JPH10507698A - サーマルプリンタのための加熱制御 - Google Patents

サーマルプリンタのための加熱制御

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JPH10507698A JP8508890A JP50889096A JPH10507698A JP H10507698 A JPH10507698 A JP H10507698A JP 8508890 A JP8508890 A JP 8508890A JP 50889096 A JP50889096 A JP 50889096A JP H10507698 A JPH10507698 A JP H10507698A
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Abstract

(57)【要約】 サーマルプリンタは、ドットを印刷する複数の加熱素子を有するサーマルプリントヘッド(50)を含む。駆動パルスのソース(300)は、各々の加熱素子を動作させる。各駆動パルスは、調整されて駆動パルスの第1および第2の期間を提供し、それにより各加熱素子に選択的にエネルギーを与える。第1および第2の期間は、選択されたエネルギーレベルを規定する。メモリ(302)は、調整された駆動パルスを格納し且つ各々の調整された駆動パルスを各加熱素子に供給する。測定回路(310)は、各加熱素子の加熱因子を測定し且つ各々の測定された加熱因子に基づいて各加熱素子用の補正因子を提供する。補正因子は、各駆動パルスと組み合わされることにより第1および第2の期間を変更し、それにより加熱素子の加熱因子の差によるドットのばらつきを減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】 サーマルプリンタのための加熱制御 発明の背景 本発明は、サーマルプリンタのための制御、特にサーマルプリンタの加熱素子 に供給される駆動電流の制御に関する。 サーマルプリンタは、媒体上にイメージを形成するために熱エネルギーを用い る。概して、このようなプリンタは、媒体のイメージ特性を変更するために媒体 に熱エネルギーを付与するか、またはインクを媒体に転写するためにホットメル トワックスインクリボンに熱エネルギーを与えるかのいずれかにより動作する。 これらのプリンタは、媒体の幅方向に延び且つ媒体上の各画素位置用の加熱素子 を有する静止ヘッドを特徴とする。加熱素子の数は、プリンタの解像度(印刷の 各行方向の、1インチ当たりのドット数またはdpi)とプリンタキャリッジの幅 とに依存する。サーマルプリンタは通常、多くの加熱素子を有し、数千〜数万個 も有する場合も多い。 媒体上に形成される画素(ピクセル)は、そのサイズが部分的に、対応する加 熱素子により与えられる熱の量に依存する、バイナリエレメント(フルトーンま たはノートーン)であってもよい。また、媒体上に形成されるピクセルは、その 強度が部分的に、対応する加熱素子により与えられる熱の量に依存する、コント ーンエレメント(ノートーンからフルトーンまでの範囲内でのグラデーション) であってもよい。いずれの場合も、加熱素子により与えられる熱の量は、部分的 に、加熱素子に供給される駆動電流の量、加熱素子の抵抗値、電流サイクルの開 始時における加熱素子の周囲温度、および隣接する加熱素子の温度に依存する。 多くのサーマルプリンタは、隣接する加熱素子により発生する熱による影響を克 服する、または少なくとも減少させるために、制御装置を用いている。 Lawrence J.Lukis、J.Mark Gilbert、およびDanny J.Vatlandにより、1994 年8月31日こ出願され且つ本発明と同一の譲受人に譲渡された、米国特許出願第 08/298,936号 "Method and Apparatus for Controlling a Thermal Print Head" において、サーマルプリントヘッドの加熱素子に対する内部スイッチを制御する ことによりサーマルプリントヘッドの駆動電流の印加を制御するために熱イメー ジデータを作成する技術が記載されている。Lukisらの出願は、加熱素子の周囲 温度と隣接する加熱素子間の熱的相互作用とを考慮しながら、選択された加熱素 子により必要なバイナリイメージサイズを生成するためにヘッドの加熱素子用の 駆動電流信号を生成することを記載している。Lukisらの出願に記載された発明 の好適な形態において、駆動電流(複数)は同時に終了するために右端または終 了時に揃えられている(right or end justified)が、電流パルスの開始時は特 定の素子にエネルギーが与えられる時間の長さに依存して変動する。 サーマルプリントヘッドの製造における誤差(熱的駆動されるインクジェッ トプリンタの製造における誤差をも含む)の結果、素子の抵抗値が±15%も変化 することが知られている。さらに使用時、加熱素子は熱的に劣化し、それにより 加熱素子の抵抗値を変化(通常増加)させ得る。従って、加熱素子の抵抗値の範 囲は、製造時の誤差および様々な加熱素子が劣化する様式に依存して、30%以上 であり得る。熱的劣化は、通常抵抗値を増加させ、それにより与えられた印加電 圧値に対して加熱素子が発生させる熱量が減少して印刷イメージの質を劣化させ 且つヘッドの寿命を短縮する。そのため、プリントヘッドは、意図されたよりも 小さい(バイナリ印刷の場合)または弱い(コントーン印刷の場合)ドットを生 成し得る。従って、特に製造時の誤差による抵抗値の相違を補償するために、補 償技術を用いることが一般的である。 加熱素子の抵抗値は、素子の負荷電流の関数として測定される。しかし、サー マルプリントヘッドのリーク電流が与えられた加熱素子の負荷電流の正確な測定 を妨害し、それにより抵抗値の測定を不正確なものとする。 発明の要旨 本発明の第1局面において、サーマルプリンタはドットを印刷する複数の加熱 素子を有するプリントヘッドを含む。駆動パルス源は、駆動パルスの第1部分に おいてそれぞれの加熱素子にエネルギーを与え、駆動パルスの第2部分において それぞれの加熱素子にエネルギーを与えないよう、それぞれの加熱素子を操作す る。測定回路はそれぞれの加熱素子の加熱因子を測定し、メモリは、測定された それぞれの加熱因子に基づくそれぞれの加熱素子の補正因子を格納する。補正因 子はそれぞれの駆動パルスを調整するために用いられて、加熱素子の加熱因子の 差異によるドットサイズのばらつきを減らすよう、第1および第2期間を変更す る。 本発明の第2局面において、サーマルプリンタは、ドットを印刷する複数の加 熱素子を有するプリントヘッドを含む。駆動パルス源はそれぞれの加熱素子を操 作し、それによって、各駆動パルスは、それぞれの加熱素子にエネルギーが与え られる駆動パルスの第1期間と、それぞれの加熱素子にエネルギーが与えられな い駆動パルスの第2期間とを提供するように調整される。この第1期間と第2期 間は、選択されたエネルギーレベルを規定する。メモリは調整された駆動パルス を格納する。メモリは加熱素子に接続されて、調整されたそれぞれの駆動パルス をそれぞれの加熱素子に供給する。 本発明の第2局面において、プリンターは、各加熱素子の加熱因子を測定する 測定回路を随意に含んでもよい。メモリは、測定されたそれぞれの加熱因子に基 づく各加熱素子用の補正因子を格納する。補正因子はそれぞれの駆動パルスを調 整するために用いられて、加熱素子の加熱因子の差異によるドット特性のばらつ きを減らすよう、第1および第2期間を変更する。補正因子を格納するメモリは 、調整された駆動パルスを格納するメモリと同じメモリであてもよいし、別のメ モリであってもよい。 本発明のさらに別の局面によると、測定装置は選択された加熱素子の抵抗を測 定する。その測定装置はキャパシタなどの電荷蓄積装置を含む。第1の充電回路 は、すべての加熱素子のリーク電流を表す電荷で電荷蓄積装置を充電する。第2 の充電回路は、選択された加熱素子の負荷電流とすべての加熱素子のリーク電流 とを表す信号を電荷蓄積装置に供給する。電荷蓄積装置に接続された出力回路は 、負荷電流を表す出力信号を供給する。 本発明のさらに別の局面によると、サーマルプリントヘッドの選択された加熱 素子の抵抗は、サーマルプリントヘッドを電源から切り離すことによって測定さ れる。電荷蓄積装置を有する測定回路は、サーマルプリントヘッドに接続される 。 測定電圧源は、選択された加熱素子を動作させない間にサーマルプリントヘッド に供給され、それによって、測定電圧とサーマルプリントヘッドのリーク電流と を表す電荷で電荷蓄積装置を充電する。その後、選択された加熱素子は、測定電 圧源によって動作し、電荷蓄積装置の電圧を、選択された加熱素子の負荷電流を 表す量だけ変化させる。電荷蓄積装置の電圧の変化を表す信号が、メモリテーブ ルなどに出力される。 本発明のさらに別の局面によると、サーマルプリンタは、抵抗性をもつ複数の 加熱素子を有するサーマルプリントヘッドと、加熱素子に負荷電流を供給するパ ワーサプライとを有する。スイッチは、パワーサプライをサーマルプリントヘッ ドに選択的に接続する。測定回路は測定信号を供給し、サーマルプリントヘッド に接続され、且つサーマルプリントヘッドに測定信号を供給する出力を有する。 測定回路は、スイッチがパワーサプライをサーマルプリントヘッドに接続すると き、信号回路がパワーサプライからの電流をシンクする(sink)ことを防ぐ防止 手段を含む。感知回路は信号回路に接続され、スイッチがパワーサプライをサー マルプリントヘッドから切り離すとき、サーマルプリントヘッドを通る電流を測 定する。 図面の簡単な説明 図1は、サーマルプリンタのブロック図である。 図2は、本発明によるプリントヘッド駆動制御装置のブロック図である。 図3は、メモリ構造を説明する際に有用なメモリ内のデータ配置を表す図であ る。 図4は、本発明のプリントヘッド駆動制御装置において用いられるメモリ構造 を示す図である。 図5は、サーマルプリントヘッドの加熱素子の抵抗値を測定する抵抗測定回路 の回路図である。 好適な実施形態の詳細な説明 図1は、サーマルプリンタのサーマルプリントヘッド50の加熱素子を駆動する 制御システム100のブロック図である。プリンタは、熱の存在下においてイメー ジ特性を変化させる媒体を用いるタイプであってもよいし、インクを媒体に転写 するためにホットメルトワックスインクリボンを用いるタイプであってもよい。 ホスト102は、原イメージデータを生成する1以上のソフトウェアアプリケーシ ョンが動作するコンピュータまたは他のプロセッサである。ホスト102はまた、 ビデオカメラまたはスキャナなどの従来の撮像装置であってもよい。ホスト102 からのイメージは、磁気ディスクドライブなどの格納装置104に転送される。格 納装置104は、原イメージを表す階調を、規則的な間隔を有する、ノートーンか ら中間階調を経てフルトーンまでの範囲の連続したトーンとして受け取る。ある いは、原イメージを、格納装置104に格納される中間階調イメージに変換するた めに、インタプリタを設けることもできる。プロセッサ106は、格納装置104から 階調イメージデータを受け取って、適切な駆動制御信号をプリントヘッド駆動制 御装置112に供給する。プロセッサ106は、ルックアップテーブル108を用いて、 サーマルプリントヘッド50内の各加熱素子用の駆動エネルギーまたは駆動レベル を生成する。これらの駆動信号は、サーマルプリントヘッド50の各加熱素子に、 駆動エネルギーを表すゲート信号を供給するために、駆動信号を処理するプリン トヘッド駆動制御装置112に供給される。プロセッサ106は、メモリテーブル324 に格納されたディジタル変換された抵抗測定データを用いて、抵抗補償データに 応じて駆動電流パルスを調整し、それにより各加熱素子用の最終駆動電流パルス 信号を作成する。 プリントヘッド駆動制御装置112は、サーマルプリントヘッド50の加熱素子の うちの選択された加熱素子をノード316に接続するために、サーマルプリントヘ ッド50内の内部スイッチ(図示せず)にゲート信号または駆動信号を供給する。 パワーサプライ345は、スイッチネットワーク342を介してノード316に接続され ている。スイッチネットワーク342は、以下に述べる目的のために、ノード343を 介して、プリントヘッド駆動制御装置112から制御されている。サーマルプリン トヘッド50のスイッチは、各加熱素子をノード316および(動作モードにおいて )パワーサプライ345に接続し、それにより各加熱素子にエネルギーを与えるた めに、当該分野でよく知られた様式で且つプリントヘッド駆動制御装置112か らの駆動信号の制御下において動作する。抵抗測定回路310は、ノード316に接続 された出力を有しており、テスト中の加熱素子の抵抗値を測定する。抵抗測定回 路310はまた、ノード320および326を介してアナログ/ディジタル(A/D)変換器32 2に接続された出力を有しており、ディジタル変換された抵抗測定データをメモ リテーブル324に供給する。抵抗測定回路310は、ノード312を介してパワーサプ ライ345により電力を与えられる。 好適な一実施形態において、プロセッサ106、格納装置104、およびルックアッ プテーブル108の詳細が上記Lukisらの出願に記載されており、上記Lukisらの出 願を参考のためここに援用する。プリントヘッド駆動制御装置112に入力される 駆動制御信号の生成の完全な理解のために、その出願の開示内容を参照すべきで ある。プリントヘッド駆動制御装置112および抵抗測定回路310の詳細を、スイッ チネットワーク342、パワーサプライ345、A/D変換器322およびメモリテーブル32 4との関係と共に、以下に述べる。しかし、まずプリントヘッド駆動制御装置112 に入力される駆動制御信号の性質を理解することが有用である。 本発明を、バイナリ印刷、すなわち、トーンまたはノートーンを有するドット の印刷であって、且つそのサイズおよび配置が原イメージにより忠実なバイナリ 出力イメージを生成する印刷、に関連づけて説明する。ドットのサイズは、ドッ トを形成するエネルギー量に依存し、そのことは加熱素子に対する駆動電流量、 加熱素子の熱的特性、および隣接する加熱素子の温度の影響により影響を受ける 。 上記Lukisらの出願に記載の装置において、加熱素子に対する駆動信号は、好 適には右端または終了時に揃えられている。すなわち、駆動信号は、駆動信号の デューティまたは加熱サイクル中の様々な時点で各加熱素子にエネルギーを与え 始めるが(加熱素子に印加されるエネルギー量に基づく)、駆動信号は全てサイ クルの終了時に同時に終了する。本発明をLukisらの出願におけるように右端ま たは終了時に揃えられた信号と関連づけて説明するが、本発明は、先行技術のよ うに左端または開始時に揃えられた(left or start justified)駆動信号を用 いた印刷、あるいは重複した又は他の関係に従わない駆動信号を用いた印刷など の、バイナリ印刷の他の形態にも均等に適用可能である。さらに、本発明はまた 、トーンのイリュージョンがドットの位置および/またはサイズにより生成され る ハーフトーン印刷、そしてトーンがドットの強度によって生成されるコントーン 印刷にも適用可能である。 Lukisらの出願に記載の駆動信号は、一連の、バイナリの0または1として割 り当てられ、連続した期間に調整することができる(このような100の期間に調 整することが好適な一実施形態である)駆動パルスである。従って、駆動信号は 、連続する100ビットを含む。バイナリの0が加熱素子に対するエネルギーの付 与の「オフ」状態を表す場合、与えられた加熱素子に対する典型的なデューティ または加熱サイクルは、バイナリの0から始まり且つ連続する100ビットの期間 内のある時点でバイナリの1に変化する、100ビットの駆動信号により表される 。従って、50%のエネルギー付与レベルを有する駆動信号は、50のバイナリの0 とそれに続く50のバイナリの1とを有する。他方、20%のエネルギー付与レベル を有する駆動信号は、80のバイナリの0とそれに続く20のバイナリの1とを有す る。駆動信号のデューティサイクルは、期間固定型である。 図2は、本発明によるプリントヘッド駆動制御装置112のブロック図である。 プリントヘッド駆動制御装置は、入力がプロセッサ106(図1)の出力に接続さ れ且つ出力がランダムアクセスメモリ(RAM)302の入力に接続された、ファースト インファーストアウト(FIFO)レジスタ300を含む。RAM302の出力は、電圧制御回 路304に入力され、電圧制御回路304の出力は、サーマルプリンタのサーマルプリ ントヘッド50の各加熱素子にパワーサプライ345(図1)からの電流を印加する ために用いられるサーマルプリントヘッド内の内部スイッチ(図示せず)の各々 に直接接続される。 上記したように、加熱素子に印加された駆動パルスは様々なエネルギー付与期 間を有し、その期間内に電流が各加熱素子に供給されてイメージを形成する。媒 体上の与えられた位置の与えられたドットのサイズは、ドット位置に隣接し且つ ドット位置の周囲にある加熱素子に供給される駆動電流に依存し、従って、各加 熱素子に対するエネルギー付与期間に依存する。また上記のように、各加熱素子 用の駆動信号の調整は、与えられた行のための加熱素子に供給されるべきエネル ギーを表す、例えば100の別々のセグメントまたはパス(pass)に対して、プロ セッサ106によって決定される。100のパスまたはセグメントは各々、そのパス用 に加熱素子に供給されるべきエネルギーレベルを表すバイナリ信号からなる。上 記のLukisらの出願において説明されている理由により、エネルギー付与の終わ りは、好適には、加熱素子に対するエネルギー付与開始時(初期エネルギー付与 パス)が加熱素子の駆動専用のデューティサイクルの量に基づいて変動するよう に、駆動信号のデューティサイクル(またはパルスサイクル)の終了時にある。 しかし、エネルギー付与の終了時は、全加熱素子において、デューティサイクル の終了時と一致する。従って、デューティサイクルは2つの期間、すなわち、各 加熱素子にエネルギーが与えられないバイナリの0の第1の期間と、それに続く 、各加熱素子にエネルギーが与えられるバイナリの1の第2の期間とに分割され る。電圧制御回路304は、RAM302内のデータにより指示されるように、デューテ ィサイクル中の複数の期間の間、サーマルプリントヘッドの加熱素子の内部スイ ッチを動作させる。 本発明の好適な形態において、ヘッドは、ヘッドの幅である303ミリメートル (11.95インチ)にわたって、1インチ当たり600個の加熱素子の間隔(600dpi) で7168個の加熱素子を含む。好適には、各信号パルスのデューティサイクルは、 5ミリ秒である。図3は、7168個の加熱素子の各々に対して与えられる駆動信号 の100のパスまたはセグメントの各々に対するビット値を有するテーブルを示す 。従って、図3の横軸は加熱素子を特定し、縦軸は加熱素子用の5ミリ秒のデュ ーティサイクルのパスまたは区画番号を特定する。 例えば、5ミリ秒のデューティサイクルの50%の間にエネルギーを付与されて 「オン」またはハイになる第1の加熱素子と、5ミリ秒のデューティサイクルの 20%の間にエネルギーを付与されて「オン」またはハイになる第2の加熱素子と を考えられたい。本発明によると、駆動信号パルスデューティサイクルのオンま たはエネルギー付与期間の制御は、選択された調整期間または区画の間、駆動信 号パルスを調整し且つ駆動パルスを選択的に動作させてオンまたはハイにするこ とにより行われる。第1のパスの間、両方の加熱素子はオフ(テーブルにおいて バイナリの0)である。従って、加熱素子への駆動信号はローである。第2のパ スの間、バイナリの0が再び、オフ状態と両方の加熱素子に対するロー駆動信号 とを示す。51番目のパスにおいて第1の加熱素子に対する駆動信号の値は、バイ ナリの1になる(且つ101番目のパスまで1のままであり続ける)。他方、第2 の加熱素子に対する駆動信号の値は、バイナリの0のままてある。第2の加熱素 子は、パス81までエネルギーを与えられない。従って、第1の加熱素子は図3の テーブルにおいて、パス1〜50まで0の値を有し、パス51〜100までは1の値を有 する。他方、第2の加熱素子は、パス1〜80まで0の値を有し、パス81〜100まで は1の値を有する。電圧制御回路304は、図3のテーブルにおける0のビット値 に応答して各加熱素子に対してローまたは0の駆動信号を生成し、1のビット値 に応答して各加熱素子に対してハイまたは非0の(non-zero)電流値を生成する 。 図3のテーブルは、実際にはRAM302内で実行されることが理解される。テーブ ルの構造を図4に示す。RAM302は、各々少なくとも716,800ビット(約90Kバイト )を格納することが可能である、1対のバンク306および308を含む。1バイトは 、単一のパスの間にサーマルプリントヘッドの8個の加熱素子に対する駆動信号 のエネルギー付与値を表す、8ビットを含む。従って、7168個の加熱素子の場合 、各パスに対して896バイトのデータが必要である。5ミリ秒の加熱サイクルの 場合、896バイトのデータを有する各パスは、7168個の加熱素子を50マイクロ秒 の間に動作させる。 RAMの第2のバンク308は第1のバンク306と同一であり、7168個の加熱素子の 全てに対して計100のパスに対するデータを格納するように動作可能である。従 って、バンク306および308の各々は、1行全体のデータに対して加熱素子を動作 させるためのデータを含む。ここに記載した様式でバンクを分割することにおけ る1つの特徴は、データが一方のバンクから電圧制御回路304(図2)に読み出 されると、次の行のために他方のバンクにデータがロードされることである。こ のように、一方のバンクが1行分のデータを印刷するために駆動信号を生成して いる間、他方のバンクが印刷すべき次行のデータをロードするように同時に動作 する。 電圧制御回路304(図2)は、各パスに対するバイナリ値のデータに応答して 、RAM内の対応する位置のバイナリ値のデータに基づいて各加熱素子スイッチに 対して、バイナリの1またはバイナリの0のいずれかの駆動信号を生成する。電 圧 制御回路304が、各加熱素子スイッチに対してバイナリの1の駆動信号を生成す ると、加熱素子スイッチは導電状態に設定されて、スイッチネットワーク342の 状態により、電流がパワーサプライ345(図1)または抵抗測定回路310から各加 熱素子を介して流れることを可能にする。逆に、電圧制御回路304がバイナリの 0の駆動信号を生成すると、各加熱素子スイッチはオープンの状態になり各加熱 素子を介する電流の流れはなくなる。 本発明において駆動信号パルスは調整されて、各加熱素子にエネルギーが与え られない駆動パルスの第1の期間と、各加熱素子にエネルギーが与えられる駆動 パルスの第2の期間とを提供する。第1および第2の期間は、所望のドットサイ ズを選択するために選択されたエネルギー付与レベルを規定する。RAM302は、加 熱素子のための調整された駆動信号パルスを格納する。RAMは、先行技術におけ るように、シフトレジスタおよびカウンタに関連する代価(expense)または遅 延を導入することはない。RAM302は、各加熱素子スイッチを動作させるために、 駆動信号パルスを電圧制御装置304に供給する。 サーマルプリンタに共通の1つの問題点は、サーマルプリントヘッドの加熱素 子の抵抗値が経時的に変化することがしばしばあり且つ±15%も変化し得るとい う事実にある。さらに、抵抗値は通常経時的に増加し、ヘッドの性能に悪影響を 与える。本発明の一局面は、製造時のばらつきおよび加熱素子の劣化による抵抗 値差を補償することである。これは、各加熱素子の加熱因子または抵抗値を定期 的に測定し、測定された加熱因子または抵抗値に基づく補償値または補正因子の ディジタル表示を図1に示すメモリテーブル324に格納し、補償値または補正因 子に基づく量だけ加熱サイクルのオンまたはハイの期間の長さを変更することに より達成される。図5は、ヘッドの加熱素子の加熱値または抵抗値を測定する抵 抗測定回路310の回路図である。 測定回路は、各加熱素子の負荷電流を測定および比較することにより加熱素子 間の抵抗差を測定する。しかし、加熱素子の数が多いためにリーク電流の量が大 きい場合は特に、リーク電流が測定に影響を与え得る。加熱素子を介するリーク 電流は、10マイクロアンペアにもなり得る。7168個の加熱素子を有するサーマル プリントヘッドを用いる本発明において、リークはヘッド全体で72ミリアンペア にもなり得る。通常の動作状態において、各加熱素子は約4.5ミリアンペアを引 き出す(draw)。従って、72ミリアンペアのリーク電流がある場合、測定回路は4. 5ミリアンペアの負荷電流を見積もらなければならない。サーマルプリントヘッ ドの測定電圧が4.5ミリアンペアの負荷電流を生成するように意図されている場 合、従来の測定回路を用いて72ミリアンペアのリーク電流の存在下において1/10 または2/10ミリアンペア以下の変化を正確に測定することは不可能である。図5 は、加熱素子を介した相対的負荷電流の正確な測定を提供する、本発明による抵 抗測定回路310を示す。 パワーサプライ345(図1)は、スイッチネットワーク342(図1)を介してノ ード316(図1および図5)に調整された24ボルトサプライを供給する。スイッ チネットワーク342の導電状態は、以下に述べるように、ノード343における、プ リントヘッド駆動制御装置112からの論理信号により確立される。抵抗器R1(図 5)は、基準電圧源を介して接地される。基準電圧源は、ツェナーダイオードD1 により供給されており、FET Q1により分路される。FET Q1の導電状態は、ノード 314における論理信号により制御される。導電状態にある場合、FET Q1は増幅器U 1の非反転入力325をグラウンドに引き出す。他方、非導電状態にある場合、FET Q1はツェナーダイオードD1を分路せず、ツェナーダイオードD1は、増幅器U1の非 反転入力325に基準電圧を供給する。増幅器U1の非反転入力に供給される基準電 圧は、ツェナーダイオードD1の特定されたツェナー電圧と等価である。好適な実 施形態において、ツェナーダイオードD1のツェナー電圧は、12ボルトである。 電圧調整回路340は、増幅器U1と、ツェナーダイオードD1と、ダイオードD3と 、FET Q2と、抵抗器R2、R3、R6およびR7とを含む閉ループシステムとして動作す る。ノード325において増幅器U1の非反転入力が接地されている場合、増幅器U1 は、FET Q2のゲートに本質的に0ボルト信号を供給してFET Q2をオフにするため に、ダイオードD1を介して動作する。12ボルトなどの基準電圧がノード325にお いて増幅器U1の非反転入力に印加されると、増幅器U1の出力電圧がノード329に おいて供給され、それによりFET Q2のゲートを駆動してノード327における電圧 を、ノード325における基準電圧と等しい値へと調整する。抵抗器R6を介して無 視できる電流が流れ、ノード316における電圧はノード327における電圧に等しい 。 動作モードにおいて、プリントヘッド駆動制御装置112(図1)は、ノード343 に論理信号を供給し、それによりスイッチネットワーク342を動作させてパワー サプライ345からの電力をノード316とサーマルプリントヘッド50とに供給する。 例えば、スイッチネットワーク342は、サーマルプリントヘッドの7168個の加熱 素子に電力を供給するために必要な高電流(例えば30アンペア)を搬送するよう に設計されたパラレルパワートランジスタのバンクであり得る。FET Q1を導電状 態にして増幅器U1の非反転入力325を接地しFET Q2を非導電状態にするためには 、ノード314(図5)における入力信号が論理的ハイであることが好ましい。し かし、FET Q2は、印刷中、ノード316に24ボルトの電源が存在するために、電圧 を有していない。さらに、ダイオードD3は、電圧調整回路340が電流をシンクす ることがなく電流を生成のみできるように、ユニポーラであることを保証する。 従って、測定回路310は、動作モードの間印刷動作を妨害せず、印刷中サーマル プリントヘッド50に接続されていても24ボルトの電源により被害を受けるはずは ない。 動作中、上記のように、パワーサプライ345は、プリントヘッド駆動制御装置1 12からの駆動信号の制御下において選択的に動作し、サーマルプリントヘッド50 の加熱素子に24ボルトの電力を供給する。 加熱素子の抵抗を測定することが望まれる場合、プリントヘッド駆動制御装置 112(図1)はノード343における論理信号の状態を変化させて、スイッチネット ワーク342を非導電状態にし、それによりパワーサプライ345と、ノード316およ びサーマルプリントヘッド50との接続を断つ。 測定モードにおいて、ノード318(図5)における入力信号は、まず論理的に ローに設定され、それによりFET Q4を強制的に非導電状態にしてFET Q5を強制的 に導電状態にする。ツェナー電圧基準ダイオードD2は、FET Q5を介して蓄積キャ パシタC1の片側にあるノード333に基準電圧を供給する。ノード333に供給された 基準電圧は、ツェナーダイオードD2の特定されたツェナー電圧と等価である。好 適な実施形態において、ツェナーダイオードD2のツェナー電圧は、1.2ボルトで ある。 次に、ノード314における入力信号が論理的ローに設定され、それによりFET Q 1を非導電状態にし且つダイオードD1からの分路を除去する。その結果、12ボル トの基準信号が、増幅器U1の非反転入力に供給されることになる。増幅器U1およ びFET Q2は、抵抗器R2およびR3(総抵抗は100.0Ω)と共に線形調整器を形成し 、増幅器U1の反転入力を介したフィードバックにより、ノード316における出力 をツェナーダイオードD1の電圧降下(例えば12ボルト)に等しい値に調整する。 ツェナーダイオードD2は、調整された1.2ボルトの源をキャパシタC1の一方の側 (ノード333)に供給し続ける。キャパシタC1の他方の側はノード330に接続され る。ノード330における電圧は、抵抗器R2およびR3をわたって如何なる電圧が現 れようとも、その電圧とノード316における電圧とを合計した値に等しい。この とき、抵抗器R2およびR3をわたる電圧は、サーマルプリントヘッドの全リーク電 流に比例する。 ツェナーダイオードD1と電圧調整回路340とによりノード316に12ボルトの電圧 が供給された場合、電流は、サーマルプリントヘッド50の全加熱素子を介したリ ーク電流という形態で、ヘッド50を介して流れる。通常、24ボルトの電圧の場合 の全リーク電流は72ミリアンペアにもなる。12ボルトの電圧の場合、リーク電流 は約36ミリアンペアにもなり、抵抗器R2およびR3により形成された100オームの 検知抵抗に現れる。例えば、リーク電流が30ミリアンペアであれば、抵抗器R2お よびR3を介した電圧降下は3.0ボルトである。従って、ノード330における総電圧 は、約15.0ボルトである(基準電圧の正確なレベルに依存する)。キャパシタC1 にかかる電圧は、ノード330と333との電圧差、すなわち13.8ボルトに等しい。 次に、ノード318におけるリセット信号が、論理的ハイに設定されて、FET Q4 をオンにし且つFET Q5をオフにする。FET Q5をオフにすることにより、ツェナー ダイオードD2により供給される1.2ボルトの基準電圧から、キャパシタC1は有効 に除去される。従って、少量(2〜3ナノメータのオーダー)の電流はキャパシ タC1を介して増幅器U2に流れる。 次に、テスト中の加熱素子は、ノード316における12ボルトの電圧により動作 する。これは、サーマルプリントヘッド50(図1)の加熱素子内の内部スイッチ を、テスト中の単一の加熱素子のみをノード316における測定電圧により駆動す るように制御するために、RAM302と電圧制御装置304(図2)とを動作させるこ とにより達成される。ノード316と回路接地ノード331との間に接続されたテスト 中の加熱素子に12ボルトの電圧が印加された場合、加熱素子を介した負荷電流( 通常約2.25ミリアンペア、すなわち24ボルトでの4.5ミリアンペアの引き出しの 半分)が、全加熱素子のリーク電流と共に、抵抗器R2およびR3の100オームの抵 抗を介して通過して、それによりテスト中の加熱素子の負荷電流を表す量だけノ ード330における電圧を変化させる。より特定すると、テスト中の加熱素子の負 荷電流が2.25ミリアンペアであれば、ノード330における電圧はノード316におけ る電圧(12.0ボルト)と負荷電流により抵抗器R2およびR3に現れる電圧(0.225ボ ルト)とリーク電流により抵抗器R2およびR3に現れる電圧(3.0ボルト)との和、す なわち15.225ボルトに等しくなる。しかし、キャパシタC1の電圧(13.8ボルト) は変化せず、従って、ノード333における電圧も、負荷電流により抵抗器R2およ びR3に現れる電圧に等しい量だけ増加して、その結果、負荷電流による電圧とツ ェナーダイオードD2の基準電圧との和(この実施例では1.425ボルト)に等しく なる。この電圧は、増幅器U2の非反転入力への入力として供給される。ツェナー ダイオードD2からの基準電圧(例えば1.2ボルト)は増幅器U2の反転入力へも供 給されるため、増幅器は、その入力における信号間の差(0.225ボルト)を増幅す る。好適な実施形態において、増幅器U2は10の利得を有し、増幅器U2は、ノード 320における出力電圧を2.25ボルト変化させる(1.2ボルトの基準電圧から3.45ボ ルトへ)。 ツェナーダイオードD2により供給された調整電圧(例えば1.2ボルト)は、ノ ード326にも供給される。図1に示すように、ノード320と326との出力電圧差( この実施例では2.25ボルト)はA/D変換器322により処理されて、サーマルプリン トヘッドのテスト中の加熱素子の加熱値のディジタル表示を得る。抵抗値のディ ジタル表示は、後の使用のためにメモリテーブル324に格納される。 ノード320における電圧がノード326における電圧と異なる量は抵抗を示し、従 って、各加熱素子の加熱因子を示す。ノード326における電圧は、ツェナーダイ オードD2の特定されたツェナー電圧に本質的に等しい。本発明において、ダイオ ードD2の特定されたツェナー電圧は、1.2ボルトである。従って、ノード320と32 6との間の電圧差をアナログ−ディジタル変換することにより、サーマルプリン トヘッド内の各加熱素子の抵抗値を決定することが可能になる。A/D変換器322( 図1)は、ノード320と326とのディジタル化された電圧差を比較し、且つ、メモ リテーブル324に格納すべき補正因子を得てイメージデータと組み合わせてサー マルプリントヘッド50に対する駆動信号を調整するために、ルックアップテーブ ルを用いてもよい。 抵抗測定回路310は、サーマルプリントヘッド50の加熱素子に対する24ボルト の電力をオフにすることにより動作する。抵抗測定回路310は、まずスイッチネ ットワーク342を動作させて、それによりサーマルプリントヘッド50内の加熱素 子に対する24ボルトの電圧を取り除くことにより動作する。その後、測定回路31 0は、ノード314に論理的ロー信号を印加することにより活性化され、これによっ てノード316における12ボルトの一定出力をサーマルプリントヘッド50に供給す る。 ノード318における信号が論理的ローに設定されて、キャパシタC1を、ノード3 30(サーマルプリントヘッドのリーク電流を表す)とノード333(ツェナーダイ オードD2により確立された基準電圧)との間の電圧差に等しい電圧にまで充電す る。この動作は、実際の測定の準備において、ノード333およびキャパシタC1の 電圧を有効に初期化する。キャパシタC1を充電することを可能にする短い時間( 好適な実施形態においては約300マイクロ秒)の後、ノード318は論理的ハイに設 定されてFET Q5を強制的に非導電状態にしてキャパシタC1用の充電路を排除する 。その後、テスト中の加熱素子は、プリントヘッド駆動制御装置112(図1)に よりオンにされ、ノード316において12ボルトの測定信号下において動作する。 キャパシタC1の電圧は変化し得ないため、テスト中の加熱素子における負荷電流 を表す電圧が、増幅器U2の非反転入力に直接印加される。印加された電圧は増幅 され、その信号はA/D変換器322により処理される。その後、プリントヘッド駆動 制御装置は、加熱素子を閉じるように動作し、抵抗を測定すべき各加熱素子に関 して、ノード318における信号を論理的ローに設定することから始まるこのサイ クルが反復される。 各テストにおいて、抵抗測定回路310から得られた信号が、A/D変換器322を介 して処理されてメモリテーブル324(または以下に述べるようにRAM302)内に格 納される。測定回路310は、プリンタが活性化されるごとに(各印刷ジョブの開 始時など)、又は他の都合のよい時に、プロセッサ106(図1)により活性化さ れる。本発明において、各加熱素子の抵抗測定は約10ミリ秒で行われる。従って 、ヘッド全体の全7168個の加熱素子の測定時間の合計は、約1.25分で完了する。 テスト中の加熱素子をオンにする時と、A/D変換器を初期化してノード320にお ける電圧を安定化させるための変換プロセスを開始する時との間に、時間的遅延 がある。 図5に示す抵抗測定回路310の1つの特徴は、動作モードの間、サーマルプリ ントヘッドに接続されたノード316もまたスイッチ342を介して24ボルトの電圧源 に接続されていることである。しかし、測定回路310は、動作モード中にはノー ド316に現れる24ボルトの電圧によって悪影響を受け得ず、スイッチネットワー ク342によって強制的に24ボルトの電圧を与えられるためノード316による動作を 妨害することはない。これは、ノード312と316とが、測定回路310とスイッチネ ットワーク342との両方に共通しており、それによってプリンタが動作モードに あるときにFET Q2に電圧が印加されていないことによる結果であり、且つ、電圧 調整回路340がユニポーラであり、これによって電流をシンクすることがなく電 流源となるのみであることの結果である。このことは、大量の電流(例えば最大 30アンペア)が、測定回路310を通過することなくサーマルプリントヘッドに送 達されることを可能にし、且つ、サーマルプリントヘッドに対する測定回路の永 久的接続を可能にする。本発明の別の特徴は、FET Q5の動作によって1.2の基準 電圧を増幅器U2の非反転入力に印加され、増幅器が活性状態に維持されることで ある。1.2の基準電圧はまた、ノード326においてA/D変換器322(図6)に出力さ れる。このことは、A/D変換器が、ノード320と326との間の電圧差を変換して共 通のモードノイズを補償することを可能にする。 図5の抵抗測定回路は、熱エネルギーを用いてインクサプライを起動すること によりインク滴を媒体に向けて射出するインクジェットプリンタだけでなく、熱 エネルギーを媒体またはインクワックスリボンに付与することにより印刷するサ ーマルプリンタにも適用可能であることが、当業者には理解される。 選択された加熱素子に供給された熱エネルギーは、駆動電圧が加熱素子に印加 される時間に比例し、且つ加熱素子の抵抗に反比例する。加熱素子が、抵抗測定 回路によって、平均より10%高い抵抗値を有していると判定されると、特定のデ ューティサイクルの間に選択された加熱素子に同一の総エネルギーを供給するた めに、駆動電圧が印加される時間が10%増加されなければならない。これは、プ ロセッサ106が駆動信号期間にメモリテーブル324に格納された乗算因子を掛ける よう動作させることによって、達成される。例えば、平均の抵抗より10%高い加 熱素子に割り当てられた、50%のエネルギー付与レベルを有する駆動信号は、プ ロセッサ106により55%のエネルギー付与レベルに調整される。 乗算因子による各駆動信号のエネルギー付与時間の変更は、プロセッサ106に 望ましくない負荷を課し得る。そのため、本発明の別の実施形態は、各加熱素子 用の加算調整値をメモリテーブル324に格納することにより、プロセッサの負荷 を減少させる。加算調整値は、プロセッサ106により、各加熱素子に対する駆動 信号に加算される。加算調整値は、エネルギー付与レベルの有用な範囲にわたっ て、十分な正確さで、乗算スケール因子を近似する。上記の実施例においては、 平均の抵抗より10%高い抵抗を有する加熱素子は、メモリテーブル324に格納され た加算調整値5を有し得る。この場合、50%のエネルギー付与レベルは、50%から 55%に正確に増加される。他のエネルギー付与レベルもまた、同量だけ増加され 、その結果不正確さは小さくなる。(例えば、40%のエネルギー付与レベルは44% ではなく45%に増加される。) 駆動エネルギー付与レベルの補正によって起こるプロセッサ106の負荷をさら に減少させるために、メモリテーブルからの加算調整値は、RAM302に直接書き込 まれ、プロセッサ106の側では動作はほとんどないか又は全くない。 上記に記載し且つ特に図3に示すように、加熱素子は、加熱サイクルの開始時 よりも終了時において、エネルギーを付与されるか又は「オン」になることが好 ましい。このことは、ヒステリシスを扱う際に、および上記の最終イメージの質 を向上させる際に、望ましい効果をもたらす。駆動パルスの立ち下がりにおける エネルギーの付与は、補正因子とイメージエネルギー付与データとを各加熱素子 に対する最も高いパス位置に書き込み、最も低い残りのパス位置をエネルギー付 与レベル0に設定することにより達成される。従って、加熱素子補正因子は、最 も高いパス位置(100)から始めて、そこから逆方向にRAM302に書き込まれ得る。 その後、特定のイメージを扱うデータは、補正因子がなくなったパス位置からRA M302に読み込まれる。図3の実施例を用いると、ビット位置1が補正因子10を必 要とすれば、パス91〜100の位置が1によって書き込まれる。そうすると、イメ ージデータは50%の信号が第1の素子に印加されることを必要とするため、パス4 1〜90の位置に1が書き込まれ、パス1〜40の位置は0のままにされる。そのため 、補正データはイメージデータと連結される。 図1に示す発明の形態において、補正因子はメモリテーブル324に格納され、 イメージデータとの連結のためにプロセッサ106とFIFO300とを介してRAM302に転 送される。このことは、プロセッサがメモリテーブル324を、入力イメージデー タに補正データを供給するルックアップテーブルとして用いることを可能にする 。さらに、与えられたピクセルに対するイメージデータが、100のパスのいずれ の間においても加熱素子にエネルギーが与えられないことを必要とする場合、そ の特定の素子に対してはRAM302に補正因子を挿入しないことが望ましいことがあ り得る。これは単に、全てが0であれば、メモリ324からメモリ302に補正因子を 転送させない加熱素子用のイメージの値をテストすることにより達成される。 また、補正因子は、RAM302の最も高いパス位置に単に格納され、イメージデー タはRAM302内で補正データに単に連結されてもよい。このアプローチは、コンピ ュータのメモリと処理とを節約する結果をもたらし得る。補償因子の値は、各加 熱素子の加熱レベルの閾値に達しそうにないため、補償因子がイメージに影響を 与える可能性は少ない。 いずれの場合も、補正因子は、入力されたイメージデータと組み合わされて、 加熱素子の抵抗のばらつきに対して調節された、サーマルプリントヘッド用の駆 動信号を引き出す。 このように本発明は、各加熱素子を動作させるための駆動パルス信号源を提供 する。各駆動パルスは、駆動パルスの第1の部分の間は各加熱素子にエネルギー を与えず且つ第2の部分の間は各加熱素子にエネルギーを与えるように動作する 。測定回路は各加熱素子の加熱因子を測定し、メモリは各測定された加熱因子に 基づいて各加熱素子の補正因子を格納する。補正因子は、第1および第2の期間 を 変更して加熱素子の加熱因子の差によるドットサイズのばらつきを減少させるた めに、各駆動信号を調整するために用いられる。 本発明を好適な実施形態に照らして説明してきたが、本発明の思想および範囲 から逸脱することなく形態および詳細の改変が可能であることを当業者は認識す るであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリオット, ジョナサン ディー. エ リオット アメリカ合衆国 ミネソタ 55424, セ ント ルイス パーク,マッキー アベニ ュー 4364 (72)発明者 バトランド, ダニー ジェイムズ アメリカ合衆国 ミネソタ 55317, チ ャンハッセン,カーバーズ ポイント ロ ード 7290 (72)発明者 ギルバート, ジョン マーク アメリカ合衆国 ミネソタ 55406, ミ ネアポリス,44ティーエイチ アベニュー サウス 3143

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.サーマルプリントヘッドであって、隣接する媒体に印刷する複数の加熱素子 と、少なくとも隣接する加熱素子の選択された駆動エネルギーレベルに基づいた 物理特性をそれぞれ有する複数のドットとを有する、サーマルプリントヘッドと 、 それぞれの加熱素子を動作させる駆動パルス源であって、各駆動パルスは、該 それぞれの加熱素子にエネルギーを与えない第1期間の駆動パルスと、該それぞ れの加熱素子にエネルギーを与える第2期間の駆動パルスとを提供するように調 整され、該第1および第2の期間があわさって該選択された駆動エネルギーレベ ルを規定する、駆動パルス源と、 各駆動パルスのバイナリ表示を格納するメモリであって、該バイナリ表示は、 該それぞれの加熱素子を動作させて媒体に印刷するには不十分な駆動エネルギー レベルを表す第1の値と、該それぞれの加熱素子を動作させて媒体に印刷するの に十分な駆動エネルギーレベルを表す第2の値とを有し、該メモリに格納されて 該第1の値を有する該バイナリ表示は該駆動パルスの該第1期間を表し、該メモ リに格納されて該第2の値を有する該バイナリ表示は該駆動パルスの該第2期間 を表す、メモリと、 を備えるサーマルプリンタ。 2.前記第2期間が前記第1期間のあとに続き、基本的にあわさって全駆動パル ス長を構成する、請求項1に記載のサーマルプリンタ。 3.各加熱素子の加熱因子を測定し、各加熱素子に対する補正因子データを生成 する測定回路と、該補正因子データを格納するメモリとを含む、請求項1に記載 のサーマルプリンタ。 4.前記補正因子データに応答し、前記加熱素子の前記加熱因子の差異によるド ットサイズのばらつきを減少させるように前記第1および第2期間を変更する手 段をさらに含む、請求項3に記載のサーマルプリンタ。 5.前記補正因子データが乗算因子を含み、該補正因子に応答する前記手段が駆 動パルスの前記バイナリ表示に該乗算因子を掛ける、請求項4に記載のサーマル プリンタ。 6.前記補正因子データが加算調整因子を含み、該補正因子に応答する前記手段 が該加算補正因子を駆動パルスの前記バイナリ表示に加える、請求項4に記載の サーマルプリンタ。 7.前記補正因子データが、第2の値を有するバイナリ表示を含み、該補正因子 データを格納する前記メモリが各駆動パルスの該バイナリ表示を格納するメモリ であり、該メモリは、該補正因子データと前記第2期間のバイナリ表示とを連結 し、それにより、該第2期間の実効的な持続時間を延ばし、且つ前記第1期間の 実効的な持続時間を縮めて、前記加熱素子の前記加熱因子における差異によるド ットサイズのばらつきを減少させる、請求項3に記載のサーマルプリンタ。 8.複数の加熱素子を有するサーマルプリントヘッドの選択された加熱素子の抵 抗を測定する装置であって、該装置が、 電荷蓄積装置と、 第1充電モードで動作可能であって、該第1充電モードにおいて該電荷蓄積装 置を該サーマルプリントヘッドのリーク電流を表す電荷で充電し、第2充電モー ドで動作可能であって、該第2充電モードにおいて、該選択された加熱素子の負 荷電流と該リーク電流とを表す信号を該電荷蓄積装置に提供する充電回路と、 該電荷蓄積装置に接続され、該負荷電流を表す出力信号を提供する出力回路と 、 を備える装置。 9.前記出力回路が前記電荷蓄積装置の第1の側に接続され、該電荷蓄積装置が 、 前記選択された加熱素子に選択的に接続された、調節された(regulated)測 定電圧の源と、 前記サーマルプリントヘッドに接続された第1の側と、該電荷蓄積装置の第2 の側に接続された第2の側とを有する測定インピーダンスと、 該選択された加熱素子を該調節された測定電圧の源に選択的に接続するプリン トヘッド駆動制御装置であって、前記第1充電モードにおいて該プリントヘッド 駆動制御装置は該選択された加熱素子を動作させず、前記第2充電モードにおい て該プリントヘッド駆動制御装置は該選択された加熱素子を該調節された測定電 圧の源によって動作させる、プリントヘッド駆動制御装置と、 を含む、請求項8に記載の装置。 10.前記測定電圧源が、 入力と出力とを有する増幅器であって、該入力は電圧降下を介して高電圧源に 接続される、増幅器と、 調節ダイオードと、 第1スイッチモードで動作可能であって、該第1スイッチモードにおいて該増 幅器への該入力を接地し、第2スイッチモードで動作可能であって、該第2スイ ッチモードにおいて該ダイオードを該増幅器の入力に接続して該増幅器を動作さ せ、これによって該調節された測定電圧を提供する、スイッチと、 を含む、請求項9に記載の装置。 11.低電圧源を前記キャパシタの前記第1の側に選択的に接続する第2スイッ チを含む、請求項10に記載の装置。 12.前記出力回路が前記キャパシタの前記第1の側に接続される第2の増幅器 を含む、請求項9に記載の装置。 13.電源を有するサーマルプリンタのサーマルプリントヘッドの選択された加 熱素子の抵抗を測定する方法であって、該方法が、 該サーマルプリントヘッドを該電源から切り離すステップと、 該選択された加熱素子を動作させずに、前記測定電圧を表す電圧と該プリント ヘッドのリーク電流とによって電荷蓄積装置を充電する間に、該プリントヘッド に測定電圧源を供給するステップと、 該選択された加熱素子の前記負荷電流を表す量だけ電荷蓄積装置にかかる電圧 を変化させるように、該選択された加熱素子を該測定電圧源によって動作させる ステップと、 該電荷蓄積装置にかかる電圧の変化を表す信号を出力するステップと、 を包含する方法。 14.サーマルプリントヘッドの加熱素子を連続して選択するステップと、 各加熱素子に対して、前記供給し、動作させ、出力するステップをくりかえす ステップと、 を包含する、請求項13に記載の方法。 15.イメージを印刷する複数の加熱素子を有するサーマルプリントヘッドと、 それぞれの加熱素子を動作させる駆動パルス源であって、各駆動パルスは、該 加熱素子にエネルギーを与えないように該それぞれの加熱素子を操作する第1部 分と、該加熱素子にエネルギーを与えるように該それぞれの加熱素子を操作する 第2部分とを有する、駆動パルス源と、 該駆動パルスを格納するメモリと、 各加熱素子の加熱因子を測定し、各加熱素子に対する補正因子を該加熱因子に 基づいて生成する測定回路と、 を有するサーマルプリンタであって、該第1および第2部分は該補正因子に基づ いて変化し、該加熱素子の該加熱因子における差異によるドットサイズのばらつ きを減少させるサーマルプリンタ。 16.前記第1および第2部分があわさって固定長の駆動パルスを形成し、各駆 動パルスの該第1部分は第1のバイナリ値で表され、各駆動パルスの該第2部分 は第2のバイナリ値で表され、前記補正因子はバイナリ値で表され、該サーマル プリンタは、該補正因子に応答して駆動パルスの該第2部分に該補正因子を掛け る手段を含む、請求項15に記載のサーマルプリンタ。 17.抵抗性のある複数の加熱素子を有するサーマルプリントヘッドと、該加熱 素子に負荷電流を供給するパワーサプライとを有するサーマルプリンタにおいて 、改良点(improvement)が、 該パワーサプライを該サーマルプリントヘッドに接続する第1パワーモードと 、該パワーサプライを該サーマルプリントヘッドから切り離す第2パワーモード とを有するスイッチと、 測定回路であって、 測定信号を供給する信号回路であって、該サーマルプリントヘッドに接続さ れて該サーマルプリントヘッドに該測定信号を供給する出力と、該スイッチが該 第1パワーモードにあるとき、該信号回路が該パワーサプライからの電流をシン クすることを防ぐ防止手段と、を含む信号回路と、 該信号回路に接続されて、該スイッチが該第2パワーモードにあるとき、該 サーマルプリントヘッドを通る電流を測定する感知回路と、 を有する測定回路と、 を包含する。 18.前記信号回路が閉ループ回路であり、前記防止手段が、前記出力と前記パ ワーサプライの間に接続されている半導体デバイスを含む、請求項17に記載の 装置。 19.前記感知回路が電荷蓄積装置を含み、前記信号回路が、 第1充電モードで動作可能であって、該第1充電モードにおいて前記サーマル プリントヘッドのリーク電流を表す電荷で該電荷蓄積装置を充電し、第2充電モ ードで動作可能であって、該第2充電モードにおいて、選択された加熱素子の負 荷電流および該リーク電流を表す信号を該電荷蓄積装置に提供する充電回路と、 該電荷蓄積装置に接続されて、該負荷電流を表す出力信号を提供する出力回路 と、 を含む、請求項17に記載の装置。 20.前記電荷蓄積装置がキャパシタであり、前記出力回路が該キャパシタの一 方の側に接続され、前記充電回路が、前記サーマルプリントヘッドに接続された 、調節された測定電圧の源を含み、前記感知回路が、該サーマルプリントヘッド に接続された第1の側と、該キャパシタの第2の側に接続された第2の側とを有 する測定インピーダンスを含み、前記測定回路がプリントヘッド駆動制御装置を さらに含み、該プリントヘッド駆動制御装置は、前記選択された加熱素子を該調 節された測定電圧の源に選択的に接続し、それによって、第1モードにおいて該 プリントヘッド駆動制御装置は該選択された加熱素子を動作させず、第2モード において該プリントヘッド駆動制御装置は該選択された加熱素子を該調節された 測定電圧の源によって動作させる、請求項19に記載の装置。
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