断面形状は、第1のダンパ11の中心位置に対して略対称な形状(略線対称な形状、略点対称な形状)にすることができ、ボイスコイル30の上下振動の対称性或いは非対称性の要求などに応じて適宜決定される。
図13は、スピーカ用ダンパ10の平面形状の例を示した説明図(概略平面図)である。スピーカ用ダンパ10の平面形状は、1つにはフレーム2の支持部における平面形状に合わせて形成することができる。しかしながら、スピーカ用ダンパ10を構成する第1のダンパ11及び第2のダンパ12の外周部は必ずしもフレーム2と全周で接合されている必要はない。図13に示した例では、スピーカ用ダンパ10の外周部分に接合される第2のダンパ12の平面形状において、その外周部が複数の頂部を有するように形成されている。同図(A)の例では外周部が6角形状になって各頂部でフレーム2に支持されている。同図(B)の例では外周部が6角形状になって各頂部でフレーム2に支持されているが、外周部の各辺が曲線で形成されている。同図(C)の例では外周部が3角形状になって各頂部でフレーム2に支持されている。同図(D)の例では外周部が4角形状になって各頂部でフレーム2に支持されている。このように構成することで、スピーカ用ダンパ10の共振分散効果が得られる。なお、図13(A),(B),(D)は、略線対称な断面形状又は点対称な断面形状を示しており、図13(B)は略点対称な断面形状を示している。
以上のように、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパ10及びスピーカ装置1は高コンプライアンスと低コンプライアンスの両立が可能であり、実用振幅範囲では高リニアリティで高音質を実現でき且つ大音量化にも対応できる。このようなスピーカ装置は各種電子機器や車載用として用いることができる。図14は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備える電子機器を示した説明図である。例えば、フラットパネルディスプレイのような電子機器100が備える被取付部材としての筐体内部にスピーカ装置1を装備できる。
図15は、本発明の実施形態に係るスピーカ用ダンパ10を備えたスピーカ装置1を装備した自動車を示した説明図である。同図に示した自動車101が備えるドアやフロント又はリアトレイ等の被取付部材にスピーカ装置1を取り付けて、車載用オーディオ装置における高音質と耐入力の両立を可能にする。
また、このようなスピーカ装置を備える建築物として、人の居住を用途とする住宅(建築物)や会議、講演会、パーティー等、多数の人数を収容して催しを行うことができるホテル、旅館や研修施設等(建築物)が備える壁や天井などの被取付部材にスピーカ装置1を設置した場合、高音質且つ大音量に対応でき、高品質の音響・映像設備を備えた居住空間を実現できる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
Claims (38)
- 静止部にボイスコイルを振動自在に支持するスピーカ用ダンパであって、
内周部と外周部を有し環状に形成されると共に、該環状の周方向と交差する方向に伸縮可能な形状に形成された第1及び第2のダンパを備え、
前記第2のダンパの内周部が前記第1のダンパの内周部と外周部の間で当該第1のダンパに連結され、前記第1のダンパ及び前記第2ダンパの各外周部を互いに連結することで、前記第1のダンパと前記第2のダンパとの間に環状の空間が形成され、
前記第1のダンパには、少なくとも前記第2のダンパの内周部の連結箇所から当該第1のダンパの内周部にかけて前記周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部が形成されていることを特徴とするスピーカ用ダンパ。 - 前記第2のダンパは、前記第1のダンパに対して高い剛性を有することを特徴とする請求項1記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第1のダンパは、前記内周部から前記外周部にかけて1つの部材で連続的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパは前記周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部が形成されており、
前記第1のダンパ及び前記第2のダンパが有する前記複数の湾曲部は、前記外周部側の前記湾曲部の湾曲径が前記内周部側の前記湾曲部の湾曲径より大きいことを特徴とする請求項3に記載のスピーカ用ダンパ。 - 前記第2のダンパの断面形状は、その内周部及び外周部より頂部が突出している凸形状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの断面形状は、前記頂部を複数備え、
前記第1のダンパは、前記第2のダンパの内周部の連結箇所から当該第1のダンパの外周部にかけて前記周方向と交差する方向に伸縮自在な複数の湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスピーカ用ダンパ。 - 前記第2のダンパの内周部は、前記第1のダンパの表面形状に沿う形状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部は、湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパは、断面形状が略円弧状の形状である第1の湾曲部を備え、前記第1の湾曲部は、当該第1の湾曲部に対して小さい湾曲径を有する複数の第2の湾曲部を備えることを特徴とする請求項8に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部が、前記第1のダンパの内周部と外周部の間の中央位置より前記外周部側に連結されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部が、前記第1のダンパの内周部と外周部の間の中央位置より前記内周部側に連結されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部が、前記第1のダンパの内周部と外周部の間の中央位置付近に連結されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部は当該第2のダンパの外周部に対して当該第2のダンパの湾曲部が突出する側に位置することを特徴とする請求項9に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部は当該第2のダンパの外周部に対して当該第2のダンパの湾曲突出側と逆側に位置することを特徴とする請求項9に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第1及び第2のダンパは共に繊維状部材で形成されており、
前記第2のダンパを形成する繊維が前記第1のダンパを形成する繊維より太径であることを特徴とする請求項2記載のスピーカ用ダンパ。 - 前記第1及び第2のダンパは共に繊維状部材で形成されており、
前記第2のダンパを形成する繊維の面密度が前記第1のダンパを形成する繊維の面密度より高いことを特徴とする請求項2記載のスピーカ用ダンパ。 - 前記第2のダンパを形成する繊維は剛性を有すると共に、複数の前記繊維が接着用樹脂で拘束されていることを特徴とする請求項16記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記接着用樹脂はフェノール系樹脂であることを特徴とする請求項17に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの表面近傍には、樹脂層が連続的に形成されていることを特徴とする請求項2記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記樹脂層は、前記第2のダンパから前記第1のダンパにかけて連続的に形成されていることを特徴とする請求項19に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記樹脂層は、前記第2のダンパと前記第1のダンパとの連結部を覆っていることを特徴とする請求項20記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記連結部は湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項21に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの表面近傍には、樹脂層が連続的に形成されており、前記樹脂層を構成する樹脂材料の内部損失は、前記第2のダンパが有する前記接着用樹脂の内部損失に対して大きいことを特徴とする請求項17に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパと対向する前記第1のダンパの一部は、前記第2のダンパの断面形状と略対称となる断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第1のダンパの上方に前記第2のダンパが配置され、前記第1のダンパの下方には第3のダンパが配置されており、
前記第3のダンパの外周部が前記第1のダンパの外周部と連結し、
前記第3のダンパの内周部が前記第1のダンパの内周部の外側にて、当該第1のダンパと連結していることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用ダンパ。 - 前記第1のダンパ、前記第2のダンパ及び前記第3のダンパが互いに異なる断面形状を有することを特徴とする請求項25に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの平面形状は、その外周部が複数の頂部を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第1のダンパと前記第2のダンパが連結する連結部の近傍において、前記第1のダンパは段部を有することを特徴とする請求項2に記載のスピーカ用ダンパ。
- 前記第2のダンパの内周部は、音響放射方向に向かって折り返された形状を有することを特徴とする請求項28に記載のスピーカ用ダンパ。
- 請求項1に記載されるスピーカ用ダンパと、磁気回路を含む前記静止部と、前記ボイスコイルを含み前記静止部に支持される振動体を備えることを特徴とするスピーカ装置。
- 前記スピーカ用ダンパは、その内周部が前記ボイスコイルに連結され、その外周部が前記静止部に支持されていることを特徴とする請求項30に記載のスピーカ装置。
- 前記スピーカ用ダンパの内周部近傍に形成される複数の前記湾曲部のうち、前記ボイスコイル側の前記湾曲部の突出高さが、前記静止部側の前記湾曲部の突出高さに対して高く形成されていることを特徴とする請求項31記載のスピーカ装置。
- 前記静止部は前記磁気回路を支持するフレームを備え、
前記振動体は、前記ボイスコイルを支持するボイスコイル支持部と、内周部が前記ボイスコイル又は前記ボイスコイル支持部に支持される振動板と、前記振動板の外周部を前記静止部に支持するエッジとを備え、
前記磁気回路は、少なくとも磁石とヨークとを備えて、前記ボイスコイルと交差する磁力線が通過する磁気空間を形成することを特徴とする請求項32記載のスピーカ装置。 - 前記スピーカ用ダンパを複数備えることを特徴とする請求項33記載のスピーカ装置。
- 複数の前記スピーカ用ダンパは、前記ボイスコイルの振動方向に垂直な平面に対して互いに略対称となるように配置されていることを特徴とする請求項34記載のスピーカ装置。
- 請求項30に記載のスピーカ装置と、該スピーカ装置が取り付けられる被取付部材とを備えることを特徴とする自動車。
- 請求項30に記載のスピーカ装置と、該スピーカ装置が取り付けられる被取付部材とを備えることを特徴とする電子機器。
- 請求項30に記載のスピーカ装置と、該スピーカ装置が取り付けられる被取付部材とを備えることを特徴とする建築物。
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