JPH10505329A - 塩化アリルの精製 - Google Patents

塩化アリルの精製

Info

Publication number
JPH10505329A
JPH10505329A JP8505458A JP50545896A JPH10505329A JP H10505329 A JPH10505329 A JP H10505329A JP 8505458 A JP8505458 A JP 8505458A JP 50545896 A JP50545896 A JP 50545896A JP H10505329 A JPH10505329 A JP H10505329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
allyl chloride
hexadiene
chlorination
chlorine
hexene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8505458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3766436B2 (ja
Inventor
ヨング,アベ,ヴイーベ デ
ニスベツト,テイモシー,ミヒヤエル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shell Internationale Research Maatschappij BV
Original Assignee
Shell Internationale Research Maatschappij BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shell Internationale Research Maatschappij BV filed Critical Shell Internationale Research Maatschappij BV
Publication of JPH10505329A publication Critical patent/JPH10505329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3766436B2 publication Critical patent/JP3766436B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C21/00Acyclic unsaturated compounds containing halogen atoms
    • C07C21/02Acyclic unsaturated compounds containing halogen atoms containing carbon-to-carbon double bonds
    • C07C21/04Chloro-alkenes
    • C07C21/067Allyl chloride; Methallyl chloride
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C17/395Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 液相にて行われる塩素化工程を特徴とする塩化アリルからの(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】 塩化アリルの精製 本発明は、或る種の望ましくない副生物を除去することによる塩化アリルの精 製に関するものである。 塩化アリルはプロペンの高温塩素化によって工業的に製造される。その主たる 用途は異性体1,2−ジクロル−3−ヒドロキシプロパンおよび1,3−ジクロ ル−2−ヒドロキシプロパンを意味するジクロルヒドリンの製造であり、これは 一般に塩化アリル供給物を希薄水相にて水および塩素と反応させて行われる。ジ クロルヒドリンの主たる用途は、一般に塩基の存在下で脱塩酸することによるエ ピクロルヒドリン(1,2−エポキシ−3−クロルプロパン)の製造である。こ れら反応はバッチ式、半連続式または連続式に行うことができる。塩化アリルの 他の用途はエステル、アリルエーテルおよびアリルアミンの製造である[ウルマ ン・エンサイクロペジア・オブ・インダストリアル・ケミストリー、第5版、第 A巻(1985)、第431頁]。 エピクロルヒドリン製造プラントから発生する多量の水性溶出液は著量の他の 塩素化有機化合物を含有しうることが知られている(約100mg Cl/Lま での抽出可能な有機塩素、EOCl)。これら塩素化された有機副生物は主とし てクロル脂肪族エーテルおよびクロル脂肪族アルカンである。これらは常法で作 成されたジクロルヒドリンに既に存在し、エピクロルヒドリン製造プラントの流 出液に移行する。これら塩素化された有機副生物は毒性であるため、廃水におけ るその濃度をこの廃水をたとえば河川および湖のような受入領域に移行させる前 にできるだけ減少させねばならない。エピクロルヒドリン製造プラント流出液か らの、たとえば分別蒸留のような常法による塩素化有機副生物の除去は極めて高 価につくため、そのレベルを減少させる代案方法につきニーズが存在する。 本出願人の欧州特許出願公開明細書第0 359 331号は、塩化アリルと 水および塩素との反応の水性生成物を40〜105℃の大気圧沸点を有する水不 混和性溶剤で抽出することにより上記反応流出液における塩素化有機副生物のレ ベルを減少させる方法に向けられる。本出願人の欧州特許出願公開明細書第0 537 846号は、抽出用の水不混和性溶剤が1,2,3−トリクロルプロパ ンである同様な方法を開示している。 本出願人のWO−94/1316号には、上記反応流出液における塩素化有機 副生物のレベルを減少させる異なる手法が示されている。そこには上記の望まし くない塩素化有機副生物が主として9〜12個の炭素原子(C9およびC12)を 有するクロル脂肪族エーテルであることが開示され、C15クロル脂肪族エーテル のレベルはずっと低く、さらに塩化アリル供給物におけるその供給源が主として プロペンから塩化アリルへの高温塩素化の副生物であるヘキサジエン(すなわち C610異性体、特に1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエンおよび2− メチル−1,4−ペンタジエン)であることも開示されている。ジクロルヒドリ ンを生成させるための水および塩素との上記反応に対する塩化アリル供給物に存 在する場合、これらヘキサジエンは塩素、水およびジクロルヒドリンとも反応し て、反応流出液に見られるクロル脂肪族エーテルを生成する。 ジクロルヒドリンを製造するべく使用する市販の塩化アリルは少なくとも97 .5重量%の純度であって、ヘキサジエンを不純物として含有する[ウルマン・ エンサイクロペジア・オブ・インダストリアル・ケミストリー、上記]。この純 度に達するには、プロペンの塩素化により製造されて約75〜80%の塩化アリ ルと軽質および重質の不純物とを含有する粗塩化アリルを常法で精製する。精製 は一般に少なくとも2工程にて蒸留により行われ、それぞれ軽質部分および重質 部分を除去する。一般にヘキサジエンの0.3〜1.0重量%が、ジクロルヒド リンの製造に使用された精製塩化アリルにまだ存在する。WO−94/1316 号には、0.30重量%未満のヘキジエンを含有する塩化アリル供給物をジクロ ルヒドリンの製造につき水および塩素と共に使用する場合、生成物はずっと少量 の望ましくない塩素化有機副生物しか含有せず、プラントから流出する水性流出 液の精製コストを相当減少させることが開示されている。 さらにWO−94/1316号は、ジクロルヒドリン製造のための塩化アリル 供給物からヘキサジエンを除去する幾つかの方法を、前記望ましくない塩素化有 機副生物の生成を減少させる観点から開示している。これら方法の1つは粗塩化 アリル供給物中に存在するヘキサジエンをたとえばMoCl5のようなルイス酸 の存在下でHClによりモノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンまで塩化水 素処理することを含む。モノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンの大気圧に おける沸点はそれぞれ110〜140℃および170〜220℃の範囲であるた め、これらはヘキサジエン(沸点55〜65℃)よりも塩化アリル(沸点45℃ )から分離するのがずっと容易である。 WO−94/1316号は塩化アリル供給物中に存在するヘキサジエンの98 %程度をモノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンまで選択的に変換するのに 極めて効果的である塩化水素処理を示しているが、実際にはこの方法は使用する 触媒が高価であると共に反応生成物からこれを分離せねばならないという欠点を 有する。さらに、モノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンよりもずっと重質 である生成物まで塩化アリルにおけるヘキサジエンを変換することも望ましい。 勿論、この変換は塩化アリル自身に対し不当な悪影響を及ぼさずにヘキサジエン に対する選択性を保たねばならない。 さらに粗塩化アリルは副生物としてヘキサジエンの他に少量の他の脂肪族およ びシクロ脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体、たとえばノルマルヘキセン 、メチルペンテン、メチルシクロペンテンおよびメチルシクロペンタジエンをも 含有し、これらも常法で精製された塩化アリルまで移行する。存在するとメチル シクロペンテン不純物はエピクロルヒドリン製造過程でエポキシメチルシクロペ ンタンまで変換されることが判明し、後者は著量で存在すればエピクロルヒドリ ンの処理に悪影響を及ぼしうる。 今回、粗塩化アリルおよび常法で精製された塩化アリルに存在するヘキサジエ ン並びにメチルシクロペンテン、さらに脂肪族および脂環式ヘキセンおよびヘキ サジエン異性体は液相における分子状塩素での塩素化により効果的かつ効率的に 除去しうることが突き止められた。この塩素化工程においてヘキサジエンはジク ロルヘキセンおよびテトラクロルヘキサンまで変換され、これらはWO−94/ 1316号に挙げられた塩か水素処理生成物よりも重質であると共に塩化アリル 主流から一層容易に分離される。次いで、メチルシクロペンテンはこの塩素化工 程にてジクロルメチルシクロペンタンまで変換され、これも塩化アリル主流から 容易に分離することができる。驚くことに正確に行えば塩素化は極めて選択的で あり、すなわち塩化アリル自身は不飽和C6不純物に対し大過剰で存在するが相 当量まで塩素化されないことが判明した。 したがって本発明は、塩素化工程を液相中で行うことを特徴とする塩化アリル からの(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体の除去方法に向けら れる。 塩素化工程においては、必要に応じ不活性ガスまたはたとえば1,2,3−ト リクロルプロパンもしくは四塩化炭素のような不活性液体溶剤と混合しうる分子 状塩素を使用される温度と圧力との組合せにて液状に保たれる粗塩化アリルと反 応器内で接触させる。塩化アリルを液状に保つことが重要である。何故なら、こ の場合のみ塩素化反応が充分選択的となるからである。ガス状塩化アリルは極め て容易に塩素と反応して、有用でないトリクロルプロパンとなる。 本発明による塩素化工程を行う温度は−20〜120℃の範囲、好ましくは2 0〜80℃の範囲で変化することができ、圧力は塩化アリルが使用温度にて液体 であるよう確保すべく選択される。 本発明による塩素化につき使用する塩素の全量は好ましくは、粗塩化アリル中 に最初に存在する(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエンの合計1モル当 り1〜5モル、より好ましくは1.5〜3.5モルの範囲である。ヘキセンおよ びヘキサジエンの最適塩素化につき必要とされるよりも相当高い塩素濃度は、全 不純物を塩素化した後も塩化アリル自身を塩素化し続ける傾向を有する。 粗塩化アリルはしばしば、塩化アリルを作成した残留プロペンをも含有する。 プロペンも反応条件下で塩素と反応する(ジクロルプロパンまで)と共に、たと えば蒸留のような慣用の分離手段によるプロペンの直接的除去がヘキサジエンお よびメチルシクロペンテンの除去と同じ困難性を示さないので、本発明による塩 素化工程を実施する前に粗塩化アリルからプロペンを分離するのが便利である。 したがって本発明の好適具体例においては、塩素化工程を粗塩化アリルからの軽 質部分の除去後に行う。 本発明による精製工程はバッチ式でも連続式でも行うことができる。 本発明による塩素化工程を行った後、塩化アリル精製をたとえば蒸留のような 慣用手段により完結することができる。従って、好適具体例において本発明は: a. 粗塩化アリルを蒸留して軽質部分を除去し; b. 粗塩化アリル中に存在する(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン 異性体を液相にて塩素化し; c. 粗塩化アリルを蒸留して重質部分を除去する 工程からなっている。 以下、実施例により本発明を説明する。実施例1 0.36モル%の1,5−ヘキサジエンと全部で0.46モル%の(シクロ) 脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエンとを>98重量%の塩化アリル中に含有する 16.7gの供給物A(すなわち実験室級の塩化アリル(メルク社、Art.8 00257))を30mLのガラス瓶に21℃および大気圧にて入れた。この液 体を磁気攪拌器を用いて撹拌した。塩素ガスをパイプを介し液体表面下にて5m g/secの速度で投入した。生成物をガスクロマトグラフィー/質量スペクト ロメトリーにより分析した。(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエンの全 体に対し1モルおよび2モル当量の塩素を投入した後、ヘキサジエン(ジクロル ヘキセンおよびテトラクロルヘキサンまで)および塩化アリル(1,2,3−ト リクロルプロパンまで)の全塩素化を第1表に示す。実施例2および3 供給物Aを400g/hおよび20℃にて垂直位置するガラス管反応器(直径 4mm、長さ1m)の底部に連続供給した。 塩素ガスを0.92〜4.70g/hの速度で(シクロ)脂肪族ヘキセンおよ びヘキサジエンの全体に対し0.6〜2.7のモル比になるよう反応器の底部へ 、この底部から3cmに位置するガラスシンターの直下に設けて反応器の全断面 に至る(微細ノズルを介して連続供給することにより塩素ガスを塩化アリル中に バブリングさせた。シンターの下および反応器頂部における反応器圧力はそれぞ れ160〜180 kPaおよび大気圧とした。液体試料を反応器頂部から取出 して、ガスクロマトグラフィーによりヘキサジエン(ジクロルヘキセンおよびテ トラクロルヘキサンの合計)および塩化アリル(トリクロルプロパン)塩素化生 成物の含有量につき分析した。全塩素化の結果をも第1表に示す。実施例4 78重量%の塩化アリルと塩化アリルに対し0.33モル%の1,5−ヘキサ ジエンと全部で0.45モル%の(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン とを含有する粗塩化アリルを使用した以外は実施例2および3と同様にし、この 供給物を先ず最初に蒸留してプロペンを除去した(供給物B)。全塩素化の結果 をも第1表に示す。実施例5 プロペンを除去した後に使用した粗生成物の塩化アリル含有量が80重量%で あり、ヘキサジエン含有量が0.31モル%であり、全(シクロ)脂肪族ヘキセ ンおよびヘキサジエン含有量が0.44モル%である以外は実施例4と同様であ る(供給物C)。全塩素化の結果をも第1表に示す。さらに、変換された(ジク ロルヘキセンおよびテトラクロルヘキサンまで)ヘキサジエンの生成物バランス を第2表に示す。実施例6 供給物C(実施例5と同様)を400g/hにて垂直位置する鋼管反応器(直 径4.4mm、長さ1m)の底部に連続供給した。塩素ガスを反応器の底部へ微 細ノズルを介し(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエンの全体に対し2. 5のモル比にて連続供給した。反応器温度をオイルジャケットで制御した。反応 器圧力は反応器出口における背圧調整器で制御した。液体試料を取出し、ガスク ロマトグラフィーにより分析した。種々異なる温度における全塩素化の結果を第 3表に示す。 実施例1〜5から明らかなように、塩素化反応はほぼ全部のヘキサジエンが塩 素化される点まで選択的である。 実施例6はより高温度における塩素化の効果を示す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年5月21日 【補正内容】 補正明細書 本出願人の欧州特許出願公開明細書第0 359 331号は、塩化アリルと 水および塩素との反応の水性生成物を40〜105℃の大気圧沸点を有する水不 混和性溶剤で抽出することにより上記反応流出液における塩素化有機副生物のレ ベルを減少させる方法に向けられる。本出願人の欧州特許出願公開明細書第0 537 846号は、抽出用の水不混和性溶剤が1,2,3−トリクロルプロパ ンである同様な方法を開示している。 本出願人のWO−94/13611号には、上記反応流出液における塩素化有 機副生物のレベルを減少させる異なる手法が示されている。そこには上記の望ま しくない塩素化有機副生物が主として9〜12個の炭素原子(C9およびC12) を有するクロル脂肪族エーテルであることが開示され、C15クロル脂肪族エーテ ルのレベルはずっと低く、さらに塩化アリル供給物におけるその供給源が主とし てプロペンから塩化アリルへの高温塩素化の副生物であるヘキサジエン(すなわ ちC610異性体、特に1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエンおよび2 −メチル−1,4−ペンタジエン)であることも開示されている。ジクロルヒド リンを生成させるための水および塩素との上記反応に対する塩化アリル供給物に 存在する場合、これらヘキサジエンは塩素、水およびジクロルヒドリンとも反応 して、反応流出液に見られるクロル脂肪族エーテルを生成する。 ジクロルヒドリンを製造するべく使用する市販の塩化アリルは少なくとも97 .5重量%の純度であって、ヘキサジエンを不純物として含有する[ウルマン・ エンサイクロペジア・オブ・インダストリアル・ケミストリー、上記]。この純 度に達するには、プロペンの塩素化により製造されて約75〜80%の塩化アリ ルと軽質および重質の不純物とを含有する粗塩化アリルを常法で精製する。精製 は一般に少なくとも2工程にて蒸留により行われ、それぞれ軽質部分および重質 部分を除去する。一般にヘキサジエンの0.3〜1.0重量%が、ジクロルヒド リンの製造に使用された精製塩化アリルにまだ存在する。WO−94/1361 1号には、0.30重量%未満のヘキジエンを含有する塩化アリル供給物をジク ロルヒドリンの製造につき水および塩素と共に使用する場合、生成物はずっと少 量の望ましくない塩素化有機副生物しか含有せず、プラントから流出する水性流 出液の精製コストを相当減少させることが開示されている。 さらにWO−94/13611号は、ジクロルヒドリン製造のための塩化アリ ル供給物からヘキサジエンを除去する幾つかの方法を、前記望ましくない塩素化 有機副生物の生成を減少させる観点から開示している。これら方法の1つは粗塩 化アリル供給物中に存在するヘキサジエンをたとえばMoCl5のようなルイス 酸の存在下でHClによりモノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンまで塩化 水素処理することを含む。モノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンの大気圧 における沸点はそれぞれ110〜140℃および170〜220℃の範囲である ため、これらはヘキサジエン(沸点55〜65℃)よりも塩化アリル(沸点45 ℃)から分離するのがずっと容易である。 WO−94/13611号は塩化アリル供給物中に存在するヘキサジエンの9 8%程度をモノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンまで選択的に変換するの に極めて効果的である塩化水素処理を示しているが、実際にはこの方法は使用す る触媒が高価であると共に反応生成物からこれを分離せねばならないという欠点 を有する。さらに、モノクロルヘキセンおよびジクロルヘキサンよりもずっと重 質である生成物まで塩化アリルにおけるヘキサジエンを変換することも望ましい 。勿論、この変換は塩化アリル自身に対し不当な悪影響を及ぼさずにヘキサジエ ンに対する選択性を保たねばならない。 さらに粗塩化アリルは副生物としてへキサジエンの他に少量の他の脂肪族およ びシクロ脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体、たとえばノルマルヘキセン 、メチルペンテン、メチルシクロペンテンおよびメチルシクロペンタジエンをも 含有し、これらも常法で精製された塩化アリルまで移行する。存在するとメチル シクロペンテン不純物はエピクロルヒドリン製造過程でエポキシメチルシクロペ ンタンまで変換されることが判明し、後者は著量で存在すればエピクロルヒドリ ンの処理に悪影響を及ぼしうる。 米国特許発明明細書第3,914,167号には、塩化アリルの製造にて得ら れる蒸留残渣よりシス−1,3−ジクロルプロペンを製造する方法が開示されて いる。前記方法は、元素状塩素または臭素との反応により蒸留残渣中のC6オレ フィン成分を選択的にハロゲン化する工程を含む。塩化アリルは塩素に対しジク ロルプロペンよりも反応性が高いため、過剰の塩化アリルの存在下にヘキサジエ ンを塩素化する選択性はこの米国特許からは予想不可能である。 今回、粗塩化アリルおよび常法で精製された塩化アリルに存在するヘキサジエ ン並びにメチルシクロペンテン、さらに脂肪族および脂環式ヘキセンおよびヘキ サジエン異性体は液相における分子状塩素での塩素化により効果的かつ効率的に 除去しうることが突き止められた。この塩素化工程においてヘキサジエンはジク ロルヘキセンおよびテトラクロルヘキサンまで変換され、これらはWO−94/ 13611号に挙げられた塩か水素処理生成物よりも重質であると共に塩化アリ ル主流から一層容易に分離される。次いで、メチルシクロペンテンはこの塩素化 工程にてジクロルメチルシクロペンタンまで変換され、これも塩化アリル主流か ら容易に分離することができる。驚くことに正確に行えば塩素化は極めて選択的 であり、すなわち塩化アリル自身は不飽和C6不純物に対し大過剰で存在するが 相当量まで塩素化されないことが判明した。 したがって本発明は、分子状塩素による塩素化工程を液相中で行うことを特徴 とする塩化アリルからの(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体の 除去方法に向けられる。 塩素化工程においては、必要に応じ不活性ガスまたはたとえば1,2,3−ト リクロルプロパンもしくは四塩化炭素のような不活性液体溶剤と混合しうる分子 状塩素を使用される温度と圧力との組合せにて液状に保たれる粗塩化アリルと反 応器内で接触させる。塩化アリルを液状に保つことが重要である。何故なら、こ の場合のみ塩素化反応が充分選択的となるからである。ガス状塩化アリルは極め て容易に塩素と反応して、有用でないトリクロルプロパンとなる。 本発明による塩素化工程を行う温度は−20〜120℃の範囲、好ましくは2 0〜80℃の範囲で変化することができ、圧力は塩化アリルが使用温度にて液体 であるよう確保すべく選択される。 補正請求の範囲 1. 塩化アリルから(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体を除 去する方法であって、分子状塩素による塩素化工程を液相中で行うことを特徴と する上記方法。 2. 必要に応じ不活性ガスと混合されたガス状塩素または不活性液に溶解され た塩素を供給することにより塩素化を行うことを特徴とする請求の範囲第1項に 記載の方法。 3. 塩素化を、−20〜120℃の温度および適用温度にて塩化アリルが液体 であるよう確保するのに充分な圧力にて行うことを特徴とする請求の範囲第1項 または第2項に記載の方法。 4. 塩素化を20〜80℃の温度にて行うことを特徴とする請求の範囲第3項 に記載の方法。 5. 塩素化に使用する塩素の量が、粗塩化アリル中に最初に存在する(シクロ )脂肪族ヘキセンとヘキサジエンとの合計1モル当り1〜5モルであることを特 徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか一項に記載の方法。 6. 使用する塩素の量が、粗塩化アリル中に最初に存在する(シクロ)脂肪族 ヘキセンおよびヘキサジエンの合計1モル当り1.5〜3.5モルであることを 特徴とする請求の範囲第5項に記載の方法。 7. a. 粗塩化アリルを蒸留して軽質部分を除去し; b. 粗塩化アリル中に存在する(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサ ジエン異性体を液相にて塩素化し; c. 粗塩化アリルを蒸留して重質部分を除去する ことを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか一項に記載の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 塩化アリルから(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサジエン異性体を除 去する方法であって、塩素化工程を液相中で行うことを特徴とする上記方法。 2. 必要に応じ不活性ガスと混合されたガス状塩素または不活性液に溶解され た塩素を供給することにより塩素化を行うことを特徴とする請求の範囲第1項に 記載の方法。 3. 塩素化を、−20〜120℃の温度および適用温度にて塩化アリルが液体 であるよう確保するのに充分な圧力にて行うことを特徴とする請求の範囲第1項 または第2項に記載の方法。 4. 塩素化を20〜80℃の温度にて行うことを特徴とする請求の範囲第3項 に記載の方法。 5. 塩素化に使用する塩素の量が、粗塩化アリル中に最初に存在する(シクロ )脂肪族ヘキセンとヘキサジエンとの合計1モル当り1〜5モルであることを特 徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか一項に記載の方法。 6. 使用する塩素の量が、粗塩化アリル中に最初に存在する(シクロ)脂肪族 ヘキセンおよびヘキサジエンの合計1モル当り1.5〜3.5モルであることを 特徴とする請求の範囲第5項に記載の方法。 7. a. 粗塩化アリルを蒸留して軽質部分を除去し; b. 粗塩化アリル中に存在する(シクロ)脂肪族ヘキセンおよびヘキサ ジエン異性体を液相にて塩素化し; c. 粗塩化アリルを蒸留して重質部分を除去する ことを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか一項に記載の方法。
JP50545896A 1994-07-22 1995-07-20 塩化アリルの精製 Expired - Lifetime JP3766436B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP94202144 1994-07-22
AT94202144.5 1994-07-22
PCT/EP1995/002900 WO1996003362A1 (en) 1994-07-22 1995-07-20 Purification of allyl chloride

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10505329A true JPH10505329A (ja) 1998-05-26
JP3766436B2 JP3766436B2 (ja) 2006-04-12

Family

ID=8217059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50545896A Expired - Lifetime JP3766436B2 (ja) 1994-07-22 1995-07-20 塩化アリルの精製

Country Status (11)

Country Link
US (1) US5723703A (ja)
EP (1) EP0773915B1 (ja)
JP (1) JP3766436B2 (ja)
KR (1) KR100348942B1 (ja)
CN (1) CN1088052C (ja)
CA (1) CA2195536A1 (ja)
DE (1) DE69509392T2 (ja)
ES (1) ES2130632T3 (ja)
PL (1) PL179354B1 (ja)
TW (1) TW372231B (ja)
WO (1) WO1996003362A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011213716A (ja) * 2010-03-15 2011-10-27 Mitsubishi Chemicals Corp ポリアリルオキシ化合物の製造方法及びポリグリシジルオキシ化合物の製造方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK1175592T3 (da) * 1999-05-03 2003-10-06 Synthes Ag Positionsregistreringsanordning med hjælpemidler til fastlæggelse af tyngdekraftvektorens retning
FR2846965B1 (fr) 2002-11-12 2006-10-13 Procede de fabrication de 1,2-epoxy-3-chloropropane
FR2846964B1 (fr) 2002-11-12 2006-07-21 Procede de fabrication de 1,2-epoxy-3-chloropropane
US8796478B2 (en) 2011-01-27 2014-08-05 Solvay Sa Process for the manufacture of 1,2-epoxy-3-chloropropane
WO2012101176A1 (en) 2011-01-27 2012-08-02 Solvay Sa Process for the manufacture of 1,2-epoxy-3-chloropropane
EP3034528B1 (de) 2014-12-19 2017-06-21 Evonik Degussa GmbH Covernetzersysteme für Verkapselungsfolien umfassend Harnstoffverbindungen
EP3034527B1 (de) 2014-12-19 2017-05-31 Evonik Degussa GmbH Covernetzersysteme für Verkapselungsfolien umfassend Bis-(alkenylamid)-Verbindungen
CN110396036B (zh) * 2019-08-12 2021-10-22 江苏扬农化工集团有限公司 一种分离氯丙烯和氯丙烷的方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3914167A (en) * 1974-08-26 1975-10-21 Dow Chemical Co Process for making cis-1,3-dichloropropene
US4900849A (en) * 1988-09-09 1990-02-13 Shell Oil Company Process for the production of dichlorohydrin
EP0537846B1 (en) * 1991-10-10 1996-03-27 Shell Internationale Researchmaatschappij B.V. Production of dichlorohydrin
TW283140B (ja) * 1992-12-11 1996-08-11 Shell Internat Res Schappej Bv

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011213716A (ja) * 2010-03-15 2011-10-27 Mitsubishi Chemicals Corp ポリアリルオキシ化合物の製造方法及びポリグリシジルオキシ化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ES2130632T3 (es) 1999-07-01
KR970704654A (ko) 1997-09-06
TW372231B (en) 1999-10-21
PL179354B1 (pl) 2000-08-31
DE69509392T2 (de) 1999-10-28
US5723703A (en) 1998-03-03
JP3766436B2 (ja) 2006-04-12
KR100348942B1 (ko) 2002-11-23
CN1088052C (zh) 2002-07-24
DE69509392D1 (de) 1999-06-02
PL318353A1 (en) 1997-06-09
EP0773915B1 (en) 1999-04-28
EP0773915A1 (en) 1997-05-21
WO1996003362A1 (en) 1996-02-08
CN1153507A (zh) 1997-07-02
CA2195536A1 (en) 1996-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020023571A (ja) 塩素化された炭化水素を作る方法
CN110483233B (zh) 制备1,1,3,3-四氯丙烯的方法
JP3766436B2 (ja) 塩化アリルの精製
US5792893A (en) Method for the manufacture of 1,1,1,3,3,3-hexachloropropane
JP2007535577A (ja) ハロオレフィンの調製
JP2007016048A (ja) ジフルオロメタンの精製
US20190202759A1 (en) Processes for the dehydrochlorination of a chlorinated alkane
CA2535640C (en) Method for reusing heavy end by-products in the manufacture of polychlorinated alkanes
JP2828775B2 (ja) 1,1―ジクロロ―1―フルオロエタンの製造法
HU191194B (en) Process for producing of 1,2 diclore-ethan
KR100281797B1 (ko) 디클로로히드린의 생성 방법
US4263269A (en) Removal of organic contaminants from aqueous hydrochloric acid
US6174415B1 (en) Chlorinating side chains of aromatic compounds
EP0849253A1 (en) Process for producing benzoyl chlorides
US4045502A (en) Process for producing high purity para-chlorobenzotrifluoride
JP4432187B2 (ja) 1,2−ジクロルエタンの回収方法
US20040204619A1 (en) Method for producing isopropyl chloride for use as a foam-blowing agent
US5346594A (en) Process for the purification of 1,1-dichloro-1-fluoroethane
EP0305288B1 (fr) Procédé d'élimination du chlore
KR100251504B1 (ko) 디클로로히드린의 생성방법
TW202417404A (zh) 1,2,3,4-四氯-1,1,2,3,4,4-六氟丁烷的製造方法
JP3852525B2 (ja) オクタクロロシクロペンテンの製造方法
JPS6379843A (ja) α,α’−ジクロロキシレンの製造方法
EP0971777A1 (en) METHOD FOR RECOVERING ALKANOLS FROM AQUEOUS HBr SOLUTIONS
JP2002255871A (ja) 1,2−ジクロロエタンの精製法及び精製された1,2−ジクロロエタン

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140203

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term