JP2007535577A - ハロオレフィンの調製 - Google Patents

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Abstract

少なくとも一つの不純物を形成する1以上の副反応を最少限にするためハロオレフィンを調製するための方法であって、この方法は、ハロゲン化した炭化水素を、前記ハロゲン化した炭化水素を脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、溶媒中に溶解した金属脱ハロゲン化剤と接触させて、前記ハロオレフィンと少なくとも1種の不純物を含む生成物流れを生成させることを含み、前記金属脱ハロゲン化剤はある平均粒子サイズの範囲内の平均粒子サイズを有し、前記生成物流れの前記不純物の濃度は前記範囲内では本質的に一定であり、また前記範囲未満では著しく増大する、前記方法。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明はハロゲン含有化合物の脱ハロゲン化に関する。その見地の一つにおいて、本発明はハロゲン化有機化合物の脱塩素化に関する。そのさらに特定の見地の一つにおいて、本発明は、トリフルオロトリクロロエタンを脱塩素化してクロロトリフルオロエチレンを生成させることに関する。
発明の背景
工業的にかなり重要な中間化合物は、飽和ハロカーボン類の脱ハロゲン化によって調製される。例えば、ポリトリフルオロクロロエチレンは、トリフルオロトリクロロエタンの脱塩素化によって調製される中間体であるトリフルオロトリクロロエチレンの重合によって調製される。
周知のプロセスにおいて、クロロトリフルオロエタン(CTFE-1113)は、ハロゲン化出発物質、特にトリクロロトリフルオロエタン(CFC-113)を亜鉛末などの金属脱ハロゲン化剤と反応させることによって生成される。(この特定の反応において、反応の副産物として塩化亜鉛が生成する。)亜鉛末は、メタノールなどの溶媒中に溶解または懸濁させ、亜鉛のための担体として作用する。具体的には、メタノールを攪拌される容器に充填し、次いで、このメタノールを入れた容器に亜鉛末が移されてスラリーが形成される。次いで、この亜鉛/メタノールのスラリーは、攪拌される反応容器にバッチとして充填され、これにCFC−113が連続的にわずかに過剰に供給され、それによって蒸気生成物流れが生成する。
この生成物流れは、主としてCTFE−1113と、その主要な不純物である1,2-ジクロロ-1,1,2-トリフルオロエタン(HCFC-123a)、トリフルオロエテン(HFC-1123)、1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエタン(CFC-133a)、および未反応のCFC−113とメタノールからなる。CFC−113とメタノールは蒸留によって取り出され、そして反応器へ再循環される。残りの不純物は複数の蒸留工程によって除去され、そして最終的に硫酸吸収とモレキュラーシーブ吸着によって最終生成物に達する。適当な量のCFC−113が亜鉛のバッチへ供給された後に反応器の中に残っている有機物質は、蒸発分離されて、収量回収(yield recovery)のために回収される。塩化亜鉛、メタノールおよび未反応の亜鉛を含む残りの使用済みのバッチは容器内へ排出されて、さらなる処理を受ける。具体的には、塩化亜鉛とメタノールは複数の蒸留工程と蒸発工程で処理され、その後、塩化亜鉛は最終生成物の貯蔵箇所へ送り込まれ、そしてメタノールはその後のバッチにおいて使用するために再循環される。
未反応の亜鉛は容器内に残り、これは固体の廃棄物流れとして定期的に除去しなければならない。典型的には、亜鉛の20%ほどがこのプロセスにおいて未反応のものとなり、これが収量の損失と廃棄物流れを除去して廃棄するためのかなりのコストの原因となるだろう。従って、未反応の亜鉛とHFC−1123などの不純物の量を減少させる必要がある。本発明は、とりわけこの必要を満たすものである。
発明の概要
作用剤(agent)の粒子サイズを減少させるとその有効表面積が増大し、それによって収量(yield)が改善する、ということが一般に認められている。従来の知識に反して、ある点以上作用剤の粒子サイズを減少させると、転化率の顕著な増大は得られないが、その代わりに副反応の速度が増大し、特に2以上の工程を含む副反応の速度が増大することを出願人は見出した。副反応とそれが形成する不純物の増大は、生成物の品質仕様を満たすことを困難にし、また蒸留による収量の損失を増大させる。
この発見された現象についていかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、副反応、特に2以上の工程を含む副反応は、主たる脱ハロゲン化反応よりも、増大した表面積を有する作用剤による利益を得るものと、出願人は考えている。言い換えると、多段階の副反応は、主たる反応よりも、作用剤の有効表面積における変化に対してより敏感である。本発明は、主たる反応と副反応の間の粒子サイズ感度におけるこの相違を利用する。作用剤のサイズを、受け入れ可能な収量を達成するのに必要とされる大きさよりも小さくならないように調整することによって、副反応を最小限にすることができ、それにより廃棄物が低減することができる。
副反応を最少限にすることに加えて、通常用いられるよりもわずかに大きな粒子の作用剤を用いると、作用剤と反応物質の全体的な加工性(processability)が改善されることが見出された。すなわち、それに対して、粒子のより小さいサイズは、その材料が「固まる(clump)」傾向があるため、取り扱いの困難さが増大する傾向をもたらし、その結果、配管や容器が詰まるためプロセス中断時間が生じる。
出願人はまた、より小さい粒子の作用剤には典型的には割増し料金があるため、通常の粒子サイズよりも大きい粒子サイズの作用剤を用いることによって一定の経済性が実現しうる、ということを見出した。例えば、亜鉛に関して、約5ミクロンを超えるサイズは、塗料における顔料には適していないので高品質であるとみなされず、従って低廉なものである。
従って、本発明の一つの面は、適当な収量を提供するのに十分に小さいが、主要な脱ハロゲン化反応を上回る副反応を促進するほどには小さくない、平均粒子サイズを有する作用剤を用いる脱ハロゲン化によって、ハロオレフィンを調製するための方法である。好ましい態様において、この方法は、ハロゲン化炭化水素を、このハロゲン化炭化水素が脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、溶媒中に溶解した金属脱ハロゲン化剤と接触させて、ハロオレフィンと不純物を含む生成物流れを生成させることを含み、前記金属脱ハロゲン化剤がある平均粒子サイズの範囲内の平均粒子サイズを有し、前記生成物流れ中の不純物の濃度が前記の範囲内の平均粒子サイズに関して本質的に一定であり、かつ前記範囲を下回る平均粒子サイズに関して著しく増大する。
本発明の別の面は、適当な収量を提供するのに十分に小さいが、主要な脱ハロゲン化反応を上回る副反応を促進するほどには小さくはない粒子サイズを有する作用剤を用いることによって、HFC-1123の生成を最少限にしながらCFC-113を生成させることに向けられた方法である。特に好ましい態様において、前記方法は、前記CFC−113を脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、CFC−113を溶媒中に溶解した亜鉛粒子と接触させてCTFE−1113を生成することを含み、前記亜鉛粒子が約5ミクロンよりも大きい平均粒子サイズを有する。
好ましい態様の詳細な説明
本発明によれば、ハロオレフィンを調製するための方法が、少なくとも1種の不純物を形成する1以上の副反応を最少限にするために開示される。好ましい態様において、前記方法は、ハロゲン化した出発物質を、このハロゲン化した出発物質を脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、溶媒中に溶解した金属脱ハロゲン化剤と接触させて、ハロオレフィンと不純物を含む生成物流れを生成することを含む。金属脱ハロゲン化剤はある平均粒子サイズの範囲内の平均粒子サイズを有し、前記生成物流れの不純物の濃度はこの範囲内では本質的に一定であり、またこの範囲未満では著しく増大する。
別の好ましい態様において、前記方法は、適当な収量を提供するのに十分に小さいが、主要な脱ハロゲン化反応を上回る副反応を促進するほどには小さくはない粒子サイズを有する作用剤を用いて、HFC−1123の生成を最少限にしながらCFC−113を生成させることを含む。特に好ましい態様において、前記方法は、CFC−113を脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、前記CFC−113を、溶媒中に溶解した亜鉛粒子と接触させてCTFE−1113を生成させることを含み、前記亜鉛粒子は約5ミクロンよりも大きな平均粒子サイズを有する。
本明細書で用いる場合、「ハロゲン化した出発物質」という用語は、1分子当り少なくとも3つのハロゲン原子を含み、かつ1つの脱ハロゲン化を受けたとき、1分子当り少なくとも1つのハロゲン原子を含むハロオレフィンを生成する、任意のハロゲン化炭化水素またはハロカーボンを指す。本明細書で用いる場合、「ハロゲン化炭化水素」は、任意の飽和度をもつ、炭素、水素およびハロゲンの化合物であると定義される。ハロゲンは好ましくはフッ素と塩素から選択される。本明細書で用いる場合、「ハロカーボン」は、任意の飽和度をもつ、実質的に炭素とハロゲンのみからなるハロゲン化炭化水素化合物であると定義される。好ましいハロゲン化した出発物質は、トリクロロトリフルオロエタン(CFC−113)、トリクロロエタン、ジクロロジフルオロエタン、およびジクロロテトラフルオロエタンを含む。最も好ましくは、出発物質はCFC−113であり、これはHoneywell(Morristown, NJ(ニュージャージー州モリスタウン))から商業的に入手できる。
本明細書で用いる場合、「ハロオレフィン」は、不飽和のハロカーボンまたはハロゲン化炭化水素であって、任意の不飽和度をもつ、そして炭素の原子より1以下の塩素原子を有するものとして定義される。好ましいハロオレフィンは、トリフルオロトリクロロエタンから生成されるクロロトリフルオロエチレン(CTFE−1113)、トリクロロエタンから生成される塩化ビニル、ジクロロジフルオロエタンから生成されるジフルオロエチレン、およびジクロロテトラフルオロエタンから生成されるテトラフルオロエチレンを含む。最も好ましくは、ハロオレフィンはCTFE−1113である。
スズ、マグネシウム、鉄、亜鉛、およびアルミニウムなど、多くの周知の金属脱ハロゲン化剤を用いることができる。亜鉛は好ましい脱ハロゲン化剤である。このような作用剤は、US Zinc(Houston, TX(テキサス州ヒューストン))など、多くの供給元から商業的に入手できる。典型的には、そのような作用剤の供給会社は、それらを様々なグレードと粒子サイズで提供している。本明細書で用いる場合、「平均粒子サイズ」または「粒子サイズ」という用語は、粒子の平均の直径を指し、これは当分野で周知の手段によって測定される。上で述べたように、作用剤の粒子サイズは本発明において非常に重要であり、これを以下にさらに詳細に説明する。
好ましくは、前記作用剤は溶媒と混合されて、不均質であるかあるいは均質な混合物を形成する。様々な溶媒を用いることができるが、一般に、前記溶媒は前記ハロゲン化された出発物質と混和性であるべきであり、また脱ハロゲン化反応において金属脱ハロゲン化剤によって形成される金属ハロゲン化物を溶解することができなければならない。適当な溶媒は、メタノールとエタノールを含む。メタノールは特に好ましい溶媒である。
ハロゲン化された出発物質は、適当な条件の下、溶媒と金属脱ハロゲン化剤の存在下で脱ハロゲン化されて、ハロオレフィンを生成することができる。これらの条件は周知であり、例えば米国特許番号2,754,336や同じく5,124,494に記載されていて、両者の記載は本明細書中に参考文献として援用される。例示の目的として、本発明の実施は、トリフルオロトリクロロエタンを脱塩素化してクロロトリフルオロエチレンを生成させることに関して記載されるだろう。しかし、本発明の方法は、任意のハロオレフィンの生成に同様に適切に適用することができる、ということが理解されるべきである。例えば、トリクロロエタンは塩化ビニルに、ジクロロジフルオロエタンはジフルオロエチレンに、そしてジクロロテトラフルオロエタンはテトラフルオロエチレンに脱ハロゲン化することができる。
本発明の方法は、連続式の操作と回分式の操作のいずれにも適用することができる。連続式の操作においては、ボトムの一部、または「スラリー」が脱ハロゲン化領域に導入されて反応が開始される。前記プロセスの上記の成分のうちの1以上の添加前に、またはそれと同時に、あるいはその後に、前記スラリーは、脱ハロゲン化される物質、金属脱ハロゲン化剤および溶媒と混合される。前記スラリーは好ましくは、任意の便宜な手段によって、脱ハロゲン化される物質の添加前に混合される。
ボンベ式または回分式の操作においては、スラリーは、脱ハロゲン化領域に導入されて反応が開始される。前記プロセスの成分のうちの1以上を添加する前に、またはそれと同時に、あるいはその後に、前記スラリーは、脱ハロゲン化される物質、金属脱ハロゲン化剤および溶媒と混合される。前記スラリーは好ましくは、任意の便宜な手段によって、脱ハロゲン化される物質の添加前に混合される。
意外なことに、粒子のサイズの範囲が、収量を最適にすることに重要であることを、出願人は発見した。具体的には、粒子サイズをある一定の下限を下回って減少させると、転化率の顕著な増大の結果とはならないが、むしろ副反応の速度が増大し、特に2つ以上の工程を含む副反応の速度が増大することを出願人は見出した。同様に、粒子サイズをある一定の上限を超えて増大させると不純物の形成における相当する減少を伴わず、減少した収量の結果になることを出願人は見出した。従って出願人は、これらの下限と上限の間にある平均の粒子サイズ(ここでは、「粒子サイズ範囲」と呼ぶ。)を有する作用剤を用いることによって最適の結果が得られることを提示する。これら上限と下限についての以下の説明において、「不純物」に言及がなされる。この文脈において用いられる、「不純物」という用語は、2段階の反応によって形成される不純物を指す。そのような不純物の例はHFC−1123である。
平均粒子サイズの範囲の下限は、図1に示される平均粒子サイズ対不純物濃度のプロットを参照することによって確認することができる。このプロットは、CFC-113の調製に特別なものであり、この場合、1以上の副反応によって不純物として少なくともHFC−1123が形成されるが、しかし、上述したように、本発明はこの特定の反応には限定されない。このプロットは、二つの異なる部分、すなわち不純物の濃度が低い部分Aと、不純物の濃度がかなり高い部分Bを示している。この出願が準備された時点では、部分Aと部分Bの間の平均粒子サイズについての不純物濃度についてはデータを入手することができなかったが、点線で示すように急激な増大があると出願人は考えている。
部分Aについては、HFC−1123不純物濃度は、本質的に一定である。言い換えると、部分Aにおいて、HFC−1123不純物の濃度は平均の不純物濃度の値からわずかに+/−15%だけ変動する。この特定のプロットにおいて、部分Aに沿っての不純物の濃度はわずかに10%だけ変動する。部分Aの下限は、一つの態様における範囲の下限を定める。この態様において、その下限は5ミクロンよりも大きく、そして好ましくは約6ミクロンである。
図1のプロットの部分Bは、HFC−1123不純物濃度の急激な増大を示す。具体的には、HFC−1123不純物濃度は、6ミクロンの平均粒子サイズにおける300ppmから5ミクロンの平均粒子サイズにおける800ppmへと、著しくかつ予想を超えて増加する。発見されたこの現象についていかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、主たる脱ハロゲン化反応よりも副反応の方が作用剤の有効表面積における変化に対してより敏感であると、出願人は考えている。別の態様において、前記範囲の下限は、部分Bの上であると定義されるかもしれない。本発明は、主要反応と副反応の間の粒子サイズ感度におけるこの相違を利用する。作用剤のサイズを、受け入れ可能な収量を達成するのに必要とされる大きさよりも小さくならないように調整することによって、前記副反応を最少限にすることができ、それにより廃棄物を低減させることができる。例えば、図1に示すCFC−113の生成において、約5ミクロンよりも大きい平均粒子サイズを有する作用剤を用いると、HFC−1123の最少量の生成で非常に高い収率が得られることが見出された。
前記範囲の上限は、ハロオレフィンの収量の実質的な減少がみられる点よりも上である。この文脈において用いられるとき、「実質的な(substantial)」という用語は、この点よりも上では前記反応がもはや経済的に魅力的でないという意味において、プロセスの経済性に大きく依存するだろう。異なる生産者は異なる経済上の制約を有するであろうから、その上限は変動するだろうと考えられる。それにもかかわらず、前記範囲の平均収量からの約5%の収量の低下は相当なものであると考えられる、ということが一般に認められる。CFC−113の生成において、約12ミクロンの平均粒子サイズにおける87%から82%への収量の低下(約6%の低下)は相当なものであると考えられる。従って、この態様における上限は、約12ミクロン未満である。
ここで、説明する目的のために、平均粒子サイズの範囲の下限を「x」と表示し、そして上限を「y」と表示する。上述したように、下限xは、不純物の形成において著しい増大がみられる点より下であるとして定義され、前記範囲内にある平均粒子サイズに関して形成される不純物の濃度は本質的に一定であり、そして上限yは、ハロオレフィンの形成において実質的な減少がみられる点より上であるとして定義され、前記範囲内にある平均粒子サイズに関して形成されるハロオレフィンの収量は本質的に一定である。好ましくはx≦2yであり、より好ましくはx≦1.5yである。
平均粒子スサイズ範囲の下限に関して、好ましい態様において、そのサイズ範囲の下限よりも約25%下へ平均粒子サイズが低下すると、この範囲での不純物の形成と比較して、不純物の形成は少なくとも1.5倍増大し、より好ましくは少なくとも2倍、さらに好ましくは少なくとも2.5倍増大する。一つの好ましい態様において、そのサイズ範囲の下限よりも約25%下へ平均粒子サイズが低下すると、ハロオレフィンの形成の著しい増大は起こらない。一つの好ましい態様において、平均粒子サイズ範囲の下限は約5ミクロンよりも大きく、好ましくは約6ミクロンであり、より好ましくは約7ミクロンである。
上限に関して、好ましい態様において、そのサイズ範囲の上限よりも約25%上へ粒子サイズが増大すると、ハロオレフィンの形成は少なくとも5%減少する。一つの好ましい態様において、平均粒子サイズ範囲の上限は約12ミクロン未満であり、好ましくは約8ミクロンであり、より好ましくは約9ミクロンである。
以上の開示に照らして、本発明の一つの特に好ましい態様は、1以上の副反応の副生物(例えばHFC−1123)を最少限にするためCTFE−1113を調製するための方法である。この方法は、CFC−113を脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、CFC−113を、溶媒中に溶解した亜鉛粒子と接触させて、CTFE−1113を生成させることを含み、前記亜鉛粒子は約6〜9ミクロンの平均粒子サイズを有する。
本発明を例証する目的のために、以下の非限定的な実施例が、2つの比較例とともに提示される。
実施例1
この実施例は、好ましい平均粒子サイズ範囲内の平均粒子サイズを有する作用剤を用いることによって実現する高い収量と比較的低い不純物形成を例証する。
7ミクロンの平均粒子サイズを有するUS Zinc(Houston, TX)からの1500lbs(ポンド)の標準グレードの亜鉛末を、メタノールを用いて、亜鉛対メタノールの比率を1:3として攪拌することによってスラリーにした。次いで、このスラリーを1000ガロンの反応器に充填した。反応器を150°Fおよび22psigに維持した。Honeywell(Morristown, NJ)からの高純度のCFC−113(99.9%の純度)を、2〜3ガロン/分の速度で2〜3時間にわたって過剰に添加した。生成物であるCTFE−1113とその不純物が生成物蒸気流れとして回収され、そして標準の蒸留を用いて回収された。捕捉された生成物の量とバッチに充填された亜鉛の量を用いて亜鉛末の転化率(収量)を測定した。亜鉛についての転化率(収量)は87%であった。HFC−1123はCTFE−1113中に300ppmの濃度で形成され、これは製品の仕様を満足した。
実施例2
この実施例は、好ましい平均粒子サイズ範囲内の平均粒子サイズを有する作用剤を用いることによって実現する高い収率と比較的低い不純物形成を例証する。
この実験は実施例1と本質的に同様にして実施されたが、ただし亜鉛末は6ミクロンの粒子サイズを有していた。この亜鉛末を、メタノールを用いてスラリーにし、そして反応器に充填した。CFC−113を過剰に添加し、そして生成物であるCTFE−1113とその不純物を製品として回収した。捕捉された生成物の量とバッチに装填された亜鉛の量を用いて亜鉛末の転化率(収量)を測定した。亜鉛についての転化率(収量)は87.5%であった。HFC−1123はCTFE−1113中に300ppmの濃度で形成され、これは製品の仕様を満足した。
比較例1
この実施例は、好ましい平均粒度の範囲の上限を超える平均粒子サイズを有する作用剤を用いると、ハロオレフィンの収率が低下して、そのときそれに比例した不純物の低下を伴わないことを例証する。
この実験は実施例1と本質的に同様にして実施されたが、ただし亜鉛末は12ミクロンの粒子サイズを有していた。この亜鉛末を、メタノールを用いてスラリーにし、そして反応器に充填した。CFC−113を過剰に添加し、そして生成物であるCTFE−1113とその不純物を製品として回収した。捕捉された生成物の量とバッチに装填された亜鉛の量を用いて亜鉛末の転化率(収量)を測定した。亜鉛についての転化率(収量)は82%であった。HFC−1123はCTFE−1113中に300ppmの濃度で形成され、これは製品の仕様を満足した。
従って、上限を超える平均の亜鉛粒度の使用はCTFE−1113の収率を低下させ、一方、HFC−1123の形成は、ほぼ同じ程度のままである。
比較例2
この実施例は、好ましい平均粒子サイズ範囲の下限よりも小さな平均粒度を有する作用剤を用いると、不純物の形成が増大して、そのときそれに比例したハロオレフィンの形成の増大を伴わないことを例証する。
この実験は実施例1と本質的に同様にして実施されたが、ただし亜鉛末は4ミクロンの粒子サイズを有していた。この亜鉛末を、メタノールを用いてスラリーにし、そして反応器に充填した。CFC−113を過剰に添加し、そして生成物であるCTFE−1113とその不純物を製品として回収した。捕捉された生成物の量とバッチに装填された亜鉛の量を用いて亜鉛末の転化率(収量)を測定した。亜鉛についての転化率(収量)は87%であった。HFC−1123は800ppmの濃度で形成されたが、これは製品の仕様よりもかなり高く、また現行の蒸留装置がCTFE−1113を精製することのできる範囲を超えていた。この試験を行なう間の亜鉛系統における処理ラインの詰まりも認められた。
従って、下限よりも小さな平均の亜鉛粒度の使用はHFC−1123の形成を増大させ、一方、CTFE−1113の形成は、ほぼ同じ程度のままである。
図1は、副反応によって不純物としてHFC−1123が形成される反応についての平均粒子サイズと不純物濃度の関係を示すグラフである。

Claims (18)

  1. 少なくとも1種の不純物を形成する1以上の副反応を最少限にするハロオレフィンを調製するための方法であって、前記方法が、ハロゲン化した炭化水素を、前記ハロゲン化した炭化水素が脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、溶媒中に溶解した金属脱ハロゲン化剤と接触させて、前記ハロオレフィンおよび少なくとも1種の不純物を含む生成物流れを生成させることを含み、前記金属脱ハロゲン化剤がある平均粒度の範囲内の平均粒子サイズを有し、前記生成物流れの前記不純物の濃度が前記範囲内では本質的に一定であり、かつ前記範囲未満では著しく増大する、前記方法。
  2. 前記生成物流れにおける前記ハロオレフィンの収量パセンテージが、前記範囲内では本質的に一定であり、かつ前記範囲を超えると実質的に低下する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記範囲の下限よりも約25%低い平均粒子サイズが、前記範囲での不純物の濃度と比較して、不純物の濃度を少なくとも1.5倍増大させる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記範囲の下限よりも約25%低い平均粒子サイズが、前記ハロオレフィンの形成において本質的に増大の結果にならない、請求項1に記載の方法。
  5. 前記範囲の上限を約25%超える平均粒子サイズが、前記生成物流れにおける前記ハロオレフィンの収量を少なくとも約5%減少させる、請求項2に記載の方法。
  6. 前記不純物が、多段階の副反応において形成される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記範囲の下限が、約5ミクロンよりも大きい、請求項1に記載の方法。
  8. 前記範囲の上限が、約9ミクロンである、請求項2に記載の方法。
  9. 前記範囲が、約7〜約8ミクロンである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ハロゲン化出発物質が、トリクロロトリフルオロエタン(CFC-113)、トリクロロエタン、ジクロロジフルオロエタン、およびジクロロテトラフルオロエタンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ハロゲン化した出発物質は、トリクロロトリフルオロエタンである、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ハロオレフィンが、クロロトリフルオロエチレン、塩化ビニル、ジフルオロエチレン、およびテトラフルオロエチレンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ハロオレフィンが、クロロトリフルオロエチレンである、請求項1に記載の方法。
  14. 前記脱ハロゲン化剤が、スズ、マグネシウム、鉄、亜鉛、およびアルミニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記脱ハロゲン化剤が、亜鉛である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記不純物が、HFC−1123である、請求項1に記載の方法。
  17. 少なくともHFC−1123を生成する1以上の副反応を最少限にするCFC-113を調製する方法であって、前記方法が、CFC−113を、前記CFC−113を脱ハロゲン化するのに十分な条件下で、溶媒中に溶解した亜鉛粒子と接触させてCTFE−1113を生成させることを含み、前記亜鉛粒子が約5ミクロンよりも大きくかつ約9ミクロンまでの平均粒子サイズを有する、前記方法。
  18. 前記亜鉛粒子が、約7〜約8ミクロンの平均粒子サイズを有する、請求項17に記載の方法。
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