JPH10507873A - 電気エネルギーの化学的源泉のための電極の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、電気技術に関するものであり、電気エネルギーの化学的源泉のための電極の金属被覆された繊維状高分子基材を製造のための応用を見いだした。この発明の目的は、従来の化学的被覆において使用されていたパラジウムと錫をより安価な物質に替えることである。この目的は、カチオン交換容量０.５〜６ｍ−ｅｑ／ｇのカチオン交換性材料を使用し、金属被覆の前にニッケルイオンを飽和させ、金属被覆の後ではアルカリ金属ボロンハイドライドの水溶液で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】 電気エネルギーの化学的源泉のための電極の製造方法技術分野 本発明は総合すると、電気エネルギーの化学的源泉のための電極、とくに蓄電 器の電極を製造する方法に関するものである。さらに詳細には、本発明は基材と して高分子材料を有する電極を製造する方法に関するものである。本発明はまた 、ここに提案された方法を使用して製造された電極も包含するものである。背景技術 現在の技術状態においては高分子を基材とした電気エネルギーの化学的源泉は 知られている。フランス国特許出願第2,472,842号はその例示として引用される 。この出願によれば、電極は金属被覆基材の上に活性物質が沈着されたものから 製造される。 ＦＲＧ特許第4,994,106号（1991年）に開示されているそのような公知の電極 製造方法は、高分子材料、とくにポリオレフィン繊維から製造された不織布を、 錫とパラジウムを含有する溶液中で活性化し、次いでこの基材を化学的および電 気的メッキによりニッケルで被覆することからなる。 しかしながら、上記のような高分子基材の電極を製造する方法にはいろいろの 欠点がある。すなわち、繊維質のポリマー材料を活性化するために、比較的高価 なパラジウムを大量に使用することに起因する。 さらに、このように予備処理された材料の上に金属被覆を続けて形成すること は、パラジウム粒子をポリマー表面から金属被覆の中に透過させやすく、結果的 にこれを分解するおそれがある。発明の開示 本発明の主たる目的は、高価な材料を使用する必要のない、ポリマーを基材と した電極を製造する新規な方法を提供するものである。 上記の目的は、本発明によって初めて提案されるカチオン交換性繊維材料を使 用することによって達成される。これにより、あとで基材が被覆されるニッケル と同じ金属のイオンで飽和することにより、表面を活性化することが可能になっ た。 本発明による電極を製造する方法は次のとおりである。０.５〜６.０ｍｇ−ｅ ｑ／ｇのカチオン交換容量を有する繊維質ポリマー材料を使用する。この材料は 事前に重炭酸ナトリウムの溶液で処理しておいてもよい。 ニッケルイオンの源泉としては硫酸ニッケルの溶液を使用してもよい。ここで は、ポリマー材料はそれがニッケルイオンで飽和されるに十分の時間まで維持さ れる。それから、このニッケルイオンで処理された材料は、０.１〜１.２ｇ／ｌ の濃度のアルカリ金属の水素化ホウ素の水性溶中で、１５〜７０℃で、０.５〜 ３０分で処理され。その結果、吸収されたニッケルは還元される。 そして、このように処理された材料は、通常の化学的および電気メッキ処理に よりニッケルで被覆される。発明の例示的形態 本発明のエッセンスを、以下の例示的態様により説明する。 実施例 １ 使用された繊維状ポリマーカチオン交換性材料は不織布を針侵入したフェルト であって、素材は放射線グラフトしたポリプロピレンで、イオン交換容量はニッ ケルに関して５ｍｇ−ｅｑ／ｇ、繊維径は３６ｍｃｍ、気孔率８７％、および厚 さ５ｍｍである。上記の材料は、重炭酸ナトリウムの２％水溶液に１時間浸漬さ れ、脱イオン水で洗浄し、次いで、硫酸ニッケルの３％溶液で半時間処理するこ とにより、ニッケルイオンで飽和した。このニッケル飽和された材料をもう一度 洗浄し、ナトリウムボロンハイドライドの０.５ｇ／ｌ濃度の溶液で、３０℃で １５分間処理した。 上記のようにして処理した後では、材料は暗褐色に変わった。このようにして 活性化された材料は、次の組成を有する溶液中で、室温で化学的にニッケル被覆 された。 硫酸ニッケル ５０ ｇ／ｌ 塩化アンモニウム ３５ ｇ／ｌ ナトリウムハイポホスファイト ４０ ｇ／ｌ アンモニア ｐＨ＝９ まで その後で、材料は、標準のワット（watts）電気メッキ槽中で、ニッケル含量 が０.５ｇ／ｃｍ³になるまでニッケルメッキされた。このようにして得られた電 極基材の特性を以下の表に示す。 比較のために、表にはまたノレスケ（Norreske）により電極として使用される 材料の特性も併記する。 上記の表から分かるように、主要なそして最も重要な電極特性によれば、本発 明により製造される基材は、ノレスケにより得られる電極基材に非常に近いこと が分かる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ステパノフ、アレクセイ・ボリソヴィッチ ロシア連邦、410017 サラトフ、ウリツ ァ・レルモントヴァ、ドム 29、クヴァル ティラ ９ (72)発明者 メヌーコフ、ウラディミール・ヴァシリー ヴィッチ ロシア連邦、410015 サラトフ、ウリツ ァ・オルドゴニキドゼ、ドム 12エイ、ク ヴァルティラ 140

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．繊維状高分子材料が電極基材として使用され、その表面は活性化され、次 いでニッケルで被覆される電気エネルギーの化学的源泉のための電極の製造方法 において、該電極基材はカチオン交換性繊維状高分子材料であり、その表面はニ ッケルイオンで飽和することによって活性化されることを特徴とする製造方法。 ２．カチオン交換容量０.５〜６.０ｍｇ−ｅｑ／ｇのカチオン交換性繊維状高 分子材料を使用することを特徴とする、請求の範囲第１項に記載の製造方法。 ３．高分子材料をニッケルイオンで飽和するために、該材料が硫酸ニッケル溶 液中に保持されることを特徴とする、請求の範囲第２項に記載の製造方法。 ４．高分子材料を硫酸ニッケル溶液に入れる前に、該高分子材料を重炭酸ナト リウムの水溶液中に保持し、脱イオン水で洗浄することを特徴とする、請求の範 囲第１項ないし第３項のいずれか１項に記載の製造方法。 ５．ニッケルイオンで活性化された高分子材料がアルカリ金属のボロンハイド ライド溶液で処理されることを特徴とする、請求の範囲第１項ないし第４項のい ずれか１項に記載の製造方法。 ６．ニッケルイオンで飽和された高分子材料が、０.１〜１.２ｇ／ｌの濃度の ナトリウムボロンハイドライドの水溶液で、１５〜７０℃で０.５〜３０.０分間 処理されることを特徴とする、請求の範囲第５項に記載の製造方法。 ７．請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項に記載の製造方法により製 造された、電気エネルギーの化学的源泉のための電極。 ８．請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項に記載の製造方法により製 造された少なくとも１つの電極を有する、電気エネルギーの化学的源泉。