JPH10506606A - 消化管損傷の処置のためのバイオポリマーの使用 - Google Patents

消化管損傷の処置のためのバイオポリマーの使用

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JPH10506606A JP7525453A JP52545395A JPH10506606A JP H10506606 A JPH10506606 A JP H10506606A JP 7525453 A JP7525453 A JP 7525453A JP 52545395 A JP52545395 A JP 52545395A JP H10506606 A JPH10506606 A JP H10506606A
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ドニ バリトール
ジャン−ピエール カルエル
アンヌ メダイ
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Abstract

(57)【要約】 トリプシン分解からFGF及びベータTGFのファミリーの成長因子を特異的に保護し、HBGFPPと呼ばれる少なくとも1種のポリマーまたはバイオポリマーの、消化管並びに内胚葉及び中胚葉の一次又は二次由来組織の損傷の処置のための医薬の製造における使用が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 消化管損傷の処置のためのバイオポリマーの使用 本発明は、ヒトまたは獣医学において、口腔前庭から肛門先端までの消化管を 襲う全ての起源の障害を処置するための薬物の調製用のポリマー又はバイオポリ マーの使用に関する。 本発明はまた、これらのポリマーを含み、そのような処置を目的とする組成物 に関する。 CMDBS(カルボキシメチル、ベンジルアミン及びスルホネートで置換され たデキストラン)ポリマーの合成は、フランス特許第2461724号及び米国特許第4 740594号に記載されている。これらのポリマーのいくつかはヘパリンに類似し、 抗血液凝固および抗補体特性のために、血漿のヘパリン代替産物として使用でき る。 これらのCMDBSポリマーのいくつかは、FGFファミリーの成長因子のイ ンビトロでの生物活性の安定化、保護及び相乗作用による作用増強からなるヘパ リンの別の性質に類似する(ターデュー(Tardieu)及び同僚、Journal of Cellul ar Physiology,1992,150,194-203頁)。 フランス特許第2 644.066は、皮膚と角膜を治癒するためにFGFと会合する ある種のCMDBSの使用を記載する。実験は、ラットに直径6mmの中空パンチ( hollow punch)で皮膚の創傷を引き起こすことにより行った。この実施例で、F GF2に会合するCMDBSは、皮膚修復の速度及び質について明確な効果を得 ることができる。 他のバイオポリマーであるデキストラン硫酸は、日本特許第13890号で安定化 剤及び保護剤として、FGFとの併用投与が提案された。その上、デキストラン 硫酸は、皮膚治療用の軟膏及びクリーム、並びに洗眼剤組成物に広く使用されて いたが、本出願人の知る限りでは、筋肉損傷の治癒及び再生についての効果は報 告されていない。 他の薬剤であるショ糖硫酸エステルおよびそのアルミニウム塩であるスクラル ファートは、それ自身またはFGFと会合して消化管の潰瘍及び障害の治療剤( 米国特許第3,432,489)及び一連の特許(米国特許第4975281、4885281、5013557 、5164379、5196405、5240710号およびデンマーク特許第102488及び505588号) に記載された各種の医薬配合剤及び組成物として記載及び使用された製品である 。 消化管の組織は、特に成長因子が豊富であり、幾人かの著者は、腸細胞内部/ 表面でのFGF及びベータTGFの存在及び/又は作用、あるいは消化管組織の 損傷でのこれらの因子の治癒作用、並びにABまたはBB PDGFsまたは肝 細胞成長因子のようなヘパリン又はヘパランに対し親和性を示す成長因子の存在 又は作用を記載する(レモワン エヌアール(Lemoine NR);レウング エイチワイ (Leung HY);グリック ダブリュジェイ(Gullick WJ);Growth Factors in the G astro intestinal tract;Gut 1992,33,1297-1300頁;ディ グリエッタ エイ( Di Gulietta A)、ヘルバダ ティー(Hervada T);ナルディ アールブイ(Nardy RV );レシュ シーエイ(LESH CA):Effect of platelet derived growth factor BB on indomethacin-induced gastric lesions in rats;Scand J.Gastroenterol 1992,27,673-676頁;タジャガスグ エム(Tajagasgu M)および同僚 Hepatocyt e growth factor induces mitogenic reaction to the rabbit gastric epither ial cells in primary culture;Biochem.and Biophys.Res.Comm.1993,191 ;528-534;ムストエ(Mustoe)及び同僚 Differential acceleration of healing of surgical incisions in the rabbit gastrointestinal tra ct by platelet derived growth factor and transforming growth factor beta ;Surgery 1990,108,324-330頁;カタヤマ エム(Katayama M);カン エム(Kan M):Heparin-binding(fibroblast)growth factors are potential autocrin e regulators of oesophageal epithelial cell proliferation,In Vitro Cell .Dev.Biol.1991,27,533-541頁)。 このように、従来技術の状況の分析から、ポリマーは、成長因子と組み合わせ て、非常に特別なタイプの組織、すなわち皮膚組織のある種の損傷について使用 されていることが明らかである。 与えられた分子の治療効果の予測できない性質を考慮すると、これらのポリマ ーが皮膚以外の組織に効果があるかどうかは明らかでなかった。 実際、ヒト及び動物体の異なる組織は、構造的及び機能的に特別の性質を示し 、皮膚組織に関する効果が知られている分子の、消化管組織についての効果を予 測することは不可能であることは周知である。 これは、消化管組織と皮膚組織とは、異なる胚起源を有するという事実から見 ても特に正しい。 同様に、特別な実験モデルに関しインビトロで得られた結果から特別な組織に ついて、ある分子のインビ ボ活性を予測するのは不可能であるのは周知である。 この分野での他の全ての公知の医薬、例えば抗潰瘍薬は、制酸ゲルによる粘膜 の保護、胃酸分泌抑制又は抗H2−受容体作用により作用する。 グリコサミノグリカン、メソグリカンの混合物の痔核に関する作用は、サギオ ロ(Saggioro)ら、(1985,Min.Diet.e.Gastr,31,311-315頁)により試験さ れた。この刊行物は、メソグリカンが痔核に対し非常に有効で、内視鏡所見を改 善する一方で、症状を取り除くことを示す。 しかしながら、この刊行物は非常に特別なタイプであり、その上、動物起源の 不十分に定義された変化しやすい組成を示すいくつかのポリマーのみを教示する 。 意外にも、本発明によれば、ある種のポリマーが消化管の損傷の治癒及び再生 の速度、並びにこれらの傷跡の質及び丈夫さについて、非常に顕著な効果を有す ることが見出された。 また、非常に低用量のこれらのポリマーが治療効果を有することを見出した。 本発明は、特にトリプシン分解からFGF及びベータTGFファミリーの成長 因子を保護し、血液凝固は有意に阻害しない、HBGFPPと呼ばれる、メソグ リカンを除く少なくとも1種のポリマーまたはバイオポリマーの、消化管および 内胚葉及び中胚葉の一次及び二次由来組織の損傷を処置するための医薬品の製造 における使用に関する。 特に、そのようなポリマーは、メイレット(Maillet)ら、(Mol.Immunol,198 8,25,915-923頁)に従い測定される、ポリマーmg当たり50国際単位未満の 抗血液凝固活性を示す。有利には、該ポリマーは、インビトロでFGFの薬効を 増強する。 好ましくは、該ポリマーは実質的に補体システムを活性化せず、すなわち、C H50が0.5μgを越える抗補体システムを有する(マウザック(Mauzac)ら、Bio materials,6,61-63,1985による)。 本発明によれば、ポリマーは、上記定義に対応したあらゆる天然物質、化学的 に修飾された天然物質又は全合成物質を意味するものと理解される。 従って、以下のポリマーが関与する: − デキストランから得られるが、他のタイプの基による他のタイプの置換に より修飾されたポリマー、 − デキストランに由来するもの以外であるが、オシディック(osidic)残基を 含む天然ポリマー(セルロース、キチン、フカンなど) − 非オシディックの性質のモノマーの重合により得られる修飾又は非修飾の ポリマー(ポリリンゴ酸、ポリシュウ酸、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリエチレ ングリコール)。 有利には、前記ポリマーまたはバイオポリマーは、主としてグルコース残基か ら構成される多糖である。 それはまた、グルコサミン及び/又はウロン酸残基、特にグルコサミン−ウロ ン酸二量体の形態で含んでいてもよい。 特に好ましい多糖は、置換デキストラン、グリコサミノグリカンであり、脂質 、ペプチド又はタンパク質またはこれらポリマーのサルフェートと会合してもよ い。 そのような多糖は、有利には少なくとも10kD、有利には約40kDの分子 量を示す。 本発明は、これらのポリマーを含む医薬組成物にも関する。 該ポリマー及び/又はバイオポリマーは、天然物質から選択してもよく、該天 然物質は次いで必要に応じて適当な化学基を付加することにより修飾してもよく 、また、再度完全に合成により得てもよい。これらの天然、半合成又は全合成ポ リマーは、次いでいくつかの 成長因子、特にFGF及びベータTGFファミリーの成長因子と特異的に相互作 用する能力に基づき選択される。それらはまた、蛋白質分解(proteolytic degra dation)に対し1又は複数の該因子を保護する能力に関しても選択される。これ らのポリマーは、一般的な省略語HBGFPP(ヘパリン結合性成長因子保護剤 及び促進剤)と呼ばれるであろう。これらのポリマー又はバイオポリマーのプロ トタイプ(prototype)は、これらのポリマーの選択のプロセス及び基準と共に実 施例として与えられる。 第一のHBGFPPの実施例は、公知の生成物であるCMDBSファミリーに 属し、すなわち機能化された生物特異的デキストラン(biospecific dextran)で あり、カルボキシメチル、ベンジルアミドおよびベンジルアミンスルホネートで 置換されている。これらのポリマーは、引き続いて化学的に置換される天然産物 (デキストラン)からのHBGFPPの取得を示す。第二の実施例は、組織抽出 物由来の精製されたプロテオグリコサミノグリカン サルフェートのような全天 然産物の選択を記載する。 これら2つの実施例は、これらHBGFPPのFGF及びベータTGFファミ リーの成長因子と相互作用 し、安定化し、保護し及び効果を増強する能力、並びに、口腔前庭から肛門先端 までの消化管を襲う全ての起源の損傷を保護、治癒及び/又は再生する医薬組成 物におけるその使用を例示する。 この特許出願において、《処置》により、消化管の損傷の予防及び治癒のため に行われるあらゆる治療的及び予防的操作が意味され、これらの損傷は表在性で あっても深部の潰瘍タイプのものであってもよく、並びに、その起源が何であっ ても、及び/又は穿孔の治癒及び/又は外科的切除及び切開並びに吻合が、消化 管の適当な領域で行われる。 本発明の医薬又は医薬組成物は、有効量のHBGFPPを、例えばCMDBS を1又はそれ以上の併用可能な(compatible)薬学的に許容される賦形剤とともに 含む。それは、例えば胃潰瘍の処置に用いられる抗炎症剤、抗菌剤、抗カビ剤、 ゲル、プラスター(plaster)、制酸保護剤(antacid dressings)、抗H2−受容体 剤または抗−プロトンポンプ剤、口腔または歯科保護または痔核の処置に普通に 用いられる薬剤をさらに配合してもよい。 有利には、そのような組成物は、経口経路により直接に吸収されるように設計 され、前記損傷が、特に皮 下、口腔又は直腸の損傷のように直接に接近できる場合には損傷に被覆又は注入 により吸収されるように設計され、あるいは手術中には再縫合、再接続(repatch )又は吻合の実施の前に組織の先端に被覆又は浸漬することにより吸収されるよ うに設計される。 賦形剤は、生理学的な血清又は0.15M NaClを含むPBSの様なバッ ファー、又は組織を刺激ないし傷害しないあらゆる他の相溶性の溶液であっても よい。当業者に公知の標準的技術に従いゲル又はエアロゾル中に濃厚溶液を提供 する製剤は、損傷のタイプ及び接近の容易さに依存して提案されてもよい。 従って、口腔アフタ(buccal aphthas)の様な直接に接近できる損傷、舌又は口 蓋円蓋(palatal vault)の損傷、あるいは歯肉又は歯あるいはのどの全ての支持 組織の損傷に関し、該組成物は、液剤、懸濁剤、噴霧剤、粉末剤、ゲル、軟膏剤 、ペースト剤またはゼラチンクリーム、歯磨き剤、歯科定着剤、歯周インプラン ト、チューインガム、飲むための発泡性錠剤又は錠剤に適用されてもよく、小さ いピペット、スパチュラ、またはブラシで適用してもよい。本発明で記載される 組成物は、損傷の治療効果を有し、これらの損傷は微生物、カビまたはウイルス 起源の熱的又は化学的な切 断または火傷の場合に引き起こされるか(但し、損傷の原因は配合する抗菌、抗 カビまたは抗ウイルス剤で処置される。)、あるいは、該損傷は必ずしも同定で きない他の起源によるか、化学療法または放射線療法により引き起こされたもの である。 同様に、直腸肛門の損傷、疾患又は刺激に関し、本発明の組成物は、組織の刺 激、かゆみ、腫脹を軽減し、直腸肛門疾患により引き起こされる苦痛を軽減し、 組織の修復及び再生を助けることによりこれらの損傷の治癒に導く処置を提供す る。直腸肛門疾患は、肛門周囲領域、肛門管(anal canal)及び直腸に関し、便秘 、下痢、妊娠、肛門感染、直腸癌、及び痔瘻および裂肛の様な極めて多様な起源 の痔核を含み、それらは化学療法や放射線治療により時々誘導される各種の原因 を有することもある。消化管の上部の通路の損傷に関し、直腸結腸の損傷は、直 接に接近され、該組成物は、液剤、懸濁剤、噴霧剤、粉末剤、ゲル、軟膏剤、ペ ースト剤またはゼラチンクリームまたは坐剤の形態で、ノズルが肛門管に導入さ れるピペット又はシリンジ、スパチュラ、ブラシまたはあらゆる他の適当な手段 を用いて投与され得る。 該組成物は、米国食品医薬品局(FDA)により1 980年5月26日に刊行されたモノグラフ第45 35576中に非網羅的(non exhau stively)にリストされた、直腸結腸疾患の処置に通常使用される他の組成物と組 み合わせてもよい。このモノグラフは、局所麻酔剤、血管収縮薬、保護剤(prote ctors)、抗刺激剤(anti-irritants)、収れん剤、治癒剤、防腐剤、角質溶解剤(k eratolytics)及び抗コリン作動薬のようなファミリーに分類される、75を越え る成分を記載する。 本組成物の適用により得られた結果は、痔核の処置について、1993年3月 23日に発行された米国特許第5196405号または米国特許出願第5240 7010(DK102488及びDK505588)に記載されたような、スク ラルファートに基づく組成物を含む既存の製品で得られた結果とは全く異なるオ ーダーである。創傷の表面に依存して、CMDBSまたはHBGFP産物の用量 は、10〜2500μg/mlのフラクションに相当し(普通の傷の局所適用に ついて、数百マイクロリットルを越える溶液の用量は、滅多にないことを意味す る)、この用量は24時間当たり1回または2回適用される。使用されたスクラ ルファート組成物は、0.01〜5%(米国特許5196405による)であり 、換言すれば本発明で記載さ れた用量の少なくとも10倍であり、前記米国特許5196405の全ての実施 例に記載された効果は、組成物1ml当たり50ミリグラムから得られている。 局所経路により容易に接近できない消化管損傷について、該組成物の投与経路 は経口または直腸である。このHBGFPに基づく組成物は、咽頭、胃、食道、 十二指腸、小腸、及び結腸の損傷の治療に有効である。本発明に関するHBGF Pに基づく組成物により有利に治療される損傷の非網羅的な例として、胃酸のよ うな潰瘍を誘発する消化管の部分の粘膜損傷または十二指腸潰瘍、薬物により、 偶然に吸収された化学製品により、または放射線の処置により誘導された損傷、 ストレスまたは食物により誘発され、あるいは外科手術または外傷起源の損傷、 ウイルス損傷または出血性直腸結腸炎またはクローン病のような炎症に関連する 損傷などが言及される。 消化管組織の修復の刺激作用は、例えば肝臓、膵臓、唾液腺、腺性下垂体また は咽頭などの腺関連組織(glandular derivatives)、気管、肺、胸膜のような呼 吸関連組織(respiratory derivatives)などの他の内胚葉及び中胚葉の一次また は二次誘導組織についても見られるかもしれない。 従って、HBGPPsは、これら他の内胚葉及び中胚葉の一次または二次誘導 組織を襲う全ての起源の損傷(手術又は腫瘍または他の病理により誘発される外 傷性損傷)の修復において推薦されるかもしれない。 本発明は以下の実施例で非制限的に示されるであろう: 図1は、CMDBSの式を示す。 図2は、ヘパリン、メソグリカン及びスロデキシドによるFGF1(2A)及 びFGF2(2B)の生物活性の相乗効果を示す。生物活性はCCL39細胞に ついてトリチウム化されたチミジンの取り込みの増加を、FGF1及びFGF2 のみか、またはヘパリン20μg、メソグリカン10μgまたはスロデキシド1 0μgの存在下に加えて測定することにより測定される。 図3及び図4は、ヘパリン、メソグリカン及びスロデキシドの、FGF1(3 )及びFGF2(4)の熱分解に対する保護効果を示す。FGFサンプルは、そ れのみで、またはヘパリン20μg、メソグリカン10μgまたはスロデキシド 10μgの存在下に20℃(a)及び37℃(b)で1、7、15、30日間イ ンキュベートする。横軸に示される生物活性の測定は、 CCL39細胞中へのトリチウム化されたチミジンの取り込みの刺激単位値(E D50)に相当する。 図5Aは、ヘパリン、メソグリカン及びスロデキシドの125I−FGF1の蛋 白質分解に対する保護効果を示す。蛋白質分解は、37℃で実施され、サンプル は18%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離された。ゲルは、乾燥され及び オートラジオグラフ処理された。第一のトラックは125I−FGF1のみを含む 。125I−FGF1は、トリプシン(トラック2)、ヘパリン(トラック3)、 メソグリカン(トラック4)またはスロデキシド(トラック5)の存在下でイン キュベートされる。 図5Bは、ヘパリン、メソグリカン及びスロデキシドの125I−FGF2の蛋 白質分解に対する保護効果を示す。トラックの順序は、図5aの125I−FGF 1で示されたものと同一である。 図6A及び6Bは、DEAE−トリスアクリルカラム溶出プロファイルであり 、各々カラムの較正のためのコンドロイチン硫酸(CSA)フラクションの存在 下でのHSMフラクション(図6A)及びHSSフラクション(図6B)である 。実施例1 CMDBSの調製及び選択 a)CMDBSの調製 CMDBSは、カルボキシメチル、ベンジルアミド及びベンジルアミドスルホ ナート基により置換されたデキストランである。CMDBSの合成法は、エム. マウザック(M.Mauzac)及びジェイ.ジョセフォンビクツ(J.Josefonvicz)in Bi omaterials 1984,5,301-304頁により記載された方法でもよい。 この方法によると、カルボキシメチルデキストラン(CMD)は、いくつかの グリコシル化ユニットを炭素5位及び6位についてカルボキシル基で置換するこ とによりデキストランから調製される。 次の段階で、ベンジルアミドがカルボキシル基と結合され、カルボキシメチル −ベンジルアミドデキストラン(またはCMBD)を形成する。最後に、ベンジ ルアミドのいくつかの芳香族核がスルホン化されてカルボキシメチルデキストラ ン・ベンジルアミド・スルホナートまたはCMDBSを得る。これら誘導体のナ トリウム塩は、限外濾過し、凍結乾燥し、そして使用前に適当な緩衝液に溶解さ れる。 CMDBSの一般式は、図1に示される。 CMDBSは、各種置換基の統計的分布を有する。 各CMDBSのタイプの割合は、標準的方法を用いて測定される。 b)CMDBSの選択 i:FGFの保護及び安定化試験 CMDBSの合成中での各基の置換割合は、置換反応条件を調節することによ り制御できる。温度、反応時間、成分の相対濃度、置換反応の数などのパラメー タを制御すれば、非常に多数の置換ポリマーを得ることができる。5位及び6位 の炭素上のカルボキシメチルによる水酸基の置換は、0〜200%(5位及び6 位の炭素各々について100%)のカルボキシメチル化の割合を与える。カルボ キシメチル基は、次にベンジルアミドを固定するために部分的または全体的に使 用することができる。ベンジルアミド基は、スルホン化のために部分的または全 体的に使用することができる。機能化され、置換された本発明で使用するデキス トランは、特にフランス特許第2.461.724号に詳細に記載されたものの 中にある。FGFファミリーの成長因子を安定化及び保護する能力に加えて、タ ーデュー(Tardieu)及び同僚の刊行物、J.Cell.Physio.1992,150,194-203頁 及びフランス特許第2.461.724号中に記載されるように、選択されたCMDBS は、 以下に記載する評価方法に従いベータTGFファミリーに属する成長因子ファミ リーの少なくとも1種と相互作用し、蛋白質分解に対しベータTGFを保護でき なければならない。 ii.CMDBSとベータTGFファミリー成長因の間の相互作用能力の評価 ある種のCMDBSがベータTGFファミリーのメンバーと相互作用し、この 相互作用によりベータTGFを保護する能力を測定するために、等級付け試験を 工夫した。この試験は、選択されたCMDBSが、ベータTGFがプロテアーゼ 処理にもかかわらずその生物活性を維持することを可能にする能力を測定するこ とにある。 以下の実施例で、使用されたCMDBSは、カルボキシメチル単位110%、 ベンジルアミド単位3.6%およびスルホナート単位36.5%の置換割合で定 義されるバッチ26.2であり、4IU/mg(国際単位)の抗血液凝固活性を有す る。このバッチの抗−補体活性は、マウザック(Mauzac)ら(既に引用された)に 従い1.1μgのCH50と測定される。 コントロールとして使用されたヘパリンは、サノフィ カンパニー(Sanofi co mpany)(チョアイ インステ ィテュート(Choay Institute))により供給され、175IU/mgの抗血液凝固活性 を示す。 ベータ1TGFは、多数の刊行物に記載されたプロトコルに従い、ヒト血小板 から調製され(例えば、Growth Factors and their receptors,1992,vol 1,4 19-472頁,エイ.ロバーツ(A.Roberts)及びエム.スポーン(M.Sporn)により記 述され、エイ.ロバーツ(A.Roberts)及びエム.スポーン(M.Sporn)により編集 され、スプリング・フェアラーク・ベルリン(Spring Verlag Berlin)により刊行 される)および当業者により普通に使用される。この実施例で使用されるベータ TGF生物活性試験は、CCL64細胞(アメリカン・テッシュー・カルチャー ・コレクション(American Tissue Culture Collection)由来)の阻害試験である 。この阻害は、ファン ゾレン(Van Zolen)、Progress in Growth Factor Resear ch,1990,2,131-152頁により記載されたプロトコルに従い、FGFまたはウシ 胎児血清により刺激されたCCL64細胞への用量依存的なトリチウム化チミジ ンの取り込みをベータTGFが阻害する能力により測定される。ベータTGFの 2つの用量は、一方がトリチウム化チミジンの取り込みの50%阻害能(活性単 位を阻害するもの として定義される)に相当し、他方は100%阻害能に相当する。この実施例で は、得られた値は、1mlの培養培地中で培養されたCCL64細胞について2 50pgのTGFである。 0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ・カンパニー、セントルイス、米国から 入手)を含むリン酸緩衝生理食塩水中、ベータTGF50ngのサンプルを、そ れだけでインキュベートするか、あるいは5000μgのCMDBSまたは50 00μgのヘパリンとともに、500μgのトリプシンの存在下または非存在下 でインキュベートする。インキュベートされた溶液の最終容量は、1mlに調整 され、インキュベーションは37℃で時間を変えながら(記載された実施例で1 0分間(表1))行われる。 20μlの容量のサンプルを各インキュベーション反応から取り、イー.ゾレ ン(E.Zohlen)により記載された前記プロトコルに従い各ウエルが1mlの培養 培地を含む24ウエルプレートで培養されたCCL64細胞に加える。これらの 条件で、ウエル当たりのベータTGFの最終濃度は1ng/mlである。表1は、各 種条件で得られた結果を要約し、CMDBSの保護効果を示す。従って、37℃ で10分間のインキュベーショ ンの後、ベータTGFの生物活性の75%がさらに存在し、一方ヘパリンではベ ータTGFに固定できるとの事実にもかかわらず(マク キャフリー(Mac Caffre y)ら、J of Cell.Physiology,1992,vol 52,430-440頁)、ベータTGFをこ の蛋白質分解から保護しない(20%未満の生物活性が残存する)。FGFの場 合、ヘパリンはトリプシンにより誘起される蛋白分解に対し保護を提供すること を思い出すべきである(ターデュー(Tardieu)ら、Journal of Cellular Physiol ogy,1992,150,194-203頁)。 CMDBSは、トリプシンの活性について阻害力を有しないことが証明された (表2)。従って、10μgのトリプシンは、基質(S.87 セルビオ カン パニー(Serbio company)、パリにより供給され、供給者の推薦に従い使用された )またはこの基質及びソーヤ(soya)(シグマからの大豆トリプシンインヒビター またはSTIなど)に由来するようなトリプシンインヒビターとインキュベート され、これらのインキュベーションは各種量のCMDBS(バッチ AM26) の存在下または非存在下で実施された。トリプシンの酵素活性は、インキュベー ション時間に対する分光光度計でのS87のトランスフォーメーション産物の吸 収により測定された。実施例2 他のHBGFPPの選択 プロテオグリコサミノグリカン及びグリコサミノグリカン、スロデキシド、の 商業的調製物は、FGF及びベータTGFファミリーの成長因子と相互作用する 能力に従い選択された。 メソグリカン及びスロデキシドの分画により得られたヘパラン硫酸の調製物も 試験された。 メソグリカン及びスロデキシドは、シグマ・ケミカル・カンパニー、セントル イス・ミズーリ、米国により供給された。その性質は、表3に要約される。 この実施例で使用された細胞は、アメリカン・ティシュー・カルチャー・コレ クションからのCCL39細胞である。培養及びFGF生物活性の測定試験に関 する条件は、Journal of Cellular Physiology,1992中タルディウ(Tardieu)及 び同僚による刊行物に記載された条件と同じである。使用されたFGF成長因子 は、FGF1及びFGF2組換体である。 a)インビトロでのFGFの生物活性についてのスロデキシドの効果 これらの実験では、最大刺激を誘発する用量の50 %の生物活性の刺激を誘発するために、FGF1または2は、有効量(ED50と して示される)に相当する量を使用する。生物活性は、既述のタルディウ(Tardi eu)及び同僚による刊行物及びフランス特許第2644066号のような多数の 文献に詳細に記載されたプロトコルに従い、細胞中のトリチウム化チミジンの取 り込み増加を誘発する能力により測定される。 この実施例では、ED50は、FGF1で5ng/ml、FGF2で3ng/mlであり、 これらの値は実験的に測定される(図2A及び2B)。FGF用量の関数である 同一の刺激実験が、10μg/mlのスロデキシド、または20μg/mlのヘ パリンの存在下で行われる。図2はこれらの条件でスロデキシドまたはヘパリン のこれらの用量の存在下で、ED50がFGF1及びFGF2について各々0.4 ng/mlおよび0.2ng/mlになることを示す。FGFの生物活性を増強するこの能 力に加えて、HBGFPPは熱分解及びトリプシンの蛋白分解作用により誘発さ れる不活性化に対しFGFを保護する(図4及び図5)。同様に、これらのHB GFPPはトリプシンの蛋白分解活性により誘発される不活性化に対しFGF1 及び2を保護する(図5Aおよび5B)。 b)ベータTGFに関するスロデキシド、デキストラン、デキストラン硫酸及び スクラーゼ(sucrase)の保護効果 いくつかの他の化合物が評価された:デキストラン硫酸(シグマケミカル、分 子量40000、このデキストランはCMDBS(同様にシグマ由来)の合成に 使用された)、スクラーゼまたはスクロース・オクタサルフェート(ディー.バ ール・シャロム(D.Bar Shalom)、ブク・メディク・カンパニー・デンマーク(Bu kh Medic company,Denmark)。これらの化合物のいくつか、たとえばスクラーゼ (米国特許第5202311号参照)またはデキストラン硫酸(日本特許138 907/88)は、それらがFGFを保護し安定化するため選択された。デキス トランはCMDBS AM26の合成に使用されるものである。 ベータTGF生物活性の保護実験は、実施例1 iiで記載されたCMDBS についてと同じ方法で行われた。インキュベーション混合物は、50ngのベー タTGF(0.1%ウシ血清アルブミン中)及びトリプシン(500μg)を含 んでいた。メソグリカンまたはスロデキシド又はデキストラン硫酸またはデキス トランまたはスクラーゼは、5000μgの用量で使 用される。 ベータTGFの生物活性は、50倍希釈後CCL64細胞を用いることにより 上記のように測定される。 結果を表4に示す。 これらの結果は、FGFおよびベータTGFに関する2つの選択基準に応答す ることができるある種のCMDBSのように、スロデキシドは、ベータTGFに ついて有意な保護活性を示す。 c)スロデキシド及びメソグリカンのヘパリン硫酸フラクションの単離 スロデキシド及びメソグリカンは、実質的に各種のグリコサミノグリカン(G AG)からなるいくつかの物質の混合物に相当する。 最初の精製段階により、これら2つの製品の乾燥品1g当たり全GAGがメソ グリカンでは874mgおよびスロデキシドでは795mg、各々含まれている ことが確認された。 この精製は、これらの溶解した製品をイオン交換クロマトグラフィー(DEA E−トリスアクリル(Trisacryl)にかけ、全ての蛋白性の不純物を除去すること で得られた。全GAGは、次いでDEAEゲルを、1.5M NaClを含む酢酸ナトリ ウム溶液、pH4で溶出して精 製した。 大量の水に対する透析工程の後、各々60mgのGAG製品をABCコンドロイ チナーゼ(GAG1mgあたり1単位)により37℃で終夜消化した。この酵素は 、全てのGAGをヘパラン硫酸(HS)を除いて分解する。消化産物は、分子ふ るいクロマトグラフィー(G50セファデックス、1.8×95cmカラム)に かけられた。次いで溶出は、18ml/時間の割合で炭酸水素アンモニウム緩衝液 で行われた。HS−タイプGAGに相当する非消化物質は、カラムの溶出死容積 中に集められた。 GAG濃度が、カルバゾール法(ビター ティー.(Bitter T.)及びムアー エイチ.エム.(Muir H.M.),1962,Anal.Biochem 4,330-334頁)を用いてウ ロン酸含量から計算された。 これらの測定から、各製品について以下の組成が得られた: これら2つの製品の各HS分画は、再度DEAE ト リスアクリルゲル上のクロマトグラフにかけた。各HS分画1mgは、メソグリカ ン(図6A)及びスロデキシド(図6B)3ml中に精製され、0.05M NaCl、0.05 M Tris-HCl 緩衝液 pH7.5を用いて平衡化したカラムに付着させた。10倍量の 同じ緩衝液でカラムを洗浄後、10倍量の0.05M NaCl、0.05M 酢酸ナトリウム緩 衝液pH4で洗浄し、カラムに固定された物質を同じ酢酸緩衝液中0.05Mか ら1.5M NaClの塩グラジエントにより脱着させた。1mlの各分画を集 め、カルバゾール法で測定した。 もとの各製品のHS成分に相当する物質は、ほぼ同じ溶出プロフィール、従っ てほぼ同一の見かけの負荷(load)を示す。この最大の溶出ピークは、塩濃度が0 .94M NaClで得られる。コンドロイチン硫酸(CSA)の定義された分 画は、クロマトグラフィーの較正のため同じプロトコルにかけた。このCSA分 画は、ジサッカライドに1個のみの硫酸基を含み、0.72M NaClのイオ ン強度で溶出される。 これらの結果は、HS分画が対照のCSAよりも多くの硫酸基を含むことを示 す。HS分画は、二糖単位当たり約2個の硫酸基を示す。 これらの分画は、ベータTGF及びFGFに関する 保護力を各原料で確認された保護力と比較して明らかにするために試験された。各種ポリマーによるFGFの保護効果の半定量的評価 上記のように、一定量の放射性FGFが種々の条件下でインキュベートされる 。反応生成物のオートラジオグラフィーの後、放射性FGFの非分解量を濃度計 により定量する。値は、反応の初めに付着した量と比較して見出された放射標識 されたFGFの割合に相当する(表5)。 表4及び5の結果は、HSM及びHSS分画は、メソグリカン及びスロデキシ ドに各々由来し、2つの組成物よりも大きく、100%に近い保護効果を発現す ることを示す。実施例3 白血球エラスターゼ及びプラスミンの活性に関するCMDBS及びグリコサミノ グリカンのインビトロ阻害効果 各種CMDBSおよびその合成中間化合物の阻害力が、白血球エラスターゼ及 びプラスミンについて確認された。精製した白血球エラスターゼをエラスチン・ プロダクツ・カンパニー(Elastin Products Co)(オーウェンビル、ミズーリ、米 国(Owenville,MO,USA)か ら入手し、プラスミンをシグマから入手した。 これらの各種化合物による酵素活性の阻害は、37℃の恒温槽中で行われる。 考慮される酵素は、エラスターゼはpH8の100mM Tris−HCl緩衝 液の溶液中に置かれ、プラスミンは0.02%アジ化ナトリウム及び0.01% トリトン(Triton)X100の存在下にpH7.4の100mM Tris−HC l緩衝液の溶液中に置かれる。基質及び酵素濃度は、8.3nMのエラスターゼ では0.10mM MeO-Suc-Ala-Ala-Pro-Val-pNA(パラニトロアニリド)、並びに77nM のプラスミンでは0.20mM dVal-Leu-dLys-pNAである。IC50は、各条件で 測定される。 表6は、得られた結果を示し、バッチAM6は40000kDのT40デキス トランに相当する。バッチEM5は10000kDのT10デキストランに相当 する。合成の中間体生成物は、各置換反応の数(number)を特定したインデックス 番号で与えられるシンボルにより同定される。 IC50値は、CMDBSが、この活性の最良の阻害剤の1つである(Kiが1 nMのオーダー)ヘパリンに匹敵する白血球エラスターゼ活性に対する非競合的 双曲線タイプの阻害効果を有することを示す。加えて、 ヘパリンとは異なり、CMDBSはプラスミンについて阻害効果を示す。 表6は、HSM及びHSS分画の阻害効果が、各々メソグリカン及びスロデキ シドの阻害効果より大きいことも示す。実施例4 CMDBSの結腸吻合についての治癒効果 この実施例で用いられたCMDBSのバッチは、実施例1に記載されたもので ある。溶液ml当たり50μgのCMDBSが生理学的血清中で製造される。雄 ウイスターラット(Wi/Wi,Ico,Iffa Credo France)、体重250〜300gを フェノバルビタールナトリウムで麻酔した。臍下正中線開腹術(subumbilical mi dline laparotomy)を1.5cmにわたり行う。直腸結腸接合部(rectocolic jun ction)を区別し、折り込みメスで切断する。吻合術の2つの盛り上がり部(bank) にCMDBSまたは生理学的緩衝液を含む溶液を2分間吸収させる。吻合術は直 径6/0のポリグラクチン910糸で5針縫うことで、平面中末端−末端様式で 行われる。結び目は、6ループからなる。壁の閉鎖は、2つの平面で行われる。 ラットは7匹の2つの群に分割される。実験は、二重盲検(double blind)で 行われる。サンプルは手術後の2日目、4日目及び7日目に摂取される。治癒の 質は、吻合術の破断圧力を水銀のミリメーターで測定することにより研究する。 結腸は吻合の両側2cmのところを切断し、一方の端部は低いが一定の速度で水 を注入する自己押出シリンジ(self-pushing syringe)に接続し、他方の端部は、 マノメーターに連結する。圧力は連続的に巻紙に記録する。破断圧力を分析し記 録することにより決定する。得られた値は以下の表7に示される。 結果:第2日(手術後48時間)に、CMDBS処置とともに及びCMDBS 処置なしに、実現される吻合破断力の間で、約3倍の非常に大きな相違が測定さ れる。この平均(mean)は、統計的に有意(p≦0.05)である。第4日目にこ の相違はずっと小さく、CMDBSで処置された動物の方が約10%増大した抵 抗性に相当する。第7日に、処置及び未処置の抵抗性の間に何らの相違もない。 CMDBS処置の利益は、それが大きく改良された吻合術の固さ(solidity)を非 常に重要な瞬間、すなわち治癒のまさに初期に提供し、吻合破断のリスクは最初 の数日に常に起こることから、明瞭に見られる。実施例5 酢酸により誘発された結腸炎についてのCMDBSの治癒効果 6匹の体重約200gのSprague Dawley雄ラットの群が試験前24時間、水は 許される断食(hydric fasting)に置かれる。試験の日に動物を腹腔内経路により ペントバルビタール(30mg/kg)で麻酔する。開腹術の後、盲腸から2cmで、5% 酢酸2mlの結腸点滴を行う。酢酸は10秒間接触したままとし、次に結腸は3m lのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7ですすぐ。次いで創傷を閉じる。動 物は頸部の伸張により72時間後に犠牲にする。結腸の変化は以下のスケールで 表す 0:正常な結腸 1:うっ血 2:粘膜表面の壊死 4:浮腫を伴う粘膜の大部分の壊死 5:穿孔処置 6匹のラットの第一コントロール群は、処置を受けていない。 第二群は、CMDBS(バッチAM26)の水溶液50μgを、3日間朝夕経 口投与により受ける。 第三群は、スクラルファート(ウルカーの名称で販 売される(ULCAR)ファーマシューティカル・ラボラトリーズ・ファブレ(Pharmace utical Laboratories Fabre))を受ける。提供者の推薦用量を3日間、1日2回 経口投与して使用する(500mg/kg、すなわち、ラット当たり100mg)。統計的分析 平均及び標準誤差は、各バッチの動物について計算された。統計的な比較は、 コントロールと比較するホワイト非パラメータ試験(White's non parametric te st)を用いて行う。 結果は、以下の表8に示す。 これらの結果が示すように、CMDBSは酢酸により誘発された結腸の損傷の 重傷度を約75%低減する(有意な効果、p≦0.05)。一方、スクラルファ ートはこれらの潰瘍の治癒に有意な効果を持たない。実施例7 HBGPPに基づく組成物 実施例5及び6で記載されるように、CMDBSは緩衝生理食塩水溶液(PB S緩衝液)または50μg/mlの濃度の生理学的血清である。投与は局所また は経口である。それは静注でもよい。他の組成物は、損傷部位に達するCMDB Sの用量が1μg〜100 0μgになる限り提案できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 37/22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. トリプシン分解からFGF及びベータTGFファミリーの成長因子を特異 的に保護し、血液凝固を有意に阻害しない、メソグリカンを除くHBGFPPと 呼ばれる少なくとも1種のポリマーまたは1種のバイオポリマーの、消化管並び に内胚葉及び中胚葉の一次又は二次由来組織の損傷の処置のための医薬の製造に おける使用。 2. ポリマーまたはバイオポリマーが、ポリマーmg当たり50国際単位未満 の抗凝血活性を示すことを特徴とする請求項1記載の使用。 3. 前記ポリマーが実質的に補体システムを活性化しないことを特徴とする請 求項1及び2のいずれかに記載の使用。 4. 前記ポリマーがインビトロでFGFの効果を増強することを特徴とする請 求項1〜3のいずれかに記載の使用。 5. 前記ポリマーがエラスターゼ及び/又はプラスミンのプロテアーゼ活性を 実質的に阻害することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使用。 6. 前記ポリマーまたはバイオポリマーが多糖であることを特徴とする請求項 1〜5のいずれかに記載の 使用。 7. 前記多糖が主としてグルコース残基から構成されることを特徴とする請求 項6記載の使用。 8. 前記多糖がグルコサミン及び/又はウロン酸残基を含むことを特徴とする 請求項6記載の使用。 9. 前記多糖がグルコサミン−ウロン酸ダイマーを含むことを特徴とする請求 項8記載の使用。 10. 前記多糖がグリコサミノグリカン、またはこれら化合物の1つのサルフ ェートであって、脂質、ペプチド又はプロチドと組み合わせてもよいことを特徴 とする請求項8及び9のいずれかに記載の使用。 11. 前記多糖が置換デキストランであることを特徴とする請求項1〜6のい ずれかに記載の使用。 12. 前記多糖がCMDBSであることを特徴とする請求項11記載の使用。 13. 前記ポリマーが非オシディック性(non-osidic nature)であることを特 徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の使用。 14. 請求項1〜13に記載されたような少なくとも1種のポリマーを薬理学 的に許容される少なくとも1種の賦形剤と組み合わせて含む消化管並びに内胚葉 及び中胚葉の一次又は二次由来組織の損傷の処置のた めの医薬組成物。 15. 組成物ml当たり約10μg〜2500μgのポリマーまたはバイオポ リマーを含むことを特徴とする請求項14記載の組成物。
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