JP4735406B2 - スピーカ - Google Patents

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本発明は、スピーカに関するものである。
従来のスピーカは図6に示されるように、磁気回路1Aに可動可能に配置されたボイスコイル体2Aを振動板3Aの内周端に接続し、振動板3Aの外周端を、エッジ4Aを介してフレーム5Aに接続し、さらに、この振動板3Aの裏面をサスペンションホルダ6Aとエッジ7Aを介してフレーム5Aに接続した構造となっていた。またエッジ4A、7Aの突出形状を逆方向とすることによって振動板3Aの上下振幅を上下対称にすることで、スピーカにおける歪みを低減させている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2004−7332号公報
上記図6に示したスピーカは振動板3Aをしっかりと支えるサスペンションホルダ6Aを用いているので、重量が大きくなり、大出力を加える低音用としてはそれもあまり問題となることは少ないが、中高音用としては重量化により、駆動効率が低くなることが問題となる。
そこで、本発明は低歪みのスピーカにおいて、より駆動効率を高めることを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明は、フレームと、このフレームに支持された磁気回路と、この磁気回路に設けられた磁気ギャップに対して可動可能に配置されたボイスコイル体と、外周部が前記フレームに第1のエッジを介して接続され、内周部が前記ボイスコイル体に接続された振動板と、この振動板より前記磁気回路側に設けられ、内周部が前記ボイスコイル体に接続された第1、第2のダンパーと、これら第1、第2のダンパーの外周部をそれぞれ前記フレームに接続した第2、第3のエッジとを備え、前記第2のエッジを、前記振動板側、またはその反対側に突出する構造にするとともに、この第3のエッジは、前記第2のエッジの突出方向とは反対方向の突出構造を有し、前記第1、第2のダンパーと前記第2、第3のエッジで形成する結合体の弾性率を、前記第1のエッジの弾性率よりも大きくし、さらに前記第2のエッジの弾性率は前記第3のエッジの弾性率よりも小さくした構成としたものである。
この構成により、スピーカの歪みを抑制できるとともに軽量化により、駆動効率を向上させることが出来るのである。
以下、本発明の一実施形態について図を用いて説明する。
図1は本発明のスピーカを示す断面図であり、すり鉢状のフレーム5の底部中央に配置された磁気回路1は、円板状マグネット1a、円板状プレート1b、円筒状のヨーク1cを組み合わせて接着することにより形成され、ヨーク1cの側壁部分の内周側面とプレート1bの外周側面間により、磁気回路1における上面側に向けて開口した円筒状の磁気ギャップ8が形成されている。
また、ボイスコイル体2は、円筒状の本体2aの外周部にコイル2bが巻き付けられた構造であり、磁気ギャップ8に対して上下方向に可動可能に配置され、これにより、ボイスコイル体2の上部外周部分に接続された薄皿状の振動板3を振動させる構造となっている。なお、ボイスコイル体2の上端部分には防塵対策としてのダストキャップ9が設けられている。
振動板3はスピーカの発音源となる部分であり、高い剛性と内部損失を両立したパルプおよび樹脂を主な材料としたもので、その外周端部分が上方に突出したエッジ4を介してフレーム5の開口端部分に接続され、また内周端部分がボイスコイル体2の本体2a外周側に接着固定されている。なお、エッジ4は振動板3に可動負荷を加えないよう発泡ウレタン樹脂、発泡ゴム、SBRゴムや布などの材料で形成されている。
ダンパー10a、10bは図1、図2に示すように、その内周端部分がボイスコイル体2の本体2a外周側の振動板3固定部よりも磁気回路1側において所定距離(k)を介して接続され、外周端部分がダンパー10a、10bとは別体のエッジ11a、11bを介してフレーム5に接続されている。
なお、エッジ11a、11bのダンパー10a、10bとは反対側の間には、スペーサーAが介在し、一体化され、この状態でフレーム5に固定されている。
なお、ダンパー10a、10bはリング状の波板構造となっており、ボイスコイル体2の可動に対応して伸縮する構造とするとともに、振動板3に設けられたエッジ4と同様に振動板3に大きな可動負荷を加えないよう発泡ウレタン樹脂、発泡ゴム、SBRゴムや布などの材料で形成されている。前記エッジ11aは、前記振動板3側に、また前記エッジ11bはその反対側に突出する断面半円形状としている。
これらのエッジ11a、11bは、振動板3に大きな可動負荷を加えないよう発泡ウレタン樹脂、発泡ゴム、SBRゴムや布などの材料で形成されている。
なお、これらのエッジ4、11a、11bの弾性率を比較すると、エッジ4の弾性率が一番小さく(軟らかく)、次にエッジ11aの弾性率が小さく(軟らかく)、エッジ11bが弾性率が一番大きい(硬い)状態としており、このようにした理由については後で詳述する(例えばエッジ4とエッジ11aをウレタン樹脂で形成し、またエッジ11bはゴムで形成している。)。
さて、本実施形態のスピーカも、ボイスコイル体2のコイル2bに音声信号を印加すること、磁気ギャップ8の磁界と反応し、ボイスコイル体2が上、下方向に可動し、この可動により振動板3が振動して音が発せられるものである。特に、ダンパー10a、10bの外周端部分にエッジ11a、11bを設けたことによりスピーカの歪みが抑制され、さらにスピーカの駆動効率が高められたものとなっている。
ダンパー10a、10bは、本来、その内、外両端がボイスコイル体2とフレーム5とに接続され、ボイスコイル体2の可動時におけるローリングを抑制するものであり、ボイスコイル体2の可動に追従し易くするためリング状の波板構造とし、弾性をもたせている。
そしてこのようにリング状の波板構造としたことにより、振幅量が小さい時には、ボイスコイル体2の可動に大きな負荷となることは少ないが、ボイスコイル体2の振幅量が大きくなるにしたがって負荷が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、ダンパー10a、10bの外周部を、エッジ11a、11bを介してフレーム5に接続したものであり、この様にすればボイスコイル体2の可動幅が大きくなり、ダンパー10a、10bが負荷となってきた時にエッジ11a、11bに応力が加わり、この応力に応じてエッジ11a、11bが、略断面円形状態から弾性変形することになる。
このため、この様にボイスコイル体2の振幅量が大きくなってきた時にもダンパー10a、10bとエッジ11a、11bとの存在によりその振幅が阻害されにくくなり、駆動効率の低下が抑制されることになる。
本実施形態においては、ボイスコイル体2を、エッジ4と、ダンパー10a、10b・エッジ11a、11bの結合体との、三つの支持体によって上下方向に支持しているが、振動板3の駆動効率を高める為に、最も平面積の大きなエッジ4はその厚さを薄くしてその重量を軽くし、これにより振動板3とエッジ4の重量を軽くし、振動板3の駆動効率を高める構造としている。
しかし、エッジ4を肉薄にするとボイスコイル体2の支持強度が低下するので、その分エッジ11a、11bはエッジ4よりも肉厚にし、これによりボイスコイル体2の支持強度が低下するのを防止している(この結果ダンパー10a、10bおよびエッジ11a、11bで形成する二つの結合体の弾性率は、エッジ4の弾性率よりも大きく(硬く)なっている。)。
以上の構成により、ボイスコイル体2の支持は、ダンパー10a、10b・エッジ11a、11bの二つの結合体による支持が支配的となっているので、振動板3の上下動の歪みを抑制するためには、ダンパー10a、10bとエッジ11a、11bの二つの結合体における上下負荷を、出来るだけ同じ状態にする必要性がある。
そこで、先ずはこの図2に示す実施形態におけるエッジ11bの形状について検討する。
この図2に示す実施形態におけるエッジ11bは、前記振動板3とは反対方向に突出する形状になっているので、図2における下方には変形しやすく、逆に上方、つまり振動板3方向には変形しにくくなっている。
そこで、エッジ11bにおける上記上下方向への変形のしやすさの差を吸収すべく、エッジ11aを設けることとした。
ダンパー10a、10bは良く知られているようにリング状の波板構造となっており、振動板3側に向けて突出する第1の突出部と、この第1の突出部とは反対方向に突出する第2の突出部とをそれぞれ複数有する構造となっており、基本的には上下方向における負荷は略同じものに出来る。
しかしながら、エッジ11bは下方に突出した状態としているので、エッジ11bにおける上下負荷の差(下方に変形しやすい)を吸収すべく、エッジ11aをこのエッジ11bに対向した状態で設けることとした。
この図2に示すごとく本実施形態におけるエッジ11aは、前記振動板3方向に(つまり図の上方)突出する形状になっているので、図2における上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくくなっている。このため、これらのエッジ11a、11bを断面略円形状態に対向させれば、エッジ11a、11bの上下負荷の大きさを略同じ状態にすることが出来る。
これらのエッジ11a、11bについてさらに詳述すると、エッジ11aはエッジ11bよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。その理由は、振動板3の外周端部分をフレーム5に接続したエッジ4が本実施形態では図1のごとく上方に突出した形状になっているので、このエッジ4による負荷の差を考慮しなければならないからである。
エッジ4は上述のごとくその厚さを薄くし、その重量を軽くし、これにより振動板3とエッジ4の重量を軽くし、振動板3の駆動効率を高める構造としているので、上下動についての負荷の大きさはそれ程大きくないが、それでも図1において上方に突出しておれば、やはり上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくく、これが上下動負荷の差として若干ではあるが、出てしまう。
そこで本実施形態では、上述のごとくエッジ11aはエッジ11bよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
つまり、図1、図2においてボイスコイル体2としては、エッジ4、11aの形状による理由で各図の上方には下方へよりは移動しやすく、またエッジ11bの形状による理由で下方へは上方へよりは移動しやすくなっている。そのようなことからすると、エッジ11b一つに対して、エッジ11aとエッジ4をワンセットとして検討する必要があり、そのような理由から、上述のごとくエッジ11aはエッジ11bよりも弾性率を若干小さく(柔らかく)している。この結果、振動板3の上下振幅が上下略対称になって、スピーカにおける歪みを低減させることが出来、しかも平面形状の最も大きなエッジ4を軽量化しているので、中高音用としても、駆動効率の高いスピーカとなる。
なお、このようにダンパー10a、10bを、エッジ11a、11bを介してフレーム5に接続する構成においては、先に述べたようにボイスコイル体2の可動幅がある程度大きくなるまではリング状で波板構造のダンパー10a、10bによりパワーリニアリティの直線性が確保でき、またボイスコイル体2の可動幅が所定以上となりその直線性が確保しにくくなった場合にエッジ11a、11bの弾性によりその直線性を補うものであることから、エッジ11a、11bトータルの弾性率は、ダンパー10a、10bの弾性率より大きく(硬く)設定することが望ましい。
また、ダンパー10aとエッジ11aは、それぞれ異なる弾性率を有し、ボイスコイル体2の可動幅に応じて両者が独立して機能するように設定することが望ましく、ダンパー10aとエッジ11aとの間、より具体的にはダンパー10aとエッジ11aとの接続領域における弾性率を、ダンパー10aおよびエッジ11aの弾性率より大きく(硬く)設定することで両者の独立性を確保するものである。また、ダンパー10bとエッジ11bも、それぞれ異なる弾性率を有し、ボイスコイル体2の可動幅に応じて両者が独立して機能するように設定することが望ましく、ダンパー10bとエッジ11bとの間、より具体的にはダンパー10bとエッジ11bとの接続領域における弾性率を、ダンパー10bおよびエッジ11bの弾性率より大きく(硬く)設定することで両者の独立性を確保するようにしている。
なお、上記ダンパー10a、10bとエッジ11a、11bとの接続領域の弾性率をダンパー10a、10bおよびエッジ11a、11bの弾性率より大きく(硬く)設定するためには、例えばエッジ11a、11bと、ダンパー10a、10bとを接着する接着剤の種類をアクリル系などの硬質接着剤を用いたり、接続領域に補強材料を貼り付けたりする。
図3〜図5はそれぞれ他の実施形態を示しており、図1、図2のダンパー10およびエッジ11a、11bの部分だけを変更したもので、他の部分は図1と同じ状態となっており、これら図3〜図5において、図1、図2と同じ部分には同じ番号を付して、説明を簡略化する。
先ず図3に示す実施形態のものは、図1、図2のエッジ11aに代え、エッジ11cを設けたものである。このエッジ11cは、断面状態で、振動板3側の突出する突出形状を二つ、その反対方向への突出形状を一つ有する波形形状をしている。
また、このエッジ11cも振動板3に大きな可動負荷を加えないよう発泡ウレタン樹脂、発泡ゴム、SBRゴムや布などの材料で形成されている。
この図3に示すごとく本実施形態におけるエッジ11cは、前記振動板3方向(つまり図の上方)に二つの突出形状、反対方向に一つの突出形状を有するので、図3における上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくくなっている。このため、これらのエッジ11b、11cを図3のごとく組み合わせれば、エッジ11b、11cの上下負荷の大きさを略同じ状態にすることが出来る。
これらのエッジ11b、11cについてさらに詳述すると、エッジ11cはエッジ11bよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。その理由は、振動板3の外周端部分をフレーム5に接続したエッジ4が本実施形態でも図3のごとく上方に突出した形状になっているので、このエッジ4による負荷の差を考慮しなければならないからである。
エッジ4は上述のごとくその厚さを薄くし、その重量を軽くし、これにより振動板3とエッジ4の重量を軽くし、振動板3の駆動効率を高める構造としているので、上下動についての負荷の大きさはそれ程大きくないが、それでも図3において上方に突出しておれば、やはり上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくく、これが上下動負荷の差として若干ではあるが、出てしまう。
そこで本実施形態では、上述のごとくエッジ11cはエッジ11bよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
つまり、図3においてボイスコイル体2としては、エッジ4、11cの形状による理由で図3の上方には下方へよりは移動しやすく、またエッジ11bの形状による理由で下方へは上方へよりは移動しやすくなっている。そのようなことからすると、エッジ11b一つに対して、エッジ11cとエッジ4をワンセットとして検討する必要があり、そのような理由から、上述のごとくエッジ11cはエッジ11bよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
この結果、振動板3の上下振幅が上下略対称になって、スピーカにおける歪みを低減させることが出来、しかも平面面積の最も大きなエッジ4を肉薄にし、軽量化しているので、中高音用としても、駆動効率の高いスピーカとなる。
次に図4に示す実施形態のものは、図1、図2のエッジ11bに代え、エッジ11dを設けたものである。このエッジ11dは、断面状態で、振動板3側の突出する突出形状を一つ、その反対方向への突出形状を二つ有する波形形状をしている。
また、このエッジ11dも振動板3に大きな可動負荷を加えないよう発泡ウレタン樹脂、発泡ゴム、SBRゴムや布などの材料で形成されている。
この図4に示すごとく本実施形態におけるエッジ11dは、前記振動板3方向(つまり図の上方)に一つの突出形状、反対方向に二つの突出形状を有するので、図4における下方には変形しやすく、逆に上方には変形しにくくなっている。このため、これらのエッジ11a、11dを図4のごとく組み合わせれば、エッジ11a、11dの上下負荷の大きさを略同じ状態にすることが出来る。
これらのエッジ11a、11dについてさらに詳述すると、エッジ11aはエッジ11dよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。その理由は、振動板3の外周端部分をフレーム5に接続したエッジ4が本実施形態でも図4のごとく上方に突出した形状になっているので、このエッジ4による負荷の差を考慮しなければならないからである。
エッジ4は上述のごとくその厚さを薄くし、その重量を軽くし、これにより振動板3とエッジ4の重量を軽くし、振動板3の駆動効率を高める構造としているので、上下動についての負荷の大きさはそれ程大きくないが、それでも図4において上方に突出しておれば、やはり上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくく、これが上下動負荷の差として若干ではあるが、出てしまう。
そこで本実施形態では、上述のごとくエッジ11aはエッジ11dよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
つまり、図4においてボイスコイル体2としては、エッジ4、11aの形状による理由で各図の上方には下方へよりは移動しやすく、またエッジ11dの形状による理由で下方へは上方へよりは移動しやすくなっている。そのようなことからすると、エッジ11d一つに対して、エッジ11aとエッジ4をワンセットとして検討する必要があり、そのような理由から、上述のごとくエッジ11aはエッジ11dよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
この結果、振動板3の上下振幅が上下略対称になって、スピーカにおける歪みを低減させることが出来、しかも平面積がもっとも大きなエッジ4を軽量化しているので、中高音用としても、駆動効率の高いスピーカとなる。
次に図5に示す実施形態のものは、図1、図2のエッジ11a、11bに代え、図3のエッジ11cと図4のエッジ11dを設けたものである。このエッジ11dは、断面状態で、振動板3側へ突出する突出形状を一つ、その反対方向への突出形状を二つ有する波形形状をしている。またエッジ11cは、上述のごとく断面状態で、振動板3側へ突出する突出形状を二つ、その反対方向への突出形状を一つ有する波形形状をしている。
また、これらのエッジ11c、11dも振動板3に大きな可動負荷を加えないよう発泡ウレタン樹脂、発泡ゴム、SBRゴムや布などの材料で形成されている。
この図5に示すごとく本実施形態におけるエッジ11dは、前記振動板3方向(つまり図の上方)に一つの突出形状、反対方向に二つの突出形状を有するので、図5における下方には変形しやすく、逆に上方には変形しにくくなっている。またエッジ11cは、前記振動板3方向(つまり図の上方)に二つの突出形状、反対方向に一つの突出形状を有するので、図5における上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくくなっている。
このため、これらのエッジ11c、11dを図5のごとく組み合わせれば、エッジ11c、11dの上下負荷の大きさを略同じ状態にすることが出来る。
これらのエッジ11c、11dについてさらに詳述すると、エッジ11cはエッジ11dよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。その理由は、振動板3の外周端部分をフレーム5に接続したエッジ4が本実施形態でも図5のごとく上方に突出した形状になっているので、このエッジ4による負荷の差を考慮しなければならないからである。
平面積の大きなエッジ4は、上述のごとくその厚さを薄くし、その重量を軽くし、これにより振動板3とエッジ4の重量を軽くし、振動板3の駆動効率を高める構造としているので、上下動についての負荷の大きさはそれ程大きくないが、それでも図1において上方に突出しておれば、やはり上方には変形しやすく、逆に下方には変形しにくく、これが上下動負荷の差として若干ではあるが、出てしまう。
そこで本実施形態では、上述のごとくエッジ11cはエッジ11dよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
つまり、図5においてボイスコイル体2としては、エッジ4、11cの形状による理由で図の上方には下方へよりは移動しやすく、またエッジ11dの形状による理由で下方へは上方へよりは移動しやすくなっている。そのようなことからすると、エッジ11d一つに対して、エッジ11cとエッジ4をワンセットとして検討する必要があり、そのような理由から、上述のごとくエッジ11cはエッジ11dよりも弾性率を若干小さく(軟らかく)している。
この結果、振動板3の上下振幅が上下略対称になって、スピーカにおける歪みを低減させることが出来、しかもエッジ4を軽量化しているので、中高音用としても、駆動効率の高いスピーカとなる。
本発明は、スピーカにおいて、スピーカの歪みを低減させることができるとともに、駆動効率を改善することができ、特に中、高域用のスピーカに有用なものとなる。
本発明の一実施形態におけるスピーカの断面図 同要部拡大断面図 本発明の他の実施形態におけるスピーカの断面図 本発明のさらに他の実施形態におけるスピーカの断面図 本発明のさらにまた他の実施形態におけるスピーカの断面図 従来のスピーカの断面図
符号の説明
1 磁気回路
2 ボイスコイル体
3 振動板
4 (第1の)エッジ
5 フレーム
8 磁気ギャップ
10a ダンパー
10b ダンパー
11a エッジ
11b エッジ
11c エッジ
11d エッジ

Claims (3)

  1. フレームと、このフレームに支持された磁気回路と、この磁気回路に設けられた磁気ギャップに対して可動可能に配置されたボイスコイル体と、外周部が前記フレームに第1のエッジを介して接続され、内周部が前記ボイスコイル体に接続された振動板と、この振動板より前記磁気回路側に設けられ、内周部が前記ボイスコイル体に接続された第1、第2のダンパーと、これら第1、第2のダンパーの外周部をそれぞれ前記フレームに接続した第2、第3のエッジとを備え、前記第2のエッジを、前記振動板側、またはその反対側に突出する構造にするとともに、この第3のエッジは、前記第2のエッジの突出方向とは反対方向の突出構造を有し、前記第1、第2のダンパーと前記第2、第3のエッジで形成する結合体の弾性率を、前記第1のエッジの弾性率よりも大きくし、さらに前記第2のエッジの弾性率は前記第3のエッジの弾性率よりも小さくしたスピーカ。
  2. 第2のエッジを発泡樹脂で形成し、第3のエッジはゴム材料により形成した請求項に記載のスピーカ。
  3. 第1のエッジと第2のエッジをウレタン樹脂で形成するとともに、第1のエッジは第2のエッジよりも弾性率を小さくした請求項に記載のスピーカ。
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