JP4639142B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
このような車載用のスピーカ装置の場合は、車両のドアや天井パネル等の奥行き寸法が限られている部位でもスピーカ装置の組み込みが可能なように、スピーカ装置の薄型化が重要課題とされている。
図1に示すスピーカ装置は、マグネット53を備えた磁気回路33と、磁気回路33を担持したフレーム35と、磁気回路33に対して軸方向移動自在に配置された円筒状のボイスコイルボビン45と、磁気回路33に対峙するようにボイスコイルボビン45に巻回されたボイスコイル46と、駆動方向に沿って配置された振動板41とボイスコイル46の駆動を振動板41に伝える駆動部材42(以下、ドライブコーンという)と、を有し、この振動板41およびドライブコーン42とフレーム35とで囲まれた空間が密閉空間とされ、この密閉空間67内の気体のバネ性により、ボイスコイルボビン45を介して振動系が支持される。51はマグネット53を保持したヨーク、23はスピーカ装置の前面で振動板41の中央部を覆うダストキャップである。
また、特許文献3にはコルゲーションダンパで波形がドライブコーン側に設けられた構成が記載されているが、この構成では、ドライブコーン側の有効振動面積が小さくなるために、空気バネによる支持が硬くなってしまう問題を内在している。
この構成によれば、振動板のエッジの高さを低くできてスピーカ装置の薄型化が図れるだけでなく、エッジの反射が減少し、インピーダンスの乱れを低減することができる。また、エッジの有効長さを長くできて、振動板の振幅に対する余裕ができ、この結果、入力信号のパワーを上げても余裕を持って対応でき歪みの少ない高品位音質を再現することができる。さらに、振幅し易いことから最低共振周波数f0が下がり、特にウーファーやサブウーファーなどの低音再生用のスピーカ装置の音響特性の改善に有用である。
図2は、本発明に係る実施例のスピーカ装置の縦断面図である。なお、本実施例においては左右対称であるのでスピーカ装置の半分の断面図として示す。また、図3は、図2の要部の拡大断面図である。
図2に示すように、本実施例のスピーカ装置30は磁気回路33と、この磁気回路33が後部内壁に取り付けられたフレーム35と、駆動方向に沿って配置された振動板41とボイスコイル46の駆動を振動板41に伝えるドライブコーン42と、円筒状のボイスコイルボビン45に巻回されたボイスコイル46とを備え、振動板41およびドライブコーン42およびフレーム35とで囲まれた密閉空間67内の空気バネによってボイスコイルボビン45を介して振動系を支持する構成となっている。なお、37はスピーカ装置30の中心線である。
このフレーム35には、駆動方向に沿って離れた位置に、振動板41の振動板支持部35cとドライブコーン42の振動板支持部35dがそれぞれ設けられている。
また、熱可塑性樹脂のフィルムに上記構成の補強部材を挟み込んで、熱加圧成形により発泡ウレタンと該補強部材を融着して製造されている。
また、この振動板41の中央部には、ダストキャップ23が貼着装備される。このダストキャップ23は、ボイスコイルボビン45の前方を覆って、磁気ギャップ57への塵埃等の進入を防止する。
なお、本実施例1においては、エッジ高さHは8.5mm、エッジ有効長さは39.59mm、折り返し角度αは60度とし、比較例は、図1のような従来のエッジ構造のスピーカ装置を使用し、エッジ高さHは12.0mm、エッジ有効長さは36.23mmとした。
図6に示すように、比較例のスピーカ装置に比べて実施例1のスピーカ装置の方が、周波数が450Hz〜500Hzの範囲(図中においてXにて示す範囲)においてインピーダンス特性の乱れが少ないことが判る。
図7は、パワーリニアリティの測定結果を示すグラフであり、(a)は実施例1、(b)は比較例の測定結果である。
図4は、本発明に係る実施例2のスピーカ装置におけるエッジ81の拡大断面図である。なお、実施例2における他の構成については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
本実施例2においては、振動板41およびドライブコーン42は、コーン型の振動板であり、振動板41の外周部のエッジ81は、振動板間の密閉空間67の外側(スピーカ装置の前面側)に膨らむ3つの同じ高さH(頂部82b,83b,84の高さが同じ)の山部82,83,84を有する波形エッジとなっている。また、折り返し部のR1はすべて同じ大きさに構成されている。
本実施例2においても、前掲の実施例1と同様の効果を得ることができる。
図5は、本発明に係る実施例3のスピーカ装置におけるエッジ91の拡大断面図である。なお、実施例3における他の構成については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
本実施例3においては、振動板41およびドライブコーン42は、コーン型の振動板であり、振動板41の外周部のエッジ91は、振動板間の密閉空間67の外側(スピーカ装置の前面側)に膨らむ2つの山部92と山部93を有した波形をしている。この両山部92,93は、異なった高さH2(頂部92b)と高さH(頂部93b)に構成され、折り返し部のRの大きさもすべて異なっており、折り返し角度α2、α3、α4についても全て異なった大きさに構成されている。このように、構成されていると、前掲の実施例1,2と同様の効果を得られるだけでなく、山部の大きさの適宜調整ができ、その機能を微妙に変化させる等の設定内容に調整が可能となる。
33 磁気回路
35 フレーム
35c,35d 振動板支持部
41 振動板
42 ドライブコーン(駆動部材)
45 ボイスコイルボビン
57 磁気ギャップ
62 (ドライブコーンの)ロールエッジ
67 密閉空間
71,81,91 エッジ
72,73,82,83,84,92,93 山部
Claims (5)
- 駆動方向に沿って同軸に配置した有効振動面積S1の振動板と有効振動面積S2のドライブコーンとを備え、
前記振動板及び前記ドライブコーンの外周部は、
前記振動板のエッジおよび前記ドライブコーンのエッジを介してフレーム上のそれぞれの支持部に固定されると共に、
前記振動板及び前記ドライブコーンと前記フレームとで囲まれた容積Vの空間が密閉され、
前記振動板と前記ドライブコーンとの有効振動面積差S1−S2を前記容積Vで割った(S1−S2)/Vによって前記空間内の気体によるバネ定数を調整するスピーカ装置において、
前記有効振動面積差S1−S2を小さくして前記バネ定数を小さくするために、前記振動板のエッジの横断面形がスピーカ前面に向かって突出する2個以上の山部を有する波形によって構成されたことを特徴とするスピーカ装置。 - 前記バネ定数を小さくすることにより、最低共振周波数を低くすることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記ドライブコーンの内周部はボイスコイルボビンに固定され、
前記振動板の内周部は前記ドライブコーンに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。 - 前記エッジは発泡ウレタンの内部にメッシュ状の補強部材が設けられた構成であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のスピーカ装置。
- 前記山部の折り返し角度が50度〜65度の範囲に構成されたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のスピーカ装置。
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